JP3305189B2 - カラー表示装置及び該カラー表示装置の製造方法 - Google Patents

カラー表示装置及び該カラー表示装置の製造方法

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JP3305189B2
JP3305189B2 JP5214596A JP5214596A JP3305189B2 JP 3305189 B2 JP3305189 B2 JP 3305189B2 JP 5214596 A JP5214596 A JP 5214596A JP 5214596 A JP5214596 A JP 5214596A JP 3305189 B2 JP3305189 B2 JP 3305189B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくともカラー
フィルタと遮光手段とを備えたカラー表示装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、液晶表示素子や、プラズマ表
示素子、さらにはEL表示素子等によるカラー表示装置
は種々提案されている。これらのカラー表示装置は、3
原色(赤、緑、青)のカラーフィルタを備えており、こ
れらの3原色の組み合わせによって種々の色を表示する
ように構成されている。また、これらのカラーフィルタ
の境界部には遮光膜(ブラックマトリクス)が設けられ
ており、色の混ざり等の防止、及びコントラストの向上
が図られている。
【0003】ところで、この遮光膜の材質に関しては種
々提案されており、特開平4−240818号公報等に
は、Cr,Al,Ta,Ni,Ti等の金属膜を遮光膜
として用いた透過型のカラー液晶表示素子が開示されて
いる。そして、バックライト装置からの光(以下、“バ
ックライト光”とする)がこれらの金属膜によって適正
に遮光されるように構成されている。
【0004】しかし、この遮光膜は反射性に優れた金属
製であるため、液晶表示素子を屋外などの明るい場所で
使用した場合には、観察側からの光(バックライト光と
は逆方向の光であり、以下“外光”とする)が遮光膜に
よって反射され、表示が見にくくなってしまうという問
題があった。
【0005】特開平2−144525号公報等において
は、反射率の低い金属酸化膜を観察側(外光の入射する
側)に配置して、遮光膜を金属酸化膜と金属膜との積層
構造とし、外光の反射を低減して表示内容の視認を容易
にした液晶表示素子が提案されている。なお、遮光膜を
金属膜との積層構造としたのは、金属酸化膜自体は光吸
収係数が小さく、それ自体では外光やバックライト光を
透過してしまうため、遮光を完全にするためである。こ
こで、遮光膜には、Cr,Al,Ta等の金属が用いら
れている。
【0006】また、可染性の合成樹脂をパターニングし
て黒色染料で染色する方法や、印刷法によって塗布した
黒色インキをパターニング形成する方法なども提案され
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のよう
な合成樹脂を黒色染料で染色して遮光膜を形成する方法
や、黒色インキによって遮光膜を形成する方法では、薄
膜では十分な遮光性が確保されない場合があった。ま
た、特に後者の場合には、パターン精度や位置合せ精度
が悪いという問題もあった。
【0008】一方、遮光膜を金属酸化膜と金属膜との積
層構造とした場合には、フォトリソグラフィ法にてパタ
ーニング(エッチング)を行なうが、両膜の耐エッチン
グ性が異なるために遮光膜幅が一定とはならず、その結
果、金属酸化膜と金属膜との間に段差が生じてしまい、
パターン形状が適正なものとならず種々の問題を生じて
いた。
【0009】また、外光反射を低減するためには、成膜
工程において、金属酸化膜の消衰係数kを適正な範囲内
になるように酸素含有量を適正値に制御する必要がある
が、Cr等の金属が酸素に対して非常に活性であるため
にその制御は困難であり、適正な品質のカラー表示装置
を得るのが困難であった。その結果、製品の歩留りが悪
くなり、製造コストが上昇してしまうという問題があっ
た。
【0010】本発明は、上記事情を考慮してなされたも
のであり、高精度で低反射率であり且つ安定して形成可
能なカラーフィルタ基板及びこれを用いたカラー表示
を提供することを目的とする。
【0011】そこで、本発明は、透明基板を透過してき
た光の第1層による反射や透過を低減し、特に屋外等の
明るい場所における表示品位が向上されるカラー表示装
置を提供することを目的とするものである。
【0012】また、本発明は、遮光手段を金属と該金属
の炭酸化物とによって構成することにより、エッチング
の際における段差の発生を防止するカラー表示装置を提
供することを目的とするものである。
【0013】
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述事情に鑑
みなされたものであって、透明基板と、該透明基板上に
所定の間隙を開けて配置された多数のカラーフィルタ
と、これらカラーフィルタの間隙に形成された遮光手段
と、を備え、前記カラーフィルタを透過する光の組み合
わせにより種々の情報をカラー表示してなるカラー表示
装置において、前記遮光手段が、前記透明基板上に形成
される第1層と、金属によって該第1層を覆うように形
成される第2層と、該第2層を覆うように形成される第
3層と、からなり、該第1層及び第3層が金属炭酸化膜
である、ことを特徴とする。この場合、前記第1層にお
ける炭素及び酸素のそれぞれの含有量が、該層の厚さ方
向にわたってほぼ均一である、ようにしても良い。ま
た、前記第1層における炭素及び酸素のそれぞれの含有
量が、前記透明基板の側から前記第2層の側にかけてそ
の厚さ方向に減少する、ようにすると好ましい。また、
前記第3層が、Mo、Ti、W及びこれらの合金のいず
れかの金属の炭酸化膜であるようにすると好ましい。一
方、本発明は、透明基板と、該透明基板上に所定の間隙
を開けて配置された多数のカラーフィルタと、これらカ
ラーフィルタの間隙に形成された遮光手段と、を備え、
前記カラーフィルタを透過する光の組み合わせにより種
々の情報をカラー表示してなるカラー表示装置におい
て、前記遮光手段が、前記透明基板上に形成される第1
層と、金属によって該第1層を覆うように形成される第
2層と、からなり、前記第1層が、Moの炭酸化膜又は
Mo合金の炭酸化膜にて形成され、かつ、前記第2層が
Mo又はMo合金にて形成される、ことを特徴とする。
【0015】
【0016】[作用] 以上構成に基づき、カラー表示装置を駆動すると、カラ
ーフィルタを透過するの組み合わせにより種々の情報
がカラー表示される。一方、透明基板の側から外光が照
射されても、前記遮光手段の第1層は金属炭酸化膜によ
って形成されているため、主として前記第1層が外光の
反射を低減するべく機能し、また一方、遮光手段は、金
属によって形成された第2層を有しているため、バック
ライト光や外光の透過が抑制されるべく機能する。さら
に、金属炭酸化膜によって第3層が形成されているた
め、バックライト光の反射も抑制でき、該反射光による
カラー表示装置の誤動作を防止できる。こうしてカラー
表示装置によって低反射化と遮光性の向上がバランス良
く同時に実現される。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面に沿って、本発明の実
施の形態について説明する。
【0018】まず、本発明の第1の実施の形態につい
て、図1乃至図3に沿って説明する。
【0019】本実施の形態に係るカラー液晶表示素子
(カラー表示装置)1は、図1に示すように、透明なガ
ラス基板(透明基板)2を備えている。このガラス基板
2は、その両面が研磨されて平滑にされており、その厚
さは1mmである。なお、本実施の形態においては、コ
ーニング社製の #7059や、青板ガラスが用いられて
いる。
【0020】また、ガラス基板2の表面には、図2に詳
示するように、2層構造の遮光膜(遮光手段)3,…が
所定間隙を開けて形成されおり(詳細は後述)、それら
の間隙には、顔料分散タイプの赤、緑、青のフィルタ
(以下、“カラーフィルタ”とする)5,…が多数形成
されている。さらに、これらの遮光膜3,…やカラーフ
ィルタ5,…は、ポリアミド系樹脂又はシロキサン系、
シリカ系の保護膜6によって被覆されており、この保護
膜6の表面には、多数の帯状電極7,…が形成されてい
る。
【0021】一方、このガラス基板2に対向する位置に
は、同材質の対向基板9が配置されており、この対向基
板9の表面には、多数の帯状電極10,…が形成されて
いる。そして、これらの両基板2,9の間には液晶11
が挟持されて、カラー液晶表示素子1が構成されてい
る。
【0022】また、本実施の形態においては、遮光膜
3,…の第1層(ガラス基板2に接する側の層をいい、
以下“金属炭酸化膜”とする)3a,…は、炭素及び酸
素の両方を含有するMoTa合金(15wt%)によっ
て形成されており、第2層(以下“金属膜”とする)3
b,…はMoTa合金(15wt%)によって形成され
ている。なお、本実施の形態においては、金属炭酸化膜
3a,…及び金属膜3b,…の光学定数は表1に示す通
りである。なお、表1に示す値は、波長が550nmの
光を当ててエリプソメータにより測定したものである。
【0023】
【表1】 また、金属炭酸化膜3a,…の膜厚は63.5nmと
し、金属膜3b,…の膜厚は82.5nmとしている。
【0024】次に、液晶表示素子1の製造方法、特に遮
光膜3,…の製造方法について説明する。
【0025】まず、液晶表示素子1の製造に際してはガ
ラス基板2を十分に洗浄する。そして、洗浄したガラス
基板2をスパッタリング成膜装置にセットする。なお、
本実施の形態においては、直流マグネトロンスパッタ装
置を使用している。 〈金属炭酸化膜3aの形成(第1層形成工程)〉スパッ
タリングターゲットをMoTa(15wt%)合金と
し、ArとCO2との混合ガスを雰囲気ガスとして、反
応性スパッタリングを行なっている。また、スパッタ条
件は表2に示す条件を用いた。
【0026】
【表2】 なお、このスパッタリングにより、酸素や炭素のそれぞ
れの含有量は、金属炭酸化膜3aの厚さ方向にわたって
ほぼ均一なものとなる。 〈金属膜3bの形成(第2層形成工程)〉スパッタリン
グターゲットをMoTa(15wt%)合金とし、雰囲
気ガスにはArガスを使用し、反応性スパッタリングを
行なっている。また、スパッタ条件は表3に示す条件を
用いた。
【0027】
【表3】 〈その他〉遮光膜の表面には、フォトリソグラフィ法に
よってレジストパターンを形成し、エッチング液により
パターニングを行なって、所定間隙を有する遮光膜3,
…を形成する。なお、エッチング液には、H3 PO4
HNO3 CH3 COOHからなる混酸エッチング液を使
用した。
【0028】そして、カラーフィルタ5や保護膜6、さ
らには電極等が形成され、ガラス基板2と対向基板9と
は貼り合わせられる。その後、液晶11が注入されて液
晶表示素子1が製造される。
【0029】次に、本実施の形態の作用について説明す
る。
【0030】いま、液晶表示素子1を駆動すると、不図
示のバックライト装置によって図示Bの側から光(バッ
クライト光)が照射され、カラーフィルタ5,…を透過
するバックライト光の組み合わせにより種々の情報がカ
ラー表示される。一方、外光が図示Aの側から照射され
てガラス基板2を透過しても、金属炭酸化膜3a,…の
反射率は低いため、金属炭酸化膜3a,…による外光の
反射光量は低減される。また、バックライト光や外光は
遮光膜3,…(特に、金属膜3b,…)によって遮光さ
れる。
【0031】次に、本実施の形態の効果について説明す
る。
【0032】本実施の形態によれば、金属炭酸化膜3
a,…の反射率は低いため、外光の金属炭酸化膜3a,
…による反射は低減され、屋外等の明るい場所における
液晶表示素子1の表示品位が向上される。なお、本発明
者が、遮光膜3,…をパターニングする前において、ガ
ラス基板側(図示A側)からの分光反射率特性を測定し
たところ、図3に示すように、可視光線の範囲内(波
長:約400〜700nm)において反射率は10%以
下に抑えられることが確認された。これにより、屋外等
の明るい場所でも高品位の画像を得ることができる。
【0033】また、本実施の形態によれば、遮光膜3,
…は遮光性に優れた金属膜3b,…を有しているため、
バックライト光や外光の透過が抑制される。したがっ
て、従来の黒色染料で染色する方法や、黒色インキを印
刷・パターニングする方法と比べて、上述した低反射特
性に加えて遮光性に優れ、これらの特性のバランスの良
好な表示性能の良い液晶表示素子を得ることができる。
さらに、黒色インキを印刷・パターニングする方法と比
べて位置精度に優れる。
【0034】またさらに、本実施の形態によれば、金属
炭酸化膜3a,…と金属膜3b,…とによって遮光膜
3,…を形成したため、エッチングによる段差がなく、
高精度の遮光膜3,…を得ることができる。
【0035】また、本実施の形態によれば、金属炭酸化
膜3a,…においては、酸素のみを添加する場合に比べ
て、同一成膜条件での消衰係数kのばらつきが小さく、
安定した外光反射特性を得ることができる。そのため、
液晶表示素子1の表示品質も向上され、製造過程におけ
る歩留りも良くなる。
【0036】さらに、本実施の形態においては、Arガ
スとCO2 ガスを用いた反応性スパッタリング法を用い
ているため、制御性、再現性に優れており、容易に特性
の良好な金属炭酸化膜3a,…を得ることができ、かつ
CO2 ガスの供給をストップするだけで容易に金属膜3
b,…を形成でき、製造コストが安くなる。
【0037】ついで、本発明の第2実施の形態につい
て、図4及び図5に沿って説明する。なお、図1及び図
2に示すものと同一部分は同一符号を付して説明を省略
する。
【0038】本実施の形態に係るカラー液晶表示素子
(カラー表示装置)12においては、遮光膜(遮光手
段)13,…は、図4に示すように3層構造となってお
り、金属膜3b,…の表面には、第3層として金属炭酸
化膜3c,…が形成されている。なお、本実施の形態に
おいては、金属炭酸化膜(第1層)3a、金属膜(第2
層)3b及び金属炭酸化膜(第3層)3cの光学定数
(但し、波長550nm)や、膜厚は、表4に示す通り
である。また、金属炭酸化膜(第3層)3cは、金属炭
酸化膜(第1層)3aとほぼ同様の方法によって製造さ
れ、具体的には、炭素及び酸素の両方を含有したMoT
a(15wt%)合金によって金属膜3bを覆うように
形成される。
【0039】
【表4】 また、本実施の形態においては、ガラス基板2及び保護
膜6の屈折率は、共に1.52程度とした。
【0040】さらに、金属炭酸化膜(第1層)3aのス
パッタ条件は、表5に示す通りとした。
【0041】
【表5】 次に、本実施の形態の効果について説明する。
【0042】本実施の形態によれば、金属膜3b,…の
表面(図示B側の表面)に金属炭酸化膜3c,…が形成
されているため、バックライト光の反射が低減され(図
5参照)、該反射に伴う液晶表示素子12の誤動作を防
止できる。なお、本実施の形態においては、ガラス基板
2及び保護膜6の屈折率が共に1.52程度であるた
め、図示A側から測定した分光特性と、図示B側から測
定した分光特性とが、ほぼ同じになる。
【0043】また、本実施の形態においても、上述第1
実施の形態と同様の効果が得られる。すなわち、金属炭
酸化膜3a,…によって外光の反射が低減され、液晶表
示素子12の屋外等の明るい場所における表示品位が向
上される。さらに、外光やバックライト光は遮光膜1
3,…の金属膜3b,…によって遮断されるため、従来
の黒色染料で染色する方法や、黒色インキを印刷・パタ
ーニングする方法と比べて、上述した低反射特性に加え
て遮光性に優れ、バランス良く表示性能の向上した液晶
表示素子12を得ることができる。またさらに、黒色イ
ンキを印刷・パターニングする方法と比べて位置精度に
優れる。また、本実施の形態によれば、遮光膜13,…
は金属膜と金属炭酸化膜との積層構造であるため、エッ
チングによる段差がなく、高精度の遮光膜13,…を得
ることができる。さらに、本実施の形態によれば、金属
炭酸化膜3a,…,3c,…においては、酸素のみを添
加する場合に比べて、同一成膜条件での消衰係数kのば
らつきが小さく、安定した外光反射特性を得ることがで
きる。そのため、液晶表示素子12の表示品質も向上さ
れ、製造過程における歩留りも良くなる。またさらに、
ArガスとCO2 ガスを用いた反応性スパッタリング法
を用いているため、制御性、再現性に優れており、容易
に特性の良好な金属炭酸化膜3a,…,3c,…を得る
ことができ、かつCO2 ガスの供給をストップするだけ
で容易に金属膜3b,…を形成でき、製造コストが安価
になる。
【0044】ついで、本発明の第3実施の形態につい
て、図6に沿って説明する。
【0045】本実施の形態においては、金属炭酸化膜3
a,…を形成する工程(第1層形成工程)にて、Arガ
スの流量を一定にし、CO2 ガスの流量をマスフローに
より流量制御して徐々に減少させ、金属炭酸化膜3a,
…における炭素及び酸素のそれぞれの含有量が、ガラス
基板2の側から金属膜3b,…の側にかけてその厚さ方
向に減少するように構成されている。なお、ここで記載
する以外の構成や製造方法は、第1実施の形態又は第2
実施の形態と同様である。
【0046】ここで、その際のスパッタ条件は、表6に
示す。
【0047】
【表6】 なお、金属炭酸化膜3a,…の膜厚は115nmとし
た。また、金属膜3b,…は、CO2 流量をゼロとして
Arガスのみでスパッタリングを行なうことにより形成
した。ここで、金属膜3b,…の膜厚は50nmとし
た。
【0048】次に、本実施の形態の効果について説明す
る。
【0049】本実施の形態によれば、外光の反射率はよ
り一層低減され、明るい場所での表示品位に優れた液晶
表示素子を得ることができる。図6は、観察側から測定
した分光特性を示したものであるが、図3に示した分光
特性に比べても優れていることが理解できる。
【0050】また、本実施の形態によれば、上述第1実
施の形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、
外光やバックライト光は金属膜3b,…によって遮断さ
れるため、従来の黒色染料で染色する方法や、黒色イン
キを印刷・パターニングする方法と比べて、遮光性に優
れて表示性能の良い液晶表示素子を得ることができる。
また、黒色インキを印刷・パターニングする方法と比べ
て位置精度に優れる。さらに、本実施の形態によれば、
遮光膜は金属膜と金属炭酸化膜との積層構造であるた
め、エッチングによる段差がなく、高精度の遮光膜を得
ることができる。またさらに、本実施の形態によれば、
金属炭酸化膜3a,…においては、酸素のみを添加する
場合に比べて、同一成膜条件での消衰係数kのばらつき
が小さく、安定した外光反射特性を得ることができる。
そのため、液晶表示素子の表示品質も向上され、製造過
程における歩留りも良くなる。また、ArガスとCO2
ガスを用いた反応性スパッタリング法を用いているた
め、制御性、再現性に優れており、容易に特性の良好な
金属炭酸化膜3a,…を得ることができ、かつCO2
スの供給をストップするだけで容易に金属膜3b,…を
形成でき、製造コストが安価になる。
【0051】なお、上述実施の形態においてはMoTa
合金(15wt%)を用いたが、もちろんこれに限る必
要はなく、Mo,Cr,Al,Ta,Ti,W等の金属
を合金でない状態で用いても良く、さらにはMoTa合
金の他のいずれの合金を用いても良い。但し、Mo,C
r,Al,Ta,Ti,Wの炭酸化膜における反射率の
最小値(本発明者が測定したものであり、光の波長は5
50nm)は表7のようになり、特に、Mo及びCrが
外光反射低減の効果に優れていることが理解できる。ま
た、これらMo及びCrの合金でも同等の効果が得られ
る。さらに、CrやCr合金は処理コスト(製造コス
ト)がかかるため、この点からはMoやMo合金を用い
る方が良い。
【0052】
【表7】 一方、上述実施の形態においては雰囲気ガスとしてAr
とCO2 との混合ガスを用いたが、もちろんこれに限る
必要はなく、ArガスにCH4 とO2 とを混合させたも
のを用いても良い。
【0053】また、上述実施の形態においてはスパッタ
リングターゲットにMoTa合金を用いたが、もちろん
これに限る必要はなく、炭素を含有させたMoTa合金
や、酸素を含有させたMoTa合金や、さらには炭素及
び酸素の両方を含有させたMoTa合金を用いても良
い。
【0054】さらに、金属炭酸化膜の消衰係数kは、上
述第1実施の形態においては0.319とし、上述第2
実施の形態においては0.753としたが、もちろんこ
れに限る必要はなく、0.2〜1.0の範囲であれば、
いずれの値を取るようにしてもよい。なお、この0.2
〜1.0の範囲が適正であることを、本発明者は実験に
より求めた。以下、該実験について説明する。
【0055】本実験においては、Arガスの流量を一定
(50Sccm)にして、CO2 ガスの流量を表8に示
すように変化させ、6種類の条件下で金属炭酸化膜を作
成した。また、この金属炭酸化膜の表面には金属膜を形
成して、上述第1実施の形態と同様の液晶表示素子を作
成した。なお、実験に用いたスパッタ条件は、CO2
スの流量以外は上述第1実施の形態と同様にした。
【0056】
【表8】 そして、消衰係数kをエリプソメータ(波長550n
m)にて測定し(図7参照)、波長550nmでの反射
率を測定した(図8参照)。そして、組み立てた複数の
液晶表示素子につき、外光反射率の低減の効果を目視に
より比較した。この実験により、消衰係数kが0.2
2,0.32,0.75,0.95のものは表示品位が
優れており、消衰係数kが0.1,1.27のものは表
示品位が劣っていたことが確認された。すなわち、消衰
係数kは0.2〜1.0の範囲が適正範囲であることが
確認された。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
第1層に金属炭酸化膜を用いたため、透明基板を透過し
てきた光の第1層による反射は低減され、屋外等の明る
い場所におけるカラー表示装置の表示品位が向上され
る。また、遮光手段は遮光性に優れた金属層(第2層)
を有しているため、バックライト光や外光の透過が抑制
される。したがって、低反射性が向上し遮光性に優れた
表示性能の良いカラー表示装置を得ることができる。さ
らに、金属炭酸化膜からなる第1層と、金属により形成
された第2層とは、それらの耐エッチング性が類似す
る。したがって、遮光手段をエッチングする場合におい
ても段差が生じにくく、高精度の遮光手段を得ることが
できる。またさらに、第1層においては、炭酸化膜によ
り反射低減を図っているため、酸素のみを添加する場合
に比べて消衰係数kのばらつきが小さく、安定した外光
反射特性を得ることができる。そのため、カラー表示装
置の表示品質も向上され、製造過程における歩留りも良
くなる。
【0058】一方、前記第1層における炭素及び酸素の
それぞれの含有量が透明基板の側から第2層の側にかけ
てその厚さ方向に減少するようにした場合には、前記第
1層による反射光量が一層低減され、明るい場所におけ
るカラー表示装置の表示品位がさらに向上される。
【0059】また、金属炭酸化膜によって前記第2層を
覆うように第3層を形成しているため、バックライト光
の反射も抑制でき、該反射光によるカラー表示装置の誤
動作を防止できる。
【0060】
【0061】
【0062】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態に係るカラー液晶表示
素子の構造を示す断面図。
【図2】第1実施の形態に係るカラー液晶表示素子の構
造を示す部分拡大断面図。
【図3】第1実施の形態の効果を説明するための図であ
り、金属炭酸化膜の分光反射率特性を示す図。
【図4】本発明の第2実施の形態に係るカラー液晶表示
素子の構造を示す断面図。
【図5】第2実施の形態の効果を説明するための図。
【図6】第3実施の形態の効果を説明するための図。
【図7】ガス流量比と消衰係数との関係を示す図。
【図8】消衰係数と反射率との関係を示す図。
【符号の説明】
1 カラー液晶表示素子(カラー表示装置) 2 ガラス基板(透明基板) 3,… 遮光膜(遮光手段) 3a,… 金属炭酸化膜(第1層) 3b,… 金属膜(第2層) 3c,… 金属炭酸化膜(第3層) 5,… カラーフィルタ 9 対向基板 12 カラー液晶表示素子(カラー表示装置) 13,… 遮光膜(遮光手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 博幸 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 沢村 光治 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−307693(JP,A) 特開 平2−144525(JP,A) 特開 平4−1727(JP,A) 特開 平8−220522(JP,A)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板と、該透明基板上に所定の間隙
    を開けて配置された多数のカラーフィルタと、これらカ
    ラーフィルタの間隙に形成された遮光手段と、を備え、
    前記カラーフィルタを透過する光の組み合わせにより種
    々の情報をカラー表示してなるカラー表示装置におい
    て、 前記遮光手段が、前記透明基板上に形成される第1層
    と、金属によって該第1層を覆うように形成される第2
    層と、該第2層を覆うように形成される第3層と、から
    なり、該第1層及び第3層が金属炭酸化膜である、こと
    を特徴とするカラー表示装置。
  2. 【請求項2】 前記第1層における炭素及び酸素のそれ
    ぞれの含有量が、該層の厚さ方向にわたってほぼ均一で
    ある、 ことを特徴とする請求項1記載のカラー表示装置。
  3. 【請求項3】 前記第1層における炭素及び酸素のそれ
    ぞれの含有量が、前記透明基板の側から前記第2層の側
    にかけてその厚さ方向に減少する、 ことを特徴とする請求項1記載のカラー表示装置。
  4. 【請求項4】 前記第3層が、Mo、Ti、W及びこれ
    らの合金のいずれかの金属の炭酸化膜である請求項1乃
    至3のいずれか1項に記載のカラー表示装置。
  5. 【請求項5】 透明基板と、該透明基板上に所定の間隙
    を開けて配置された多数のカラーフィルタと、これらカ
    ラーフィルタの間隙に形成された遮光手段と、を備え、
    前記カラーフィルタを透過する光の組み合わせにより種
    々の情報をカラー表示してなるカラー表示装置におい
    て、 前記遮光手段が、前記透明基板上に形成される第1層
    と、金属によって該第1層を覆うように形成される第2
    層と、からなり、 前記第1層が、Moの炭酸化膜又はMo合金の炭酸化膜
    にて形成され、かつ、前記第2層がMo又はMo合金に
    て形成される、ことを特徴とするカラー表示装置。
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