JP3234150B2 - カラー表示装置 - Google Patents

カラー表示装置

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JP3234150B2
JP3234150B2 JP5214396A JP5214396A JP3234150B2 JP 3234150 B2 JP3234150 B2 JP 3234150B2 JP 5214396 A JP5214396 A JP 5214396A JP 5214396 A JP5214396 A JP 5214396A JP 3234150 B2 JP3234150 B2 JP 3234150B2
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博幸 鈴木
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラー表示装置に
係り、詳しくはカラーフィルタ相互の間隙に配置された
遮光部材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、薄型のカラー表示装置として
は主にCRTが使用されていたが、近年はCRTに代わ
るものとしてカラーの液晶表示装置が注目されている。
図1に、その一例を示す。
【0003】この液晶表示装置1は液晶パネルPとバッ
クライト装置Bとを備えている。
【0004】このうち液晶パネルPは、略平行に配置さ
れた一対のガラス基板2,3を備えており、下側のガラ
ス基板2(以下、“下基板2”とする)の表面には、所
定間隙を開けて3原色(赤、緑、青)のカラーフィルタ
5,…が多数形成されている。また、これらカラーフィ
ルタ5,…の間隙には、Cr等の金属からなる遮光膜
6,…が形成されており、これらカラーフィルタ5,…
及び遮光膜6,…は保護膜7によって被覆されている。
さらに、保護膜7の表面には、カラーフィルタ5,…に
対応して多数のITO等の透明電極9,…が形成されて
いる。一方、上側のガラス基板(以下、“上基板”とす
る)3の表面には、同じく多数の透明電極10,…が形
成されており、これらの両基板2,3は、透明電極9,
…,10,…が直交するように貼り合わされている。そ
して、両基板2,3の間隙には液晶11が挟持されてい
る。なお、カラーフィルタ5,…は、染色法や顔料分散
法や電着法とフォトリソグラフィ法とによって形成さ
れ、遮光膜6,…は、スパッタ法とフォトリソグラフィ
法とによって形成されている。
【0005】また、バックライト装置Bは、上基板(対
向基板)3に対向する位置に配置されており、液晶パネ
ルPを照明するように構成されている。
【0006】以上の構成に基づき、液晶パネルPが駆動
されると、画素毎に液晶11がスイッチングされる。ま
た、バックライト装置Bが駆動されると、液晶パネルP
には照明光(以下、“バックライト光”とする)が照射
され、カラーフィルタ5,…を透過するバックライト光
の組み合わせによって種々の情報がカラー表示されるこ
ととなる。また、カラーフィルタ5,…相互の間隙には
遮光膜6,…が設けられているため、色の混ざり等を防
止し、コントラストの向上が図られている。
【0007】ところで、このような構成の液晶表示装置
1を、屋外等の明るい場所で使用した場合には、観察側
(図示A側)からの光(バックライト光とは逆方向の光
であり、以下“外光”とする)が遮光膜6,…によって
反射され、液晶パネルPの表示品位が悪くなってしまう
という問題があった。
【0008】そこで、特開平2−144525号公報等
においては、遮光膜を図2(a) 及び(b) に示すような積
層構造とした技術が開示されている。これらの遮光膜1
6,26においては、基板側の第1層16a,26a及
び第3層26cが金属酸化膜にて構成されて、外光等の
反射を低減して表示品位を良好に保つように構成されて
おり、また第2層16b,26bは、金属膜にて構成さ
れて、遮光性が確保されている。
【0009】なお、このような多層の遮光膜16,26
の製造に際しては、スパッタリング法が用いられるが、
遮光膜16,26は、金属酸化膜と金属膜との積層構造
であることから、バッジ方式のスパッタ装置を用いてス
パッタリングを行なうには、雰囲気ガスを交換するかス
パッタリングターゲットを交換する必要があった。
【0010】具体的には、 金属酸化膜(第1層16a,26a)を成膜する場
合には、雰囲気ガスをArとO2 の混合ガスにすると共
にターゲットを金属(上述の場合にはCr)とし、金属
膜(第2層16b,26b)を形成する場合には、ター
ゲットをそのままとして雰囲気ガスをArガスにガス交
換する方法や、 金属酸化膜(第1層16a,26a)を成膜する場
合には、雰囲気ガスをArガスにすると共にターゲット
を金属酸化物とし、金属膜(第2層16b,26b)を
形成する場合には、雰囲気ガスの交換は行なわずにター
ゲットを金属酸化物から金属に交換する方法があった。
【0011】また、このようなバッジ方式の装置を使わ
ない方法としては、通過成膜方式のスパッタ装置を用い
る方法があり、該装置は、ArとO2 の混合ガスが充填
されて金属酸化膜(第1層16a,26a)を成膜する
チャンバと、Arガスが充填されて金属膜(第2層16
b,26b)を成膜するチャンバとを備えている。
【0012】そして、このようにして積層構造の金属薄
膜を形成し、その後、フォトリソグラフィ法によってパ
ターニングが行なわれている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した遮
光膜16,26は、金属酸化膜と金属膜との積層構造で
あったため種々の問題があった。
【0014】すなわち、金属酸化膜の金属膜の積層構造
では、外光の低反射化と、遮光性の向上をバランス良く
設定することが困難であった。また、当該積層構造で
は、エッチングされる度合いが異なるため、フォトリソ
グラフィ法によってパターニングをする際に両膜の間に
段差が生じ、液晶パネルPの表示品質が悪くなるという
問題があった。
【0015】また、スパッタリング時に雰囲気ガスを交
換した場合には、製造時間が長くなって、いわゆるスル
ープットの低下があり、製造コストが上昇するという問
題があった。さらに、金属酸化物のターゲットを使用し
た場合には、成膜レートやターゲット割れなど量産上の
問題があった。またさらに、通過成膜方式のスパッタ装
置を用いた場合には、スパッタ装置が高価で、かつ製造
工程が複雑になるという問題があり、さらには製造コス
トが上昇してしまうという問題があった。
【0016】そこで、本発明は、高品質で高精度なカラ
ー表示装置を提供することを目的とするものである。
【0017】また、本発明は、製造時間が短縮化されて
製造コストが低減されるカラー表示装置を提供すること
を目的とするものである。
【0018】さらに、本発明は、製造工程の簡素化が可
能なカラー表示装置を提供することを目的とするもので
ある。
【0019】またさらに、本発明は、外光の反射が低減
されて表示品位の良好なカラー表示装置を提供すること
を目的とするものである。
【0020】また、本発明は、色の混ざり等が防止され
て表示品位に優れたカラー表示装置を提供することを目
的とするものである。
【0021】さらに、本発明は、迷光による画像品位の
低下のないカラー表示装置を提供することを目的とする
ものである。
【0022】またさらに、本発明は、遮光部材の成膜時
に成膜レートやターゲット割れなどの量産上の問題点も
発生しないカラー表示装置を提供することを目的とする
ものである。
【0023】また、本発明は、製造歩留りが向上されて
製造コストが低減されるカラー表示装置を提供すること
を目的とするものである。
【0024】さらに、本発明は、廃液処理のコストを抑
えたカラー表示装置を提供することを目的とするもので
ある。
【0025】
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述事情に鑑
みなされたものであって、透明基板と、該透明基板上に
所定の間隙を開けて配置された多数のカラーフィルタ
と、これらカラーフィルタの間隙に形成された遮光部材
と、を備え、前記カラーフィルタを透過する光の組み合
わせにより種々の情報をカラー表示してなるカラー表示
装置において、前記遮光部材が、炭酸化MoTa合金ま
たは炭化MoTa合金であって、屈折率及び消衰係数が
基板法線方向で変化する、ことを特徴とする。
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】なお、以上構成に基づき、カラー表示装置
を駆動すると、照明装置によって照明光が照射され、カ
ラーフィルタを透過する照明光の組み合わせにより種々
の情報がカラー表示される。
【0034】ところで、このカラー表示装置における遮
光部材は、炭酸化MoTa合金または炭化MoTa合金
にて構成されているため、製造過程においてエッチング
を行なっても、物理的、化学的特性が近似することから
精度良くエッチングを行なうことができる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、図面に沿って、本発明の実
施の形態について説明する。なお、図1に示すものと同
一部分は同一符号を付して説明を省略する。
【0036】まず、本発明の第1の実施の形態につい
て、図3及び図4に沿って説明する。
【0037】本実施の形態に係る液晶表示装置(カラー
表示装置)30は、図3(a) に示すように、液晶パネル
Pとバックライト装置(照明装置)Bとを備えている。
【0038】このうち、液晶パネルPは、透明基板とし
ての下基板2を有しており、この下基板2に対して略平
行に上基板(対向基板)3が配置されている。また、こ
の液晶パネルPは、保護膜7、透明電極9,…,10,
…、及び液晶11を有しており、バックライト装置B
は、上基板3に対向する位置に配置されている。なお、
本実施の形態においては、両基板2,3には、厚さが1
mmで両面研磨されたガラス板(BSL7小原光学硝子
製)が用いられている。
【0039】また、下基板2の表面には、図3(b) に詳
示するように、所定間隙を開けて3原色(赤、緑、青)
のカラーフィルタ5,…が多数配置されており、これら
のカラーフィルタ5,…の間隙には遮光膜(遮光部材)
36,…が形成されている。
【0040】この遮光膜36,…は、下基板2の表面に
配置された第1層36a,…と、第1層36a,…を被
覆するように配置された第2層36b,…と、によっ
て、2層構造に構成されている。また、本実施の形態に
おいては、これらの層36a,…,36b,…は、共に
MoTa合金の炭酸化物によって形成されており、第1
層36a,…の厚さを600Åとし、第2層36b,…
の厚さを1800Åとし、遮光膜全体では2400Åの
厚さとしている。
【0041】また、本実施の形態においては、第1層3
6a,…の屈折率及び消衰係数をn1 ,k1 とし、第2
層36b,…の屈折率及び消衰係数をn2 ,k2 とした
場合に、これらの光学定数n1 ,n2 ,k1 ,k2 の値
が表1及び表2に示すようになり、それらの関係が、 n1 <n2 、 かつ k1 <k2 となるように設定されている。なお、これらの光学定数
はエリプソによる測定値である。
【0042】なお、本実施の形態においては、第1層3
6a,…が、下基板2の近傍に設けられると共に屈折率
1 及び消衰係数k1 の小さな第1の領域となり、第2
層36b,…が、第1の領域における屈折率n1 及び消
衰係数k1 よりも大きな屈折率n2 及び消衰係数k2
もつ第2の領域となる。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】 次に、遮光膜36,…の製造方法について説明する。
【0045】遮光膜36,…の製造に際しては、スパッ
タリング工程とパターニング工程とが用いられる。
【0046】このうち、スパッタリング工程において
は、バッジ方式の通常のマグネトロン−スパッタ装置
(DC放電)が用いられ、該スパッタ装置には、十分に
洗浄した下基板2がセットされる。
【0047】そして、雰囲気ガスには、ArガスとCO
2 ガスとの混合ガスを用い、ターゲットにMoTa合金
(15wt%)を用いて、リアクティブスパッタリング
が行なわれる。
【0048】なお、第1層36a,…を形成する場合
と、第2層36b,…を形成する場合とでは、雰囲気ガ
スやターゲットの交換は行なわず、スパッタリングパワ
ーを表3に示すように変更している。そして、このスパ
ッタリングパワーの制御により、第1層36a,…及び
第2層36b,…の光学定数n1 ,n2 ,k1 ,k2
を、表1及び表2に示すようにしている。
【0049】
【表3】 また、パターニング工程においては、スパッタリング工
程によって成膜した積層膜をフォトリソグラフィ法によ
ってパターニングする。これにより、カラーフィルタ
5,…の間隙に配置された遮光膜36,…が形成され
る。
【0050】次に、本実施の形態の作用について説明す
る。
【0051】いま、透明電極9,…,10,…に所定の
信号を印加すると、液晶11は画素毎にスイッチングさ
れる。したがって、カラーフィルタ5,…を透過するバ
ックライト光の組み合わせにより種々の情報がカラー表
示される。
【0052】ところで、第1層36a,…の光学定数n
1 ,k1 は上述のように設定されているため、その反射
率が所定値以下に低減される。したがって、いま、液晶
表示装置30を屋外等の明るい場所で使用し、観察側
(図示A側)から外光が入射されても、第1層36a,
…の表面では外光は余り反射されない。
【0053】また、第2層36b,…の光学定数n2
2 は上述のように設定されているため、これら、低反
射化の機能と外光の遮光をバランスよく向上させること
ができる。
【0054】次に、本実施の形態の効果について説明す
る。
【0055】本実施の形態によれば、遮光膜36,…に
おける全ての層36a,36bがいずれも炭酸化金属に
よって形成されているため、物理的、化学的特性が比較
的近く、エッチングされる度合いが近似し、フォトリソ
グラフィ法によってパターニングをしても両膜の間に段
差は生じにくい。その結果、遮光膜36,…を積層構造
としたにもかかわらず、高品質で高精度な液晶表示装置
を得ることができる。
【0056】また、全ての層36a,36bをいずれも
炭酸化金属によって形成したため、スパッタリングする
際の雰囲気ガスやターゲットの交換の必要はなく、製造
時間が短縮化されて製造コストが低減される。さらに、
上述のように雰囲気ガスの交換の必要のないことから、
高価な通過成膜方式のスパッタ装置ではなく、安価なバ
ッジ方式のスパッタ装置を使用できて製造コストが低減
され、製造工程の簡素化も図れる。
【0057】またさらに、本実施の形態においては、ス
パッタリング時の雰囲気ガスとしてAr・CO2 の混合
ガスを用いたため、金属酸化物をスパッタリングターゲ
ットにする必要がなく、成膜レートやターゲット割れな
どの量産上の問題点も発生しない。
【0058】また、本実施の形態においては、積層構造
とすることにより遮光膜36,…の高性能化が図れ、各
層36a,36bの光学定数n1 ,n2 ,k1 ,k2
表1及び表2のように設定することにより、外光の低反
射性及び遮光性に優れた薄膜の遮光膜36,…を得るこ
とができ、その結果、液晶表示装置30の表示品位が向
上される。
【0059】つまり、第1層36a,…の屈折率n1
び消衰係数k1 を表1のように設定したため、液晶表示
装置30を屋外等の明るい場所で使用しても外光の反射
は低減され、その表示品位は良好に維持される。なお、
本発明者は外光の反射率を実測したが(図4参照)、そ
れによると、可視領域(400〜700nm)では5%
以下となり、特に500〜600nmの範囲では1%以
下となることが確認された。
【0060】また、第2層36b,…の屈折率n2 及び
消衰係数k2 を表2のように設定したため、遮光膜3
6,…は、薄膜でありながら、バックライト光や外光の
透過を抑制できて、遮光性に優れたものとなる。その結
果、液晶表示装置30において、色の混ざり等が防止さ
れ、コントラストが向上され、その表示品位を向上でき
る。
【0061】さらに、遮光膜36,…のスパッタリング
工程においては、MoTa合金をターゲットにすると共
に、ArとCO2 との混合ガスを用いてリアクティブス
パッタリングしているため、スパッタリングパワーを調
整することにより、光学定数n1 ,n2 ,k1 ,k2
値を容易かつ正確に制御でき、上述したような表示品位
に優れて誤動作のない液晶表示装置30を得ることがで
きる。また同時に、安定した品質の遮光膜36,…を製
造できて製品の歩留りも向上され、製造コストも低減さ
れる。
【0062】さらに、Cr等の金属を用いた場合には廃
液処理のためにコストがかかるが、本実施の形態におい
てはMo合金を使用しているためにそのような問題もな
い。
【0063】ついで、図3及び図5に沿って、本発明の
第2の実施の形態について説明する。
【0064】本実施の形態に係る液晶表示装置(カラー
表示装置)30は、上述した実施の形態と同様に、図3
(a) 及び(b) に示すような構造をしている。
【0065】すなわち、液晶表示装置30は、液晶パネ
ルPとバックライト装置(照明装置)Bとを備えてお
り、液晶パネルPは、下基板(透明基板)2、上基板
(対向基板)3、保護膜7、透明電極9,…,10,
…、及び液晶11を有している。また、バックライト装
置Bは、上基板3に対向する位置に配置されている。な
お、両基板2,3には、厚さが1mmの両面研磨された
ガラス板(BSL7小原光学硝子製)を使用している。
さらに、下基板2の表面には、図3(b) に詳示するよう
に、所定間隙を開けて3原色(赤、緑、青)のカラーフ
ィルタ5,…が多数配置されており、これらのカラーフ
ィルタ5,…の間隙には、MoTa合金の炭酸化物によ
って形成された遮光膜(遮光部材)36,…が配置され
ている。またさらに、これらの遮光膜36,…は、第1
層36a,…と第2層36b,…との2層構造であり、
第1層36a,…の厚さは600Åで、第2層36b,
…の厚さは1800Åで、遮光膜全体では2400Åの
厚さである。
【0066】ところで、本実施の形態においては、第1
層36a,…の屈折率n1 及び消衰係数k1 を、上述し
た第1の実施の形態とは異ならせて表4のようにしてお
り、第2層36b,…については、上述した第1の実施
の形態と同様に表2に示すようにしている。そして、本
実施の形態においても、上述した第1の実施の形態と同
様、第1層36a,…の屈折率及び消衰係数をn1 及び
1 とし、第2層36b,…の屈折率及び消衰係数をn
2 及びk2 とした場合に、これらの光学定数n1 ,n
2 ,k1 ,k2 の関係が、 n1 <n2 、 かつ k1 <k2 となるように設定されている。なお、これらの光学定数
はエリプソによる測定値である。
【0067】
【表4】 なお、本実施の形態においては、第1層36a,…が、
下基板2の近傍に設けられた屈折率n1 及び消衰係数k
1 の小さな第1の領域となり、第2層36b,…が、第
1の領域における屈折率n1 及び消衰係数k1 よりも大
きな屈折率n2及び消衰係数k2 をもつ第2の領域とな
る。
【0068】一方、本実施の形態において適用される液
晶表示装置の製造方法では、遮光膜36,…を製造する
に際し、スパッタリング工程とパターニング工程とが実
施される。
【0069】このうち、スパッタリング工程において
は、バッジ方式の通常のマグネトロン−スパッタ装置
(DC放電)が用いられ、該スパッタ装置には、十分に
洗浄した下基板2がセットされる。そして、第1層36
a,…及び第2層36b,…を形成する場合において
は、共に、雰囲気ガスには、ArガスとCO2 ガスとの
混合ガスを用い、ターゲットにMoTa合金(15wt
%)を用いて、リアクティブスパッタリングが行なわれ
る。
【0070】また、第1層36a,…を形成する場合の
スパッタ条件は表5に示すものを用い、第2層36b,
…を形成する場合のスパッタ条件は、上述した第1実施
の形態と同様に表3に示すものを用いている。このよう
に、スパッタ条件を各層毎に異ならせることにより、第
1層36a,…及び第2層36b,…の光学定数n1
2 ,k1 ,k2 を、表4及び表2に示す値にしている
【0071】
【表5】 次に、本実施の形態の効果について説明する。
【0072】本実施の形態によれば、上述した第1の実
施の形態とほぼ同様の効果が得られる。
【0073】すなわち、遮光膜36,…における全ての
層36a,…,36b,…がいずれも炭酸化金属によっ
て形成されているため、物理的、化学的特性が比較的近
くエッチングされる度合いが近似し、フォトリソグラフ
ィ法によってパターニングをしても両膜の間に段差は生
じにくい。その結果、遮光膜36,…を積層構造とした
にもかかわらず、高品質で高精度な液晶表示装置30を
得ることができる。また、スパッタリングする際の雰囲
気ガスやターゲットの交換の必要はなく、製造時間が短
縮化されて製造コストが低減される。さらに、上述のよ
うに雰囲気ガスの交換の必要のないことから、高価な通
過成膜方式のスパッタ装置ではなく、安価なバッジ方式
のスパッタ装置を使用できて製造コストが低減され、製
造工程の簡素化を図ることができる。
【0074】またさらに、本実施の形態においては、ス
パッタリング時の雰囲気ガスとしてAr・CO2 の混合
ガスを用いたため、金属酸化物をスパッタリングターゲ
ットにする必要がなく、成膜レートやターゲット割れな
どの量産上の問題点も発生しない。
【0075】また、本実施の形態においては、遮光膜3
6,…を積層構造とすることにより遮光膜36,…の高
性能化が図れ、各層36a,…,36b,…の光学定数
1,n2 ,k1 ,k2 を表4及び表2のように設定し
ているため、外光の低反射性及び遮光性に優れた薄膜の
遮光膜36,…を得ることができ、液晶表示装置30の
表示品位が向上される。
【0076】つまり、第1層36a,…の屈折率n1
び消衰係数k1 を表4のように設定したため、液晶表示
装置30を屋外等の明るい場所で使用しても外光の反射
は低減され、その表示品位は良好に維持される。なお、
本発明者は外光の反射率を実測したが(図5参照)、そ
れによると、可視領域(400〜700nm)の範囲で
は、反射率が5%以下でかなり低いことが確認された。
【0077】また、第2層36b,…の屈折率n2 及び
消衰係数k2 を表2のように設定したため、遮光膜3
6,…は、薄膜でありながら、外光の透過を抑制でき
て、遮光性に優れたものとなる。その結果、液晶表示装
置30において、色の混ざり等が防止され、コントラス
トが向上され、その表示品位を向上できる。
【0078】一方、遮光膜36,…のスパッタリング工
程においては、MoTa合金をターゲットにすると共
に、ArとCO2 との混合ガスを用いてリアクティブス
パッタリングしているため、スパッタリングパワーを調
整することにより、光学定数n1 ,n2 ,k1 ,k2
値を容易かつ正確に制御でき、上述したような表示品位
に優れて誤動作のない液晶表示装置30を得ることがで
きる。また同時に、安定した品質の遮光膜36,…を製
造できて製品の歩留りも向上され、製造コストも低減さ
れる。
【0079】さらに、Cr等の金属を用いた場合には廃
液処理のためにコストがかかるが、本実施の形態におい
てはMo合金を使用しているためにそのような問題もな
い。
【0080】ついで、図6及び図7に沿って、本発明の
参考例について説明する。
【0081】本参考例に係る液晶表示装置(カラー表示
装置)50は、上述した実施の形態と同様に、液晶パネ
ルPとバックライト装置(照明装置)Bとを備えている
(図6(a) 参照)。また、液晶パネルPは、下基板(透
明基板)2、上基板(対向基板)3、保護膜7、透明電
極9,…,10,…、及び液晶11を有しており、バッ
クライト装置Bは、上基板3に対向する位置に配置され
ている。なお、両基板2,3には、厚さが1mmの両面
研磨されたガラス板(BSL7小原光学硝子製)を使用
している。
【0082】さらに、下基板2の表面には、図6(b) に
詳示するように、所定間隙を開けて3原色(赤、緑、
青)のカラーフィルタ5,…が多数配置されており、こ
れらのカラーフィルタ5,…の間隙には、MoTa合金
の酸化物によって形成された遮光膜(遮光部材)56,
…が配置されている。これらの遮光膜56,…は、第1
層56a,…と第2層56b,…と第3層56c,…と
の3層構造であり、第1層56a,…の厚さは600Å
で、第2層56b,…の厚さは1800Åで、第3層5
6c,…の厚さは600Åで、遮光膜全体では3000
Åの厚さに設定されている。
【0083】一方、本参考例においては、第1層の屈折
率及び消衰係数をn1 及びk1 とし、第2層の屈折率及
び消衰係数をn2 及びk2 とし、第3層の屈折率及び消
衰係数をn3 及びk3 とした場合に、これらの光学定数
1 ,n2 ,n3 ,k1 ,k2 ,k3 の値が表6及び表
7に示すようになり、それらの関係が、n1 が、n1
2 ,n3 の内で最も大きくならず、かつ、k1 が、k
1 ,k2 ,k3 の内で最も大きくならず、さらには、 n1 <n2 ,n3 <n2 ,k1 <k2 ,及びk3 <k2 となるようにしている。なお、これらの光学定数はエリ
プソによる測定値である。
【0084】
【表6】
【0085】
【表7】 なお、本参考例においては、第1層56a,…が、下基
板2の近傍に設けられた屈折率n1 及び消衰係数k1
小さな第1の領域となり、第2層56b,…が、第1の
領域における屈折率n1 及び消衰係数k1 よりも大きな
屈折率n2 及び消衰係数k2 をもつ第2の領域となる。
【0086】一方、本参考例において適用される液晶表
示装置の製造方法では、遮光膜56,…を製造するに際
し、スパッタリング工程とパターニング工程とが実施さ
れる。
【0087】このうち、スパッタリング工程において
は、バッジ方式の通常のマグネトロン−スパッタ装置
(DC放電)が用いられ、該スパッタ装置には、十分に
洗浄した下基板2がセットされる。そして、第1層56
a,…、第2層56b,…及び第3層56c,…を形成
する場合においては、共に、雰囲気ガスには、Arガス
とO2 ガスとの混合ガスを用い、ターゲットにMoTa
合金(15wt%)を用いて、リアクティブスパッタリ
ングが行なわれる。
【0088】また、各層56a,…,56b,…,56
c,…を形成する場合のスパッタ条件は表8に示すもの
を用いており、このスパッタ条件により、第1層56
a,…、第2層56b,…及び第3層56c,…の光学
定数n1 ,n2 ,n3 ,k1 ,k2 ,k3 が、表6及び
表7に示す値を取るようにしている
【0089】
【表8】 次に、本参考例の効果について説明する。
【0090】本参考例によれば、遮光膜56,…の第3
層56c,…の屈折率n3 及び消衰係数k3 を表6のよ
うに設定したため、バックライト光の反射は低減され、
迷光による画像品位の低下も解消される。なお、本発明
者は第3層による光の反射率を実測したが(図7参
照)、それによると、可視領域(400〜700nm)
の範囲において5%以下(だいたい3〜4%程度)でか
なり低いことが確認された。
【0091】また、本参考例によれば、上述した第1の
実施の形態とほぼ同様の効果が得られる。
【0092】すなわち、遮光膜56,…における全ての
層56a,…,56b,…,56c,…がいずれも酸化
金属によって形成されているため、物理的、化学的特性
が比較的近く、エッチングされる度合いが近似し、フォ
トリソグラフィ法によってパターニングをしても両膜の
間に段差は生じにくい。その結果、遮光膜56,…を積
層構造としたにもかかわらず、高品質で高精度な液晶表
示装置50を得ることができる。また、スパッタリング
する際の雰囲気ガスやターゲットの交換の必要はなく、
製造時間が短縮化されて製造コストが低減される。さら
に、上述のように雰囲気ガスの交換の必要のないことか
ら、高価な通過成膜方式のスパッタ装置ではなく、安価
なバッジ方式のスパッタ装置を使用できて製造コストが
低減され、製造工程の簡素化を図ることができる。
【0093】またさらに、本参考例においては、スパッ
タリング時の雰囲気ガスとしてAr・O2 の混合ガスを
用いたため、金属酸化物をスパッタリングターゲットに
する必要がなく、成膜レートやターゲット割れなどの量
産上の問題点も発生しない。
【0094】また、本参考例においては、遮光膜56,
…を積層構造とすることにより遮光膜56,…の高性能
化が図れ、各層56a,…,56b,…,56c,…の
光学定数n1 ,n2 ,n3 ,k1 ,k2 ,k3 を表6及
び表7のように設定しているため、外光の低反射性及び
遮光性に優れた薄膜の遮光膜56,…を得ることがで
き、液晶表示装置50の表示品位が向上される。
【0095】つまり、第1層56a,…の屈折率n1
び消衰係数k1 を表6のように設定したため、液晶表示
装置50を屋外等の明るい場所で使用しても外光の反射
は低減され、その表示品位は良好に維持される。
【0096】また、第2層56b,…の屈折率n2 及び
消衰係数k2 を表7のように設定したため、遮光膜5
6,…は、薄膜でありながら、バックライト光や外光の
透過を抑制できて、遮光性に優れたものとなる。その結
果、液晶表示装置50において、色の混ざり等が防止さ
れ、コントラストが向上され、その表示品位を向上でき
る。特に、本参考例では、3層構造の遮光膜において、
第2層の屈折率n2 、消衰係数k2 を他層の同パラメー
タより大きな値に設定したことにより、液晶表示装置内
においてバックライト光の反射が著しく抑制され、例え
ば対向する遮光膜を有さない基板に設けられたTFT等
のスイッチング素子が設けられる液晶表示装置である場
合、当該素子のバックライト光等の影響による誤動作が
防止され得る。
【0097】一方、遮光膜56,…のスパッタリング工
程においては、MoTa合金をターゲットにすると共
に、ArとO2 との混合ガスを用いてリアクティブスパ
ッタリングしているため、スパッタリングパワーを調整
することにより、光学定数n1,n2 ,n3 ,k1 ,k2
,k3 の値を容易かつ正確に制御でき、上述したよう
な表示品位に優れて誤動作のない液晶表示装置50を得
ることができる。また同時に、安定した品質の遮光膜5
6,…を製造できて製品の歩留りも向上され、製造コス
トも低減される。
【0098】さらに、Cr等の金属を用いた場合には廃
液処理のためにコストがかかるが、本参考例においては
Mo合金を使用しているためにそのような問題もない。
【0099】ついで、図8及び図9に沿って、本発明の
の実施の形態について説明する。
【0100】本実施の形態に係る液晶表示装置(カラー
表示装置)60は、上述した実施の形態と同様に、液晶
パネルPとバックライト装置(照明装置)Bとを備えて
いる(図8(a) 参照)。また、液晶パネルPは、下基板
(透明基板)2、上基板(対向基板)3、保護膜7、透
明電極9,…,10,…、及び液晶11を有しており、
バックライト装置Bは、上基板3に対向する位置に配置
されている。なお、両基板2,3には、厚さが1mmの
両面研磨されたガラス板(BSL7小原光学硝子製)を
使用している。
【0101】さらに、下基板2の表面には、図8(b) に
詳示するように、所定間隙を開けて3原色(赤、緑、
青)のカラーフィルタ5,…が多数配置されており、こ
れらのカラーフィルタ5,…の間隙には、MoTa合金
の炭酸化物によって形成された遮光膜(遮光部材)6
6,…が配置されている。これらの遮光膜66,…は、
厚さが1800Åであり、屈折率及び消衰係数は、下基
板2近傍の領域(第1の領域)においては最小で、下基
板2から離れるに従って連続的に変化して大きくなるよ
うに設定されている(第2の領域)。
【0102】一方、本実施の形態において適用される液
晶表示装置の製造方法では、遮光膜66,…を製造する
に際し、スパッタリング工程とパターニング工程とが実
施される。
【0103】このうち、スパッタリング工程において
は、バッジ方式の通常のマグネトロン−スパッタ装置
(DC放電)が用いられ、該スパッタ装置には、十分に
洗浄した下基板2がセットされる。また、表9に示すよ
うに、雰囲気ガスには、ArガスとCO2 ガスとの混合
ガスを用い、ターゲットにMoTa合金(15wt%)
を用いて、リアクティブスパッタリングが行なわれる。
なお、このスパッタリングに際しては、Arガスに添加
するガス(CO2 ガス)の割り合いは一定のままで、ス
パッタリングパワーを成膜中に190〜900Wまで増
加させ、これによって膜厚方向に光学定数を連続的に変
化させるようにしている。
【0104】
【表9】 次に、本実施の形態の効果について説明する。
【0105】本実施の形態によれば、上述した第1の実
施の形態とほぼ同様の効果が得られる。
【0106】すなわち、遮光膜66,…は、全ての部分
が炭酸化金属によって形成されているため、物理的、化
学的特性が比較的近く、エッチングされる度合いが近似
し、フォトリソグラフィ法によってパターニングをして
も段差は生じにくい。その結果、遮光膜高品質で高精度
な液晶表示装置60を得ることができる。また、スパッ
タリングする際の雰囲気ガスやターゲットの交換の必要
はなく、製造時間が短縮化されて製造コストが低減され
る。さらに、上述のように雰囲気ガスの交換の必要のな
いことから、高価な通過成膜方式のスパッタ装置ではな
く、安価なバッジ方式のスパッタ装置を使用できて製造
コストが低減され、製造工程の簡素化を図ることができ
る。
【0107】またさらに、本実施の形態においては、ス
パッタリング時の雰囲気ガスとしてAr・CO2 の混合
ガスを用いたため、金属酸化物をスパッタリングターゲ
ットにする必要がなく、成膜レートやターゲット割れな
どの量産上の問題点も発生しない。
【0108】また、本実施の形態においては、遮光膜6
6,…の屈折率及び消衰係数を、下基板2近傍の領域
(第1の領域)においては最小となるように設定したた
め、液晶表示装置60を屋外等の明るい場所で使用して
も外光の反射は低減され、その表示品位は良好に維持さ
れる。なお、本発明者は遮光層による光の反射率を実測
したが(図9参照)、それによると、可視領域(400
〜700nm)の範囲において5%以下(ほとんどが2
%以下)でかなり低いことが確認された。
【0109】さらに、遮光膜66,…の屈折率及び消衰
係数は、下基板2から離れた領域では大きいため、遮光
膜66,…は、薄膜でありながら、バックライト光や外
光の透過を抑制できて、遮光性に優れたものとなる。そ
の結果、液晶表示装置60において、色の混ざり等が防
止され、コントラストが向上され、その表示品位を向上
できる。
【0110】一方、遮光膜66,…のスパッタリング工
程においては、MoTa合金をターゲットにすると共
に、ArとCO2 との混合ガスを用いてリアクティブス
パッタリングしているため、スパッタリングパワーを調
整することにより、光学定数(屈折率及び消衰係数)の
値を容易かつ正確に制御でき、上述したような表示品位
に優れて誤動作のない液晶表示装置60を得ることがで
きる。また同時に、安定した品質の遮光膜66,…を製
造できて製品の歩留りも向上され、製造コストも低減さ
れる。
【0111】さらに、Cr等の金属を用いた場合には廃
液処理のためにコストがかかるが、本実施の形態におい
てはMo合金を使用しているためにそのような問題もな
い。
【0112】なお、上述した各実施の形態においては、
遮光膜を炭酸化膜によって形成したが、もちろんこれに
限る必要はなく、炭化膜で形成しても良い。
【0113】また、第1及び第2の実施の形態等におい
ては、遮光膜を炭酸化膜の積層構造としたが、もちろん
これに限る必要はなく、炭化膜と炭酸化膜との積層構造
であっても良い。さらには、遮光膜が3層構造の場合に
は、各層を、酸化膜、炭酸化膜及び炭化膜によってそれ
ぞれ形成しても良い。このようにすることにより、遮光
膜の段差の問題は解決される。
【0114】さらに、上述した第1及び第2の実施の形
態においては、遮光膜を2層構造及び3層構造とした
が、もちろんこれに限る必要はなく、4層以上の積層構
造であっても良い。
【0115】またさらに、上述した参考例においては、
第1層の光学定数と第3層の光学定数とを等しくした
が、もちろんこれに限る必要はなく、n1 がn1
2 ,n3の内で最大ではなく、k1 がk1 ,k2 ,k
3 の内で最大でない条件の下でこれらの光学定数を適切
に選択すれば良く、或は、 n1 <n2 、 かつ k1 <k2 の条件を満たす範囲でこれらの光学定数を適切に選択す
れば良い。
【0116】
【0117】さらに、上述した実施の形態においてはス
パッタリング時の雰囲気ガスを、ArガスとCO2 ガス
との混合ガスとしたが、もちろんこれに限る必要はな
く、CO2 ガスの代わりにCH2 ガス、CH4 ガス、C
OガスやO2 ガス等を使用してもよい。
【0118】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
炭酸化MoTa合金または炭化MoTa合金によって遮
光部材を構成したため、物理的、化学的特性が比較的近
く、エッチングされる度合いが近似し、フォトリソグラ
フィ法によってパターニングをしても両膜の間に段差は
生じにくい。その結果、高品質で高精度なカラー表示装
置を得ることができる。
【0119】また、炭酸化MoTa合金または炭化Mo
Ta合金によって遮光部材を構成したため、スパッタリ
ングする際の雰囲気ガスの交換の必要はなく、製造時間
が短縮化されて製造コストが低減される。さらに、上述
のように雰囲気ガスの交換の必要のないことから、高価
な通過成膜方式のスパッタ装置ではなく、安価なバッジ
方式のスパッタ装置を使用できて製造コストが低減さ
れ、製造工程の簡素化を図ることができる。
【0120】
【0121】
【0122】
【0123】
【0124】
【0125】
【0126】
【0127】
【0128】この場合、MoTa合金によって遮光部材
を構成しているので、スパッタ条件を調整することによ
り、光学定数の値を容易かつ正確に制御でき、上述した
ような表示品位に優れて誤動作のないカラー表示装置を
得ることができる。また同時に、安定した品質の遮光部
材を製造できて製品の歩留りも向上され、製造コストも
低減される。さらに、Cr等の金属を用いた場合には廃
液処理のためにコストがかかるが、Mo合金等を使用し
た場合にはそのような問題もない。
【図面の簡単な説明】
【図1】液晶表示装置の一般的構造を説明するための断
面図。
【図2】従来の遮光膜の構造を説明するための図であ
り、(a) は2層構造のものを、(b) は3層構造のものを
説明するための図。
【図3】本発明の第1及び第2の実施の形態として用い
られる液晶表示装置の構造を示す図であり、(a) は全体
構造を示す断面図、(b) は遮光膜の部分を示す詳細断面
図。
【図4】第1の実施の形態の効果を説明するための図。
【図5】第2の実施の形態の効果を説明するための図。
【図6】本発明の参考例として用いられる液晶表示装置
の構造を示す図であり、(a) は全体構造を示す断面図、
(b) は遮光膜の部分を示す詳細断面図。
【図7】上記参考例の効果を説明するための図。
【図8】本発明の第3の実施の形態として用いられる液
晶表示装置の構造を示す図であり、(a) は全体構造を示
す断面図、(b) は遮光膜の部分を示す詳細断面図。
【図9】第3の実施の形態の効果を説明するための図。
【符号の説明】
2 下基板(透明基板) 3 上基板(対向基板) 5,… カラーフィルタ 11 液晶 30 液晶表示装置(カラー表示装置) 36,… 遮光膜(遮光部材) 36a,… 第1層(第1の領域) 36b,… 第2層(第2の領域) 50 液晶表示装置(カラー表示装置) 56,… 遮光膜(遮光部材) 56a,… 第1層(第1の領域) 56b,… 第2層(第2の領域) 56c,… 第3層 60 液晶表示装置(カラー表示装置) 66,… 遮光膜(遮光部材) B バックライト装置(照明装置) P 液晶パネル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 沢村 光治 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−1727(JP,A) 特開 平2−144525(JP,A) 特開 昭63−307693(JP,A) 特開 平8−179301(JP,A) 特開 平8−220522(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1335 500 G02B 5/20 101 G02F 1/1343

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板と、該透明基板上に所定の間隙
    を開けて配置された多数のカラーフィルタと、これらカ
    ラーフィルタの間隙に形成された遮光部材と、を備え、
    前記カラーフィルタを透過する光の組み合わせにより種
    々の情報をカラー表示してなるカラー表示装置におい
    て、 前記遮光部材が、炭酸化MoTa合金または炭化MoT
    a合金であって、屈折率及び消衰係数が基板法線方向で
    変化する、 ことを特徴とするカラー表示装置。
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