JPH1152126A - 遮光層付き基板及びその製造方法及びカラーフィルタ基板及び液晶表示素子 - Google Patents

遮光層付き基板及びその製造方法及びカラーフィルタ基板及び液晶表示素子

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JPH1152126A
JPH1152126A JP20936097A JP20936097A JPH1152126A JP H1152126 A JPH1152126 A JP H1152126A JP 20936097 A JP20936097 A JP 20936097A JP 20936097 A JP20936097 A JP 20936097A JP H1152126 A JPH1152126 A JP H1152126A
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light
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nitride
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JP20936097A
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English (en)
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Satoru Takagi
悟 高木
Akira Mitsui
彰 光井
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AGC Inc
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】非クロム金属を用い高い遮光性能と反射抑制性
能を有する遮光層付き基板を得る。 【解決手段】基板1側より遮光層2の第1層3をNiと
Ti、Zr、Nb、Ta、Si、W又はMoとの合金の
酸化物又は窒化物又は酸窒化物とし、第2層4をNiと
Ti、Zr、Nb、Ta又はSiとの合金又は窒化物又
は炭化物とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遮光層付き基板及
びその製造方法及びカラーフィルタ基板及び液晶表示素
子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶表示素子(LCD)、プラズ
マディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンス
ディスプレイ(ELD)等のフラットパネルディスプレ
イのカラー化が進んでいる。
【0003】これらのカラーパネルにおいては、いずれ
も画面のコントラストを向上し、視認性を向上させるた
めにRGBのカラーフィルタ間に遮光機能を持った遮光
層が設けられる。この遮光層の材料としては、クロム、
ニクロム、タンタル等の金属膜や、カーボン等の黒色顔
料を含有した樹脂等が挙げられる。
【0004】基板上への遮光層の作製方法としては、ク
ロム等の金属膜の場合には、基板上に、スパッタ法等で
100nm厚程度の薄膜を形成した後、フォトリソグラ
フィによりレジストパターンを形成し、これをマスクと
してエッチングし、所望の金属パターンを形成する。
【0005】特に表面反射率の低い遮光層を得たい場合
には、基板上に、金属の酸化物又は酸窒化物を50nm
厚程度形成した後、100nm厚程度の金属膜を積層し
た構成も用いられる。
【0006】他方、黒色顔料を含有した樹脂の場合に
は、黒色顔料粉末を樹脂に分散させたインクを印刷法で
印刷パターン化した後、加熱硬化させ遮光層を形成する
方法等が用いられる。黒色顔料粉末を感光性樹脂に分散
させたインクを塗布して、フォトリソグラフィで所望の
パターンの遮光層を形成することも行われている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来のクロムやニクロ
ム等の金属、その酸化物、又はその酸窒化物を用いた遮
光層は、主にスパッタ法等の真空成膜法により成膜した
後、レジストのフォトリソグラフィとエッチングによる
パターン形成を行う。このため、生産性が低く、製造コ
ストが高い欠点があるが、ピンホール等の発生が非常に
少なく、100nm程度の膜厚でも充分な遮光性能が得
られる利点がある。しかし、環境への配慮が強く叫ばれ
る近年、クロムを使わない遮光層用金属材料が求められ
ている。
【0008】他方、黒色顔料を含有した樹脂の場合に
は、真空成膜法を用いないですむため生産性が高く、製
造コストが安いが、充分な遮光性能を得るためにパター
ン厚みを2μm程度ときわめて厚くしなければならず、
基板上に遮光層のある部分とない部分とで大きな段差が
生じる。この段差が液晶の配向制御に悪影響を与えるこ
とがある。
【0009】本発明は、前記課題を鑑み、クロム膜に代
表される金属遮光膜と同等以上の光学性能や耐久性能を
備え、廃液処理等の生産上の問題の少ない遮光層付き基
板を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、基板表面にN
i系の遮光層を形成する遮光層付き基板において、遮光
層が2層以上の構造を有し、基板側より第1層がNiの
酸化物、Niの窒化物、もしくはNiの酸窒化物、又は
Ti、Zr、Nb、Ta、Si、W及びMoから選ばれ
る1つ以上の元素とNiとを主成分とする金属M1 の酸
化物、金属M1の窒化物、もしくは金属M1 の酸窒化物
からなり、かつその上に積層された第2層がTi、Z
r、Nb、Ta及びSiから選ばれる1つ以上の金属M
2 、第1層より窒化度の低い金属M2 の窒化物、もしく
は金属M2 の炭化物、又は金属M2とNiとを主成分と
する金属M3 、第1層より窒化度の低い金属M3 の窒化
物、もしくは金属M3 の炭化物からなることを特徴とす
る遮光層付き基板を提供する。
【0011】また、その第1層が金属M1 の酸化物、金
属M1 の窒化物、又は金属M1 の酸窒化物からなり、第
2層が金属M3 、第1層より窒化度の低い金属M3 の窒
化物、又は金属M3 の炭化物からなる遮光層付き基板を
提供する。また、その第1層がNiの酸化物、Niの窒
化物、又はNiの酸窒化物からなり、第2層が金属M
3 、第1層より窒化度の低い金属M3 の窒化物、又は金
属M3 の炭化物からなる遮光層付き基板を提供する。ま
た、その第1層が金属M1 の酸化物、金属M1 の窒化
物、又は金属M1 の酸窒化物からなり、第2層が金属M
2 、第1層より窒化度の低い金属M2 の窒化物、又は金
属M2 の炭化物からなる遮光層付き基板を提供する。
【0012】また、それらの第1層及び/又は第2層が
マグネトロンスパッタ法で形成されることを特徴とする
遮光層付き基板の製造方法、及び、それらのいずれかの
遮光層付き基板にカラーフィルタ層を形成し、さらにそ
の上に絶縁層を介して電極を形成してなることを特徴と
するカラーフィルタ基板、及び、そのカラーフィルタ基
板と、他の電極付き基板との間に液晶層を挟持してなる
ことを特徴とする液晶表示素子を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】図1、本発明の遮光層付き基板の
断面図を示す。図1において、1はガラス等の基板、2
は遮光層、3は第1層、4は第2層を示す。第1層3、
第2層4との2層で遮光層2を構成しているところを示
す。
【0014】本発明における遮光層は少なくとも2層構
造を有し、基板側に反射抑制の第1層を、その上に遮光
度の高い第2層を有する。そして、その第1層として
は、Niの酸化物、Niの窒化物、もしくはNiの酸窒
化物、又はTi、Zr、Nb、Ta、Si、W及びMo
から選ばれる1つ以上の元素とNiとを主成分とする金
属M1 の酸化物、金属M1 の窒化物、もしくは金属M1
の酸窒化物とされる。
【0015】第2層は、Ti、Zr、Nb、Ta及びS
iから選ばれる1つ以上の金属M2、第1層より窒化度
の低い金属M2 の窒化物、もしくは金属M2 の炭化物、
又は金属M2 とNiとを主成分とする金属M3 、第1層
より窒化度の低い金属M3 の窒化物、もしくは金属M3
の炭化物とされる。これにより、クロムの遮光層と同等
の反射抑制性能、遮光性能、生産性を有し、かつ廃液処
理等の生産上の問題を少なくできる。
【0016】本発明でNi合金である金属M1 は、Ni
とTi、Zr、Nb、Ta、Si、W及びMoから選ば
れる1つ以上の元素との合金とされ、金属M3 は、Ni
とTi、Zr、Nb、Ta及びSiから選ばれる1つ以
上の元素との合金とされるが、これらの金属以外の金属
も悪影響を与えない範囲内で添加されてもよい。通常は
これらの金属のみを用いることが好ましい。
【0017】反射を抑制する第1層には、Niの酸化
物、Niの窒化物、もしくはNiの酸窒化物が用いられ
る。また、金属M1 の酸化物、金属M1 の窒化物、又は
金属M1 の酸窒化物も用いられる。なかでもTi、Z
r、Nb、Ta及びSiから選ばれる1つ以上の金属M
2 とNiとを主成分とする金属M3 の酸化物、金属M3
の窒化物、又は金属M3 の酸窒化物が特に好ましい。
【0018】本発明で、この第1層をNiもしくは金属
1 又はそれらの化合物とするのは、Niは耐久性を有
するほかに、有色の酸化物、窒化物、又は酸窒化物を作
りやすく、透明度や屈折率を精密に制御するのに適する
ためである。特に、第1層をNiと金属M2 との合金又
はその酸化物、その窒化物、もしくはその酸窒化物にす
ることにより、優れた反射抑制性能を有する反射抑制層
を容易に提供できる。
【0019】なお、Ni単体での使用は、マグネトロン
スパッタ法では製膜がしづらいが、反射抑制のための第
1層は比較的薄くてもよいので、使用は可能である。W
及びMoは耐薬品性、耐熱性にやや難があるが、この第
1層は基板と第2層とに挟まれるので、悪影響は受けに
くい。
【0020】Niを使用することにより、酸性溶液によ
るエッチングも容易となる。Ti、Zr、Nb、Ta、
Siは、これらのみでは透明度や屈折率を精密に制御す
るのはきわめて困難であり、優れた反射抑制性能を有す
る反射抑制層(第1層)を提供するのは困難であるの
で、Niとこれらの合金を使用することが好ましい。こ
れにより、反射抑制性能等の優れた光学性能と耐薬品性
や耐熱性等の優れた耐久性のよい層が形成できる。
【0021】この第1層では金属又は合金中のNiの量
は原子比で10〜100at%とされる。10at%未
満では反射抑制性能が得られにくい。また、マグネトロ
ンスパッタ法で製膜しやすくするためには、Niを90
at%以下にする方が好ましい。また、Niを90at
%以下にすると、耐熱性や耐薬品性の点からも有利であ
る。
【0022】この第1層の膜厚は、10〜100nm程
度とすることが好ましい。10nm未満では、充分な反
射抑制性能が得られにくく、100nm超では、反射抑
制性能がほとんど増加せず成膜時間とエッチング時間が
かかるので、生産性が低下する。したがって、このよう
な範囲で、要求される反射抑制性能を満足する膜厚を選
択すればよい。
【0023】遮光度を得る第2層は、金属M2 、第1層
より窒化度の低い金属M2 の窒化物、もしくは金属M2
の炭化物が用いられる。また、金属M3 、第1層より窒
化度の低い金属M3 の窒化物、もしくは金属M3 の炭化
物も用いられる。
【0024】なかでも、金属M3 、第1層より窒化度の
低い金属M3 の窒化物、もしくは金属M3 の炭化物の使
用が好ましい。遮光層としてNiを含む合金とすること
により、酸性溶液によるエッチングも容易となる。ま
た、もう一方の主成分であるTi、Zr、Nb、Ta、
Siは耐薬品性、耐熱性等に優れた性能を有し、高い遮
光性と優れた耐久性を有する遮光層を提供できる。
【0025】この第2層では金属又は合金中のNiの量
は原子比で0〜90at%とされる。Niが90at%
超では耐熱性や耐薬品性に問題を生じるので、90at
%以下にされる。また、Niを90at%以下にする
と、マグネトロンスパッタ法で製膜しやすくなる。ま
た、Niを10at%以上にすると、エッチング液に溶
けやすくなる。
【0026】なお、金属M2 、第1層より窒化度の低い
金属M2 の窒化物、もしくは金属M2 の炭化物とする場
合、Siについてはこれ単体で用いることは遮光度の点
で好ましくなく、Ti、Zr、Nb又はTaと併用され
る。さらに、Ti、Zr、Nb、Ta、Siのみを用い
た場合には、この第2層の上に酸化を防ぐような第3層
を設けるか、早急に平坦化層や電極層を形成することが
好ましい。
【0027】遮光目的の第2層としては、金属M3 系の
膜を用いることが好ましい。この金属M3 、この金属M
3 の窒化物膜、又は炭化物膜とすることによって、遮光
層のエッチング速度や反射性能等を制御しうる。このよ
うにして、所望の反射抑制性能、遮光性能とともに両方
の遮光層のエッチング特性を合わせうる。なお、第1
層、第2層ともに窒化物膜とする場合には、前述したよ
うに、第2層の窒化物膜は遮光性能を上げるために、第
1層の窒化物膜よりも窒化度を低くする。
【0028】遮光層2の膜厚は、50〜1000nm程
度で使用されるが、80〜300nm程度とされること
が好ましい。80nm未満では、高い遮光性能が得られ
にくく、300nm超では、膜の内部応力が増加し、膜
剥がれが発生したり、必要以上に成膜時間とエッチング
時間がかかりやすくなる。
【0029】本発明の1つの好ましい態様としては、こ
の第1層3は、金属M1 の酸化物、金属M1 の窒化物、
又は金属M1 の酸窒化物とされる。第2層4は、遮光度
の高い層であり、金属M3 、第1層より窒化度の低い金
属M3 の窒化物、又は金属M3 の炭化物とされる。
【0030】本発明ではこの構成の第1層3を、Niの
酸化物、Niの窒化物、又はNiの酸窒化物とすること
もできる。金属M1 を用いた場合よりも耐熱性、耐薬品
性は低下するが、基板と第2層との間に挟まれるので、
影響は少ない。
【0031】2番目の好ましい態様としては、2層構造
とし、この第1層3は、上記と同様金属M1 の酸化物、
金属M1 の窒化物、又は金属M1 の酸窒化物とされる。
第2層4は、金属M2 、第1層より窒化度の低い金属M
2 の窒化物、又は金属M2 の炭化物とされる。
【0032】これらの各層に用いられる材料は、それぞ
れの層に適した窒素や酸素や炭素の含有量にされる。た
とえば、第1層、第2層の2層ともにNi合金の窒化物
膜にして使用することもできる。ただし、この場合には
第1層の窒化物膜は遮光度よりも反射光沢が少なくなる
ような窒素含有量とし、第2層の窒化物膜は遮光度が高
くなるような窒素含有量とすることが好ましい。
【0033】金属M1 膜、及びNiの金属膜は、含有す
る酸素、窒素、炭素に対して、Ti、Zr、Nb、T
a、Si、W及びMoのうち1つ以上の元素やNiの成
分が多いほど遮光性が高くなり、含有する酸素の量が多
いほど透明性が高くなる。また、窒素についても酸素と
同様にその含有量が増えるほど透明性が高くなるが、酸
素と比較するとその効果は小さく、透明度や屈折率を精
密に制御するのに適する。他方、炭素はその含有量が高
くなるほどエッチング速度が小さくなる特徴がある。
【0034】これらの特徴を利用して、所望の遮光性と
パターニング性、さらには反射抑制性能を満足するよう
に遮光層の材料であるTi、Zr、Nb、Ta、Si、
W及びMoのうち1つ以上の元素の混入量や金属又は合
金に対する酸素、窒素、炭素の添加量を選択すればよ
い。
【0035】本発明の遮光層は、蒸着法、メッキ法等の
各種製造方法で製造できるが、マグネトロンスパッタ法
で形成することが好ましい。これにより、酸化度、窒化
度等を容易に正確に制御でき、かつ異物、ピンホール欠
点の少ない緻密な膜を製膜できる。
【0036】この際、酸化物膜、窒化物膜、酸窒化物
膜、炭化物膜を得る場合には、スパッタガス中に、酸
素、窒素、メタン、二酸化炭素ガス等を適量添加して作
製される。具体的には、遮光層が所望の性能を得るよう
に、酸素、窒素、メタン、二酸化炭素ガス等の流量を変
えて実験的に定めればよい。
【0037】また、マグネトロンスパッタ法を用い、第
1層をNi合金系でなくNi金属系とした場合には、前
述した理由で若干の成膜時の生産性低下が否めないが、
膜厚が比較的薄いことから、Niの酸化物、窒化物又は
酸窒化物も使用できる。
【0038】本発明の遮光層は、前述したように反射抑
制機能を有する第1層と高い遮光性を有する第2層の2
層以上の構造を有する。この2層の他に、さらに他の層
を追加できる。たとえば、第2層のさらに上に反射抑制
をする層や第2層を保護する層を形成したり、第1層と
第2層との間にさらに反射を低減する層を加えたりする
こともできる。
【0039】図2は、本発明の遮光層付き基板を用いた
カラーフィルタ基板の断面図である。図1では、遮光層
を説明するために遮光層2の厚みを極端に厚く説明した
のに対し、図2では他の部材との関係を示すために、遮
光層2の厚みを薄くして記載している。図2において、
1は基板、2は遮光層、5はその上に形成されたカラー
フィルタ層、6はその上の絶縁層、7はその上の電極を
示す。
【0040】カラーフィルタ層5は、公知のカラーフィ
ルタ製造方法で製造されればよく、顔料分散法、印刷
法、電着法、インクジェット法等の製造方法がある。こ
の図では、遮光層と一部が重なるように形成されている
が、ぴったり密接していてもよく、カラーフィルタ層同
士が密接していてもよい。通常はRGB3色のカラーフ
ィルタ層が配置されるが、これに限定されない。
【0041】カラーフィルタ層上の絶縁層6は、通常は
カラーフィルタ層の凹凸をならす平坦化層の役目も果た
す。具体的には、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコ
ーン樹脂、ポリイミド、ポリアミド等の樹脂が使用され
る。さらにこの層の上に、電極との接合性を向上するた
め等の目的でSiO2 、SiN、TiO2 等の無機物の
膜を形成してもよい。
【0042】電極7は、ITO(In23 −SnO
2 )、SnO2 、ZnO等の透明電極が使用できる。さ
らに、液晶表示素子として使用する場合には、この電極
と絶縁層上にポリイミド、ポリアミド等の配向膜を塗布
乾燥し、ラビング等により配向処理を施す。液晶表示素
子の場合には、このようにして形成したカラーフィルタ
基板と別途製造した電極付き基板とを電極面が相対向す
るように配置して、その間に液晶層を挟持する。
【0043】この電極間に挟持される液晶層としては、
通常のツイステッドネマチック(TN)型液晶表示素子
やSTN型液晶表示素子等用にはネマチック液晶が用い
られる。この他、2色性色素を用いたゲストホスト液
晶、コレステリック液晶、強誘電性液晶等の液体状液晶
の他、固体状の高分子液晶や、樹脂マトリックス中に液
晶が分散している分散型液晶も使用できる。
【0044】上記の説明では、液晶表示素子に用いる例
を説明したが、本発明の遮光層付き基板は、他の遮光層
付きの素子、特に表示素子、たとえばPDP、ELD、
エレクトロクロミック表示素子(ECD)等のフラット
パネルディスプレイにも適応しうる。
【0045】
【実施例】
例1〜10(実施例)および例11〜13(比較例) ガラス基板(旭硝子社製「ANガラス」)上に表1に示
す組成と膜構成の遮光層を形成した。第1層はガラス基
板側の層で反射抑制のための層とし、例11と例12で
は形成していない。第2層は遮光目的の層であり、必ず
形成した。
【0046】遮光層の成膜方法は、マグネトロンスパッ
タ法により形成した。ターゲットには、それぞれ表1に
示す組成比の金属ターゲットを用いた。表1の第1層材
料、第2層材料は、それらの層を形成するのに用いたタ
ーゲットの金属又は合金の組成比(原子%)を示す。
「Si:Ni=20:80」はSiが20at%とNi
が80at%との合金を、「:Ni=0:100」はN
iが100at%の金属を示す。
【0047】具体的には、第1層材料については、例
4、例8、例9がNi100at%の金属であり、例1
2、例13は第1層なしであり、例13は従来例のクロ
ム(Cr)100at%の金属であり、その他の例は全
てNiと他の金属との合金であることを示す。同様に第
2層については、例7、例8はZr100at%の金
属、例9はTi100at%の金属、例10はTa10
0at%の金属、例13はCr100at%の金属、そ
の他の例は全てNiと他の金属との合金であることを示
す。
【0048】第1層をスパッタする際には、Arガス/
酸素ガスの流量比は全て30/70とした。なお、例1
1と例12については第1層を設けていない。第2層を
スパッタする際には、Arガス/酸素ガスの流量比は全
て100/0とした。第1層、第2層とも製膜時のトー
タルガス圧は3mTorrとした。それぞれの膜の膜厚
は、スパッタ電力及び成膜時間により調整した。第1層
の膜厚は、第1層を設けない例11と例12を除き全て
50nmとした。また、第2層の膜厚は、全て150n
mとした。
【0049】このようにして成膜した遮光膜付き基板の
光学特性、耐アルカリ性、耐酸性、耐湿性、耐熱性を調
べた。光学特性は、初期値であり、遮光度としてのオプ
ティカルデンシティOD値(透過率の逆数の対数)、視
感反射率Y値及び反射率(450〜650nmの波長域
での最も低い反射率(%))を測定した。その結果を表
1に示す。
【0050】耐アルカリ性評価は、50℃、5重量%N
aOH水溶液に30分浸漬後に、OD値の変化が0.1
以下でOKとして判断した。耐酸性評価は、室温、5重
量%塩酸水溶液に30分浸漬後に、膜剥れのないものを
OKとして判断した。耐湿性評価は、70℃、95%R
H、1週間放置後に、OD値の変化が0.1以下でOK
として判断した。耐熱性評価は、250℃、60分大気
中加熱後に、OD値の変化が0.1以下で、Y値の変化
が0.5以下のものをOKとして判断した。
【0051】例13は、第1層として酸化クロムの反射
抑制層、第2層としてクロム層を設けた例である。例1
〜例10の遮光層は、この例13のクロム遮光層とほぼ
同等の遮光性能、反射抑制性能を得ることができた。
【0052】例11及び例12は、第1層の反射抑制層
を設けなかった例であり、遮光度は例1〜例10と同等
であったが、反射抑制性能については大幅に悪いもので
あった。
【0053】なお、例4、例8及び例9については、第
1層のターゲットがNi100%であったので、成膜速
度が遅く生産性が他の実施例に比して低くなったが、膜
厚が薄いこともあり、製膜は可能であった。耐アルカリ
性、耐酸性、耐湿性、耐熱性については、例1〜例12
は例13と同様に問題がなかった。
【0054】
【表1】
【0055】
【発明の効果】本発明の遮光膜付き基板は、反射抑制目
的の第1層と高い遮光性を有する第2層との2層以上の
構造を有し、従来のCrを用いた遮光層と同等の優れた
光学特性と耐久性とを達成できる。さらに、従来の成膜
方法で製膜できる遮光膜付き基板を容易に得られる。
【0056】また、廃液処理等の取扱に注意が必要なク
ロムを用いないですみ、かつ、生産性もよい。本発明
は、本発明の効果を損なわない範囲内で、種々の応用が
可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の遮光層付き基板の例の断面図。
【図2】本発明のカラーフィルタ基板の例の断面図。
【符号の説明】
1:基板 2:遮光層 3:第1層 4:第2層 5:カラーフィルタ層 6:絶縁層 7:電極

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板表面にNi系の遮光層を形成する遮光
    層付き基板において、遮光層が2層以上の構造を有し、
    基板側より第1層がNiの酸化物、Niの窒化物、もし
    くはNiの酸窒化物、又はTi、Zr、Nb、Ta、S
    i、W及びMoから選ばれる1つ以上の元素とNiとを
    主成分とする金属M1 の酸化物、金属M1 の窒化物、も
    しくは金属M1 の酸窒化物からなり、かつその上に積層
    された第2層がTi、Zr、Nb、Ta及びSiから選
    ばれる1つ以上の金属M2 、第1層より窒化度の低い金
    属M2 の窒化物、もしくは金属M2 の炭化物、又は金属
    2 とNiとを主成分とする金属M3 、第1層より窒化
    度の低い金属M3 の窒化物、もしくは金属M3 の炭化物
    からなることを特徴とする遮光層付き基板。
  2. 【請求項2】第1層が金属M1 の酸化物、金属M1 の窒
    化物、又は金属M1 の酸窒化物からなり、第2層が金属
    3 、第1層より窒化度の低い金属M3 の窒化物、又は
    金属M3 の炭化物からなる請求項1記載の遮光層付き基
    板。
  3. 【請求項3】第1層がNiの酸化物、Niの窒化物、又
    はNiの酸窒化物からなり、第2層が金属M3 、第1層
    より窒化度の低い金属M3 の窒化物、又は金属M3 の炭
    化物からなる請求項1記載の遮光層付き基板。
  4. 【請求項4】第1層が金属M1 の酸化物、金属M1 の窒
    化物、又は金属M1 の酸窒化物からなり、第2層が金属
    2 、第1層より窒化度の低い金属M2 の窒化物、又は
    金属M2 の炭化物からなる請求項1記載の遮光層付き基
    板。
  5. 【請求項5】第1層及び/又は第2層がマグネトロンス
    パッタ法で形成されることを特徴とする請求項1、2、
    3又は4記載の遮光層付き基板の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項1、2、3又は4記載の遮光層付き
    基板又は請求項5記載の製造方法により製造された遮光
    層付き基板にカラーフィルタ層を形成し、さらにその上
    に絶縁層を介して電極を形成してなることを特徴とする
    カラーフィルタ基板。
  7. 【請求項7】請求項6記載のカラーフィルタ基板と、他
    の電極付き基板との間に液晶層を挟持してなることを特
    徴とする液晶表示素子。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008268705A (ja) * 2007-04-24 2008-11-06 Toppan Printing Co Ltd 液晶表示装置用カラーフィルタ
US7858986B2 (en) 2008-01-22 2010-12-28 Samsung Electronics Co., Ltd. Thin film transistor array panel and method for manufacturing the same
US8159749B2 (en) 2008-08-26 2012-04-17 Mitsubishi Electric Corporation Antireflection coating and display device
KR20160062824A (ko) * 2014-11-25 2016-06-03 엘지디스플레이 주식회사 광차단막, 광차단막을 포함하는 유기발광표시패널 및 그 제조방법

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