JP3255638B1 - 反射型液晶表示素子用基板 - Google Patents

反射型液晶表示素子用基板

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JP3255638B1 JP2001110183A JP2001110183A JP3255638B1 JP 3255638 B1 JP3255638 B1 JP 3255638B1 JP 2001110183 A JP2001110183 A JP 2001110183A JP 2001110183 A JP2001110183 A JP 2001110183A JP 3255638 B1 JP3255638 B1 JP 3255638B1
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    • G02F2201/34Constructional arrangements not provided for in groups G02F1/00 - G02F7/00 reflector
    • G02F2201/346Constructional arrangements not provided for in groups G02F1/00 - G02F7/00 reflector distributed (Bragg) reflector

Abstract

【要約】 【課題】 可視光領域において所望のフラットな光学特
性を安定的に有することができ、反射による着色の発生
を防止することができる反射型液晶表示素子用基板を提
供する。 【解決手段】 透明基板2上に高屈折率透明膜4及び低
屈折率透明膜5を交互に所定数積層して成る反射ミラー
が形成された反射型液晶表示素子用基板であって、高屈
折率透明膜4及び低屈折率透明膜5の少なくとも一方
を、透明基板2から遠ざかるに従い膜厚が漸増するよう
に配置した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、反射型液晶表示素
子用基板に関し、特に、光を一部透過する反射型液晶表
示素子用基板に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯電子機器等の薄型化・軽量化
と、長時間の電池駆動との両立を実現する目的で、低消
費電力を特徴とする液晶表示素子として、外部光を利用
する反射型液晶表示素子が使用されるようになった。こ
の反射型液晶表示素子のなかでも、反射板に半透過板を
使用し、明所では反射型として、暗所ではバックライト
を用いた透過型としてそれぞれ利用できる半透過型液晶
表示素子が提案されている(特開平11−002709
号公報)。
【0003】この半透過型液晶表示素子に使用される液
晶表示素子用基板は、液晶駆動用電極を設けた一対の透
明基板間に液晶層を挟持し、該液晶層に印加した電圧の
大きさによって液晶層の光散乱性を制御し、且つ背面側
の基板にアルミニウム等の金属から成る半透過反射板を
積層した構造を有している。
【0004】また、近年、半透過反射板として光が一部
透過する程度まで薄くした金属薄膜に代わり、光屈折率
が互いに相異する2種類の誘電体材料から成る透明膜の
組を所定数積層した誘電体多層膜を有する反射型液晶表
示素子用基板が本出願人により提案されている(特願平
11−32689号)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記誘
電体多層膜を有する反射型液晶表示素子では、可視光領
域における光反射スペクトル又は光透過スペクトルにリ
ップルが発生する可能性があるために、所望のフラット
な光学特性を常に安定的に得ることができず、反射光に
よる着色が発生するという問題があった。
【0006】また、上記誘電体多層膜の積層数を、例え
ば、数十〜数百層程度多層化することにより光学特性の
設計の自由度が増すので、リップルの発生を抑える仕様
を設定することができるが、その反面、積層に要する時
間が多くなり、工業上実用的でないという問題があっ
た。
【0007】本発明は、比較的少ない、すなわち多くの
時間を要しない積層数の誘電体多層膜とすることがで
き、且つ可視光領域において所望のフラットな光学特性
を安定的に得ることができ、更に反射による着色の発生
を防止することができる反射型液晶表示素子用基板を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の反射型液晶表示素子用基板は、透明
基板上に高屈折率透明膜及び低屈折率透明膜を交互に所
定数積層して成る反射ミラーが形成された反射型液晶表
示素子用基板であって、前記高屈折率透明膜及び前記低
屈折率透明膜の少なくとも一方を、前記透明基板から遠
ざかるに従い膜厚が漸増するように配置したことを特徴
とする。
【0009】請求項1記載の反射型液晶表示素子用基板
によれば、高屈折率透明膜及び低屈折率透明膜の少なく
とも一方を、透明基板から遠ざかるに従い膜厚が漸増す
るように配置したので、可視光領域において所望のフラ
ットな光学特性を安定的に有することができ、反射によ
る着色の発生を防止することができる。
【0010】上記目的を達成するために、請求項2記載
の反射型液晶表示素子用基板は、透明基板上に高屈折率
透明膜及び低屈折率透明膜を交互に所定数積層して成る
反射ミラーが形成された反射型液晶表示素子用基板であ
って、前記高屈折率透明膜及び前記低屈折率透明膜の少
なくとも一方を、前記透明基板から遠ざかるに従い膜厚
が漸減するように配置したことを特徴とする。
【0011】請求項2記載の反射型液晶表示素子用基板
によれば、高屈折率透明膜及び低屈折率透明膜の少なく
とも一方を、透明基板から遠ざかるに従い膜厚が漸減す
るように配置したので、可視光領域において所望のフラ
ットな光学特性を安定的に有することができ、反射によ
る着色の発生を防止することができる。
【0012】上記目的を達成するために、請求項3記載
の反射型液晶表示素子用基板は、透明基板上に高屈折率
透明膜及び低屈折率透明膜を交互に所定数積層して成る
反射ミラーが形成された反射型液晶表示素子用基板であ
って、前記高屈折率透明膜を、前記透明基板から遠ざか
るに従い膜厚が漸増するように配置したことを特徴とす
る。
【0013】請求項3記載の反射型液晶表示素子用基板
によれば、高屈折率透明膜を、透明基板から遠ざかるに
従い膜厚が漸増するように配置したので、可視光領域に
おいて所望のフラットな光学特性を安定的に有すること
ができ、反射による着色の発生を防止することができ
る。
【0014】上記目的を達成するために、請求項4記載
の反射型液晶表示素子用基板は、透明基板上に高屈折率
透明膜及び低屈折率透明膜を交互に所定数積層して成る
反射ミラーが形成された反射型液晶表示素子用基板であ
って、前記高屈折率透明膜を、前記透明基板から遠ざか
るに従い膜厚を漸減するように配置したことを特徴とす
る。
【0015】請求項4記載の反射型液晶表示素子用基板
によれば、高屈折率透明膜を、透明基板から遠ざかるに
従い膜厚を漸減するように配置したので、可視光領域に
おいて所望のフラットな光学特性を安定的に有すること
ができ、反射による着色の発生を防止することができ
る。
【0016】請求項5記載の反射型液晶表示素子用基板
は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の反射型液晶
表示素子用基板において、前記所定数が5〜14である
ことを特徴とする。
【0017】請求項5記載の反射型液晶表示素子用基板
によれば、反射による着色防止の効果を確保できると共
に、積層に要する時間を少なくして量産性を向上させる
ことができる。
【0018】請求項6記載の反射型液晶表示素子用基板
は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の反射型液晶
表示素子用基板において、前記所定数が3〜4であるこ
とを特徴とする。
【0019】請求項6記載の反射型液晶表示素子用基板
によれば、反射による着色防止の効果を確保できると共
に、積層に要する時間をより少なくして量産性を向上さ
せることができる。
【0020】請求項7記載の反射型液晶表示素子用基板
は、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の反射型液晶
表示素子用基板において、前記各高屈折率透明膜は、5
50nmの波長における光屈折率が1.8以上であり、
前記各低屈折率透明膜は、前記各高屈折率透明膜上に積
層されると共に、550nmの波長における光屈折率が
1.5以下であることを特徴とする。
【0021】請求項7記載の反射型液晶表示素子用基板
によれば、各高屈折率透明膜は、550nmの波長にお
ける光屈折率が1.8以上であり、各低屈折率透明膜
は、各高屈折率透明膜上に積層されると共に、550n
mの波長における光屈折率が1.5以下であるので、光
の利用効率を向上させることができ、しかも各透明膜に
金属薄膜を用いていないために、透明導電膜に入力する
信号について信号遅延を引き起こす可能性をなくすこと
ができる。
【0022】請求項8記載の反射型液晶表示素子用基板
は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の反射型液晶
表示素子用基板において、前記高屈折率透明膜は、二酸
化チタンを主成分とする高屈折率材料で形成され、前記
低屈折率透明膜は、二酸化珪素を主成分とする低屈折率
材料で形成されていることを特徴とする。
【0023】請求項8記載の反射型液晶表示素子用基板
によれば、高屈折率透明膜と低屈折率透明膜との屈折率
差を大きくすることができ、所望のフラットな光学特性
をより確実に得ることができる。
【0024】請求項9記載の反射型液晶表示素子用基板
は、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の反射型液晶
表示素子用基板において、前記透明基板上に二酸化珪素
を主成分とする下地膜が積層されていることを特徴とす
る。
【0025】請求項9記載の反射型液晶表示素子用基板
によれば、透明基板上に二酸化珪素を主成分とする下地
膜が積層されているので、透明基板と透明膜との密着性
が向上すると共に、透明基板内部から溶出される不純物
を遮断し、所謂アルカリパッシベーション効果を得るこ
とができる。
【0026】請求項10記載の反射型液晶表示素子用基
板は、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の反射型液
晶表示素子用基板において、前記透明基板から最も遠い
前記高屈折率透明膜は、光触媒活性を有する二酸化チタ
ンを主成分とする膜であることを特徴とする。
【0027】請求項10記載の反射型液晶表示素子用基
板によれば、透明基板から最も遠い高屈折率透明膜は、
光触媒活性を有する二酸化チタンを主成分とする膜なの
で、容易に反射ミラー上の汚れを取り除いて清浄に維持
することができ、更にカラーフィルタとの密着性を向上
させることができる。
【0028】請求項11記載の反射型液晶表示素子用基
板は、請求項10記載の反射型液晶表示素子用基板にお
いて、前記光触媒活性を有する二酸化チタンを主成分と
する高屈折率透明膜上に、更に二酸化珪素を主成分とす
る親水性薄膜が積層されていることを特徴とする。
【0029】請求項11記載の反射型液晶表示素子用基
板によれば、光触媒活性を有する二酸化チタンを主成分
とする高屈折率透明膜上に、更に二酸化珪素を主成分と
する親水性薄膜が積層されているので、疎水性を緩和し
て水溶性洗浄液による洗浄の効果を確保することができ
る。
【0030】請求項12記載の反射型液晶表示素子用基
板は、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の反射型
液晶表示素子用基板において、前記透明基板と前記下地
膜間に透明凹凸散乱層が積層されていることを特徴とす
る。
【0031】請求項12記載の反射型液晶表示素子用基
板によれば、透明基板と下地膜間に透明凹凸散乱層が積
層されているので、製品使用時における該基板内の反射
光を拡散させて見た目のギラツキ感を防ぐことができ
る。
【0032】
【発明の実施の形態】発明者等は、上記目的を達成すべ
く鋭意研究を行った結果、透明基板上に高屈折率透明膜
及び低屈折率透明膜を交互に所定数積層して成る反射ミ
ラーが形成された反射型液晶表示素子用基板であって、
高屈折率透明膜及び低屈折率透明膜の少なくとも一方
を、透明基板から遠ざかるに従い膜厚が漸増又は漸減さ
せるように配置すると、可視光領域(400〜700n
m)における最高光反射率と最低光反射率との差が小さ
くなり、可視光領域において所望のフラットな光学特性
を安定的に有することができ、反射による着色の発生を
防止することができることを見い出した。
【0033】本発明は、上記知見に基づいてなされたも
のである。
【0034】以下、本発明の実施の形態に係る反射型液
晶表示素子用基板について図面を参照して説明する。
【0035】図1は、本発明の実施の形態に係る反射型
液晶表示素子用基板の模式構造を示す断面図であり、
(a)は代表的なもの、(b)はその応用例を示す。
【0036】図1(a)において、反射型液晶表示素子
用基板1は、透明基板2上に光吸収の少ない誘電体であ
る高屈折率材料から成る高屈折率透明膜4と、光吸収の
少ない誘電体である低屈折率材料から成る低屈折率透明
膜5とが交互に所定数m(mは正の整数)積層されてい
る。
【0037】透明基板2は、一般に屈折率が550nm
の波長で1.55〜1.53程度であるシリケート系の
ガラス、特にソーダライムシリケートガラス、無アルカ
リガラス(エヌ・エッチ・テクノガラス社製:商品名N
A35ガラス、旭硝子社製:商品名ANガラス等)、低
アルカリガラスが用いられるが、これに限られるもので
はなく透明なプラスティック等でもよい。
【0038】透明基板2上には、高屈折率透明膜4と低
屈折率透明膜5とを交互に所定数m積層した誘電体多層
膜反射ミラー6が形成されている。この誘電体多層膜反
射ミラー6が光を反射する反射膜としての機能を有す
る。すなわち、高屈折率透明膜4及び低屈折率透明膜5
の各膜厚と所定数mとを適当に与えることで、光透過率
及び光反射率を所望の値にすることができる。
【0039】誘電体多層膜反射ミラー6における各透明
膜4,5は、透明基板2から遠ざかるに従い各層毎に膜
厚が漸増するように配置されている。また、これに代え
て、各透明膜4,5を透明基板2から遠ざかるに従い各
層毎に漸減するように配置したもの、高屈折率透明膜4
のみを透明基板2から遠ざかるに従い各層毎に膜厚が漸
増するように配置したもの、又は高屈折率透明膜4のみ
を透明基板2から遠ざかるに従い各層毎に漸減するよう
に配置したものでもよい。このように各透明膜4,5を
配置することにより、可視光領域(400〜700n
m)における光反射率の最大値と最小値との差を小さく
して所望のフラットな光学特性を実現し、反射による着
色を防止することができる。所定数mは、誘電体多層膜
反射ミラー6による反射着色の防止効果を考慮すると共
に、積層に要する時間を少なくして量産性を向上させる
ために3〜14であることが好ましい。
【0040】高屈折率透明膜4及び低屈折率透明膜5の
合計積層数は3〜14が上記理由で好ましいが、更に光
反射率曲線をよりフラットにし、着色防止の効果をより
大きくする上で6以上とするのが好ましく、量産性を向
上させる上で12以下とするのがより好ましい。さら
に、積層に要する時間を少なくしてより量産性を向上さ
せることを重視する場合には、所定数mを3〜4とする
ことが好ましい。
【0041】上記光透過率及び光反射率は、反射型液晶
表示素子用基板の設計上の要求仕様(用途等)に従って
設定されるものである。例えば、光反射率は、5〜95
%の範囲で設定され、比較的明るい環境の下で反射型液
晶表示素子として用いる場合は高い値(65〜95%)
に、比較的暗い環境の下で透過型液晶表示素子として用
いる場合は低い値(5〜45%)に設定される。光反射
率が45〜65%の範囲に設定された場合には、反射型
と透過型の両方に適した反射型液晶表示素子を作製する
ことができる。
【0042】高屈折率透明膜4と低屈折率透明膜5の屈
折率の差は大きいほどよい。高屈折率透明膜4に用いら
れる高屈折率材料としては、屈折率が1.8以上で光吸
収が少ない誘電体材料が好ましい。具体的には、二酸化
チタン(TiO2)、二酸化ジルコニウム、酸化タンタ
ル、酸化ハフニウム等が用いられるが、なかでも二酸化
チタンが最も好ましい。なお、積層膜としたときに生じ
る膜の歪みを軽減し、化学的耐久性を向上させるため
に、二酸化チタンを主成分として上記他の誘電体材料を
少量含有させてもよい。
【0043】低屈折率透明膜5に用いられる低屈折率材
料としては、屈折率が1.5以下で光吸収が少ない誘電
体材料が好ましい。具体的には、二酸化珪素(Si
2)が用いられるが、積層膜としたときに生じる膜の
歪みを軽減し、化学的耐久性を向上させるために、二酸
化珪素を主成分として酸化アルミニウム等を少量含有さ
せてもよい。
【0044】透明基板2から最も遠い高屈折率透明膜4
は、光触媒活性を有する二酸化チタンを主成分とするも
のが好ましく、光触媒膜として機能する。二酸化チタン
は、一般にその光触媒機能により有機物を分解(酸化分
解)して汚れを除去する効果がある。そのため、誘電体
多層膜反射ミラー6の最外層に低屈折率透明膜5が積層
されていても、反射型液晶表示素子用基板の製造工程に
おいて、誘電体多層膜反射ミラー6上にカラーフィルタ
8(図2)を積層する前に紫外線を照射することによ
り、容易に該反射ミラー6上の汚れを取り除いて清浄に
維持することができ、更にカラーフィルタ8との密着性
を向上させることができる。なお、二酸化チタンを主成
分とする他、副成分として鉄、ニオブ、アルミニウム等
の材料を含有させてもよい。
【0045】更に、図1(b)に示すように、誘電体多
層膜反射ミラー6の最外層の上面には、二酸化珪素を主
成分とする親水性薄膜3が積層されるのが更に好まし
い。高屈折率透明膜4は、上記光触媒機能を有すると同
時に水を弾く性質(疎水性)も有するので、該高屈折率
透明膜4が誘電体多層膜反射ミラー6の最外層に積層さ
れたときには、水溶性の洗浄液により洗浄しにくいとい
う欠点がある。そのため、高屈折率透明膜4の上面に親
水性薄膜3を積層することにより疎水性を緩和し、水溶
性洗浄液による洗浄の効果を確保することができる。親
水性薄膜3の膜厚は、その下面に積層された高屈折率透
明膜4の光触媒機能の効果を確保するために10nm以
下であることが好ましい。
【0046】透明基板2上には、二酸化珪素を主成分と
する下地膜3aが積層されてもよい。更に、透明基板2
と下地膜3aとの間には、主にアクリル樹脂、ポリイミ
ド樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂から成る透明凹
凸散乱層15を積層してもよい。下地膜3aは、透明基
板2又は透明凹凸散乱層15と高屈折率透明膜4との密
着性を向上することができると共に、透明基板2にソー
ダライムシリケートガラスを用いる場合には、該基板内
部から溶出するナトリウムイオンによる汚染を防止する
ことができる。また、透明基板2に透明なプラスティッ
ク基板を用いる場合には、該基板内部から水分が溶出す
る可能性があるため、ポリオルガノシロキサン類から成
るハードコーティングの上に下地膜3aを積層して用い
るのが好ましい。
【0047】透明凹凸散乱層15は、その表面に微細な
凹凸が形成され、これにより製品使用時における該基板
内の反射光を拡散させて見た目のギラツキ感を防ぐこと
ができる。透明凹凸散乱層15の屈折率は、透明基板2
とほぼ同一であることが好ましい。
【0048】図2は、図1の反射型液晶表示素子用基板
1を用いて製造されるカラー液晶表示素子の一例の構造
を示す模式断面図である。
【0049】図2において、誘電体多層膜反射ミラー6
上にはカラーフィルタ8がモザイク状に配置されて積層
され、更にその上にカラーフィルタ8を保護するための
オーバーコート9、及びITO等から成る透明導電膜1
0が積層されている。透明基板2から最も遠い最外層に
設けられた前面ガラス板12より内側に透明導電膜10
aが積層され、透明導電膜10及び透明導電膜10a間
には液晶層11が挟持されている。また、液晶層11の
周囲には、該液晶が外部に漏出しないようシール材13
が設けられている。なお、本実施の形態では、誘電体多
層膜反射ミラー6における高屈折率透明膜4及び低屈折
率透明膜5の積層数、並びに各膜厚を検討するにあたっ
てカラーフィルタ8、オーバーコート9、透明導電膜1
0,10a、液晶層11、及びシール材13に代えて、
これら積層体と光学的に等価である仮想的な層(マッチ
ング層14)を用いた。このマッチング層14の屈折率
は、オーバーコート9、液晶層11等の種類により1.
50〜1.60の範囲の値をとるが、本実施例では、
1.52として計算した。
【0050】上記高屈折率透明膜4及び低屈折率透明膜
5の成膜方法としては、主に、公知の蒸着法、イオンプ
レーティング法、及びスパッタリング法が用いられる
が、それ以外の方法を用いてもよい。蒸着法により高屈
折率透明膜4及び低屈折率透明膜5を形成する場合は、
石英ガラスペレット、二酸化チタンの焼結体、及び二酸
化ジルコニウムの焼結体を蒸着材料に用いて若干量の酸
素を外部より導入しながら蒸着する。スパッタリング法
による場合は、石英ガラスをターゲットとする高周波ス
パッタリングや、チタン金属を酸素と反応させてスパッ
タリングする。
【0051】図3は、図1の反射型液晶表示素子用基板
を製造する製造装置の一例の模式構造を示す概略図であ
る。
【0052】図3に示す製造装置は、シリンドリカル型
のスパッタリング成膜装置であり、一方のカソード30
2には、チタン系金属のターゲット303が貼りつけら
れ、他方のカソード302には、石英ガラスのターゲッ
ト304が貼りつけられている。上記透明基板2である
ガラス基板305は、回転軸を有する円筒状の基板ホル
ダ301の周面に複数枚貼りつけられ、該基板ホルダ3
01を回転させることにより誘電体多層膜反射ミラー6
等がガラス基板305上に成膜される。すなわち、ガラ
ス基板305がチタン系金属のターゲット303面の前
方を通過する際に、高屈折率透明膜4としての二酸化チ
タン膜を成膜し、ガラス板305が石英ガラスのターゲ
ット304面の前方を通過する際に、低屈折率透明膜5
又は親水性薄膜3としての二酸化珪素膜を成膜する。チ
タン系金属のターゲット303へ印加する電力及び石英
ガラスのターゲット304へ印加する電力を時間的に切
り替えて印加して、二酸化チタンと二酸化珪素を交互に
積層して成膜する。
【0053】二酸化チタン膜の成膜には、全圧0.4P
a、酸素50体積%、アルゴン50体積%とする雰囲気
中で行う直流反応性スパッタリング法を用いる。全圧
は、0.1〜1Paの範囲で変化させてよい。また、酸
素の比率は、得られる二酸化チタン膜の光吸収が大きく
生じない程度に適宜定める。二酸化珪素膜の成膜には、
全圧0.4Paのアルゴンガスから成る雰囲気中で行う
高周波スパッタリング法を用いる。
【0054】高屈折率透明膜4及び低屈折率透明膜5の
成膜中にはガラス基板305を特に加熱しないが、ガラ
ス基板305がシリケートガラスのように熱的に劣化し
ないものであれば400℃程度まで加熱してもよい。ま
た、最外層の高屈折率透明膜4の光触媒活性度は、加熱
することにより向上し、該光触媒活性度を実用的なレベ
ル(汚れ防止性)まで上げるには、該高屈折率透明膜4
の膜厚を10nm以上、好ましくは20nm以上の膜厚
で成膜するのが好ましい。
【0055】
【実施例】次に、本発明の実施例について説明する。
【0056】まず、ソーダライムガラス材料(主とし
て、SiO272質量%、Na2O13質量%、CaO8
質量%、Al231.8質量%、K2O0.9質量%)
を用いて作製されたガラス製の透明基板2(屈折率1.
52)上に上記製造装置を用いて上記成膜条件、すなわ
ち二酸化チタン膜(TiO2):全圧0.4Pa、酸素
50体積%、アルゴン50体積%とする雰囲気、二酸化
珪素膜(SiO2):全圧0.4Paのアルゴンガスか
ら成る雰囲気により、高屈折率透明膜4、低屈折率透明
膜5を表1及び表2に示す積層数並びに膜厚でそれぞれ
成膜して誘電体多層膜反射ミラー6等を形成して、表1
及び表2に示す試料(実施例1〜30及び比較例1,
2)を準備した。
【0057】なお、本実施の形態では、表1及び表2に
示す各試料は、誘電体多層膜反射ミラー6上に積層され
るべきカラーフィルタ8、オーバーコート9、透明導電
膜10,10a、液晶層11、及びシール材13に代え
て、これら積層体と光学的に等価であるマッチング層1
4(屈折率1.52)と、その層の上に積層された前面
ガラス板12(屈折率1.50)とで形成された実際の
反射型液晶表示素子とほぼ同様の仮想的な光学的多層体
である。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】表1及び表2において、積層数mは、高屈
折率透明膜4及び低屈折率透明膜5の積層数を示し、膜
材料/膜厚(単位:nm)は、積層した順序、各膜の材
料、及び各層の膜厚を示す。
【0061】表1及び表2の実施例1,3,5,7,
9,11,13,15,18,19,20,29は、各
実施例の高屈折率透明膜4及び低屈折率透明膜5を各膜
厚が透明基板2から遠ざかるに従って漸増するように配
置したものであり、特に、実施例5及び実施例13にお
ける各膜厚の厚さの推移を図4(a)及び図4(b)に
示す。一方、表1及び表2の実施例2,4,6,8,1
0,12,14,16,17,30は、各実施例の高屈
折率透明膜4及び低屈折率透明膜5を各膜厚が透明基板
2から遠ざかるに従って漸減するように配置したもので
あり、特に、実施例6及び実施例14における各膜厚の
厚さの推移を図5(a)及び図5(b)に示す。
【0062】また、実施例21,23,25,27は、
該実施例の高屈折率透明膜4のみを各膜厚が透明基板2
から遠ざかるに従って漸増するように配置したものであ
り、実施例22,24,26,28は反対に、該実施例
の高屈折率透明膜4のみを各膜厚が透明基板2から遠ざ
かるに従って漸減するように配置したものである。
【0063】表2の比較例1,2は、高屈折率透明膜4
及び低屈折率透明膜5を各膜厚を特に管理せずに積層し
たものであり、各膜厚の厚さの推移を図6(a)及び図
6(b)に示す。
【0064】実施例17,18は、透明凹凸散乱層15
と誘電体多層膜反射ミラー6間にSiO2を主成分とす
る下地膜3aを成膜したものである。実施例1,13〜
16,19,20,27,28は、誘電体多層膜反射ミ
ラー6の最外層にTiO2膜を積層したものであり、特
に、実施例19,20は、そのTiO2膜上に薄いSi
2膜を積層したものである。各実施例において、透明
基板2から最も遠いTiO2膜は、光触媒活性を有する
光触媒膜として機能する。また、実施例19,20のよ
うに、最外層に積層された薄いSiO2膜は、親水性薄
膜として機能する。
【0065】上記各試料に対して、一方の面から可視光
を照射し、当該可視光に対する透過光及び反射光のR、
G、Bの各波長成分についての光透過率[%]と光反射
率[%]とを測定し、その測定結果を表3及び表4に示
す。
【0066】
【表3】
【0067】
【表4】
【0068】表3及び表4において、光透過率(%)
は、可視光の赤(R)(640nm)、緑(G)(53
0nm)、青(B)(460nm)の各波長成分が試料
を透過した割合を示し、光反射率(%)は、可視光の
R、G、Bの各波長成分が試料から反射した割合を示
し、ΔR,ΔTはそれらの最大値と最小値との差(リッ
プルの大きさ)を示す。
【0069】高屈折率透明膜4及び低屈折率透明膜5の
積層数並びに各膜厚を表1及び表2のように設定するこ
とにより、R、G、Bの各波長における光反射率の最大
値と最小値との差は、実施例1〜30のいずれもおよそ
10%以内であることが表3及び表4からわかる。
【0070】次に、本発明の実施例及び比較例の反射型
液晶表示素子用基板の光学特性について図7〜図14を
参照して説明する。
【0071】図7は、表1の実施例5の光学特性を示す
図であり、同様に、図8は表1の実施例6の光学特性
を、図9は表1の実施例13の光学特性を、図10は表
1の実施例14の光学特性を示す図である。
【0072】図11は、表2の実施例27の光学特性を
示す図であり、同様に、図12は表2の実施例28の光
学特性を、図13は表2の比較例1の光学特性を、図1
4は表2の比較例2の光学特性を示す図である。図7〜
図14の光学特性は、横軸を波長(nm)、縦軸を反射
率(%)にしており、光の入射角が0°の場合の光反射
率を示す。
【0073】図7〜図12に示すように、実施例5,
6,13,14,27,28の各光学特性は、いずれも
可視光領域においてリップルが発生せず、フラットな特
性である。反対に、図13の比較例1及び図14の比較
例2の光学特性は、いずれも可視光領域では大小のリッ
プルが発生しており、フラットな特性ではない。
【0074】次に、上記実施例1,13〜16,19,
20、及び比較例1に対して、光触媒活性度、親水性、
及びカラーフィルタ8との密着性に関する各測定を行っ
た結果を表5に示す。
【0075】
【表5】
【0076】表5において、トリオレイン残留率とは、
上記各試料におけるマッチング層14及び前面ガラス板
12を除いた誘電体多層膜反射ミラー6上の最外層表面
にトリオレインを塗布して、ブラックライトにより3m
W/cm2の強度の紫外線を24時間照射した後におけ
る前記最外層表面のトリオレイン残留量の割合である。
その数値が小さいほど汚れ等を取り除くクリーニング効
果が高いことを表す。接触角とは、上記誘電体多層膜反
射ミラー6上の最外層表面にブラックライトにより3m
W/cm2の強度で紫外線を30分間照射した後、該表
面に水滴を垂らして測定した接触角であり、その数値が
小さいほど親水性が高いことを表す。
【0077】カラーフィルタとの密着性とは、上記各試
料における誘電体多層膜反射ミラー6上にカラーフィル
タ8を形成した後に、テープ試験により誘電体多層膜反
射ミラー6とカラーフィルタ8との界面の接着性を4段
階で評価したものであり、「◎」は全く剥離なしを、
「○」は剥離面積が全体の0〜1%であることを、
「△」は剥離面積が全体の1〜3%であることを、
「×」は剥離面積が全体の3%以上であることを表す。
【0078】表5に示すように、光触媒活性を有するT
iO2膜を最外層に積層した実施例1,13〜16のい
ずれも、比較例1に比べてトリオレイン残留率が小さ
く、カラーフィルタ8との密着性がよいという結果が得
られた。また、光触媒活性を有するTiO2膜上に膜厚
が10nm以下のSiO2膜、すなわち親水性薄膜を積
層した実施例19,20についても同様に、比較例1に
比べてトリオレイン残留率及び接触角が小さく、カラー
フィルタ8との密着性がよいという結果が得られた。
【0079】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、請求項1
記載の反射型液晶表示素子用基板によれば、高屈折率透
明膜及び低屈折率透明膜の少なくとも一方を、透明基板
から遠ざかるに従い膜厚が漸増するように配置したの
で、可視光領域において所望のフラットな光学特性を安
定的に有することができ、反射による着色の発生を防止
することができる。
【0080】請求項2記載の反射型液晶表示素子用基板
によれば、高屈折率透明膜及び低屈折率透明膜の少なく
とも一方を、透明基板から遠ざかるに従い膜厚が漸減す
るように配置したので、可視光領域において所望のフラ
ットな光学特性を安定的に有することができ、反射によ
る着色の発生を防止することができる。
【0081】請求項3記載の反射型液晶表示素子用基板
によれば、高屈折率透明膜を、透明基板から遠ざかるに
従い膜厚が漸増するように配置したので、可視光領域に
おいて所望のフラットな光学特性を安定的に有すること
ができ、反射による着色の発生を防止することができ
る。
【0082】請求項4記載の反射型液晶表示素子用基板
によれば、高屈折率透明膜を、透明基板から遠ざかるに
従い膜厚が漸減するように配置したので、可視光領域に
おいて所望のフラットな光学特性を安定的に有すること
ができ、反射による着色の発生を防止することができ
る。
【0083】請求項5記載の反射型液晶表示素子用基板
によれば、高屈折率透明膜及び低屈折率透明膜を交互に
積層する所定数を5〜14としたので、反射による着色
防止の効果を確保できると共に、積層に要する時間を少
なくして量産性を向上させることができる。
【0084】請求項6記載の反射型液晶表示素子用基板
によれば、高屈折率透明膜及び低屈折率透明膜を交互に
積層する所定数を3〜4としたので、反射による着色防
止の効果を確保できると共に、積層に要する時間をより
少なくして量産性を向上させることができる。
【0085】請求項7記載の反射型液晶表示素子用基板
によれば、各高屈折率透明膜は、550nmの波長にお
ける光屈折率が1.8以上であり、各低屈折率透明膜
は、各高屈折率透明膜上に積層されると共に、550n
mの波長における光屈折率が1.5以下であるので、光
の利用効率を向上させることができ、しかも各透明膜に
金属薄膜を用いていないために、透明導電膜に入力する
信号について信号遅延を引き起こす可能性をなくすこと
ができる。
【0086】請求項8記載の反射型液晶表示素子用基板
によれば、高屈折率透明膜は、二酸化チタンを主成分と
する高屈折率材料で形成され、低屈折率透明膜は、二酸
化珪素を主成分とする低屈折率材料で形成されているの
で、高屈折率透明膜と低屈折率透明膜との屈折率差を大
きくすることができ、所望のフラットな光学特性をより
確実に得ることができる。
【0087】請求項9記載の反射型液晶表示素子用基板
によれば、透明基板上に二酸化珪素を主成分とする下地
膜が積層されているので、透明基板と透明膜との密着性
が向上すると共に透明基板内部から溶出される不純物を
遮断し、所謂アルカリパッシベーション効果を得ること
ができる。
【0088】請求項10記載の反射型液晶表示素子用基
板によれば、透明基板から最も遠い高屈折率透明膜は、
光触媒活性を有する二酸化チタンを主成分とする膜なの
で、容易に反射ミラー上の汚れを取り除いて清浄に維持
することができ、更にカラーフィルタとの密着性を向上
させることができる。
【0089】請求項11記載の反射型液晶表示素子用基
板によれば、光触媒活性を有する二酸化チタンを主成分
とする高屈折率透明膜上に、更に二酸化珪素を主成分と
する親水性薄膜が積層されているので、疎水性を緩和し
て水溶性洗浄液による洗浄の効果を確保することができ
る。
【0090】請求項12記載の反射型液晶表示素子用基
板によれば、透明基板と下地膜間に透明凹凸散乱層が積
層されているので、製品使用時における該基板内の反射
光を拡散させて見た目のギラツキ感を防ぐことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る反射型液晶表示素子
用基板の模式構造を示す断面図であり、(a)は代表的
なもの、(b)はその応用例を示す。
【図2】図1の反射型液晶表示素子用基板1を用いて製
造されるカラー液晶表示素子の一例の模式構造を示す断
面図である。
【図3】図1の反射型液晶表示素子用基板を製造する製
造装置の一例の模式構造を示す概略図である。
【図4】表1の実施例における高屈折率透明膜4及び低
屈折率透明膜5の各膜厚を透明基板2から遠ざかるに従
って漸増していったものを示す図であり、(a)は実施
例5、(b)は実施例13の場合を示す。
【図5】表1及び表2の実施例における高屈折率透明膜
4及び低屈折率透明膜5の各膜厚を透明基板2から遠ざ
かるに従って漸減していったものを示す図であり、
(a)は実施例6、(b)は実施例14の場合を示す。
【図6】表2の比較例における高屈折率透明膜4及び低
屈折率透明膜5の各膜厚を示す図であり、(a)は比較
例1、(b)は比較例2の場合を示す。
【図7】表1の実施例5の光学特性を示す図である。
【図8】表1の実施例6の光学特性を示す図である。
【図9】表1の実施例13の光学特性を示す図である。
【図10】表1の実施例14の光学特性を示す図であ
る。
【図11】表2の実施例27の光学特性を示す図であ
る。
【図12】表2の実施例28の光学特性を示す図であ
る。
【図13】表2の比較例1の光学特性を示す図である。
【図14】表2の比較例2の光学特性を示す図である。
【符号の説明】
1 反射型液晶表示素子用基板 2 透明基板 3 親水性薄膜 3a 下地膜 4 高屈折率透明膜 5 低屈折率透明膜 6 誘電体多層膜反射ミラー 7 カラー液晶表示用基板 8 カラーフィルタ 9 オーバーコート 10,10a 透明導電膜 11 液晶層 12 前面ガラス板 13 シール材 14 マッチング層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1335

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板上に高屈折率透明膜及び低屈折
    率透明膜を交互に所定数積層して成る反射ミラーが形成
    された反射型液晶表示素子用基板であって、 前記高屈折率透明膜及び前記低屈折率透明膜の少なくと
    も一方を、前記透明基板から遠ざかるに従い膜厚が漸増
    するように配置したことを特徴とする反射型液晶表示素
    子用基板。
  2. 【請求項2】 透明基板上に高屈折率透明膜及び低屈折
    率透明膜を交互に所定数積層して成る反射ミラーが形成
    された反射型液晶表示素子用基板であって、 前記高屈折率透明膜及び前記低屈折率透明膜の少なくと
    も一方を、前記透明基板から遠ざかるに従い膜厚が漸減
    するように配置したことを特徴とする反射型液晶表示素
    子用基板。
  3. 【請求項3】 透明基板上に高屈折率透明膜及び低屈折
    率透明膜を交互に所定数積層して成る反射ミラーが形成
    された反射型液晶表示素子用基板であって、 前記高屈折率透明膜を、前記透明基板から遠ざかるに従
    い膜厚が漸増するように配置したことを特徴とする反射
    型液晶表示素子用基板。
  4. 【請求項4】 透明基板上に高屈折率透明膜及び低屈折
    率透明膜を交互に所定数積層して成る反射ミラーが形成
    された反射型液晶表示素子用基板であって、 前記高屈折率透明膜を、前記透明基板から遠ざかるに従
    い膜厚が漸減するように配置したことを特徴とする反射
    型液晶表示素子用基板。
  5. 【請求項5】 前記所定数が5〜14であることを特徴
    とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の反射型液
    晶表示素子用基板。
  6. 【請求項6】 前記所定数が3〜4であることを特徴と
    する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の反射型液晶
    表示素子用基板。
  7. 【請求項7】 前記各高屈折率透明膜は、550nmの
    波長における光屈折率が1.8以上であり、前記各低屈
    折率透明膜は、前記各高屈折率透明膜上に積層されると
    共に、550nmの波長における光屈折率が1.5以下
    であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項
    に記載の反射型液晶表示素子用基板。
  8. 【請求項8】 前記高屈折率透明膜は、二酸化チタンを
    主成分とする高屈折率材料で形成され、前記低屈折率透
    明膜は、二酸化珪素を主成分とする低屈折率材料で形成
    されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか
    1項に記載の反射型液晶表示素子用基板。
  9. 【請求項9】 前記透明基板上に二酸化珪素を主成分と
    する下地膜が積層されていることを特徴とする請求項1
    乃至8のいずれか1項に記載の反射型液晶表示素子用基
    板。
  10. 【請求項10】 前記透明基板から最も遠い前記高屈折
    率透明膜は、光触媒活性を有する二酸化チタンを主成分
    とする膜であることを特徴とする請求項1乃至8のいず
    れか1項に記載の反射型液晶表示素子用基板。
  11. 【請求項11】 前記光触媒活性を有する二酸化チタン
    を主成分とする高屈折率透明膜上に、更に二酸化珪素を
    主成分とする親水性薄膜が積層されていることを特徴と
    する請求項10記載の反射型液晶表示素子用基板。
  12. 【請求項12】 前記透明基板と前記下地膜間に透明凹
    凸散乱層が積層されていることを特徴とする請求項1乃
    至11のいずれか1項に記載の反射型液晶表示素子用基
    板。
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