JPH0798414A - 偏光板および偏光板の製造方法 - Google Patents

偏光板および偏光板の製造方法

Info

Publication number
JPH0798414A
JPH0798414A JP6102080A JP10208094A JPH0798414A JP H0798414 A JPH0798414 A JP H0798414A JP 6102080 A JP6102080 A JP 6102080A JP 10208094 A JP10208094 A JP 10208094A JP H0798414 A JPH0798414 A JP H0798414A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
polarizing plate
polarizing
fluorine
silane compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP6102080A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3387204B2 (ja
Inventor
Satoru Miyashita
悟 宮下
Katsuma Endo
甲午 遠藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=27551755&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JPH0798414(A) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP10208094A priority Critical patent/JP3387204B2/ja
Publication of JPH0798414A publication Critical patent/JPH0798414A/ja
Priority to US08/572,270 priority patent/US5759643A/en
Application granted granted Critical
Publication of JP3387204B2 publication Critical patent/JP3387204B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polarising Elements (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)
  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた視認性を確保しながら、撥水性,汚染
防止性に優れた偏光板およびこの偏光板の製造方法を提
供する。 【構成】 偏光板100は、偏光層12およびこの偏光
層の両表面に形成された支持層14,16を有する偏光
基板10と、この偏光基板10を構成する一方の支持層
14の表面に形成されたアンダーコート層20と、この
アンダーコート層20の表面に形成された反射防止層3
0と、この反射防止層30の表面に形成され、含フッ素
シラン化合物からなる汚染防止層40と、を含む。前記
アンダーコート層20は、JIS Z 8741に基づ
く鏡面光沢度が10〜40であり、かつJIS K 6
900に基づく曇度が5〜30%であることが好まし
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に液晶表示装置に好
適に用いられる偏光板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置においては、その表面反射
を減らすことで、特に屋外での視認性を向上させること
が行われている。このような表面反射を減らすための方
法としては、例えば、真空蒸着法、イオンプレーティン
グ法、スパッタリング法等により偏光板の表面に無機質
コート膜からなる反射防止膜を形成する方法、あるいは
このような反射防止膜を表面に形成したアクリル樹脂フ
ィルムを偏光板に接着剤によって貼り付ける方法等があ
る。
【0003】しかし、従来の反射防止膜付き偏光板にお
いては、指紋等の汚れが付き易く、また一旦着いた汚れ
が取れにくいこと、偏光板の表面に水滴が付着し易く、
水滴が付着した状態で放置すると、短時間でしみ状の痕
跡となるいわゆるヤケが発生すること、さらには偏光板
の表面に水滴が着いたまま高温の状態で放置すると、反
射防止膜にクラックが生じたり反射防止膜が剥離するこ
と、等の問題があった。
【0004】このような問題を回避する技術として、特
開平3−266801号公報に、反射防止膜上にフッ素
樹脂の薄膜を設ける方法が開示されている。しかし、こ
のフッ素樹脂の薄膜は、ポリテトラフルオロエチレンや
ポリビニルフルオライドなどを抵抗加熱式の真空蒸着法
によって堆積させて形成され、密着力,強度,表面硬度
等の点で不十分であって、実用化に適しないものであ
る。また、この技術を用いて膜強度が確保できる程度の
厚みの薄膜を形成した場合には、この膜が偏光板の光学
特性に影響を与え、反射率の増加,光干渉による色付
き,膜厚の不均一に起因する視認性の低下等の新たな問
題を生じる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来技術の課題を解決するためのものであって、その目
的とするところは、表面反射が少なく優れた視認性を確
保しながら、撥水性,汚染防止性に優れた偏光板および
その製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段および作用】本発明の偏光
板は、偏光層およびこの偏光層の両表面に形成された支
持層を有する偏光基板と、この偏光基板を構成する一方
の支持層の表面に形成されたアンダーコート層と、この
アンダーコート層側の最も外側に位置し、含フッ素シラ
ン化合物からなる汚染防止層と、を含むことを特徴とし
ている。
【0007】この偏光板においては、通常、前記アンダ
ーコート層と前記汚染防止層との間に反射防止層が形成
される。
【0008】この偏光板においては、その最表面に含フ
ッ素シラン化合物からなる汚染防止層を形成することに
より、偏光板表面の撥水性および撥油性を向上させるこ
とができ、汚染防止性に優れた偏光板を構成することが
できる。
【0009】汚染防止層の下位に位置する反射防止層
は、通常、例えばSiO2 膜等の無機質膜から構成さ
れ、その表面には極性の大きな−OH基が露出してお
り、この活性な基は汚れや水滴が付着しやすい原因とな
っている。したがって、極性の極めて小さな含フッ素シ
ラン化合物を前記反射防止層の表面に反応あるいは吸着
させることで、偏光板表面を化学的に安定した状態に改
質することができる。
【0010】この含フッ素シラン化合物からなる汚染防
止層は、原理的には単分子層によって構成されれば十分
であり、この程度の薄膜では偏光板の光学特性や表面硬
度に問題となるような影響を与えることはない。また、
前記反射防止層と汚染防止層とは、反応性置換基を介し
て化学的に結合しているため、両者の密着力は強固であ
り、汚染防止層が剥がれるようなことはない。また、含
フッ素シラン化合物は耐薬品性、耐熱性、耐擦傷性およ
び耐候性等の化学的,物理的特性において優れている。
【0011】前記汚染防止層は、純水の表面に対する接
触角が70度以上、より好ましくは100度以上あるこ
とが望ましい。汚染防止層がこの範囲の接触角を有する
ことにより、優れた撥水性を有し、良好な汚染防止性を
発揮することができる。
【0012】本発明においては、前記アンダーコート層
は、JIS Z 8741に基づく鏡面光沢度が10〜
40、好ましくは20〜35であり、かつJIS K
6900に基づく曇度(ヘイズ)が5〜30%、好まし
くは10〜25%であることが望ましい。
【0013】この偏光板においては、前記アンダーコー
ト層の鏡面光沢度および曇度を前記範囲に特定すること
により、偏光板表面の写り込みやギラツキを低減して優
れた視認性を確保しながら、偏光板表面の汚れの拭き取
り性を高めることができる。以下、この点について詳細
に説明する。
【0014】本発明において、鏡面光沢度(以下「光沢
度」という)とは、JIS Z 8741の方法3(6
0度鏡面光沢)に基づく光沢の度合いをいう。光沢度が
10未満では、アンダーコート層の表面の凹凸の分布が
高密度となり、偏光板の表面に付着した汚れを除去しに
くくなる。一方、光沢度が40より大きい場合には、外
光の正反射が強いため、偏光板の表面にいわゆるギラツ
キが顕著に現れ、視認性が低下する。
【0015】本発明において、曇度とは、JIS K
6900−113によるものをいう。具体的には、透明
体に入射した光線が拡散する度合いをいい、拡散透過光
量と全透過光量との比を百分率で示したものである。本
発明において、曇度が5未満では、偏光板の表面が鏡面
状態となっていわゆる写り込みの現象が顕著になり、視
認性が低下する。一方、曇度が30より大きいと、偏光
板の表面が曇ガラスのような状態となって解像度が低下
し、そのため視認性が低下するだけでなく、平行透過率
の低下により暗くなる。
【0016】また、本発明の偏光板においては、前記ア
ンダーコート層は、JIS B 0601に基づく中心
線平均粗さ(Ra)が100〜500nm、より好まし
くは150〜300nmであることが望ましい。この中
心線平均粗さが上記範囲にあることにより、表面の写り
込みやギラツキが低減でき、しかも汚れの拭き取り性を
高めることができる。
【0017】前記汚染防止層を構成するフッ素シラン化
合物は、下記式(1)で示される含フッ素シラン化合
物、この化合物単位を有するオリゴマーおよびポリマー
の少なくとも一種からなる。式(1) (R1 a (R2 b −Si−(X)c 式(1)中、R1 はフッ素を含む有機基、R2 は水素ま
たは有機基、Xはハロゲン基,水酸基,アミノ基,アル
コキシ基およびこれらの基の一部が置換された基から選
択される少なくとも一種の加水分解可能な反応性基、a
は1〜3の整数、b は0または1〜2の整数、c は1〜
3の整数を示す。
【0018】前記式(1)で示される含フッ素シラン化
合物としては、反応性基Xはアミノ基または置換アミノ
基であることが好ましい。
【0019】このようなアミノシラン化合物としては、
1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルトリアミ
ノシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシ
ルジメチルアミノシラン、ビス(1H,1H−パーフル
オロブチル)ジアミノシラン、ビス(パーフルオロノニ
ル)ジアミノシラン、パーフルオロヘキサデシルトリア
ミノシラン、パーフルオロヘプタデシルトリアミノシラ
ン、パーフルオロオクタデシルトリアミノシランおよび
ビス(パーフルオロノニル)ブチルアミノシランなどを
挙げることができる。これらのアミノシラン化合物は一
種単独で、あるいは二種以上組み合わせて用いることが
できる。
【0020】また、前記式(1)の含フッ素シラン化合
物において、R1 はフッ素を含む、炭素数1〜20のア
ルキル基,置換アルキル基,アルコキシ基または置換ア
ルコキシ基、R2 は水素または炭素数1〜4のアルキル
基,置換アルキル基,アルコキシ基または置換アルキル
基、Xはハロゲン基,水酸基、アルコキシ基およびこれ
らの基の一部が置換された基から選択される少なくとも
一種の反応性基であることが望ましい。
【0021】このような含フッ素シラン化合物として
は、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルトリ
クロロシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロ
デシルトリブロモシラン、1H,1H,2H,2H−パ
ーフルオロデシルトリエトキシシラン、1H,1H,2
H,2H−パーフルオロデシルトリヒドロキシシラン、
パーフルオロヘプタデシルトリメトキシシラン、パーフ
ルオロオクタデシルジメチルクロロシラン、パーフルオ
ロヘキサデシルメチルジクロロシランおよび3,3,3
−トリフルオロプロピルトリクロロシランなどをあげる
ことができる。これらの含フッ素シラン化合物は、一種
単独であるいは二種以上を組み合わせて使用することが
できる。
【0022】含フッ素シラン化合物のうち、アミノシラ
ンは、他のシラン化合物に比較して、室温〜80℃の温
度で反応するため、反応の制御や取り扱いが簡単で、か
つ反応液の管理も容易であるという利点がある。
【0023】前記式(1)で示される含フッ素シラン化
合物は、反応の前後において化合物相互が結合してオリ
ゴマーあるいはポリマー化することもあり得るが、冷暗
所で保存することによって、その反応を本発明の目的を
阻害しない程度に管理することができる。
【0024】前記アンダーコート層には、平均粒子径
0.1〜5μm、より好ましくは0.5〜2μmの硬質
粒子が、該アンダーコート層に対して例えば1〜50重
量%の割合で分散されていることが望ましい。硬質粒子
の平均粒子径が0.1μm未満であると、防眩効果の点
で劣る。一方、硬質粒子の平均粒子径が5μmを越える
と、ギラツキが発生し、視認性の点で劣る。また、硬質
粒子の割合が1重量%未満であると、防眩効果の点で劣
る。一方、硬質粒子の割合が50重量%を超えると、解
像度および汚れ拭き取り性の点で劣る。硬質粒子の割合
は特に限定されるものではなく、前記アンダーコート層
の特性を満足できるように適宜調整される。
【0025】前記硬質粒子としては、通常の防眩処理に
用いられるれシリカが代表的であるが、その他にもチタ
ニア、アルミナ、ジルコニア等を用いることができる。
【0026】前記アンダーコート層としては、アクリル
系樹脂、シロキサン系樹脂等の樹脂をあげることができ
る。前記アクリル系樹脂としては、特に限定されない
が、ウレタンアクリレート、エステルアクリレート、エ
ポキシアクリレート、エーテルアクリレートなどの重合
体等を例示することができる。前記シロキサン系樹脂と
しては、アルコキシシラン等を用いることができ、例え
ばメチル基、エチル基等のアルキル基、その他のγ−ク
ロロプロピル基、ビニル基、3,3,3−トリフロロプ
ロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、γ−メタクリ
ルオキシプロピル基などの有機基を含むものを例示する
ことができる。
【0027】本発明の偏光板においては、前記汚染防止
層は、屈折率nおよび層の厚みdが次の関係を有するこ
とが望ましい。
【0028】nd<0.1μm 1.25<n<1.45 前記汚染防止層を構成する含フッ素シラン化合物層は、
通常屈折率が1.25〜1.45と低く、したがって表
面反射を防止する効果をも有する。この場合、汚染防止
層はA型の干渉色(基材の屈折率より膜の屈折率が小さ
い場合)を与え、色相はndの関数となる。そして、汚
染防止層の厚みnが大きくなるにつれ、白色から黄,
赤,紫,青,緑と干渉色が変化していく。
【0029】前記偏光基板および反射防止層の条件を考
慮してスペクトル色の三刺激値を理論式から計算する
と、ndが0.1μm以上になると、色座標(x,y)
のx値が0.45を超え、汚染防止層の色付きが認識さ
れるようになる。また、ndが0.1μm以上で、かつ
汚染防止層の厚みに不均一があると、シャボン玉の着色
のように斑な模様を呈することがある。以上のことを考
慮すると、前記汚染防止層は、その厚みdが0.1μm
より小さいことが望ましい。
【0030】本発明の偏光板の製造方法は、偏光層およ
びこの偏光層の両表面に形成された支持層を有する偏光
基板の一方の支持層の表面にアンダーコート層を形成す
る工程と、このアンダーコート層の表面に反射防止層を
形成する工程と、この反射防止層の表面に含フッ素シラ
ン化合物からなる汚染防止層を形成する工程と、を含む
ことを特徴としている。
【0031】前記アンダーコート層を形成する工程は、
樹脂溶液に平均粒子径が0.1〜5μmの硬質粒子を分
散させた塗布液を調整し、この塗布液を前記偏光基板の
表面に塗布して硬化させ、前記硬質粒子が1〜50重量
%の割合で含有される塗膜を形成する工程からなること
が望ましい。この工程で用いられる樹脂溶液の樹脂とし
ては、前述したアクリル系樹脂,シロキサン系樹脂等を
用いることができる。
【0032】このように、アンダーコート層に硬質粒子
を分散させることにより、アンダーコート層に防眩性を
付与することができる。
【0033】この工程において、塗布液を前記偏光基板
の表面に塗布する方法としては、一般的に用いられてい
るディップ法、スピンナー法、スプレー法等を用いるこ
とができ、特に量産性の点でロールコート法を好ましく
用いることができる。塗膜を硬化させる際には、必要に
応じて、加熱や、紫外線あるいは電子線などの光照射に
より樹脂の架橋反応を促進させる。
【0034】また、前記アンダーコート層に防眩性を付
与する他の方法としては、エッチング処理された型板に
ハードコート処理によって硬質粒子を含まないアンダー
コート層を形成し、これをキャスト重合によって偏光基
板に転写する方法、あるいは必要に応じて硬質粒子を含
む塗布液をスプレー法液滴調整によって偏光基板にアン
ダーコート層を形成する方法、微細な凹凸を有するロー
ルを硬質粒子を含まないコート層表面に圧接して回転さ
せてコート層表面に凹凸を転写させる方法を用いること
ができる。
【0035】前記汚染防止層は、前記式(1)で示され
る含フッ素シラン化合物を含む塗布液を前記反射防止層
の表面に塗布して硬化させ、さらに未反応の含フッ素シ
ラン化合物を溶媒洗浄によって除去することにより形成
できる。前記塗布液は、含フッ素シラン化合物を濃度
0.01〜10重量%で溶剤に溶解させて調整すること
ができる。このとき用いられる溶剤としては、パーフル
オロヘキサン、パーフルオロヘプタン、パーフルオロオ
クタン、パーフルオロ−1,3−ジメチルシクロヘキサ
ン、パーフルオロジメチルデカヒドロナフタレン等をあ
げることができる。
【0036】前記汚染防止層は、前記式(1)で示され
る含フッ素シラン化合物を物理的気相成長法によって堆
積させることにより形成できる。この工程において、物
理的気相成長法としては、一般的に用いられる真空蒸着
法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等を用
いることができ、特に真空蒸着法を好ましく用いること
ができる。
【0037】汚染防止層を物理的気相成長法によって形
成する場合には、前記反射防止層を汚染防止層の形成手
段と同様の堆積法を採用することにより、反射防止層お
よび汚染防止層を連続的に形成することができる。
【0038】さらに、前記汚染防止層を真空蒸着法によ
って形成する場合には、前記式(1)で示される含フッ
素シラン化合物を含浸させたセラミックスを蒸発源とし
て用い、真空槽内において前記セラミックスを加熱し、
該化合物を蒸発させて堆積させることが望ましい。
【0039】また、前記汚染防止層の形成に先立って、
前記反射防止層に、洗浄,脱気,薬品処理,プラズマ処
理等の前処理を施すこともできる。
【0040】前記反射防止層は、超低屈折率の単層構
造、あるいは低屈折率層と高屈折率層との組み合わせに
よる多層構造とすることにより、有効な減反射効果を得
ることができる。前記超低屈折率層を構成する物質とし
ては、MgF2 ,CaF2 、LiF等をあげることがで
き、前記多層構造の屈折率層を構成する材料としては、
SiO2 ,ZrO2 ,TiO2 ,Y2 3 、Ta
2 5 、CeO2 、Sb2 3、B2 3 、SiO、C
eF3 等をあげることができる。
【0041】また、反射防止層を構成する物質として
は、前記フッ化物あるいは酸化物の代わりに、特定の樹
脂あるいは非晶質体等を用いることができる。例えば、
超低屈折率層は、アクリル系樹脂にフッ素を含む置換基
を導入した樹脂、あるいは多孔質のシリカ系非晶質体を
ゾルゲル法を用いて形成することにより得られる。ま
た、低屈折率層と高屈折率層は、シロキサン系樹脂また
はアクリル系樹脂に適当な置換基を導入したり、あるい
は分散させる酸化物粒子の種類や混合比を調整すること
で、屈折率1.45〜1.65の範囲において比較的容
易に形成することができる。さらに高屈折率の膜が必要
な場合には、例えばチタニア系非晶質体等をゾルゲル法
によって形成することができる。
【0042】後者の樹脂あるいは非晶質体を用いて反射
防止層を形成する場合には、塗布液の溶媒としてアルコ
ール系溶媒あるいはフッ素系溶媒等を用いることができ
る。このようなアルコール系溶媒としては2−エトキシ
エタノール、2−メトキシエタノールイソプロピルアル
コール等を、フッ素溶媒としてはパーフルオロヘプタン
等をあげることができる。
【0043】
【実施例】
(実施例1)図1は、本実施例に係る偏光板の構成を模
式的に示す断面図である。この偏光板100は、偏光基
板10上にアンダーコート層20、反射防止層30およ
び汚染防止層40が順次積層された構造となっている。
【0044】前記偏光基板10は、ヨウ素,染料等の二
色性を与える偏光素子がポリビニルアルコール等の偏光
基体によって固定された偏光層12と、この偏光層12
の両側に接着剤によって貼り合わされた第1の支持層1
4および第2の支持層16とから構成されている。支持
層14,16としては、通常トリアセチルセルロース
(TAC)等に代表されるセルロース系の膜が用いら
れ、これらの支持層14,16によって偏光層12が化
学的,物理的に保護されている。前記偏光基体10は、
通常20〜200μmの厚さを有し、前記支持層14,
16は、通常20〜200μmの厚さを有する。
【0045】前記アンダーコート層20は、厚さ0.5
〜20μm(後述する試験のサンプルでは3μm)のア
クリル系樹脂にシリカ(SiO2 )が分散され、防眩性
(アンチグレア性)が付与されている。前記シリカは、
平均粒子径が0.1〜5μm(サンプルでは2μm)で
あり、その添加量はアクリル系樹脂に対し1〜50重量
%(サンプルでは25重量%)である。
【0046】本実施例のアンダーコート層20の膜特性
の一例をあげると、表面硬度が鉛筆硬度で3Hであり、
光沢度(Ga60度)は26、中心線平均粗さ(Ra)
は220nm、および曇度は20%であった。
【0047】前記反射防止層30は、膜厚0.05〜1
μm(サンプルでは0.3μm)であり、5層構造を成
している。この膜構成は、アンダーコート層20側か
ら、SiO2 層がλ/4、ZrO2 層とSiO2 層の積
層がλ/4、ZrO2 層がλ/4、最上層であるSiO
2 層がλ/4(ここでλ=520nm)である。
【0048】この反射防止層30は、可視領域における
反射率の平均値が0.5%以下である。
【0049】前記汚染防止層40は、1H,1H,2
H,2H−パーフルオロデシルトリクロロシランからな
る厚さ20〜800オングストローム(サンプルにおい
ては100オングストローム以下)の層から構成されて
いる。この層は少なくとも単分子層ないしは数分子層で
ある。この汚染防止層40は、水の接触角が100度以
上であり、優れた撥水性を示した。また、前記汚染防止
層40は屈折率nが1.25〜1.45であり、したが
ってnd(d:汚染防止層40の厚さ)が0.1μmよ
り小さいことが確認された。
【0050】次に、本実施例の偏光板100の製造方法
について述べる。
【0051】まず、偏光基板10の表面に、シリカ粒子
が分散されたアクリル樹脂塗布液(ウレタンアクリレー
トオリゴマ−をメタクリル酸モノマーで希釈し、シリカ
粒子と光開始剤としてベンゾインエーテルを添加したも
の)をロールコート法によって塗布し、その後紫外線を
照射してアクリル樹脂を硬化させ、アンダーコート層2
0を形成した。
【0052】ついで、この偏光基板を真空槽内にセット
し、真空蒸着法により、基板温度50℃で、SiO2
をλ/4、ZrO2 層とSiO2 層との積層をλ/4、
ZrO2 層をλ/4、SiO2 層をλ/4(λ=520
nm)の膜厚で順次形成し、反射防止層30を形成し
た。得られた偏光板をメタノールで洗浄し、十分に乾燥
させた。
【0053】ついで、アミン系パーフルオロ溶媒である
「フロリナートFC−40」(住友スリーエム社製)に
含フッ素シラン化合物として1H,1H,2H,2H−
パーフルオロデシルトリクロロシランを5重量%溶解さ
せた溶液に上述した偏光板を20℃において1分間浸漬
させた。ついで、10cm/秒の速度で偏光板を引き上
げた後、相対湿度50%、温度50℃の雰囲気で10分
間放置した。その後、「フロリナ−トFC−40」によ
って偏光板の洗浄を行い未反応の含フッ素シラン化合物
を除去した。
【0054】前記含フッ素シラン化合物は、偏光基板1
0の支持層を構成するTACと反応しないため、第2の
支持層16上に付着した未反応の含フッ素シラン化合物
をフッ素系溶剤によって除去することができる。したが
って、第2の支持層16上に接着が困難なシラン化合物
層が残存していない。
【0055】また、このようにして得られた偏光板は汚
染防止層40の形成によって外観ならびに反射防止特性
において特に変化は見られなかった。
【0056】次に、偏光板およびこれを用いた液晶表示
装置の特性試験の結果について述べる。
【0057】(1)偏光板の特性 特性試験のサンプルとしては、本実施例の偏光板100
のうち膜厚等の各条件が( )内に示されたものを用い
た。 a.密着性 汚染防止層40の密着性を碁盤目試験によって判定し
た。碁盤目試験は偏光板の表面にナイフで切れ目を入れ
た1mm角の微少領域100箇所について、粘着テープ
剥離をした後、反射顕微鏡観察ならびに純水とエタノー
ルを滴下して濡れ性を評価した。
【0058】碁盤目試験の結果、本実施例の偏光板はま
ったく表面層の剥がれがなく、汚染防止層40の密着が
良好であることが確認された。 b.耐擦傷性 この特性は、#0000のスチールウールを汚染防止層
40の表面に置き、1Kg/cm2 の荷重をかけてスチ
ールウールを10往復させたときの傷の発生を目視によ
って確認した。
【0059】その結果、本実施例の偏光板においては傷
がほとんど認められず、優れた耐擦傷性を有することが
確認された。 c.耐薬品性 薬品としては、アルコール,酸,アルカリおよび洗剤を
選択した。
【0060】耐アルコール性に関しては、メチルアルコ
ールを偏光板表面に滴下し、30分間放置した後の変化
を目視によって観察した。耐酸性については、5重量%
の塩酸水溶液を偏光板表面に滴下した後、30分間放置
し、その変化を目視によって観察した。耐アルカリ性に
ついては、5重量%の水酸化ナトリウム水溶液を偏光板
表面に滴下し、30分間放置した後目視によって観察し
た。耐洗剤性については、5重量%の中性洗剤水溶液を
滴下し、24時間放置した後の状態を目視によって観察
した。
【0061】本実施例の偏光板については、各薬品の滴
下試験において変形、変色、シミ残りなどの異常は認め
られず、耐薬品性に優れていることが確認された。 d.汚染防止性 この試験においては、偏光板の表面を指で触れ、指紋の
付き易さ、ならびに付着した指紋の拭き取り性を調べ
た。
【0062】その結果、本実施例の偏光板においては、
指紋が付きにくく、また、付いた指紋も布等によって容
易に拭き取ることができることを確認した。さらに、偏
光板を中性洗剤や市販のメガネクリーナー等でクリーニ
ングすることにより、初期の状態に容易に回復させるこ
とができた。
【0063】(2)液晶表示装置の特性 以下の特性試験において用いられたサンプルは、上記特
性試験に用いられたサンプルと同様の偏光板をMIM
(メタル−インシュレータ−メタル)素子を用いたアク
ティブマトリクス駆動の液晶パネル前面に貼り付けて構
成されたものである。サンプルは、カラーフィルタを形
成したガラス基板と、MIM素子を形成したガラス基板
とでTN(ツイストネマチック)液晶を挟持し、カラー
フィルタ側に本実施例の偏光板を、素子基板側に通常の
偏光板を貼り付けて構成されたものである。 a.高温高湿試験 液晶表示パネルのサンプルを温度50℃,相対湿度90
%の雰囲気に1,000時間放置し、外観および特性等
の変化を調べた。
【0064】この試験の結果、サンプルの偏光板におい
て、剥がれ,クラック等が発生せず、ヤケの発生も認め
られなかった。 b.熱衝撃試験 −20℃(30分)、25℃(5分)および60℃(3
0分)のヒートサイクルを10回繰り返し、外観および
特性等の変化を調べた。
【0065】この試験の結果、サンプルの液晶表示パネ
ルにおいては、電気的特性、光学的特性などの点で特に
異常は認められなかった。 c.日光暴露試験 サンプルを屋外に20,000時間にわたって放置した
後、外観および特性等の変化について調べた。
【0066】この試験の結果、本実施例のサンプルにお
いては、電気的特性、光学的特性などの点で特に異常は
認められなかった。 d.視認性 上記サンプルの液晶パネルの背面にさらにバックライト
ユニットを配し、バックライト方式の液晶表示装置を製
造した。この液晶表示装置について外部からの影像入力
をMIM素子を用いて駆動したところ、表面反射の少な
い、視認性に優れた表示を行うことができた。
【0067】(実施例2)図2は、本実施例に係る偏光
板の構成を模式的に示す断面図である。
【0068】この偏光板200は、偏光基板10上に接
着層52を介して樹脂フィルム50、アンダーコート層
20、反射防止層30および汚染防止層40が順次積層
された構造となっている。本実施例が、前記実施例1と
異なるのは、アンダーコート層20、反射防止層30お
よび汚染防止層40があらかじめ樹脂フィルム50上に
形成され、この積層体が偏光基板10に接着された点に
ある。
【0069】なお、偏光基板10の構成は、前記実施例
1の偏光基板と同様の構成を有するため、その詳細な説
明を省略する。
【0070】前記樹脂フィルム50は、厚さ0.03〜
1mm(後述する試験のサンプルでは0.2mm)のア
クリル樹脂から構成されている。アクリル樹脂として
は、ポリメチルメタクリレート、およびその他のアクリ
ル酸エステル共重合体などの変成品が好適に用いられ
る。
【0071】前記アンダーコート層20は、厚さ0.5
〜20μm(後述する試験のサンプルでは5μm)のシ
ロキサン系樹脂にシリカが分散され、防眩性が付与され
ている。前記シリカは、平均粒子径が0.1〜5μm
(サンプルでは4μm)である。
【0072】本実施例のアンダーコート層20の膜特性
の一例をあげると、表面硬度が鉛筆硬度で5Hであり、
光沢度(Ga60度)は48、中心線平均粗さ(Ra)
は980nm、および曇度は15%であった。
【0073】前記反射防止層30は、膜厚0.05〜1
μm(サンプルでは0.3μm)であり、3層構造を成
している。この膜構成は、アンダーコート層20側か
ら、SiO2 層がλ/4、TiO2 層がλ/2、最上層
であるSiO2 層がλ/4(ここでλ=520nm)で
ある。
【0074】前記汚染防止層40は、ビス(1H,1H
−パーフルオロブチル)ジアミノシランからなる厚さ2
0〜800オングストローム(サンプルにおいては30
0オングストローム)の層から構成されている。この汚
染防止層40は、水の接触角が100度以上であり、優
れた撥水性を示した。また、前記汚染防止層40は屈折
率nが1.25〜1.45であり、したがってnd
(d:汚染防止層40の厚さ)が0.1μmより小さい
ことが確認された。
【0075】次に、本実施例の偏光板200の製造方法
について述べる。
【0076】まず、前記樹脂フィルム50の表面に、シ
リカ粒子が分散されたシロキサン樹脂塗布液(γ−グリ
シドキシプロピルメチルジエトキシシランを2−エトキ
シエタノールで希釈し、塩酸で加水分解した後、シリカ
粒子とシリコーン系界面活性剤と過塩素酸マグネシウム
を添加したもの)をディップ法によって塗布し、その後
70℃に加熱してシロキサン樹脂を熱硬化させ、アンダ
ーコート層20を形成した。
【0077】ついで、この樹脂フィルムを真空槽内にセ
ットし、真空蒸着法により、基板温度50℃で、SiO
2 層をλ/4、TiO2 層をλ/2、SiO2 層をλ/
4(λ=520nm)の膜厚で順次形成し、反射防止層
30を形成した。得られた偏光板をメタノールで洗浄
し、十分に乾燥させた。
【0078】ついで、前記真空槽内の真空を保持したま
ま、アルゴンとビス(1H,1H−パーフルオロブチ
ル)ジアミノシランを9:1の割合で混合した気体を真
空度が1〜0.0001Torr(サンプルでは0.0
1Torr)になるように真空槽内に導入し、例えば1
3.56MHzの高周波磁場で雰囲気をプラズマ化し、
前記含フッ素シラン化合物を反射防止層30上に堆積さ
せ、汚染防止層40を形成した。
【0079】汚染防止層の形成によって偏光板の外観な
らびに反射防止特性において特に変化は見られなかっ
た。
【0080】以上のようにして得られた樹脂フィルムの
積層体を、アクリル系接着剤を介して偏光基板10に貼
り付けることにより本実施例の偏光板が形成される。前
記アクリル系接着剤以外にも、エポキシ系接着剤、ウレ
タン系接着剤等も用いることができる。
【0081】この偏光板200について、前記実施例1
と同様に特性試験を行った。その結果、偏光板の特性と
して、a.密着性,b.耐擦傷性,c.耐薬品性および
d.汚染防止性の各特性において、実施例1と同様に良
好な結果が得られた。さらに、本施例の偏光板200を
TFT(薄膜トランジスタ)素子を用いたアクティブマ
トリクス駆動の液晶パネル前面に貼り付けて液晶表示パ
ネルを作成した。この液晶表示パネルについて、実施例
1と同様に、a.高温高湿試験,b.熱衝撃試験,c.
日光暴露試験およびd.視認性の各特性試験を行ったと
ころ、視認性においてギラツキ感があったものの、他の
特性は実施例1と同様に良好な結果が得られた。
【0082】(実施例3)本実施例の偏光板は、その基
本的構造が前記実施例1と同様であるため、図1を参照
しながら説明する。
【0083】この偏光板300は、偏光基板10上にア
ンダーコート層20、反射防止層30および汚染防止層
40が順次積層された構造となっている。偏光基板10
は前記実施例1の偏光基板と実質的に同一であるので、
その詳細な説明を省略する。
【0084】前記アンダーコート層20は、厚さ0.5
〜20μm(後述する試験のサンプルにおいては7μ
m)のアクリル系樹脂にシリカが分散され、防眩性が付
与されている。前記シリカは、平均粒子径が0.1〜5
μm(サンプルでは4μm)である。
【0085】本実施例のアンダーコート層20の膜特性
の一例をあげると、表面硬度が鉛筆硬度で3Hであり、
光沢度(Ga60度)は76、中心線平均粗さ(Ra)
は230nm、および曇度は4%であった。
【0086】前記反射防止層30は、膜厚0.05〜1
μm(サンプルでは0.1μm)であり、単層構造を成
している。この膜構成は、MgF2 層がλ/4(ここで
λ=520nm)である。
【0087】前記汚染防止層40は、2−(パーフルオ
ロオクチル)−エチルトリアミノシランからなる厚さ2
0〜800オングストローム(サンプルにおいては10
0オングストローム以下)の層から構成されている。こ
の汚染防止層40は、水の接触角が100度以上であ
り、優れた撥水性を示した。また、前記汚染防止層40
は屈折率nが1.25〜1.45であり、したがってn
d(d:汚染防止層40の厚さ)が0.1μmより小さ
いことが確認された。
【0088】次に、本実施例の偏光板300の製造方法
について述べる。
【0089】まず、偏光基板10の表面に、実施例1と
同様のシリカ粒子が分散されたアクリル樹脂塗布液をバ
ーコート法によって塗布し、その後紫外線を照射してア
クリル樹脂を硬化させ、アンダーコート層20を形成し
た。
【0090】ついで、この偏光基板を真空槽内にセット
し、真空蒸着法により、基板温度50℃で、MgF2
をλ/4(λ=520nm)の膜厚で形成し、反射防止
層30を形成した。得られた偏光板をアルカリ洗浄後純
水ですすぎ、十分に乾燥させた。
【0091】ついで、「フロリナートFC−40」に含
フッ素シラン化合物として2−(パーフルオロオクチ
ル)−エチルトリアミノシランを1重量%溶解させた溶
液に上述した偏光板を20℃において5分間浸漬させ
た。ついで、10cm/秒の速度で偏光板を引き上げた
後、相対湿度50%、温度50℃の雰囲気で10分間放
置した。その後、「フロリナートFC−40」によって
偏光板の洗浄を行い未反応の含フッ素シラン化合物を除
去し、汚染防止層40を形成した。この汚染防止層40
の形成によって偏光板の外観ならびに反射防止特性にお
いて、特に変化は見られなかった。
【0092】この偏光板300について、前記実施例1
と同様に特性試験を行った。その結果、偏光板の特性と
して、a.密着性,b.耐擦傷性,c.耐薬品性および
d.汚染防止性の各特性において実施例1と同様に良好
な結果が得られた。さらに、本施例の偏光板を単純マト
リクス駆動の液晶パネル前面に貼り付けて液晶表示パネ
ルを作成した。この液晶表示パネルについて、実施例1
と同様に、a.高温高湿試験,b.熱衝撃試験,c.日
光暴露試験およびd.視認性の特性試験を行ったとこ
ろ、視認性においては、若干の写り込みとギラツキ感が
あったものの、他の特性は実施例1と同様に良好な結果
が得られた。なお、視認性の試験においては、前記液晶
表示パネルの背面に反射板を配設したサンプルを用い
た。
【0093】(実施例4)本実施例に係る偏光板は、前
記実施例1の偏光板100と基本的な構造が同一なた
め、図1を参照しながら説明する。
【0094】この偏光板400は、偏光基板10上にア
ンダーコート層20、反射防止層30および汚染防止層
40が順次積層された構造となっている。偏光基板10
は前記実施例1の偏光基板と実質的に同一であるので、
その詳細な説明を省略する。
【0095】前記アンダーコート層20は、厚さ0.5
〜20μm(後述する試験のサンプルでは15μm)の
アクリル系樹脂から構成されている。
【0096】このアンダーコート層20は、前記実施例
1と異なり、防眩性を高めるためのシリカが分散されて
いない。その代わり、後に詳述するように、その表面に
は転写法により微細な凹凸が形成されて、防眩性が付与
されている。
【0097】本実施例のアンダーコート層20の膜特性
の一例をあげると、表面硬度が鉛筆硬度で3Hであり、
光沢度(Ga60度)は90、中心線平均粗さ(Ra)
は100nm、および曇度は3%であった。
【0098】前記反射防止層30は、膜厚0.05〜1
μm(サンプルでは0.3μm)であり、5層構造を成
している。この膜構成は、アンダーコート層20側か
ら、SiO2 層がλ/4、ZrO2 層とSiO2 層の積
層がλ/4、ZrO2 層がλ/4、最上層であるSiO
2 層がλ/4(ここでλ=520nm)である。
【0099】前記汚染防止層40は、1H,1H,2
H,2H−パーフルオロオクチルトリエトキシシランか
らなる厚さ20〜800オングストローム(サンプルに
おいては100オングストローム以下)の層から構成さ
れている。この汚染防止層40は、水の接触角が100
度以上であり、優れた撥水性を示した。また、前記汚染
防止層40は屈折率nが1.25〜1.45であり、し
たがってnd(d:汚染防止層40の厚さ)が0.1μ
mより小さいことが確認された。
【0100】次に、本実施例の偏光板400の製造方法
について述べる。
【0101】まず、偏光基板10の表面に、実施例1と
同様のアクリル樹脂塗布液(シリカを含まない)をロー
ルコート法によって塗布し、乾燥後その表面に微細な凹
凸を有するロールを押し付けながら回転させることによ
り、塗膜の表面に微細な凹凸を転写した。その後、紫外
線を照射してアクリル樹脂を硬化させ、アンダーコート
層20を形成した。
【0102】ついで、この偏光基板を真空槽内にセット
し、例えば電子ビーム加熱による真空蒸着法により、真
空槽の基板温度50℃で、SiO2 層をλ/4、ZrO
2 層とSiO2 層との積層をλ/4、ZrO2 層をλ/
4、SiO2 層をλ/4(λ=520nm)の膜厚で順
次形成し、反射防止層30を形成した。得られた偏光板
をメタノールで洗浄し、十分に乾燥させた。
【0103】ついで、上記の工程で得られた偏光板を1
〜0.001Torrの酸素分圧下、外部入力50〜5
00WでRF放電させ、発生したプラズマに曝した後ス
ピンナーにセットした。そして、フッ素系溶剤「フロリ
ナートFC−70」(住友スリーエム社製)に含フッ素
シラン化合物として1H,1H,2H,2H−パーフル
オロオクチルトリエトキシシランを3重量%溶解させた
溶液を上述した偏光板に滴下してスピンナーを約3,0
00rpmの回転速度で回転させ、溶液を塗布した。そ
の後、偏光板を相対湿度50%、温度50℃の雰囲気で
10分間放置し、さらに、「フロリナ−トFC−70」
によって偏光板の洗浄を行い未反応の含フッ素シラン化
合物を除去し、汚染防止層40を形成した。この汚染防
止層40の形成によって、偏光板の外観ならびに反射防
止特性において、特に変化は見られなかった。
【0104】この偏光板400について、前記実施例1
と同様に特性試験を行った。その結果、偏光板の特性と
して、a.密着性,b.耐擦傷性,c.耐薬品性および
d.汚染防止性の各特性において実施例1と同様に良好
な結果が得られた。さらに、本施例の偏光板400をM
IM素子を用いたアクティブマトリクス駆動の液晶パネ
ル前面に貼り付けて液晶表示パネルを作成した。この液
晶表示パネルについて、実施例1と同様に、a.高温高
湿試験,b.熱衝撃試験,c.日光暴露試験およびd.
視認性の特性試験を行ったところ、視認性において写り
込みがあったものの、他の特性は実施例1と同様に良好
な結果が得られた。
【0105】(実施例5)本実施例および後述する実施
例6〜8においては、汚染防止層40を蒸着法により形
成し、その際に含フッ素シラン化合物をセラミック製タ
ブレットに含浸させた点に特徴を有する。
【0106】本実施例の偏光板は、その基本的構造が前
記実施例1と同様であるため、図1を参照しながら説明
する。
【0107】偏光板500は、偏光基板10上にアンダ
ーコート層20、反射防止層30および汚染防止層40
が順次積層された構造となっている。偏光基板10は前
記実施例1の偏光基板と実質的に同一であるので、その
詳細な説明を省略する。
【0108】前記アンダーコート層20は、厚さ0.5
〜20μm(後述する試験のサンプルにおいては3μ
m)のアクリル系樹脂にシリカが分散され、防眩性が付
与されている。前記シリカは、平均粒子径が0.1〜5
μm(サンプルでは1μm)である。
【0109】本実施例のアンダーコート層20の膜特性
の一例をあげると、表面硬度が鉛筆硬度で3Hであり、
光沢度(Ga60度)は35、中心線平均粗さ(Ra)
は180nm、および曇度は13%であった。
【0110】前記反射防止層30は、膜厚0.05〜1
μm(サンプルでは0.3μm)であり、5層構造を成
している。この膜構成は、アンダーコート層20側か
ら、SiO2 層がλ/4、ZrO2 層とSiO2 層の積
層がλ/4、ZrO2 層がλ/4、最上層であるSiO
2 層がλ/4(ここでλ=520nm)である。
【0111】前記汚染防止層40は、パーフルオロヘキ
サデシルトリアミノシランからなる厚さ20〜800オ
ングストローム(サンプルにおいては200オングスト
ローム)の層から構成されている。この汚染防止層40
は、水の接触角が100度以上であり、優れた撥水性を
示した。また、前記汚染防止層40は屈折率nが1.2
5〜1.45であり、したがってnd(d:汚染防止層
40の厚さ)が0.1μmより小さいことが確認され
た。
【0112】次に、本実施例の偏光板500の製造方法
について述べる。
【0113】まず、偏光基板10の表面に、実施例1で
用いたと同様のシリカ粒子が分散されたアクリル樹脂塗
布液をロールコート法によって塗布し、その後紫外線を
照射してアクリル樹脂を硬化させ、アンダーコート層2
0を形成した。
【0114】ついで、この偏光基板を真空槽内にセット
し、電子ビーム加熱による真空蒸着法により、基板温度
50℃で、前記反射防止層30および汚染防止層40を
形成した。
【0115】以下に、蒸着装置および蒸着方法について
具体的に述べる。
【0116】図3は、本実施例に用いた蒸着装置の一例
を模式的に示した断面図である。
【0117】この蒸着装置は、排気口1を有する真空槽
2内の一端側に、円盤状のタブレット設置台4が設けら
れている。このタブレット設置台4は、軸4aを介して
図示しない回転手段に接続されており、所定の回転速度
で間欠的に回転駆動される。このタブレット設置台4上
には蒸着すべき材料(蒸着源)からなるタブレットある
いは蒸着源を含むタブレットが該設置台4の周に沿って
配置されている。
【0118】本実施例においては、反射防止層30を構
成するための二酸化ケイ素のタブレット6、酸化ジルコ
ニウムのタブレット7、および汚染防止層40を形成す
るための含フッ素シラン化合物を含むタブレット8が載
置されている。
【0119】汚染防止層40を形成するためのタブレッ
ト8は、例えば次のようにして形成される。すなわち、
SiO2 70重量%およびAl2 3 30重量%を混合
し、これを焼結して多孔質のタブレットを形成する。こ
のタブレットを密閉容器に入れてロータリーポンプによ
って10-3Torrの状態まで排気する。なお、このと
き、タブレットは100℃に加熱されている。次いで、
タブレットを冷却した後、前記密閉容器にパーフルオロ
ヘキサデシルトリアミノシランを導入して密閉容器を大
気圧に戻し、タブレットにこの含フッ素シラン化合物を
含浸させる。
【0120】タブレット設置台4の上方には、少なくと
も前記タブレット6〜8の前方を覆う状態で、遮蔽部材
5が設置されている。そして、この遮蔽部材5の一部に
は開閉制御されるシャッタ部5aが設けられている。こ
のシャッタ部5aの開放時間を制御することによって堆
積層の膜厚を規定することができる。また、前記タブレ
ット設置台4の近傍には、単一のタブレット(ソース)
に電子ビームを照射するための電子ビーム銃3が設置さ
れている。
【0121】一方、真空槽2内の他方側には、アンダー
コート層20が積層された偏光基板10が配置される。
このとき、アンダーコート層20が蒸着源であるタブレ
ット側に向くように配置される。
【0122】この蒸着装置においては、まず、図示しな
い排気手段を用いて排気口1より真空槽2内の空気を吸
引して、圧力10-5Torr以下まで排気した状態で、
前記タブレット6および7に交互に電子ビームを照射
し、反射防止層30を形成する。この反射防止層30の
膜構成は、アンダーコート層20側からSiO2 層がλ
/4で、ZrO2 層とSiO2 層の積層がλ/4、Zr
2 層がλ/4、最上層のSiO2 層がλ/4の膜厚で
堆積される。
【0123】次いで、真空状態を保持したまま、タブレ
ット8に電子ビームを照射してタブレットを構成するセ
ラミックスが蒸発しない程度に加熱し、含フッ素シラン
化合物だけを所定時間(20秒間程度)蒸発させ、汚染
防止層40を形成した。
【0124】このようにして形成された偏光板500
は、反射防止層30および汚染防止層40を形成するこ
とによって、偏光板の外観,反射防止特性に特に変化は
見られなかった。
【0125】この製造方法によれば、反射防止層30お
よび汚染防止層40を同一真空槽内で連続的に形成する
ことができる。
【0126】この偏光板500について、前記実施例1
と同様に特性試験を行なった。その結果、偏光板の特性
として、a.密着性,b.耐擦傷性,c.耐薬品性およ
びd.汚染防止性の各特性において実施例1と同様に良
好な結果が得られた。さらに、本施例の偏光板をMIM
素子を用いたアクティブマトリクス駆動の液晶パネル前
面に貼り付けて液晶表示パネルを作成した。この液晶表
示パネルについて、実施例1と同様に、a.高温高湿試
験,b.熱衝撃試験,c.日光暴露試験およびd.視認
性の特性試験を行ったところ、実施例1と同様に良好な
結果が得られた。
【0127】(実施例6)本実施例の偏光板は、その基
本的な構造が前記実施例2と同様であるため、図2を参
照しながら説明する。
【0128】この偏光板600は、偏光基板10上に接
着層52を介して樹脂フィルム50、アンダーコート層
20、反射防止層30および汚染防止層40が順次積層
された構造となっている。なお、偏光基板10の構成
は、前記実施例1の偏光基板と同様の構成を有するた
め、その詳細な説明を省略する。
【0129】前記樹脂フィルム50は、厚さ0.03〜
1mm(後述する試験のサンプルでは0.2mm)のア
クリル樹脂から構成されている。
【0130】前記アンダーコート層20は、厚さ0.5
〜20μm(後述する試験のサンプルでは5μm)のア
クリル系樹脂層からなる。このアンダーコート層20
は、防眩性を高めるためのシリカが分散されていない。
その代わり、後述するエアスプレー法によって防眩性が
付与される。
【0131】本実施例のアンダーコート層20の膜特性
の一例をあげると、表面硬度が鉛筆硬度で5Hであり、
光沢度(Ga60度)は48、中心線平均粗さ(Ra)
は100nm、および曇度は10%であった。
【0132】前記反射防止層30は、膜厚0.05〜1
μm(サンプルでは0.3μm)であり、3層構造を成
している。この膜構成は、アンダーコート層20側か
ら、SiO2 層がλ/4、TiO2 層がλ/2、最上層
であるSiO2 層がλ/4(ここでλ=520nm)で
ある。
【0133】前記汚染防止層40は、3,3,3−トリ
フルオロプロピルトリクロロシランからなる厚さ20〜
800オングストローム(サンプルにおいては100オ
ングストローム以下)の層から構成されている。この汚
染防止層40は、水の接触角が100度以上であり、優
れた撥水性を示した。また、前記汚染防止層40は屈折
率nが1.25〜1.45であり、したがってnd
(d:汚染防止層40の厚さ)が0.1μmより小さい
ことが確認された。
【0134】次に、本実施例の偏光板600の製造方法
について述べる。
【0135】まず、前記樹脂フィルム50の表面に、エ
アスプレー法を用いてアクリル樹脂塗布液を、液滴の平
均粒子径が5〜100μmになるように吐出量と空気使
用量を調整し、さらに樹脂フィルムの移動速度を適度に
調整しながら塗布し、アンダーコート層20を形成し
た。
【0136】ついで、この樹脂フィルムを真空槽内にセ
ットし、例えば電子ビーム加熱による真空蒸着法によ
り、基板温度50℃で、SiO2 層をλ/4、TiO2
層をλ/2、SiO2 層をλ/4(λ=520nm)の
膜厚で順次形成し、反射防止層30を形成した。
【0137】次いで、この樹脂フィルムを真空槽内にセ
ットし、例えば抵抗加熱による真空蒸着法により汚染防
止層40を形成した。真空蒸着装置にセットされるタブ
レットは、実施例5と同様にして調整され、例えば多孔
質アルミナのタブレットに3,3,3−トリフルオロプ
ロピルトリクロロシランが含有されたものである。
【0138】真空蒸着を行う際には、真空槽内を10-6
Torrまで排気し、被蒸着基板を酸素プラズマに曝し
た後に、前記タブレットを電気抵抗で約200℃に加熱
し、含フッ素シラン化合物(3,3,3−トリフルオロ
プロピルトリクロロシラン)を含むタブレットを30秒
間蒸発させ、汚染防止層40を形成した。汚染防止層4
0の形成によって偏光板の外観ならびに反射防止特性に
おいて特に変化は見られなかった。
【0139】以上のようにして得られた樹脂フィルムの
積層体を、実施例2と同様にアクリル系接着剤を介して
偏光基板10に貼り付けることにより本実施例の偏光板
が形成される。
【0140】この偏光板600について、前記実施例1
と同様に特性試験を行った。その結果、偏光板の特性と
して、a.密着性,b.耐擦傷性,c.耐薬品性および
d.汚染防止性の各特性において、汚れの拭き取り性が
若干悪かったものの、実施例1と同様に良好な結果が得
られた。さらに、本施例の偏光板600をTFT素子を
用いたアクティブマトリクス駆動の液晶パネル前面に貼
り付けて液晶表示パネルを作成した。この液晶表示パネ
ルについて、実施例1と同様に、a.高温高湿試験,
b.熱衝撃試験,c.日光暴露試験およびd.視認性の
各特性試験を行ったところ、若干のギラツキ感はあった
ものの、他の特性は実施例1と同様に良好な結果が得ら
れた。
【0141】(実施例7)本実施例の偏光板は、その基
本的構造が前記実施例1と同様であるため、図1を参照
しながら説明する。
【0142】この偏光板700は、偏光基板10上にア
ンダーコート層20、反射防止層30および汚染防止層
40が順次積層された構造となっている。偏光基板10
は前記実施例1の偏光基板と実質的に同一であるので、
その詳細な説明を省略する。
【0143】前記アンダーコート層20は、厚さ0.5
〜20μm(後述する試験のサンプルにおいては3μ
m)のアクリル系樹脂にシリカが分散され、防眩性が付
与されている。前記シリカは、平均粒子径が0.1〜5
μm(サンプルでは2μm)である。
【0144】本実施例のアンダーコート層20の膜特性
の一例をあげると、表面硬度が鉛筆硬度で3Hであり、
光沢度(Ga60度)は26、中心線平均粗さ(Ra)
は220nm、および曇度は20%であった。
【0145】前記反射防止層30は、膜厚0.05〜1
μm(サンプルでは0.1μm)であり、単層構造を成
している。この膜構成は、MgF2 層がλ/4(ここで
λ=520nm)である。
【0146】前記汚染防止層40は、ビス(パーフルオ
ロノニル)ブチルアミノシランからなる厚さ20〜80
0オングストローム(サンプルにおいては400オング
ストローム)の層から構成されている。この汚染防止層
40は、水の接触角が100度以上であり、優れた撥水
性を示した。また、前記汚染防止層40は屈折率nが
1.25〜1.45であり、したがってnd(d:汚染
防止層40の厚さ)が0.1μmより小さいことが確認
された。
【0147】次に、本実施例の偏光板700の製造方法
について述べる。
【0148】まず、偏光基板10の表面に、実施例1で
用いたと同様のシリカ粒子が分散されたアクリル樹脂塗
布液をロールコート法によって塗布し、その後紫外線を
照射してアクリル樹脂を硬化させ、アンダーコート層2
0を形成した。
【0149】ついで、この偏光基板を真空槽内にセット
し、例えば電子ビーム加熱による真空蒸着法により、基
板温度50℃で、MgF2 層をλ/4(λ=520n
m)の膜厚で形成し、反射防止層30を形成した。
【0150】一方、実施例5と同様な方法で、多孔質窒
化ケイ素のタブレットにビス(パーフルオロノニル)ブ
チルアミノシランを含浸させた。このタブレットをラン
プ加熱が可能な真空槽内にセットし、さらに、真空槽内
を10-6Torrまで排気した。次いで、偏光基板を酸
素プラズマに曝した後、ランプの輻射熱で前記タブレッ
トを約30秒間加熱させ、汚染防止層40を形成した。
【0151】この偏光板700について、前記実施例1
と同様に特性試験を行った。その結果、偏光板の特性と
して、a.密着性,b.耐擦傷性,c.耐薬品性および
d.汚染防止性の各特性において実施例1と同様に良好
な結果が得られた。さらに、本施例の偏光板を単純マト
リクス駆動の液晶パネル前面に貼り付けて液晶表示パネ
ルを作成した。この液晶表示パネルについて、実施例1
と同様に、a.高温高湿試験,b.熱衝撃試験,c.日
光暴露試験およびd.視認性の特性試験を行ったとこ
ろ、実施例1と同様に良好な結果が得られた。なお、視
認性の試験においては、前記液晶表示パネルの背面に反
射板を配設したサンプルを用いた。
【0152】(実施例8)本実施例に係る偏光板は、前
記実施例1の偏光板100と基本的な構造が同一なた
め、図1を参照しながら説明する。
【0153】この偏光板800は、偏光基板10上にア
ンダーコート層20、反射防止層30および汚染防止層
40が順次積層された構造となっている。偏光基板10
は前記実施例1の偏光基板と実質的に同一であるので、
その詳細な説明を省略する。
【0154】前記アンダーコート層20は、厚さ0.5
〜20μm(後述する試験のサンプルでは4μm)のア
クリル系樹脂から構成されている。
【0155】このアンダーコート層20は、前記実施例
1と異なり、防眩性を高めるためのシリカが分散されて
いない。その代わり、その表面には転写法により微細な
凹凸が形成されて、防眩性が付与されている。
【0156】本実施例のアンダーコート層20の膜特性
の一例をあげると、表面硬度が鉛筆硬度で3Hであり、
光沢度(Ga60度)は90、中心線平均粗さ(Ra)
は100nm、および曇度は3%であった。
【0157】前記反射防止層30は、膜厚0.05〜1
μm(サンプルでは0.3μm)であり、5層構造を成
している。この膜構成は、アンダーコート層20側か
ら、SiO2 層がλ/4、ZrO2 層とSiO2 層の積
層がλ/4、ZrO2 層がλ/4、最上層であるSiO
2 層がλ/4(ここでλ=520nm)である。
【0158】前記汚染防止層40は、1H,1H,2
H,2H−パーフルオロオクチルトリブロモシランから
なる厚さ20〜800オングストローム(サンプルにお
いては300オングストローム)の層から構成されてい
る。この汚染防止層40は、水の接触角が100度以上
であり、優れた撥水性を示した。また、前記汚染防止層
40は屈折率nが1.25〜1.45であり、したがっ
てnd(d:汚染防止層40の厚さ)が0.1μmより
小さいことが確認された。
【0159】次に、本実施例の偏光板800の製造方法
について述べる。
【0160】まず、偏光基板10の表面に、実施例4で
用いたと同様のアクリル樹脂塗布液を用い、実施例4と
同様の転写法によってアンダーコート層20の表面に微
細な凹凸を形成した。
【0161】次いで、実施例5と同様の蒸着装置を用い
て反射防止層30および汚染防止層40を連続的に形成
した。また、含フッ素シラン化合物は、実施例5と同様
に多孔質アルミナのタブレットに1H,1H,2H,2
H,−パーフルオロオクチルトリブロモシランを含浸さ
せたものを用いた。真空蒸着においては、まず、アンダ
ーコート層20が積層された偏光基板10を真空槽内に
セットし、基板温度50℃で、SiO2 層をλ/4、Z
rO2 層とSiO2 層との積層をλ/4、ZrO2 層を
λ/4、SiO2 層をλ/4(λ=520nm)の膜厚
で順次形成し、反射防止層30を形成した。
【0162】次いで、真空状態を保持したまま、含フッ
素シラン化合物を含有させたタブレットを電子ビームで
照射して含フッ素シラン化合物のみを所定時間(例えば
20秒間)蒸発させ、汚染防止層40を形成した。この
汚染防止層40の形成によって、偏光板の外観ならびに
反射防止特性において、特に変化は見られなかった。
【0163】この偏光板800について、前記実施例1
と同様に特性試験を行った。その結果、偏光板の特性と
して、a.密着性,b.耐擦傷性,c.耐薬品性および
d.汚染防止性の各特性において実施例1と同様に良好
な結果が得られた。さらに、本実施例の偏光板800を
MIM素子を用いたアクティブマトリクス駆動の液晶パ
ネル前面に貼り付けて液晶表示パネルを作成した。この
液晶表示パネルについて、実施例1と同様に、a.高温
高湿試験,b.熱衝撃試験,c.日光暴露試験および
d.視認性の特性試験を行ったところ、視認性において
写り込みがあったものの、他の特性は実施例1と同様に
良好な結果が得られた。
【0164】(実施例9)本実施例と後述する実施例1
0〜12においては、前記実施例3と同様に、含フッ素
シラン化合物としてアミン系化合物を用い、かつ汚染防
止層40をディップ法によって形成している点に特徴を
有している。本実施例の偏光板は、その基本的構造が前
記実施例1と同様であるため、図1を参照しながら説明
する。
【0165】この偏光板900は、偏光基板10上にア
ンダーコート層20、反射防止層30および汚染防止層
40が順次積層された構造となっている。なお、前記偏
光基板10の構成は、前記実施例1の偏光基板と同様の
構成を有するため、その詳細な説明を省略する。
【0166】前記アンダーコート層20は、厚さ0.5
〜20μm(後述する試験のサンプルにおいては3μ
m)のアクリル系樹脂にシリカが分散され、防眩性が付
与されている。前記シリカは、平均粒子径が0.1〜5
μm(サンプルでは2μm)である。
【0167】本実施例のアンダーコート層20の膜特性
の一例をあげると、表面硬度が鉛筆硬度で3Hであり、
光沢度(Ga60度)は18、中心線平均粗さ(Ra)
は310nm、および曇度は32%であった。
【0168】前記反射防止層30は、膜厚0.05〜1
μm(サンプルでは0.3μm)であり、5層構造を成
している。この膜構成は、アンダーコート層20側か
ら、SiO2 層がλ/4、ZrO2 層とSiO2 層の積
層がλ/4、ZrO2 層がλ/4、最上層であるSiO
2 層がλ/4(ここでλ=520nm)である。
【0169】前記汚染防止層40は、1H,1H,2
H,2H−パーフルオロデシルトリアミノシランからな
る厚さ20〜800オングストローム(サンプルにおい
ては100オングストローム以下)の層から構成されて
いる。この汚染防止層40は、水の接触角が100度以
上であり、優れた撥水性を示した。また、撥油性も有し
ていた。前記汚染防止層40は屈折率nが1.25〜
1.45であり、したがってnd(d:汚染防止層40
の厚さ)が0.1μmより小さいことが確認された。
【0170】次に、本実施例の偏光板900の製造方法
について述べる。
【0171】まず、偏光基板10の表面に、実施例1で
用いたと同様のシリカ粒子が分散されたアクリル樹脂塗
布液をロールコート法によって塗布し、その後紫外線を
照射してアクリル樹脂を硬化させ、アンダーコート層2
0を形成した。
【0172】ついで、この偏光基板を真空槽内にセット
し、例えば電子ビーム加熱による真空蒸着法により、基
板温度50℃で、SiO2 層をλ/4、ZrO2 層とS
iO2 層との積層をλ/4、ZrO2 層をλ/4、Si
2 層をλ/4(λ=520nm)の膜厚で順次形成
し、反射防止層30を形成した。得られた偏光板をメタ
ノールで洗浄し、十分に乾燥させた。
【0173】ついで、1,1,2−トリクロロ−1,
2,2−トリフルオロエタンに含フッ素シラン化合物と
して1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルトリ
アミノシランを1重量%溶解させた溶液に上述した偏光
板を20℃において1分間浸漬させた。ついで、10c
m/秒の速度で偏光板を引き上げた後、相対湿度50
%、温度60℃の雰囲気で10分間放置した。この状態
では、偏光板の両面に10μm程度のかなり厚い塗布層
が形成され、塗布面は若干不均一であり、かつ外観上は
白濁していた。
【0174】その後、1,1,2−トリクロロ−1,
2,2−トリフルオロエタンに偏光板を1分間浸漬する
ことによって偏光板の洗浄を行い、未反応の含フッ素シ
ラン化合物を除去し、汚染防止層40を形成した。
【0175】前記含フッ素シラン化合物は、偏光基板1
0の支持層を構成するTACと反応しないため、第2の
支持層16上に付着した未反応の含フッ素シラン化合物
をフッ素系溶剤によって除去することができる。したが
って、第2の支持層16上に接着が困難なシラン化合物
層が残存していない。また、このようにして得られた偏
光板は、汚染防止層の形成によって外観ならびに反射防
止特性において特に変化は見られなかった。
【0176】この偏光板900について、前記実施例1
と同様に特性試験を行った。その結果、偏光板の特性と
して、a.密着性,b.耐擦傷性,c.耐薬品性および
d.汚染防止性の各特性において、汚れの拭き取り性が
悪かったものの、実施例1と同様に良好な結果が得られ
た。なお、付着した汚れはクリーナーを用いれば除去す
ることができた。さらに、本施例の偏光板900をMI
M素子を用いたアクティブマトリクス駆動の液晶パネル
前面に貼り付けて液晶表示パネルを作成した。この液晶
表示パネルについて、実施例1と同様に、a.高温高湿
試験,b.熱衝撃試験,c.日光暴露試験およびd.視
認性の特性試験を行ったところ、実施例1と同様に良好
な結果が得られた。
【0177】(実施例10)本実施例の偏光板は、その
基本的構造が前記実施例1と同様であるため、図1を参
照しながら説明する。
【0178】この偏光板1000は、偏光基板10上に
アンダーコート層20、反射防止層30および汚染防止
層40が順次積層された構造となっている。偏光基板1
0は前記実施例1の偏光基板と実質的に同一であるの
で、その詳細な説明を省略する。
【0179】前記アンダーコート層20は、厚さ0.5
〜20μm(後述する試験のサンプルでは3μm)のア
クリル系樹脂から形成されている。このアンダーコート
層20には、防眩性を高めるためのシリカが分散されて
いない。
【0180】本実施例のアンダーコート層20の膜特性
の一例をあげると、表面硬度が鉛筆硬度で3Hであり、
光沢度(Ga60度)は90、中心線平均粗さ(Ra)
は50nm、および曇度は0.5%であった。
【0181】前記反射防止層30は、膜厚0.05〜1
μm(サンプルでは0.1μm)であり、単層構造を成
している。この膜構成は、MgF2 層がλ/4(ここで
λ=520nm)である。
【0182】前記汚染防止層40は、ビス−(1H,1
H−パーフルオロノニル)−ブチル−アミノシランから
なる厚さ20〜800オングストローム(サンプルにお
いては100オングストローム以下)の層から構成され
ている。この汚染防止層40は、水の接触角が100度
以上であり、優れた撥水性を示した。また、撥油性も有
していた。前記汚染防止層40は屈折率nが1.25〜
1.45であり、したがってnd(d:汚染防止層40
の厚さ)が0.1μmより小さいことが確認された。
【0183】次に、本実施例の偏光板1000の製造方
法について述べる。
【0184】まず、偏光基板10の表面に、実施例4で
用いたと同様なシリカ粒子が分散されていないアクリル
樹脂塗布液をロールコート法によって塗布し、その後紫
外線を照射してアクリル樹脂を硬化させ、アンダーコー
ト層20を形成した。
【0185】ついで、この偏光基板を真空槽内にセット
し、例えば電子ビーム加熱による真空蒸着法により、基
板温度50℃で、MgF2 層をλ/4(λ=520n
m)の膜厚で形成し、反射防止層30を形成した。得ら
れた偏光板をアルカリ洗浄後純水ですすぎ、十分に乾燥
させた。
【0186】ついで、「フロリナートFC−40」に含
フッ素シラン化合物としてビス−(1H,1H−パーフ
ルオロノニル)−ブチルアミノシランを5重量%溶解さ
せた溶液に上述した偏光板を20℃において5分間浸漬
させた。ついで、10cm/秒の速度で偏光板を引き上
げた後、相対湿度50%、温度50℃の雰囲気で1時間
放置した。この状態では、偏光板の両面に10μm程度
のかなり厚い塗布層が形成され、塗布面は若干不均一で
あり、かつ外観上は白濁していた。
【0187】その後、「フロリナートFC−40」に偏
光板を1分間浸漬することによって偏光板の洗浄を行
い、未反応の含フッ素シラン化合物を除去し、汚染防止
層40を形成した。
【0188】前記含フッ素シラン化合物は、偏光板10
の支持層を構成するTACと反応しないため、第2の支
持層16上に付着した未反応の含フッ素シラン化合物を
フッ素系溶剤によって除去することができる。したがっ
て、第2の支持層16上に接着が困難なシラン化合物層
が残存していない。この汚染防止層40の形成によって
偏光板の外観ならびに反射防止特性において、特に変化
は見られなかった。
【0189】この偏光板1000について、前記実施例
1と同様に特性試験を行った。その結果、偏光板の特性
として、a.密着性,b.耐擦傷性,c.耐薬品性およ
びd.汚染防止性の各特性において実施例1と同様に良
好な結果が得られた。さらに、本施例の偏光板1000
を単純マトリクス駆動の液晶パネル前面に貼り付けて液
晶表示パネルを作成した。この液晶表示パネルについ
て、実施例1と同様に、a.高温高湿試験,b.熱衝撃
試験,c.日光暴露試験およびd.視認性の特性試験を
行ったところ、視認性の点では写り込みが顕著であるも
のの、他の特性は実施例1と同様に良好な結果が得られ
た。なお、視認性の試験においては、前記液晶表示パネ
ルの背面に反射板を配設したサンプルを用いた。
【0190】(実施例11)本実施例の偏光板は、その
基本的構造が前記第1実施例と同様であるため、図1を
参照しながら説明する。
【0191】この偏光板1100は、偏光基板10上に
アンダーコート層20、反射防止層30および汚染防止
層40が順次積層された構造となっている。偏光基板1
0は前記実施例1の偏光基板と実質的に同一であるの
で、その詳細な説明を省略する。
【0192】前記アンダーコート層20は、厚さ0.5
〜20μm(後述する試験のサンプルでは5μm)のア
クリル系樹脂から構成されている。
【0193】このアンダーコート層20は、前記実施例
1と異なり、防眩性を高めるためのシリカが分散されて
いない。その代わり、その表面には転写法により微細な
凹凸が形成されて、防眩性が付与されている。
【0194】本実施例のアンダーコート層20の膜特性
の一例をあげると、表面硬度が鉛筆硬度で3Hであり、
光沢度(Ga60度)は37、中心線平均粗さ(Ra)
は1000nm、および曇度は35%であった。
【0195】前記反射防止層30は、膜厚0.05〜1
μm(サンプルでは0.3μm)であり、3層構造を成
している。この膜構成は、アンダーコート層20側か
ら、SiO2 層がλ/4、TiO2 層がλ/2、最上層
であるSiO2 層がλ/4(ここでλ=520nm)で
ある。
【0196】前記汚染防止層40は、ビス(IH,IH
−パーフルオロブチル)ジアミノシランからなる厚さ2
0〜800オングストローム(サンプルにおいては10
0オングストローム以下)の層から構成されている。こ
の汚染防止層40は、水の接触角が100度以上であ
り、優れた撥水性を示した。また、前記汚染防止層40
は屈折率nが1.25〜1.45であり、したがってn
d(d:汚染防止層40の厚さ)が0.1μmより小さ
いことが確認された。
【0197】次に、本実施例の偏光板1100の製造方
法について述べる。
【0198】まず、偏光基板10の表面に、実施例4で
用いたと同様のアクリル樹脂塗布液をロ−ルコート法に
よって塗布し、次いで、実施例4で述べたと同様の転写
法によって、乾燥させた塗膜の表面に微細な凹凸を形成
した。その後紫外線を照射してアクリル樹脂を硬化さ
せ、アンダーコート層20を形成した。
【0199】ついで、この偏光基板を真空槽内にセット
し、例えば電子ビーム加熱による真空蒸着法により、真
空槽の基板温度50℃で、SiO2 層をλ/2、TiO
2 層をλ/2、SiO2 層をλ/4(λ=520nm)
の膜厚で順次形成し、反射防止層30を形成した。得ら
れた偏光板をメタノールで洗浄し、十分に乾燥させた。
【0200】ついで、上記の工程で得られた偏光板を
「フロリナートFC−40」に含フッ素シラン化合物と
してビス(IH,IH−パーフルオロブチル)ジアミノ
シランを3重量%溶解させた溶液に、20℃において2
分間浸漬させた。その後、5cm/秒の速度で偏光板を
引き上げた後、常温の大気中で一日間放置した。さら
に、「フロリナ−トFC−40」に得られた偏光板を1
分間浸漬し、さらに「フロリナートFC−40」の蒸気
浴において引上げ洗浄を行うことによって偏光板の洗浄
を行い未反応の含フッ素シラン化合物を除去し、汚染防
止層40を形成した。
【0201】前記含フッ素シラン化合物は、偏光基板1
0の支持層を構成するTACと反応しないため、第2の
支持層16上に付着した未反応の含フッ素シラン化合物
をフッ素系溶剤によって除去することができる。したが
って、第2の支持層16上に接着が困難なシラン化合物
層が残存していない。この汚染防止層の形成によって、
偏光板の外観ならびに反射防止特性において、特に変化
は見られなかった。
【0202】この偏光板1100について、前記実施例
1と同様に特性試験を行った。その結果、偏光板の特性
として、a.密着性,b.耐擦傷性,c.耐薬品性およ
びd.汚染防止性の各特性において実施例1と同様に良
好な結果が得られた。さらに、本施例の偏光板1100
をTFT素子を用いたアクティブマトリクス駆動の液晶
パネル前面に貼り付けて液晶表示パネルを作成した。こ
の液晶表示パネルについて、実施例1と同様に、a.高
温高湿試験,b.熱衝撃試験,c.日光暴露試験および
d.視認性の特性試験を行ったところ、視認性にいて解
像度が若干低下したものの、他の特性は実施例1と同様
に良好な結果が得られた。
【0203】(実施例12)この偏光板1200は、偏
光基板10上にアンダーコート層20、反射防止層30
および汚染防止層40が順次積層された構造となってい
る。なお、前記偏光基板10の構成は、前記実施例1の
偏光基板と同様の構成を有するため、その詳細な説明を
省略する。
【0204】前記アンダーコート層20は、厚さ0.5
〜20μm(後述する試験のサンプルでは1μm)のシ
ロキサン系樹脂にシリカが分散され、防眩性が付与され
ている。前記シリカは、平均粒子径が0.1〜5μm
(サンプルでは0.3μm)である。
【0205】本実施例のアンダーコート層20の膜特性
の一例をあげると、表面硬度が鉛筆硬度で5Hであり、
光沢度(Ga60度)は35、中心線平均粗さ(Ra)
は80nm、および曇度は7%であった。
【0206】前記反射防止層30は、膜厚0.08〜1
μm(サンプルでは0.3μm)であり、5層構造を成
している。この膜構成は、アンダーコート層20側か
ら、SiO2 層がλ/4、ZrO2 層とSiO2 層の積
層がλ/4、ZrO2 層がλ/4、最上層であるSiO
2 層がλ/4(ここでλ=520nm)である。
【0207】前記汚染防止層40は、2−(パーフルオ
ロノニル)−エチルブチルージアミノシランからなる厚
さ20〜800オングストローム(サンプルにおいては
100オングストローム以下)の層から構成されてい
る。この汚染防止層40は、水の接触角が100度以上
であり、優れた撥水性を示した。また、撥油性も有して
いた。前記汚染防止層40は屈折率nが1.25〜1.
45であり、したがってndが0.1μmより小さいこ
とが確認された。
【0208】次に、本実施例の偏光板1200の製造方
法について述べる。
【0209】まず、偏光基板10の表面に、実施例2で
用いたと同様のシリカ粒子が分散されたシロキサン系樹
脂塗布液をロールコート法によって塗布し、その後80
℃に加熱してシロキサン系樹脂を硬化させ、アンダーコ
ート層20を形成した。
【0210】ついで、この偏光基板を真空槽内にセット
し、例えば電子ビーム加熱による真空蒸着法により、基
板温度50℃で、SiO2 層をλ/4、ZrO2 層とS
iO2 層との積層をλ/4、ZrO2 層をλ/4、Si
2 層をλ/4(λ=520nm)の膜厚で順次形成
し、反射防止層30を形成した。得られた偏光板をメタ
ノールで洗浄し、十分に乾燥させた。
【0211】ついで、「フロリナートFC−40」に含
フッ素シラン化合物として2−(パーフルオロノニル)
−エチルブチルージアミノシランを10重量%溶解させ
た溶液に上述した偏光板を20℃において5分間浸漬さ
せた。ついで、3cm/秒の速度で偏光板を引き上げた
後、相対湿度50%、温度40℃の雰囲気で1時間放置
した。この状態では、偏光板の両面に1μm程度のかな
り厚い塗布層が形成され、塗布面は若干不均一であり、
かつ外観上は白濁していた。
【0212】その後、「フロリナートFC−40」に偏
光板を1分間浸漬することによって偏光板の洗浄を行い
未反応の含フッ素シラン化合物を除去した。
【0213】前記含フッ素シラン化合物は、偏光基板1
0の支持層を構成するTACと反応しないため、第2の
支持層16上に付着した未反応の含フッ素シラン化合物
をフッ素系溶剤によって除去することができる。したが
って、第2の支持層16上に接着が困難なシラン化合物
層が残存していない。また、このようにして得られた偏
光板は、汚染防止層の形成によって外観ならびに反射防
止特性において特に変化は見られなかった。
【0214】この偏光板1200について、前記実施例
1と同様に特性試験を行った。その結果、偏光板の特性
として、a.密着性,b.耐擦傷性,c.耐薬品性およ
びd.汚染防止性の各特性において、汚れの拭き取り性
が悪かったものの、その他の特性は実施例1と同様に良
好な結果が得られた。さらに、本施例の偏光板1200
をMIM素子を用いたアクティブマトリクス駆動の液晶
パネル前面に貼り付けて液晶表示パネルを作成した。こ
の液晶表示パネルについて、実施例1と同様に、a.高
温高湿試験,b.熱衝撃試験,c.日光暴露試験および
d.視認性の特性試験を行ったところ、実施例1と同様
に良好な結果が得られた。
【0215】(実施例13)本実施例および後述する実
施例14〜16においては、反射防止層30が前記実施
例のように蒸着法ではなく、ディップコーティングなど
の塗布法によって形成されている点に特徴を有してい
る。
【0216】本実施例の偏光板は、その基本的構造が前
記実施例1と同様であるため、図1を参照しながら説明
する。
【0217】この偏光板1300は、偏光基板10上に
アンダーコート層20、反射防止層30および汚染防止
層40が順次積層された構造となっている。偏光基板1
0は前記実施例1の偏光基板と実質的に同一であるの
で、その詳細な説明を省略する。 前記アンダーコート
層20は、厚さ0.5〜20μm(後述する試験のサン
プルでは3μm)のアクリル系樹脂にシリカが分散さ
れ、防眩性が付与されている。前記シリカは、平均粒子
径が0.1〜5μm(サンプルでは12μm)である。
【0218】本実施例のアンダーコート層20の膜特性
の一例をあげると、表面硬度が鉛筆硬度で3Hであり、
光沢度(Ga60度)は25、中心線平均粗さ(Ra)
は250nm、および曇度は15%であった。
【0219】前記反射防止層30は、約850オングス
トロームのシロキサン系樹脂からなる高屈折率層と、膜
厚約950オングストロームのアクリル系樹脂からなる
低屈折率層から形成されている。前記高屈折率層は、シ
ロキサン系樹脂に平均粒子径が約50オングストローム
のチタニア粒子と平均粒子径が約80オングストローム
のシリカ粒子が分散されている。
【0220】前記高屈折率層は、その屈折率がこの実施
例では、1.64であった。また、前記低屈折率層は、
その屈折率がこの実施例では1.42であった。この反
射防止層30は、空気中の反射率が550nmで0.5
%であり、高い反射防止効果が確認された。
【0221】前記汚染防止層40は、2−(パーフルオ
ロオクチル)−エチルトリアミノシランからなる厚さ2
0〜800オングストローム(サンプルにおいては20
0オングストローム)の層から構成されている。この汚
染防止層40は、水の接触角が100度以上であり、優
れた撥水性を示し、さらに一般の有機溶剤に濡れず、優
れた撥油性も示した。また、前記汚染防止層40は屈折
率nが1.25〜1.45であり、したがってnd
(d:汚染防止層40の厚さ)が0.1μmより小さい
ことが確認された。
【0222】次に、本実施例の偏光板1300の製造方
法について述べる。
【0223】まず、偏光基板10の表面に、シリカ粒子
が分散されたアクリル樹脂塗布液をロールコート法によ
って塗布し、その後紫外線を照射してアクリル樹脂を硬
化させ、アンダーコート層20を形成した。
【0224】ついで、メチルセロソロブに50重量%の
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを溶解し
触媒量(塗布液の0.01重量%程度)の塩酸を加え、
室温で撹拌して溶液を調整した。この溶液にさらに前記
チタニア粒子とシリカ粒子とを混合し、さらに過塩素酸
マグネシウムを触媒量(塗布液に対して0.05重量%
程度)添加し、十分に撹拌し、塗布液を調整した。この
塗布液は均質なゾルであり、長期間にわたって良好な保
存安定性を有し、沈澱等が生じなかった。この塗布液に
偏光板を浸漬し、ディップコーティングにより塗膜を形
成し、さらに40〜100℃(サンプルでは60℃)に
加熱して高屈折率層を形成した。
【0225】次いで、5重量%のパーフルオロアルキル
アクリレートのオリゴマーをフッ素系溶媒(トリフルオ
ロメチルベンゼン)に溶解させ、塗布液を調整した。こ
の塗布液を用いてディップコーティングにより偏光板上
に塗布層を形成し、30〜100℃(サンプルでは50
℃)で5〜180分間(サンプルでは30分間)加熱し
た後、紫外線を例えば1ジュールの強さで照射し、アク
リル系樹脂の低屈折率層を形成した。
【0226】このようにして形成された2層構造の反射
防止層30は、非常に緻密かつ均質で、クラック等が発
生していないことが確認された。また、この実施例にお
いては、塗布層の膜厚を50オングストローム程度の範
囲で十分に制御できることがわかった。
【0227】次いで、実施例5と同様にして、多孔質ア
ルミナのタブレットに2−(パーフルオロオクチル)−
エチルトリアミノシランを含浸させた。このタブレット
を蒸発源として真空蒸着により汚染防止層40を形成し
た。真空蒸着においては、例えば真空槽内を10-6To
rrまで排気し、前記偏光板を酸素プラズマに曝した
後、タブレットを電気抵抗で加熱し、前記フッ素シラン
化合物のみを所定時間(サンプルでは30秒間)蒸発さ
せ、反射防止層30上に含フッ素シラン化合物層を堆積
させた。この汚染防止層40の形成によって偏光板の外
観ならびに反射防止特性において、特に変化は見られな
かった。
【0228】この偏光板1300について、前記実施例
1と同様に特性試験を行った。その結果、偏光板の特性
として、a.密着性,b.耐擦傷性,c.耐薬品性およ
びd.汚染防止性の各特性において実施例1と同様に良
好な結果が得られた。さらに、本施例の偏光板1300
をMIM素子によるアクティブマトリクス駆動の液晶パ
ネル前面に貼り付けて液晶表示パネルを作成した。この
液晶表示パネルについて、実施例1と同様に、a.高温
高湿試験,b.熱衝撃試験,c.日光暴露試験および
d.視認性の特性試験を行ったところ、実施例1と同様
に良好な結果が得られた。
【0229】(実施例14)本実施例の偏光板は、前記
実施例2の偏光板200と基本的な構造が同様であるた
め、図2を参照しながら説明する。
【0230】この偏光板1400は、偏光基板10上に
接着層52を介して樹脂フィルム50、アンダーコート
層20、反射防止層30および汚染防止層40が順次積
層された構造となっている。なお、偏光基板10の構成
は、前記実施例1の偏光基板と同様の構成を有するた
め、その詳細な説明を省略する。
【0231】前記樹脂フィルム50は、厚さ0.03〜
1mm(後述する試験のサンプルでは0.2mm)のア
クリル樹脂から構成されている。
【0232】前記アンダーコート層20は、厚さ0.5
〜20μm(後述する試験のサンプルでは5μm)のシ
ロキサン系樹脂にシリカが分散され、防眩性が付与され
ている。前記シリカは、平均粒子径が0.1〜5μm
(サンプルでは4μm)である。
【0233】本実施例のアンダーコート層20の膜特性
の一例をあげると、表面硬度が鉛筆硬度で5Hであり、
光沢度(Ga60度)は48、中心線平均粗さ(Ra)
は980nm、および曇度は15%であった。
【0234】前記反射防止層30は、膜厚0.05〜1
μm(サンプルでは0.1μm)であり、多孔質のシリ
カ系非晶質体の超低屈折率層からなる。この反射防止層
30は、その屈折率が1.25〜1.45(サンプルで
は1.32)である。また、反射防止層30の空気中の
反射率は可視波長領域全体にわたって0.5%程度であ
り、高い反射防止効果があることが確認された。
【0235】前記汚染防止層40は、1H,1H,2
H,2H−パーフルオロデシルトリクロロシランからな
る厚さ20〜800オングストローム(サンプルにおい
ては100オングストローム以下)の層から構成されて
いる。この汚染防止層40は、水の接触角が100度以
上であり、優れた撥水性を示した。また、前記汚染防止
層40は屈折率nが1.25〜1.45であり、したが
ってnd(d:汚染防止層40の厚さ)が0.1μmよ
り小さいことが確認された。
【0236】次に、本実施例の偏光板1400の製造方
法について述べる。
【0237】まず、前記樹脂フィルム50の表面に、実
施例6で用いたと同様のシリカ粒子が分散されたシロキ
サン系樹脂塗布液をディップ法によって塗布し、その後
70℃に加熱してシロキサン系樹脂を熱硬化させ、アン
ダーコート層20を形成した。
【0238】次いで、エチルセロソロブとエタノールと
の混合溶媒(両者の組成比1:1)にテトラエトキシシ
ランを溶解し、さらに純水および触媒量の塩酸を加え、
室温で撹拌して加水分解を行った。この溶液に、平均粒
子径50〜1000オングストローム(サンプルでは2
00オングストローム)のシリカ微粒子の分散液を混合
し、十分に撹拌して塗布液を調整した。この塗布液は均
質なゾルであり、長期間にわたって良好な保存安定性を
有し、沈澱などが見られなかった。
【0239】この塗布液を前記アンダーコート層20の
表面にロールコーティングによって塗布し、さらに50
〜100℃(サンプルでは80℃)に加熱した後、紫外
線を例えば10ジュールの強度で照射して、反射防止層
30を形成した。この反射防止層30は、非常に緻密か
つ均質で、クラック等が発生していないことが確認され
た。また、この実施例においては、塗布層の膜厚を10
0オングストローム程度の範囲で十分に制御できること
がわかった。
【0240】ついで、「フロリナートFC−40」に含
フッ素シラン化合物として1H,1H,2H,2H−パ
ーフルオロデシルトリクロロシランを5重量%溶解させ
た溶液に上述した偏光板を20℃において1分間浸漬さ
せた。ついで、10cm/秒の速度で偏光板を引き上げ
た後、相対湿度50%、温度50℃の雰囲気で10分間
放置した。その後、「フロリナ−トFC−40」によっ
て偏光板の洗浄を行い、未反応の含フッ素シラン化合物
を除去した。
【0241】汚染防止層40の形成によって偏光板の外
観ならびに反射防止特性において特に変化は見られなか
った。
【0242】以上のようにして得られた樹脂フィルムの
積層体を、実施例2と同様のアクリル系接着剤を介して
偏光基板10に貼り付けることにより本実施例の偏光板
が形成される。
【0243】この偏光板1400について、前記実施例
1と同様に特性試験を行った。その結果、偏光板の特性
として、a.密着性,b.耐擦傷性,c.耐薬品性およ
びd.汚染防止性の各特性において、実施例1と同様に
良好な結果が得られた。さらに、本施例の偏光板140
0をTFT(薄膜トランジスタ)素子を用いたアクティ
ブマトリクス駆動の液晶パネル前面に貼り付けて液晶表
示パネルを作成した。この液晶表示パネルについて、実
施例1と同様に、a.高温高湿試験,b.熱衝撃試験,
c.日光暴露試験およびd.視認性の各特性試験を行っ
たところ、視認性においてギラツキ感があったものの、
実施例1と同様に良好な結果が得られた。
【0244】(実施例15)本実施例の偏光板は、その
基本的構造が前記実施例1と同様であるため、図1を参
照しながら説明する。
【0245】この偏光板1500は、偏光基板10上に
アンダーコート層20、反射防止層30および汚染防止
層40が順次積層された構造となっている。偏光基板1
0は前記実施例1の偏光基板と実質的に同一であるの
で、その詳細な説明を省略する。
【0246】前記アンダーコート層20は、厚さ0.5
〜20μm(後述する試験のサンプルでは3μm)のア
クリル系樹脂にシリカが分散され、防眩性が付与されて
いる。前記シリカは、平均粒子径が0.1〜5μm(サ
ンプルでは1μm)であり、その添加量はアクリル系樹
脂に対し1〜50重量%(サンプルでは20重量%)で
ある。
【0247】本実施例のアンダーコート層20の膜特性
の一例をあげると、表面硬度が鉛筆硬度で3Hであり、
光沢度(Ga60度)は35、中心線平均粗さ(Ra)
は180nm、および曇度は13%であった。
【0248】前記反射防止層30は、膜厚0.05〜1
μm(サンプルでは0.095μm)であり、アクリル
系樹脂の超低屈折率層から構成されている。この反射防
止層30は、その屈折率が1.25〜1.45(サンプ
ルでは1.38)である。前記アクリル系樹脂として
は、アクリル酸エステルのエステル残基にフルオロアル
キル基を導入したモノマーの重合体、またはフルオロ基
を有する2種以上のモノマーの重合体等を好適に用いる
ことができる。
【0249】前記汚染防止層40は、ビス(1H,1H
−パーフルオロブチル)ジアミノシランからなる厚さ2
0〜800オングストローム(サンプルにおいては20
0オングストローム)の層から構成されている。この汚
染防止層40は、水の接触角が100度以上であり、優
れた撥水性を示した。また、前記汚染防止層40は屈折
率nが1.25〜1.45であり、したがってnd
(d:汚染防止層40の厚さ)が0.1μmより小さい
ことが確認された。
【0250】次に、本実施例の偏光板1500の製造方
法の一例について述べる。
【0251】まず、偏光基板10の表面に、実施例1と
同様なシリカ粒子が分散されたアクリル樹脂塗布液をロ
ールコート法によって塗布し、その後紫外線を照射して
アクリル樹脂を硬化させ、アンダーコート層20を形成
した。
【0252】次いで、フッ素系溶媒(ビス(トリフルオ
ロメチル)ベンゼン)にフルオロアルキルアクリレート
を3重量%の濃度で溶解させ、塗布液を調整した。この
塗布液をディップコーティングにより前記偏光板の表面
に塗布し、30〜100℃(サンプルでは50℃)で5
〜180分間(サンプルでは30分間)加熱した後、電
子線を例えば100KVの加速電圧で照射し、アクリル
系樹脂からなる反射防止層30を形成した。この反射防
止層30は、非常に緻密かつ均質で、クラック等が発生
していないことが確認された。また、この方法により膜
厚は50オングストローム程度の範囲で十分に制御でき
ることが確認された。
【0253】ついで、アルゴンとビス(1H,1H−パ
ーフルオロブチル)ジアミノシランを9:1の割合で混
合した気体を真空度が1〜0.0001Torr(サン
プルでは0.01Torr)になるように真空槽内に導
入し、例えば13.56MHzの高周波磁場で雰囲気を
プラズマ化し、前記含フッ素シラン化合物を反射防止層
30上に堆積させ、汚染防止層40を形成した。この汚
染防止層40の形成によって偏光板の外観ならびに反射
防止特性において、特に変化は見られなかった。
【0254】この偏光板1500について、前記実施例
1と同様に特性試験を行った。その結果、偏光板の特性
として、a.密着性,b.耐擦傷性,c.耐薬品性およ
びd.汚染防止性の各特性において実施例1と同様に良
好な結果が得られた。さらに、本施例の偏光板1500
を単純マトリクス駆動の液晶パネル前面に貼り付けて液
晶表示パネルを作成した。この液晶表示パネルについ
て、実施例1と同様に、a.高温高湿試験,b.熱衝撃
試験,c.日光暴露試験およびd.視認性の特性試験を
行ったところ、実施例1と同様に良好な結果が得られ
た。なお、視認性の試験においては、前記液晶表示パネ
ルの背面に反射板を配設したサンプルを用いた。
【0255】(実施例16)本実施例に係る偏光板は、
前記実施例1の偏光板100と基本的な構造が同一なた
め、図1を参照しながら説明する。
【0256】この偏光板1600は、偏光基板10上に
アンダーコート層20、反射防止層30および汚染防止
層40が順次積層された構造となっている。偏光基板1
0は前記実施例1の偏光基板と実質的に同一であるの
で、その詳細な説明を省略する。
【0257】前記アンダーコート層20は、厚さ0.5
〜20μm(後述する試験のサンプルでは10μm)の
アクリル系樹脂から構成されている。
【0258】このアンダーコート層20は、前記実施例
1と異なり、防眩性を高めるためのシリカが分散されて
いない。その代わり、その表面には転写法により微細な
凹凸が形成されて、防眩性が付与されている。
【0259】本実施例のアンダーコート層20の膜特性
の一例をあげると、表面硬度が鉛筆硬度で3Hであり、
光沢度(Ga60度)は90、中心線平均粗さ(Ra)
は100nm、および曇度は3%であった。
【0260】前記反射防止層30は、膜厚0.05〜1
μm(サンプルでは0.21μm)であり、チタニア系
非晶質体の高屈折率層とシロキサン系樹脂の低屈折率層
とから構成されている。前記高屈折率層は、屈折率が
1.5〜2.0(サンプルでは1.75)であり、前記
低屈折率層はその屈折率が1.3〜1.5(サンプルで
は1.48)である。また、前記高屈折率層には、平均
粒子径が50〜1000オングストローム(サンプルで
は50オングストローム)のチタニア粒子が分散されて
いる。前記低屈折率層には、平均粒子径50〜1000
オングストローム(サンプルでは80オングストロー
ム)のシリカ粒子が分散されている。
【0261】この反射防止層30は、非常に緻密かつ均
質で、クラック等が発生していないことが確認された。
また、反射防止層30の空気中における反射率は、55
0nmで0.5%であり、高い反射防止効果が確認され
た。
【0262】前記汚染防止層40は、1H,1H,2
H,2H−パーフルオロオクチルトリエトキシシランか
らなる厚さ20〜800オングストローム(サンプルに
おいては100オングストローム以下)の層から構成さ
れている。この汚染防止層40は、水の接触角が100
度以上であり、優れた撥水性を示した。また、前記汚染
防止層40は屈折率nが1.25〜1.45であり、し
たがってnd(d:汚染防止層40の厚さ)が0.1μ
mより小さいことが確認された。
【0263】次に、本実施例の偏光板1600の製造方
法について述べる。
【0264】まず、偏光基板10の表面に、実施例4で
用いたと同様のアクリル樹脂塗布液を用い、実施例4と
同様な転写法によってアンダーコート層20の表面に微
細な凹凸を形成した。
【0265】ついで、エチルセロソロブとエタノールと
の混合溶媒(セロソロブ:エタノール=4:1)にテト
ラブトキシチタンを濃度20重量%で溶解し、触媒量
(塗布液に対し0.3重量%程度)の酢酸を加え、室温
で撹拌した。この溶液に前記チタニア粒子を分散させ、
十分に撹拌して塗布液を調整した。この塗布液は均質な
ゾルであり、長期間良好な保存安定性が得られ、沈澱は
見られなかった。この塗布液をスピンコーティングによ
り偏光板上に塗布し、50〜100℃(サンプルでは6
0℃)に加熱してチタニア系非晶質体の高屈折率層を形
成した。
【0266】次いで、メチルセロソロブにγ−グリシド
キシプロピルトリメトキシシランを濃度20重量%で溶
解し、触媒量(塗布液に対し0.01重量%程度)の塩
酸を加え、室温で撹拌した。この溶液に前記シリカ粒子
を分散させて混合し、さらに、過塩素酸マグネシウムを
触媒量(塗布液に対し0.05重量%程度)添加し、十
分に撹拌して塗布液を調整した。この塗布液は均質なゾ
ルであり、長期間にわたって良好な保存安定性を有し、
沈澱も見られなかった。この塗布液をディップコーティ
ングにより偏光板に塗布し、50〜100℃(サンプル
では60℃)で加熱して、シロキサン系樹脂の低屈折率
層を形成した。このようにして2層構造の反射防止層3
0が形成された。
【0267】ついで、上記の工程で得られた偏光板を酸
素プラズマに曝した後スピンナーにセットした。そし
て、「フロリナートFC−70」に含フッ素シラン化合
物として1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチ
ルトリエトキシシランを3重量%溶解させた溶液を上述
した偏光板に滴下してスピンナーを約3,000rpm
の回転速度で回転させ、溶液を塗布した。その後、偏光
板を相対湿度50%、温度50℃の雰囲気で1時間放置
し、さらに、「フロリナ−トFC−70」によって偏光
板の洗浄を行い、未反応の含フッ素シラン化合物を除去
し、汚染防止層40を形成した。この汚染防止層40の
形成によって、偏光板の外観ならびに反射防止特性にお
いて、特に変化は見られなかった。
【0268】この偏光板1600について、前記実施例
1と同様に特性試験を行った。その結果、偏光板の特性
として、a.密着性,b.耐擦傷性,c.耐薬品性およ
びd.汚染防止性の各特性において実施例1と同様に良
好な結果が得られた。さらに、本施例の偏光板1600
をMIM素子を用いたアクティブマトリクス駆動の液晶
パネル前面に貼り付けて液晶表示パネルを作成した。こ
の液晶表示パネルについて、実施例1と同様に、a.高
温高湿試験,b.熱衝撃試験,c.日光暴露試験および
d.視認性の特性試験を行ったところ、実施例1と同様
に良好な結果が得られた。
【0269】
【発明の効果】本発明によれば、特定のシラン化合物か
らなる汚染防止層を有することにより、優れた視認性を
確保しながら、撥水性,汚染防止性に優れた偏光板、お
よびこの偏光板を効率よく製造することができる製造方
法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1(実施例3,4,5,7〜1
3,15,16)の偏光板を模式的に示す断面図であ
る。
【図2】本発明の実施例2(実施例6,14)の偏光板
を模式的に示す断面図である。
【図3】本発明の偏光板を形成するのに用いられる真空
蒸着装置の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
10 偏光基板 12 偏光層 14 第1の支持層 16 第2の支持層 20 アンダーコート層 30 反射防止層 40 汚染防止層 50 樹脂フィルム 52 接着層 100〜1600 偏光板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平5−121707 (32)優先日 平5(1993)5月24日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平5−140945 (32)優先日 平5(1993)6月11日 (33)優先権主張国 日本(JP)

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 偏光層およびこの偏光層の両表面に形成
    された支持層を有する偏光基板と、 この偏光基板を構成する一方の支持層の表面に形成され
    たアンダーコート層と、 このアンダーコート層側の最も外側に位置し、含フッ素
    シラン化合物からなる汚染防止層と、 を含むことを特徴とする偏光板。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記アンダーコート層は、JIS Z 8741に基づ
    く鏡面光沢度が10〜40であり、かつJIS K 6
    900に基づく曇度が5〜30%であることを特徴とす
    る偏光板。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、 前記アンダーコート層と前記汚染防止層との間に反射防
    止層が形成されたことを特徴とする偏光板。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかにおいて、 前記偏光板の代わりに、偏光基板およびこの偏光基板に
    接着された樹脂フィルムからなる積層体が用いられたこ
    とを特徴とする偏光板。
  5. 【請求項5】 請求項2〜4のいずれかにおいて、 前記アンダーコート層は、JIS B 0601に基づ
    く中心線平均粗さが100〜500nmであることを特
    徴とする偏光板。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかにおいて、 前記アンダーコート層には、平均粒子径が0.1〜5μ
    mの硬質粒子が分散されていることを特徴とする偏光
    板。
  7. 【請求項7】 請求項6において、 前記アンダーコート層に分散される硬質粒子は、シリ
    カ、チタニア、アルミナおよびジルコニアから選択され
    る少なくとも一種であることを特徴とする偏光板。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかにおいて、 前記アンダーコート層は、アクリル系樹脂およびシロキ
    サン系樹脂から選択される少なくとも一種であることを
    特徴とする偏光板。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかにおいて、 前記含フッ素シラン化合物は、下記式(1)で示される
    含フッ素シラン化合物、この化合物単位を有するオリゴ
    マーおよびポリマーの少なくとも一種からなることを特
    徴とする偏光板。式(1) (R1 a (R2 b −Si−(X)c 式(1)中、 R1 はフッ素を含む有機基、 R2 は水素または有機基、 Xはハロゲン基,水酸基,アミノ基,アルコキシ基およ
    びこれらの基の一部が置換された基から選択される少な
    くとも一種の加水分解可能な反応性基、 a は1〜3の整数、 b は0または1〜2の整数、 c は1〜3の整数を示す。
  10. 【請求項10】 請求項9において、 前記式(1)における反応性基Xはアミノ基または置換
    アミノ基であることを特徴とする偏光板。
  11. 【請求項11】 請求項10において、 前記含フッ素シラン化合物は、1H,1H,2H,2H
    −パーフルオロデシルトリアミノシラン、1H,1H,
    2H,2H−パーフルオロデシルジメチルアミノシラ
    ン、ビス(1H,1H−パーフルオロブチル)ジアミノ
    シラン、ビス(パーフルオロノニル)ジアミノシラン、
    パーフルオロヘキサデシルトリアミノシラン、パーフル
    オロヘプタデシルトリアミノシラン、パーフルオロオク
    タデシルトリアミノシランおよびビス(パーフルオロノ
    ニル)ブチルアミノシランから選択される少なくとも一
    種であることを特徴とする偏光板。
  12. 【請求項12】 請求項9において、 前記式(1)中、 R1 はフッ素を含む、炭素数1〜20のアルキル基,置
    換アルキル基,アルコキシ基および置換アルコキシ基か
    ら選択される少なくとも一種、 R2 は水素または炭素数1〜4のアルキル基,置換アル
    キル基,アルコキシ基および置換アルキル基から選択さ
    れる少なくとも一種、 Xはハロゲン基,水酸基,アルコキシ基およびこれらの
    基の一部が置換された基から選択される少なくとも一種
    の反応性基であることを特徴とする偏光板。
  13. 【請求項13】 請求項12において、 前記含フッ素シラン化合物としては、1H,1H,2
    H,2H−パーフルオロデシルトリクロロシラン、1
    H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルトリブロモ
    シラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシル
    トリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフ
    ルオロデシルトリヒドロキシシラン、パーフルオロヘプ
    タデシルトリメトキシシラン、パーフルオロオクタデシ
    ルジメチルクロロシラン、パーフルオロヘキサデシルメ
    チルジクロロシランおよび3,3,3−トリフルオロプ
    ロピルトリクロロシランから選択される少なくとも一種
    であることを特徴とする偏光板。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13のいずれかにおいて、 前記汚染防止層は、屈折率nおよび層の厚みdが次の関
    係を有することを特徴とする偏光板。 nd<0.1μm 1.25<n<1.45
  15. 【請求項15】 偏光層およびこの偏光層の両表面に形
    成された支持層を有する偏光基板の一方の支持層の表面
    にアンダーコート層を形成する工程と、 このアンダーコート層の表面に反射防止層を形成する工
    程と、 この反射防止層の表面に含フッ素シラン化合物からなる
    汚染防止層を形成する工程と、 を含むことを特徴とする偏光板の製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項15において、 前記アンダーコート層を形成する工程は、樹脂溶液に平
    均粒子径が0.1〜5μmの硬質粒子を分散させた塗布
    液を調整し、この塗布液を前記偏光基板の表面に塗布し
    て硬化させ、前記硬質粒子が1〜50重量%の割合で含
    有される塗膜を形成する工程からなることを特徴とする
    偏光板の製造方法。
  17. 【請求項17】 請求項15において、 前記アンダーコート層を形成する工程は、樹脂溶液を含
    む塗布液を前記偏光基板の表面に塗布して硬化させ、こ
    の塗膜の表面に微細な凹凸を形成する工程からなること
    を特徴とする偏光板の製造方法。
  18. 【請求項18】 請求項15〜17のいずれかにおい
    て、 前記汚染防止層は、下記式(1)で示される含フッ素シ
    ラン化合物を含む塗布液を前記反射防止層の表面に塗布
    して硬化させ、さらに未反応の含フッ素シラン化合物を
    溶媒洗浄によって除去することにより形成されることを
    特徴とする偏光板の製造方法。式(1) (R1 a (R2 b −Si−(X)c 式(1)中、 R1 はフッ素を含む有機基、 R2 は水素または有機基、 Xはハロゲン基,水酸基,アミノ基,アルコキシ基およ
    びこれらの基の一部が置換された基から選択される少な
    くとも一種の加水分解可能な反応性基、 a は1〜3の整数、 b は0または1〜2の整数、 c は1〜3の整数を示す。
  19. 【請求項19】 請求項15〜17のいずれかにおい
    て、 前記汚染防止層は、前記式(1)で示される含フッ素シ
    ラン化合物を物理的気相成長法によって堆積させること
    により形成されることを特徴とする偏光板の製造方法。
  20. 【請求項20】 請求項19において、 前記汚染防止層は、前記式(1)で示される含フッ素シ
    ラン化合物を含浸させたセラミックスを蒸発源として用
    い、真空槽内において前記セラミックスを加熱し、該化
    合物を蒸発させて堆積させることによって形成されるこ
    とを特徴とする偏光板の製造方法。
  21. 【請求項21】 請求項15〜20のいずれかにおい
    て、 前記反射防止層は、物理的気相成長法によって形成され
    ることを特徴とする偏光板の製造方法。
  22. 【請求項22】 請求項15〜20のいずれかにおい
    て、 前記反射防止層は、シロキサン系樹脂,アクリル系樹脂
    および酸化物系非晶質体の少なくとも一種を含む塗膜を
    形成後、これを硬化させることによって形成されること
    を特徴とする偏光板の製造方法。
  23. 【請求項23】 請求項22において、 前記反射防止層には、平均粒子径が0.05〜0.1μ
    mの硬質粒子が分散されていることを特徴とする偏光板
    の製造方法。
JP10208094A 1987-01-16 1994-04-15 偏光板、偏光板の製造方法および液晶表示装置 Expired - Lifetime JP3387204B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10208094A JP3387204B2 (ja) 1993-04-15 1994-04-15 偏光板、偏光板の製造方法および液晶表示装置
US08/572,270 US5759643A (en) 1987-01-16 1995-12-13 Polarizing plate and method of production

Applications Claiming Priority (11)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8887793 1993-04-15
JP9808093 1993-04-23
JP10132293 1993-04-27
JP12170793 1993-05-24
JP5-98080 1993-06-11
JP5-140945 1993-06-11
JP5-121707 1993-06-11
JP14094593 1993-06-11
JP5-88877 1993-06-11
JP5-101322 1993-06-11
JP10208094A JP3387204B2 (ja) 1993-04-15 1994-04-15 偏光板、偏光板の製造方法および液晶表示装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0798414A true JPH0798414A (ja) 1995-04-11
JP3387204B2 JP3387204B2 (ja) 2003-03-17

Family

ID=27551755

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10208094A Expired - Lifetime JP3387204B2 (ja) 1987-01-16 1994-04-15 偏光板、偏光板の製造方法および液晶表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3387204B2 (ja)

Cited By (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10246802A (ja) * 1997-03-05 1998-09-14 Sumitomo Chem Co Ltd 低反射樹脂基材
JPH11258405A (ja) * 1998-03-12 1999-09-24 Toppan Printing Co Ltd 反射防止フィルム
JPH11319709A (ja) * 1998-05-15 1999-11-24 Mitsubishi Materials Corp 有機系基材への光触媒膜の形成方法とその用途
JP2000338301A (ja) * 1999-05-26 2000-12-08 Toppan Printing Co Ltd 光学部材及びその製造方法
JP2001100003A (ja) * 1999-09-28 2001-04-13 Fuji Photo Film Co Ltd 反射防止膜および画像表示装置
JP2002207104A (ja) * 2000-10-17 2002-07-26 Nissha Printing Co Ltd 反射防止部材とその製造方法、反射防止転写材
JP2002286932A (ja) * 2001-03-23 2002-10-03 Toppan Printing Co Ltd 偏光フィルムまたは偏光子用保護フィルムの製造方法
JP2004131717A (ja) * 2002-09-20 2004-04-30 Nippon Paper Industries Co Ltd 高屈折率塗膜層を有するフィルム
WO2004086104A1 (ja) * 2003-03-25 2004-10-07 Organization Of Shinshu University 反射防止膜
JP2004309711A (ja) * 2003-04-04 2004-11-04 Fuji Photo Film Co Ltd 反射防止膜、反射防止フィルムおよび画像表示装置
JP2005227443A (ja) * 2004-02-12 2005-08-25 Konica Minolta Opto Inc 反射防止フィルム、偏光板及び液晶表示装置
JP2006154040A (ja) * 2004-11-26 2006-06-15 Sumitomo Chemical Co Ltd 表面処理防眩板
JP2007298733A (ja) * 2006-04-28 2007-11-15 Sundecor:Kk 反射防止基材およびその製造方法
KR20110068563A (ko) * 2009-12-16 2011-06-22 엘지디스플레이 주식회사 액정표시장치
JP2014130294A (ja) * 2012-12-28 2014-07-10 Ricoh Opt Ind Co Ltd 金属酸化膜を含む部材
WO2015146103A1 (ja) * 2014-03-26 2015-10-01 日本曹達株式会社 有機薄膜形成用溶液及びそれを用いた有機薄膜形成方法
JP2019144335A (ja) * 2018-02-19 2019-08-29 デクセリアルズ株式会社 微細構造体及びその製造方法、並びに光学機器
CN112679125A (zh) * 2021-01-20 2021-04-20 中建八局第二建设有限公司 一种建筑废弃物改性硅微粉及其制备方法
WO2022014569A1 (ja) * 2020-07-13 2022-01-20 日東電工株式会社 防汚層付き光学フィルム

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62178903A (ja) * 1986-02-03 1987-08-06 Seiko Epson Corp 無機コ−ト膜の表面改質法
JPS63280790A (ja) * 1987-05-13 1988-11-17 Toray Ind Inc 帯電防止物品
JPS641527A (en) * 1987-02-13 1989-01-05 Toray Ind Inc Preparation of reflection protectable product
JPH02102502U (ja) * 1989-02-01 1990-08-15
JPH04100002A (ja) * 1990-08-18 1992-04-02 Seiko Epson Corp 投写型表示装置
JPH04340902A (ja) * 1991-05-17 1992-11-27 Seiko Epson Corp コーティング用組成物

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62178903A (ja) * 1986-02-03 1987-08-06 Seiko Epson Corp 無機コ−ト膜の表面改質法
JPS641527A (en) * 1987-02-13 1989-01-05 Toray Ind Inc Preparation of reflection protectable product
JPS63280790A (ja) * 1987-05-13 1988-11-17 Toray Ind Inc 帯電防止物品
JPH02102502U (ja) * 1989-02-01 1990-08-15
JPH04100002A (ja) * 1990-08-18 1992-04-02 Seiko Epson Corp 投写型表示装置
JPH04340902A (ja) * 1991-05-17 1992-11-27 Seiko Epson Corp コーティング用組成物

Cited By (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10246802A (ja) * 1997-03-05 1998-09-14 Sumitomo Chem Co Ltd 低反射樹脂基材
JPH11258405A (ja) * 1998-03-12 1999-09-24 Toppan Printing Co Ltd 反射防止フィルム
JPH11319709A (ja) * 1998-05-15 1999-11-24 Mitsubishi Materials Corp 有機系基材への光触媒膜の形成方法とその用途
JP2000338301A (ja) * 1999-05-26 2000-12-08 Toppan Printing Co Ltd 光学部材及びその製造方法
JP2001100003A (ja) * 1999-09-28 2001-04-13 Fuji Photo Film Co Ltd 反射防止膜および画像表示装置
JP2002207104A (ja) * 2000-10-17 2002-07-26 Nissha Printing Co Ltd 反射防止部材とその製造方法、反射防止転写材
JP2002286932A (ja) * 2001-03-23 2002-10-03 Toppan Printing Co Ltd 偏光フィルムまたは偏光子用保護フィルムの製造方法
JP2004131717A (ja) * 2002-09-20 2004-04-30 Nippon Paper Industries Co Ltd 高屈折率塗膜層を有するフィルム
WO2004086104A1 (ja) * 2003-03-25 2004-10-07 Organization Of Shinshu University 反射防止膜
JP2004309711A (ja) * 2003-04-04 2004-11-04 Fuji Photo Film Co Ltd 反射防止膜、反射防止フィルムおよび画像表示装置
JP2005227443A (ja) * 2004-02-12 2005-08-25 Konica Minolta Opto Inc 反射防止フィルム、偏光板及び液晶表示装置
JP2006154040A (ja) * 2004-11-26 2006-06-15 Sumitomo Chemical Co Ltd 表面処理防眩板
JP2007298733A (ja) * 2006-04-28 2007-11-15 Sundecor:Kk 反射防止基材およびその製造方法
KR20110068563A (ko) * 2009-12-16 2011-06-22 엘지디스플레이 주식회사 액정표시장치
JP2014130294A (ja) * 2012-12-28 2014-07-10 Ricoh Opt Ind Co Ltd 金属酸化膜を含む部材
WO2015146103A1 (ja) * 2014-03-26 2015-10-01 日本曹達株式会社 有機薄膜形成用溶液及びそれを用いた有機薄膜形成方法
JPWO2015146103A1 (ja) * 2014-03-26 2017-04-13 日本曹達株式会社 有機薄膜形成用溶液及びそれを用いた有機薄膜形成方法
JP2019144335A (ja) * 2018-02-19 2019-08-29 デクセリアルズ株式会社 微細構造体及びその製造方法、並びに光学機器
WO2022014569A1 (ja) * 2020-07-13 2022-01-20 日東電工株式会社 防汚層付き光学フィルム
JPWO2022014569A1 (ja) * 2020-07-13 2022-01-20
CN112679125A (zh) * 2021-01-20 2021-04-20 中建八局第二建设有限公司 一种建筑废弃物改性硅微粉及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3387204B2 (ja) 2003-03-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3387204B2 (ja) 偏光板、偏光板の製造方法および液晶表示装置
US5783299A (en) Polarizer plate with anti-stain layer
US5759643A (en) Polarizing plate and method of production
JP3051084B2 (ja) ゾルゲル法
JP2561395B2 (ja) 撥水性薄膜を有する光学部材及びその製造方法
JP2009526727A (ja) 反射防止被覆ガラスプレート
KR20010051230A (ko) 저반사부재
JP2000121804A (ja) 反射防止フィルム
JP2010140008A (ja) 光学物品およびその製造方法
CN101493534B (zh) 一种显示器减反射屏及其制备方法
JP2010237637A (ja) 光学物品およびその製造方法
JPH0792307A (ja) 画像表示装置の反射防止膜製造方法
JP2010186159A (ja) 光学物品およびその製造方法
JP3574158B2 (ja) 液晶表示装置
JP2002309225A (ja) 基材の親水化処理方法
JP2010072636A (ja) 光学物品およびその製造方法
JP2003014904A (ja) 撥水性薄膜を有する光学部材の製造方法
US11204446B2 (en) Anti-reflection film and an optical component containing the anti-reflection film
JP2000160098A (ja) コーティング溶液、光学機能性膜及び反射防止膜フィルム
JP3391972B2 (ja) 成膜法
JPS63111167A (ja) 無機質薄膜で被覆されたプラスチツク物品の製法
JP2002139603A (ja) 低反射基板の製造方法、低反射基板、透明電極基板及び抵抗膜式透明タッチパネル
JP2004223769A (ja) 透明積層フィルム、反射防止フィルム及びそれを用いた偏光板、液晶表示装置
JP3541606B2 (ja) 低反射樹脂基材
CN1170202C (zh) 投影屏幕中增透抗反射保护组元的制作方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20021210

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090110

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100110

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110110

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110110

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120110

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120110

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130110

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130110

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140110

Year of fee payment: 11

EXPY Cancellation because of completion of term