JPH10307204A - 遮光層付き基板及びその製造方法並びにカラーフィルタ基板及び液晶表示素子 - Google Patents

遮光層付き基板及びその製造方法並びにカラーフィルタ基板及び液晶表示素子

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JPH10307204A
JPH10307204A JP6494797A JP6494797A JPH10307204A JP H10307204 A JPH10307204 A JP H10307204A JP 6494797 A JP6494797 A JP 6494797A JP 6494797 A JP6494797 A JP 6494797A JP H10307204 A JPH10307204 A JP H10307204A
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light
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copper
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JP6494797A
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Satoru Takagi
悟 高木
Akira Mitsui
彰 光井
Yasuhiko Akao
安彦 赤尾
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】クロムを用いないで、光学特性、耐久性、パタ
ーニング性に優れた遮光層付き基板を得る。 【解決手段】基板1の上に遮光層2の第1層3としてニ
ッケルと銅とを主成分とする合金の酸化物、窒化物、酸
窒化物のいずれかの層、その上に第2層4としてニッケ
ルと銅とを主成分とする合金、窒化物、炭化物のいずれ
かの層、その上に第3層としてニッケルと銅とを主成分
とする合金の酸化物の層をスパッタリングで形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遮光層付き基板及
びその製造方法並びにカラーフィルタ基板及び液晶表示
素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶表示素子(LCD)、プラズ
マディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンス
ディスプレイ(ELD)等のフラットパネルディスプレ
イのカラー化が進んでいる。
【0003】これらのカラーパネルにおいては、いずれ
も画面のコントラストを向上し、視認性を向上させるた
めにRGBのカラーフィルタ間に遮光機能を持った遮光
層が設けられる。この遮光層の材料としては、クロム、
ニクロム、タンタル等の金属膜や、カーボン等の黒色顔
料を含有した樹脂等が挙げられる。
【0004】基板上への遮光層の作製方法としては、ク
ロム等の金属膜の場合には、基板上に、スパッタリング
法等で100nm厚程度の薄膜を形成した後、フォトリ
ソグラフィによりレジストパターンを形成し、これをマ
スクとしてエッチングし、所望の金属パターンを形成す
る。
【0005】特に表面反射率の低い遮光層を得たい場合
には、基板上に、金属の酸化物又は酸窒化物を50nm
厚程度形成した後、100nm厚程度の金属膜を積層し
た構成も用いられている。
【0006】他方、黒色顔料を含有した樹脂の場合に
は、黒色顔料粉末を樹脂に分散させたインクを印刷法で
印刷パターン化した後、加熱硬化させ遮光層を形成する
方法等が用いられる。黒色顔料粉末を感光性樹脂に分散
させたインクを塗布して、フォトリソグラフィで所望の
パターンの遮光層を形成することも行われている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来のクロムやニクロ
ム等の金属、その酸化物、又はその酸窒化物を用いた遮
光層は、主にスパッタリング法等の真空成膜法により成
膜した後、レジストのフォトリソグラフィとエッチング
によるパターン形成を行う。このため、生産性が低く、
製造コストが高い欠点がある反面、ピンホール等の発生
が非常に少なく、100nm程度の膜厚でも充分な遮光
性能が得られる利点がある。しかし、環境への配慮が強
く叫ばれる近年、クロムを使わない遮光層用金属材料が
求められている。
【0008】他方、カーボンを含有した樹脂の場合に
は、真空成膜法を用いないですむため生産性が高く製造
コストが安い反面、充分な遮光性能を得るためにパター
ン厚みを2μm程度ときわめて厚くしなければならず、
基板上に遮光層のある部分とない部分とで大きな段差が
生じる。この段差が液晶の配向制御に悪影響を与えるこ
とがある。
【0009】本発明は、前記課題を鑑み、クロム膜と同
等以上の性能を有する非クロム金属膜を用いた厚みが薄
くても高い遮光性能を有し、環境への悪影響の少ない遮
光層付き基板を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、基板表面に遮
光層を設けた遮光層付き基板において、遮光層がニッケ
ルと銅とを主成分とする材料からなることを特徴とする
遮光層付き基板を提供する。
【0011】また、遮光層が2層構造を有し、基板側よ
り第1層がニッケルと銅とを主成分とする合金の酸化
物、ニッケルと銅とを主成分とする合金の窒化物、又は
ニッケルと銅とを主成分とする合金の酸窒化物からな
り、かつその上に積層された第2層がニッケルと銅とを
主成分とする合金、ニッケルと銅とを主成分とする合金
の窒化物、又はニッケルと銅とを主成分とする合金の炭
化物からなる上記遮光層付き基板、及び、遮光層がニッ
ケルと銅との合量に対してニッケルを20〜80重量%
の範囲で含有する上記遮光層付き基板を提供する。
【0012】また、遮光層が2層又は3層構造を有し、
ニッケルと銅とを主成分とする合金、ニッケルと銅とを
主成分とする合金の窒化物、又はニッケルと銅とを主成
分とする合金の炭化物からなる第2層と、その第2層の
基板とは反対側の面上に形成されたニッケルと銅とを主
成分とする合金の酸化物を主成分とする第3層とを少な
くとも有する上記遮光層付き基板を提供する。
【0013】また、上記遮光層付き基板の遮光層をマグ
ネトロンスパッタリングで形成することを特徴とする遮
光層付き基板の製造方法を提供する。また、上記遮光層
付き基板上にカラーフィルタ層を形成し、さらにその上
に絶縁層を介して電極を形成してなることを特徴とする
カラーフィルタ基板、及び、上記カラーフィルタ基板
と、他の電極付き基板との間に液晶層を挟持してなるこ
とを特徴とする液晶表示素子を提供する。
【0014】本発明における遮光層はニッケルと銅とを
主成分とする。このため、クロムの遮光層と同等の遮光
性能、生産性を有し、かつ環境に対する悪影響が低下す
る。
【0015】
【発明の実施の形態】図1〜図3は、本発明の遮光層付
き基板の断面図を示す。図1は遮光層が3層の例を示
し、図2は遮光層が2層の例を示し、図3は遮光層が1
層の例を示す。図において、1はガラス等の基板、2は
遮光層、3は第1層、4は第2層、5は第3層を示す。
図1の例では、第1層3、第2層4、第3層5とで遮光
層2を構成している。図2の例では、第1層3、第2層
4とで遮光層2を構成している。図3の例では、第2層
4単層で遮光層2を構成している。
【0016】本発明における遮光層2は、ニッケル(N
i)と銅(Cu)とを主成分とする材料で形成される。
具体的には、遮光度の高いNiCu合金膜又はNiCu
の窒化物膜又はNiCuの炭化物膜が好適に使用でき
る。この遮光層は図1又は図2のように3層又は2層構
造にして使用されることが好ましい。
【0017】この場合、1つの好ましい態様としては、
基板1側に反射を抑制するための第1層3を形成し、そ
の上に高い遮光度の第2層を形成する。この第1層3
は、NiCuの酸化物膜又はNiCuの窒化物膜又はN
iCuの酸窒化物膜が好適に使用される。第2層4は、
遮光度の高いNiCu合金膜又はNiCuの窒化物膜又
はNiCuの炭化物膜が好適に使用できる。
【0018】もう1つの好ましい態様としては、この第
2層単層又は第1層と第2層との積層体の第2層4の基
板とは反対側の面上に、耐久性を向上させる目的で第3
層5を形成する。第3層5は、NiCuの酸化物膜とさ
れる。これらの各層に用いられる材料は、夫々の層に適
した窒素や酸素や炭素の含有量にされる。
【0019】すなわち、第1層、第2層の2層ともNi
Cuの窒化物膜にすることもできるが、この場合には第
1層のNiCuの窒化物膜は遮光度よりも反射光沢が少
なくなるような窒素含有量とし、第2層のNiCuの窒
化物膜は遮光度が高くなるような窒素含有量とすること
が好ましい。
【0020】この遮光層は、ニッケルと銅とを主成分と
する材料とされるが、ニッケルと銅との合量に対してそ
のニッケルの含有量を20〜80重量%の範囲で含有す
ることが好ましい。20重量%未満では、基板との付着
力が低下し、ピンホール欠陥が多発したり、パターニン
グ時に膜剥がれが発生しやすくなる傾向がある。80重
量%超では、マグネトロンスパッタリング時にターゲッ
ト裏面の磁場がターゲット中にトラップされ、充分なス
パッタリング速度が得られにくくなり、生産性が低下し
やすい。遮光層を図2のように2層構造にする場合に
は、両方の層ともこの組成範囲とすることが好ましい。
【0021】本発明では、ニッケルと銅に加えて、鉄、
マンガン、アルミニウム、リン等の元素を10重量%以
下で添加してもよい。遮光層2としては、NiCu合金
膜以外に、NiCuの窒化物膜又はNiCuの炭化物膜
とすることによって、遮光層のエッチング速度や反射性
能等を制御しうる。これらNiCuの合金膜、NiCu
の窒化物膜、NiCuの炭化物膜を適宜積層して用いて
もよい。なお、2層構造にして反射を抑制する層を形成
する場合にも、同様に添加してもよい。
【0022】遮光層2の膜厚は50〜1000nm程度
で使用されるが、80〜300nm程度とされることが
好ましい。80nm未満では、高い遮光性能が得られに
くく、300nm超では、膜の内部応力が増加し、膜剥
がれが発生したり、必要以上に成膜時間とエッチング時
間がかかりやすくなる。
【0023】この遮光層2は図2に示すように2層構造
として、1層目に反射を抑制する第1層3を形成し、そ
の上に遮光度の高い第2層4を形成することが好まし
い。この反射を抑制する第1層は、具体的には前述した
ようにNiCuの酸化物膜又はNiCuの窒化物膜又は
NiCuの酸窒化物膜が好適に使用される。この第1層
は反射抑制性能やパターニング性能により、適宜選択で
き、場合によっては、設けなくともよい。
【0024】また、遮光度の高い第2層4の上にNiC
uの酸化物膜からなる第3層5を形成して2層又は3層
構成とすることが好ましい。この場合も、図1に示すよ
うに3層構造とすることが最も好ましいが、反射を抑制
する第1層を設けないことできる。この第3層は遮光層
の耐久性を向上させる。これにより、カラーフィルタ形
成工程中の洗浄やフォトリソグラフィ等の工程におい
て、遮光層の性能が低下したり、ピンホールが発生した
りする欠点が抑制される。
【0025】この遮光度の高い第2層4は、具体的には
前述したように遮光度の高いNiCu合金膜又はNiC
uの窒化物膜又はNiCuの炭化物膜が好適に使用され
る。第2層は、遮光度やパターニング性能により、適宜
選択して用いればよい。
【0026】第1層の膜厚は10〜100nm程度とす
ることが好ましく、10nm未満では、充分な反射抑制
性能が得られにくく、100nm超では、反射抑制性能
がほとんど増加せず成膜時間とエッチング時間がかか
る。したがって、このような範囲内で、要求される反射
抑制性能を満足する膜厚を選択すればよい。
【0027】第3層の膜厚は1〜50nm程度とするこ
とが好ましい。1nm未満では高い耐久性が得られにく
く、50nm超では遮光層のパターニング性が低下する
ので、好ましくない。したがって、このような範囲内
で、要求される耐久性を満足する膜厚を選択すればよ
い。
【0028】ニッケルと銅とを主成分とする膜は、含有
する酸素、窒素、炭素に対して、ニッケルや銅の金属成
分が多いほど遮光性が高くなり、反面、含有する酸素の
量が多いほど透明性が高くなる。また、窒素についても
酸素と同様にその含有量が増えるほど透明性が高くなる
が、酸素と比較するとその効果は小さく、透明度や屈折
率を精密に制御するのに適する。他方、炭素はその含有
量が高くなるほどエッチング速度が小さくなる特徴があ
る。これらの特性を利用して、所望の遮光度とパタ−ニ
ング性、さらには反射抑制性能や耐久性を満足するよう
に遮光層の材料の金属に対する酸素、窒素、炭素の添加
量をを選択すればよい。
【0029】本発明の遮光層の作製方法としては、異
物、ピンホール欠点が少なく、遮光性能も得やすいとい
う理由から、マグネトロンスパッタリング法で作製され
るのが好ましい。この際、酸化物膜、窒化物膜、酸窒化
物膜、炭化物膜を得る場合には、スパッタリングガス中
に、酸素、窒素、メタン、二酸化炭素ガス等を適量添加
して作製される。具体的には、遮光層が所望の性能を得
るように、酸素、窒素、メタン、二酸化炭素ガス等の流
量を変えて実験的に定めればよい。
【0030】遮光層のパターニング方法としては、遮光
層上にフォトリソグラフィ法により所望のレジストパタ
ーンを形成した後、酸化剤を含有した酸性水溶液を用い
て、エッチング、パターニングを行えばよい。エッチャ
ントとしては、硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素
酸からなる水溶液が挙げられるが、これに限定されな
い。この後、レジストを溶解剥離し遮光層を形成する。
【0031】本発明では、遮光層の材料に、広い組成領
域において全率固溶体を作るニッケルと銅との合金を用
いることによって、均一な組成の薄膜が得られやすい。
また、従来のクロム系遮光層のパターニングに用いられ
る硝酸第二セリウムアンモニウム系のエッチャントが使
用でき、クロム系膜と同等のパターニング性能が得られ
る。
【0032】また、耐熱性、耐アルカリ性についても、
クロム膜系と同等の耐久性が得られる。さらに、容易に
酸化、窒化、炭化の度合い等の制御が行えるので、クロ
ム系膜と同等の反射抑制性能が容易に得られる利点もあ
る。
【0033】図4は、本発明の遮光層付き基板を用いた
カラーフィルタ基板の断面図である。図1〜図3では、
遮光層を説明するために遮光層2の厚みを極端に厚くし
て説明したのに対し、図4では他の部材との関係を示す
ために、遮光層2の厚みを薄くして記載している。図4
において、1は基板、2は遮光層、6はその上に形成さ
れたカラーフィルタ層、7はその上の絶縁層、8はその
上の電極を示す。
【0034】カラーフィルタ層6は、公知のカラーフィ
ルタ製造方法で製造されればよく、顔料分散法、印刷
法、電着法、インクジェット法等の製造方法がある。こ
の図では、遮光層と一部が重なるように形成されている
が、ぴったり密接していてもよく、カラーフィルタ層同
士が密接していてもよい。通常はRGB3色のカラーフ
ィルタ層が配置されるが、これに限られない。
【0035】カラーフィルタ層上の絶縁層7は、通常は
カラーフィルタ層の凹凸をならす平坦化層の役目も果た
す。具体的には、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコ
ーン樹脂、ポリイミド、ポリアミド等の樹脂が使用され
る。さらにこの層の上に、電極との接合性を向上するた
め等の目的でSiO2 、TiO2 等の無機物の膜を形成
してもよい。
【0036】電極8はITO(In23 −SnO
2 )、SnO2 等の透明電極が使用できる。この電極は
各画素電極毎にTFTやMIM等の能動素子に接続され
ていてもよい。さらに、必要に応じて、この電極上に、
SiO2 、TiO2 等の無機物や、アクリル樹脂、エポ
キシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド、ポリアミド等
の樹脂のオーバーコート層を形成する。さらに液晶表示
素子として使用する場合には、必要に応じてラビング等
により配向処理を施す。
【0037】液晶表示素子の場合には、このようにして
形成したカラーフィルタ基板と、別途製造した電極付き
基板とを電極面が相対向するように配置して、その間に
液晶層を挟持する。この電極間に挟持される液晶層とし
ては、通常のツイステッドネマチック(TN)型液晶表
示素子やSTN型液晶表示素子等用にはネマチック液晶
が用いられる。この他、2色性色素を用いたゲストホス
ト液晶、コレステリック液晶、強誘電性液晶等の液体状
の液晶の他、固体状の高分子液晶や、樹脂マトリクス中
に液晶が分散している分散型液晶も使用できる。
【0038】上記の説明では、液晶表示素子に用いる例
を説明したが、本発明の遮光層付き基板は、他の遮光層
付きの素子、特に表示素子、たとえばPDP、ELD等
のフラットパネルディスプレイにも適用しうる。
【0039】
【実施例】
「例1〜例10」ガラス基板(旭硝子社製「ANガラ
ス」)上に表1に示す組成と膜構成の遮光層を形成し
た。第1層はガラス基板側の層で反射抑制のための層と
し、例1、例3及び例5では形成していない。第2層は
遮光目的の層であり、必ず形成した。
【0040】遮光層の成膜方法は、マグネトロンスパッ
タリング法により形成した。ターゲットには、夫々表1
に示すニッケルと銅を主成分とする合金ターゲットを用
いた。表1中の「Ni/Cu」の欄はターゲットの合金
組成を重量比で示し、「ガス1」、「ガス2」は夫々第
1層スパッタリング時及び第2層スパッタリング時のア
ルゴンガス/酸素との流量比を示し、「膜1」及び「膜
2」は夫々第1層及び第2層の膜厚(nm)を示す。
【0041】遮光目的の第2層の合金膜を成膜する場合
には、表1の「ガス2」の流量比の欄に示すようにアル
ゴンガスのみで3mTorrの雰囲気で成膜し、第1層
の酸化物膜を成膜する際には、表1の「ガス1」の流量
比の欄に示すようにアルゴンガスに酸素を添加し、全ス
パッタリングガス圧3mTorrで成膜した。それぞれ
の膜の膜厚は、スパッタリング電力及び成膜時間により
調整した。なお、例7のモネル組成とは、Ni66%、
Cu31%、Fe1.8%、Mn1.1%の合金を意味
する。
【0042】例8は、ニッケル100%の比較例であ
り、強磁性体であるためカソード磁場がトラップされ、
グロー放電が持続できず成膜を断念した。例9は、銅1
00%の比較例であり、成膜後に膜剥離が発生した。例
10は従来例であり、第1層として酸化クロムの反射抑
制層、第2層としてクロムの層を設けた例である。
【0043】このようにして製膜した遮光層付き基板の
光学特性、耐アルカリ性、耐湿性、耐熱性、パターニン
グ性を調べた。光学特性は、初期値であり、オプティカ
ルデンシティOD値(透過率の逆数の対数)、反射刺激
値Y値及び反射率(450〜650nmの波長域での最
も低い反射率(%))を測定した。その結果を表2に示
す。
【0044】耐アルカリ性評価は、70℃、5重量%N
aOH水溶液に30分浸漬後に、OD値の変化が0.1
以下でOKとして判断した。耐湿性評価は、60℃、9
0%RH、24時間放置後に、OD値の変化が0.1以
下でOKとして判断した。耐熱性評価は、250℃、3
0分大気中加熱後に、OD値の変化が0.1以下で、Y
値の変化が0.5以下のものをOKとして判断した。
【0045】パターニング性評価は、次のようにして行
った。遮光層付き基板にレジストを塗布し、フォトリソ
グラフィ法により格子幅20μm、スペース部130×
300μmの格子状のレジストパターンを形成した。次
いで硝酸第二セリウムアンモニウム165g、過塩素酸
45ml、水1000mlとからなるエッチャントを用
いて、パターニングした。このパターニングされた遮光
層のパターンエッジのサイドエッチング量1.5μm以
下、エッチング残渣がないものをOKとして判断した。
【0046】この結果、光学特性は表2に示すように、
従来から用いられている例10のクロムとほぼ同じ性能
が得られた。特に遮光度をログスケールで表したOD値
はいずれも高い値が得られた。耐アルカリ性、耐湿性、
耐熱性、パターニング性については、本発明の実施例の
例1〜例7と従来例の例10はOKであり、問題がなか
った。
【0047】表2に示すように、ニッケル含有量がニッ
ケルと銅の総重量の20〜80重量%の範囲の例1〜例
7では、従来のクロム系遮光層と同様の特性を示した。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】「例11」例4で形成した2層の遮光層付
き基板のNiCuの金属膜の上に、Ni/Cu=50/
50の合金ターゲットを用い、アルゴン/酸素=30/
70で全スパッタリングガス圧3mTorrでNiCu
の酸化物が10nm被覆されるように成膜した。
【0051】その結果、例4と例11とを比較すると、
1時間温水煮沸テストで例4にはピンホール欠点が発生
したが、例11ではピンホール欠点は発生しなかった。
他の特性については、従来のクロム系遮光層と同様の特
性を示した。
【0052】
【発明の効果】本発明の遮光層付き基板は、前述のフラ
ットパネルディスプレイ用の遮光層材料として、クロム
を一切使用しないですむ。すなわち、ニッケルと銅との
合金又はその化合物を用いることによって、従来のクロ
ム系遮光層のもつ光学特性、パターニング性、耐久性と
同等の性能を有し、しかも従来の成膜方法、パターニン
グ方法で使用できる遮光層付き基板を容易に得ることが
できる。本発明は、本発明の効果を損しない範囲内で、
種々の応用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の遮光層付き基板の好ましい例の断面
図。
【図2】本発明の遮光層付き基板の断面図。
【図3】本発明の遮光層付き基板の他の好ましい例の断
面図。
【図4】本発明のカラーフィルタ基板の断面図。
【符号の説明】
1:基板 2:遮光層 3:第1層 4:第2層 5:第3層 6:カラーフィルタ層 7:絶縁層 8:電極

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板表面に遮光層を設けた遮光層付き基板
    において、遮光層がニッケルと銅とを主成分とする材料
    からなることを特徴とする遮光層付き基板。
  2. 【請求項2】遮光層が2層構造を有し、基板側より第1
    層がニッケルと銅とを主成分とする合金の酸化物、ニッ
    ケルと銅とを主成分とする合金の窒化物、又はニッケル
    と銅とを主成分とする合金の酸窒化物からなり、かつそ
    の上に積層された第2層がニッケルと銅とを主成分とす
    る合金、ニッケルと銅とを主成分とする合金の窒化物、
    又はニッケルと銅とを主成分とする合金の炭化物からな
    る請求項1記載の遮光層付き基板。
  3. 【請求項3】遮光層が2層又は3層構造を有し、ニッケ
    ルと銅とを主成分とする合金、ニッケルと銅とを主成分
    とする合金の窒化物、又はニッケルと銅とを主成分とす
    る合金の炭化物からなる第2層と、その第2層の基板と
    は反対側の面上に形成されたニッケルと銅とを主成分と
    する合金の酸化物を主成分とする第3層とを少なくとも
    有する請求項1又は2記載の遮光層付き基板。
  4. 【請求項4】遮光層がニッケルと銅との合量に対してニ
    ッケルを20〜80重量%の範囲で含有する請求項1、
    2又は3記載の遮光層付き基板。
  5. 【請求項5】請求項1、2、3又は4記載の遮光層付き
    基板の遮光層をマグネトロンスパッタリングで形成する
    ことを特徴とする遮光層付き基板の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項1、2、3又は4記載の遮光層付き
    基板上にカラーフィルタ層を形成し、さらにその上に絶
    縁層を介して電極を形成してなることを特徴とするカラ
    ーフィルタ基板。
  7. 【請求項7】請求項6記載のカラーフィルタ基板と、他
    の電極付き基板との間に液晶層を挟持してなることを特
    徴とする液晶表示素子。
JP6494797A 1997-03-07 1997-03-18 遮光層付き基板及びその製造方法並びにカラーフィルタ基板及び液晶表示素子 Pending JPH10307204A (ja)

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