JP4773145B2 - 増反射膜付きAg又はAg合金反射電極膜及びその製造方法 - Google Patents

増反射膜付きAg又はAg合金反射電極膜及びその製造方法 Download PDF

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本発明は、Ag膜又はAgを主成分とする合金膜(以下、「Ag合金膜」と称す)上への成膜プロセスに関し、特に短波長領域(400〜480nm)の反射率を改善するための増反射膜付きAg又はAg合金反射電極膜及びその製造方法に関する。
近年、液晶表示素子(LCD)等の表示装置の反射膜や電極膜として、Al合金膜に代わりAg合金膜が検討されている。このAg合金膜とは、例えば、Agを主体として微量の他の金属(例えば、Cu、Au、Pd、Nd、Sm、Sn、In、Bi等)を一種類以上添加して合金化した組成を有するターゲットを用いて形成した膜のことであり、多数市販されている。
このようなAg合金膜は、高い反射特性と低抵抗な導電特性とを持つので、各種の表示素子、特にLCD用反射膜や配線膜に用いられている。近年、携帯電話その他のモバイル製品向けのLCDにおいては、より高精細と同時に、より省電力(充電毎にバッテリーがより長時間使えること)であることが求められている。高精細の要求に対しては、LCDを構成する電極パターンを10μm程度まで細くすることが考えられるが、このように細くすると、抵抗が増して応答速度は遅くなるという問題がある。そこで、より低抵抗特性を持つAgやAg合金からなる配線膜の開発が望まれている。また、省電力の要求に対しては、LCDを半透過型(反射透過型)にする方式を採用することが考えられるが、この場合、Al膜よりも高い反射率を持つAg膜やAg合金膜の開発が必要とされる。このようなAg、Ag合金膜が開発されれば、LCD用の反射膜としてだけではなく、電極も兼ねることができる膜(反射電極膜)として有用であるので、現状で電極として使用されているITO膜(In−SnO膜)+Cr膜(Crは補助電極膜)は不要となり、LCDの低コスト化が可能となる。
純Ag膜は、表示素子として使用する波長領域(400nm〜700nm)で全金属薄膜中最も反射率が高い(次に高いのはAl膜)。しかしながら、純Ag膜は熱に対して或いは室温での長期保管の際にも、結晶が生成することにより、表面粗さが増大し、又はヒロックが発生し、全波長領域に渡って反射率が大きく低下してしまう問題がある。そのため、実用的には、Cu、Au、Pd、Nd、Sm、Sn、In、Bi等の添加を行ったAg合金膜でしか安定に使用できない。
例えば、特許文献1には、接着層と銀系薄膜との2層構成の導電膜パターンを配設せしめた反射型表示装置用電極基板が提案されている。この場合、接着層として、スパッタリング法により得られた酸化インジウムや酸化亜鉛を基材とする混合酸化物を用いること、また、銀系薄膜として、銀に白金、パラジウム、金、銅、ニッケル等の少なくとも1つを添加してなる銀合金からなる薄膜(膜厚:50〜300nm)をスパッタリング法により得たものを用いることが開示されている。
特許文献2には、半透明反射膜を有する接着層と反射膜を有する情報層とが合わせて2層以上積層されてなる光学記録媒体が提案されている。この場合、半透明反射膜は、Pd、及びCu(又はTi)を含有するAgPdCu(又はAgPdTi)合金膜からなり、スパッタリング法により形成された膜厚10〜25nmの膜であること、また、反射膜は、高反射率を有するAl、Au、Ag或いはそれらの合金からなる膜であり、スパッタリング法により形成された膜であることが開示されている。
特許文献3には、Ndを含有するAg基合金で構成されている光情報記録媒体用反射層又は半透明反射層が提案されている。この場合、更にAu、Cu、Pd等を少なくとも1種添加したAg基合金も開示されている。
特許文献4には、Agを主成分とし、これにCu及びAuから選ばれる1種又は2種、Sc、Y、Sm等から選ばれる1種以上を添加した電子部品用Ag合金膜が提案されている。
Ag合金膜の耐熱性に最も効果のある添加元素はCuであるが、Cu添加Ag合金は熱に対する表面の形状変化を防止するものの、添加されるCuの酸化による発色により、Ag合金膜の短波長領域の反射率が大きく低下してしまう問題がある。Ag自身は、酸化状態である酸化銀が、熱に対して不安定であり、熱酸化による反射率低下は起こらない。また、Cu、或いは、他に効果のある上記したAuやPd等を添加した場合は、これら添加元素自身が短波長領域の反射率に吸収を持つため、その添加量が多くなると、Ag合金膜の短波長領域の反射率が大きく低下してしまう。さらに、Ag合金膜は、硫黄Sや塩素Clにより腐食しやすく、加工プロセス中で用いるS及び/又はClを含む薬液やレジスト成分によって腐食が発生し、反射率が悪くなってしまう。このようにAg合金膜の反射率が高くとも、Ag合金膜上に形成される膜の種類や、素子の加工プロセスによっては、Al膜又はAl合金膜よりも反射率が悪くなってしまう。
この対策として、従来、耐酸化性や耐食性に効果のあるキャップ膜(保護膜)の使用が検討されている。このキャップ膜がSiO膜である場合は、SiO膜は透明性が高い(特に短波長領域で高い)ので、Ag合金膜の反射率に影響を与えず、加工プロセスにおける短波長領域の反射率の低下を防げるが、SiO膜は導電性を持たないので、キャップ膜付きAg合金膜は電極膜としての使用はできない。これに対して、キャップ膜をITO膜とした場合は、ITO膜は導電性を持っているので電極膜としての使用はできるが、ITO膜は広い波長領域で透明性をもつものの、短波長領域に吸収を持つため、結果として、Ag合金膜の短波長領域の反射率が大きく低下してしまう。
さらに、この対策として、増反射膜による反射率の向上も試みられている。増反射膜としては、反射膜上の透明膜を二層とした最も簡単な構造体の場合、屈折率の異なる二層の膜を用いることが試みられている(反射膜を含めると三層膜となる)。このような増反射膜は、各種反射膜上の第一の透明膜として屈折率の低い薄膜であるSiO膜(n=1.5以下)又はフッ化マグネシウム膜(n=1.38)を用い、第一の透明膜上の第二の透明膜として屈折率の高い硫化亜鉛(n=2.35)を用いた構造体が一般的に知られている。
また、特許文献5には、Ag膜又はAg合金膜上に設ける増反射膜として、短波長域の反射率を増加させるように、屈折率が比較的小さい第一の透光性膜の上に、第一の透光性膜より屈折率が比較的大きい第二の透光性膜を積層してなる増反射膜が提案されている。この特許文献には、それぞれの透光性膜の膜厚として、屈折率nと膜厚dとの積で表される光学的膜厚がnd=λ/4(λ:波長 可視光領域で使用するので0.5μmで実施)となるように、例えば、屈折率の低い第一の透明膜としてのSiO膜(n=1.5以下/85nm)と、第一の透明膜上の屈折率の高い第二の透明膜としてのSiN膜(n=1.8〜2.1/65nm)とを、Ag1.0Pd(at%)膜(300nm)上に形成するとすることにより、短波長領域で増反射効果が得られることが開示されている。
特許文献6には、銀主成分の金属反射膜、金属反射膜の保護膜、増反射膜及びITO透明導電膜がこの順に基板上に被覆された液晶表示素子用基板が提案されている。この場合、銀主成分の金属反射膜上に、第一の透明膜(増反射膜)として屈折率の低い薄膜であるSiO膜(n≦1.5、膜厚:30〜90nm)を設け、この第一の透明膜上に第二の透明膜として屈折率の高い薄膜であるTiO膜(n≧1.7)や酸化錫膜(n≧1.7)やIn膜等(膜厚:40〜200nm)を設けることにより、短波長領域で増反射効果が得られたこと、また、SiO増反射膜と銀主成分の金属反射膜との間に保護膜として光学的に影響を与えない膜厚のITO膜を形成することにより、銀主成分の金属反射膜とSiO増反射膜との間の密着性の問題を解決できることが開示されている。
特許文献7には、基板上に、第1層のAl膜、第2層のAg膜、第3層のAl膜及び第4層のTiO膜からなる多層膜を備えた高反射ミラーが提案されている。この場合、Ag膜(150nm)上に、第一の透明膜として屈折率の低い薄膜であるAl(550nmにおけるn=1.63、膜厚=λ/4)を形成し、次いでこの第一の透明膜上に、第二の透明膜として屈折率の高い薄膜であるTiO膜(550nmにおけるn=2.3〜2.55、膜厚=λ/4)を形成することにより、短波長領域で増反射効果が得られることが開示されている。また、屈折率の低い薄膜としてSiO(Ag膜との密着性が悪い)の代わりにAl膜を用いることにより、Ag膜と増反射膜との密着性の問題を解決できること、増反射膜が保護膜となるので耐環境性(耐腐食性)が強化されること、さらには、ガラス基板とAg膜との間に密着層としてAl膜を形成することにより、Ag膜とガラス基板との密着性が悪い問題を解決できたことが開示されている。
特許文献8には、Ag膜(又はAg合金膜)や、Al膜(又はAl合金膜)上に、第一の透明膜として屈折率の低い薄膜であるSiO膜(400nmにおけるn=1.48、膜厚68nm)、及びこの第一の透明膜上に第二の透明膜として屈折率の高い薄膜である酸化ニオブ等の膜(400nmにおけるn=2.35、膜厚38nm)を積層してなる増反射積層体が提案されている。酸化ニオブ膜の他に、屈折率の高い薄膜として、酸化ジルコニウム膜(400nmにおけるn=2.17、膜厚45nm)、酸化タンタル膜(400nmにおけるn=2.1、膜厚46nm)、酸化ハフニウム膜(400nmにおけるn=2.07、膜厚47nm)が開示されている。この特許文献8には、上記のように積層することにより、短波長領域で増反射効果が得られたことが開示されている。
上記特許文献に記載されたように、これまで種々の透明屈折率材料が提案されている。しかし、屈折率の高い薄膜については、ITO膜、In膜、SnO膜、ZnO膜等のように、導電性のある透明膜の使用は提案されているものの、もう一方の屈折率の低い薄膜については、SiO膜やAl膜などの絶縁性膜しか提案されておらず、その結果として、増反射膜付きAg膜、Ag合金膜は導電性をもたず、電極膜としての使用はできなかった。
特開平11−119664号公報(特許請求の範囲) 特開2000−285517号公報(特許請求の範囲) 特許3365762号公報(特許請求の範囲) 特開2003−113433号公報(特許請求の範囲) 特開平11−2707号公報(特許請求の範囲) 特開2000−180848号公報(特許請求の範囲) 特開2003−4919号公報(特許請求の範囲) 特開2003−195022号公報(特許請求の範囲)
本発明の課題は、上記従来技術の問題点を解決することにあり、短波長領域での反射率が高く、後工程での加工プロセス中でもこの反射率を維持でき、且つ、導電性を持った増反射膜付きAg又はAg合金反射電極膜、及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明者らは、増反射膜による反射率の向上を試み、Ag又はAg合金膜上に、化学的成膜プロセスによって得られた屈折率の低いITO膜及びスパッタリング法により得られた屈折率の高いITO膜を順次設けてなる増反射膜付きAg又はAg合金膜を得、得られた膜が反射電極膜として有用であることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の増反射膜付きAg又はAg合金反射電極膜は、Ag膜又はAg合金膜上に導電性を有する増反射膜が積層されたAg又はAg合金反射電極膜であって、前記増反射膜が、1.7以下の屈折率を有するITO膜からなる第一の透明膜とこの第一の透明膜の屈折率より0.2以上大きい屈折率を有するIn系酸化物膜、ZnO系酸化物膜、及びSnO系酸化物膜のいずれかの膜からなる第二の透明膜とを、この第一の透明膜及び第二の透明膜の順序で2n層(nは1以上の整数である)積層した膜であることを特徴とする。
記第二の透明膜は、スパッタリング法、イオンプレーティング法又は真空蒸着法で得られることを特徴とする。第一の透明膜の屈折率と第二の透明膜の屈折率との差が好ましくは0.2以上ないと十分な増反射効果が得られない。また、第二の透明膜の屈折率は、成膜プロセスによって異なり、スパッタリング法>イオンプレーティング法>真空蒸着法の順に大きい。
前記In系酸化物膜は、In膜、ITO膜(In−SnO)、及びIZO膜(In−ZnO)のいずれかの膜であり、ZnO系酸化物膜は、ZnO膜、AZO膜(ZnO−Al膜)及びGZO膜(ZnO−Ga膜)のいずれかの膜であり、また、SnO系酸化物膜は、SnO膜、及びATO膜(SnO−Sb膜)のいずれかの膜であることを特徴とする。
前記第一の透明膜は、有機インジウム化合物及び有機スズ化合物からなる塗布溶液を基材に塗布して得られる塗膜の大気中熱処理、及び真空中加熱処理により得られるITO膜であることを特徴とする。
前記第一の透明膜は、有機インジウム化合物及び有機スズ化合物からなる塗布溶液を、例えば、ディップ法あるいはスピンコート法により塗布して得られる塗膜の熱処理、及び真空加熱処理により得られる(すなわち、化学的成膜プロセスで得られる)ITO膜であることが好ましい。
前記屈折率の低い第一の透明膜の層、及び前記屈折率の高い第二の透明膜の層の厚みを、それぞれ10nm〜200nmとすることが望ましい。膜厚が10nm未満であると十分な増反射効果が得られない。二層それぞれの膜厚をこれらの範囲内にすることにより増反射効果が得られる。
本発明の増反射膜付きAg又はAg合金反射電極膜製造方法は、基板上に設けたAg膜又はAg合金膜上に、有機インジウム化合物及び有機スズ化合物からなる塗布溶液を塗布1し、得られる塗膜付き基板を大気中で熱処理し、次いで真空中で加熱処理して屈折率の低い第一の透明膜としてのITO膜を形成し、このITO膜上に、スパッタリング法、イオンプレーティング法又は真空蒸着法で、屈折率の高い第二の透明膜としてのIn系酸化物膜、ZnO系酸化物膜、及びSnO系酸化物膜のいずれかの膜を形成して、増反射電極膜を作製すること、そしてこの第一の透明膜及び第二の透明膜をこの順序で2n層(nは1以上の整数である)積層することを特徴とする。
前記第一及び第二の透明膜の屈折率、前記In系酸化物膜、ZnO系酸化物膜、SnO系酸化物膜、前記塗布溶液の塗布法、前記第一及び第二の透明膜の層の厚みについては、前記した通りである。
本発明の増反射膜付きAg又はAg合金反射電極膜の製造方法はまた、基板上に設けたAg膜又はAg合金膜上にスパッタリング法で10nm以下のITO膜を保護膜として設けた後、その保護膜の上に、塩化インジウム及び塩化スズからなる塗布溶液を塗布し、得られる塗膜付き基板を大気中で熱処理し、次いで真空中で加熱処理して屈折率の低い第一の透明膜としてのITO膜を形成し、このITO膜上に、スパッタリング法、イオンプレーティング法又は真空蒸着法で、屈折率の高い第二の透明膜としてのIn系酸化物膜、ZnO系酸化物膜、及びSnO系酸化物膜のいずれかの膜を形成して、増反射電極膜を作製すること、そしてこの第一の透明膜及び第二の透明膜をこの順序で2n層(nは1以上の整数である)積層することを特徴とする。保護膜の膜厚が10nmを超えると増反射膜に影響を与えるため好ましくない。
この製造方法の場合も、前記第一及び第二の透明膜の屈折率、前記In系酸化物膜、ZnO系酸化物膜、SnO系酸化物膜、前記塗布溶液の塗布法、前記第一及び第二の透明膜の層の厚みについては、前記した通りである。
本発明のパターン化された反射電極膜の製造方法は、前記製造方法により、屈折率の低いITO膜からなる第一の透明膜と屈折率の高いITO膜からなる第二の透明膜とが形成された増反射膜付きAg又はAg合金反射電極膜を製造した後、エッチャントとしてシュウ酸を用いて、前記第一の透明膜及び第二の透明膜を一括エッチングし、次いでAg用エッチャントを用いてAg又はAg合金膜をエッチングするか、又はエッチャントとしてシュウ酸を添加したAg用エッチャントを用いて、前記第一の透明膜、第二の透明膜、及びAg又はAg合金膜を一括エッチングして、パターン化された反射電極膜を製造することを特徴とする。この屈折率の高いITO膜は、アモルファスITO膜であることが望ましい。
本発明によれば、屈折率の低いITO膜と屈折率の高いITO膜等とを積層して増反射膜付きAg又はAg合金反射電極膜とすることにより、短波長領域の反射率が高く、後工程での加工プロセス中でも反射率を維持でき、且つ、導電性を持つという効果を奏すると共に、LCDの低コスト化も達成でき、また、この反射電極膜を簡単なプロセスで製造できるという効果を奏する。
本発明によれば、増反射膜は、化学的成膜プロセスに従って、すなわち有機インジウム化合物及び有機スズ化合物からなる塗布溶液を、ディップ法やスピンコート法等の塗布法により、基板上に設けたAg又はAg合金膜上に塗布し、乾燥して得られた塗膜を大気中で熱処理(温度300〜400℃、時間30〜60分)し、次いで真空中で加熱処理(温度400〜500℃、圧力1.33×10−4Pa以下、時間60〜120分)することにより得られる屈折率の低い(n≦1.7)第一の透明膜としてのITO膜と、このITO膜の上に設けた、スパッタリング法、イオンプレーティング法又は真空蒸着法で得られる屈折率の高い(n>1.7)第二の透明膜としてのIn−SnO膜(ITO膜)、In−ZnO膜(IZO膜)、ZnO−Al膜(AZO膜)、ZnO−Ga膜(GZO膜)、SnO−Sb膜(ATO膜)、In膜、ZnO膜、SnO膜のいずれかの膜とからなる積層膜である。この積層膜は、第一の透明膜及び第二の透明膜の順序で2n層(nは1以上の整数)積層した2層以上の積層膜である。
化学的成膜プロセスで得られるITO膜は、スパッタリング法で得られるITO膜よりも抵抗は劣るものの、導電性は有しており、且つ、スパッタリング法で得られるITO膜の屈折率が高いのに対して、屈折率が低いといった違いがある。屈折率が高い透明導電膜材料は多く知られているが、屈折率が低い透明導電膜材料は少ない。化学的成膜プロセスで得られるITO膜の屈折率は、処理条件によっても異なるが、通常、1.4〜1.7の値を示す(SiO膜の屈折率は、1.5以下である。)。特に、塗布後の熱処理を大気中焼成+真空中焼成とし場合、最も小さい屈折率を示し、且つ、より低抵抗となる。これに対してスパッタリング法で得られるITO膜の屈折率は、1.8〜2.0の値を示す。本発明は、この屈折率が低い透明導電膜であるITO膜を光学材料として利用するものである。
化学的成膜プロセスで得られたITO膜の屈折率が低いのは、以下の理由であろうと推測される。
有機インジウム及び有機スズ化合物からなる塗布溶液から塗膜を形成した後、有機インジウム化合物及び有機スズ化合物膜は、大気中焼成により分解・酸化し、In及びSnOとなるが、全ての有機インジウム化合物及び有機スズ化合物が完全にIn及びSnOとなるわけではない。そのため、スパッタリング法で得られるITO膜よりも抵抗は劣ることになるが、さらに真空中焼成を実施すると、未反応有機インジウム化合物及び有機スズ化合物、あるいは反応により生成するガス成分が、薄膜中から脱離し、微少な空孔ができ、薄膜はポーラス化する。この空孔がITO膜の屈折率を下げる効果を有するものと考えられる。すなわち、空孔部には空気が存在し、この空気の屈折率は1.00と低いため、膜の屈折率を下げるものと考えられるからである。
ITO膜は短波長領域に吸収を持つため厚みを大きくしていくと、Ag合金膜の短波長領域の反射率が大きく低下してしまうのに対して、化学的成膜プロセスで得られた(屈折率の低い)ITO膜とスパッタリング法で得られる(屈折率の高い)ITO膜とを組み合わせて積層させた増反射膜付きAg合金膜(合計三層膜)は、Ag合金膜上に単にITO膜を積層させたもの(合計二層膜)よりも、所定の範囲の膜厚の組み合わせにおいては透明膜部分の厚みが大きいにもかかわらず短波長領域の反射率が高くなり、所望の増反射効果が得られる。
化学的成膜プロセスで得られるITO膜は、市販の有機インジウム・有機スズ化合物からなる塗布溶液(例えば、旭電化工業株式会社 アデカ−ITO−L)から作製できる。有機インジウム・有機スズ化合物の代わりに塩化インジウム・塩化スズ化合物からなる塗布溶液を用いても化学的成膜プロセスでITO膜を作製することは可能である。しかし、Ag合金膜は、塩素Clにより腐食しやすいため、この場合は、Ag合金膜上にあらかじめ、増反射効果に影響を与えない薄い膜厚(10nm以下)を有するスパッタリング法で得られるITO膜等を保護膜として形成し、その上に塩化インジウム・塩化スズ化合物から作製した(屈折率の低い)ITO膜を形成し、さらにその上層にスパッタリング法で作製した(屈折率の高い)ITO膜等を積層して(透明膜としては合計三層、銀合金膜を含めると合計四層となる)増反射膜としてもよい。
本発明で用いることができる有機インジウム化合物及び有機スズ化合物は、化学的成膜プロセスでITO膜を形成できる化合物であれば、特に制限はない。有機インジウム化合物としては、例えば、Inのアルコキシドや有機酸塩やアセチルアセトナート等を挙げることができ、有機スズ化合物としては、例えば、Snのアルコキシドや有機酸塩やアセチルアセトナート等を挙げることができる。また、これらの化合物の塗布溶液を調製する際に用いる溶媒は、化学成膜プロセスでITO膜を形成する際に通常用いられる塗布溶液用の有機溶媒であれば、特に制限はない。
前記のようにして得られた増反射膜付きAg又はAg合金膜をエッチング加工してパターン化反射電極膜を製造する際には、例えば、化学的成膜プロセスで得られる屈折率の低いITO膜がシュウ酸に可溶であること、また、スパッタリング法で得られる屈折率の高いITO膜を室温で得られるアモルファスITO膜とした場合には、この薄膜もシュウ酸に可溶であることから、シュウ酸でこのITO膜二層を一括でエッチングし、次いで市販のAgエッチャント(リン酸+硝酸+酢酸)でAg合金膜をエッチングすることができる。この場合、リン酸+硝酸+酢酸からなるAgエッチャントにシュウ酸を加え、1液のエッチング液とし、ITO膜二層とAg合金膜(合計三層)とを一括でエッチングすることができる。アモルファスITO膜はパターン形成後、大気焼成(200℃以上)すれば屈折率が高いITO膜(結晶性の高いITO膜)となる。
増反射膜の膜厚等の積層条件は、光学計算によりシュミレーション可能である。実際に作製した増反射膜付きAg合金膜の反射率と光学計算によるシュミレーション結果との比較を行ったところ、両者の間には近い結果が得られた。そのため、本発明で実施した膜厚以外でも、光学計算により求められた膜厚で増反射効果を得ることも可能である。
屈折率が高い透明導電膜をZnO系透明導電膜、及びSnO系透明導電膜とした場合も同様に増反射効果が得られる。屈折率の高い第二の透明膜である、スパッタリング法で得られるITO膜の代わりに、スパッタリング法で得られるIZO膜、AZO膜、GZO膜、ATO膜等のIn系透明導電膜、ZnO系透明導電膜、SnO系透明導電膜を用いても、上記と同様な増反射効果が得られる。特にZnO系透明導電膜は、エッチング性がよいので、ITO膜よりもエッチング加工が容易である。また、これらの屈折率が高い透明導電膜はスパッタリング法の他にイオンプレーティング法又は真空蒸着法等で作製した膜を用いても良い。
また、Ag合金膜の代わりにAl膜又はAl合金膜を反射膜とし、その上部に本発明の二種類のITO膜からなる増反射膜を形成してもよいが、ITO膜とAl膜又はAl合金膜とは、それらの界面領域で絶縁性のAl層を形成し、コンタクト抵抗が取れない問題がある。本発明の屈折率の低い第一の透明膜は、化学的成膜プロセスで得られるITO膜であるため、Al膜又はAl合金膜上に本発明の増反射膜を形成しても、十分な導電性が得られず電極としては利用できない。この場合は反射膜のみの使用となる。
本実施例では、増反射膜構造に用いられる屈折率の異なる二種類のITO膜の作製を行い、その屈折率、及び抵抗値を測定した。
屈折率の低い第一の透明膜を作製するために、まず、有機インジウム・有機スズ化合物からなる塗布溶液(旭電化工業株式会社製、商品名:アデカ−ITO−L)を洗浄したガラス基板(コーニング1737)上にスピンコート法で塗布し(塗布条件:1000rpm)、塗膜を形成した。次に、得られた塗膜を大気焼成炉中でプリベーク(110℃、30分)した後、再度、大気焼成炉中で焼成を行い(300℃ 30分)、最後に真空焼成を行った(400℃、1.33×10−4Pa、1時間)。得られたITO膜の膜厚、反射率、透過率を測定した。これらの値から光学計算により屈折率を求めた結果、550nmにおいてn=1.58、400nmにおいてn=1.69であり、膜厚は180nmであり、シート抵抗値は4.7E4Ω/□であった。
また、屈折率の高い第二の透明膜として、洗浄したガラス基板(コーニング1737)上にスパッタリング法でITO膜を形成した(成膜条件:室温成膜、スパッタガスはArガス)。次に、得られたITO膜を大気焼成炉で焼成を行った(300℃ 30分)。得られたITO膜の膜厚、反射率、透過率を測定した。これらの値から光学計算により屈折率を求めた結果、550nmにおいてn=1.86、400nmにおいてn=2.15であり、膜厚は100nmであり、シート抵抗値は25Ω/□であった。
本実施例では、Ag合金膜上に実施例1における屈折率の異なる二種類のITO膜を形成して、増反射膜を作製した。
洗浄したガラス基板(コーニング1737)上にスパッタリング法でAg1.0Cu(at%)膜150nmを形成した。このAg合金膜付きガラス基板上に、有機インジウム・有機スズ化合物からなる塗布溶液(実施例1と同じ溶液を使用)を膜厚の調整を行うためにキシレンで5倍に希釈し、実施例1と同様な条件で塗布、大気焼成、及び真空焼成を行った。得られたITO膜の膜厚は33nmであった。この場合、短波長側の増反射効果を確認するために、膜厚をλ/4n(λ:波長、短波長領域の0.4μm以下で実施、n:屈折率)=50nm以下で検討した。
かくして得られたITO膜上にさらにスパッタリング法によりITO膜を実施例1と同様な条件で形成した。この場合、膜厚を40、60、70、100nmの四種となるようにした。得られた増反射膜付きAg1.0Cu膜の分光反射率(波長400〜700nm)の測定を行った。得られた結果を、横軸波長(nm)、縦軸反射率(%)として、図2に、曲線(1)、(2)、(3)及び(4)で示した。曲線(1)は低屈折率ITO膜(膜厚33nm)+高屈折率ITO膜(膜厚40nm)、曲線(2)は低屈折率ITO膜(膜厚33nm)+高屈折率ITO膜(膜厚60nm)、曲線(3)は低屈折率ITO膜(膜厚33nm)+高屈折率ITO膜(膜厚70nm)、曲線(4)は低屈折率ITO膜(膜厚33nm)+高屈折率ITO膜(膜厚100nm)の場合を示す。この反射率測定のリファレンスはAlである。
実施例1で得られた二種類のITO膜の屈折率の値を用いて、実施例2で作製したそれぞれのITO膜の膜厚条件で増反射膜を作製した場合の分光反射率を光学計算でシュミレーションを行った。その結果を図3の曲線(5)及び(6)で示した。横軸は波長(nm)であり、縦軸は反射率(%)である。曲線(5)は低屈折率ITO膜(膜厚33nm)+高屈折率ITO膜(膜厚60nm)、曲線(6)は低屈折率ITO膜(膜厚33nm)+高屈折率ITO膜(膜厚100nm)の場合を示す。この場合のリファレンスはAlである。
(比較例1)
実施例2、実施例3の反射率の比較を行うため、実施例1と同様にして屈折率の異なる二種類のITO膜(屈折率は実施例1と同じである)を単独で積層したAg1.0Cu(at%)膜、Ag1.0Cu(at%)膜のみ、このAgCu膜のみについて大気焼成(250℃、90分)を実施した後のAgCu膜、及びAlNd膜について、分光反射率の測定を行った。その結果を図4及び5の曲線(7)〜(11)で示した。横軸は波長(nm)であり、縦軸は反射率(%)である。曲線(7)は低屈折率ITO膜(膜厚33nm)、曲線(8)は高屈折率ITO膜(膜厚40nm)、曲線(9)はAgCu膜のみ、曲線(10)はAgCu膜のみを大気中加熱処理した後の膜、曲線(11)はAlNd膜のみの場合を示す。
上記実施例及び比較例から明らかなように、AgCu合金膜のみの場合(図5における曲線(9))に対して、屈折率の低い第一の透明膜、及び屈折率の高い第二の透明膜をそれぞれ単独で積層したAgCu合金膜(図4における曲線(7)、(8))の短波長側(400〜480nm)の反射率は大きく低下している。屈折率の異なる二層のITO膜からなる増反射膜付きのAgCu合金膜(図2における曲線(1)、(2))は、膜厚にもよるが、一層のITO膜を積層したAgCu合金膜(図4における曲線(7)、(8))に比較して短波長側の反射率は大きくなっており、増反射効果が得られていることが分かった。しかしながら、長波長側の反射率は低下しており、短波長側の反射率に増反射効果を与えると長波長側の反射率が犠牲となることが分かった。また、光学計算でシュミレーションを行って得られた図3における曲線(5)及び(6)は、実際に作製した増反射膜付きAg合金膜についての図2における曲線(1)、(2)、(3)、及び(4)の反射率と類似している。さらに、図5における曲線(9)のAg合金膜を実際の素子加工プロセスに近い大気焼成処理して得られた図5における曲線(10)の短波長側の反射率は大きく低下しており、これに対しても、増反射膜付きAgCu合金膜(図2における曲線(1)、(2)、及び(3))は短波長側の反射率は大きくなっており、AgCu合金膜を単独で使用するよりも効果があることが分かる。また、曲線(11)のAlNd膜と比較して、本実施例の増反射膜付きAg合金膜は、全波長では反射率が上回っていないが、曲線(3)、(4)については、480〜700nmの範囲内ではAlNd膜よりも反射率が高い。
本発明によれば、短波長領域の反射率が高く、後工程での加工プロセス中でも反射率を維持でき、且つ、導電性を持つと共に、LCDの低コスト化に有用であるAg合金反射電極膜及びその製造方法を提供できるので、本発明はLCD等の表示装置の分野で適用可能である。
実施例2における増反射膜付きAg合金膜についての、400〜700nmの波長に対する分光反射率(%)を示すグラフ。 実施例3におけるシュミレーション結果に基づいた増反射膜付きAg合金膜についての、400〜700nmの波長に対する分光反射率(%)を示すグラフ。 比較例1におけるITO膜付きAg合金膜についての、400〜700nmの波長に対する分光反射率(%)を示すグラフ。 比較例1におけるAg合金膜、AlNd膜についての、400〜700nmの波長に対する分光反射率(%)を示すグラフ。

Claims (12)

  1. Ag膜又はAg合金膜上に導電性を有する増反射膜が積層されたAg又はAg合金反射電極膜であって、
    前記増反射膜が、1.7以下の屈折率を有するITO膜からなる第一の透明膜とこの第一の透明膜の屈折率より0.2以上大きい屈折率を有するIn系酸化物膜、ZnO系酸化物膜、及びSnO系酸化物膜のいずれかの膜からなる第二の透明膜とを、この第一の透明膜及び第二の透明膜の順序で2n層(nは1以上の整数である)積層した膜であることを特徴とする増反射膜付きAg又はAg合金反射電極膜。
  2. 前記第一の透明膜が、有機インジウム化合物及び有機スズ化合物からなる塗布溶液を塗布して得られる塗膜の大気中熱処理、及び真空中加熱処理により得られるITO膜であることを特徴とする請求項1記載の増反射膜付きAg又はAg合金反射電極膜。
  3. 記第二の透明膜が、スパッタリング法、イオンプレーティング法又は真空蒸着法で得られることを特徴とする請求項1又は2記載の増反射膜付きAg又はAg合金反射電極膜。
  4. 前記In系酸化物膜が、In膜、ITO膜、及びIZO膜のいずれかの膜であり、ZnO系酸化物膜が、ZnO膜、AZO膜及びGZO膜のいずれかの膜であり、また、SnO系酸化物膜が、SnO膜、及びATO膜のいずれかの膜であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載の増反射膜付きAg又はAg合金反射電極膜。
  5. 基板上に設けたAg膜又はAg合金膜上に、有機インジウム化合物及び有機スズ化合物からなる塗布溶液を塗布し、得られる塗膜付き基板を大気中で熱処理し、次いで真空中で加熱処理して屈折率の低い第一の透明膜としてのITO膜を形成し、このITO膜上に、スパッタリング法、イオンプレーティング法又は真空蒸着法で、屈折率の高い第二の透明膜としてのIn系酸化物膜、ZnO系酸化物膜、及びSnO系酸化物膜のいずれかの膜を形成して、増反射電極膜を作製すること、そしてこの第一の透明膜及び第二の透明膜をこの順序で2n層(nは1以上の整数である)積層することを特徴とする増反射膜付きAg又はAg合金反射電極膜の製造方法。
  6. 前記第一の透明膜の屈折率が1.7以下であり、前記第二の透明膜の屈折率が1.7を超えることを特徴とする請求項5記載の増反射膜付きAg又はAg合金反射電極膜の製造方法。
  7. 前記In系酸化物膜が、In膜、ITO膜、及びIZO膜のいずれかの膜であり、ZnO系酸化物膜が、ZnO膜、AZO膜及びGZO膜のいずれかの膜であり、また、SnO系酸化物膜が、SnO膜、及びATO膜のいずれかの膜であることを特徴とする請求項5又は6記載の増反射膜付きAg又はAg合金反射電極膜の製造方法。
  8. 基板上に設けたAg膜又はAg合金膜上にスパッタリング法で10nm以下のITO膜を保護膜として設けた後、その保護膜の上に、塩化インジウム及び塩化スズからなる塗布溶液を塗布し、得られる塗膜付き基板を大気中で熱処理し、次いで真空中で加熱処理して屈折率の低い第一の透明膜としてのITO膜を形成し、このITO膜上に、スパッタリング法、イオンプレーティング法又は真空蒸着法で、屈折率の高い第二の透明膜としてのIn系酸化物膜、ZnO系酸化物膜、及びSnO系酸化物膜のいずれかの膜を形成して、増反射電極膜を作製すること、そしてこの第一の透明膜及び第二の透明膜をこの順序で2n層(nは1以上の整数である)積層することを特徴とする増反射膜付きAg又はAg合金反射電極膜の製造方法。
  9. 前記第一の透明膜の屈折率が1.7以下であり、前記第二の透明膜の屈折率が1.7を超えることを特徴とする請求項8記載の増反射膜付きAg又はAg合金反射電極膜の製造方法。
  10. 前記In系酸化物膜が、In膜、ITO膜、及びIZO膜のいずれかの膜であり、ZnO系酸化物膜が、ZnO膜、AZO膜及びGZO膜のいずれかの膜であり、また、SnO系酸化物膜が、SnO膜、及びATO膜のいずれかの膜であることを特徴とする請求項8又は9記載の増反射膜付きAg又はAg合金反射電極膜の製造方法。
  11. 請求項5〜10のいずれかに記載の方法により、屈折率の低いITO膜からなる第一の透明膜と屈折率の高いITO膜からなる第二の透明膜とが形成された増反射膜付きAg又はAg合金反射電極膜を製造した後、エッチャントとしてシュウ酸を用いて、前記第一の透明膜及び第二の透明膜を一括エッチングし、次いでAg用エッチャントを用いてAg又はAg合金膜をエッチングするか、又はエッチャントとしてシュウ酸を添加したAg用エッチャントを用いて、前記第一の透明膜、第二の透明膜、及びAg又はAg合金膜を一括エッチングして、パターン化された反射電極膜を製造することを特徴とするパターン化された反射電極膜の製造方法。
  12. 前記屈折率の高いITO膜が、アモルファスITO膜であることを特徴とする請求項11記載のパターン化された反射電極膜の製造方法。
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