JP2004240091A - 半透過半反射型電極基板の製造方法 - Google Patents

半透過半反射型電極基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】選択的にエッチングできるエッチング液を用いて、半透過半反射型電極基板の製造工程を簡略化し、煩雑な繰り返し作業を回避することによって時間的なロスを発生しない工程とし、半透過半反射型電極基板を効率的に提供することである。
【解決手段】少なくとも酸化インジウムからなる金属酸化物層12と、少なくともAlまたはAgからなる無機化合物層14と、をこの順で積層した半透過半反射型電極基板を製造する方法であって、前記無機化合物層14を燐酸、硝酸、酢酸からなるエッチング液λでエッチングする工程と、前記金属酸化物層12を蓚酸を含むエッチング液σでエッチングする工程によって半透過半反射型電極基板を製造する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
半透過反射型液晶電極基板を製造する方法に関するものである。また、半透過半反射型電極基板の製造に用いるエッチング液に関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来から、半透過半反射型液晶が、以下に示す理由等から鋭意研究開発されている。(1)半透過半反射であるため、屋外、屋内を問わず明るい表示が得られる。
【0003】
(2)明るい場所で使用する場合、反射型として使用できるので消費電力をセーブできる。
(3)低消費電力に優れているため、携帯用ディスプレイに好適である。
(4)フルカラー化も容易である。
【0004】
しかし、半透過半反射型液晶では、液晶駆動用の電極部に反射電極と透過電極を同一画素内に設置する必要があり、製造工程が複雑で歩留まりの低下や高価格化や、透過モードと反射モードでの見え方が異なるために見えにくい等の問題があった。そこで、下記特許文献1および特許文献2等には、銀反射膜120を形成後、保護膜130でこの銀反射膜120を覆い、その上に液晶駆動用の透過電極を設けた構造になっており、銀反射層と液晶駆動用の透過電極が互い違いに配置されている半透過半反射液晶表示装置が開示されている。なお、この特許文献1および特許文献2の半透過半反射液晶表示装置の全体構成を示す断面図が図5に示されている。この液晶表示装置は、第1の基板100と第2の基板110とが対抗して配置され、第1の基板100と第2の基板110との間隙に液晶が封入されている。さらに、第1の基板100上に銀反射膜120と、銀反射膜120上に形成された保護膜130と、保護膜130上に形成された透明電極140と、透明電極140上に形成された配向膜から構成されている。このような構成によれば、反射膜の形成後において、配向膜の高温処理がなされても、銀反射膜120を構成する結晶粒子の成長が抑えられるので、反射率の低下を防止することが可能となる。
【0005】
また、特許文献3には、単一の半透過反射膜を用いた構成に関してこの銀反射膜120の下に補助的な反射機能を持つSi薄膜等を設置した構成が開示されている。このような構成によれば、透過時反射時ともに、最適な明るさ・コントラストを維持しつつ、好みの色調で表示することが可能となる。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−49034号公報
【特許文献2】
特開2002−49033号公報
【特許文献3】
特開2001−305529号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の特許文献1および2によると、透過電極部分と反射電極部分を別々の層に設置することになり、それぞれの層に対して「成膜−フォトリソグラフィーによるエッチング−成膜−フォトリソグラフィーによるエッチング」を繰り返さなければならず、煩雑な作業が必要となり、工程間を移動させるための時間的なロスが発生していた。
【0008】
上記問題について、本願発明者らが鋭意検討したところ、金属を腐食しない酸にはエッチングされるが、金属用のエッチング液には耐性がありエッチングされにくい透明導電膜を採用することにより「成膜−エッチング」の工程をより簡略化できることが判明した。
【0009】
すなわち、本発明は、選択的にエッチングできる液を用いて、工程を簡略化し、煩雑な繰り返し作業を回避することによって時間的なロスを発生しない工程とし、半透過半反射型電極基板を効率的に提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
1.本発明は、少なくとも酸化インジウムからなる金属酸化物層と、少なくともAlまたはAgからなる無機化合物層と、をこの順で積層した半透過半反射型電極基板を製造する方法であって、前記無機化合物層を燐酸、硝酸、酢酸からなるエッチング液λでエッチングする工程と、前記金属酸化物層を蓚酸を含むエッチング液σでエッチングする工程と、からなることを特徴とする。
【0011】
従来は、「成膜−フォトリソグラフィーによるエッチング−成膜−フォトリソグラフィーによるエッチング」の工程を繰り返さなければならなかった。しかし、本発明によれば、「成膜−成膜−フォトリソグラフィーによるエッチング−フォトリソグラフィーによるエッチング」による工程で各層を成膜することができる。この結果、従来よりも工程をより簡略化することが可能となり、半透過半反射型液晶電極基板の製造時間を短縮することができる。
【0012】
蓚酸を含むエッチング液σは、AgまたはAlからなる無機化合物層にダメージを与えない範囲で、その他の酸、例えば、塩酸、硝酸、スルホン酸、ジスルホン酸等を少量添加しても良い。
【0013】
2.本発明は、前記エッチング液λによる前記金属酸化物層のエッチング速度Aと、前記エッチング液λによる前記無機化合物層のエッチング速度Bと、の比であるB/Aの値を10以上に設定することを特徴とする。
【0014】
ここで、エッチング速度比の値とは、「AgまたはAlからなる無機化合物層のエッチング速度/金属酸化物層のエッチング速度」と定義する。
【0015】
AgまたはAlからなる無機化合物層のエッチング速度と金属酸化物層のエッチング速度とのエッチング速度比の値が10未満では、AgまたはAlからなる無機化合物層のエッチングをする場合に、下地の金属酸化物層までエッチングしてしまい、金属酸化物層にダメージを与えてしまうからである。
【0016】
また、丁度エッチングが終了する時間より長くエッチングした場合をオーバーエッチング時間と定義すると、通常のエッチング工程の場合、丁度エッチングが終了する時間の1.2倍から2.0倍程度の時間でエッチングすることが多い。よって、このオーバーエッチング時間を考慮すると丁度エッチングが終了する時間の0.2〜1.0倍の時間、下地である金属酸化物層がエッチングされることになるので、AgまたはAlからなる無機化合物層のエッチング速度と金属酸化物層のエッチング速度のエッチング速度比の値を大きくしておく必要がある。
【0017】
3.本発明は、前記エッチング液λが 30〜60wt%の燐酸イオン、1〜5wt%の硝酸イオン、30〜50wt%の酢酸イオンからなることを特徴とする。
【0018】
エッチング液λ中の陰イオンの組成が上記範囲以外の混合酸では、エッチング速度比の値が10以上とするのが困難であり、下地である金属酸化物層にダメージを与えてしまう場合があるからである。さらに、上記範囲以外のエッチング液では、エッチングの速度が遅くなり、その結果、エッチング工程に多大な時間を要する場合もあるからである。また、上記範囲以外のエッチング液では、エッチング速度が速くなり、その結果、エッチング速度を制御することができず、下地である金属酸化物層にダメージを与えてしまう場合もあるからである。
【0019】
4.本発明は、前記金属酸化物層がランタノイド系金属酸化物を含有したものであることを特徴とする。
【0020】
少なくとも酸化インジウムからなる金属酸化物層にランタノイド系金属酸化物を含有しない場合には、エッチング速度比の値が10以下になる場合があるからである。さらに、ランタノイド系金属酸化物を含有しない場合には、蓚酸を主成分とする酸でのエッチングが困難となるからである。
【0021】
一方、金属酸化物層にランタノイド系金属酸化物を添加した場合には、エッチングの速度の比が10以上とすることができる場合が多い。さらに、ランタノイド系金属酸化物を添加した場合には、蓚酸を主成分とするエッチングが可能となるからである。
【0022】
5.本発明は、前記ランタノイド系金属酸化物が、酸化セリウム、酸化プラセオジウム、酸化ネオジウム、酸化サマリウム、酸化ユウロピウム、酸化ガドリニウム、酸化テルビウム、酸化ジスプロシウム、酸化ホルミウム、酸化エルビウム、酸化ツリウム、酸化イッテルビウム、および酸化ルテチウムからなる群から選択される1種以上を含むことを特徴とする。
【0023】
ランタノイド系金属酸化物としては、酸化セリウム、酸化プラセオジウム、酸化ネオジウム、酸化サマリウム、酸化テルビウム等を好適に選択することができる。これらの金属酸化物は、無毒性であり、入手がし易いからである。また、金属酸化物の価格、焼結時の焼結密度の上がりやすさ、焼結の時間、温度との関係から、好適にこれらの酸化物を選択することができるからである。
【0024】
6.本発明は、前記ランタノイド系金属酸化物の含有量の割合が、金属酸化物の全金属原子に対して0.1〜10原子%未満であることを特徴とする。
【0025】
ランタノイド系金属酸化物の添加量は、0.1〜20原子%、好ましくは、1〜8原子%、より好ましくは、2〜7原子%である。
【0026】
ランタノイド系金属酸化物の添加量が0.1原子%未満では、添加の効果、すなわち、エッチングの速度の比を10以上にすることができない場合があるからである。また、ランタノイド系金属酸化物の添加量が10原子%以上では、金属酸化物層の導電性が劣化する場合があり、また、金属酸化物の透過性が低下する場合があるからである。
【0027】
7.本発明は、前記無機化合物層が、Au,Pt,Ndから選択される1種以上を0.1から3wt%の範囲で含むことを特徴とする。
【0028】
Ag単体でも実施可能であるが、Au,Pt,Ndを添加した方が、抵抗も低く、下地との密着性に優れ、熱湿度に対してもより安定した膜が得られるからである。Au,Pt,Ndの添加量としては、0.1から3wt%の範囲で含んでいることが望ましい。なお、本特許では、、金属酸化物層上に成膜される金属層がAg単体またはAl単体からなる場合にも便宜上無機化合物層と呼んでいる。また、本特許では、AgまたはAlにAu、PtまたはNdを添加したものも便宜上無機化合物と呼んでいる。
【0029】
Au,Pt,Ndの添加量が、0.1wt%未満では添加の効果、すなわち、抵抗を低く抑えることができ、下地である金属酸化物層との密着性に優れ、熱湿度に対してもより安定した膜を得ることができるという効果が得にくいからである。また、Au,Pt,Ndの添加量が、3wt%以上では、抵抗が低くなり、下地との密着性が得られず、また、熱湿度に対して不安定となり、高価になる場合があるからである。好ましいAu,Pt,Ndの添加量としては、0.2〜2wt%、より好ましくは、0.3〜1.5wt%である。
【0030】
下記に記載されている課題を解決するための手段8〜14は、第二の金属酸化物層をAlまたはAgからなる無機化合物層上に成膜する工程を有すること以外は、上記に記載されている課題を解決するための手段1〜7と同様の作用効果を奏する。
【0031】
8.本発明は、少なくとも酸化インジウムからなる第一の金属酸化物層と、少なくともAlまたはAgからなる無機化合物層と、少なくとも酸化インジウムまたは酸化亜鉛からなる第二の金属酸化物層と、をこの順で積層した半透過半反射電極基板を製造する方法であって、前記第二の金属酸化物層および前記無機化合物層を燐酸、硝酸、酢酸からなるエッチング液λでエッチングする工程と、前記第一の金属酸化物薄膜を蓚酸を含むエッチング液σでエッチングする工程とからなることを特徴とする。
【0032】
9.本発明は、前記エッチング液λによる前記第一の金属酸化物層のエッチング速度Aと、前記エッチング液λによる前記無機化合物層のエッチング速度Bと、の比であるB/Aの値を10以上に設定し、前記エッチング液λによる前記無機化合物層のエッチング速度Cと、前記エッチング液λによる前記第二の金属酸化物層のエッチング速度Dと、の比C/Dを0.5〜2.0の範囲に設定することを特徴とする。
【0033】
10.本発明は、前記エッチング液λが30〜60wt%の燐酸イオン、1〜5wt%の硝酸イオン、30〜50wt%の酢酸イオンからなることを特徴とする。
【0034】
11.本発明は、前記第一の金属酸化物層がランンタノイド系金属酸化物を含有したものであることを特徴とする。
【0035】
12.本発明は、前記ランタノイド系金属酸化物が、酸化セリウム、酸化プラセオジウム、酸化ネオジウム、酸化サマリウム、酸化ユウロピウム、酸化ガドリニウム、酸化テルビウム、酸化ジスプロシウム、酸化ホルミウム、酸化エルビウム、酸化ツリウム、酸化イッテルビウム、および酸化ルテチウムからなる群から選択される1種以上を含むことを特徴とする。
【0036】
13.本発明は、前記ランタノイド系金属酸化物の含有量の割合が、金属酸化物の全金属原子に対して0.1〜10原子%未満であることを特徴とする。
【0037】
14.本発明は、前記無機化合物層が、Au,Pt,Ndから選択される1種以上を0.1から3wt% の範囲で含むことを特徴とする。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0039】
【実施例1】
まず、酸化インジウム−酸化セリウム(Ce/(In+Ce)=4.5原子%)からなる第一ターゲットを用いて、SiOをコートした青板ガラス基板10(図1(1)参照)上に、金属酸化物層12を成膜した。なお、この様子が図1(2)に示されている。また、金属酸化物層12の成膜には、DCマグネトロンスパッタ装置(神港精機社製)を用いた。
【0040】
なお、成膜時の青板ガラス基板10の温度は200℃であった。また、成膜した金属酸化物層12の膜厚は75nmであり、比抵抗は380μΩcmであった。
【0041】
次に、金属酸化物層12上にAg−Pd−Cu(98.5:0.5:1.0wt%)からなるターゲットAgを用いて、無機化合物層14を成膜した。なお、無機化合物層14の膜厚は100nmであった。この様子が図1(3)に示されている。また、この金属酸化物層12およびAgを主成分とする無機化合物層14を併せて電極層と呼ぶ。また、図1〜4では、金属酸化物層12、金属酸化物層12a上に成膜する層をAgまたはAlからなる無機化合物層14と便宜上呼んでいるが、この無機化合物層14はAg単体またはAl単体から組成されていても良いし、AgまたはAlを主成分とする化合物から組成されていても良い。なお、本特許では、AgまたはAlにAu、Pt、Ndを添加したものを便宜上無機化合物と呼んでいる。
【0042】
次に、無機化合物層14を用いて複数のラインを形成するために無機化合物層14をエッチングする。従って、上記エッチングにより残存した部分が無機化合物層14のラインである。このエッチングにより残存した部分、すなわち、無機化合物層14のラインが図1(4)に示されている。
【0043】
また、この無機化合物層14を用いた複数のラインは、無機化合物層14のラインの幅が40μmであり、各無機化合物層14のライン間のスペースが70μmである。このような寸法となるようにマスクパターンを設計している。
【0044】
次に、上記のように設計されたマスクパターンを用いて無機化合物層14をエッチングするために無機化合物層14上に感光剤(レジスト)を塗布する。次に、上記レジスト上に上記マスクパターンからなるガラス板を載せる。次に、レジストを露光後、現像、ポストベークした。
【0045】
次に、40wt%の燐酸イオン、2.5wt%の硝酸イオン、40wt%の酢酸イオンを含む水溶液を用いて、無機化合物層14をオーバーエッチング1.0にてエッチングした。このエッチングの結果が図1(4)に示されている。なお、この水溶液は、特許請求の範囲のエッチング液λの一例に相当する。
【0046】
次に、上記エッチングした青板ガラス基板10を水洗・乾燥した。
【0047】
次に、金属酸化物層12を用いて複数のラインを形成するために金属酸化物層12をエッチングする。従って、上記エッチングにより残存した部分が金属酸化物層12のラインである。このエッチングにより残存した部分、すなわち、金属酸化物層12のラインが図1(5)に示されている。
【0048】
また、この金属酸化物層12を用いた複数のラインは、金属酸化物層12のラインの幅が90μmであり、金属酸化物層12のライン間のスペースが20μmである。このような寸法となるようにマスクパターンを設計している。
【0049】
次に、上記のように設計されたマスクパターンを用いて金属酸化物層12をエッチングするために電極層上に感光剤(レジスト)を塗布する。次に、このレジスト上に上記マスクパターンからなるガラス板を載せる。次に、レジストを露光後、現像、ポストベークした。この様子が図(5)に示されている。なお、レジストの露光は、図3に示すように無機化合物層14と金属酸化物層12のエッジの一部(片側)が合うようにする。
【0050】
次に、蓚酸4wt%の水溶液を用いて、上記得られた金属酸化物層12をエッチングした。なお、この水溶液は、特許請求の範囲のエッチング液σの一例に相当する。また、レジストを剥離後、1本の電極の抵抗を5cmの長さで測定したところ0.65kΩであった。
【0051】
このようにして得られた半透過半反射型電極基板は低い電気抵抗を達成できた。また、走査型電子顕微鏡で基板表面を観察したところ、金属酸化物層12の表面の荒れは観察されなかった。また、蓚酸でのエッチング前後における無機化合物層14のエッジ部の変化はほとんど見られなかった。これは、蓚酸のエッチング液σでは無機化合物層14はほとんどエッチングされないことを意味する。
【0052】
なお、上記の40wt%の燐酸イオン、2.5wt%の硝酸イオン、40wt%の酢酸イオンを含む30℃の水溶液を用いた場合の無機化合物のエッチング速度と金属酸化物層12のエッチング速度とのエッチングの速度の比は40であった。
【0053】
【実施例2】
実施例1で用いた第一ターゲットに替えて、酸化インジウム−酸化スズ−酸化セリウム(In/(In+Sn)=90原子%、Ce/(In+Sn+Ce)=4.9原子%)からなる第二ターゲットを用いた。また、実施例1で用いたAg−Pd−Cu(98.5:0.5:1.0wt%)に替えてAg−Au−Ni(98.5:0.5:1.0wt%)を用いた。それ以外については、実施例1と同様の手法で行った。すなわち、第一の金属酸化物層12aおよび無機化合物層14の成膜を行った。この様子が図2の(1)〜(3)に示されている。なお、本実施例2において成膜した第一の金属酸化物層12aすなわち、図2の(2)に示されている第一の金属酸化物層12aは、図1の(2)に示されている金属酸化物層12と同様の金属酸化物層である。
【0054】
次に、保護膜として酸化インジウム+酸化亜鉛(In/(In+Zn)=75原子%)からなる第三ターゲットを用いて第二の金属酸化物層16を成膜した。なお、成膜時の温度は室温であった。また、第二の金属酸化物の膜厚は20nmmであった。この様子が図2の(4)に示されている。
【0055】
次に、実施例1と同様の手法によりエッチングを行ない、半透過半反射型電極基板を製造した。なお、第一の金属酸化物層12aの比抵抗は320μΩcmであり、電極抵抗は0.61kΩあった。この様子が図2の(5)、(6)に示されている。
【0056】
このようにして得られた半透過半反射型電極基板は低い電気抵抗を達成できた。また、走査型電子顕微鏡で基板表面を観察したところ、金属酸化物層12aの表面の荒れは観察されなかった。また、蓚酸でのエッチング前後における無機化合物層14のエッジ部の変化はほとんど見られなかった。これは、蓚酸のエッチング液σでは無機化合物層14はほとんどエッチングされないことを意味する。
【0057】
なお、30wt%の燐酸イオン、1.5wt%の硝酸イオン、40wt%の酢酸イオンを含む30℃の水溶液を用いた場合の無機化合物のエッチング速度と、第一の金属酸化物層12aのエッチング速度とのエッチング速度比の値は45であった。
【0058】
また、30wt%の燐酸イオン、1.5wt%の硝酸イオン、40wt%の酢酸イオンを含む30℃の水溶液を用いた場合の無機化合物層14のエッチング速度と、第二の金属酸化物層16のエッチング速度のエッチング速度比の値は1.5であった。
【0059】
【実施例3】
実施例1で用いた第一ターゲットに替えて、酸化インジウム−酸化スズ−酸化プラセオジム(In/(In+Sn)=90原子%、Pr/(In+Sn+Pr)=4.6原子%)の第四ターゲットを用いた。それ以外については、実施例1と同様の手法によって、金属酸化物層12および無機化合物層14の成膜を行った。
【0060】
次に、実施例1と同様の手法によりエッチングを行ない、半透過半反射型電極基板を製造した。なお、金属酸化物層12の比抵抗は450μΩcmであった。この様子が図1の(1)〜(5)に示されている。
【0061】
このようにして得られた半透過半反射型電極基板は低い電気抵抗を達成できた。また、走査型電子顕微鏡で基板表面を観察したところ、金属酸化物層12の表面の荒れは観察されなかった。また、蓚酸でのエッチング前後における無機化合物層14のエッジ部の変化はほとんど見られなかった。これは、蓚酸のエッチング液σでは無機化合物層14はほとんどエッチングされないことを意味する。
【0062】
なお、30wt%の硝酸イオン、1.5wt%の硝酸イオン、40wt%の酢酸イオンを含む30℃の水溶液を用いた場合の無機化合物層14のエッチング速度と、金属酸化物層12のエッチング速度とのエッチングの速度の比は38であった。
【0063】
【実施例4】
実施例1で用いた第一ターゲットに替えて、酸化インジウム−酸化スズ−酸化ネオジウム(In/(In+Sn)=90原子%、Nd/(In+Sn+Nd)=3.8原子%)の第五ターゲットを用いた。また、Ag−Pd−Cu(98.5:0.5:1.0wt%)に替えてAg−Pt−Co(98.5:0.5:1.0wt%)を用いた。それ以外については、実施例1と同様の手法により金属酸化物層12および無機化合物層14の成膜を行った。
【0064】
次に、実施例1と同様の手法によりエッチングを行ない、半透過半反射型電極基板を製造した。この様子が図1の(1)〜(5)に示されている。なお、金属酸化物層12の比抵抗は420μΩcmであり、電極抵抗は0.67kΩであった。
【0065】
このようにして得られた半透過半反射型電極基板は低い電気抵抗を達成できた。また、走査型電子顕微鏡で基板表面を観察したところ、金属酸化物層12の表面の荒れは観察されなかった。また、蓚酸でのエッチング前後における無機化合物層14のエッジ部の変化はほとんど見られなかった。これは、蓚酸のエッチング液σでは無機化合物層14はほとんどエッチングされないことを意味する。
【0066】
なお、30wt%の硝酸イオン、1.5wt%の硝酸イオン、40wt%の酢酸イオンを含む30℃の水溶液を用いた場合の無機化合物層14のエッチング速度と、金属酸化物層12のエッチング速度とのエッチングの速度の比は48であった。
【0067】
【実施例5】
実施例1で用いた第一ターゲットに替えて、酸化インジウム−酸化スズ−酸化サマリウム(In/(In+Sn)=90原子%、Sm/(In+Sn+Sm)=3.2原子%)の第六ターゲットを用いた。また、Ag−Pd−Cu(98.5:0.5:1.0wt%)に替えてAg−Co−Ni(98.0:1.0:1.0wt%)を用いた。それ以外については実施例1と同様の手法により金属酸化物層12および無機化合物層14の成膜を行った。
【0068】
次に、実施例1と同様の手法によりエッチングを行ない、半透過半反射型電極基板を製造した。この様子が図1の(1)〜(5)に示されている。なお、金属酸化物層12の比抵抗は720μΩcmであり、電極抵抗は0.72kΩであった。
【0069】
このようにして得られた半透過半反射型電極基板は低い電気抵抗を達成できた。また、走査型電子顕微鏡で基板表面を観察したところ、金属酸化物層12の表面の荒れは観察されなかった。また、蓚酸でのエッチング前後における無機化合物層14のエッジ部の変化はほとんど見られなかった。これは、蓚酸のエッチング液σでは無機化合物層14はほとんどエッチングされないことを意味する。
【0070】
なお、30wt%の硝酸イオン、1.5wt%の硝酸イオン、40wt%の酢酸イオンを含む30℃の水溶液を用いた場合の無機化合物層14のエッチング速度と、金属酸化物層12のエッチング速度とのエッチングの速度の比は40であった。
【0071】
【実施例6】
実施例1で用いた第一ターゲットに替えて、酸化インジウム−酸化スズ−酸化テルビウム(In/(In+Sn)=90原子%、Tb/(In+Sn+Tb)=4.7原子%)の第七ターゲットを用いた。それ以外については実施例1と同様の手法により金属酸化物層12および無機化合物層14の成膜を行った。
【0072】
次に、実施例1と同様の手法によりエッチングを行ない、半透過半反射型電極基板を製造した。この様子が図1の(1)〜(5)に示されている。なお、金属酸化物層12の比抵抗は1450μΩcmであった。
【0073】
このようにして得られた半透過半反射型電極基板は低い電気抵抗を達成できた。また、走査型電子顕微鏡で基板表面を観察したところ、金属酸化物層12の表面の荒れは観察されなかった。また、蓚酸でのエッチング前後における無機化合物層14のエッジ部の変化はほとんど見られなかった。これは、蓚酸のエッチング液σでは無機化合物層14はほとんどエッチングされないことを意味する。
【0074】
なお、30wt%の硝酸イオン、1.5wt%の硝酸イオン、40wt%の酢酸イオンを含む30℃の水溶液を用いた場合の無機化合物層14のエッチング速度と、金属酸化物層12のエッチング速度とのエッチングの速度の比は46であった。
【0075】
【実施例7】
まず、酸化インジウム−酸化セリウム(Ce/(In+Ce)=4.5原子%)からなる第一ターゲットを用いて、SiOをコートした青板ガラス基板10(図1(1)参照)上に、金属酸化物層12を成膜した。この様子が図1(2)に示されている。なお、成膜時の基板温度は200℃であった。また、成膜した金属酸化物層12の膜厚は75nmであった。また、金属酸化物層12の比抵抗は380μΩcmであった。 次に、金属酸化物層12の上にAl−Nd(99:1wt%)からなるターゲットAlターゲットを用いて、無機化合物層14を成膜した。なお、無機化合物層14の膜厚は100nmであった。この様子が図1の(3)に示されている。また、この金属酸化物層12およびAlを主成分とする無機化合物層14を併せて電極層と呼ぶ。
【0076】
本実施例7および以下に示す実施例8〜11は、実施例1とほぼ同様の手法により半透過半反射型電極基板の製造を行った。ただし、実施例1では金属酸化物層12の主成分にAgを用いているが、本実施例7および以下に示す実施例8〜11では、金属酸化物層12の主成分にAlを用いている点で異なる。
【0077】
次に、無機化合物層14を用いた複数のラインを形成するために無機化合物層14をエッチングする。従って、上記エッチングにより残存した部分が無機化合物層14のラインである。このエッチングにより残存した部分、すなわち、無機化合物層14のラインが図1(4)に示されている。
【0078】
また、この無機化合物層14を用いた複数のラインは、無機化合物層14のラインの幅が40μmであり、各無機化合物層14のライン間のスペースが70μmである。このような寸法となるようにマスクパターンを設計している。
【0079】
次に、上記のように設計されたマスクパターンに無機化合物層14をエッチングするために無機化合物層14上に感光剤(レジスト)を塗布し、このレジスト上に上記マスクパターンからなるガラス板を載せる。次に、レジストを露光後、現像、ポストベークした。
次に、50wt%の燐酸イオン、2.0wt%の酢酸イオン、40wt%の硝酸イオンを含む水溶液を用いて、無機化合物層14をオーバーエッチング1.0にてエッチングした。このエッチングの結果が図1(4)に示されている。なお、この水溶液は、特許請求の範囲のエッチング液λの一例に相当する。
【0080】
次に、上記エッチングした青板ガラス基板10を水洗・乾燥した。
【0081】
次に、金属酸化物層12を用いて複数のラインを形成するために金属酸化物層12をエッチングする。従って、上記エッチングにより残存した部分が金属酸化物層12のラインである。このエッチングにより残存した部分、すなわち、金属酸化物層12の欄員が図1(5)に示されている。
【0082】
また、この金属酸化物層12を用いた複数のラインは、金属酸化物層12のラインの幅が90μmであり、金属酸化物層12のライン間のスペースが20μmである。このような寸法となるようにマスクパターンを設計している。
【0083】
次に、上記のように設計されたマスクパターンを用いて金属酸化物層12をエッチングするために金属層上に感光剤(レジスト)を塗布する。次に、このレジスト上に上記マスクパターンからなるガラス板を載せる。次に、レジストを露光後、現像、ポストベークした。この様子が図1の(5)に示されている。なお、レジストの露光は、無機化合物層14と金属酸化物層12のエッジの一部(片側)が合うようにする。
【0084】
次に、蓚酸4wt%の水溶液を用いて、上記得られた金属酸化物層12をエッチングした。なお、この水溶液は、特許請求の範囲のエッチング液λの一例に相当する。また、レジストを剥離後、1本の電極の抵抗を5cmの長さで測定したところ、0.65kΩであった。
【0085】
このようにして得られた半透過半反射型電極基板は低い電気抵抗を達成できた。また、走査型電子顕微鏡で基板表面を観察したところ、金属酸化物層12の表面の荒れは観察されなかった。また、蓚酸でのエッチング前後における無機化合物層14のエッジ部の変化はほとんど見られなかった。これは、蓚酸のエッチング液σでは無機化合物層14はほとんどエッチングされないことを意味する。
【0086】
なお、上記の50wt%の燐酸イオン、2.0wt%の硝酸イオン、40wt%の酢酸イオンを含む30℃の水溶液を用いた場合の無機化合物層14のエッチング速度と、金属酸化物層12のエッチング速度のエッチングの速度の比は16であった。
【0087】
【実施例8】
実施例2で用いた第二ターゲットに替えて、酸化インジウム−酸化スズ−酸化セリウム(In/(In+Sn)=90原子%、Ce/(In+Sn+Ce)=4.9原子%)のターゲット2を用いた。また、実施例7で用いたAl−Nd(99:1wt%)に替えてAl−Pt(99:1wt%)を用いた。それ以外については、実施例2と同様の手法により第一の金属酸化物層12aおよび無機化合物層14の成膜を行った。この様子が図2の(1)〜(3)に示されている。なお、本実施例8において成膜した第一の金属酸化物層12a、すなわち、図2の(2)に示されている第一の金属酸化物層12aは、図1の(2)に示されている金属酸化物層12と同様の金属酸化物層である。
【0088】
次に、保護膜として酸化インジウム+酸化亜鉛(In/(In+Zn)=85原子%)からなるターゲット3を用いて第二の金属酸化物層16を成膜した。なお、成膜時の温度は室温であった。また、第二の金属酸化物層16の膜厚は20nmmであった。この様子が図2の(4)に示されている。
【0089】
次に、実施例1と同様の手法によりエッチングを行ない、半透過半反射型電極基板を製造した。この様子が図2の(5)、(6)に示されている。なお、酸化インジウム−酸化スズ−酸化セリウム層の比抵抗は320μΩcmであり、電極抵抗は1.57kΩあった。
【0090】
このようにして得られた半透過半反射型電極基板は低い電気抵抗を達成できた。また、走査型電子顕微鏡で基板表面を観察したところ、金属酸化物層12の表面の荒れは観察されなかった。また、蓚酸でのエッチング前後における無機化合物層14のエッジ部の変化はほとんど見られなかった。これは、蓚酸のエッチング液σでは無機化合物層14はほとんどエッチングされないことを意味する。
【0091】
なお、無機化合物層14のエッチング速度と第一金属酸化物層12のエッチング速度とのエッチング速度比の値は18であった。
【0092】
また、無機化合物層14のエッチング速度と第二金属酸化物層のエッチング速度とのエッチング速度比の値は1.1であった。
【0093】
【実施例9】
実施例1で用いた第一ターゲットに替えて、酸化インジウム−酸化スズ−酸化プラセオジム(In/(In+Sn)=90原子%、Pr/(In+Sn+Pr)=4.6原子%)の第四ターゲットを用いた。それ以外については実施例1と同様の手法により金属酸化物層12および無機化合物層14の成膜を行った。
【0094】
次に、実施例1と同様の手法によりエッチングを行ない、半透過半反射型電極基板を製造した。この様子が図1の(1)〜(5)に示されている。なお、金属酸化物層12の比抵抗は450μΩcmであり、電極抵抗は1.66kΩであった。
【0095】
このようにして得られた半透過半反射型電極基板は低い電気抵抗を達成できた。また、走査型電子顕微鏡で基板表面を観察したところ、金属酸化物層12の表面の荒れは観察されなかった。また、蓚酸でのエッチング前後における無機化合物層14のエッジ部の変化はほとんど見られなかった。これは、蓚酸のエッチング液σでは無機化合物層14はほとんどエッチングされないことを意味する。
【0096】
なお、無機化合物層14のエッチング速度と金属酸化物層12のエッチング速度のエッチング速度比の値は15であった。
【0097】
【実施例10】
実施例7で用いた第一ターゲットに替えて、酸化インジウム−酸化スズ−酸化ネオジウム(In/(In+Sn)=90原子%、Nd/(In+Sn+Nd)=3.8原子%)の第五ターゲットを用いた。また、実施例7で用いたAl−Nd(99:1wt%)に替えてAl−Au(99:1wt%)を用いた。それ以外については実施例1と同様の手法により金属酸化物層12aおよび無機化合物層14の成膜を行った。
【0098】
次に、実施例1と同様の手法によりエッチングを行ない、半透過半反射型電極基板を製造した。この様子が図1の(1)〜(5)に示されている。なお、酸化インジウム−酸化スズ−酸化ネオジウム層の比抵抗は420μΩcmであり、また、電極抵抗は1.39kΩであった。
【0099】
このようにして得られた半透過半反射型電極基板は低い電気抵抗を達成できた。また、走査型電子顕微鏡で基板表面を観察したところ、金属酸化物層12の表面の荒れは観察されなかった。また、蓚酸でのエッチング前後における無機化合物層14のエッジ部の変化はほとんど見られなかった。これは、蓚酸のエッチング液σでは無機化合物層14はほとんどエッチングされないことを意味する。
【0100】
なお、無機化合物層14のエッチング速度と金属酸化物層12のエッチング速度のエッチング速度比の値は18であった。
【0101】
【実施例11】
実施例1で用いた第一ターゲットに替えて、酸化インジウム−酸化スズ−酸化サマリウム(In/(In+Sn)=90原子%、Sm/(In+Sn+Sm)=3.2原子%)の第六ターゲットを用いた。また、実施例7で用いたAl−Nd(99:1wt%)に替えてAl(100wt%)を用いた。それ以外については実施例1と同様の手法により金属酸化物層12および無機化合物層14の成膜を行った。
【0102】
次に、実施例1と同様の手法によりエッチングを行ない、半透過半反射型電極基板を製造した。なお、酸化インジウム−酸化スズ−酸化プラセオジム層の比抵抗は720μΩcmであり、また、電極抵抗は1.47kΩであった。この様子が図1の(1)〜(5)に示されている。
【0103】
このようにして得られた半透過半反射型電極基板は低い電気抵抗を達成できた。また、走査型電子顕微鏡で基板表面を観察したところ、金属酸化物層12の表面の荒れは観察されなかった。また、蓚酸でのエッチング前後における無機化合物層14のエッジ部の変化はほとんど見られなかった。これは、蓚酸のエッチング液σでは無機化合物層14はほとんどエッチングされないことを意味する。
【0104】
なお、無機化合物層14のエッチング速度と金属酸化物層12のエッチング速度のエッチング速度比の値は20であった。
【0105】
【比較例1】
実施例1で用いた第一ターゲットに替えて、酸化インジウム−酸化スズ(In/(In+Sn)=90原子%)の第七ターゲットを用いた。それ以外については実施例1と同様の手法により金属酸化物層12aおよび無機化合物層14の成膜を行った。
【0106】
次に、実施例1と同様の手法によりエッチングを行ない、半透過半反射型電極基板を製造した。なお、酸化インジウム−酸化スズの比抵抗は250μΩcmであった。 このようにして得られた半透過半反射型電極基板は、エッチング液による表面の荒れはほとんど見られなかった。しかし、蓚酸で金属酸化物層12をエッチングすることはできなかった。
【0107】
【比較例2】
実施例1で用いた第一ターゲットに替えて、酸化インジウム−酸化スズ(In/(In+Zn)=85原子%)の第八ターゲットを用いた。それ以外については実施例1と同様の手法により金属酸化物層12aおよび無機化合物層14の成膜を行った。
【0108】
次に、実施例1と同様の手法によりエッチングを行ない、半透過半反射型電極基板を製造した。なお、酸化インジウム−酸化亜鉛の比抵抗は390μΩcmであった。
【0109】
このようにして半透過半反射型電極基板は、Agのエッチング時に、酸化インジウム−酸化亜鉛層もエッチングされた。
【0110】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、選択によってエッチング速度が異なるエッチング液を用いて、半透過半反射型電極基板の製造工程を簡略化し、煩雑な繰り返し作業を回避することによって半透過半反射型電極基板の製造時間の短縮を図り、半透過半反射型電極基板を効率的に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態の半透過半反射型電極基板を製造する工程を表す図である。
【図2】本実施の形態の半透過半反射型電極基板を製造する工程を表す図である。
【図3】本実施の形態の半透過半反射型電極基板の断面図である。
【図4】本実施の形態の半透過半反射型電極基板の断面図である。
【図5】本実施の形態の半透過半反射型電極基板の平面図である。
【図6】本実施の形態の半透過半反射型電極基板の平面図である。
【図7】従来の半透過半反射型電極基板の断面図である。
【符号の説明】
10 ガラス基板
12 金属酸化物層
12a 第一の金属酸化物層
14 AlまたはAgからなる無機化合物層
16 第二の金属酸化物層
100 第一の基板
110 第二の基板
120 銀反射膜
130 保護膜
140 透明電極
150 液晶

Claims (14)

  1. 少なくとも酸化インジウムからなる金属酸化物層と、少なくともAlまたはAgからなる無機化合物層と、をこの順で積層した半透過半反射型電極基板を製造する方法であって、
    前記無機化合物層を燐酸、硝酸、酢酸からなるエッチング液λでエッチングする工程と、
    前記金属酸化物層を蓚酸を含むエッチング液σでエッチングする工程と、
    からなることを特徴とする半透過半反射型電極基板の製造方法。
  2. 前記エッチング液λによる前記金属酸化物層のエッチング速度Aと、前記エッチング液λによる前記無機化合物層のエッチング速度Bと、の比であるB/Aの値を10以上に設定することを特徴とする請求項1に記載の半透過半反射型電極基板の製造方法。
  3. 前記エッチング液λが 30〜60wt%の燐酸イオン、1〜5wt%の硝酸イオン、30〜50wt%の酢酸イオンからなることを特徴とする請求項1または2に記載の半透過半反射型電極基板の製造方法。
  4. 前記金属酸化物層がランタノイド系金属酸化物を含有したものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の半透過半反射型電極基板の製造方法。
  5. 前記ランタノイド系金属酸化物が、酸化セリウム、酸化プラセオジウム、酸化ネオジウム、酸化サマリウム、酸化ユウロピウム、酸化ガドリニウム、酸化テルビウム、酸化ジスプロシウム、酸化ホルミウム、酸化エルビウム、酸化ツリウム、酸化イッテルビウム、および酸化ルテチウムからなる群から選択される1種以上を含むことを特徴とする請求項4に記載の半透過半反射型電極基板の製造方法。
  6. 前記ランタノイド系金属酸化物の含有量の割合が、金属酸化物の全金属原子に対して0.1〜10原子%未満であることを特徴とする請求項項4または5に記載の半透過半反射型電極基板の製造方法。
  7. 前記無機化合物層が、Au,Pt,Ndから選択される1種以上を0.1から3wt% の範囲で含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の半透過半反射型電極基板の製造方法。
  8. 少なくとも酸化インジウムからなる第一の金属酸化物層と、少なくともAlまたはAgからなる無機化合物層と、少なくとも酸化インジウムまたは酸化亜鉛からなる第二の金属酸化物層と、をこの順で積層した半透過半反射電極基板を製造する方法であって、
    前記第二の金属酸化物層および前記無機化合物層を燐酸、硝酸、酢酸からなるエッチング液λでエッチングする工程と、
    前記第一の金属酸化物薄膜を蓚酸を含むエッチング液σでエッチングする工程とからなることを特徴とする半透過半反射電極基板の製造方法。
  9. 前記エッチング液λによる前記第一の金属酸化物層のエッチング速度Aと、
    前記エッチング液λによる前記無機化合物層のエッチング速度Bと、の比であるB/Aの値を10以上に設定し、
    前記エッチング液λによる前記無機化合物層のエッチング速度Cと、
    前記エッチング液λによる前記第二の金属酸化物層のエッチング速度Dと、の比C/Dを0.5〜2.0の範囲に設定することを特徴とする請求項8に記載の半透過半反射型電極基板の製造方法。
  10. 前記エッチング液λが 30〜60wt%の燐酸イオン、1〜5wt%の硝酸イオン、30〜50wt%の酢酸イオンからなることを特徴とする請求項8または9に記載の半透過半反射型電極基板の製造方法。
  11. 前記第一の金属酸化物層がランンタノイド系金属酸化物を含有したものであることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の半透過半反射型電極基板の製造方法。
  12. 前記ランタノイド系金属酸化物が、酸化セリウム、酸化プラセオジウム、酸化ネオジウム、酸化サマリウム、酸化ユウロピウム、酸化ガドリニウム、酸化テルビウム、酸化ジスプロシウム、酸化ホルミウム、酸化エルビウム、酸化ツリウム、酸化イッテルビウム、および酸化ルテチウムからなる群から選択される1種以上を含むことを特徴とする請求項11に記載の半透過半反射型電極基板の製造方法。
  13. 前記ランタノイド系金属酸化物の含有量の割合が、金属酸化物の全金属原子に対して0.1〜10原子%未満であることを特徴とする請求項項11または12に記載の半透過半反射型電極基板の製造方法。
  14. 前記無機化合物層が、Au,Pt,Ndから選択される1種以上を0.1から3wt% の範囲で含むことを特徴とする請求項8〜13のいずれかに記載の半透過半反射型電極基板の製造方法。
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