JP2008050639A - 酸化ネオジウム含有酸化物ターゲット - Google Patents

酸化ネオジウム含有酸化物ターゲット Download PDF

Info

Publication number
JP2008050639A
JP2008050639A JP2006226340A JP2006226340A JP2008050639A JP 2008050639 A JP2008050639 A JP 2008050639A JP 2006226340 A JP2006226340 A JP 2006226340A JP 2006226340 A JP2006226340 A JP 2006226340A JP 2008050639 A JP2008050639 A JP 2008050639A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
target
oxide
neodymium
ndino
indium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006226340A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4960041B2 (ja
Inventor
Kazuyoshi Inoue
一吉 井上
Nobuo Tanaka
信夫 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Idemitsu Kosan Co Ltd filed Critical Idemitsu Kosan Co Ltd
Priority to JP2006226340A priority Critical patent/JP4960041B2/ja
Priority to CN2007800294770A priority patent/CN101501240B/zh
Priority to US12/376,838 priority patent/US8038911B2/en
Priority to PCT/JP2007/065346 priority patent/WO2008018403A1/ja
Priority to KR1020097002580A priority patent/KR20090051170A/ko
Priority to TW096129735A priority patent/TWI441933B/zh
Publication of JP2008050639A publication Critical patent/JP2008050639A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4960041B2 publication Critical patent/JP4960041B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】導電性が高く、異常放電やターゲットの表面黒化のない酸化物ターゲットを提供する。
【解決手段】インジウム(In)及びネオジウム(Nd)を含有する酸化物のターゲットであって、NdInOで表される酸化物を含有することを特徴とする酸化物ターゲット。
【選択図】なし

Description

本発明は導電膜及び半導体を形成するときに使用する酸化物のターゲットに関する。さらに詳しくは、ネオジウムを含有する酸化物焼結体からなる酸化物ターゲットに関する。
インジウムを主成分とする透明導電膜では、スズをドープした酸化インジウム(ITO)が、一般的に使用されている。これは、スズのドーピングによりキャリヤーの濃度を向上し、導電性に優れた透明導電膜が得られるためである。
しかしながら、ITO膜は、エッチング加工には強酸(例えば、王水など)を用いる必要があり、TFT液晶用の電極に用いた場合、下地層の金属配線を腐食することがある等の難点を有している。さらに、スパッタリングによりITO膜を作製する際に用いるITOターゲットは還元により黒化し易いため、その特性の経時変化が問題となっている。
ITO膜よりもエッチングに優れると共に、ITO膜と同等の導電性及び光透過率を有する透明導電膜及びそれを得るために好適なスパッタリングターゲットとして、酸化インジウムと酸化亜鉛からなるターゲットや透明導電膜が提案されている(特許文献1、2)。しかしながら、これら酸化インジウムと酸化亜鉛からなる透明導電膜は、弱酸でのエッチング速度が高いため、金属薄膜のエッチング液でもエッチングされ得る。従って、透明導電膜上に形成した金属薄膜をエッチングする場合、酸化インジウムと酸化亜鉛からなる透明導電膜も同時にエッチングされてしまうことがあり、透明導電膜上の金属薄膜だけを選択的にエッチングする場合には不適であった。
また、酸化インジウムと酸化亜鉛からなる透明薄膜は、スパッタリング法による成膜中に大量の酸素の存在により酸化物半導体としても利用できることが知られている(特許文献3)。
また、酸化インジウムとランタノイド元素を含む透明導電膜は、有機EL用電極や、半透過・半反射LCD電極として有用であることが報告されている(特許文献4−11)。しかしながら、ランタノイド系元素の酸化物は導電性がなく、これら酸化物を酸化インジウムに混合してターゲットを作製した場合、絶縁性のNd2O3が粒子状にターゲット中に存在することによりスパッタリング中に異常放電を起こしたり、ターゲット表面が黒化したりして、スパッタ速度が低下する等の不都合が生じるおそれがあった。
特開平6−234565号公報 特開平7−235219号公報 米国公開2005/199959 特開2004−68054号公報 特開2004−119272号公報 特開2004−139780号公報 特開2004−146136号公報 特開2004−158315号公報 特開2004−240091号公報 特開2004−294630号公報 特開2004−333882号公報
本発明は上述の問題に鑑みなされたものであり、異常放電やターゲットの表面黒化のない酸化物ターゲットを提供することを目的とする。
本発明によれば、以下の酸化物ターゲット(以下、単にターゲットという)等が提供される。
1.インジウム(In)及びネオジウム(Nd)を含有する酸化物のターゲットであって、NdInOで表される酸化物を含有することを特徴とする酸化物ターゲット。
2.スズ(Sn)及びネオジウム(Nd)を含有する酸化物のターゲットあって、NdSnで表される酸化物を含有することを特徴とする酸化物ターゲット。
3.インジウム(In)、スズ(Sn)及びネオジウム(Nd)を含有する酸化物のターゲットであって、NdSn及び/又はNdInOで表される酸化物を含有することを特徴とする酸化物ターゲット。
4.全カチオン金属元素に対するSnの含有量[Sn/(全カチオン金属元素):原子比]が、Ndの含有量[Nd/(全カチオン金属元素):原子比]より多いことを特徴とする3に記載の酸化物ターゲット。
5.密度が6.5g/cm以上であることを特徴とする1〜4のいずれかに記載の酸化物ターゲット。
本発明の酸化物ターゲットは、ネオジウム元素を含む所定構造の酸化物が含まれているため、絶縁物であるNdが粒子状に存在することがなく、異常放電のない酸化物ターゲットとなる。この酸化物ターゲットは、スパッタリングターゲット、エレクトロンビーム用ターゲット、又はイオンプレーティング用ターゲットとして利用され、薄膜形成用原料となる。
本発明の酸化物ターゲットの第一の態様は、インジウム(In)及びネオジウム(Nd)を含有する酸化物の焼結体からなるターゲットであって、NdInOで表される酸化物を含有することを特徴とする(以下、このターゲットをターゲットIという)。
このターゲットIを用いた場合、単にIn及びNdからなるターゲットの場合に比べ、ターゲットの導電性が高く、また、ターゲット表面の黒化が少なくスパッタリング中の異常放電もなく安定したスパッタリング状態が保たれる。これにより、ITO膜と同等の光透過率を有する透明導電膜や、酸化インジウム・酸化亜鉛からなる酸化物半導体膜と同等の光透過性を有する酸化物半導体膜が安定して得られる。
ターゲットIは、NdInOで表される形態の酸化物を含んでいるものであり、ターゲットを構成する焼結体の好ましい例としては、以下のものが挙げられる。
(a)NdInO
(b)NdInOとInの混合物
(c)NdInOとNdの混合物
これらのうち、(b)の焼結体が好ましい。尚、ターゲット中の酸化物の構造は、X線回折測定により得られるチャートから同定する。後述するターゲットII及びIIIも同様である。
このターゲットにおいて、NdとInの合計に占めるNdの割合(原子比:Nd/(Nd+In))は、好ましくは0.001〜0.5、より好ましくは、0.01〜0.2、特に好ましくは、0.01〜0.15である。0.001未満では、Nd原子の添加効果が得られなくなるおそれがあり、0.5を超えると、Ndが単独で存在するようになり、ターゲット中に絶縁物であるNdが粒状に存在するようになり抵抗値が大きくなりすぎて、スパッタリング時に異常放電等の問題を起こす場合がある。また、ターゲット自体の強度が低下し、ターゲット製造工程の中の焼結工程で割れたり、変形したりする問題がある。
ターゲットにおけるNdとInの原子比は、焼結前の原料であるインジウム化合物とネオジウム化合物の混合比を調整することにより制御できる。焼結前の混合比により、化学量論比率に見合うインジウム化合物とネオジウム化合物からなるNdInO等のネオジウム・インジウム化合物が生成し、残りのインジウム化合物が結晶性物質又は非晶質物質等として存在するものと推定される。
ターゲットIの製造方法としては、例えば、原料物質としてインジウム原子を含む化合物とネオジウム原子を含む化合物を使用して、これらの混合物を焼結する方法が挙げられる。
インジウム原子を含む化合物としては、酸化インジウム、水酸化インジウム等が挙げられる。好ましくは、酸化インジウムである。
ネオジウム原子を含む化合物としては、酸化ネオジウム、炭酸ネオジウム、塩化ネオジウム、硝酸ネオジウム、硫酸ネオジウム等が挙げられる。好ましくは、酸化ネオジウムである。
上記の出発原料は、ビーズミル等により粉砕混合することが好ましい。これにより、原料を均一に混合でき、また、原料の粒径を小さくできる。
原料の平均粒径は、最大でも3μm以下、好ましくは1μm以下、より好ましくは、0.8μm以下である。3μm超になると、例えば、Ndがそのままターゲット中に絶縁性の粒子として存在するので、異常放電の原因となる場合がある。NdInOの生成は、X線回折により確認できる。
原料粉体を所定の形状に成形したものを焼成する。焼成条件は、1000〜1600℃である。好ましくは、1200〜1500℃、より好ましくは、1250〜1450℃である。1000℃未満では、Ndの反応性が低く、NdInOが生成しない場合がある。1600℃超では、Inの昇華や熱分解が起こり組成が変化したり、生成したNdInOが分解したりする場合がある。
本発明では、焼結体がNdInOを含有するが、この形態の酸化物は、上記の焼結によって形成することができる。生成されるNdInOの粒径は、EPMAのマッピングにより測定することができる。NdInOの粒径は10μm以下であり、好ましくは5μm以下がよい。10μm超のNdInOの粒子が存在する場合、粒子周辺の導電性の差により異常放電を起こす場合がある。10μm以下では、これら異常放電が抑えられ、安定したスパッタリングができるようになる。
本発明の酸化物ターゲットの第二の態様は、スズ(Sn)及びネオジウム(Nd)を含有する酸化物の焼結体からなるターゲットであって、NdSnで表される酸化物を含有することを特徴とする(以下、このターゲットをターゲットIIという)。
このターゲットIIを用いた場合、単にSnO及びNdからなるターゲットの場合に比べ、スパッタリング中の異常放電もなくターゲット表面の黒化がなく安定したスパッタリング状態が保たれる。
ターゲットIIは、NdSnで表される形態の酸化物を含んでいるものであり、ターゲットを構成する焼結体の好ましい例としては、以下のものが挙げられる。
(a)NdSn
(b)NdSnとSnOの混合物
(c)NdSnとNdの混合物
(d)NdSnとSnOとNdの混合物
上記のうち、(b)の焼結体が好ましい。
このターゲットにおいて、NdとSnの合計に占めるNdの割合(原子比:Nd/(Nd+Sn))は、好ましくは0.001〜0.5であり、より好ましくは0.01〜0.2、特に好ましくは、0.01〜0.15である。0.001未満では、Ndの添加効果が得られないおそれがあり、0.5を超えると、Ndが単独で存在するようになり、ターゲットの抵抗値が大きくなりすぎて、スパッタリング時に異常放電等の問題を起こす場合がある。尚、そのような場合には、RFスパッタリング法を採用することにより、異常放電を抑えることができる場合がある。
上記のNdとSnの原子比は焼結前のスズ化合物とネオジウム化合物の混合比を調整することにより制御できる。焼結前に混合比により、化学量論比率に見合うスズ化合物とネオジウム化合物からなるNdSnの酸化物が生成し、残りのスズ化合物が結晶性物質又は非晶質物質等として存在するものと推定される。
ターゲットIIの製造方法としては、例えば、原料物質としてスズ原子を含む化合物とネオジウム原子を含む化合物を使用して、これらの混合物を焼結する方法が挙げられる。
スズ原子を含む化合物としては、酸化スズ(酸化第一スズ、酸化第二スズ)、メタスズ酸等が挙げられる。好ましくは、酸化スズ(酸化第二スズ)である。
ネオジウム原子を含む化合物は、上述したターゲットIと同様である。
上記の出発原料は、ビーズミル等により粉砕混合することが好ましい。これにより、原料を均一に混合でき、また、原料の粒径を小さくできる。
原料の平均粒径は、最大でも3μm以下、好ましくは1μm以下、より好ましくは、0.8μm以下である。3μm超になると、例えばNdがそのままターゲット中に絶縁性の粒子として存在するので、異常放電の原因となる場合がある。NdSnの生成は、X線回折により確認できる。
原料粉体を所定の形状に成形したものを焼成する。焼成条件は、1000〜1600℃である。好ましくは、1200〜1500℃、より好ましくは、1250〜1450℃である。1000℃未満では、Ndの反応性が低く、NdSnの生成が見られない場合がある。1600℃超では、Ndの昇華や熱分解が起こり組成が変化したり、生成したNdSnが分解したりする場合がある。
本発明では、焼結体がNdSnを含有するが、この形態の酸化物は、上記の焼結によって形成することができる。生成されるNdSnの粒径は、EPMAのマッピングにより測定することができる。NdSnの粒径は、10μm以下であり、好ましくは5μm以下がよい。10μm超のNdSnの粒子が存在する場合、粒子周辺の導電性の差により異常放電を起こしたりする場合がある。10μm以下では、これら異常放電が抑えられ、安定したスパッタリングができるようになる。
本発明の酸化物ターゲットの第三の態様は、インジウム(In)、スズ(Sn)及びネオジウム(Nd)を含有する酸化物の焼結体からなるターゲットであって、NdSn及び/又はNdInOで表される酸化物を含有することを特徴とする(以下、このターゲットをターゲットIIIという)。
このターゲットIIIを用いた場合、単にIn、SnO及びNdからなるターゲットの場合に比べ、ターゲットの導電性が高く、また、スパッタリング中の異常放電もなく、さらにターゲット表面の黒化がなく安定したスパッタリング状態が保たれる。
ターゲットIIIは、NdSn及び/又はNdInOで表される形態の酸化物を含んでいるものであり、ターゲットを構成する焼結体の好ましい例としては、以下のものが挙げられる。
(a)NdSnとInの混合物
(b)NdSnとInとSnOの混合物
(c)NdSnとNdInOとInの混合物
(d)NdSnとNdInOとSnOの混合物
上記のうち、(a)、(b)又は(c)からなる焼結体が好ましい。より好ましくは、(a)からなる焼結体である。
このターゲットにおいて、Ndの原子比(Nd/(Nd+In+Sn))は、好ましくは0.001〜0.5であり、より好ましくは0.01〜0.2、特に好ましくは0.01〜0.15である。0.001未満では、Ndの添加効果が得られないおそれがあり、0.5を超えると、Ndが単独で存在するようになり、ターゲットの抵抗値が大きくなりすぎて、スパッタリング時に異常放電等の問題を起こす場合がある。また、ターゲット自体の強度が低下し、スパッタリング時にターゲットが割れる等の問題が発生する場合もある。
また、全カチオン金属元素に対するSnの含有量[Sn/(全カチオン金属):原子比]が、全カチオン金属元素に対するNdの含有量[Nd/(全カチオン金属):原子比]より多いことが好ましい。即ち、下記式の関係を満たすことが好ましい。
Nd/(全カチオン金属元素)<Sn/(全カチオン金属元素)
これは、NdとSnは反応しやすいため、NdSnが生成しやすいことによる。即ち、NdがSnより過剰に存在する場合は、Snのほぼ全てがNdにより消費されることから、主にNdInOが生成される。その結果、InへのSnのドーピング量が減少するため、ターゲットのバルク抵抗が上昇する場合がある。
一方、上記式を満たすようにNdの含有量をSnの含有量より少なくした場合、NdはSnにより消費されるが、過剰のSnはInにドープされる。これにより、ターゲットの抵抗値は小さくなり、安定したスパッタリングの状態が保てるようになる。
尚、Snの含有量[原子比:Sn/(Nd+In+Sn)]は、上述した関係を満たし、かつ、0.03〜0.45の範囲が好ましく、特に0.05〜0.3の範囲が好ましい。
上記のNd、In及びSnの原子比は、焼結前のインジウム化合物とスズ化合物とネオジウム化合物の混合比を調整することにより得られる。焼結前に混合比により、化学量論比率に見合うスズ化合物とネオジウム化合物からなるNdSn等のネオジウム・スズ化合物が生成し、インジウム化合物とネオジウム化合物からなるNdInO化合物を生成し、残りのインジウム化合物とスズ化合物が結晶性物質又は非晶質物質等として存在するものと推定される。
ターゲットIIIの製造方法としては、例えば、原料物質としてインジウム原子を含む化合物、スズ原子を含む化合物及びネオジウム原子を含む化合物を使用して、これらの混合物を焼結する方法が挙げられる。
インジウム原子を含む化合物、スズ原子を含む化合物及びネオジウム原子を含む化合物の具体例は、上述したターゲットI又はIIと同様である。
原料粉体を所定の形状に成形したものを焼成する。焼成条件は、1000〜1600℃である。好ましくは、1200〜1500℃、より好ましくは、1250〜1450℃である。1000℃未満では、Ndの反応性が低く、NdSnの生成やNdInOの生成が見られない場合がある。1600℃超では、Inの昇華や熱分解が起こり組成が変化したり、生成したNdSn、NdInOが分解したりする場合がある。
本発明では、焼結体がNdSn及び/又はNdInOを含有するが、この形態の酸化物は、焼結反応(熱反応)によって、形成することができる。
本発明のターゲットI〜IIIでは、ターゲットを構成する焼結体の密度が、好ましくは6.5g/cm以上、より好ましくは6.6〜7.2g/cm以上である。焼結体の密度が6.5g/cm未満では、ターゲット表面が黒化したりして異常放電が発生したりする場合がある。
密度の高い焼結体を得るには、焼成前の成形工程に冷間静水圧(CIP)等で成形したり、熱間静水圧(HIP)等により焼結することが好ましい。
本発明のターゲットを構成する焼結体は導電性が高い。特に上述したターゲットI及びターゲットIIIは高い導電性を有する。具体的に、ターゲットI及びターゲットIIIでは、バルク抵抗を5Ωcm以下にすることができる。さらに、1Ωcm以下も可能である。本発明においては、特に、本発明においては、特に、Nd/(Nd+Sn+In)<Sn/(Nd+Sn+In)の組成にすることによりバルク抵抗を小さくすることができる。
本発明のターゲットを使用して導電性膜を成膜できる。成膜の方法としては、RFマグネトロンスパッタリング法、DCマグネトロンスパッタリング法、エレクトロンビーム蒸着法、イオンプレーティング法等が使用できる。なかでもRFマグネトロンスパッタ法が好適に使用される。ターゲットのバルク抵抗が1Ωcmを超える場合、RFマグネトロンスパッタリング法を採用すれば、異常放電なしに安定したスパッタリング状態が保たれる。尚、ターゲットのバルク抵抗が1Ωcm以下である場合には、工業的に有利なDCマグネトロンスパッタリング法を採用することもできる。
これにより、異常放電なしに安定したスパッタリング状態が保たれ、工業的に連続して安定な成膜が可能となる。
実施例及び比較例で作製したターゲットの特性の測定方法を以下に示す。
(1)密度
一定の大きさに切り出したターゲットの、重量と外形寸法より算出した。
(2)ターゲット中の各元素の原子比
ICP(Inductively Coupled Plasma)測定により、各元素の存在量を測定した。
(3)ターゲットのバルク抵抗
抵抗率計(三菱油化製、ロレスタ)を使用し四探針法により測定した。
(4)ターゲット中に存在する酸化物の構造
X線回折により得られたチャートを分析することにより酸化物の構造を同定した。
実施例1
酸化インジウム460gと酸化ネオジウム540gとを混合させて、ドライビーズミルにて約5時間粉砕・混合した。
次いで、上記で得られた粉末を10mmφの金型に挿入し、金型プレス成形機により100kg/cmの圧力で予備成形を行った。次に、冷間静水圧プレス成形機により4t/cmの圧力で圧密化した後、1350℃で10時間焼成して焼結体を得た。この焼結体をターゲット(研削、研磨、バッキングプレートへの貼り付け)に加工した。
得られたターゲットについて、X線回折測定を行った結果、NdInO及びInを主成分とする酸化物からなることが確認された。図1に、作製したターゲットのX線チャートを示す。
ICP分析の結果、原子比[Nd/(Nd+In)]は0.49であった。
EPMA(Electron Probe Micro Analyzer)によるターゲットの面内の元素分布測定により、In、Ndの分散状態を確認した。その結果、その組成は実質的に均一であった。
また、ターゲットの密度は、6.86g/cmであり、バルク抵抗は、2MΩcm以上であった。
実施例2
酸化インジウム950gと酸化ネオジウム50gとを混合した他は、実施例1と同様にしてターゲットを作製した。
得られたターゲットについて、X線回折測定を行った結果、NdInO及びInを主成分とする酸化物からなることが確認された。
ICP分析の結果、原子比[Nd/(Nd+In)]は0.04であった。
EPMA(Electron Probe Micro Analyzer)によるターゲットの面内の元素分布測定により、In、Ndの分散状態を確認した。その結果、その組成は実質的に均一であった。
また、ターゲットの密度は、6.54g/cmであり、バルク抵抗は、0.026Ωcmであった。
実施例3
酸化スズ480gと酸化ネオジウム520gとを混合させて、ドライビーズミルにて約5時間粉砕・混合した。
次いで、得られた粉末を10mmφの金型に挿入し、金型プレス成形機により100kg/cmの圧力で予備成形を行った。次に、冷間静水圧プレス成形機により4t/cmの圧力で圧密化した後、1350℃で10時間焼成して焼結体としターゲットに加工した。
この様にして得られたターゲットは、X線回折測定の結果、NdSnを主成分とし、SnOと微量のNdからなることが確認された。図2に、作製したターゲットのX線チャートを示す。
ICP分析の結果、原子比[Nd/(Nd+Sn)]は0.49であった。
EPMAによるターゲットの面内の元素分布測定により、Sn、Ndの分散状態を確認したが、その組成は実質的に均一であった。また、ターゲットの密度は、6.96g/cmであり、バルク抵抗は、2MΩcm以上であった。
実施例4〜9
酸化インジウム、酸化スズ及び酸化ネオジウムの各粉末を、それぞれ表1に示す配合量にて混合し、ドライビーズミルにて約5時間粉砕・混合した。
次いで、得られた粉末を10mmφの金型に挿入し、金型プレス成形機により100kg/cmの圧力で予備成形を行った。次に、冷間静水圧プレス成形機により4t/cmの圧力で圧密化した後、1350℃で10時間焼成して焼結体としターゲットに加工した。
Figure 2008050639
この様にして得られたターゲットは、X線回折測定の結果、NdSn及びInを主成分とし、NdInOを含むことが確認された。
図3−7に、それぞれ実施例5−9で作製したターゲットのX線チャートを示す。
表2にターゲットのICP分析の結果、EPMAによる面内の元素分布測定結果、密度及びバルク抵抗を示す。
Figure 2008050639
比較例1
酸化インジウム150g、酸化スズ150g及び酸化ネオジウム700gの各粉末を、それぞれ混合し、ドライビーズミルにて約5時間粉砕・混合した。
次いで、得られた粉末を10mmφの金型に挿入し、金型プレス成形機により100kg/cmの圧力で予備成形を行った。次に、冷間静水圧プレス成形機により4t/cmの圧力で圧密化した後、1350℃で10時間焼成して焼結体としたが、焼結体が割れてターゲットに加工出来なかった。
得られた焼結体について、X線回折測定を行った結果、NdInO及びNdSn、Ndを主成分とする酸化物からなることが確認された。
ICP分析の結果、原子比[Nd/(Nd+In)]は0.67であった。
EPMAによる焼結体の面内の元素分布測定により、In、Ndの分散状態を確認した。その結果、その組成は実質的に不均一であった。
また、焼結体の密度は、5.64g/cmであり、バルク抵抗は、測定限界以上であった。
本発明のターゲットは、液晶表示装置(LCD)用透明導電膜、エレクトロルミネッセンス(EL)表示素子用透明導電膜、太陽電池用透明導電膜等、種々の用途の透明導電膜、酸化物半導体膜をスパッタリング法により得るためのターゲットとして好適である。例えば、有機EL素子の電極や、半透過・半反射LCD用の透明導電膜、液晶駆動用酸化物半導体膜、有機EL素子駆動用酸化物半導体膜を得ることができる。
実施例1で作製したターゲットのX線チャートである。 実施例3で作製したターゲットのX線チャートである。 実施例5で作製したターゲットのX線チャートである。 実施例6で作製したターゲットのX線チャートである。 実施例7で作製したターゲットのX線チャートである。 実施例8で作製したターゲットのX線チャートである。 実施例9で作製したターゲットのX線チャートである。

Claims (5)

  1. インジウム(In)及びネオジウム(Nd)を含有する酸化物のターゲットであって、NdInOで表される酸化物を含有することを特徴とする酸化物ターゲット。
  2. スズ(Sn)及びネオジウム(Nd)を含有する酸化物のターゲットあって、NdSnで表される酸化物を含有することを特徴とする酸化物ターゲット。
  3. インジウム(In)、スズ(Sn)及びネオジウム(Nd)を含有する酸化物のターゲットであって、NdSn及び/又はNdInOで表される酸化物を含有することを特徴とする酸化物ターゲット。
  4. 全カチオン金属元素に対するSnの含有量[Sn/(全カチオン金属元素):原子比]が、Ndの含有量[Nd/(全カチオン金属元素):原子比]より多いことを特徴とする請求項3に記載の酸化物ターゲット。
  5. 密度が6.5g/cm以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の酸化物ターゲット。
JP2006226340A 2006-08-10 2006-08-23 酸化ネオジム含有酸化物ターゲット Active JP4960041B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006226340A JP4960041B2 (ja) 2006-08-23 2006-08-23 酸化ネオジム含有酸化物ターゲット
CN2007800294770A CN101501240B (zh) 2006-08-10 2007-08-06 含镧系元素的氧化物靶
US12/376,838 US8038911B2 (en) 2006-08-10 2007-08-06 Lanthanoid-containing oxide target
PCT/JP2007/065346 WO2008018403A1 (fr) 2006-08-10 2007-08-06 Cible d'oxyde contenant du lanthanide
KR1020097002580A KR20090051170A (ko) 2006-08-10 2007-08-06 란타노이드 함유 산화물 타겟
TW096129735A TWI441933B (zh) 2006-08-10 2007-08-10 Targets containing oxides of lanthanides

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006226340A JP4960041B2 (ja) 2006-08-23 2006-08-23 酸化ネオジム含有酸化物ターゲット

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008050639A true JP2008050639A (ja) 2008-03-06
JP4960041B2 JP4960041B2 (ja) 2012-06-27

Family

ID=39234963

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006226340A Active JP4960041B2 (ja) 2006-08-10 2006-08-23 酸化ネオジム含有酸化物ターゲット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4960041B2 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004146136A (ja) * 2002-10-23 2004-05-20 Idemitsu Kosan Co Ltd 有機電界発光素子用電極基板およびその製造方法並びに有機el発光装置
JP2004158315A (ja) * 2002-11-07 2004-06-03 Idemitsu Kosan Co Ltd 有機電界発光素子用電極基板および有機el発光装置
JP2004240091A (ja) * 2003-02-05 2004-08-26 Idemitsu Kosan Co Ltd 半透過半反射型電極基板の製造方法
JP2007111898A (ja) * 2005-10-18 2007-05-10 Kobe Steel Ltd 光情報記録媒体用の記録層およびスパッタリングターゲット、並びに光情報記録媒体

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004146136A (ja) * 2002-10-23 2004-05-20 Idemitsu Kosan Co Ltd 有機電界発光素子用電極基板およびその製造方法並びに有機el発光装置
JP2004158315A (ja) * 2002-11-07 2004-06-03 Idemitsu Kosan Co Ltd 有機電界発光素子用電極基板および有機el発光装置
JP2004240091A (ja) * 2003-02-05 2004-08-26 Idemitsu Kosan Co Ltd 半透過半反射型電極基板の製造方法
JP2007111898A (ja) * 2005-10-18 2007-05-10 Kobe Steel Ltd 光情報記録媒体用の記録層およびスパッタリングターゲット、並びに光情報記録媒体

Also Published As

Publication number Publication date
JP4960041B2 (ja) 2012-06-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4850378B2 (ja) スパッタリングターゲット、透明導電性酸化物、およびスパッタリングターゲットの製造方法
TWI441933B (zh) Targets containing oxides of lanthanides
JP4926977B2 (ja) 酸化ガリウム−酸化亜鉛系焼結体スパッタリングターゲット
JP4054054B2 (ja) 酸化ガリウム−酸化亜鉛系スパッタリングターゲット、透明導電膜の形成方法及び透明導電膜
TWI394852B (zh) A sputtering target, a method for manufacturing the same, and a transparent conductive film
EP2463256B1 (en) Oxide sinter, method for producing same, target and transparent conductive film
JP4098345B2 (ja) 酸化ガリウム−酸化亜鉛系スパッタリングターゲット、透明導電膜の形成方法及び透明導電膜
JP4488184B2 (ja) 酸化インジウム−酸化亜鉛−酸化マグネシウム系スパッタリングターゲット及び透明導電膜
JP5089386B2 (ja) In・Sm酸化物系スパッタリングターゲット
JPWO2011115177A1 (ja) 透明導電膜
JP5000230B2 (ja) 酸化ランタン含有酸化物ターゲット
TWI387574B (zh) Oxide sintered body for the manufacture of transparent conductive films
JP4960052B2 (ja) 酸化イッテルビウム含有酸化物ターゲット
JP5000231B2 (ja) 酸化ガドリニウム含有酸化物ターゲット
JP5063968B2 (ja) 酸化エルビウム含有酸化物ターゲット
JP5087605B2 (ja) 酸化インジウム−酸化亜鉛−酸化マグネシウム系スパッタリングターゲット及び透明導電膜
JP4960041B2 (ja) 酸化ネオジム含有酸化物ターゲット
JP4960053B2 (ja) 酸化ジスプロシウム含有酸化物ターゲット
JP2003239063A (ja) 透明導電性薄膜とその製造方法及びその製造に用いるスパッタリングターゲット
KR20150039753A (ko) 산화물 소결체 및 그것을 가공한 테블렛
JP2012148937A (ja) 導電性複合酸化物、酸化亜鉛系焼結体、その製造方法およびターゲット
JP2017014534A (ja) スパッタリングターゲット及びその製造方法
JP2020164957A (ja) スパッタリングターゲットおよび、スパッタリングターゲットの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090217

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111206

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120130

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120221

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120322

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150330

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150