JP2000214309A - ブラックマトリックス薄膜付き基板、カラ―フィルタ基板、ブラックマトリックス薄膜形成用タ―ゲットおよび基板の製造方法 - Google Patents

ブラックマトリックス薄膜付き基板、カラ―フィルタ基板、ブラックマトリックス薄膜形成用タ―ゲットおよび基板の製造方法

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JP2000214309A
JP2000214309A JP11015105A JP1510599A JP2000214309A JP 2000214309 A JP2000214309 A JP 2000214309A JP 11015105 A JP11015105 A JP 11015105A JP 1510599 A JP1510599 A JP 1510599A JP 2000214309 A JP2000214309 A JP 2000214309A
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black matrix
substrate
film
etching
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English (en)
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Satoru Takagi
悟 高木
Arinori Aoshima
有紀 青嶋
Takeshi Kuboi
健 久保井
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Proterial Ltd
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Asahi Glass Co Ltd
Hitachi Metals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 Crに代えることのできる優れた光学特性、
耐久性、エッチング加工性を兼ね備えたMoTa合金の
ブラックマトリックス薄膜を提供する。 【解決手段】 Taを1〜13重量%含有し、残部が実
質的にMoである薄膜を基板上に設けた。またこれらの
元素の酸化物、窒化物、炭化物あるいはそれらの組み合
わせを用いることもできる。その薄膜とカラーフィルタ
膜を組み合わせカラーフィルタ基板を作成する。Ta1
〜13重量%を含有し残部がMoであり、かつ不純物元
素としてAl+Si+Mn+Ca≦0.1重量%である
ブラックマトリックス薄膜形成用ターゲットと、それを
用いて、不活性ガス、酸素、窒素、炭素を含有するガス
あるいはこれらの混合ガス中のいずれかで、基板上にス
パッタリングして薄膜を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶やプラズマデ
ィスプレイなどの表示装置に用いられる遮光膜であるブ
ラックマトリックス薄膜付き基板に関するものであり、
これは、特に光学特性が良く、耐食性が良好であるとと
もに、特定のエッチング液ではエッチング加工性も良
い。さらに、本発明のブラックマトリックス薄膜付き基
板を用いたカラーフィルタ基板、ブラックマトリックス
薄膜を形成するためのターゲット、及びこのターゲット
を用いて形成するブラックマトリックス薄膜を付けた基
板の製造方法に関するものも含む。
【0002】
【従来の技術】液晶やプラズマディスプレイなどでは、
光源からの光を赤、青、緑の色材を透過させることによ
り、カラー表示を可能とする部材をカラーフィルタと呼
ぶ。このカラーフィルタにある遮光膜は、一般的にブラ
ックマトリックスと呼ばれており、コントラストの向上
や色材の混色防止を目的としてガラス基板などに成膜さ
れる。
【0003】ブラックマトリックスの特性で最も重要な
特性は光学特性であり、光学特性としては遮光率が高い
ことと、反射率の低いことである。
【0004】混色を防止するためには、光源からの必要
のない光を十分に遮光することが必要である。この遮光
率は透過光の減衰量を示す光学濃度(OD)=−log
(I/I0 )で表すことができる。Iは透過光の強度、
0 は入射光の強度である。この光学濃度の数値が高い
ほど光を遮蔽している。
【0005】また、表示側(観察者側)で反射率が高い
と外部からの光が反射されて、反射光の光が表示画像の
コントラストを低下させるので反射率を低くすることが
必要である。反射率は例えば特定波長の光を薄膜に特定
角度を持って入射させ、反射する光を測定することで評
価することができる。
【0006】ブラックマトリックスはスパッタリング法
で成膜を行い、フォトリソグラフィ法によりパターニン
グする製造方法が従来から採られている。このように形
成したブラックマトリックスの上に色材膜からなるカラ
ーフィルタが形成される。この工程では、例えばブラッ
クマトリックスが形成されているガラス基板上に、感光
性の着色樹脂をスピン塗布し、マスクを介して露光し、
現像により着色樹脂をパターニングして、アルカリ水溶
液などを用いてエッチング加工を行い着色樹脂をパター
ニングする。カラーフィルタの場合は、赤,緑,青の3
種類の色材膜を形成する必要があるので、上の工程を3
回繰り返す。更に保護膜を塗布し、最後にITO透明電
極を形成してカラーフィルタの完成となる。
【0007】上述した製造方法はフォトリソグラフィ法
であり、種々のカラーフィルタ製造方法が提案されてい
るなかの1つである。しかし、多くの製造方法では、ブ
ラックマトリックスをエッチング加工で形成するため、
ブラックマトリックス材には使用するエッチング液に対
してはエッチング性が要求される。かつ、色材膜の形成
や手直しなどを行う際に、ブラックマトリックスがアル
カリ性溶液、酸性溶液、温水などと接触するので、ブラ
ックマトリックスにはある程度の耐食性が製造上の面か
ら要求される。
【0008】ブラックマトリックス材としては、特開平
8−220326号公報に記載されているように、化学
組成的には金属クロム、酸化クロム、モリブデン、カー
ボンなどが用いられているが、金属クロム及び酸化クロ
ムは遮光性、成膜性、エッチング加工性などから好適で
あるとされている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】Cr膜は、反射率が低
く、かつ光を透過しにくい膜となり、ブラックマトリッ
クスとしては非常に良い光学特性を有する。また、Cr
は上述した色材膜を形成する際などに使用される腐食性
溶液に対して優れた耐食性をも合わせ持っている。
【0010】しかし、一方で昨今の環境問題への関心の
高まりから、Crに代わり得るブラックマトリックスの
実用化が望まれている。
【0011】このような背景から、NiCu合金などが
開発され、これらの光学的特性が優れていることは既に
広く知られている。しかし、NiCu合金では耐酸性が
低く、上述したカラーフィルタの製造工程で腐食されて
しまい、光学濃度が低くなるという問題を生じる。この
ために歩留まりが低くなるなどの問題が解決できていな
い。
【0012】また、特開平9−243801号や特開平
9−244014号公報ではMoTa合金が提案されて
いる。しかし、これらでは、Ta含有量の変化がブラッ
クマトリックス薄膜の必要特性に与える影響が議論され
ていない。このために、実際には、過去に提案されたM
oTa合金でのブラックマトリックス薄膜は、必要特性
を部分的に満たしたのみであり、量産されるに至ってい
ない。
【0013】すなわち、特開平9−243801号公報
では、Ni−Fe系、Ni−Mo系、Ni−W系が主に
検討されているだけで、MoTa系は十分には検討され
ておらず。さらに、議論されているのは、遮光性や反射
率などの光学的特性のみで、エッチング加工性や耐食性
などの必要特性は全く議論されていない。
【0014】また、特開平9−244014号公報で
は、MoTa系についての記載があり、光学特性、金属
膜と酸化物などの化合物とのエッチング速度の均一性、
3 PO4 とHNO3 +CH3 COOHからなる混酸で
のエッチング性などについては議論されている。しか
し、実際に検討されているのはMo−15Ta[重量
%]のみであり、Ta含有量の変化にともなうMoTa
系薄膜の議論はされていない。すなわち、従来のCr膜
のエッチング工程で一般に使用されているCe(N
4 2 (NO3 6 +HClO4 +H2 O(以下Cr
エッチャント)でのエッチング速度、および耐酸性、耐
アルカリ性、耐熱性などの耐久性の議論は殆どされてい
ない。
【0015】まとめると、従来のMoTa系ブラックマ
トリックス薄膜は、Crエッチング液によるエッチング
性が検討されていないために、エッチング液の変更が必
要とされている。このために、エッチングメーカーには
新たな設備を導入するか改造が必要であったために、容
易には提案されているようなMoTa系ブラックマトリ
ックス薄膜の製造をすることが出来なかった。また、耐
久性の検討がなされていなかったためにエッチング加工
時の不良率が高い、あるいはエッチング速度の検討がな
されていなかったために生産に必要な時間が長時間であ
ったために、量産に移行できなかったことは容易に想像
できる。
【0016】そこで、本発明はCrに代えることの出来
る優れた光学特性及び製造するために要求される耐久
性、エッチング加工性を兼ね備えたMoTa合金のブラ
ックマトリックス薄膜を提供することを目的とする。
【0017】また、本発明は、上記のブラックマトリッ
クス薄膜を付けた基板を用いたカラーフィルタ基板を提
供することを目的とする。
【0018】また、本発明はCrを含有せずに、優れた
光学特性、耐食性及びエッチング加工性を兼ね備えたブ
ラックマトリックス薄膜を形成するためのターゲットを
提供することも目的とする。
【0019】更にまた、本発明は上記のターゲットを用
いたブラックマトリックス薄膜を付けた基板の製造方法
を提供することも目的としている。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上述した問
題に鑑み、種々の検討を行ったところ、下記によって問
題が解決できることを見出した。
【0021】Ta1〜13重量%を含有し、残部が実質
的にMoである薄膜を基板上に設けたことを特徴とする
ブラックマトリックス薄膜付き基板を用いることで可能
になる。好ましいTa含有量としては、2〜8重量%で
ある。
【0022】また、金属元素として重量比で、Mo:T
a=87〜99:13〜1であり、かつ前記Moもしく
はTaの酸化物、窒化物、炭化物のいずれか1種もしく
は2種以上の化合物を含有する薄膜を基板上に設けるこ
とを特徴とするブラックマトリックス薄膜付き基板を用
いることでも可能となる。この場合でも、好ましいTa
含有量比は2〜8である。
【0023】上記のいずれかに記載の薄膜を複数層積層
した構造を特徴とするブラックマトリックス薄膜付き基
板によって、光学的な特性の最適化がはかれる。
【0024】さらに、このブラックマトリックス薄膜付
き基板において、反射抑制性能を付与する遮光率の低い
膜を基板側に積層した構造をしたブラックマトリックス
薄膜付き基板にすることによって、高い遮光性と低い反
射率を兼ね備えた特性を得ることが可能となる。
【0025】これらのMoTa系ブラックマトリックス
薄膜の不純物量を、Al+Si+Mn+Ca≦0.1重
量%とすることによって、耐食性の向上がはかられる。
より好ましい範囲はAl+Mn+Si+Ca≦0.05
重量%である。
【0026】本発明のカラーフィルタ基板は、上述した
ブラックマトリックス薄膜に、カラーフィルタ膜を組み
合わせて基板上形成したものである。
【0027】これらのブラックマトリックス薄膜を製造
するためには、Ta1〜13重量%を含有し残部がMo
であり、かつ不純物元素としてAl+Si+Mn+Ca
≦0.1重量%であるターゲットを用いて、スパッタリ
ングによって成膜することが可能である。
【0028】上述したターゲットを用いてスパッタリン
グによって、不活性ガス、酸素、窒素、炭素を含有する
ガスあるいはこれらの混合ガス中で、基板上にブラック
マトリックス薄膜を付けた基板が製造できることを見出
した。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明の重要な特徴は、エッチン
グ廃液の処理が容易なブラックマトリックスとしてMo
Ta系薄膜で光学特性、耐久性及びエッチング加工性に
優れているTa含有量や含有量比を見出したことであ
る。
【0030】本発明者は、MoTa系ブラックマトリッ
クス薄膜に関しての検討を行った。その結果、Ta含有
量が、ブラックマトリックス薄膜に必要とされる特性に
大きな影響を与えることを見出した。
【0031】まず、Ta含有量の増加にともないエッチ
ング速度が著しく変化することである。例えば、本発明
者の検討によると、Mo99Ta[重量%]の金属薄膜
では、ウエットエッチングでのエッチング加工は殆ど不
可能であり、ドライエッチングでしか量産規模でのエッ
チング加工の生産は困難である。しかし、ドライエッチ
ング工程に変更すると、カラーフィルタの製造に従来の
Cr膜に対応した生産設備は全く使用出来ないので、多
額の設備投資が必要となるし、ドライエッチング工程は
一般にウエットエッチングに比較して生産コストが上昇
するので、実際の生産には全く適さない。
【0032】また、上記の公知例に、Mo15Ta[重
量%]では、" H3 PO4 +HNO 3 +CH3 COO
H" からなる混酸でのエッチング性は記載されている。
しかし、本発明者の検討によると、Cr膜のエッチング
加工に最も一般的に使用されてCrエッチャントでは、
Mo15Ta[重量%]のエッチング速度は著しく遅
く、生産性が低い。よって、これらの公知例にあるMo
Ta系ブラックマトリックス薄膜では、エッチング設備
や工程の見直しが必要となる。
【0033】本発明者が検討した結果、Ta含有量が1
3重量%以下のMoTa金属薄膜、あるいは金属元素と
して重量比で、Mo:Ta=87〜99:13〜1であ
り、かつ前記MoもしくはTaの酸化物、窒化物、炭化
物のいずれか1種もしくは2種以上の化合物膜は、Cr
エッチャントでのエッチング加工が可能である。しか
し、この値を超えてTa含有量が増加すると、Crエッ
チャントでのエッチング速度の低下に伴い、生産性が著
しく低下する。
【0034】また、2層以上の膜構造のブラックマトリ
ックスで、長い時間をかけてエッチングを行った場合に
は、膜と膜の界面から剥がれるようにエッチングされて
しまう。このために、Ta13重量%を超えると高精度
のエッチング加工が困難であり、著しい場合にはカラー
フィルタの生産が不可能である。
【0035】さらに、本発明者はエッチング加工におい
て速度の面以外でも、加工精度が問題となる。この加工
精度もTa含有量を最適化することによって達成される
ことを見出した。
【0036】Ta含有量が1重量%以上のMoTa金属
薄膜、あるいは金属元素として重量比で、Mo:Ta=
87〜99:13〜1であり、かつ前記MoもしくはT
aの酸化物、窒化物、炭化物のいずれか1種もしくは2
種以上の化合物膜は、エッチング加工の際のサイドエッ
チング量が少なく、高精細の表示装置にも対応可能なエ
ッチング加工が可能である。しかし、Ta含有量がこの
量未満になると、サイドエッチング量が大きくなり、高
精細用の微細な加工が出来なくなる。さらに純Moにな
ると、膜が剥がれるようにエッチングされるようにな
り、全くカラーフィルタが製造出来ない状態になる場合
もある。
【0037】また、上述した2つの公知例では全く議論
されていないが、MoTa系ブラックマトリックス薄膜
において問題となるのが、耐熱性である。これは、カラ
ーフィルタの製造工程で、200℃程度に加熱された際
に、金属膜が表面から酸化されるために遮光性の低下、
すなわち光学濃度が変化するという問題である。この光
学濃度の変化もTa含有量と密接に関係していることが
本発明者の検討で見出された。
【0038】Ta含有量が13重量%以下のMoTa金
属薄膜、あるいは金属元素として重量比で、Mo:Ta
=86〜99:13〜1であり、かつ前記Moもしくは
Taの酸化物、窒化物、炭化物のいずれか1種もしくは
2種以上の化合物を含有する膜では、光学濃度変化(Δ
OD)は0.2以下である。しかし、Ta含有量の増加
にともない徐々に光学濃度の変化が大きくなり、Ta含
有量がこの量以上になると0.3以上変化し、ブラック
マトリックス薄膜の特性上問題となる。
【0039】さらに、MoTa系ブラックマトリックス
薄膜において問題となるのがアルカリ溶液に対する耐食
性である。これもTa含有量を最適化することによっ
て、必要なレベルの耐食性を確保できることを本発明者
は見出した。
【0040】すなわち、本発明者は、Ta含有量が1重
量%未満のMoTa金属薄膜、あるいは金属元素として
重量比で、Mo:Ta=99を超える:1未満であり、
かつ前記MoもしくはTaの酸化物、窒化物、炭化物の
いずれか1種もしくは2種以上を含有する化合物膜は、
アルカリ溶液中で腐食されてしまい。膜剥がれや光学濃
度変化ΔODが0.2を超えるといった問題を生じるこ
とを見出した。
【0041】このように、MoTa系ブラックマトリッ
クス薄膜においては、Ta含有量と種々の必要特性は非
常に密接であり、Ta含有量の最適化は重要であること
は明らかであるが、これまでは明確にされていなかっ
た。
【0042】そこで、Ta含有量と種々の特性変化を詳
細に検討した。その結果を総合的に判断すると、Ta含
有量が1〜13重量%のMoTa金属、あるいは金属元
素として重量比で、Mo:Ta=87〜99:13〜1
であり、かつ前記MoもしくはTaの酸化物、窒化物、
炭化物のいずれか1種もしくは2種以上の化合物を含有
するブラックマトリックス薄膜とすることで、耐酸性、
耐アルカリ性、耐熱性などの耐久性およびエッチング性
を満足する。のみならず、エッチング加工も従来のCr
エッチャントを使用することで可能であるために、新た
な設備の導入や改造を行うことなく、Crを含まないブ
ラックマトリックス薄膜の生産が可能であることを明ら
かにしたことが最も重要な発明である。もちろん、本発
明のMoTa系ブラックマトリックス薄膜は、カラーフ
ィルタの生産の際に必要とされる光学的特性(光学濃
度)は膜厚100nmの金属膜で4以上、かつ反射率は
70%以下とすることができる。
【0043】一方、本発明者はこれらの耐久性とエッチ
ング性に優れたMoTa系ブラックマトリックス薄膜の
詳細な検討も行った。MoTa系炭化物、窒化物、酸化
物は、それらの炭素、窒素、酸素含有量を変化させるこ
とによって、遮光性や反射率を変化させることが可能に
なる。よって、単層膜として使用する場合においては、
炭素などを含有させて、金属膜より低反射の膜を得るこ
とが可能となり、材質変化に伴う光学濃度の低下は膜厚
を厚くして補い、得ようとする特性を有する単層膜をえ
ることが可能である。これらの金属、炭化物、窒化物、
酸化物を複数含んだブラックマトリックス薄膜にするこ
とによって、上述したエッチング性などの特性を損なう
ことなく、さらに微妙な光学特性の制御が可能となるこ
とも見出した。
【0044】さらに、本発明の薄膜を他の金属等の遮光
膜に積層して多層膜として用いる場合には、この薄膜は
MoTa系の酸化物、窒化物、酸窒化物というようなか
なり透明性の高い低反射膜として用いてもよい。もちろ
ん、MoTa系の遮光膜とMoTa系の低反射膜との積
層による多層膜にすることにより、光学特性、エッチン
グ特性の両方に優れたブラックマトリックス薄膜付き基
板を容易に得ることができる。
【0045】さらに、ブラックマトリックス薄膜に含ま
れるAl、Si、Mn、CaをAl+Si+Mn+Ca
≦0.1重量%にすることによって、エッチングの加工
精度を向上させることが可能となる。
【0046】この理由は、Al、Si、Mn、Caは酸
化物などを生成しやすい元素である。酸化物はスパッタ
ガスに不純物あるいは反応性ガスとして含まれる酸素と
反応しても生成される。これらの酸化物が生成される
と、エッチング加工の際にこの酸化物が欠けるようにエ
ッチングされてしまい欠陥部分となりやすい。よって、
エッチング加工時のサイドエッチング量が増加して、高
精度のエッチング加工が出来なくなりやすい。高精度の
エッチング加工を行う製品では、Al、Si、Mn、C
aの含有量は低くすることが必要である。
【0047】さらに、これらのMoTa系金属、炭化
物、窒化物、酸化物およびこれらの複合膜を積層したブ
ラックマトリックス薄膜とすることによって、光学的特
性を向上させるが、耐久性やエッチング性は損なわれる
ことはない。
【0048】前記の積層した構造を、基板側に積層する
ことによって反射抑制性能を付与する遮光率の低い膜を
形成した構造にすることによって、基板側での反射率を
著しく低減できる。これは、液晶など光の弱い表示装置
用のブラックマトリックス薄膜として使用される場合に
は、低反射の特性は、画像を鮮明にするために必要な特
性である。
【0049】この膜はMoTa系の金属、炭化物、窒化
物、酸化物の組み合わせで可能であるが、SiO2 膜な
ど公知の遮光率の低い薄膜と遮光率の高いMoTa金属
膜の組み合わせでも可能になる。
【0050】さらに、スパッタリング時のガスの酸素、
窒素、酸窒素量を変化させる事によって、MoTa系の
酸化物、窒化物、酸窒化物の透過率を変化させることも
できる。すなわち、酸素、窒素、酸窒素のガス成分を高
くすると透過率が高くなる。
【0051】また、炭素、酸素、窒素含有ガスを混合し
てスパッタすることによって、炭化物、酸化物、窒化物
を2種類以上含む膜を製造することができて、光学特性
を制御することができる。スパッタリングガスとして
は、Arなどの不活性ガスの中に酸素ガス(O2 )、窒
素ガス(N2 )、窒素を含有するガス(亜酸化窒素N2
O、二酸化窒素NO2 、アンモニアガスNH3 )、炭素
を含有するガス(二酸化炭素CO2 、一酸化炭素CO、
メタンCH4 など)などを一種あるいは二種以上混合し
て適当量添加してスパッタリングすることができる。あ
るいは、ターゲットの中に酸化物、窒化物、炭化物など
を含有させておいて、スパッタリングして、酸化物、窒
化物、炭化物などを含有する薄膜とすることができる。
【0052】得たい膜組成と同じ組成のMoTa系合金
ターゲットを使用して、スパッタを行うことによって、
上述してきた化学組成のブラックマトリックス薄膜が得
られることを見出した。ターゲットに含有されるAl、
Si、Mn、Caなどの元素を低くすることによって、
ブラックマトリックス薄膜に含有されるこれらの元素も
低減することができ、上述したように高精度のエッチン
グが可能となる。
【0053】ターゲットの製造方法としては、MoとT
aの各粉末を用いて、熱間静水圧プレスを用いて焼結し
て製造することで可能である。これ以外の方法として
は、電子ビーム溶解やプラズマ溶解によって鋼塊を得
て、これを熱間あるいは冷間で所定の形状に加工するこ
とによっても得られる。しかし、粉末焼結法が最も容易
に製造が可能である。
【0054】本発明のブラックマトリックス薄膜を付け
た基板は、カラーフィルタの遮光膜、ネガ型表示素子の
遮光膜、TFT等の能動素子の遮光膜として用いられ
る。カラーフィルタの遮光膜として用いる場合には、通
常ブラックマトリックス薄膜を付けた基板を準備し、こ
れに公知のカラーフィルタ製造方法でカラーフィルタを
形成すればよい。このカラーフィルタの製造方法として
は、顔料分散法、印刷法、電着法、インクジェット法等
の製造方法がある。
【0055】このブラックマトリックスとカラーフィル
タは一部が重なるように形成されていてもよいし、ぴっ
たり密接するようにされていてもよい。カラーフィルタ
としては、通常はRGB3色のカラーフィルタが配置さ
れるが、これに限定されない。
【0056】液晶表示素子に用いる場合には、カラーフ
ィルタ上に必要に応じてカラーフィルタ層の凹凸をなら
すためまたは絶縁性を確保するための絶縁層を形成す
る。この絶縁層は、具体的には、アクリル樹脂、エポキ
シ樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド、ポリアミド等の
樹脂が使用されるが、無くてもよい。さらにこの層の上
に、必要に応じて電極との接合性を向上するため等の目
的でSiO2 、SiN、TiO2 等の無機物の膜を形成
してもよい。
【0057】電極は、ITO(In2 3 −Sn
2 )、SnO2 、ZnO等の透明電極が一般に使用さ
れるが、反射型素子等で反射性電極を用いてもよい。さ
らに、液晶表示素子として使用する場合には、この電極
と絶縁層上に通常ポリイミド、ポリアミド等の配向膜を
塗布乾燥し、ラビング等により配向処理を施す。液晶表
示素子の場合には、このようにして形成したカラーフィ
ルタ基板と別途製造した電極付き基板とを電極面が相対
向するように配置して、その間に液晶層を挟持する。
【0058】この電極間に挟持される液晶層としては、
通常のツイステッドネマチック(TN)型液晶表示素子
やSTN型液晶表示素子等用にはネマチック液晶が用い
られる。この他、2色性色素を用いたゲストホスト液
晶、コレステリック液晶、強誘電性液晶等の液体状液晶
の他、固体状の高分子液晶や、樹脂マトリックス中に液
晶が分散している分散型液晶も使用できる。
【0059】上記の説明では、液晶表示素子に用いる例
を説明したが、本発明のブラックマトリックス薄膜付き
の基板は、他の遮光膜付きの素子、特に表示素子、たと
えばPDP、ELD、エレクトロクロミック表示素子
(ECD)等のフラットパネルディスプレイにも適応し
うる。
【0060】
【実施例】発明の実施例を以下に示す。
【0061】ターゲットは、純Taと純Moの各粉末を
用いて、粉末焼結法で作製した。そして、表1に示す化
学組成のターゲット得て、DCマグネトロンスパッタリ
ング装置を用いて、コーニング社製#7059ガラス基
板に、約100nmの膜厚の薄膜を成膜した試料で評価
を行った。その際は、0.5Paの圧力でスパッタリン
グを行った。
【0062】表2に得られた単層膜の組成比とスパッタ
ガスの条件を示す。表3に光学特性、表4に耐久性とエ
ッチング性などの単層膜の特性を評価した結果を示す。
耐久性は試験前後の光学濃度の変化で示した。また、耐
酸性の評価には5重量%の硫酸水溶液、耐アルカリ性の
評価には5重量%の水酸化ナトリウム水溶液、耐熱性の
評価には大気中で250℃×30分の熱処理で行った。
エッチング性についてはCrエッチャント(Ce(NH
4 2 (NO3 6 :HClO4 :H2 O=165g:
30cc:1000cc)を用いて評価を行った。エッ
チング速度の評価は、5分間Crエッチャントに浸漬し
て、腐食後に生じた膜の段差で評価を行った。エッチン
グ精度は、レジストの端より最もエッチングが進行した
部分までの距離、すなわちサイドエッチング量で評価を
行った。
【0063】表1と表2の比較からわかるように、ター
ゲットのTaとMoの比と膜のTaとMoの比はほぼ同
一になっていることから、ターゲット組成によって膜組
成が制御できることがわかる。
【0064】表3からわかるように、全てのMoTa系
薄膜で、反射率と遮光性の光学的特性は満足している。
【0065】表4に示した耐酸性は、Ta含有量が多い
ほど優れている。本発明の組成であるc〜g、l、m、
o、p、r、s、u〜xで0.1以下であり、特にTa
を2重量%以上含有している本発明膜では0.0となっ
ている。一方、Ta含有量が1重量%未満のa,bでは
光学濃度の変化は0.1以上変化しており、若干使用限
度に近い値を示す。
【0066】耐アルカリ性でも、Ta含有量が多いほど
優れており、Ta含有量が1重量%未満以下の膜では使
用限界以上の値を示すようになる。具体的には、純Mo
では部分的に剥がれるように腐食されるためにブラック
マトリックス薄膜としては使用出来ない。また、Ta含
有量が1重量%未満のb、k、n、q、tでは光学濃度
が0.2〜0.3変化しており、問題となる値である。
本発明の組成範囲にあるcでは0.1〜0.2であり、
d、e、l、m、o、p、r、s、u、w、xでは光学
濃度の変化は0.0〜0.1とTa含有量の増加にとも
ない耐アルカリ性が向上し、f、g、h、i、j、yで
は光学濃度の変化は0.0とさらに向上する。
【0067】耐熱性は、金属膜a〜fの比較的にTa含
有量が少ないものでは光学濃度の変化が0.0〜0.1
と良好である。一方、これらよりもTa含有量の多いg
での光学濃度の変化は0.1〜0.2と大きくなってお
り、耐熱性が使用の限界値になっている。さらに、Ta
含有量が13重量%を超えているh〜jでは0.1〜
0.3となっており、使用上問題となる。一方、化合物
膜k〜yでは光学濃度の変化が0.1以下と耐熱性は良
好である。
【0068】エッチング性はTa含有量に非常に敏感で
あり、エッチング速度はTa含有量の増加に伴い顕著に
低下し、エッチングの加工精度はTa含有量の増加に伴
い顕著に向上する。
【0069】Ta含有量増加にともなうエッチング速度
の低下はa〜jの比較から顕著にわかる。a〜fではエ
ッチング速度が0.5nm/秒以上あり非常に良好な速
度である。しかし、Ta含有量が12.6重量%である
gになると、速度は0.1nm/秒となり、量産におけ
る生産性を考えると限界値にまで低下する。さらに、本
発明の組成範囲外であるTa含有量が13重量%を超え
たh〜jでは0.1nm/秒未満となり、全く生産性が
ない値にまで低下する。特に、Ta含有量が35.6重
量%であるjでは、Crエッチャントでの腐食後に光学
濃度の変化が認められないほど、エッチング性が低下し
ている。
【0070】化合物膜に関しても同様であり、k〜mの
比較、n〜pの比較、q〜sの比較、t〜yの比較から
わかるように、Ta含有量の増加にともないエッチング
速度が低下する。特に、Ta含有量比が15.2重量%
であるyでは、速度が0.1nm/秒未満となっており
量産性はない。
【0071】エッチング精度(サイドエッチング量)
は、先ず、金属膜のa〜jでは、Ta含有量が1重量%
未満のa、bでは精度が3μmよりも悪い値となってお
り、著しくエッチング加工精度が低く、高精細のカラー
フィルタに要求される加工精度が得られない。Ta含有
量が1重量%以上であるcでは1.9μmとなってお
り、2μm以下の良好な精度となっており、さらにTa
含有量が2重量%以上であるd〜iでは更に向上してい
るが、Ta含有量7.9重量%のfで精度は一定とな
り、これ以上Ta含有量が増加しても精度の向上効果は
見られない。また、Ta含有量35.6重量%のjで
は、適当な時間ではエッチング加工が出来ないために、
測定が出来なかった。
【0072】化合物膜のエッチング精度の特性も、金属
膜と同様の傾向があり、Ta含有量の増加とともに精度
が向上する。これは、k〜mの比較、n〜pの比較、q
〜sの比較、t〜yの比較で、Ta含有量比が1重量%
未満であるk、n、q、tで精度が3μm以上の低い加
工精度の値を示していることで顕著にわかる。
【0073】これらのブラックマトリックス薄膜に必要
な特性をまとめると、Ta含有の重量%あるいは金属元
素としての含有量比が1〜13の本発明の範囲にあるc
〜g、l、m、o、p、r、s、u〜xがバランス良く
耐久性とエッチング性を兼ね備えていることがわかる。
特にTa含有の重量%あるいは金属元素としての含有量
比が2〜8の好ましい範囲にあるd〜f、l、m、o、
p、r、s、u〜xでは、特にカラーフィルタの生産に
おいて非常に好ましい特性を有していることがわかる。
【0074】
【表1】
【0075】
【表2】
【0076】
【表3】
【0077】
【表4】
【0078】表5にAl+Si+Mn+Caの増加によ
るエッチング精度の低下を評価した膜の詳細を示す。ま
た、表6に膜のエッチング精度を示す。表5のα〜γに
詳細を示したサンプルによって、Al+Si+Mn+C
aの含有量の変化がエッチング精度に及ぼす影響を調査
した。
【0079】表6からわかるように、Al+Si+Mn
+Caが0.0198重量%のαではエッチング精度が
1.0μmと非常に優れている。しかし、Al+Si+
Mn+Caが本発明の好ましい範囲の限界値に近い0.
0956重量%のβではエッチング精度は2.9μmと
高精度を要求される場合のエッチング加工精度の使用限
界値となっている。さらに、Al+Si+Mn+Caが
本発明の範囲を超えている0.1005重量%のγで
は、エッチング精度は3.1μmと高精度を要求される
場合には低い製造上問題となる値になっている。
【0080】
【表5】
【0081】
【表6】
【0082】表7に多層膜の構造と各層のスパッタ条件
を示す。この表で1層目が基板側である。ターゲットと
は、表1のターゲットのことである。また、表7に示し
たブラックマトリックス多層薄膜の光学的特性を表8に
示し、耐久性とエッチング性を表9に示す。ただし、反
射率の測定は、基板側で行い。耐久性とエッチング性の
試験は単層膜と同様の評価方法である。
【0083】表8の反射率をみるとわかるように、1層
目に2層目より高い透過率の膜の2層構造を有している
A〜G、I〜Kでは反射率が4〜5%となっており、単
層膜の場合と比較して約1/10程度に低減され、ブラ
ックマトリックス薄膜として非常に好ましくなってい
る。また、1層目が酸化物膜、2層目が窒化物膜、3層
目が金属膜となっているHの反射率は2%となってい
る。この値は2層構造のEなどと比較して半分以下にな
っており、3層構造にすることによってさらに反射率の
低減がはかれることがわかる。
【0084】耐久性とエッチング性は、単層膜の特性を
反映したものになっている。すなわち、本発明の組成範
囲にあるD〜Hでは、耐酸性、耐アルカリ性、耐熱性の
試験による光学濃度変化は0.2以下であり、ブラック
マトリックス薄膜に必要な耐久性を十分に満している。
かつ、エッチング速度は0.1nm/秒以上で、加工精
度も1.8μm以下とエッチング性にも優れた値となっ
ている。
【0085】特に、1層目が酸化物膜、2層目が金属
膜、3層目が酸化物膜となっているFでは、耐熱性が
0.0となっている。このことから、腐食液や大気に金
属膜が直接接触しないように、酸化膜などを積層するこ
とによって、耐久性を向上させることが出来る。
【0086】一方、本発明の組成範囲のTa含有量より
少ないA〜Cでは、耐アルカリ性の試験で光学濃度の変
化は0.2〜0.3であり、カラーフィルタの製造に問
題を生じる値となっている。また、エッチング精度も
3.0μm以上と高い加工精度の得られない値となって
いる。また、AやBでは、耐アルカリ性試験やエッチン
グ性試験の際に、酸化物層と金属層との界面から剥がれ
る場合が生じており、これもカラーフィルタ製造時の問
題となる。
【0087】Ta含有量が本発明の重量比13より高い
J、Kでは、エッチング速度が0.1nm/秒未満とな
り、従来の方法ではエッチングが遅く、生産性が著しく
低い値となっている。
【0088】また、Jでは部分的にではあるが、1層と
2層の界面で剥がれが発生しており、高精度のエッチン
グ加工は困難である。
【0089】
【表7】
【0090】
【表8】
【0091】
【表9】
【0092】表10に、MoTa系とその他の系のブラ
ックマトリックス薄膜を組み合わせた構造の例を示す。
1層目はLがSi酸化物膜、MがNiCu系酸化物膜、
NがMoNb系酸化物膜、OがMoTa系酸化物膜であ
る。2層目はL〜NがMoTa系金属膜、OがMoNb
系金属膜である。この膜のMoTa系膜の成膜を行った
際には、No.6のターゲットを用いておこなった。
【0093】表11にL〜Oの光学的特性を示す。この
表からわかるように、光学的特性はMoTa系酸化物と
金属膜を組み合わせた多層膜EとMoTa系以外も含ま
れているL〜Oは同等の光学的特性である。
【0094】表12には耐久性とエッチング性を示す。
L〜Oでは、耐久性もエッチング性も優れており、耐酸
性、耐アルカリ性、耐熱性の試験で光学濃度の変化は
0.1以下であり、また、エッチング速度は0.5nm
/秒とエッチング精度は0.9μmでエッチング性に優
れている。よって、MoTa系を膜構造の一部として用
いてもブラックマトリックス薄膜として使用できる。
【0095】
【表10】
【0096】
【表11】
【0097】
【表12】
【0098】
【発明の効果】以上説明したように本発明のブラックマ
トリックス薄膜を付けた基板は、光学特性に優れてお
り、耐酸性、耐アルカリ性、耐熱性といった耐久性が良
好であるとともにエッチング性も良い。また、本発明に
従って、光学特性の良好なカラーフィルタ基板も得るこ
とが出来る。
【0099】更に、クロムを用いないので、環境に優し
い材料でもあり、環境問題を考えると非常に有益であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01J 11/02 H01J 11/02 B // C22C 27/04 102 C22C 27/04 102 (72)発明者 青嶋 有紀 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内 (72)発明者 久保井 健 島根県安来市安来町2107番地2 日立金属 株式会社冶金研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Ta1〜13重量%を含有し、残部が実
    質的にMoである薄膜を基板上に設けたことを特徴とす
    るブラックマトリックス薄膜付き基板。
  2. 【請求項2】 金属元素として重量比で、Mo:Ta=
    87〜99:13〜1であり、かつMoもしくはTaの
    一部又は全部が酸化物、窒化物、炭化物のいずれか1種
    もしくは2種以上の化合物として存在する薄膜を基板上
    に設けたことを特徴とするブラックマトリックス薄膜付
    き基板。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2の薄膜は、Al+Si+
    Mn+Ca≦0.1重量%であることを特徴とするブラ
    ックマトリックス薄膜付き基板。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の薄膜を
    複数層積層したことを特徴とするブラックマトリックス
    薄膜付き基板。
  5. 【請求項5】 請求項4のブラックマトリックス薄膜付
    き基板において、基板側に積層することによって反射抑
    制性能を付与する遮光率の低い層を配置したことを特徴
    とするブラックマトリックス薄膜付き基板。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載のブラッ
    クマトリックス薄膜に、カラーフィルタ膜を組み合わせ
    たことを特徴とするカラーフィルタ基板。
  7. 【請求項7】 Ta1〜13重量%を含有し残部がMo
    であり、かつ不純物元素としてAl+Si+Mn+Ca
    ≦0.1重量%であることを特徴とするブラックマトリ
    ックス薄膜形成用ターゲット。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載のターゲットを用いて、
    不活性ガス、酸素、窒素、炭素を含有するガスあるいは
    これらの混合ガス中のいずれかで、基板上にスパッタリ
    ングして薄膜を形成することを特徴とするブラックマト
    リックス薄膜を付けた基板の製造方法。
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