JP2925643B2 - カラーフィルター - Google Patents

カラーフィルター

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JP2925643B2 JP8383190A JP8383190A JP2925643B2 JP 2925643 B2 JP2925643 B2 JP 2925643B2 JP 8383190 A JP8383190 A JP 8383190A JP 8383190 A JP8383190 A JP 8383190A JP 2925643 B2 JP2925643 B2 JP 2925643B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、撮像管、固体撮像装置、カラー液晶表示装
置等に使用されるカラーフィルターに係り、特に、透光
性基板の一主表面上に選択的に設けた着色層の平面視上
の間(以下、単に着色層の間という)に遮光層を配設す
ることにより画像のコントラストの向上を図ったカラー
フィルターに関する。
[従来の技術] 撮像管や固体撮像装置に実装するカラーフィルターに
おいては、隣接する着色層の境界の不明瞭化や、隣接す
る着色層の境界付近での混色、あるいは光学的フレア等
による撮像管特性の低下に起因する画像のコントラスト
の低下を抑制するために、着色層の間に遮光層を設けた
カラーフィルターが一般に使用されている(特開昭53−
147435号公報、特開昭62−109001号公報等)。また、カ
ラー液晶表示装置等の表示装置に実装するカラーフィル
ターにおいても、画像のコントラストの向上を図るため
に、着色層の間に遮光層を設けたカラーフィルターが一
般に使用されている。そして、いずれの用途のカラーフ
ィルターに設ける遮光層にも、高い遮光率を有している
ことが要求され、その他に、特に表示装置に実装するカ
ラーフィルターに設ける遮光層には、遮光層とこの遮光
層が設けられた基材(透光性基板または透光性基板上に
設けられた物質層等)との界面における可視光の反射
(以下、裏面反射という)による表示特性の低下を抑制
する上から、裏面反射率が低いことが要求される。
撮像管や固体撮像装置に実装するカラーフィルターに
設ける遮光層の材質としては、特開昭62−109001号公報
に開示されているように、金属、無機物、有機物が利用
可能であり、金属では、ニッケル、アルミニウム、クロ
ム、チタン、銅、鉄、銀、金等が、またこれらの金属化
合物として窒化物、酸化物、炭化物等が利用可能であ
る。
また、表示装置に実装するカラーフィルターに設ける
遮光層として好適な、高い遮光率と低い裏面反射率とを
有する遮光層としては、酸化クロム(Cr2O3)膜とクロ
ム(Cr)膜とを透光性基板上に順次積層してなる遮光層
が知られている。この遮光層は、透光性基板表面に比較
的厚いCr2O3膜を形成することにより低い裏面反射率を
得ており、このCr2O3膜の表面にCr膜を形成することに
より高い遮光率を得ている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、比較的厚いCr2O3膜とこのCr2O3膜の表
面に形成されたCr膜とからなる従来の遮光層において
は、Cr2O3膜とCr膜とのエッチング・レートが異なるた
めに、エッチングをしたときに、Cr2O3膜とこのCr2O3
が設けられた基材との界面にオーバー・エッチングが生
じ、良好なエッチング・プロファイルが得られない。ま
た、Cr2O3膜は元来、平滑なエッチング・プロファイル
が得ずらい膜であり、膜厚を厚くした場合には、エッチ
ング・プロファイルの粗悪化の傾向は顕著になる。
このようなエッチング・プロファイルの粗悪化は、遮
光層の遮光性を低下させて不要光の増加をもたらすもの
であるため、比較的厚いCr2O3膜とこのCr2O3膜の表面に
形成されたCr膜とからなる遮光層を備えた従来のカラー
フィルターにおいては、遮光層自体は高い遮光率と低い
裏面反射率との有するものの、良好なエッチング・プロ
ファイルを得ることができないことに起因する不要光の
増加により、画像のコントラストを向上させることが困
難であるという問題があった。
したがって本発明の目的は、実用上十分に高い遮光率
と低い裏面反射率とを有し、かつ良好なエッチング・プ
ロファイルを有する遮光層を備えたカラーフィルターを
提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明は、上記目的を達成するためになされたもので
あり、本発明のカラーフィルターは、透光性基板と、こ
の透光性基板表面またはこの透光性基板に設けられた透
光性物質層表面に選択的に形成された着色層と、この着
色層の平面視上の間に位置するように形成された遮光層
とを備えたカラーフィルターにおいて、前記遮光層はク
ロム酸化物を含有し、このクロム酸化物を含有する前記
遮光層の前記透光性基板側の端面における前記クロム酸
化物の酸化度が前記端面に対向する他端面における前記
クロム酸化物の酸化度より大きく、かつ前記遮光層に含
有されているクロム酸化物の酸化度が前記透光性基板側
の端面から前記他端面にかけて連続的に変化しているこ
とを特徴とするものである。
なお、本発明におけるクロム酸化物の酸化度は、クロ
ム酸化物の組成を式CrOxで表わしたときのxの値で表わ
すものとし、酸化度の大小は、このxの値の大小により
比較するものとする。そして、本明細書におけるクロム
酸化物とは、酸化度が0であるもの、すなわちCrも含む
ものとする。
さらに、本発明のカラーフィルターにおける遮光層
は、クロム酸化物以外に、換言すれば、Cr原子およびO
原子以外に、成膜時に不可避的に混入する成分原子、あ
るいは成膜条件を調整するために意図的に混入させる成
分原子、例えば炭素原子、水素原子、あるいは窒素原子
等を含んでいてもよいものとする。
さらに、本発明のカラーフイルターにおいて、前記遮
光層に含有されているクロム酸化物CrOxの最大の酸化度
xは1.5より小さいことが望ましい。また、透光性基板
側の端面に対向する他端面におけるクロム酸化物CrOxの
酸化度xは0であることが望ましい。
[作 用] 本発明のカラーフィルターにおける遮光層は、クロム
酸化物を含有するため、実用上十分に高い遮光率と低い
裏面反射率とを有している。
そして、このクロム酸化物を含有する遮光層の透光性
基板側の端面におけるクロム酸化物の酸化度は前記端面
に対向する他端面におけるクロム酸化物の酸化度より大
きく、かつ遮光層に含有されているクロム酸化物の酸化
度が透光性基板側の端面からこの端面に対向する他端面
にかけて連続的に変化しているため、換言すれば、この
クロム酸化物を含有する遮光層におけるエッチング・レ
ートは、透光性基板側の端面で高くこの端面に対向する
他端面で低く、かつ膜厚方向に連続的に変化しているた
め、遮光層とこの遮光層が設けられた基材(透光性基板
または透光性基板上に設けられた物質層等)との界面に
おいてオーバー・エッチングを生じることなく、比較的
平坦なエッチング・プロファイルを得ることができる。
[実施例] 以下、本発明の実施例について図面を用いて説明す
る。
実施例1 まず、表面および裏面を精密研磨した、石英ガラスか
らなる透光性基板を用意した。
次いで、この透光性基板の一主表面に、クロム酸化物
を含有する物質層であって、この物質層の透光性基板側
の端面におけるクロム酸化物の酸化度が前記端面に対向
する他端面におけるクロム酸化物の酸化度より大きく、
かつこの物質層に含有されているクロム酸化物の酸化度
が透光性基板側の端面からこの端面に対向する他端面に
かけて連続的に変化している、膜厚1500Åの物質層をス
パッタリングより成膜した。なお、この物質層は後述す
る遮光層の基となるものであり、このときの成膜条件の
詳細について後述する。
次に、透光性基板の一主表面に成膜した上記物質層
に、レジスト塗布、電子ビーム描画、現像、エッチン
グ、レジスト除去を順次施すことにより、第1図(a)
に示すように、透光性基板1上に前記物質層の一部から
なる遮光層2を形成した。なおエッチング液としては、
硝酸第二セリウムアンモニウム578gに、過塩素酸142ml
を純水で3.5に希釈した液を加えたエッチング液を用
いた。
この後、後述する高分子電着法により着色層を形成す
る都合上、遮光層2とこの遮光層2が形成された透光性
基板1の一主表面の露出部とを、第1図(b)に示すよ
うに、SiO2からなる透明絶縁膜3により被覆した。透明
絶縁膜3は、SiO2をスパッタ・ターゲットとするスパッ
タリングにより成膜した。
高分子電着法により着色層を形成するにあたり、ま
ず、透明絶縁膜3上にスパッタリングによりITO(スズ
をドープした酸化インジウム)膜を成膜し、遮光層2を
平面視したときのこれら遮光層2の間にのみ位置するよ
うにこのITO膜をパターン化して、第1図(c)に示す
ように、透明絶縁膜3上にITO膜からなる複数の透明電
極4を形成した。次いで、青色顔料(ピグメントブルー
15)とカチオン性アクリル樹脂とを含有する電着塗料、
緑色顔料(ピグメントグリーン7)とカチオン性アクリ
ル樹脂とを含有する電着塗料および赤色顔料(ピグメン
トレッド4)とカチオン性アクリル樹脂とを含有する電
着塗料を用いて、隣接する高分子電着層が互いに同色と
ならないように順次、電着を行って、第1図(d)に示
すように、透明電極4上に高分子電着層からなる青色着
色層5b、緑色着色層5gおよび赤色着色層5rを形成した。
なお、各着色層の厚さは2〜3μmであり、各着色層の
形成段階における印加電圧は約40V、印加時間は10秒と
した。また電着後、各着色層を175℃で30分間焼き付け
た。
この後、着色層5b、5gおよび5rとこれら着色層が形成
された透明絶縁膜3の一主表面の露出部とを、第1図
(e)に示すように、厚さ3.5〜4.5μmの透明保護膜6
により被覆して、本発明のカラーフィルター7を得た。
なお透明保護膜6は、光硬化性樹脂(商品名OMR−85、
東京応化(株)製)をエチルセロソルブにより希釈した
低粘度樹脂をスピンコート法(500rpm)により塗布し、
80℃で15分間プリベークした後、プリベーク後の樹脂層
の上面から紫外線を照射量10mJ/cm2で照射して硬化させ
ることにより形成した。
ここで、本発明のカラーフィルターの特徴部分である
クロム酸化物を含有する遮光層の基となる物質層の成膜
方法について説明する。
本実施例1における遮光層2の基となった物質層の成
膜は、Crをスパッタ・ターゲットとし、雰囲気ガスとし
てArとO2との混合ガスを使用し、定電流電源(電流6.0
A)を用いたDCスパッタ装置により、次のようにして行
った。
すなわち、雰囲気ガス圧は1×10-3Torrの一定圧とし
て、下記式で表わされる雰囲気ガス流量中に占めるO2
量の割合を、第2図中の実線に示すように、膜厚が80
0Åに至るまでは0.2の一定値として成膜した後、徐々に
減少させて最終的には0として、前述したように膜厚15
00Åの物質層を成膜した。
式 {O2流量(sccm)}/{[Ar流量(sccm)] +[O2流量(sccm)]} このようにしてなる物質層(クロム酸化物膜)に含有
されるクロム酸化物の酸化度(クロム酸化物の組成を式
CrOxで表わしたときのxの値。以下同じ。)は、透光性
基板側の端面において1であり、透光性基板側の端面に
対向する他端面において0であった。そして、この物質
層に含有されるクロム酸化物の酸化度は、透光性基板側
の端面からこの端面に対向する他端面にかけて連続的に
変化していた。
上記物質層を基とする遮光層2を備えた本実施例1の
カラーフィルター7における、この遮光層2の可視光に
対する透過率および裏面反射率を日立製作所(株)製の
分光光度計340型により測定した結果を、表−1に示
す。また、遮光層2におけるエッチング・プロファイル
の良否を評価するにあたり、形成直後の遮光層2を顕微
鏡により上面から観察して、第3図に示すパターン粗さ
zを測定した。この結果も表−1に示す。
実施例2 遮光層の基となる物質層を成膜するにあたり、混合ガ
ス流量中に占めるO2流量の割合を、第2図中の実線に
示すように、膜厚が800Åに至るまでは0.1の一定値とし
て成膜した後、O2流量の割合を徐々に減少させ最終的に
は0として、膜厚1500Åの物質層(クロム酸化物膜)を
成膜した以外は実施例1と同様にして、本発明のカラー
フィルターを得た。
このカラーフィルターに設けた遮光層に含有されてい
るクロム酸化物の酸化度は、透光性基板側の端面におい
て0.5であり、透光性基板側の端面に対向する他端面に
おいて0であった。そして、この遮光層に含有されるク
ロム酸化物の酸化度は、透光性基板側の端面からこの端
面に対向する他端面にかけて連続的に変化していた。
得られたカラーフィルターにおける、遮光層の透過率
および裏面反射率を実施例1と同様にして測定した結果
を、表−1に示す。また、実施例1と同様にして測定し
た、遮光層におけるパターン粗さzの測定結果も表−1
に示す。
実施例3 遮光層の基となる物質層を成膜するにあたり、混合ガ
ス流量中に占めるO2流量の割合を0.2として成膜を開始
し、以降、第2図中の実線に示すように、O2流量の割
合を徐々に減少させ最終的には0として、膜厚1500Åの
物質層(クロム酸化物膜)を成膜した以外は実施例1と
同様にして、本発明のカラーフィルターを得た。
このカラーフィルターに設けた遮光層に含有されてい
るクロム酸化物の酸化度は、透光性基板側の端面におい
て1であり、透光性基板側の端面に対向する他端面にお
いて0であった。そして、この遮光層に含有されるクロ
ム酸化物の酸化度は、透光性基板側の端面からこの端面
に対向する他端面にかけて連続的に変化していた。
得られたカラーフィルターにおける、遮光層の透過率
および裏面反射率を実施例1と同様にして測定した結果
を、表−1に示す。また、実施例1と同様にして測定し
た、遮光層におけるパターン粗さzの測定結果も表−1
に示す。
実施例4 遮光層の基となる物質層を成膜するにあたり、混合ガ
ス流量中に占めるO2流量の割合を0.2として成膜を開始
し、第2図中の実線に示すように、O2流量の割合が0.
26になるまでは徐々にO2流量を増加させ、以降、O2流量
を徐々に減少させ最終的には0として、膜厚1500Åの物
質層(クロム酸化物膜)を成膜した以外は実施例1と同
様にして、本発明のカラーフィルターを得た。
このカラーフィルターに設けた遮光層に含有されてい
るクロム酸化物の酸化度は、透光性基板側の端面におい
て1であり、透光性基板側の端面に対向する他端面にお
いて0であった。そして、この遮光層に含有されるクロ
ム酸化物の酸化度は、透光性基板側の端面からこの端面
に対向する他端面にかけて連続的に変化していた。な
お、この物質層に含有されているクロム酸化物の酸化度
の最大値は1.4であった。
得られたカラーフィルターにおける、遮光層の透過率
および裏面反射率を実施例1と同様にして測定した結果
を、表−1に示す。また、実施例1と同様にして測定し
た、遮光層におけるパターン粗さzの測定結果も表−1
に示す。
実施例5 遮光層の基となる物質層を成膜するにあたり、混合ガ
ス流量中に占めるO2流量の割合を0.25として成膜を開始
し、以降、第2図中の実線に示すように、O2流量の割
合を徐々に減少させ最終的には0として、膜厚1500Åの
物質層(クロム酸化物膜)を成膜した以外は実施例1と
同様にして、本発明のカラーフィルターを得た。
このカラーフィルターに設けた遮光層に含有されてい
るクロム酸化物の酸化度は、透光性基板側の端面におい
て1.3であり、透光性基板側の端面に対向する他端面に
おいて0であった。そして、この遮光層に含有させるク
ロム酸化物の酸化度は、透光性基板側の端面からこの端
面に対向する他端面にかけて連続的に変化していた。
得られたカラーフィルターにおける、遮光層の透過率
および裏面反射率を実施例1と同様にして測定した結果
を、表−1に示す。また、実施例1と同様にして測定し
た、遮光層におけるパターン粗さzの測定結果も表−1
に示す。
比較例1 遮光層の基となる物質層を成膜するにあたり、混合ガ
ス流量中に占めるO2流量の割合を、第2図中の破線に
示すように、膜厚が200Åに至るまでは0.3の一定値とし
て、膜厚200Åの酸化クロム(Cr2O3)膜を成膜した後、
O2ガスを排出して、Cr2O3膜上に膜厚1300ÅのCr膜を成
膜した以外は実施例1と同様にして、カラーフィルター
を得た。
得られたカラーフィルラーにおける、遮光層の透過率
および裏面反射率を実施例1と同様にして測定した結果
を、表−1に示す。また、実施例1と同様にして測定し
た、遮光層におけるパターン粗さzの測定結果も表−1
に示す。
比較例2 遮光層の基となる物質層を成膜するにあたり、混合ガ
ス流量中に占めるO2流量の割合を、第2図中の破線に
示すように、膜厚が800Åに至るまでは0.3の一定値とし
て、膜厚800Åの酸化クロム(Cr2O3)膜を成膜した後、
O2ガスを排出して、Cr2O3膜上に膜厚700ÅのCr膜を成膜
した以外は実施例1と同様にして、カラーフィルターを
得た。
得られたカラーフィルターにおける、遮光層の透過率
および裏面反射率を実施例1と同様にして測定した結果
を、表−1に示す。また、実施例1と同様にして測定し
た、遮光層におけるパターン粗さzの測定結果も表−1
に示す。
表−1から明らかなように、本実施例1〜5のカラー
フィルターにおいては、遮光層の透過率および裏面反射
率が実用上十分に低く、かつ遮光層のエッチング・プロ
ファイルも良好である。
これに対し、膜厚が相対的に薄いCr2O3膜とCr膜から
なる遮光層を備えた比較例1のカラーフィルターにおい
ては、遮光層のエッチング・プロファイルは良好である
ものの、裏面反射率を低く抑えることができない。ま
た、膜厚が相対的に厚いCr2O3膜とCr膜とからなる遮光
層を備えた比較例2のカラーフィルターにおいては、遮
光層の透過率および裏面反射率は実用上十分に低いもの
であるものの、エッチング・プロファイルは極めて粗悪
化している。
なお、本発明のカラーフィルターは、以上説明した実
施例に限定されるものではなく、下記の変形例や応用例
を含むものである。
まず、上記実施例では透光性基板として石英ガラスを
使用したが、本発明のカラーフィルターに使用する透光
性基板の材料は特に限定されるものではなく、アルミノ
ボロシリケートガラス、ソーダライムガラス等の透明ガ
ラスや、透光性アルミナ焼結体、サイアロン、PLZT等の
透明セラミックス、アクリル系樹脂、塩化ビニル等の透
明樹脂等を用いることができ、用途に応じて適宜選択可
能である。
また遮光層は、クロム酸化物を含有する物質層であっ
て、この物質層の透光性基板側の端面におけるクロム酸
化物の酸化度が前記端面に対向する他端面におけるクロ
ム酸化物の酸化度より大きく、かつこの物質層に含有さ
れているクロム酸化物の酸化度が透光性基板側の端面か
らこの端面に対向する他端面にかけて連続的に変化して
いる物質層からなればよく、実施例1〜5で適用した方
法以外の方法でも設けることができる。ただし、遮光層
に含有されるクロム酸化物の酸化度は1.5より小さいこ
とが望ましい。
クロム酸化物を含有する物質層は、例えば、Crをスパ
ッタ・ターゲトとし、雰囲気ガスとしてArとO2との混合
ガスを使用し、定電流電源(電流6.0A)を用いたDCスパ
ッタ装置により、雰囲気ガス圧を1×10-3Torrの一定圧
として成膜する場合は、以下のようにして成膜すること
ができる。
すなわち、下記式で表わされる上記成膜条件時の雰囲
気ガス流量中に占めるO2流量の割合を、このときの混合
ガス流量中に占めるO2流量の割合と電圧(スパッタ・タ
ーゲットと基板との間の電圧)との関係を示す第4図中
のA点におけるO2流量の割合以下の範囲内で、成膜終了
時の雰囲気ガス中のO2流量の割合を成膜開始時のO2流量
の割合より小さくするとともに、成膜開始から終了に至
る間のO2流量の割合を連続的に変化させつつ成膜する。
式 {O2流量(sccm)}/{[Ar流量(sccm)] +[O2流量(sccm)]} 成膜開始時のO2流量の割合の方が成膜終了時のO2流量
の割合より大きれば、実施例4のように途中のO2流量の
割合は成膜開始時のO2流量の割合より大きくてもよい。
また、実施例1および2から明らかなように、成膜開始
から終了に至る間において、遮光性を低下させない範囲
内でO2流量の割合を一定として成膜してもよい。
したがって本明細書において、遮光層に含有されてい
るクロム酸化物の酸化度が透光性基板側の端面からこの
端面に対向する他端面にかけて連続的に変化していると
は、透光性基板側の端面からこの端面に対向する他端面
にかけての範囲内で、部分的に酸化度が一定である範囲
がある場合をも含むものとする。
なお第4図は、成膜条件を前述の条件としつつ雰囲気
ガス流量中に占めるO2流量の割合を0から徐々に増加さ
せた場合の図であり、O2流量の割合を第4図中のA点に
おけるO2流量の割合よりも大きくすると、同図から明ら
かなように電圧が急激に降下し、この時点でクロム酸化
物の酸化度は1.5となって、以後、B点までO2流量の割
合を増加させても1.5のままである。B点まで達した後
にO2流量の割合を徐々に減少させた場合にも、クロム酸
化物の酸化度1.5より小さくなるO2流量の割合の範囲
(図示せず)がある。しかしながら、この範囲はクロム
酸化物の酸化度を一旦1.5とした場合の範囲であり、本
発明のカラーフィルターを得るにあたっては、前述した
ようにクロム酸化物の酸化度が1.5より小さくなる範囲
で成膜することが望ましいため、成膜条件を前述の条件
とした場合のO2流量の割合の範囲は、第4図中のA点に
おけるO2流量の割合以下の範囲とすることが好ましい。
本実施例1〜5における遮光層はいずれも、透光性基
板側の端面に対向する他端面におけるクロム酸化物の酸
化度が0である膜、換言すれば、透光性基板側の端面に
対向する他端面がCrからなる膜により形成したが、本発
明のカラーフィルターに設ける遮光層は、透光性基板側
の端面に対向する他端におけるクロム酸化物の酸化度が
0ではない膜により形成してもよい。
このような遮光層は、透光性基板上に直接設けてもよ
いし、透光性基板上に設けられた他の物質層上に設けて
もよい。
着色層の形成方法は特に限定されるものではなく、本
実施例1〜5で用いた高分子電着法の他、染色法、印刷
法、モザイク法等の公知の方法により形成してもよい。
高分子電着法以外の方法により着色層を形成する場合に
おいては、透明絶縁膜は設けても設けなくてもよい。透
明絶縁膜を設けない場合は、例えば透光性基板の一主表
面上に遮光層と着色層とが形成される。
高分子電着法により着色層を形成する際に設ける透明
絶縁膜の材料は、遮光層とを透明電極との間を電気的に
絶縁状態とすることができ、かつ透明であれば特に限定
されるものではなく、実施例で使用したSiO2の他、Ta2O
5、Al2O3等を用いることができる。透明絶縁膜の材料
は、カラーフィルターの用途等に応じて、透明性、絶縁
性、耐電圧性等を勘案し、適宜選択可能である。また、
透明絶縁膜の成膜方法はスパッタ法に限定されるもので
はなく、スパッタ法以外の物理的成膜方法、例えば真空
蒸着法、イオンプレーティング法、ゾル−ゲル法等や、
化学的気相蒸着法等の化学的成膜法により成膜してもよ
い。
高分子電着法により着色層を形成する際に設ける透明
電極の材料としては、実施例で用いたITOの他、アンチ
モンをドープしたSnO2、In2O3等を用いてもよい。
高分子電着法により着色層を形成する際の高分子電着
層の材料は、カラーフィルターの着色層として利用し得
るものであれば特に限定されるものではなく、実施例で
例示したものの他に、従来よりカラーフィルターの着色
層として利用されている高分子電着層の材料を用いるこ
とができる。
また本実施例1〜5では保護膜を設けたが、本発明の
カラーフィルターにおいては、保護膜は必須の部材では
ない。保護膜を設ける場合の保護膜の材質は、保護膜と
して要求される透光性、硬度、耐薬品性等を満たすもの
が好ましく、本実施例1〜5で用いた光硬化性樹脂の
他、SiO2等を用いることができる。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明のカラーフィルターは、
透過率および裏面反射率が実用上十分に低く、かつ良好
なエッチング・プロファイルを有する遮光層を備えてい
る。
したがって本発明を実施することにより、不要光を実
用上十分に低く抑えることができるカラーフィルターを
得ることができ、これにより、撮像管や固体撮像装置等
においては高コントラストの画像を再現することが可能
な画像情報を得ることが、またカラー液晶表示装置等に
おいては高コントラストの画像を再現することが、それ
ぞれ可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のカラーフィルターの一製造例を説明す
るための端面図、第2図は実施例において遮光層の基と
なった物質層の成膜条件を説明するための図、第3図は
遮光層のエッチング・プロファイルの評価方法を説明す
るための上面図、第4図は遮光層の基となる物質層の成
膜条件の範囲を説明するための図である。 1……透光性基板、2……遮光層、5b、5g、5r……着色
層、7……カラーフィルター。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透光性基板と、この透光性基板表面または
    この透光性基板に設けられた透光性物質層表面に選択的
    に設けられた着色層と、この着色層の平面視上の間に位
    置するように形成された遮光層とを備えたカラーフィル
    ターにおいて、 前記遮光層はクロム酸化物を含有し、このクロム酸化物
    を含有する前記遮光層の前記透光性基板側の端面におけ
    る前記クロム酸化物の酸化度が前記端面に対向する他端
    面における前記クロム酸化物の酸化度より大きく、かつ
    前記遮光層に含有されているクロム酸化物の酸化度が前
    記透光性基板側の端面から前記他端面にかけて連続的に
    変化していることを特徴とするカラーフィルター。
  2. 【請求項2】前記クロム酸化物をCrOxと表したとき、前
    記遮光層に含有されるクロム酸化物の最大の酸化度xが
    1.5より小さいことを特徴とする請求項1に記載のカラ
    ーフィルター。
  3. 【請求項3】前記クロム酸化物をCrOxと表したとき、前
    記透光性基板側の端面に対向する他端面におけるクロム
    酸化物の酸化度xが0であることを特徴とする請求項1
    又は請求項2に記載のカラーフィルター。
  4. 【請求項4】前記クロム酸化物の酸化度が、前記遮光層
    の前記透光性基板側の端面から前記他端面にかけての全
    域において連続して変化していることを特徴とする請求
    項1〜請求項3のいずれか1項に記載のカラーフィルタ
    ー。
  5. 【請求項5】前記クロム酸化物の酸化度が、前記遮光層
    の前記透光性基板側の端面から前記他端面にかけての一
    部の領域において連続して変化していることを特徴とす
    る請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のカラーフ
    ィルター。
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