JP3002458B2 - カラー液晶表示装置用遮光膜付き透光性基板およびその製造方法 - Google Patents

カラー液晶表示装置用遮光膜付き透光性基板およびその製造方法

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JP3002458B2
JP3002458B2 JP10-296621A JP29662198A JP3002458B2 JP 3002458 B2 JP3002458 B2 JP 3002458B2 JP 29662198 A JP29662198 A JP 29662198A JP 3002458 B2 JP3002458 B2 JP 3002458B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラー液晶表示装
置の画像のコントラストを向上させるために使用される
カラー液晶表示装置用遮光膜付き透光性基板、および、
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】表示装置における画像のコントラストを
向上させるための一法として、遮光膜によって不要光を
低減させる方法が知られており、高い遮光膜と低い裏面
反射率とを有する遮光膜として、酸化クロム(Cr
23)膜とクロム(Cr)膜とを透光性基板上に順次積
層してなる遮光膜が知られている。この遮光膜は、透光
性基板表面に比較的厚いCr23膜を形成することによ
り低い裏面反射率を得ており、このCr23膜の表面に
Cr膜を形成することにより高い遮光率を得ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、比較的
厚いCr23 膜とこのCr23 膜の表面に形成された
Cr膜とからなる従来の遮光膜においては、Cr23
膜とCr膜とのエッチング・レートが異なるために、エ
ッチングをしたときに、Cr23 膜とこのCr23
が設けられた基材との界面にオーバー・エッチングが生
じ、良好なエッチング・プロファイルが得られない。ま
た、Cr23 膜は元来、平滑なエッチング・プロファ
イルが得ずらい膜であり、膜厚を厚くした場合には、エ
ッチング・プロファイルの粗悪化の傾向は顕著になる。
【0004】このようなエッチング・プロファイルの粗
悪化は、遮光膜の遮光性を低下させて不要光の増加をも
たらすものであるため、比較的厚いCr23 膜とこの
Cr23 膜の表面に形成されたCr膜とからなる従来
の遮光膜においては、遮光膜自体は高い遮光率と低い裏
面反射率とを有するものの、良好なエッチング・プロフ
ァイルを得ることができないことに起因する不要光の増
加により、画像のコントラストを向上させることが困難
であるという問題があった。
【0005】本発明の目的は、実用上十分に高い遮光率
と低い裏面反射率とを有し、かつ、良好なエッチング・
プロファイルを有する遮光膜を備えたカラー液晶表示装
置用遮光膜付き透光性基板、および、その製造方法を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するためになされたものであり、本発明のカラー液晶
表示装置用遮光膜付き透光性基板は、透光性基板と、こ
の透光性基板表面に選択的に形成された遮光膜とを備
え、カラー液晶表示装置の画像のコントラストを向上さ
せるために使用されるカラー液晶表示装置用遮光膜付き
透光性基板であり、前記遮光膜はクロム酸化物を含有
し、該遮光膜の前記透光性基板側の端面におけるクロム
酸化物の酸化度が前記端面に対向する他端面におけるク
ロム酸化物の酸化度より大きく、かつ、該遮光膜に含有
されているクロム酸化物の酸化度が前記透光性基板側の
端面から前記他端面にかけて連続的に変化していること
を特徴とするものである。
【0007】また、本発明のカラー液晶表示装置用遮光
膜付き透光性基板の製造方法は、透光性基板と、この透
光性基板表面に選択的に形成された遮光膜とを備え、カ
ラー液晶表示装置の画像のコントラストを向上させるた
めに使用されるカラー液晶表示装置用遮光膜付き透光性
基板を製造するにあたって、前記遮光膜の基となる層と
して、クロム酸化物を含有する層をスパッタリング法に
よって成膜し、その際、クロムからなるスパッタ・ター
ゲットを用い、かつ、成膜開始時から成膜終了時にかけ
て雰囲気ガス流量中に占めるO2 流量の割合を徐々に減
少させ、その後、前記遮光膜の基となる層を所定形状に
パターニングして遮光層とする、ことを特徴とするもの
である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のカラー液晶表示装置用遮
光膜付き透光性基板における遮光膜は、上記のようにク
ロム酸化物を含有する特定の膜であり、当該遮光膜にお
いては、透光性基板側の端面におけるクロム酸化物の酸
化度が前記端面に対向する他端面におけるクロム酸化物
の酸化度より大きく、かつ、当該遮光膜に含有されてい
るクロム酸化物の酸化度が前記透光性基板側の端面から
前記他端面にかけて連続的に変化している。
【0009】このような遮光膜では、エッチング・レー
トが透光性基板側の端面で高くこの端面に対向する他端
面で低く、かつ、膜厚方向に連続的に変化しているの
で、遮光膜の基となる層を所定形状にエッチングして遮
光膜を得る際に、遮光膜とこの遮光膜が設けられた基材
(透光性基板または透光性基板上に設けられた物質層
等)との界面においてオーバー・エッチングを生じるこ
となく、比較的平坦なエッチング・プロファイルを得る
ことができる。
【0010】また、前記他端面側を酸化度の低いクロム
酸化物もしくはクロム(Cr)によって形成することに
より、実用上十分に高い遮光率と低い裏面反射率とを有
する遮光膜を容易に得ることができる。なお、本発明に
おけるクロム酸化物の酸化度は、クロム酸化物の組成を
式CrOx で表わしたときのxの値で表わすものとし、
酸化度の大小は、このxの値の大小により比較するもの
とする。そして、本明細書におけるクロム酸化物とは、
酸化度が0であるもの、すなわちCrも含むものとす
る。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を用いて
説明する。 実施例1 まず、表面および裏面を精密研磨した、石英ガラスから
なる透光性基板を用意した。次いで、この透光性基板の
一主表面に、遮光膜の基となる層(以下、この層を単に
「材料層」ということがある。)として、クロム酸化物
を含有する層であって、透光性基板側の端面におけるク
ロム酸化物の酸化度が前記端面に対向する他端面におけ
るクロム酸化物の酸化度より大きく、かつ、クロム酸化
物の酸化度が透光性基板側の端面からこの端面に対向す
る他端面にかけて連続的に変化している、膜厚1500
オングストロームの層をスパッタリングにより成膜し
た。なお、材料層の成膜条件の詳細については後述す
る。
【0012】次に、透光性基板の一主表面に成膜した上
記材料層に、レジスト塗布、電子ビーム描画、現像、エ
ッチング、レジスト除去を順次施すことにより、図1に
示すように、透光性基板1上に前記材料層の一部からな
る遮光膜2を形成し、これによってカラー液晶表示装置
用遮光膜付き透光性基板3を得た。なおエッチング液と
しては、硝酸第二セリウムアンモニウム578gに、過
塩素酸142mlを純水で3.5lに希釈した液を加えた
エッチング液を用いた。
【0013】ここで、前述した材料層の成膜方法につい
て説明する。本実施例1における遮光膜2の基となった
層(材料層)の成膜は、Crをスパッタ・ターゲットと
し、雰囲気ガスとしてArとO2 との混合ガスを使用
し、定電流電源(電流6.0A)を用いたDCスパッタ
装置により、次のようにして行った。
【0014】すなわち、雰囲気ガス圧は1×10-3Tor
r の一定圧として、下記式(I)で表わされる雰囲気ガ
ス流量中に占めるO2 流量の割合を、図2中の実線に
示すように、膜厚が800オングストロームに至るまで
は0.2の一定値として成膜した後、徐々に減少させて
最終的には0として、前述したように膜厚1500オン
グストロームの材料層を成膜した。
【数1】
【0015】このようにしてなる材料層(クロム酸化物
膜)に含有されるクロム酸化物の酸化度(クロム酸化物
の組成を式CrOx で表わしたときのxの値。以下同
じ。)は、透光性基板側の端面において1であり、透光
性基板側の端面に対向する他端面において0であった。
そして、この材料層に含有されるクロム酸化物の酸化度
は、透光性基板側の端面からこの端面に対向する他端面
にかけて連続的に変化していた。
【0016】上記の材料層から形成された遮光膜2の可
視光に対する透過率および裏面反射率を日立製作所
(株)製の分光光度計340型により測定した結果を、
表1に示す。また、遮光膜2におけるエッチング・プロ
ファイルの良否を評価するにあたり、形成直後の遮光膜
2を顕微鏡により上面から観察して、図3に示すパター
ン粗さzを測定した。この結果も表1に示す。
【0017】実施例2 遮光膜の基となる層(材料層)を成膜するにあたり、混
合ガス流量中に占めるO2 流量の割合を、図2中の実線
に示すように、膜厚が800オングストロームに至る
までは0.1の一定値として成膜した後、O2 流量の割
合を徐々に減少させ最終的には0として、膜厚1500
オングストロームの材料層(クロム酸化物膜)を成膜し
た以外は実施例1と同様にして、本発明のカラー液晶表
示装置用遮光膜付き透光性基板を得た。
【0018】このカラー液晶表示装置用遮光膜付き透光
性基板に設けた遮光膜に含有されているクロム酸化物の
酸化度は、透光性基板側の端面において0.5であり、
透光性基板側の端面に対向する他端面において0であっ
た。そして、この遮光膜に含有されるクロム酸化物の酸
化度は、透光性基板側の端面からこの端面に対向する他
端面にかけて連続的に変化していた。
【0019】上記の遮光膜の透過率および裏面反射率を
実施例1と同様にして測定した結果を、表1に示す。ま
た、実施例1と同様にして測定した、遮光膜におけるパ
ターン粗さzの測定結果も表1に示す。
【0020】実施例3 遮光膜の基となる層(材料層)を成膜するにあたり、混
合ガス流量中に占めるO2 流量の割合を0.2として成
膜を開始し、以降、図2中の実線に示すように、O2
流量の割合を徐々に減少させ最終的には0として、膜厚
1500オングストロームの材料層(クロム酸化物膜)
を成膜した以外は実施例1と同様にして、本発明のカラ
ー液晶表示装置用遮光膜付き透光性基板を得た。
【0021】このカラー液晶表示装置用遮光膜付き透光
性基板に設けた遮光膜に含有されているクロム酸化物の
酸化度は、透光性基板側の端面において1であり、透光
性基板側の端面に対向する他端面において0であった。
そして、この遮光膜に含有されるクロム酸化物の酸化度
は、透光性基板側の端面からこの端面に対向する他端面
にかけて連続的に変化していた。
【0022】上記の遮光膜の透過率および裏面反射率を
実施例1と同様にして測定した結果を、表1に示す。ま
た、実施例1と同様にして測定した、遮光膜におけるパ
ターン粗さzの測定結果も表1に示す。
【0023】実施例4 遮光膜の基となる層(材料層)を成膜するにあたり、混
合ガス流量中に占めるO2 流量の割合を0.2として成
膜を開始し、図2中の実線に示すように、O2 流量の
割合が0.26になるまでは徐々にO2 流量を増加さ
せ、以降、O2流量を徐々に減少させ最終的には0とし
て、膜厚1500オングストロームの材料層(クロム酸
化物膜)を成膜した以外は実施例1と同様にして、本発
明のカラー液晶表示装置用遮光膜付き透光性基板を得
た。
【0024】このカラー液晶表示装置用遮光膜付き透光
性基板に設けた遮光膜に含有されているクロム酸化物の
酸化度は、透光性基板側の端面において1であり、透光
性基板側の端面に対向する他端面において0であった。
そして、この遮光膜に含有されるクロム酸化物の酸化度
は、透光性基板側の端面からこの端面に対向する他端面
にかけて連続的に変化していた。なお、この材料層に含
有されているクロム酸化物の酸化度の最大値は1.4で
あった。
【0025】上記の遮光膜の透過率および裏面反射率を
実施例1と同様にして測定した結果を、表1に示す。ま
た、実施例1と同様にして測定した、遮光膜におけるパ
ターン粗さzの測定結果も表1に示す。
【0026】実施例5 遮光膜の基となる層(材料層)を成膜するにあたり、混
合ガス流量中に占めるO2 流量の割合を0.25として
成膜を開始し、以降、図2中の実線に示すように、O
2 流量の割合を徐々に減少させ最終的には0として、膜
厚1500オングストロームの材料層(クロム酸化物
膜)を成膜した以外は実施例1と同様にして、本発明の
カラー液晶表示装置用遮光膜付き透光性基板を得た。
【0027】このカラー液晶表示装置用遮光膜付き透光
性基板に設けた遮光膜に含有されているクロム酸化物の
酸化度は、透光性基板側の端面において1.3であり、
透光性基板側の端面に対向する他端面において0であっ
た。そして、この遮光膜に含有されるクロム酸化物の酸
化度は、透光性基板側の端面からこの端面に対向する他
端面にかけて連続的に変化していた。
【0028】上記の遮光膜の透過率および裏面反射率を
実施例1と同様にして測定した結果を、表1に示す。ま
た、実施例1と同様にして測定した、遮光膜におけるパ
ターン粗さzの測定結果も表1に示す。
【0029】比較例1 遮光膜の基となる層(材料層)を成膜するにあたり、混
合ガス流量中に占めるO2 流量の割合を、図2中の破線
に示すように、膜厚が200オングストロームに至る
までは0.3の一定値として、膜厚200オングストロ
ームの酸化クロム(Cr23)膜を成膜した後、O2
スを排出して、Cr23 膜上に膜厚1 300オングス
トロームのCr膜を成膜した以外は実施例1と同様にし
て、遮光膜付き透光性基板を得た。この遮光膜付き透光
性基板に設けた遮光膜の透過率および裏面反射率を実施
例1と同様にして測定した結果を、表1に示す。また、
実施例1と同様にして測定した、遮光膜におけるパター
ン粗さzの測定結果も表1に示す。
【0030】比較例2 遮光膜の基となる層(材料層)を成膜するにあたり、混
合ガス流量中に占めるO2 流量の割合を、図2中の破線
に示すように、膜厚が800オングストロームに至る
までは0.3の一定値として、膜厚800オングストロ
ームの酸化クロム(Cr23)膜を成膜した後、O2
スを排出して、Cr23 膜上に膜厚7 00オングスト
ロームのCr膜を成膜した以外は実施例1と同様にし
て、遮光膜付き透光性基板を得た。この遮光膜付き透光
性基板に設けた遮光膜の透過率および裏面反射率を実施
例1と同様にして測定した結果を、表1に示す。また、
実施例1と同様にして測定した、遮光膜におけるパター
ン粗さzの測定結果も表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】表1から明らかなように、本実施例1〜5
のカラー液晶表示装置用遮光膜付き透光性基板において
は、遮光膜の透過率および裏面反射率が実用上十分に低
く、かつ遮光膜のエッチング・プロファイルも良好であ
る。これに対し、膜厚が相対的に薄いCr23 膜とC
r膜とからなる遮光膜を備えた比較例1の遮光膜付き透
光性基板においては、遮光膜のエッチング・プロファイ
ルは良好であるものの、裏面反射率を低く抑えることが
できない。また、膜厚が相対的に厚いCr23 膜とC
r膜とからなる遮光膜を備えた比較例2の遮光膜付き透
光性基板においては、遮光膜の透過率および裏面反射率
は実用上十分に低いものではあるものの、エッチング・
プロファイルは極めて粗悪化している。
【0033】なお、本発明のカラー液晶表示装置用遮光
膜付き透光性基板は、上述した実施例に限定されるもの
ではなく、下記の変形例や応用例を含むものである。ま
ず、上記実施例では透光性基板として石英ガラスを使用
したが、本発明のカラー液晶表示装置用遮光膜付き透光
性基板に使用する透光性基板の材料は特に限定されるも
のではなく、アルミノボロシリケートガラス、ソーダラ
イムガラス等の透明ガラスや、透光性アルミナ焼結体、
サイアロン、PLZT等の透明セラミックス、アクリル
系樹脂、塩化ビニル等の透明樹脂等を用いることがで
き、用途に応じて適宜選択可能である。
【0034】また遮光膜は、クロム酸化物を含有し、透
光性基板側の端面におけるクロム酸化物の酸化度が前記
端面に対向する他端面におけるクロム酸化物の酸化度よ
り大きく、かつ、クロム酸化物の酸化度が透光性基板側
の端面からこの端面に対向する他端面にかけて連続的に
変化していればよく、実施例1〜5で適用した方法以外
の方法でも設けることができる。ただし、遮光膜に含有
されるクロム酸化物の酸化度は1.5より小さいことが
望ましい。
【0035】遮光膜の基となる層(材料層)は、例え
ば、Crをスパッタ・ターゲットとし、雰囲気ガスとし
てArとO2 との混合ガスを使用し、定電流電源(電流
6.0A)を用いたDCスパッタ装置により、雰囲気ガ
ス圧を1×10-3Torr の一定圧として成膜する場合
は、以下のようにして成膜することができる。
【0036】すなわち、下記式(II)で表わされる上記
成膜条件時の雰囲気ガス流量中に占めるO2 流量の割合
を、このときの混合ガス流量中に占めるO2 流量の割合
と電圧(スパッタ・ターゲットと基板との間の電圧)と
の関係を示す図4中のA点におけるO2 流量の割合以下
の範囲内で、成膜終了時の雰囲気ガス中のO2 流量の割
合を成膜開始時のO2 流量の割合より小さくするととも
に、成膜開始から終了に至る間のO2 流量の割合を連続
的に変化させつつ成膜する。
【数2】
【0037】成膜開始時のO2 流量の割合の方が成膜終
了時のO2 流量の割合より大きければ、実施例4のよう
に、途中のO2 流量の割合は成膜開始時のO2 流量の割
合より大きくてもよい。また、実施例1および2から明
らかなように、成膜開始から終了に至る間において、遮
光性を低下させない範囲内でO2 流量の割合を一定とし
て成膜してもよい。
【0038】したがって本明細書において、遮光膜に含
有されているクロム酸化物の酸化度が透光性基板側の端
面からこの端面に対向する他端面にかけて連続的に変化
しているとは、透光性基板側の端面からこの端面に対向
する他端面にかけての範囲内で、部分的に酸化度が一定
である範囲がある場合をも含むものとする。
【0039】なお図4は、成膜条件を前述の条件としつ
つ雰囲気ガス流量中に占めるO2 流量の割合を0から徐
々に増加させた場合の図であり、O2 流量の割合を図4
中のA点におけるO2 流量の割合よりも大きくすると、
同図から明らかなように電圧が急激に降下し、この時点
でクロム酸化物の酸化度は1.5となって、以後、B点
までO2 流量の割合を増加させても1.5のままであ
る。B点まで達した後にO2 流量の割合を徐々に減少さ
せた場合にも、クロム酸化物の酸化度が1.5より小さ
くなるO2 流量の割合の範囲(図示せず)がある。しか
しながら、この範囲はクロム酸化物の酸化度を一旦1.
5とした場合の範囲であり、本発明のカラー液晶表示装
置用遮光膜付き透光性基板を得るにあたっては、前述し
たようにクロム酸化物の酸化度が1.5より小さくなる
範囲で成膜することが望ましいため、成膜条件を前述の
条件とした場合のO2 流量の割合の範囲は、図4中のA
点におけるO2 流量の割合以下の範囲とすることが好ま
しい。
【0040】本実施例1〜5における遮光膜はいずれ
も、透光性基板側の端面に対向する他端面におけるクロ
ム酸化物の酸化度が0である膜、換言すれば、透光性基
板側の端面に対向する他端面がCrからなる膜により形
成したが、本発明のカラー液晶表示装置用遮光膜付き透
光性基板に設ける遮光膜は、透光性基板側の端面に対向
する他端におけるクロム酸化物の酸化度が0ではない膜
により形成してもよい。このような遮光膜は、透光性基
板上に直接設けてもよいし、透光性基板上に設けられた
他の材料層上に設けてもよい。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のカラー液
晶表示装置用遮光膜付き透光性基板は、透過率および裏
面反射率が実用上十分に低く、かつ、良好なエッチング
・プロファイルを有する遮光膜を備えている。したがっ
て本発明を実施することにより、不要光を実用上十分に
低く抑えることができるカラー液晶表示装置用遮光膜付
き透光性基板を得ることができ、これにより、カラー液
晶表示装置において高コントラストの画像を再現するこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカラー液晶表示装置用遮光膜付き透光
性基板の一例を説明するための端面図である。
【図2】実施例において遮光膜の基となった層(材料
層)の成膜条件を説明するための図である。
【図3】遮光膜のエッチング・プロファイルの評価方法
を説明するための上面図である。
【図4】遮光膜の基となる層(材料層)の成膜条件の範
囲を説明するための図である。
【符号の説明】
1…透光性基板、 2…遮光膜、 3…カラー液晶表示
装置用遮光膜付き透光性基板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1335 G02B 5/00 G02B 5/20 101

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透光性基板と、この透光性基板表面に選
    択的に形成された遮光膜とを備え、カラー液晶表示装置
    の画像のコントラストを向上させるために使用されるカ
    ラー液晶表示装置用遮光膜付き透光性基板において、 前記遮光膜はクロム酸化物を含有し、該遮光膜の前記透
    光性基板側の端面におけるクロム酸化物の酸化度が前記
    端面に対向する他端面におけるクロム酸化物の酸化度よ
    り大きく、かつ、該遮光膜に含有されているクロム酸化
    物の酸化度が前記透光性基板側の端面から前記他端面に
    かけて連続的に変化していることを特徴とするカラー液
    晶表示装置用遮光膜付き透光性基板。
  2. 【請求項2】 前記クロム酸化物をCrOx と表したと
    き、前記遮光層に含有されるクロム酸化物の最大の酸化
    度xが1.5より小さい、請求項1に記載のカラー液晶
    表示装置用遮光膜付き透光性基板。
  3. 【請求項3】 前記クロム酸化物をCrOx と表したと
    き、前記透光性基板側の端面に対向する他端面における
    クロム酸化物の酸化度xが0である、請求項1または請
    求項2に記載のカラー液晶表示装置用遮光膜付き透光性
    基板。
  4. 【請求項4】 透光性基板と、この透光性基板表面に選
    択的に形成された遮光膜とを備え、カラー液晶表示装置
    の画像のコントラストを向上させるために使用されるカ
    ラー液晶表示装置用遮光膜付き透光性基板を製造するに
    あたって、 前記遮光膜の基となる層として、クロム酸化物を含有す
    る層をスパッタリング法によって成膜し、その際、クロ
    ムからなるスパッタ・ターゲットを用い、かつ、成膜開
    始時から成膜終了時にかけて雰囲気ガス流量中に占める
    2 流量の割合を徐々に減少させ、 その後、前記遮光膜の基となる層を所定形状にパターニ
    ングして遮光層とする、ことを特徴とするカラー液晶表
    示装置用遮光膜付き透光性基板の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記クロム酸化物をCrOx と表したと
    きに、前記遮光層に含有されるクロム酸化物の最大の酸
    化度xを1.5より小さくする、請求項4に記載の方
    法。
  6. 【請求項6】 前記クロム酸化物をCrOx と表したと
    きに、前記透光性基板側の端面に対向する他端面におけ
    るクロム酸化物の酸化度xを0にする、請求項4または
    請求項5に記載の方法。
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