JP3304359B2 - 周波数依存抵抗器 - Google Patents

周波数依存抵抗器

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JP3304359B2
JP3304359B2 JP53079497A JP53079497A JP3304359B2 JP 3304359 B2 JP3304359 B2 JP 3304359B2 JP 53079497 A JP53079497 A JP 53079497A JP 53079497 A JP53079497 A JP 53079497A JP 3304359 B2 JP3304359 B2 JP 3304359B2
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明はアナログフィルタに関するものであり、例え
ばTV、VTRにあって複合映像信号から色信号を取り出す
バンドパスフィルタ、色信号復調後に高調波を除外する
ローパスフィルタ、オーディオ用回路にあってその周波
数と振幅を制御するイコライザアンプ、BSチューナにあ
ってIQ信号を検出するフィルタ、またはディジタル信号
処理回路にあってそのパルス信号のノイズ成分を除去す
るフィルタ等に用いるのに好適な周波数依存抵抗器に関
する。
背景技術 フィルタ回路の設計では、抵抗、コンデンサ、コイル
さらには演算増幅器を組み合わせることにより、パッシ
ブフィルタまたはアクティブフィルタが構成される。具
体的な例では、抵抗、コンデンサ及びコイルを用いた単
同調回路、さらに、これらの素子と演算増幅器を組み合
わせたバターワース、チェビシェフ、ベッセル、楕円関
数フィルタがある。これらのフィルタでは周波数の変化
とともに出力信号の位相が変化するという特性を有して
いる。この理由は、これらフィルタ回路のインピーダン
スを構成する虚数成分と実数成分の比が周波数とともに
変化することによる。信号処理において、少なくとも周
波数変化に対する位相変化が線形特性であれば群遅延特
性は平坦となり、入力に対する出力の信号波形の歪みを
なくすことができる。例えば、ベッセルフィルタに関し
ては周波数を限定することで群遅延特性の可能な限りの
平坦化を実現している。
図30に従来のフィルタ装置の1つである単同調回路を
示す。この単同調回路は、抵抗10kΩの抵抗130、インダ
クタンス値0.01Hのコイル50、容量値10pFのコンデンサ5
2を直列接続し、この両端に位相が0度、振幅が1であ
る信号源140を接続した構成を有している。この単同調
回路の入力信号に対する出力信号の振幅と位相について
周波数に対する特性を図31乃至図33に示す。図31は端子
13で得られる低域通過フィルタ特性、図32は端子14で得
られる帯域禁止フィルタ特性、図33は端子14−15間で得
られる帯域通過フィルタ特性である。ここで、図31、32
は、それぞれ、カットオフ周波数が約500kHzであるのに
対し信号通過周波数帯域である約10kHzから既に位相が
変化し始めていることを示している。また、図33は、通
過帯域の中心周波数の両側において位相が急峻に変化す
ることを示している。
このような従来のバンドパスフィルタを用いて、例え
ばテレビ信号等の複合映像信号から色信号を取り出す
と、キャリヤ周波数を中心とした近傍周波数に群遅延の
不均一性が生じる。これによって復調後の波形に歪みを
生じさせ忠実な色再現を行う上で不具合を生じさせるこ
とがある。また、復調された色信号から高調波を除くに
は、ローパスフィルタを通過させるので、この信号に比
較的大きな位相遅れが生じる。この位相遅れによる時間
の遅れを相対的に補正するためには、時間遅れが生じて
いない輝度信号処理回路に遅延器を挿入させることが必
要となる。
また、2個の演算増幅器と5個の素子との組み合わせ
で構成されるインピーダンス変換器(別名GIC)のう
ち、2個の素子をコンデンサとし、残りの素子を抵抗と
したFDNR(Frequency Dependent Negative Converter)
が提案されている。
このFDNRは周波数変化に対して位相特性は変化せずに
その抵抗値が変化する特性を有するが、その抵抗特性が
負であり、かつ周波数の2乗に限定されている。また、
その抵抗値を変化させるためには、各構成要素の値を別
の値に置き換える必要があることから、応用範囲が限定
されていた。
また、このような従来のローパスフィルタを用いてパ
ルス信号のノイズ除去を行うと、その位相変化が大きい
ために、入力したパルスの位相と出力に取り出されるパ
ルスの位相が大きく異なることがある。特に、同期を取
って処理をする回路においては、重大な不具合を生じさ
せることがあった。
発明の開示 本発明は、周波数に応じてそのインピーダンスが変化
する周波数依存抵抗器を提供しようとするものであり、
さらに、この周波数依存抵抗器を別の抵抗器と組み合わ
せることにより、周波数に対する位相変化を極めて低く
抑えた信号を取り出すフィルタ装置を提供しようとする
ものである。ここで、抵抗器とは、抵抗素子若しくは等
価的に抵抗素子を提供する回路又はこれらの組み合わせ
た回路を意味する。
本発明の周波数依存抵抗器は、入力端子に与えられる
電圧に応じて出力端子から電流を出力する電圧−電流変
換器と前記電圧−電流変換器の出力端子に接続されるリ
アクタンス性負荷とを備え、前記入力端子に与えられる
電圧に応じて前記リアクタンス性負荷に発生する電圧を
出力する位相回転器を複数個縦続接続してなる縦続接続
回路、前記縦続接続回路の初段の位相回転器の前記電圧
−電流変換器の入力端子に接続される信号端子、及び前
記縦続接続回路の初段の位相回転器を含めて数えた偶数
段目の位相回転器の出力電圧に応じて電流を前記信号端
子に出力する少なくとも一つの電圧−電流変換器、を具
備する。
なお、本発明においては、リアクタンス性負荷とは、
インピーダンスの虚部によってその特性が支配される負
荷を意味する。
周波数依存抵抗器の信号端子に与えられる電圧が交流
電圧の場合、初段の位相回転器のリアクタンス性負荷に
は、初段の位相回転器の入力端子に与えられる電圧、即
ち信号端子に与えられる電圧、に対して位相が90度異な
る電圧が発生する。この電圧が2段目の位相回転器に与
えられ、2段目の位相回転器のリアクタンス性負荷に
は、2段目の位相回転器の入力端子に与えられる電圧に
対して位相が90度異なる電圧が発生する。この結果、2
段目の位相回転器のリアクタンス性負荷には、信号端子
に与えられる電圧に対して位相が180度異なる電圧が発
生することになる。このようにして、4段目の位相回転
器のリアクタンス性負荷には、信号端子に与えられる電
圧に対して位相が360度異なる電圧が発生する。さら
に、6段目の位相回転器及び8段目の位相回転器のリア
クタンス性負荷には、それぞれ、信号端子に与えられる
電圧に対して位相が540度及び720度異なる電圧が発生す
る。さらに、偶数段目の位相回転器のリアクタンス性負
荷に発生する電圧を、この電圧に対し同位相又は逆位相
の電流に変換して信号端子に与える。この結果、信号端
子には、信号端子に与えられる電圧に対し、同位相又は
逆位相の電流が帰還することになる。
特に、信号端子に与えられる電圧に対し、逆位相の帰
還電流が信号端子に与えられる場合には、この信号端子
に与えられた電圧に対して信号端子からは同位相の電流
が周波数依存抵抗器の内部に流れ込むことになり、信号
端子には正の抵抗特性が得られる。
なお、リアクタンス性負荷を、コンデンサまたはコイ
ルなどで複合的に構成することにより、周波数依存抵抗
器の抵抗値は、周波数に応じて種々の有様で変化するよ
うになるが、詳細については後述する。
本発明の別の観点による周波数依存抵抗器は、入力端
子対に与えられる交流電圧に応じて出力端子対から双方
向の交流電流を出力する電圧−電流変換器と前記電圧−
電流変換器の出力端子対に接続されるリアクタンス性負
荷とを備え、前記入力端子対に与えられる電圧に応じて
前記リアクタンス性負荷に発生する電圧を出力する位相
回転器を複数個縦続接続してなる縦続接続回路、前記縦
続接続回路の初段の位相回転器に備えられている前記電
圧−電流変換器の入力端子対に接続される信号端子対、
及び前記縦続接続回路の初段の位相回転器を含めて数え
た偶数段目の位相回転器の出力電圧に応じて出力端子対
から双方向の交流電流を前記信号端子対に出力する少な
くとも一つの電圧−電流変換器、を具備する。
初段の位相回転器のリアクタンス性負荷の両端には、
初段の位相回転器の入力端子対に与えられる電圧、即ち
信号端子対に与えられる電圧、に対して位相が90度異な
る電圧が発生する。この電圧が2段目の位相回転器に与
えられ、2段目の位相回転器のリアクタンス性負荷の両
端には、2段目の位相回転器の入力端子対に与えられる
電圧に対して位相が90度異なる電圧が発生する。この結
果、2段目の位相回転器のリアクタンス性負荷の両端に
は、信号端子対に与えられる電圧に対して位相が180度
異なる電圧が発生することになる。このようにして、4
段目の位相回転器のリアクタンス性負荷の両端には、信
号端子対に与えられる電圧に対して位相が360度異なる
電圧が発生する。さらに、6段目の位相回転器及び8段
目の位相回転器のリアクタンス性負荷の両端には、それ
ぞれ、信号端子対に与えられる電圧に対して位相が540
度及び720度異なる電圧が発生する。さらに、偶数段目
の位相回転器のリアクタンス性負荷の両端に発生する電
圧を、この電圧に対し同位相と逆位相の電流に変換し
て、個々に信号端子対に出力する。この結果、信号端子
対に与えられる電圧に対し、同位相と逆位相の双方向の
電流が信号端子対に帰還することになる。
特に、信号端子対の一方の第2の信号端子を基準とし
て他方の第1の信号端子について見た場合、第1の信号
端子に与えられる電圧に対し、第1の信号端子から同位
相の電流が周波数依存抵抗器に流入し、第2の信号端子
からは同位相の電流が流出(若しくは逆位相の電流が流
入)する場合には、一対の信号端子間には正の抵抗特性
が得られる。
なお、リアクタンス性負荷を、コンデンサまたはコイ
ルなどで複合的に構成することにより、周波数依存抵抗
器の抵抗値は、周波数に応じて種々の有様で変化するよ
うになるが、詳細については後述する。
本発明のさらに別の観点による周波数依存抵抗器は、
入力端子対から与えられる電圧に応じて電流を出力する
出力端子対を有する差動増幅回路と前記出力端子対に接
続されるリアクタンス性負荷とを備える位相回転器を複
数個縦続接続してなる縦続接続回路、前記縦続接続回路
の初段の差動増幅回路の入力端子対に接続される信号端
子対、及び前記縦続接続回路の初段の位相回転器を含め
て数えた偶数段目の位相回転器のリアクタンス性負荷の
両端に発生する電圧が入力端子対に与えられることで、
この電圧に応じて出力端子対から電流を出力する少なく
とも一つの差動増幅回路、を具備する。
電圧を初段の位相回転器の差動増幅回路の入力端子対
に与え、この電圧に応じて差動増幅器の出力端子対から
双方向の電流を取り出し、この電流をリアクタンス性負
荷に与える。リアクタンス性負荷の両端には初段の位相
回転器の差動増幅回路の入力端子対に与えられる電圧、
即ち信号端子対に与えられる電圧でもある、に対して位
相が90度異なる電圧が発生する。この電圧が、2段目の
位相回転器の差動増幅回路の入力端子対に与えられ、こ
の電圧に応じて差動増幅器の出力端子対から双方向の電
流を取り出し、この電流を2段目の位相回転器のリアク
タンス性負荷に与える。この2段目の位相回転器のリア
クタンス性負荷の両端には、2段目の位相回転器の差動
増幅回路の入力端子対に与えられる電圧に対し位相が90
度異なる電圧が発生する。この結果、2段目の位相回転
器のリアクタンス性負荷の両端には、信号端子対に与え
られる電圧に対して位相が180度異なる電圧が発生する
ことになる。このようにして、4段目の位相回転器のリ
アクタンス性負荷の両端には、信号端子対に与えられる
電圧に対して位相が360度異なる電圧が発生する。さら
に、6段目の位相回転器及び8段目の位相回転器のリア
クタンス性負荷の両端には、それぞれ、信号端子対に与
えられる電圧に対して位相が540度及び720度異なる電圧
が発生する。偶数段目の位相回転器のリアクタンス性負
荷に発生する電圧を双方向の電流に変換して信号端子対
に与えることで、信号端子対に抵抗特性を得ることがで
きる。ここで、信号端子対に与える双方向の電流の向き
を選択することにより、正または負の抵抗特性を得るこ
とができる。
周波数に応じてリアクタンス性負荷のインピーダンス
が異なると各リアクタンス性負荷に発生する電圧が異な
り、信号端子対に与えられる双方向の電流の電流値が周
波数に応じて変化することとなる。このため、信号端子
対の抵抗値は、周波数に応じて変化する。
なお、初段の位相回転器以外の位相回転器の差動増幅
回路においては、その動作の安定上、入力端子対の一方
に固定電位を与えることが好ましい。ここで補足する
と、入力端子対の一方に直流電圧源により直流電圧が与
えられる場合、この入力端子に向かう電流経路は、この
直流電圧源を経由して形成される。
本発明に係る周波数依存抵抗器は、さらに、外部から
与えられる制御信号に応じて電流の伝達係数が異なる電
流−電流変換器、を少なくとも一つ具備することができ
る。
外部から与える信号によって電流を増幅することによ
り、周波数依存抵抗器の信号端子若しくは信号端子対に
帰還する電流の値を変えることができるので、周波数依
存抵抗器の抵抗値を前記信号により変化させることがで
きる。この利点は、周波数依存抵抗器の構成部分を取り
替えることなく、この周波数依存抵抗器の抵抗特性を変
えることができることである。なお、外部から与える信
号には、信号源等から与えられる交流電気信号、検波回
路で検波された電気信号、マイクロコンピュータやメモ
リのデジタルデータからD/A変換器を経由して得られる
直流電圧、またはこれらから得られる直流電流である。
本発明に係る周波数依存抵抗器において、ある場合
は、信号端子若しくは信号端子対に帰還する電流と信号
端子若しくは信号端子対に与えられる電圧とが逆位相と
なるように構成する。
この構成にすることにより、信号端子若しくは信号端
子対に与えられる電圧に対し、同位相の電流が周波数依
存抵抗器の内部に流れ込むことになる。それ故、周波数
依存抵抗器は正の抵抗特性を持つ抵抗素子としての作用
を有することになる。
本発明に係る周波数依存抵抗器において、他の場合
は、信号端子若しくは信号端子対に帰還する電流と信号
端子若しくは信号端子対に与えられる電圧とが同位相と
なるように構成する。
この構成にすることにより、信号端子若しくは信号端
子対に与えられる電圧に対し、同位相の電流が周波数依
存抵抗器の外部に流れ出ることになる。それ故、周波数
依存抵抗器は負の抵抗特性を持つ抵抗素子としての作用
を有することになる。
本発明に係る周波数依存抵抗器において、ある場合
は、前記リアクタンス性負荷が容量素子である。
リアクタンス性負荷が容量素子の場合、リアクタンス
性負荷のインピーダンスは周波数と容量値との積に逆比
例する。このため、(2×n)段目(ただし、nは正の
整数)の位相回転器のリアクタンス性負荷には、周波数
の(2×n)乗と、初段の位相回転器から(2×n)段
目の位相回転器までの各リアクタンス性負荷の容量値
と、の積に逆比例した振幅の電圧が発生する。この電圧
が電流に変換され、信号端子若しくは信号端子対に与え
られる。この電流の振幅も、周波数の(2×n)乗と、
初段の位相回転器から(2×n)段目までの位相回転器
の各リアクタンス性負荷の容量値と、の積に逆比例す
る。この結果、周波数依存抵抗器のインピーダンスの抵
抗の値は、周波数の(2×n)乗と、初段の位相回転器
から(2×n)段目の位相回転器までの各リアクタンス
性負荷の容量値と、の積に正比例する。
本発明に係る周波数依存抵抗器において、他の場合
は、リアクタンス性負荷がインダクタンス素子である。
リアクタンス性負荷がインダクタンス素子である場
合、リアクタンス性負荷のインピーダンスは周波数とイ
ンダクタンス値との積に正比例する。このため、(2×
n)段目の位相回転器のリアクタンス性負荷には、周波
数の(2×n)乗と、初段の位相回転器から(2×n)
段目の位相回転器までの各リアクタンス性負荷のインダ
クタンス値と、の積に正比例した振幅の電圧が発生す
る。この電圧が電流に変換され、信号端子若しくは信号
端子対に与えられる。この電流の振幅も、周波数の(2
×n)乗と、初段の位相回転器から(2×n)段目の位
相回転器までの各リアクタンス性負荷のインダクタンス
値と、の積に正比例する。この結果、周波数依存抵抗器
のインピーダンスの抵抗の値は、周波数の(2×n)乗
と、初段の位相回転器から(2×n)段目の位相回転器
までの各リアクタンス性負荷のインダクタンス値と、の
積に逆比例する。
本発明に係る周波数依存抵抗器において、さらに他の
場合は、リアクタンス性負荷が容量素子とインダクタン
ス素子との並列回路である。
リアクタンス性負荷が、容量素子とインダクタンス素
子との並列回路により構成されている場合、このリアク
タンス性負荷のインピーダンスは、周波数と容量素子の
容量値との積に比例した値から周波数とインダクタンス
素子のインダクタンス値との積に逆比例した値を減算し
た値の逆数で与えられる。このため、(2×n)段目の
位相回転器のリアクタンス性負荷には、初段の位相回転
器から(2×n)段目の位相回転器までの各リアクタン
ス性負荷のインピーダンスを決定する値である、周波数
と容量素子の容量値との積に比例した値から周波数とイ
ンダクタンス素子のインダクタンス値との積に逆比例し
た値、を減算した値の逆数、を掛算した値に正比例した
電圧が発生する。この電圧が電流に変換され、信号端子
若しくは信号端子対に与えられる。この電流の振幅は、
(2×n)段目の位相回転器のリアクタンス性負荷に発
生する電圧に正比例する。この結果、周波数依存抵抗器
のインピーダンスの抵抗の値は、初段の位相回転器から
(2×n)段目の位相回転器までの各リアクタンス性負
荷のインピーダンスを決定する値である、周波数と容量
素子の容量値との積に比例した値から周波数とインダク
タンス素子のインダクタンス値との積に逆比例した値を
減算した値、を掛算した値に正比例する。
本発明に係る周波数依存抵抗器において、さらに他の
場合は、リアクタンス性負荷が容量素子とインダクタン
ス素子との直列回路である。
リアクタンス性負荷が、容量素子とインダクタンス素
子との直列回路により構成されている場合、このリアク
タンス性負荷のインピーダンスを決定する値は、周波数
とインダクタンス素子のインダクタンス値との積に正比
例した値から周波数と容量素子の容量値との積に逆比例
した値を減算した値で与えられる。このため、(2×
n)段目の位相回転器のリアクタンス性負荷には、初段
の位相回転器から(2×n)段目の位相回転器までの各
リアクタンス性負荷のインピーダンスを決定する値であ
る、周波数とインダクタンス素子のインダクタンス値と
の積に正比例した値から周波数と容量素子の容量値との
積に逆比例した値を減算した値、の積に正比例した振幅
の電圧が発生する。この電圧が電流に変換され、信号端
子若しくは信号端子対に与えられる。この電流の振幅
は、(2×n)段目の位相回転器のリアクタンス性負荷
に発生する電圧に正比例する。この結果、周波数依存抵
抗器のインピーダンスの抵抗の値は、初段の位相回転器
から(2×n)段目の位相回転器までの各リアクタンス
性負荷のインピーダンスを決定する値である、周波数と
インダクタンス素子のインダクタンス値との積に正比例
した値から周波数と容量素子の容量値との積に逆比例し
た値を減算した値、の積に逆比例する。
本発明に係る周波数依存抵抗器は、前記差動増幅回路
または前記電圧−電流変換器を複数のMOSトランジスタ
を用いて構成することができる。
周波数依存抵抗器の抵抗値は、計算上、周波数に応じ
て高い値を実現することができる。しかし、この周波数
依存抵抗器の計算から得られる抵抗値に対し、位相回転
器の入力インピーダンスの値が低くなると、位相回転器
に与える電圧に対して位相回転器から出力される電流の
位相を直交させることができなくなる。ところで、MOS
トランジスタのゲート入力インピーダンスは、ゲート部
に寄生する微少な容量値によって決定され、バイポーラ
トランジスタのベース入力インピーダンスに比べ大き
い。この理由から、MOSトランジスタを用いれば、計算
上出現する信号端子間のインピーダンスが高い領域での
動作に有利となる。
本発明に係る周波数依存抵抗器において、前記リアク
タンス性負荷をジャイレータ回路で構成することができ
る。
半導体集積回路において、高い値のインダクタンス値
を導線の寸法形状で実現することが困難である。しか
し、リアクタンス性負荷としてジャイレータ回路を用い
ることにより、そのインダクタンス値を回路定数を選択
して大きくすることができ、それ故に、各リアクタンス
性負荷のインダクタンス値を大きくした周波数依存抵抗
器を実現することができる。
なお、本発明の周波数依存抵抗器を構成する縦続接続
回路の3段目以降の奇数段目の位相回転器のリアクタン
ス性負荷に発生する電圧を電流に変換し、初段の位相回
転器の入力部に接続された信号端子若しくは信号端子対
に与えることにより、ジャイレータ回路と異なる周波数
特性を備えたリアクタンス性負荷を実現することができ
る。
本発明に係る周波数依存抵抗器において、前記差動増
幅回路の主要部を構成する差動対のバイポーラトランジ
スタにおいて、前記差動増幅回路の入力端子対に各々接
続されたバッファ回路を介して前記バイポーラトランジ
スタのベースに信号が与えられるようすることができ
る。
バッファ回路は高い入力インピーダンスを備えるた
め、これを付加することでバイポーラトランジスタで構
成された差動増幅回路の入力インピーダンスを相対的に
高くすることができる。このため、前段の位相回転器の
充放電に影響を与えることがなく、その位相回転器の入
力電圧と出力電圧の位相の直交性を良好に保つことがで
きる。また、このバッファ回路を用いることによって、
計算上から必要とされる差動増幅回路の入力インピーダ
ンスの値が高い場合でも、実回路動作が追随するので、
広い周波数範囲で動作させることができるようになる。
本発明のさらに別の観点による周波数依存抵抗器は、
入力端子対に与えられる交流電圧に応じて出力端子対か
ら双方向の交流電流を出力する電圧−電流変換器と前記
電圧−電流変換器の出力端子対に接続されるリアクタン
ス性負荷を備え、前記入力端子対に与えられる電圧に応
じて前記リアクタンス性負荷に発生する電圧を出力する
位相回転器を複数個縦続接続してなる縦続接続回路、初
段の位相回転器の入力端子対に接続される信号端子対、
並びに前記縦続接続回路の初段の位相回転器を含めて数
えた偶数段目の位相回転器の出力電圧が入力端子対に与
えられ、この電圧に応じて出力端子対から双方向の交流
電流を前記信号端子対に出力する少なくとも一つの電圧
−電流変換器を有する第1の抵抗器と、前記第1の抵抗
器の信号端子対の一方に一端が接続されている第2の抵
抗器と、を具備し、前記第1の抵抗器の信号端子対の他
方と前記第2の抵抗器の他端との間に信号を入力し、前
記第1の抵抗器の信号端子対または前記第2の抵抗器の
両端から出力信号を取り出す、ものである。
この構成によって、第1の抵抗器の抵抗値と第2の抵
抗器の抵抗値の比に応じて出力信号を取り出すことがで
きる。特に、第2の抵抗器が、固定の抵抗値を有する抵
抗素子である場合、この第1の抵抗器の抵抗値が周波数
に応じて変化するため、この出力信号の振幅値もまた周
波数に応じて変化する。ここで、第1の抵抗器がその動
作する領域内において抵抗特性を有していることから出
力信号には位相変化が生じない。
なお、第2の抵抗器として、前述した本発明の周波数
依存抵抗器を採用することができる。一般的には、第1
の抵抗器と第2の抵抗器がともに正の抵抗特性若しくは
負の抵抗特性を有することが要求される。
本発明にかかる周波数依存抵抗器は、さらに前記信号
端子対に接続された第3の抵抗器を、具備することがで
きる。
第1の抵抗器と第3の抵抗器の並列回路の合成抵抗の
値と、第2の抵抗器の抵抗値との比に応じて出力信号を
取り出すことができる。特に、第2の抵抗器、及び第3
の抵抗器が固定の抵抗素子である場合、第1の抵抗器の
抵抗値が周波数に応じて変化し、その抵抗値が無限大と
なったとき、取り出される信号は第2の抵抗器の抵抗値
と第3の抵抗器の抵抗値の比で決定される。また、第1
の抵抗器の抵抗値が零に近づいたとき、取り出される信
号は第1の抵抗器の抵抗値と第2の抵抗器の抵抗値との
比で決定される。
本発明のさらに別の観点による周波数依存抵抗器は、
前記信号端子対の一端に接続されたパルス波形整形回路
を具備することができる。
これによって、信号端子に高い周波数のノイズを含ん
だパルス信号が入力された場合、パルス波形整形回路の
出力端子にはノイズを除去した後の2値信号を取り出す
ことができる。
本発明のさらに別の観点による周波数依存抵抗器は、
入力端子対に与えられる電圧に応じて出力端子対からリ
アクタンス性電流を出力する電圧−電流変換器と前記電
圧−電流変換器の出力端子対に接続される抵抗性負荷と
を備え、前記入力端子対に与えられる電圧に応じて前記
抵抗性負荷に発生する電圧を出力する位相回転器を複数
個縦続接続してなる縦続接続回路、前記縦続接続回路の
初段の位相回転器の前記電圧−電流変換器の入力端子対
に接続される信号端子対、及び前記縦続接続回路の初段
の位相回転器を含めて数えた偶数段目の位相回転器の出
力電圧に応じて電流を前記信号端子対に出力する少なく
とも一つの電圧−電流変換器、を具備する。
なお、本発明において、リアクタンス性電流とは、虚
部の値によって特性が支配される電流を意味する。ま
た、抵抗性負荷とは、インピーダンスの実部の値によっ
て特性が支配される負荷を意味する。
一対のトランジスタのエミッタ間にリアクタンス性負
荷を接続した差動増幅回路を構成することで、一対のト
ランジスタのベース間に与えた電圧に応じてリアクタン
ス性電流をトランジスタのコレクタから取り出すことが
できる。従って、入力端子対に与える電圧をリアクタン
ス性電流に変換する電圧−電流変換器を実現することが
できる。
初段の位相回転器の抵抗性負荷には、初段の位相回転
器の入力端子対に与えられる電圧、即ち信号端子対に与
えられる電圧、に対して位相が90度異なる電圧が発生す
る。この電圧が2段目の位相回転器に与えられ、2段目
の位相回転器の抵抗性負荷には、2段目の位相回転器の
入力端子対に与えられる電圧に対して位相が90度異なる
電圧が発生する。この結果、2段目の位相回転器の抵抗
性負荷には、前記信号端子対に与えられる電圧に対して
位相が180度異なる電圧が発生することになる。このよ
うにして、4段目の位相回転器の抵抗性負荷には、信号
端子対に与えられる電圧に対して位相が360度異なる電
圧が発生する。さらに、6段目の位相回転器、及び8段
目の位相回転器の抵抗性負荷には、それぞれ、信号端子
対に与えられる電圧に対して位相が540度、及び720度異
なる電圧が発生する。偶数段目の位相回転器の抵抗性負
荷に発生する電圧を、この電圧に対し同位相又は逆位相
の電流に変換して信号端子対に与える。この結果、信号
端子対には、信号端子対に与えられる電圧に対し、同位
相又は逆位相の電流が帰還することになる。
特に、第2の信号端子を基に第1の信号端子に与えら
れる電圧に対し、逆位相の電流が第1の信号端子に帰還
する場合には、第1の信号端子に与えられた電圧に対し
て第1の信号端子からは同位相の電流が周波数依存抵抗
器の内部に流れ込むことになり、信号端子には正の抵抗
特性が得られる。
本発明のさらに別の観点による周波数依存抵抗器は、
入力端子対に与えられる電圧に応じて出力端子対からリ
アクタンス性電流を出力する電圧−電流変換器と前記電
圧−電流変換器の出力端子対に接続される抵抗性負荷と
を備え、前記入力端子対に与えられる電圧に応じて前記
抵抗性負荷に発生する電圧を出力する位相回転器を複数
個縦続接続してなる縦続接続回路、及び前記縦続接続回
路の初段の位相回転器の前記電圧−電流変換器の入力端
子対に接続される信号端子対、を具備し、前記縦続接続
回路の初段の位相回転器を含めて数えた偶数段目の位相
回転器の電圧−電流変換器の出力電流を前記信号端子対
に与えるようにしたものである。
この構成にすれば、信号端子対に与えられる電圧に対
し、この信号端子対には、同位相と逆位相の双方向の電
流が帰還することになり、抵抗特性を有する周波数依存
抵抗器を実現することができる。
発明の新規な特徴は添付の請求の範囲に特に記載した
ものであり、本発明の構成及び内容については、他の目
的や特徴と共に、図面とともに説明する以下の詳細な説
明から、より良く理解されるであろう。
図面の簡単な説明 図1は、本発明の周波数依存抵抗器を示すものであ
る。
図2は、本発明の他の周波数依存抵抗器を示すもので
ある。
図3は、本発明の周波数依存抵抗器の回路構成を示す
ものであるである。
図4は、本発明の他の周波数依存抵抗器を示すもので
ある。
図5は、図4の周波数依存抵抗器の回路構成を示すも
のである。
図6は、本発明の他の周波数依存抵抗器の回路構成を
示すものである。
図7は、本発明の他の周波数依存抵抗器を示すもので
ある。
図8は、本発明の他の周波数依存抵抗器を示すもので
ある。
図9は、本発明の他の周波数依存抵抗器を示すもので
ある。
図10は、本発明の他の周波数依存抵抗器の回路構成を
示すものである。
図11は、本発明の他の周波数依存抵抗器の回路構成を
示すものである。
図12は、本発明の他の周波数依存抵抗器の回路構成を
示すものである。
図13は、図12の周波数依存抵抗器をブロック図によっ
て示すものである。
図14は、図12、図13の周波数依存抵抗器のシミュレー
ション結果を表す図である。
図15は、本発明の他の周波数依存抵抗器を示すもので
ある。
図16は、図15の周波数依存抵抗器のシミュレーション
結果を表す図である。
図17は、本発明の他の周波数依存抵抗器を示すもので
ある。
図18は、図17の周波数依存抵抗器のシミュレーション
結果を表す図である。
図19は、本発明の他の周波数依存抵抗器を示すもので
ある。
図20は、図19の周波数依存抵抗器のシミュレーション
結果を表す図である。
図21は、本発明の他の周波数依存抵抗器を示すもので
ある。
図22は、図21の周波数依存抵抗器のシミュレーション
結果を表す図である。
図23は、本発明の他の周波数依存抵抗器を示すもので
ある。
図24は、図23の周波数依存抵抗器のシミュレーション
結果を表す図である。
図25は、本発明の他の周波数依存抵抗器の回路構成を
示すものである。
図26は、本発明の他の周波数依存抵抗器を示すもので
ある。
図27は、図26の周波数依存抵抗器のシミュレーション
結果を表す図である。
図28は、本発明の他の周波数依存抵抗器の回路構成を
示すものである。
図29は、本発明の他の周波数依存抵抗器の回路構成を
示すものである。
図30は、従来のフィルタ装置を示す図である。
図31は、図30のフィルタ装置のシミュレーション結果
を表す図である。
図32は、図30のフィルタ装置のシミュレーション結果
を表す図である。
図33は、図30のフィルタ装置のシミュレーション結果
を表す図である。
発明を実施するための最良の形態 以下、本発明の実施の形態について、図1乃至図29を
参照しながら説明する。
《実施例1》 本発明の周波数依存抵抗器について図1を参照しつつ
説明する。
図1の周波数依存抵抗器は、電圧−電流変換器1、
2、3、4、5、6、コンデンサ7、8、9、10、信号
端子11を備える。電圧−電流変換器1と電圧−電流変換
器1の出力端子に接続されたコンデンサ7、電圧−電流
変換器2と電圧−電流変換器2の出力端子に接続された
コンデンサ8、電圧−電流変換器3と電圧−電流変換器
3の出力端子に接続されたコンデンサ9、及び電圧−電
流変換器4と電圧−電流変換器4の出力端子に接続され
たコンデンサ10で、それぞれ1段目、2段目、3段目、
及び4段目の位相回転器を構成している。
電圧−電流変換器1、2、3、4、5、及び6は、マ
イナス端子の電圧を基準にプラス端子に与えられる電圧
から前記マイナス端子に与えられる電圧を引いた差電圧
を電流に変換して出力する。電圧−電流変換器1、2、
3、4、及び5は、この差電圧が正であるとき、同位相
の電流を出力端子から流出し、この差電圧が負であると
き同位相の電流を出力端子内に流入させる。一方、電圧
−電流変換器6は、前記差電圧が正であるとき、同位相
の電流を出力端子内に流入させ、前記差電圧が負である
とき同位相の電流を出力端子から流出する。ここで、電
圧−電流変換器の前記差電圧に対する出力電流の比を電
流変換率gmで表し、電圧−電流変換器1、2、3、4、
5、及び6の電流変換率gmの値をそれぞれgm1、gm2、gm
3、gm4、gm10、及びgm11と定義する。
コンデンサ7、8、9、及び10は、リアクタンス性負
荷の一種であり、容量値をそれぞれC1、C2、C3、及びC4
と定義する。リアクタンス性負荷のインピーダンスは、
一般に(+j×X)または(−j×X)で表され、コン
デンサのインピーダンスをZcとすると、インピーダンス
Zcは、次式のように与えられる。
Zc=1/(j×ω×C) =−j/(ω×C) ……(1) ここで、jは虚数、Xはリアクタンス、ωは扱う信号の
角周波数、Cはコンデンサの容量値を意味する。なお、
リアクタンス性負荷には、コンデンサ、コイル、コンデ
ンサとコイルを組み合わせてできる回路等があり、その
場合については後述する。
次に、図1の周波数依存抵抗器の動作について説明す
る。なお、以下の説明において取り扱う電圧及び電流
は、特に指定しない限り、交流であるとする。
電圧−電流変換器5から電流帰還がかかり、且つ電圧
−電流変換器6からは電流帰還がかかっていない場合を
仮定する。
信号端子11に電圧vが与えられると、電圧−電流変換
器1に電圧vが与えられる。電圧−電流変換器1では、
与えられた電圧vを電流変換率の値gm1で電流に変換し
て出力する。この電流がコンデンサ7に供給される。コ
ンデンサ7は充電されて、コンデンサ7には、次式で表
される電圧v1が発生する。
v1=v×gm1/(j×ω×C1) ……(2) この電圧v1が2段目の位相回転器の電圧−電流変換器
2に与えられる。電圧−電流変換器2では、与えられた
電圧v1を電流変換率の値gm2で電流に変換して出力す
る。この電流がコンデンサ8に供給される。それ故、コ
ンデンサ8は充電されて、コンデンサ8には、次式で表
される電圧v1が発生する。
v2=v1×gm2/(j×ω×C2) ……(3) この電圧v2が電圧−電流変換器5に与えられる。電圧
−電流変換器5では、与えられた電圧v2を電流変換率の
値gm10で、次式で表される電流に変換し出力端子から出
力する。ここで、i10は、信号端子11から電圧−電流変
換器5の出力端子に向かう電流として定義する。
−i10=gm10×v2 ……(4) 信号端子11から内部をみたインピーダンスZin2は、信
号端子11に与えられる電圧と信号端子11から内部に流れ
る電流i10の比で与えられ、次式で与えられる。
Zin2= ω×C1×C2/(gm1×gm2×gm10) ……(5) この式から示されるように、インピーダンスZin2は虚数
を持たない。つまり、抵抗として与えられ、その値は、
ωの2乗、容量値C1、C2、電流変換率gm1、gm2、gm10に
依存して決定される。
次に、電圧−電流変換器6から電流帰還がかかり、且
つ電圧−電流変換器5からは電流帰還がかかっていない
場合を仮定する。
電圧−電流変換器5から電流帰還がかかり、且つ電圧
−電流変換器6からは電流帰還がかかっていないと仮定
した場合と同様に、コンデンサ8には式(3)で与えら
れる電圧v2が発生する。
この電圧v2が電圧−電流変換器3に与えられる。電圧
−電流変換器3では、与えられた電圧v2を電流変換率の
値gm3で電流に変換する。この電流がコンデンサ9に供
給される。コンデンサ9は充電され、コンデンサ9に
は、次式で表される電圧v3が発生する。
v3=gm3×v2/(j×ω×C3) ……(6) この電圧v3が電圧−電流変換器4に与えられる。電圧
−電流変換器4では、与えられた電圧v3を電流変換率の
値gm4で電流に変換し出力する。この電流がコンデンサ1
0に供給される。それ故、コンデンサ10は充電されて、
コンデンサ10には、次式で表される電圧v4が発生する。
v4=gm4×v3/(j×ω×C4) ……(7) この電圧v4が電圧−電流変換器6に与えられる。与え
られた電圧v4を電流変換率の値gm11で、次式で表される
電流に変換し出力端子から出力する。ここで、i11は、
信号端子11から電圧−電流変換器6の出力端子に向かう
電流として定義する。
i11=gm11×v4 ……(8) 信号端子11から内部をみたインピーダンスZin4は、信
号端子11に与えられる電圧と信号端子11から内部に流れ
るi11の比で与えられ、次式で与えられる。
Zin4=ω×C1×C2×C3×C4 /(gm1×gm2×gm3×gm4×gm11) ……(9) この式から示されるように、インピーダンスZin4は抵抗
として与えられ、ωの4乗、容量値C1、C2、C3、C4、電
流変換率gm1、gm1、gm2、gm3、gm4、gm11に依存して決
定される。
さらに、電圧−電流変換器5及び6から電流帰還がか
かるとすると、信号端子11を通過する電流はi10とi11の
和である。それ故に、信号端子11から内部を見たインピ
ーダンスZinは、Zin2とZin4の並列接続として与えら
れ、次式で与えられる。
Zin={(Zin2)-1+(Zin4)-1-1 ……(10) 従って、インピーダンスZinは周波数の2乗及び4乗で
変化する。なお、通常、インピーダンスとしては正極性
(Zin>0)が採用される。
《実施例2》 本発明の他の周波数依存抵抗器について図2を参照し
つつ説明する。
図2の周波数依存抵抗器は、電圧−電流変換器1、
2、3、4、5、6、コンデンサ7、8、9、10、信号
端子11、12を備える。1段目、2段目、3段目、及び4
段目の位相回転器は、それぞれ、電圧−電流変換器1と
電圧−電流変換器1の出力端子対に両端が接続されたコ
ンデンサ7、電圧−電流変換器2と電圧−電流変換器2
の出力端子対に両端が接続されたコンデンサ8、電圧−
電流変換器3と電圧−電流変換器3の出力端子対に両端
が接続されたコンデンサ9、及び電圧−電流変換器4と
電圧−電流変換器4の出力端子対に両端が接続されたコ
ンデンサ10から構成している。なお、電圧−電流変換器
1、2、3、4、5、6、コンデンサ7、8、9、10に
ついては、図1の説明が適用できるため重複する記述は
省略する。
次に、図2の周波数依存抵抗器の動作について説明す
る。なお、以下の説明において取り扱う電圧及び電流は
交流であるとする。
電圧−電流変換器5からは電流帰還がかかり、且つ電
圧−電流変換器6からは電流帰還がかかっていない場合
を仮定する。
信号端子12に対して信号端子11に与える電圧をvとす
ると、電圧−電流変換器1の入力端子間に電圧vが与え
られることになる。電圧−電流変換器1では、この電圧
vを電流変換率の値gm1で電流に変換して、出力端子対
から双方向の電流として出力する。この電流がコンデン
サ7に充電され、コンデンサ7の両端には、次式で表さ
れる電圧v1が発生する。
v1=v×gm1/(j×ω×C1) ……(11) この電圧v1が電圧−電流変換器2の入力端子間に与え
られる。電圧−電流変換器2では、この電圧v1を電流変
換率の値gm2で双方向の電流に変換して出力する。この
電流がコンデンサ8に供給され、コンデンサ8の両端に
は、次式で表される電圧v2が発生する: v2=v×gm2/(j×ω×C2) ……(12) この電圧v2が電圧−電流変換器5の入力端子間に与え
られる。電圧−電流変換器5では、与えられた電圧v2を
電流変換率の値gm10で、次式で表される電流に変換し出
力端子対から出力する。ここで、i10は、信号端子11か
ら電圧−電流変換器5の出力端子の一方に向かい、他方
から信号端子12に向かう電流として定義する。
−i10=gm10×v2 ……(13) 信号端子11、12から内部をみたインピーダンスZin22
は、信号端子12に対して信号端子11に与えられる電圧と
信号端子11から内部に流れ、さらに信号端子12に向かっ
て流れる電流の比で与えられ、次式のようになる。
Zin22= ω×C1×C2/(gm1×gm2×gm10) ……(14) この式から示されるように、インピーダンスZin22は虚
数を持たない抵抗として与えられ、ωの2乗、容量値C
1、C2、電流変換率gm1、gm2、gm10に依存して決定され
る。
次に、電圧−電流変換器6から電流帰還がかかり、且
つ電圧−電流変換器5からは電流帰還がかかっていない
と仮定する。
電圧−電流変換器5からは電流帰還がかかり、且つ電
圧−電流変換器6からは電流帰還がかかっていないと場
合と同様に、コンデンサ8には式(12)で与えられる電
圧v2が発生する。
この電圧v2が電圧−電流変換器3の入力端子間に与え
られる。電圧−電流変換器3では、与えられた電圧v2を
電流変換率の値gm3で双方向の電流に変換して出力す
る。この電流がコンデンサ9に充電され、コンデンサ9
の両端には、次式で表される電圧v3が発生する。
v3=gm3×v2/(j×ω×C3) ……(15) この電圧v3が電圧−電流変換器4の入力端子間に与え
られる。電圧−電流変換器4では、与えられた電圧v3を
電流変換率の値gm4で双方向の電流に変換して出力す
る。この電流がコンデンサ10に充電されて、コンデンサ
10の両端には、次式で表される電圧v4を発生する。
v4=gm4×v3/(j×ω×C4) ……(16) この電圧v4が電圧−電流変換器6の入力端子間に与え
られ、与えられた電圧v4を電流変換率の値gm11で、次式
で表される電流i11に変換し、信号端子11から一方の出
力端子に引き込み、他の出力端子から信号端子12に向け
て供給する。
i11=gm11×v4 ……(17) 信号端子11、12から内部をみたインピーダンスZin24
は、信号端子12に対して信号端子11に与えられる電圧と
信号端子11から内部に流れさらに信号端子12に向かって
流れる電流の比で与えられ、次式のようになる。
Zin24=ω×C1×C2×C3×C4 /(gm1×gm2×gm3×gm4×gm11) ……(18) この式から示されるように、インピーダンスZin24は虚
数を持たない抵抗として与えられ、ωの4乗、容量値C
1、C2、C3、C4、電流変換率gm1、gm1、gm2、gm3、gm4、
gm11に依存して決定される。
さらに、電圧−電流変換器5及び6から電流帰還がか
かるとすると、信号端子11に帰還される電流は、i10とi
11の和である。信号端子11、12から内部を見たインピー
ダンスZinは、次式のようになる。
Zin={(Zin22)-1+(Zin24)-1-1 ……(19) 従って、インピーダンスZinは周波数の2乗及び4乗で
変化する。
《実施例3》 本発明の他の周波数依存抵抗器について図3を参照し
つつ説明する。
図3の周波数依存抵抗器は、トランジスタ21、22、2
3、24、25、26、コンデンサ7、8、抵抗27、28、29、
電流源301、302、303、304、305、306、331、332、33
3、334、335、336、電圧源142、143、信号端子11、12を
備える。
トランジスタ21、22、トランジスタ21とトランジスタ
22のエミッタ間に接続された抵抗27、トランジスタ21の
エミッタと接地間に接続された電流源301、トランジス
タ22のエミッタと接地間に接続された電流源302、トラ
ンジスタ21のコレクタと電圧源143間に接続された電流
源331、及びトランジスタ22のコレクタと電圧源143間に
接続された電流源332によって差動増幅回路による電圧
−電流変換器1を構成する。この電圧−電流変換器1、
及びトランジスタ21とトランジスタ22のコレクタ間に接
続されたコンデンサ7によって1段目の位相回転器を構
成する。1段目の位相回転器のトランジスタ21のベース
に信号端子11、トランジスタ22のベースに信号端子12が
接続されている。トランジスタ23、24、トランジスタ23
とトランジスタ24のエミッタ間に接続された抵抗28、ト
ランジスタ23のエミッタと接地間に接続された電流源30
3、トランジスタ24のエミッタと接地間に接続された電
流源304、トランジスタ23のコレクタと電圧源143間に接
続された電流源333、及びトランジスタ24のコレクタと
電圧源143間に接続された電流源334によって差動増幅回
路による電圧−電流変換器2を構成する。この電圧−電
流変換器2、及びトランジスタ23とトランジスタ24のコ
レクタ間に接続されたコンデンサ8によって2段目の位
相回転器を構成する。トランジスタ25、26、トランジス
タ25とトランジスタ26のエミッタ間に接続された抵抗2
9、トランジスタ25のエミッタと接地間に接続された電
流源305、トランジスタ26のエミッタと接地間に接続さ
れた電流源306、トランジスタ25のコレクタと電圧源143
間に接続された電流源335、及びトランジスタ26のコレ
クタと電圧源143間に接続された電流源336によって差動
増幅回路による電圧−電流変換器5を構成する。
電圧−電流変換器の電流変換率は、各電圧−電流変換
器を形成する差動増幅回路のトランジスタ対の各トラン
ジスタのエミッタ抵抗値の和とこの差動増幅回路のトラ
ンジスタ対のエミッタ間に接続された抵抗の抵抗値との
和の逆数で与えられる。仮に、各差動増幅回路の各トラ
ンジスタに流れる電流が1mAとすると各エミッタ抵抗値
は概略26Ωであり、通常、抵抗27、28、及び29に採用さ
れる抵抗値に対して充分小さい。このことから、各電圧
−電流変換器の電流変換率は、各エミッタ間に接続され
た抵抗の値の逆数で近似的に与えられる。抵抗27、28、
及び29の抵抗値を、それぞれR1、R2、及びR3と定義す
る。1段目の位相回転器の電圧−電流変換器1、2段目
の位相回転器の電圧−電流変換器2、及び電圧−電流変
換器5の電圧−電流変換率gmの値を、それぞれgm1、gm
2、及びgm10と定義すれば、gm1、gm2、及びgm10は、そ
れぞれ次式のようになる。
gm1=1/R1 ……(20) gm2=1/R2 ……(21) gm10=1/R3 ……(22) なお、トランジスタに流れる電流を絞ることによって
エミッタ抵抗値を反比例的に増加させ、抵抗27、28、若
しくは29に対して無視できない領域で各電圧−電流変換
器の電流変換率を異ならせることも可能である。
ここで、理想的な電圧−電流変換器を実現させる条件
としては、各トランジスタのベース電流に対するコレク
タ電流の比である電流増幅率hFEが無限大であり、また
トランジスタのコレクタ電圧とコレクタ電流の値とを従
属的に決定付けるアーリー効果による影響が動作上無視
できるほど微少であることが要求される。仮に、トラン
ジスタの電流増幅率hFEが有限であるとき、このトラン
ジスタのコレクタに接続された電流源の電流値とこのト
ランジスタのベース電流の電流値とを加算した値をこの
トランジスタのエミッタに接続した電流源の電流値とし
て設定する必要がある。またアーリー効果の影響がある
場合には、比較的微少な信号を扱うことでその影響を最
小に抑えることができる。しかし、温度変動による特性
の変化等で理想的な電圧−電流変換器が実現できない場
合が多い。この場合は、直流電圧と直流電流を考慮した
帰還ループを用意することで発振動作を回避することが
できる。具体的には、信号端子11、12の外部に正特性の
インピーダンスを持つ信号源が接続されている場合に
は、片方の信号端子を基準に他方の信号端子に与えらた
直流電圧に対して、この他方の信号端子から周波数依存
抵抗器内に直流電流が流れ込むように負帰還ループを形
成する。こうすることにより、動作電圧が変動した場合
においても直流の電圧と電流に関する安定な動作を得る
ことができる。このとき、外部の信号源の特性に合わせ
た正の特性の抵抗を周波数依存抵抗器に得るためには、
後述の図25に示すように、位相回転器の個数を4の整数
倍に設定することが要求される。一方、信号端子11、12
に負特性のインピーダンスを持つ信号源が接続されてい
る場合には、位相回転器の個数は4の整数倍から2を引
いた数に設定することが要求される。
また、コンデンサの充放電を行う電流源の直流電流値
がコンデンサの値に対して相対的に小さいと充放電に要
する時間による新たな位相遅れが生じる。この位相遅れ
が帰還電流に加わることで発振条件に入ることがある。
この発振の周波数は、縦続接続する位相回転器の数が増
えるとともに比較的低い周波数で出現する。従って、各
電流源の直流電流値を高く設定することが望ましい。
コンデンサ7と8の一端、及びトランジスタ24と26の
ベースに固定電圧を与え動作させた場合には、トランジ
スタ21及び23のコレクタには電圧源142から電流が供給
され、それ故、電流源331及び333から電流を供給する必
要はない。
以下、図3の動作について述べる。
信号端子11、12の間に電圧が与えられると、コンデン
サ7に電流が供給され、このコンデンサ7の両端には、
信号端子対に与えられる電圧に対し位相が90度異なる電
圧が発生する。コンデンサ7に発生する電圧はトランジ
スタ23、24のベースに与えられ、コンデンサ8に電流が
供給される。それ故、このコンデンサ8の両端には、コ
ンデンサ7に発生する電圧に対し位相が90度異なる電圧
が発生する。この結果、コンデンサ8の両端には、信号
端子対に与えられる電圧に対し位相が180度異なる電圧
が発生する。コンデンサ8に発生する電圧がトランジス
タ25及び26のベースに与えられ、トランジスタ25及び26
のコレクタからそれぞれ信号端子11及び12に電流が与え
られる。信号端子12を基準にして信号端子11に与えられ
る電圧に対し、信号端子11から同位相の電流が周波数依
存抵抗器内部に流入し、その後信号端子12に向けて流出
する。このため、信号端子対には正の抵抗特性が得られ
る。
なお、信号端子11及び12に与える電圧の直流電位若し
くは平均電位を概略等しく設定することにより動作の均
衡がとれ、広いダイナミックレンジで動作する周波数依
存抵抗器を実現することができる。
《実施例4》 本発明の他の周波数依存抵抗器について図4及び図5
を参照しつつ説明する。
図4の周波数依存抵抗器は、電圧−電流変換器1、
2、5、コンデンサ7、8、電流増幅器34、電圧源14
2、信号端子11、36を備える。電圧−電流変換器1と電
圧−電流変換器1の出力端に接続されたコンデンサ7、
及び電圧−電流変換器2と電圧−電流変換器2の出力端
に接続されたコンデンサ8で、それぞれ1段目、及び2
段目の位相回転器を構成している。
電流増幅器34は、信号端子36から入力される信号に応
じて電圧−電流変換器5から与えられる電流を増幅し、
増幅した電流を信号端子11に与える。電流増幅器34の電
流の増幅率は、外部の信号源37から信号端子36に与える
信号によって変化する。なお、信号端子36に外部から与
える信号には、交流電気信号、検波された電気信号、直
流電圧、または直流電流が用意される。例えば、信号端
子36に、交流電気信号を与える場合、交流電気信号の振
幅または位相により電流の増幅率が決まる。なお、他の
構成要素については図1の説明が適用できるため、重複
する記述は省略する。
信号端子11から内部をみたインピーダンスは、信号端
子11に与えられる電圧と信号端子11から内部に流れ込む
電流の比で決まり、この電流は信号端子36に与える信号
により変化させることができるので信号端子11から内部
をみたインピーダンスを変化させることができる。
半導体集積回路装置に周波数依存抵抗器を製作する場
合、拡散工程の条件の設定の誤差による抵抗値、容量値
等のばらつき、温度による抵抗値の変動等によりこの周
波数依存抵抗器の抵抗値が所定値からばらつく。この誤
差を吸収させる目的で外部から信号を与えることが要求
される場合がある。この場合、測定した抵抗値に応じて
信号端子36に直流電圧等を与える方法、又は抵抗値及び
容量値の積を電気的に自動検出してその検出した値に応
じて信号端子36に直流電圧等を与える方法によって、抵
抗値を一定にさせることができる。前者の場合には、比
較と判断の機能がコンピュータを介して行われる。後者
の場合には、位相比較回路を組み込んだ帰還回路を構成
して実現される。この技術に関しては、特許番号第2517
048号「ろ波周波数制御装置」が参考となる。具体的に
は、入力されるビデオ信号を抵抗の一端に入力し、この
抵抗にインダクタンス性負荷と容量性負荷とを直列接続
して構成される第1、第2の直列共振回路と、ビデオ信
号中のバースト信号の期間に対応したパルス信号の入力
に応じて、上記直列共振回路のインダクタンス性負荷と
容量性負荷との接続点の信号とビデオ信号との位相を比
較し、それらの位相差を検出する検波回路と、検波回路
の誤差出力を平滑する平滑回路と、上記インダクタンス
性負荷又は上記容量性負荷の値を第1、第2の直列共振
回路の両方とも上記平滑回路の出力信号に応じて可変
し、検波回路で検出する位相差を所定の位相差に近づけ
るように制御する制御回路とを備えたものである。ここ
で、インダクタンス性負荷をジャイレータ回路で構成す
ることによって平滑回路から得られる出力信号は、抵抗
値と容量性負荷を用いて表現することができる。この出
力信号を第2の直列共振回路に与える代わりに、信号端
子36に与えることでバースト信号の周波数に対応して周
波数依存抵抗器の抵抗値を所定の値に近づけることがで
きる。
次に、図4の周波数依存抵抗器の具体的回路構成を示
す図5について説明する。
周波数依存抵抗器は、トランジスタ21、22、25、26、
38、39、40、41、42、43、46、47、コンデンサ7、8、
抵抗27、28、29、48、49、電流源301、302、303、304、
305、306、321、322、331、334、電圧源32、33、143、
信号端子11、36を備える。
トランジスタ21、22、トランジスタ21とトランジスタ
22のエミッタ間に接続された抵抗27、トランジスタ21の
エミッタと接地間に接続された電流源301、トランジス
タ22のエミッタと接地間に接続された電流源302、及び
トランジスタ22のコレクタと電圧源143間に接続された
電流源331によって差動増幅回路による電圧−電流変換
器1を構成する。この電圧−電流変換器1、及びトラン
ジスタ22のコレクタに接続されたコンデンサ7によって
1段目の位相回転器を構成する。1段目の位相回転器の
トランジスタ21のベースに信号端子11が接続されてい
る。トランジスタ46、47、トランジスタ46とトランジス
タ47のエミッタ間に接続された抵抗28、トランジスタ46
のエミッタと電圧源143間に接続された電流源303、トラ
ンジスタ47のエミッタと電圧源143間に接続された電流
源304、トランジスタ47のコレクタと接地間に接続され
た電流源334、及びトランジスタ47のベースに接続され
た電圧源33によって差動増幅回路による電圧−電流変換
器2を構成する。この電圧−電流変換器2、及びトラン
ジスタ47のコレクタに接続されたコンデンサ8によって
2段目の位相回転器を構成する。さらに、トランジスタ
25、26、トランジスタ25と26のエミッタ間に接続された
抵抗29、トランジスタ25のエミッタと接地間に接続され
た電流源305、及びトランジスタ26のエミッタと接地間
に接続された電流源306によって差動増幅回路による電
圧−電流変換器5を構成する。トランジスタ38、39、4
0、41、42、43によって電流増幅器34を構成する。ここ
で、トランジスタ38、39のエミッタを共通接続してトラ
ンジスタ26のコレクタを接続し、また、トランジスタ4
0、41のエミッタを共通接続して電流源321の一端を接続
する。電流源321の他端は接地に接続する。
トランジスタ38、41のベース電圧を基準にしてトラン
ジスタ39、40のベースに接続された信号端子36に電圧を
与える。信号端子36に与えられる電圧に応じて電圧−電
流変換器5を構成するトランジスタ26のコレクタから与
えられる電流と電流源321から与えられる電流との混合
比が変化する。トランジスタ39、40のコレクタ電流は、
トランジスタ43、42によって信号端子11に伝達される。
従って、信号端子36に与える信号により、周波数依存抵
抗器のインピーダンスを制御することが可能となる。な
お、電流源305、306、321、及び322は、ほぼ等しい値の
電流を供給するものとする。
《実施例5》 図1乃至図5においては、正の抵抗特性が得られる周
波数依存抵抗器について説明してきた。しかし、周波数
依存抵抗器は、正の抵抗特性が得られる場合と、負の抵
抗特性が得られる場合があるので、以下では、正の抵抗
特性が得られる周波数依存抵抗器、及び負の抵抗特性が
得られる周波数依存抵抗器について順に説明する。
正の抵抗特性が得られる周波数依存抵抗器が、図1乃
至図5に示されており、電圧の位相の変化について実施
例3において図3を基に説明したので省略する。
次に、負の抵抗特性が得られる周波数依存抵抗器につ
いて、図6を参照しつつ説明する。
図6の周波数依存抵抗器は、コンデンサ7、8、トラ
ンジスタ21、22、23、24、25、26、抵抗27、28、29、電
流源301、302、303、304、305、306、307、308、309、3
10、電圧源142、143、信号端子11、12を備える。
図3と図6の構成の違いは、トランジスタ25、26の各
コレクタと信号端子11、12とを結ぶ接続が互いに逆とな
っている点である。
信号端子12を基準として信号端子11に電圧が与えられ
ると、この結果、トランジスタ24のコレクタとコンデン
サ8の接続点には、信号端子11、12の間に与えられる電
圧に対し、位相が180度異なる電圧が発生することにな
る。この電圧がトランジスタ25のベースに入力される
と、トランジスタ25のベースに与えられる電圧に対し逆
位相の電流、即ち、信号端子11、12に与えられる電圧に
対して同位相の電流が、トランジスタ25のコレクタと電
流源309の接続点から信号端子11に与えられる。一方、
トランジスタ25のベースに与えられる電圧に対し同位相
の電流、即ち、信号端子対に与えられる電圧に対して逆
位相の電流が、トランジスタ26のコレクタと電流源310
の接続点から信号端子12に与えられる。従って、信号端
子11、12には、負の抵抗特性が得られる。
《実施例6》 以上では、リアクタンス性負荷として、コンデンサを
例に挙げ説明してきた。しかし、リアクタンス性負荷と
しては、コンデンサの他にコイル、コンデンサとコイル
の並列回路、コンデンサとコイルの直列回路などの組み
合わせがあるので、以下では、これらを利用した周波数
依存抵抗器について説明する。
まず、リアクタンス性負荷としてコンデンサを用いた
場合が、図1乃至図6に示されており、図1を用いて説
明した。図1の構成、動作については既に説明している
ため、ここでは、電圧−電流変換器5から電流帰還がか
かり、且つ電圧−電流変換器6からは電流帰還がかかっ
ていないと仮定した場合の結果のみを示す。
コンデンサ7及び8の容量値を、それぞれC1及びC2と
定義すると、コンデンサ7及び8のインピーダンスZC1
及びZC2は、それぞれ、次式のように与えられる。
ZC1=1/(j×ω×C1) ……(23) ZC2=1/(j×ω×C2) ……(24) 信号端子11から内部をみたインピーダンスZinは、次式
のように与えられる。
Zin= ω×C1×C2/(gm1×gm2×gm10) ……(25) 周波数依存抵抗器は、ωの2乗、容量値C1、及びC2の積
に比例し、電流変換率gm1、gm2、gm10の積に反比例する
抵抗特性が得られる。
なお、コンデンサ7及び8は容量性負荷の一種であ
り、コンデンサの他に容量性負荷としては、可変容量ダ
イオード、トランジスタとコンデンサとを組み合わせて
等価的に容量値を増減させる容量回路、若しくは可変イ
ンピーダンス回路が存在する。可変容量ダイオードは、
そのダイオード両端に与える直流電圧に応じてその端子
間の容量値を変化させることができる。一方、容量回路
は特許番号第2039606号に示されるように高い値の容量
値を得ることができる。又、可変インピーダンス回路
は、アメリカ合衆国特許番号第5012201に示されるよう
に、外部から与える電圧によってその容量値を異ならせ
ることができる。
特許番号2039606号に示されている容量回路について
示す。ジャイレータ回路を2段に直結し、後段の出力端
子に容量素子を終端接続する。この構成にすることで、
前段のジャイレータ回路の入力端子間に容量特性が得ら
れる。ここで、ジャイレータ回路は2組の差動増幅回路
によって構成されており、前段のジャイレータ回路の各
差動増幅回路の電流増幅率の積と後段のジャイレータ回
路の各差動増幅回路の電流増幅率の積との比と終端接続
した前記容量素子の容量値に比例した値が容量値として
与えられる。各電流増幅率は、各差動増幅回路のエミッ
タ間に接続された抵抗の値に逆比例するので、この抵抗
値を選択することで、新しく得られる容量値を増減させ
ることができる。
アメリカ合衆国特許番号第5012201に示されている可
変インピーダンス回路について示す。入力端子対と出力
端子対とトランジスタ対の間に接続された容量素子とを
備えた第1の差動増幅回路と、この第1の差動増幅回路
の出力端子間に接続された抵抗負荷と、入力端子対と出
力端子対とを備えた第2の差動増幅回路とを備え、第1
の差動増幅回路の出力端子対と第2の差動増幅回路の入
力端子対とを接続し、第2の差動増幅回路の出力端子対
と第1の差動増幅回路の入力端子対とを接続する。この
ようにして、第1の差動増幅回路の入力端子対の間には
前記容量素子の容量値に比例した値の容量特性が得られ
る。
次に、リアクタンス性負荷がコイルである場合の周波
数依存抵抗器について、図7を参照してつつ説明する。
図7の周波数依存抵抗器は、電圧−電流変換器1、
2、5、コイル50、51、信号端子11、12を備える。電圧
−電流変換器1と電圧−電流変換器1の出力端子対に接
続されたコイル50、及び電圧−電流変換器2と電圧−電
流変換器2の出力端子対に接続されたコイル51で、それ
ぞれ1段目、及び2段目の位相回転器を構成している。
コイル50及び51のインダクタンス値をそれぞれ、L1及
びL2と定義すると、コイル50及び51のインピーダンスZ
L1及びZL2は、それぞれ、次式のように与えられる。
ZL1=j×ω×L1 ……(26) ZL2=j×ω×L2 ……(27) 他の構成要素については図1の説明が適用できるため、
重複する記述は省略する。
信号端子12に対して信号端子11に与えられる電圧をv
とすると、電圧−電流変換器1の入力端子間に電圧vが
与えられることになる。電圧−電流変換器1では、この
電圧vを電流変換率の値gm1で電流に変換する。この電
流がコイル50に供給される。それ故、コイル50の両端に
は、次式で表される電圧v1が発生する。
v1=v×gm1×j×ω×L1 ……(28) この電圧v1が電圧−電流変換器2の入力端子間に与え
らる。電圧−電流変換器2では、この電圧v1を電流変換
率の値gm2で電流に変換する。この電流がコイル51に供
給される。それ故、コイル51の両端には、次式で表され
る電圧v2が発生する。
v2=v1×gm2×j×ω×L2 ……(29) この電圧v2が電圧−電流変換器5の入力端子間に与え
られ、電圧−電流変換器5では、与えられた電圧v2を電
流変換率の値gm10で、次式で表される電流に変換し出力
端子から出力する。ここで、i10は、信号端子11から電
圧−電流変換器5の出力端子の一方に向かい、他方から
信号端子12に向かう電流として定義する。
−i10=gm10×v2 ……(30) 従って、図7に示す周波数依存抵抗器の場合、信号端
子11、12から内部をみたインピーダンスZinは、次式の
ようになる。
Zin= 1/(ω×gm1×gm2×gm10×L1×L2) ……(31) この式から示されるように、周波数依存抵抗器では、ω
の2乗、容量値L1、L2、電流変換率gm1、gm2、gm10の積
に反比例する抵抗特性が得られる。
次に、リアクタンス性負荷がコンデンサとコイルの並
列回路である場合の周波数依存抵抗器について、図8を
参照してつつ説明する。
図8の周波数依存抵抗器は、電圧−電流変換器1、
2、5、コンデンサ7、8、コイル50、51、信号端子1
1、12を備える。電圧−電流変換器1と電圧−電流変換
器1の出力端子対に接続されたコイル50並びにコンデン
サ7、及び電圧−電流変換器2と電圧−電流変換器2の
出力端子対に接続されたコイル51並びにコンデンサ8
で、それぞれ1段目、及び2段目の位相回転器を構成し
ている。
コンデンサ7及び8の容量値をそれぞれC1及びC2と定
義し、コイル50及び51のインダクタンス値をそれぞれL1
及びL2と定義する。コンデンサ7とコイル50とで構成さ
れる回路及びコンデンサ8とコイル51とで構成される回
路のインピーダンスZLC1及びZLC2は、それぞれ、次式
のように与えられる。
ZLC1=−j×{ω×C1−1/(ω×L1)}-1 ……(32) ZLC2=−j×{ω×C2−1/(ω×L2)}-1 ……(33) 信号端子12に対して信号端子11に与えられる電圧をv
とすると、電圧−電流変換器1の入力端子間に電圧vが
与えられる。電圧−電流変換器1では、この電圧vを電
流変換率の値gm1で電流に変換する。この電流がコンデ
ンサ7とコイル50の並列回路に供給される。それ故、こ
の並列回路の両端には、次式で表される電圧v1が発生す
る。
v1=−v×gm1 ×j×{ω×C1−1/(ω×L1)}-1 ……(34) この電圧v1が電圧−電流変換器2の入力端子間に与え
られる。電圧−電流変換器2では、この電圧v1を電流変
換率の値gm2で電流に変換する。この電流がコンデンサ
8とコイル51の並列回路に供給される。それ故、この並
列回路の両端には、次式で表される電圧v2が発生する。
v2=−v1×gm2 ×j×{ω×C2−1/(ω×L2)}-1 ……(35) この電圧v2が電圧−電流変換器5の入力端子間に与え
られる。電圧−電流変換器5では、与えられた電圧v2を
電流変換率の値gm10で、次式で表される電流に変換し出
力端子から出力する。ここで、i10は、信号端子11から
電圧−電流変換器5の出力端子の一方に向かい、他方か
ら信号端子12に向かう電流として定義する。
−i10=gm10×v2 ……(36) 従って、図8に示す周波数依存抵抗器の場合、信号端
子11、12から内部をみたインピーダンスZinは、次式の
ようになる。
Zin={ω×C1−1/(ω×L1)} ×{ω×C2−1/(ω×L2)} /(gm1×gm2×gm10) ……(37) この式から分かるように、インピーダンスZinは角周波
数ωが(L1×C1)−1/2或いは(L2×C2)−1/2に近づく
とゼロに近づく。
さらに、リアクタンス性負荷がコンデンサとコイルの
直列回路である場合の周波数依存抵抗器について、図9
を参照してつつ説明する。
図9の周波数依存抵抗器は、電圧−電流変換器1、
2、5、コンデンサ7、8、コイル50、51、信号端子1
1、12を備える。電圧−電流変換器1と電圧−電流変換
器1の出力端子対に接続されたコイル50並びにコンデン
サ7からなる直列回路、及び電圧−電流変換器2と電圧
−電流変換器2の出力端子対に接続されたコイル51並び
にコンデンサ8からなる直列回路で、それぞれ1段目、
及び2段目の位相回転器を構成している。
コンデンサ7及び8の容量値をそれぞれC1及びC2と定
義し、コイル50及びコンデンサ51のインダクタンス値を
それぞれL1及びL2と定義する。コンデンサ7とコイル50
とで構成される回路及びコンデンサ8とコイル51とで構
成される回路のインピーダンスZLC3及びZLC4は、それ
ぞれ、次式のように与えられる。
ZLC3=j×{ω×L1−1/(ω×C1)} ……(38) ZLC4=j×{ω×L2−1/(ω×C2)} ……(39) 信号端子12に対して信号端子11に与えられる電圧をv
とすると、電圧−電流変換器1の入力端子間に電圧vが
与えられる。電圧−電流変換器1では、この電圧vを電
流変換率の値gm1で電流に変換する。この電流がコンデ
ンサ7とコイル50の直列回路に供給される。それ故、こ
の直列回路の両端には、次式で表される電圧v1が発生す
る。
v1= v×gm1×j×{ω×L1−(1/ω×C1)} ……(40) この電圧v1が電圧−電流変換器2の入力端子間に与え
られる。電圧−電流変換器2では、この電圧v1を電流変
換率の値gm2で電流に変換する。この電流がコンデンサ
8とコイル51の直列回路に供給される。そして、直列回
路の両端には、次式で表される電圧v2が発生する。
v2= v1×gm2×j×{ω×L2−(1/ω×C2)} ……(41) この電圧v2が電圧−電流変換器5の入力端子間に与え
られる。電圧−電流変換器5では、与えられた電圧v2を
電流変換率の値gm10で、次式で表される電流に変換し出
力端子から出力する。ここで、i10は、信号端子11から
電圧−電流変換器5の出力端子の一方に向かい、他方か
ら信号端子12に向かう電流として定義する。
−i10=gm10×v2 ……(42) 従って、図9に示す周波数依存抵抗器の場合、信号端
子11、12から内部をみたインピーダンスZinは、次式の
ようになる。
Zin=1/[gm1×gm2×gm10 ×{ω×L1−1/(ω×C1)} ×{ω×L2−1/(ω×C2)}] ……(43) この式から分かるように、インピーダンスZinは角周波
数ωが(L1×C1)−1/2及び(L2×C2)−1/2に近づくと
最大に近づく。
《実施例7》 本発明の他の周波数依存抵抗器について図10を参照し
つつ説明する。
図10の周波数依存抵抗器は、MOSトランジスタ61、6
2、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、7
4、75、76、77、78、79、抵抗27、28、29、コンデンサ
7、8、電流源80、電圧源142、143、信号端子11、12を
備える。
MOSトランジスタ61、62、63、64、65、66、及びMOSト
ランジスタ63と64のソース間に接続された抵抗27で電圧
−電流変換器1を構成する。電圧−電流変換器1、及び
MOSトランジスタ64のドレインに接続されたコンデンサ
7で1段目の位相回転器を構成する。MOSトランジスタ6
7、68、69、70、71、72、及びMOSトランジスタ69と70の
ソース間に接続された抵抗28で電圧−電流変換器2を構
成する。電圧−電流変換器2、及びMOSトランジスタ70
のドレインに接続されたコンデンサ8で2段目の位相回
転器を構成する。MOSトランジスタ73、74、75、76、7
7、78、及びMOSトランジスタ75と76のソース間に接続さ
れた抵抗29で電圧−電流変換器5を構成する。MOSトラ
ンジスタ63、64、及び抵抗27により差動増幅回路を、MO
Sトランジスタ69、70、及び抵抗28により差動増幅回路
を、MOSトランジスタ75、76、及び抵抗29により差動増
幅回路を構成する。MOSトランジスタ61と62、MOSトラン
ジスタ67と68、及びMOSトランジスタ73と74によりそれ
ぞれ電流ミラー回路を構成する。
MOSトランジスタ65、66、71、72、77、78、及び79に
より、電流源80の電流は各位相回転器及び電圧−電流変
換器5に等しく供給される。
ここで、MOSトランジスタを用いる利点としては、ゲ
ート部が高い入力インピーダンスを備えているため、位
相回転器に入力する電流を微小値に抑えることができ、
この点において設計が容易となる。MOSトランジスタを
使用することで同一ペレットの半導体集積回路上でアナ
ログフィルタ処理部をデジタル信号処理の一部に組み入
れることができる。さらに、利点として本発明の周波数
依存抵抗器ではクロック信号を使用する必要がなく、ク
ロック妨害のないフィルタを実現できる。
《実施例8》 リアクタンス性負荷の一つであるインダクタンス性負
荷を、ジャイレータ回路により構成する場合について図
11を参照しつつ説明する。
図11の周波数依存抵抗器では、トランジスタ81、82、
ベースがトランジスタ81のコレクタに接続され、コレク
タがトランジスタ82のベースに接続されたトランジスタ
83、ベースがトランジスタ82のコレクタ接続され、コレ
クタがトランジスタ81のベースに接続されたトランジス
タ84、トランジスタ81とトランジスタ82のエミッタ間に
接続された抵抗91、トランジスタ83とトランジスタ84の
エミッタ間に接続された抵抗92、トランジスタ83のベー
スと電圧源141間に接続されたコンデンサ97、トランジ
スタ81のエミッタと電圧源143間に接続された電流源10
1、トランジスタ82のエミッタと電圧源143間に接続され
た電流源102、トランジスタ83のベースと接地間に接続
された電流源103、トランジスタ83のエミッタと接地間
に接続された電流源104、及びトランジスタ84のエミッ
タと接地間に接続された電流源105によって、1段目の
位相回転器のインダクタンス性負荷を得るためのジャイ
レータ回路を構成する。トランジスタ85、86、ベースが
トランジスタ86のコレクタに接続され、コレクタがトラ
ンジスタ85のベースに接続されたトランジスタ87、ベー
スがトランジスタ85のコレクタに接続されコレクタがト
ランジスタ86のベースに接続されたトランジスタ88、ト
ランジスタ85とトランジスタ86のエミッタ間に接続され
た抵抗93、トランジスタ87とトランジスタ88のエミッタ
間に接続された抵抗94、トランジスタ85のベースと電圧
源142間に接続されたコンデンサ98、トランジスタ85の
ベースと電圧源143間に接続された電流源109、トランジ
スタ85のエミッタと電圧源143間に接続された電流源11
0、トランジスタ86のエミッタと電圧源143間に接続され
た電流源111、トランジスタ87のベースと接地間に接続
された電流源106、トランジスタ87のエミッタと接地間
に接続された電流源107、及びトランジスタ88のエミッ
タと接地間に接続された電流源108によって、2段目の
位相回転器のインダクタンス性負荷を得るためのジャイ
レータ回路を構成する。
1段目の位相回転器をコンデンサ7に並列に接続し、
インダクタンスがトランジスタ81と82のベース間に得ら
れ、2段目の位相回転器をコンデンサ8に並列に接続
し、インダクタンスがトランジスタ87と88のベース間に
得られる。
このように、コンデンサ、抵抗及びトランジスタから
半導体集積回路上にインダクタンス性負荷を実現するこ
とができる。
《実施例9》 本発明の他の周波数依存抵抗器について図12を参照し
つつ説明する。
図12の周波数依存抵抗器は、トランジスタ21、22、2
3、24、25、26、121、122、123、124、125、126、コン
デンサ7、8、抵抗27、28、29、電流源301、302、30
3、304、305、306、311、312、313、314、315、316、33
1、332、333、334、335、336、電圧源141、143、信号端
子11、12を備える。
トランジスタ21、22、トランジスタ21とトランジスタ
22のエミッタ間に接続された抵抗27、トランジスタ21の
エミッタと接地間に接続された電流源301、トランジス
タ22のエミッタと接地間に接続された電流源302、トラ
ンジスタ21のコレクタと電圧源143間に接続された電流
源331、トランジスタ22のコレクタと電圧源143間に接続
された電流源332、トランジスタ21のベースにエミッタ
が接続されたトランジスタ121、トランジスタ22のベー
スにエミッタが接続されたトランジスタ122、トランジ
スタ121のエミッタと接地間に接続された電流源311、及
びトランジスタ122のエッミタと接地間に接続された電
流源312によって差動増幅回路による電圧−電流変換器
1を構成する。この電圧−電流変換器1、及びトランジ
スタ21とトランジスタ22のコレクタ間に接続されたコン
デンサ7によって1段目の位相回転器を構成する。1段
目の位相回転器のトランジスタ21のベースに信号端子1
1、トランジスタ22のベースに信号端子12が接続されて
いる。トランジスタ23、24、トランジスタ23とトランジ
スタ24のエミッタ間に接続された抵抗28、トランジスタ
23のエミッタと接地間に接続された電流源303、トラン
ジスタ24のエミッタと接地間に接続された電流源304、
トランジスタ23のコレクタと電圧源143間に接続された
電流源333、トランジスタ24のコレクタと電圧源143間に
接続された電流源334、トランジスタ23のベースにエミ
ッタが接続されたトランジスタ123、トランジスタ24の
ベースにエミッタが接続されたトランジスタ124、トラ
ンジスタ123のエミッタと接地間に接続された電流源31
3、及びトランジスタ124のエッミタと接地間に接続され
た電流源314によって差動増幅回路による電圧−電流変
換器1を構成する。この電圧−電流変換器2、及びトラ
ンジスタ21とトランジスタ22のコレクタ間に接続された
コンデンサ7によって2段目の位相回転器を構成する。
トランジスタ25、26、トランジスタ25とトランジスタ26
のエミッタ間に接続された抵抗29、トランジスタ25のエ
ミッタと接地間に接続された電流源305、トランジスタ2
6のエミッタと接地間に接続された電流源306、トランジ
スタ25のコレクタと電圧源143間に接続された電流源33
5、トランジスタ26のコレクタと電圧源143間に接続され
た電流源336、トランジスタ25のベースにエミッタが接
続されたトランジスタ125、トランジスタ26のベースに
エミッタが接続されたトランジスタ126、トランジスタ1
25のエミッタと接地間に接続された電流源315、及びト
ランジスタ126のエッミタと接地間に接続された電流源3
16によって差動増幅回路による電圧−電流交換器5を構
成する。トランジスタ124、126のベースは電圧源141に
接続する。
トランジスタ121と電流源311、及びトランジスタ122
と電流源312でそれぞれ構成されるエミッタフォロワー
回路をトランジスタ21、及び22のベースに接続している
ため、1段目の位相回転器の入力インピーダンスを高め
ることができる。また、各エミッタフォロワー回路のエ
ミッタ部のインピーダンスは小さい。それ故に、例え
ば、トランジスタ21のコレクタに発生した信号のトラン
ジスタ21のベースへの結合、及びトランジスタ22のコレ
クタに発生した信号のトランジスタ22のベースへの結合
も防ぐことができる。トランジスタ123と電流源313、及
びトランジスタ124と電流源314によりそれぞれエミッタ
フォロワー回路を構成し、また、トランジスタ125と電
流源315、及びトランジスタ126と電流源316によりそれ
ぞれエミッタフォロワー回路を構成することにより、同
様の効果が得られる。
《実施例10》 本発明の他の周波数依存抵抗器について図12、図13及
び図14を参照しつつ説明する。
図12の周波数依存抵抗器の信号端子11に抵抗130を接
続する。抵抗130の他端と信号端子12との間に電圧源140
及び141を接続する。ここで、図13は、図12の周波数依
存抵抗器の回路構成を示すブロック図を示している。
図12の周波数依存抵抗器の信号端子11で得られる高域
通過フィルタ特性のシミュレーション結果を図14に示
す。なお、図12から図26のシミュレーションは以下の定
義及び定数により行っている。
電流源301、302、303、304、305、306、331、332、33
3、334、335、336の直流電流値が100μA、電流源311、
312、313、314、315、316の直流電流値が20μA、コン
デンサ7、8の容量値が100pF、抵抗27、28、29、130の
抵抗値が10kΩ、電源143の電圧値が5V、電圧源140、141
の直流電圧値が2.5Vである。電圧源140は交流信号入力
値である。入力信号は位相0度であり、振幅は限りなく
0に近い値を想定した単位信号とした。シミュレーショ
ン結果の出力振幅は、入力信号を基準とした出力信号の
振幅の対数値を20倍した値であり、負の値は減衰値を意
味し、正の値は増幅値を意味する。また、各図の出力位
相は、入力信号を基準とした位相であり、負の値は位相
遅れを意味し、正の値は位相進みを意味する。シミュレ
ーションにおいてはGunmel−Poonトランジスタモデルを
用い、動作温度を300K、電流増幅率hFEを150、コレクタ
−接地間寄生容量を0.1pF、コレクタ−ベース間寄生容
量を0.02pF、アーリー電圧を92Vと設定した。
図12及び図13の信号端子11には、振幅が周波数の2乗
に応じて変化する高域通過フィルタ特性が与えられる。
図14から分かるように周波数10kHZから10MHZにおいて出
力位相の変化が2度以内であり、位相変化は非常に小さ
い。このように、信号端子11からは良好な位相特性を持
つ高域通過フィルタが得られる。
なお、トランジスタ26のコレクタの寄生容量と抵抗13
0とで信号端子11に高い周波数の低域通過フィルタが発
生する。低域通過フィルタはそのカットオフ周波数の約
1/10の周波数から高域にかけて位相に変化が生じる。こ
れに対しては抵抗130の値を低く設定し直すことで位相
に変化が現れる周波数をより高い周波数に移行させるこ
とができる。
《実施例11》 本発明の他の周波数依存抵抗器について図15及び図16
を参照しつつ説明する。
図15の周波数依存抵抗器は、電圧−電流変換器1、
2、5、コンデンサ52、53、コイル50、51、信号端子1
1、12を備える。電圧−電流変換器1と電圧−電流変換
器1の出力端子対に接続されたコイル50並びにコンデン
サ52、及び電圧−電流変換器2と電圧−電流変換器2の
出力端子対に接続されたコイル51並びにコンデンサ53
で、それぞれ1段目、及び2段目の位相回転器を構成し
ている。なお、コイル50とコンデンサ52の並列回路、及
びコイル51とコンデンサ53の並列回路で、それぞれリア
クタンス性負荷を構成している。この周波数依存抵抗器
の信号端子11と抵抗130を接続し、抵抗130の他端に交流
信号源を有する電圧源140を接続する。信号端子12に電
圧源141を接続する。
この構成にすることにより信号端子11に帯域禁止フィ
ルタ特性を得ることができる。リアクタンス性負荷の共
振周波数は、帯域禁止周波数の中心周波数を与える。そ
れ故、各リアクタンス性負荷の共振周波数を異ならせる
ことにより、複数の帯域禁止周波数を有する帯域禁止フ
ィルタ特性を実現できる。
図15の周波数依存抵抗器の信号端子11で得られる帯域
禁止フィルタ特性のシミュレーション結果を図16に示
す。なお、シミュレーションは前述の値に加え、以下の
値により行っている。コンデンサ52、53の容量値が10p
F、コイル50、51の値は、0.01Hである。これらの値は、
以下のシミュレーションにおいても共通とする。
図16から分かるように、中心周波数とその近傍の周波
数帯域を除いて、約2MHz以下で位相変化が概略0度であ
る。このように、中心周波数とその近傍を除いて良好な
位相特性を持つ帯域禁止フィルタが得られる。
《実施例12》 本発明の他の周波数依存抵抗器について図17及び図18
を参照しつつ説明する。
図17の周波数依存抵抗器は、電圧−電流変換器1、
2、5、コンデンサ7、8、コイル50、51、信号端子1
1、12を備える。電圧−電流変換器1と電圧−電流変換
器1の出力端子対に接続されたコイル50並びにコンデン
サ7からなる直列回路、及び電圧−電流変換器2と電圧
−電流変換器2の出力端子対に接続されたコイル51並び
にコンデンサ8からなる直列回路で、それぞれ1段目、
及び2段目の位相回転器を構成している。なお、コイル
50とコンデンサ7の直列回路、及びコイル51とコンデン
サ8の直列回路でそれぞれリアクタンス性負荷を構成し
ている。この周波数依存抵抗器の信号端子11と抵抗130
を接続し、抵抗130の他端に交流信号源を有する電圧源1
40を接続する。信号端子12に電圧源141を接続する。
この構成とすることにより信号端子11に帯域通過フィ
ルタ特性を得ることができる。リアクタンス性負荷の共
振周波数によって帯域通過フィルタの中心周波数が与え
られる。それ故、各リアクタンス性負荷の共振周波数を
異ならせることにより、複数の帯域通過周波数を有する
帯域通過フィルタ特性を実現できる。
図17の周波数依存抵抗器の信号端子11で得られる帯域
通過フィルタ特性のシミュレーション結果を図18に示
す。
図18から分かるように、帯域通過周波数の中心周波数
とその近傍の周波数帯域において、位相変化が概略0度
である。このように、その中心周波数と近傍の周波数帯
域において良好な位相特性が得られる。
なお、9MHz近傍に急峻な帯域禁止フィルタ特性を有し
ており、帯域通過フィルタ特性をより急峻なものにして
いる。しかし、この特性は、トランジスタの寄生容量が
各リアクタンス性負荷に並列に付加された結果現れるも
のであり、後述する実施例13のように、トランジスタの
寄生容量値に対して比較的大きな容量値を有するコンデ
ンサ52、53を付加することによって、帯域禁止周波数を
寄生容量の変動に対して安定な値とすることができる。
《実施例13》 本発明の周波数依存抵抗器について図19及び図20を参
照しつつ説明する。
図19の周波数依存抵抗器は、電圧−電流変換器1、
2、5、コンデンサ7、8、52、53、コイル50、51、信
号端子11、12を備える。電圧−電流変換器1と電圧−電
流変換器1の出力端子対に接続されたコイル50及びコン
デンサ7からなる直列回路とこの直列回路と並列に接続
されたコンデンサ52で1段目の位相回転器を構成し、電
圧−電流変換器2と電圧−電流変換器2の出力端子対に
接続されたコイル51及びコンデンサ8からなる直列回路
とこの直列回路と並列に接続されたコンデンサ53で2段
目の位相回転器を構成している。この周波数依存抵抗器
の信号端子11と抵抗130を接続し、抵抗130の他端に交流
信号源を有する電圧源140を接続し、信号端子12に電圧
源141を接続する。
この構成とすることにより、信号端子11に帯域通過フ
ィルタ特性を得ることができる。リアクタンス性負荷の
直列共振周波数において帯域通過フィルタの中心周波数
が与えられ、並列共振周波数において帯域禁止フィルタ
の中心周波数が与えられる。それ故、各リアクタンス性
負荷の共振周波数を異ならせることにより、複数の帯域
通過周波数を有する帯域通過フィルタ特性を実現でき
る。特に、コンデンサ52、53の容量値を異ならせること
によって、帯域通過フィルタ特性の高域の立ち下がりを
異ならせることができる。コンデンサ52若しくは53の容
量値を増やすことで立ち下がりをより急峻にすることが
できる。特に、リニアスケールの周波数で左右対称の特
性を得るのに有効である。電圧−電流変換器1及び2の
出力部には寄生容量が負荷されているためコンデンサ52
及び53の値がゼロである場合、この寄生容量値に応じて
決定される帯域禁止周波数が出現することとを実施例12
において述べた。
図19の周波数依存抵抗器の信号端子11で得られる帯域
通過フィルタ特性のシミュレーション結果を図20に示
す。
図20から分かるように、帯域通過周波数の中心周波数
とその近傍の周波数帯域において、位相変化が概略0度
である。このように、その中心周波数と近傍の周波数帯
域において良好な位相特性を持つ帯域通過フィルタが得
られる。
《実施例14》 本発明の周波数依存抵抗器について図21及び図22を参
照しつつ説明する。
図21の周波数依存抵抗器は、電圧−電流変換器1、
2、5、コンデンサ7、8、信号端子11、12を備える。
電圧−電流変換器1と電圧−電流変換器1の出力端子対
に接続されたコンデンサ7、及び電圧−電流変換器2と
電圧−電流変換器2の出力端子対に接続されたコンデン
サ8で、それぞれ1段目、及び2段目の位相回転器を構
成している。この周波数依存抵抗器の信号端子12と抵抗
130を接続し、抵抗130の他端に電圧源141を接続する。
信号端子11に交流信号源を有する電圧源140を接続す
る。電圧−電流変換器2、5のマイナス端子及びコンデ
ンサ7、8の一端に電圧源142を接続する。
この構成とすることにより信号端子12に低域通過フィ
ルタ特性を得ることができる。
図21の周波数依存抵抗器の信号端子12で得られる低域
通過フィルタ特性のシミュレーション結果を図22に示
す。
図22から分かるように、1kHZから1MHZまでの周波数帯
域において、位相変化が概略0度である。このように、
1kHZから1MHZまでの周波数帯域において、良好な位相特
性を持つ低域通過フィルタが得られる。
しかし、この実施例14の場合、1MHzよりも高い周波数
において位相変化が大きくなるが、この現象に対して、
後述する実施例15のように、信号端子11、12の間に抵抗
131を付加することで位相変動を少なくすることができ
る。
《実施例15》 本発明の他の周波数依存抵抗器について図23、図24及
び図25を参照しつつ説明する。
図23の周波数依存抵抗器は、電圧−電流変換器1、
2、5、コンデンサ7、8、信号端子11、12を備える。
電圧−電流変換器1と電圧−電流変換器1の出力端子対
に接続されたコンデンサ7、及び電圧−電流変換器2と
電圧−電流変換器2の出力端子対に接続されたコンデン
サ8で、それぞれ1段目、及び2段目の位相回転器を構
成している。この周波数依存抵抗器の信号端子12に抵抗
131及び132を接続する。抵抗132の他端に電圧源141を接
続する。抵抗131の他端及び信号端子11に交流信号源を
有する電圧源140を接続する。電圧−電流変換器2、5
のマイナス端子及びコンデンサ7、8の一端に電圧源14
2を接続する。
この構成とすることにより信号端子12に低域通過フィ
ルタ特性を得ることができる。周波数に応じて周波数依
存抵抗器の抵抗値が変化し、抵抗131の抵抗値に対して
周波数依存抵抗器の抵抗値が比較的小さいときには抵抗
131と周波数依存抵抗器の並列回路の合成抵抗の抵抗値
は周波数依存抵抗器の抵抗値に支配されて決定される。
逆に、周波数依存抵抗器の抵抗値が大きい場合には、並
列回路の合成抵抗の抵抗値は抵抗131の値に支配されて
決定される。このようにして決定される合成抵抗の抵抗
値と抵抗132の抵抗値とで交流信号源を有する電圧源140
と141の電圧を分割する。通常、電圧源140、141の直流
電圧は等しい値に設定される。信号端子12に取り出され
る電圧出力信号は低域通過フィルタ特性を示すが、高い
周波数において、振幅の減衰は抵抗132と131の比に応じ
て決定される。
図23の周波数依存抵抗器の信号端子12で得られる低域
通過フィルタ特性のシミュレーション結果を図24に示
す。なお、抵抗131の抵抗値を10kΩ、抵抗132の抵抗値
を1kΩと設定した。
図24から分かるように、1kHZから100MHZまでの広い周
波数帯域において、位相変化が概略0度である。このよ
うに、1kHZから100MHZまでの広い周波数帯域において、
良好な位相特性を持つ低域通過フィルタが得られる。
図25は、図23の周波数依存抵抗器の場合に対して、周
波数依存抵抗回路が4個の位相回転器からなり、さら
に、信号端子12に波形成形回路を付加した構成を示した
ものである。また、図23の電圧源141と142は、図25にお
いては、電圧源144で置き換えた。さらに、エミッタフ
ォロワ回路を省略して示している。
図25の周波数依存抵抗器は、トランジスタ21、22、2
3、24、25、26、521、522、631、631、632、634、コン
デンサ7、8、9、10、抵抗27、28、29、527、528、63
5、636、電流源301、302、303、304、305、306、331、3
33、335、336、501、502、503、504、531、533、電圧源
143、144、145、信号端子11、12、16、17を備える。
トランジスタ631、632、コレクタがトランジスタ631
のコレクタに接続されたトランジスタ633、ベースがト
ランジスタ633のベースに接続されたトランジスタ634、
トランジスタ631と632のエミッタ間に接続された抵抗63
5、及びトランジスタ634のコレクタに接続された抵抗00
00000000000000636により比較器を構成する。この比較
器と電圧源145からなり、基準電圧が電圧源145の電圧で
与えられる波形整形回路を構成する。
信号端子11に、比較的高い周波数のノイズを含んだパ
ルス信号が入力された場合、信号端子16には、このノイ
ズを除去した後の低域通過フィルタの出力信号が取り出
される。さらに、信号端子17からは、信号端子16の信号
を矩形波に波形整形した信号が取り出される。信号端子
16、17には信号端子11の入力パルス信号に対して位相変
動の極めて少ない出力信号を取り出すことができる。信
号端子11の信号の高域成分は抵抗131と132の分割比に応
じて減衰し、信号端子16から取り出される信号には、信
号端子11の入力信号を形成する高域成分を残すことがで
きる。
なお、図25の周波数依存抵抗器は、バイポーラトラン
ジスタを用いた場合であるが、図10の周波数依存抵抗器
で示したようにMOSトランジスタを用いても同様に設計
することができる。
《実施例16》 本発明の他の周波数依存抵抗器について図26及び図27
を参照しつつ説明する。
図26の周波数依存抵抗器は、電圧−電流変換器1、
2、5、コンデンサ7、8、信号端子11、12を備える。
電圧−電流変換器1と電圧−電流変換器1の出力端子対
に接続されたコンデンサ7、及び電圧−電流変換器2と
電圧−電流変換器2の出力端子対に接続されたコンデン
サ8で、それぞれ1段目、及び2段目の位相回転器を構
成している。この周波数依存抵抗器の信号端子12と抵抗
132を接続し、抵抗132の他端に電圧源141を接続する。
信号端子11に抵抗130を接続し、抵抗130の他端に信号源
を有する電圧源140を接続する。電圧−電流変換器2及
び5のマイナス端子に、コンデンサ7及び8の一端に電
圧源142を接続する。
この構成とすることにより、信号端子11に高域通過フ
ィルタ特性を得ることができる。
周波数依存抵抗器の抵抗値は、周波数が高くなるほど
大きくなり、信号端子11に出力される信号は電圧源140
の電圧値に近づく。逆に周波数依存抵抗器の抵抗値は、
周波数が小さくなれば、抵抗値はゼロに近づき、信号端
子11に出力される信号は電圧源140の電圧値を抵抗130と
132の抵抗値の比で分割した値に近づく。
図26の周波数依存抵抗器の信号端子11で得られる高域
通過フィルタ特性のシミュレーション結果を図27に示
す。
図27から分かるように、1kHZから10MHZまでの周波数
帯域において位相変化が2度以内である。このように、
1kHZから10MHZまでの周波数帯域において良好な位相特
性を持つ高域通過フィルタが得られる。
《実施例17》 本発明の周波数依存抵抗器について図28を参照しつつ
説明する。
図28の周波数依存抵抗器は、トランジスタ21、22、2
3、24、25、26、コンデンサ7、8、抵抗27、28、29、
電流源301、302、303、304、305、306、331、332、33
3、334、335、336、電圧源142、143、信号端子11、12を
備える。
この実施例においては、リアクタンス性電流を発生さ
せることで、周波数依存抵抗器を構成する。具体的に
は、トランジスタ21、22、トランジスタ21とトランジス
タ22のエミッタ間に接続されたコンデンサ7、トランジ
スタ21のエミッタと接地間に接続された電流源301、ト
ランジスタ22のエミッタと接地間に接続された電流源30
2、トランジスタ21のコレクタと電圧源143間に接続され
た電流源331、及びトランジスタ22のコレクタと電圧源1
43間に接続された電流源332によってリアクタンス性電
流を発生する電圧−電流変換器1を構成する。この電圧
−電流変換器1とトランジスタ21と22のコレクタ間に接
続された抵抗27によって1段目の位相回転器を構成す
る。1段目の位相回転器のトランジスタ21のベースに信
号端子11、トランジスタ22のベースに信号端子12が接続
されている。トランジスタ23、24、トランジスタ23とト
ランジスタ24のエミッタ間に接続されたコンデンサ8、
トランジスタ23のエミッタと接地間に接続された電流源
303、トランジスタ24のエミッタと接地間に接続された
電流源304、トランジスタ23のコレクタと電圧源143間に
接続された電流源333、及びトランジスタ24のコレクタ
と電圧源143間に接続された電流源334によってリアクタ
ンス性電流を発生する電圧−電流変換器2を構成する。
この電圧−電流変換器2とトランジスタ23と24のコレク
タ間に接続された抵抗28によって2段目の位相回転器を
構成する。トランジスタ25、26、トランジスタ25とトラ
ンジスタ26のエミッタ間に接続された抵抗29、トランジ
スタ25のエミッタと接地間に接続された電流源305、ト
ランジスタ26のエミッタと接地間に接続された電流源30
6、トランジスタ25のコレクタと電圧源143間に接続され
た電流源335、及びトランジスタ26のコレクタと電圧源1
43間に接続された電流源336によって電圧−電流変換器
5を構成する。
電圧−電流変換器1、及び2の電流変換率は、それぞ
れ、トランジスタのエミッタ抵抗値とトランジスタのエ
ミッタ間に接続されたコンデンサ7、及び8のインピー
ダンス値との和の逆数で与えられる。トランジスタに流
れる電流が1mAとするとエミッタ抵抗値は概略26Ωであ
り、通常、トランジスタのエミッタ間に接続されたコン
デンサのインピーダンス値に対して充分小さい。このこ
とから、電流変換率は各エミッタ間に接続されたコンデ
ンサのインピーダンス値の逆数で近似できる。なお、差
動増幅回路を用意し、この差動増幅回路の非反転出力端
子の電圧をエミッタフォロワ回路で取り出し反転入力端
子に与えた構成において、非反転入力端子をベース、反
転入力端子をエミッタ、エミッタフォロワ回路のコレク
タ部をコレクタとするトランジスタ回路を各電圧−電流
変換器を構成する各差動増幅回路の各トランジスタと置
き換えることで、エミッタ抵抗値を小さくすることがで
きる。コンデンサ7、及びコンデンサ8の容量値をそれ
ぞれC1、及びC2と定義し、電圧−電流変換器1、及び2
の電流変換率の値をそれぞれgm1、及びgm2と定義すれ
ば、gm1及びgm2はそれぞれ、次式のようになる。
gm1=j×ω×C1 ……(44) gm2=j×ω×C2 ……(45) また、電圧−電流変換器5のの電流変換率の値をgm10と
定義する。
信号端子12に対して信号端子11に与えられる電圧をv
とすると、抵抗27の両端には、次式で表される電圧v1が
発生する。
v1=v×gm1×R1 ……(46) この電圧v1が2段目の位相回転器に与えられ、抵抗28
の両端には、次式で表される電圧v2が発生する。
v2=v1×gm2×R2 ……(47) この電圧v2が電圧−電流変換器5に与えられ、電圧−
電流変換器5では、与えられた電圧v2を電流変換率の値
gm10で、電流に変換し出力する。
−i10=gm10×v2 ……(48) 信号端子11、12から内部をみたインピーダンスZin
は、次式のようになる。
Zin= 1/(ω×gm10×C1×C2×R1×R2) ……(49) 周波数依存抵抗器は、ωの2乗、容量値C1、C2、抵抗値
R1、R2、電流変換率gm10の積に反比例する抵抗特性が得
られる。
《実施例18》 本発明の周波数依存抵抗器について図29を参照しつつ
説明する。
図29の周波数依存抵抗器は、トランジスタ21、22、2
3、24、コンデンサ7、8、抵抗27、電流源301、302、3
03、304、331、332、333、334、電圧源142、143、信号
端子11、12を備える。
トランジスタ21、22、トランジスタ21とトランジスタ
22のエミッタ間に接続されたコンデンサ7、トランジス
タ21のエミッタと接地間に接続された電流源301、トラ
ンジスタ22のエミッタと接地間に接続された電流源30
2、トランジスタ21のコレクタと電圧源143間に接続され
た電流源331、及びトランジスタ22のコレクタと電圧源1
43間に接続された電流源333によってリアクタンス性電
流を発生する電圧−電流変換器1を構成する。この電圧
−電流変換器1とトランジスタ21と22のコレクタ間に接
続された抵抗27によって1段目の位相回転器を構成す
る。1段目の位相回転器のトランジスタ21のベースに信
号端子11、トランジスタ22のベースに信号端子12が接続
されている。トランジスタ23、24、トランジスタ23とト
ランジスタ24のエミッタ間に接続されたコンデンサ8、
トランジスタ23のエミッタと接地間に接続された電流源
303、トランジスタ24のエミッタと接地間に接続された
電流源304、トランジスタ23のコレクタと電圧源143間に
接続された電流源333、及びトランジスタ24のコレクタ
と電圧源143間に接続された電流源334によってリアクタ
ンス性電流を発生する電圧−電流変換器2を構成する。
電圧−電流変換器1、2の電流変換率の値gm1、及びg
m2は、図28の場合と同様、式(44)、及び式(45)で与
えられる。
信号端子12に対して信号端子11に与えられる電圧をv
とすると、抵抗27の両端には、次式で表される電圧v1が
発生する。
v1=v×gm1×R1 ……(50) この電圧v1が電圧−電流変換器2に与えられる。与え
られた電圧v1を電流変換率の値gm2で電流に変換し、出
力する。
−i10=gm2×v1 ……(51) 信号端子11、12から内部をみたインピーダンスZin
は、次式のようになる。
Zin =1/(ω×C1×C2×R1) ……(52) 周波数依存抵抗器では、ωの2乗、容量値C1、C2、抵抗
値R1の積に反比例する抵抗特性が得られる。
発明はある程度の詳細さをもって好適な形態として説
明したが、この好適形態の現開示内容は構成の細部によ
って変化してしかるべきであり、各部品の組合せや配置
は、以下に請求する発明の範囲及び思想を逸脱すること
なく再構築し得ると理解される。
産業上の利用の可能性 本発明の周波数依存抵抗器は、インピーダンスに虚数
を有しない抵抗特性であり、周波数の偶数乗で変化する
抵抗特性を有するため、位相変化の小さいフィルタを構
成できる。このため、本発明は、例えばTV、VTRにあっ
て複合映像信号から色信号を取り出すバンドパスフィル
タ若しくは色信号復調後に高調波を除外するローパスフ
ィルタ等の映像信号処理用フィルタ、オーディオ用回路
にあってその周波数と振幅を制御するイコライザアン
プ、BSチューナにあってIQ信号を検出するフィルタ、又
はディジタル信号処理回路にあってそのパルス信号のノ
イズ成分を除去するフィルタ等に使用して大きな技術的
利点を有する。

Claims (22)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力端子に与えられる電圧に応じて出力端
    子から電流を出力する電圧−電流変換器と前記電圧−電
    流変換器の出力端子に接続されるリアクタンス性負荷と
    を備え、前記入力端子に与えられる電圧に応じて前記リ
    アクタンス性負荷に発生する電圧を出力する位相回転器
    を複数個縦続接続してなる縦続接続回路、 前記縦続接続回路の初段の位相回転器の前記電圧−電流
    変換器の入力端子に接続される信号入力端子、及び 前記縦続接続回路の初段の位相回転器を含めて数えた偶
    数段目の位相回転器の出力電圧に応じて電流を前記信号
    入力端子に出力する少なくとも一つの電圧−電流変換
    器、 を具備する周波数依存抵抗器。
  2. 【請求項2】入力端子対に与えられる交流電圧に応じて
    出力端子対から双方向の交流電流を出力する電圧−電流
    変換器と前記電圧−電流変換器の出力端子対に接続され
    るリアクタンス性負荷とを備え、前記入力端子対に与え
    られる電圧に応じて前記リアクタンス性負荷に発生する
    電圧を出力する位相回転器を複数個縦続接続してなる縦
    続接続回路、 前記縦続接続回路の初段の位相回転器に備えられている
    前記電圧−電流変換器の入力端子対に接続される信号入
    力端子対、及び 前記縦続接続回路の初段の位相回転器を含めて数えた偶
    数段目の位相回転器の出力電圧に応じて出力端子対から
    双方向の交流電流を前記信号入力端子対に出力する少な
    くとも一つの電圧−電流変換器、 を具備する周波数依存抵抗器。
  3. 【請求項3】入力端子対から与えられる電圧に応じて電
    流を出力する出力端子対を有する差動増幅回路と前記出
    力端子対に接続されるリアクタンス性負荷とを備える位
    相回転器を複数個縦続接続してなる縦続接続回路、 前記縦続接続回路の初段の差動増幅回路の入力端子対に
    接続される信号入力端子対、及び 前記縦続接続回路の初段の位相回転器を含めて数えた偶
    数段目の位相回転器のリアクタンス性負荷の両端に発生
    する電圧が入力端子間に与えられ、この入力端子間に与
    えられる電圧に応じて出力端子対から前記信号入力端子
    対に電流を出力する少なくとも一つの差動増幅回路、 を具備する周波数依存抵抗器。
  4. 【請求項4】さらに、外部から与えられる制御信号に応
    じて電流の伝達係数が異なる少なくとも一つの電流−電
    流変換器、 を具備する請求の範囲第1項乃至第3項記載の周波数依
    存抵抗器。
  5. 【請求項5】前記信号入力端子若しくは信号入力端子対
    に帰還する電流と前記信号入力端子若しくは信号入力端
    子対に与えられる電圧とが逆位相となるように構成し
    た、 ことを特徴とする請求の範囲第1項乃至第4項記載の周
    波数依存抵抗器。
  6. 【請求項6】前記信号入力端子若しくは信号入力端子対
    に帰還する電流と前記信号入力端子若しくは信号入力端
    子対に与えられる電圧とが同位相となるように構成し
    た、 ことを特徴とする請求の範囲第1項乃至第4項記載の周
    波数依存抵抗器。
  7. 【請求項7】前記リアクタンス性負荷が容量素子であ
    る、 ことを特徴とする請求の範囲第1項乃至第6項記載の周
    波数依存抵抗器。
  8. 【請求項8】前記リアクタンス性負荷がインダクタンス
    素子である、 ことを特徴とする請求の範囲第1項乃至第6項記載の周
    波数依存抵抗器。
  9. 【請求項9】前記リアクタンス性負荷が容量素子とイン
    ダクタンス素子との並列回路である、 ことを特徴とする請求の範囲第1項乃至第6項記載の周
    波数依存抵抗器。
  10. 【請求項10】前記リアクタンス性負荷が容量素子とイ
    ンダクタンス素子との直列回路である、 ことを特徴とする請求の範囲第1項乃至第6項記載の周
    波数依存抵抗器。
  11. 【請求項11】前記差動増幅回路または前記電圧−電流
    変換器を複数のMOSトランジスタを用いて構成した、 ことを特徴とする請求の範囲第1項乃至第10項記載の周
    波数依存抵抗器。
  12. 【請求項12】前記リアクタンス性負荷をジャイレータ
    回路で構成した、 ことを特徴とする請求の範囲第8項乃至第10項記載の周
    波数依存抵抗器。
  13. 【請求項13】前記差動増幅回路において、前記差動増
    幅回路の入力端子対に各々接続されたバッファ回路を介
    して前記差動増幅回路の主要部を構成するバイポーラト
    ランジスタのベースに信号が与えられるようにした、 ことを特徴とする請求の範囲第2項乃至第6項記載の周
    波数依存抵抗器。
  14. 【請求項14】入力端子対に与えられる交流電圧に応じ
    て出力端子対から双方向の交流電流を出力する電圧−電
    流変換器と前記電圧−電流変換器の出力端子対に接続さ
    れるリアクタンス性負荷を備え、前記入力端子対に与え
    られる電圧に応じて前記リアクタンス性負荷に発生する
    電圧を出力する位相回転器を複数個縦続接続してなる縦
    続接続回路、前記縦続接続回路の初段の位相回転器の前
    記入力端子対に接続される信号入力端子対、並びに前記
    縦続接続回路の初段の位相回転器を含めて数えた偶数段
    目の位相回転器の出力電圧が少なくとも一方の入力端子
    に与えられ、この与えられた電圧に応じて出力端子対か
    ら双方向の交流電流を前記信号入力端子対に出力する少
    なくとも一つの電圧−電流変換器を有する第1の抵抗器
    と、 前記第1の抵抗器の信号入力端子対の一方に一端が接続
    されている第2の抵抗器と、 を具備し、 前記第1の抵抗器の信号入力端子対の他方と前記第2の
    抵抗器の他端との間に信号を入力し、前記第1の抵抗器
    の信号入力端子対または前記第2の抵抗器の少なくとも
    一端から出力信号を取り出す、 ことを特徴とする周波数依存抵抗器。
  15. 【請求項15】さらに、前記第1の抵抗器の信号入力端
    子対に接続された第3の抵抗器を、 具備する請求の範囲第14項記載の周波数依存抵抗器。
  16. 【請求項16】さらに、前記信号入力端子対の一端に接
    続されたパルス波形整形回路、 を具備する請求の範囲第14項または第15項記載の周波数
    依存抵抗器。
  17. 【請求項17】入力端子対に与えられる電圧に応じて出
    力端子対からリアクタンス性電流を出力する電圧−電流
    変換器と前記電圧−電流変換器の出力端子対に接続され
    る抵抗性負荷とを備え、前記入力端子対に与えられる電
    圧に応じて前記抵抗性負荷に発生する電圧を出力する位
    相回転器を複数個縦続接続してなる縦続接続回路、 前記縦続接続回路の初段の位相回転器の前記電圧−電流
    変換器の入力端子対に接続される信号入力端子対、及び 前記縦続接続回路の初段の位相回転器を含めて数えた偶
    数段目の位相回転器の出力電圧に応じて電流を前記信号
    入力端子対に出力する少なくとも一つの電圧−電流変換
    器、 を具備する周波数依存抵抗器。
  18. 【請求項18】入力端子対に与えられる電圧に応じて出
    力端子対からリアクタンス性電流を出力する電圧−電流
    変換器と前記電圧−電流変換器の出力端子対に接続され
    る抵抗性負荷とを備え、前記入力端子対に与えられる電
    圧に応じて前記抵抗性負荷に発生する電圧を出力する位
    相回転器を複数個縦続接続してなる縦続接続回路、及び 前記縦続接続回路の初段の位相回転器に備えられている
    前記電圧−電流変換器の入力端子対に接続される信号入
    力端子対、 を具備し、 前記縦続接続回路の初段の位相回転器を含めて数えた偶
    数段目の位相回転器の電圧−電流変換器の出力電流を前
    記信号入力端子対に与えるようにした、 ことを特徴とする周波数依存抵抗器。
  19. 【請求項19】前記入力端子対の一端又は前記出力端子
    対の一端に固定電圧が与えられた、 ことを特徴とする請求の範囲第17項または第18項記載の
    周波数依存抵抗器。
  20. 【請求項20】入力端子対に与えられる交流電圧の値に
    比例すると共に前記交流電圧の位相と直交し、かつ前記
    交流電圧の周波数に応じて値が異なる交流電圧を出力端
    子対から出力する位相回転器を複数個縦続接続してなる
    縦続接続回路、 前記縦続接続回路の初段の位相回転器の入力端子対に接
    続される信号入力端子対、及び 前記縦続接続回路の初段の位相回転器を含めて数えた偶
    数段目の位相回転器の出力電圧を入力してこの入力され
    た電圧の値に応じて出力端子対から双方向の交流電流を
    前記信号入力端子対に出力する少なくとも一つの電圧−
    電流変換器、 を具備する周波数依存抵抗器。
  21. 【請求項21】入力端子対に与えられる交流電圧の値に
    比例すると共に前記交流電圧の位相と直交し、かつ前記
    交流電圧の周波数に応じて値が異なる交流電圧を出力端
    子対から出力する位相回転器を複数個縦続接続してなる
    縦続接続回路、前記縦続接続回路の初段の位相回転器の
    入力端子対に接続される信号入力端子対、及び前記縦続
    接続回路の初段の位相回路器を含めて数えた偶数段目の
    位相回転器の出力電圧が少なくとも一方の入力端子に与
    えられ、この与えられた電圧に応じて出力端子対から双
    方向の交流電流を前記信号入力端子対に出力する少なく
    とも一つの電圧−電流変換器を有する第1の抵抗器と、 前記第1の抵抗器の信号入力端子対の一方に一端が接続
    されている第2の抵抗器と、 を具備し、 前記第1の抵抗器の信号入力端子対の他方と前記第2の
    抵抗器の他端との間に信号を入力し、前記第1の抵抗器
    の信号入力端子対又は前記第2の抵抗器の両端から出力
    信号を取り出す、 ことを特徴とする周波数依存抵抗器。
  22. 【請求項22】さらに、前記第1の抵抗器の信号入力端
    子対に接続された第3の抵抗器、 を具備する請求の範囲第21項記載の周波数依存抵抗器。
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