JP3301390B2 - ヘテロ接合バイポーラトランジスタを備えた半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

ヘテロ接合バイポーラトランジスタを備えた半導体装置およびその製造方法

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JP3301390B2
JP3301390B2 JP22912798A JP22912798A JP3301390B2 JP 3301390 B2 JP3301390 B2 JP 3301390B2 JP 22912798 A JP22912798 A JP 22912798A JP 22912798 A JP22912798 A JP 22912798A JP 3301390 B2 JP3301390 B2 JP 3301390B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置および
その製造方法に関し、さらに言えば、ベース・エミッタ
間にヘテロ接合を有するバイポーラトランジスタを備え
た半導体装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ホモ接合を有するバイポーラト
ランジスタでは、エミッタ領域、ベース領域、コレクタ
領域の不純物濃度をそれぞれNe、Nb、Ncとすると、
それら領域の不純物濃度は、次の数式(1)の関係が成
立するように設定される。
【0003】 Ne>Nb>Nc (1) その理由は、ホモ接合のバイポーラトランジスタの電流
増幅率hFEは次の数式(2)で近似的に表現されるた
め、数式(1)の関係が成立する場合に電流増幅率hFE
を大きくすることができるからである。
【0004】 hFE=(Ne・We)/(Nb・Wb) (2) なお、数式(2)において、Weはエミッタ領域の幅、
bはベース領域の幅である。
【0005】しかし、エミッタ領域、ベース領域、コレ
クタ領域の不純物濃度を数式(1)の関係が成立するよ
うに設定すると、ベース領域の不純物濃度Nbが低くな
る。このため、電流増幅率hFEの増加と引き替えにベー
ス抵抗の増大という欠点が生じる。
【0006】これに対して、エミッタ・ベース間をヘテ
ロ接合とするバイポーラ・トランジスタ、すなわちHB
T(Heterojunction Bipolar Transistor)では、ベー
ス領域の禁制帯幅Egbがエミッタ領域の禁制帯幅Ege
りも小さい材料、すなわちE gb<Egeの関係が成立する
材料を組み合わせることにより、ベース領域の不純物濃
度Nbをエミッタ領域の不純物濃度Neよりも高くなるよ
うに、すなわちNe<Nbの関係が成立するように設定し
ても、十分大きな電流増幅率hFEを得ることができる。
【0007】このようなHBT(いわゆる、ワイドギャ
ップ・エミッタ型HBT)では、十分大きな電流増幅率
FEと共に極めて低いベース抵抗Rbを実現することが
できると言う特長がある。
【0008】ベース・エミッタ間にホモ接合を有する従
来の半導体装置の一例を図15に示す。この半導体装置
はいわゆるメサ型構造を持つものである。
【0009】図15の従来の半導体装置では、n+型シ
リコン基板201上にn-型シリコンからなるコレクタ
層202が形成され、そのコレクタ層202の上にp+
型SiGe合金からなるベース層203が形成されてい
る。そして、そのベース層203の上にn-型シリコン
からなるエミッタ層204が形成されている。これらの
コレクタ層202、ベース層203、エミッタ層204
はエピタキシャル成長法を用いて形成される。
【0010】コレクタ層202の表面の一部はベース層
203から露出しており、この露出した表面にアルミニ
ウム合金からなるコレクタ電極(図示せず)が形成され
る。ベース層203の表面の一部はエミッタ層204か
ら露出しており、この露出した表面にアルミニウム合金
からなるベース電極層(図示せず)が形成される。エミ
ッタ層204の上にはn+型Si層からなるエミッタ電
極層205が形成されている。
【0011】このメサ型の従来の半導体装置では、いわ
ゆるメサ型構造を構成することが必要であるため、微細
化が困難であるという問題がある。よって、近年の半導
体装置のより高度な微細化には到底対応できない。
【0012】ベース・エミッタ間にホモ接合を有するバ
イポーラトランジスタを備えた従来の半導体装置の他の
例を図16に示す。この半導体装置は、ある程度の微細
化に対応できるものである。
【0013】図16の従来の半導体装置は、ベース・エ
ミッタ間とベース・コレクタ間にホモ接合を持つnpn
型バイポーラトランジスタが形成されたシリコン(S
i)基体300を備えている。この基体300は、p-
型シリコン基板301と、その基板301の表面に形成
されたn-型シリコン・エピタキシャル層303とを含
んでいる。
【0014】n-型シリコン・エピタキシャル層303
は、酸化シリコンからなる分離絶縁層304により分離
されて素子形成領域を形成している。npn型バイポー
ラトランジスタはこの素子形成領域内に形成されてい
る。
【0015】エピタキシャル層303の素子形成領域の
内部には、n型単結晶シリコンからなるコレクタ領域3
16とn+型単結晶シリコンからなるコレクタ・コンタ
クト領域305が形成されている。コレクタ領域316
は素子形成領域の一方の端部の近傍に配置され、コレク
タ・コンタクト領域305はコレクタ領域316とは反
対側の端部に配置されている。
【0016】素子形成領域の基板301とエピタキシャ
ル層303の界面の近傍には、n+型シリコンからなる
コレクタ埋込層302aと、p+型シリコンからなるチ
ャネル・ストッパ302bが形成されている。コレクタ
埋込層302aは、素子形成領域の一方の端部近傍から
他方の端部近傍まで延在し、コレクタ領域316とコレ
クタ・コンタクト領域305の底部に接触している。こ
うして、コレクタ領域316をコレクタ・コンタクト領
域305に対して電気的に接続している。チャネル・ス
トッパ302bは、分離絶縁層304の直下において、
素子形成領域を囲むように分離絶縁層304に沿って延
在している。チャネル・ストッパ302bは、分離絶縁
層304の底部に接触している。
【0017】基体300の表面、換言すればエピタキシ
ャル層303の表面は、酸化シリコン層306で覆われ
ている。酸化シリコン層306には、それを貫通する開
口331が形成されており、その開口331から基体3
00の表面が露出している。酸化シリコン層306の上
には、p+型多結晶シリコン層307が選択的に形成さ
れている。
【0018】開口331は、基体300に形成されたコ
レクタ領域316にほぼ同心となるように重なってい
る。p+型多結晶シリコン層307はベース・コンタク
ト502の一部を形成するので、開口331の近傍にの
み且つ開口331を囲むように形成されている。
【0019】開口331から露出した基体300の表面
には、p+型単結晶シリコンからなる真性ベース領域3
09が形成されている。この真性ベース領域309は、
選択的エピタキシャル成長法により形成されるものであ
り、開口331から露出した基体300の表面の全体を
覆っている。
【0020】真性ベース領域309の上には、ベース・
コンタクト502の他の一部を形成するp+型多結晶シ
リコン層310が、真性ベース領域309の外周上に形
成されている。このp+型多結晶シリコン層310は、
開口331の内壁面の全体を覆っている。真性ベース領
域309は、こうしてp+型多結晶シリコン層310を
介してp+型多結晶シリコン層307に電気的に接続さ
れている。
【0021】ベース・コンタクト502は、p+型多結
晶シリコン層307とp+型多結晶シリコン層310と
により構成され、真性ベース領域309を後述のベース
電極320bに電気的に接続している。
【0022】p+型単結晶シリコンからなる真性ベース
領域309の内部には、n型単結晶シリコンからなるエ
ミッタ領域311が形成されている。エミッタ領域31
1は、開口331の中央においてコレクタ領域316に
重なるように配置されている。
【0023】エミッタ領域311と真性ベース領域30
9は、同一の単結晶シリコン層の中央部と周辺部からそ
れぞれ形成されている。エミッタ領域311は、p+
の単結晶シリコン層の中央部にn型不純物を選択的にド
ープすることにより形成され、n型不純物をドープされ
ない周辺部が真性ベース領域309となる。
【0024】ベース・コンタクト502の一部を形成す
るp+型多結晶シリコン層307の上には、窒化シリコ
ン層308が形成されている。この窒化シリコン層30
8は、p+型多結晶シリコン層307の表面だけでな
く、p+型多結晶シリコン層307の開口331側の側
面をも覆っている。
【0025】エミッタ領域311と真性ベース領域30
9を形成する単結晶シリコン層の上には、絶縁用側壁と
しての酸化シリコン層317が選択的に形成され、その
酸化シリコン層317の内側にn+型多結晶シリコンか
らなるエミッタ・コンタクト318が形成されている。
このエミッタ・コンタクト318は、エミッタ領域31
1と接触してそれに電気的に接続されていると共に、酸
化シリコン層317によってベース・コンタクト502
から電気的に絶縁されている。このエミッタ・コンタク
ト318の頂部は、窒化シリコン層308の上に突出し
ている。酸化シリコン層317は、窒化シリコン層30
8とエミッタ・コンタクト318の間の隙間を埋め込ん
だ形になっている。
【0026】窒化シリコン層308の上には、その窒化
シリコン層308から露出したエミッタ・コンタクト3
18覆うように酸化シリコン層319が形成されてい
る。酸化シリコン層319の上には、エミッタ電極32
0a、ベース電極320bおよびコレクタ電極320c
が形成されている。エミッタ電極320aは、エミッタ
コンタクト318とエミッタ領域311の直上に位置
している。ベース電極320bは、コレクタ電極320
cから遠い側においてベース・コンタクト502の直上
に位置している。コレクタ電極320cは、コレクタ・
コンタクト領域305の直上に位置している。
【0027】エミッタ電極320aは、酸化シリコン層
319を貫通する開口を介してエミッタ・コンタクト3
18に接触し、それによってエミッタ・コンタクト31
8を介してその下方のエミッタ領域311に電気的に接
続されている。
【0028】ベース電極320bは、酸化シリコン層3
19と窒化シリコン層308を貫通する開口を介して、
ベース・コンタクト502を構成するp+型多結晶シリ
コン層307に接触している。ベース電極320bは、
その下方のベース・コンタクト502を介して、開口3
31内にある真性ベース領域309に電気的に接続され
ている。
【0029】コレクタ電極320cは、酸化シリコン層
319と窒化シリコン層308の全てを貫通する開口を
介して下方のコレクタ・コンタクト領域305に接触
し、それによってコレクタ・コンタクト領域305とコ
レクタ埋込層302aを介してコレクタ領域316に電
気的に接続されている。
【0030】以上述べたように、図16の従来の半導体
装置では、エミッタ領域311と真性ベース領域309
は同一の単結晶シリコン層の中央部と周辺部からそれぞ
れ形成されているが、そのエミッタ領域311は、n+
型多結晶シリコンからなるエミッタ・コンタクト318
からn型不純物をp+型の単結晶シリコン層の中央部に
選択的にドープすることにより形成される。従って、エ
ミッタ領域311のn型不純物濃度は、エミッタ・コン
タクト318からドープされたn型不純物の濃度からp
+型単結晶シリコン層のp+型不純物の濃度を減算したも
の(差)に等しくなる。
【0031】そこで、エミッタ・コンタクト318から
ドープされるn型不純物の濃度は、製造プロセスにおけ
る不純物濃度のバラツキがあってもp+型単結晶シリコ
ン層の内部に確実にn型エミッタ領域311が形成され
るように、p+型単結晶シリコン層(すなわち真性ベー
ス領域309)のp型不純物の濃度に比べて2桁程度高
く設定されるのが通常である。このため、p+型真性ベ
ース領域309のp型不純物の濃度は、エミッタ領域3
11のn型不純物の濃度よりも低くならざるを得ない。
【0032】よって、真性ベース領域309の不純物濃
度を高くすること、すなわち真性ベース領域309の抵
抗値を下げることは困難であるという問題がある。つま
り、図16に示された構成は、ベース・エミッタ間にヘ
テロ接合を有する前述したようなバイポーラトランジス
タには適用できないのである。
【0033】次に、前述したような特長を持つベース・
エミッタ間にヘテロ接合を有するバイポーラトランジス
タを備えた従来の半導体装置の例を図17に示す。
【0034】図17の従来の半導体装置は、ベース・エ
ミッタ間とベース・コレクタ間にヘテロ接合を持つnp
n型バイポーラトランジスタが形成されたシリコン基体
400を備えている。この基体400は、p-型シリコ
ン基板401と、その基板401の表面に形成されたn
-型シリコン・エピタキシャル層403とを含んでい
る。
【0035】n-型シリコン・エピタキシャル層403
は、酸化シリコンからなる分離絶縁層404により分離
されて素子形成領域を形成している。npn型バイポー
ラトランジスタはこの素子形成領域内に形成されてい
る。
【0036】エピタキシャル層403の素子形成領域の
内部には、n型単結晶シリコンからなるコレクタ領域4
16とn+型単結晶シリコンからなるコレクタ・コンタ
クト領域405が形成されている。コレクタ領域416
は素子形成領域の一方の端部の近傍に配置され、コレク
タ・コンタクト領域405はコレクタ領域416とは反
対側の端部に配置されている。
【0037】素子形成領域の基板401とエピタキシャ
ル層403の界面の近傍には、n+型シリコンからなる
コレクタ埋込層402aと、p+型シリコンからなるチ
ャネル・ストッパ402bが形成されている。コレクタ
埋込層402aは、素子形成領域の一方の端部近傍から
他方の端部近傍まで延在し、コレクタ領域416とコレ
クタ・コンタクト領域405の底部に接触している。こ
うして、コレクタ領域416をコレクタ・コンタクト領
域405に対して電気的に接続している。チャネル・ス
トッパ402bは、分離絶縁層404の直下において、
素子形成領域を囲むように分離絶縁層404に沿って延
在している。チャネル・ストッパ402bは、分離絶縁
層404の底部に接触している。
【0038】基体400の表面、換言すればエピタキシ
ャル層403の表面は、酸化シリコン層406で覆われ
ている。酸化シリコン層406の上には、p+型多結晶
シリコン層407が選択的に形成されている。酸化シリ
コン層406とp+型多結晶シリコン層407には、そ
れらを貫通する開口431が形成されており、その開口
431から基体400の表面が露出している。
【0039】開口431は、基体400に形成されたコ
レクタ領域416にほぼ同心となるように重なってい
る。p+型多結晶シリコン層407はベース・コンタク
ト602の一部を形成するので、開口431の近傍にの
み且つ開口431を囲むように形成されている。
【0040】開口431から露出した基体400の表面
には、p+型単結晶SiGeからなる真性ベース領域4
09が形成されている。この真性ベース領域409は、
選択的エピタキシャル成長法により形成されるものであ
り、開口431から露出した基体400の表面の全体を
覆っている。
【0041】真性ベース領域409の上には、ベース・
コンタクト602の他の一部を形成するp+型多結晶S
iGe層410が、p+型多結晶シリコン層407の上
に形成されている。p+型多結晶SiGe層410は、
真性ベース領域409の外周端まで延在している。この
+型多結晶SiGe層410は、開口431の内壁面
の全体を覆っている。真性ベース領域409は、こうし
てp+型多結晶SiGe層410を介してp+型多結晶シ
リコン層407に電気的に接続されている。
【0042】ベース・コンタクト602は、p+型多結
晶シリコン層407とp+型多結晶SiGe層410と
により構成され、真性ベース領域409を後述のベース
電極420bに電気的に接続している。
【0043】p+型単結晶SiGeからなる真性ベース
領域409の上には、n-型単結晶シリコンからなるエ
ミッタ領域411が形成されている。エミッタ領域41
1は、開口431の内部においてコレクタ領域416に
重なるように配置されている。
【0044】ベース・コンタクト602の他の一部を形
成するp+型多結晶SiGe層410の上には、n-型多
結晶シリコン層412が形成されている。このn-型多
結晶シリコン層412は、n-型エミッタ領域411の
外縁に接続されている。このn-型多結晶シリコン層4
12のベース電極420bに対応する箇所は、p型に変
更されていて、p+型多結晶シリコン層423となって
いる。
【0045】ベース・コンタクト602の一部を形成す
るp+型多結晶シリコン層412の上には、BSG層4
08が形成されている。このBSG層408は、p+
多結晶シリコン層412の表面だけでなく、エミッタ領
域411の表面の一部をも覆っている。
【0046】エミッタ領域411の上には、n+型多結
晶シリコンからなるエミッタ・コンタクト418が形成
されている。このエミッタ・コンタクト418は、エミ
ッタ領域411と接触してそれに電気的に接続されてい
ると共に、BSG層408によってベース・コンタクト
602から電気的に絶縁されている。このエミッタ・コ
ンタクト418の頂部は、BSG層408の上に突出し
ている。
【0047】BSG層408の上には、そのBSG層4
08から露出したエミッタ・コンタクト418覆うよ
うに酸化シリコン層419が形成されている。酸化シリ
コン層419の上には、エミッタ電極420a、ベース
電極420bおよびコレクタ電極420cが形成されて
いる。エミッタ電極420aは、エミッタコンタクト
418とエミッタ領域411の直上に位置している。ベ
ース電極420bは、コレクタ電極420cから遠い側
においてベース・コンタクト602の直上に位置してい
る。コレクタ電極420cは、コレクタ・コンタクト領
域405の直上に位置している。
【0048】エミッタ電極420aは、酸化シリコン層
419を貫通する開口を介してエミッタ・コンタクト4
18に接触し、それによってエミッタ・コンタクト41
8を介してその下方のエミッタ領域411に電気的に接
続されている。
【0049】ベース電極420bは、酸化シリコン層4
19とBSG層408を貫通する開口を介して、ベース
・コンタクト602を構成するp+型多結晶シリコン層
407に接触している。ベース電極620bは、その下
方のベース・コンタクト602を介して、開口431内
にある真性ベース領域409に電気的に接続されてい
る。
【0050】コレクタ電極420cは、酸化シリコン層
419とBSG層408の全てを貫通する開口を介して
下方のコレクタ・コンタクト領域405に接触し、それ
によってコレクタ・コンタクト領域405とコレクタ埋
込層402aを介してコレクタ領域416に電気的に接
続されている。
【0051】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、図
17の従来の半導体装置では、p+型単結晶SiGeか
らなる真性ベース領域409とn-型単結晶シリコンか
らなるエミッタ領域411により、ベース・エミッタ間
にヘテロ接合が形成されている。また、p+型単結晶S
iGeからなる真性ベース領域409とn型単結晶シリ
コンからなるコレクタ領域416により、コレクタ・ベ
ース間にもヘテロ接合が形成されている。
【0052】しかし、図17の従来の半導体装置では、
+型多結晶SiGe層410とn-型多結晶シリコン層
412により、ヘテロ接合が形成されている。その結
果、このヘテロ接合での再結合電流が大きくなるため、
当該npn型バイポーラトランジスタの遮断周波数fT
が低下するという問題がある。
【0053】そこで、本発明の目的は、ベース抵抗の低
減と接合容量の低減を同時に達成できるヘテロ接合バイ
ポーラトランジスタを備えた半導体装置とその製造方法
を提供することにある。
【0054】本発明の他の目的は、電気的特性を向上さ
せたヘテロ接合バイポーラトランジスタを備えた半導体
装置とその製造方法を提供することにある。
【0055】
【課題を解決するための手段】(1) 本発明の半導体
装置は、半導体基体上にヘテロ接合バイポーラトランジ
スタを備えた半導体装置であって、 前記半導体基体の表
面に形成された、前記半導体基体の表面を露出させる第
1開口を有する第1絶縁層と、前記第1絶縁層の前記第
1開口の内部において前記半導体基体の表面に形成され
、真性ベース領域として機能する第1導電型の第1単
結晶半導体層と、 前記第1単結晶半導体層の上に重ねて
形成された、前記第1導電型の第1部分および第2導電
型の第2部分を有する第2単結晶半導体層と、 前記第2
単結晶半導体層の前記第1部分により形成された前記第
1導電型の外部ベース領域と前記第2単結晶半導体層
の前記第2部分により形成され、且つ前記真性ベース領
域との間にヘテロ接合を形成する前記第2導電型のエミ
ッタ領域と、 前記第2単結晶半導体層の上に重ねて形成
された、前記第1導電型の不純物原子を含む不純物含有
層と、 前記半導体基体の内部において前記真性ベース領
域の下に形成された前記第2導電型のコレクタ領域と、
前記第1絶縁層の上に形成された、前記真性ベース領域
および前記外部ベース領域をベース電極に電気的接続す
るための導電性ベース・コンタクトと、 前記エミッタ領
域に接触して形成された、前記エミッタ領域をエミッタ
電極に電気的接続するための導電性エミッタ・コンタク
トと、 前記コレクタ領域に接触して前記半導体基体の内
部に形成された、前記コレクタ領域をコレクタ電極に電
気的接続するための導電性コレクタ・コンタクトとを備
えて構成され、前記不純物含有層は、前記第2単結晶半
導体層の前記第2部分の全体を露出させる第2開口を有
していると共に、前記第2単結晶半導体層の前記第1部
分に接触しており、しかも、その不純物含有層に含まれ
ている前記第1導電型の前記不純物原子の一部が拡散し
て、前記第2単結晶半導体層の前記第1部分の中に存在
しており、 前記ベース・コンタクトは、互いに重ねて形
成された第1および第2の導電層を含んでおり、それら
第1および第2の導電層は前記真性ベース領域と前記外
部ベース領域にそれぞれ電気的接続されており、 前記エ
ミッタ領域中の前記第2導電型の不純物濃度は、前記真
性ベース領域中の前記第1導電型の不純物濃度よりも低
く設定されていることを特徴とする。
【0056】(2) 本発明の半導体装置では、第1導
電型の第1単結晶半導体層によって真性ベース領域を形
成すると共に、第1単結晶半導体層上に形成した第2単
結晶半導体層の第1部分および第2部分により第1導電
型の外部ベース領域と第2導電型のエミッタ領域をそれ
ぞれ形成している。そのエミッタ領域と真性ベース領域
は、ヘテロ接合を形成している。エミッタ領域の第2導
電型の不純物濃度は、真性ベース領域の第1導電型の不
純物濃度よりも低い。従って、当該半導体装置のヘテロ
接合バイポーラトランジスタは、本来の低ベース抵抗、
高電流増幅率という特徴を持つ。
【0057】また、第導電型の外部ベース領域が、第
導電型のエミッタ領域と同一の第2単結晶半導体層の
異なる部分からそれぞれ形成されているので、エミッタ
領域と真性ベース領域の間のp−nヘテロ接合だけでな
く、エミッタ領域と外部ベース領域の間のp−n接合に
も多結晶部分は存在しないため、エミッタ領域から外部
ベース領域と真性ベース領域に注入される電子が正孔と
の再結合によって生成する再結合電流は、低く抑えられ
る。
【0058】その結果、前記バイポーラトランジスタの
遮断周波数fTの低下が防止される。しかも、ベース・
コレクタ容量も低く抑えられる。よって、前記バイポー
ラトランジスタの電気的特性が向上する。
【0059】(3) 本発明の半導体装置の好ましい例
では、前記ベース・コンタクトを形成する前記第1およ
び第2の導電層の端部が、前記真性ベース領域と前記外
部ベース領域にそれぞれ接触せしめられる
【0060】本発明の半導体装置の他の好ましい例で
は、前記ベース・コンタクトを形成する前記第1および
第2の導電層の端部が前記第1絶縁層の前記第1開口の
内側に庇状にせり出しており、それら第1および第2の
導電層の庇状にせり出した端部が、第3および第4の導
電層を介して前記真性ベース領域と前記外部ベース領域
にそれぞれ接続される。
【0061】本発明の半導体装置のさらに他の好ましい
例では、前記真性ベース領域が、前記半導体基体から離
れるにつれて不純物濃度が徐々に増加または減少する
斜した不純物プロファイルを持つ。
【0062】本発明の半導体装置のさらに他の好ましい
例では、前記真性ベース領域として機能する前記第1導
電型の前記第1単結晶半導体層が、前記半導体基体の側
に位置し且つ相対的に高い前記第1導電型の不純物濃度
を持つ層状の第1部分と、前記半導体基体とは反対側に
位置し且つ相対的に低い前記第1導電型の不純物濃度を
持つ層状の第2部分とを含んで構成される。
【0063】(4) 本発明の半導体装置の製造方法
は、半導体基体上にヘテロ接合バイポーラトランジスタ
を備えた半導体装置の製造方法であって、 前記半導体基
の表面を露出させる第1開口を有する第1絶縁層を前
記半導体基体の表面に形成する工程と、前記第1絶縁層
の前記第1開口の内部において、前記半導体基体の表面
真性ベース領域として機能する第1導電型の第1単結
晶半導体層を形成する工程と、第2導電型の第2単結晶
半導体層を前記第1単結晶半導体層の上に重ねて形成す
る工程と、 前記第1導電型の不純物原子を含む不純物含
有層を、前記第2単結晶半導体層の前記第2部分の全体
を露出させると共に前記第2単結晶半導体層の前記第1
部分に接触させるように、前記第2単結晶半導体層の上
に重ねて形成する工程と、 前記不純物含有層に含まれて
いる前記第1導電型の不純物原子を熱処理によって前記
第2単結晶半導体層に選択的に拡散させることにより、
前記第2導電型の前記第2単結晶半導体層を部分的に前
記第1導電型に変え、もって外部ベース領域として機能
する前記第1導電型の第1部分およびエミッタ領域とし
て機能する前記第2導電型の第2部分を形成すると共
に、前記エミッタ領域と前記真性ベース領域の間にヘテ
ロ接合を形成する工程と、 前記第1単結晶半導体層と前
記第2単結晶半導体層を介して、前記第2導電型の不純
物を前記半導体基体の内部に選択的に導入し、もって前
記第2導電型のコレクタ領域を前記真性ベース領域の下
に形成する工程と、前記真性ベース領域および前記外部
ベース領域をベース電極に電気的接続するための導電性
ベース・コンタクトを、前記第1絶縁層の上に形成する
工程と、 前記エミッタ領域をエミッタ電極に電気的接続
するための導電性エミッタ・コンタクトを、前記エミッ
タ領域に接触させて形成する工程と、 前記コレクタ領域
をコレクタ電極に電気的接続するための導電性コレクタ
・コンタクトとを、前記コレクタ領域に接触させて前記
半導体基体の内部に形成する工程とを備え、前記ベース
・コンタクトは、互いに重ねて形成された第1および第
2の導電層を含んでおり、それら第1および第2の導電
層は前記真性ベース領域と前記外部ベース領域にそれぞ
れ電気的接続されており、 前記エミッタ領域中の前記第
2導電型の不純物濃度は、前記真性ベース領域中の前記
第1導電型の不純物濃度よりも低く設定されていること
を特徴とする。
【0064】(5) 本発明の半導体装置の製造方法で
は、本発明の半導体装置が容易に製造される。
【0065】(6) 本発明の半導体装置の製造方法の
好ましい例では、前記真性ベース領域として機能する前
記第1導電型の前記第1単結晶半導体層を形成する工程
が、相対的に高い前記第1導電型の不純物濃度を持つ層
状の第1部分を前記半導体基体の側に形成する工程と、
相対的に低い前記第1導電型の不純物濃度を持つ層状の
第2部分を前記半導体基体とは反対側に形成する工程と
を含む
【0066】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を添付図面を参照しながら具体的に説明する。
【0067】(第1実施形態) [構成]図1は、本発明の第1実施形態の半導体装置の
部分平面図とそのA−A線に沿った部分断面図を示す。
【0068】図1の半導体装置は、ベース・エミッタ間
とベース・コレクタ間にヘテロ接合を持つnpn型バイ
ポーラトランジスタが形成されたシリコン(Si)基体
100を備えている。この基体100は、p-型シリコ
ン基板1と、その基板1の表面に形成されたn-型シリ
コン・エピタキシャル層3とを含んでいる。基板1は、
結晶の面方位が(100)の表面を持ち、且つ抵抗率が
10から20Ω・cmである。このn-型シリコン・エ
ピタキシャル層3の厚さは、n型不純物濃度が5×10
16cm-3以下となる領域の厚さをもって実効的な厚さと
定義すると、約0.40μmである。
【0069】n-型シリコン・エピタキシャル層3は、
ロコス(LOCOS、LOCal Oxidation of Silicon)法
により形成された酸化シリコンからなる分離絶縁層4に
より分離されて、平面形状が略矩形の素子形成領域を形
成している。npn型バイポーラ・トランジスタはこの
素子形成領域内に形成されている。
【0070】エピタキシャル層3の素子形成領域の内部
には、n型単結晶シリコンからなるコレクタ領域16と
+型単結晶シリコンからなるコレクタ・コンタクト領
域5が形成されている。コレクタ領域16とコレクタ・
コンタクト領域5の平面形状は、いずれも略矩形であ
る。コレクタ領域16は素子形成領域の一方の端部の近
傍に配置され、コレクタ・コンタクト領域5はコレクタ
領域16とは反対側の端部に配置されている。この第1
実施形態では、基体100の内部に形成されたコレクタ
・コンタクト領域5とコレクタ埋込層2aがコレクタ・
コンタクトとして機能する。
【0071】素子形成領域の基板1とエピタキシャル層
3の界面の近傍には、n+型シリコンからなるコレクタ
埋込層2aと、p+型シリコンからなるチャネル・スト
ッパ2bが形成されている。コレクタ埋込層2aとチャ
ネル・ストッパ2bの厚さはいずれも数μmである。コ
レクタ埋込層2aは、素子形成領域の一方の端部近傍か
ら他方の端部近傍まで延在し、コレクタ領域16とコレ
クタ・コンタクト領域5の底部に接触している。こうし
て、コレクタ領域16をコレクタ・コンタクト領域5に
対して電気的に接続している。チャネル・ストッパ2b
は、分離絶縁層4の直下において、素子形成領域を囲む
ように分離絶縁層4に沿って延在している。チャネル・
ストッパ2bは、分離絶縁層4の底部に接触している。
【0072】基体100の表面、換言すればエピタキシ
ャル層3の表面は、酸化シリコン層6で覆われている。
酸化シリコン層6の上には、p+型多結晶シリコン層7
が選択的に形成されている。酸化シリコン層6および多
結晶シリコン層7には、それらを貫通する略矩形のベー
ス用開口101が形成されており、その開口101から
基体100の表面が露出している。
【0073】開口101は、基体100に形成されたコ
レクタ領域16にほぼ同心となるように重なっている。
換言すれば、コレクタ領域16は、酸化シリコン層6と
多結晶シリコン層7を貫通する開口101のほぼ中心に
位置しており、コレクタ領域16の全体が開口101内
にある。p+型多結晶シリコン層7はベース・コンタク
ト102の一部を形成するので、開口101の近傍にの
み且つ開口101を囲むように形成されている。
【0074】開口101から露出した基体100の表面
には、p+型単結晶SiGeからなる真性ベース領域9
が形成されている。この真性ベース領域9は、開口10
1から露出した基体100の表面の全体を覆っている。
また、この真性ベース領域9は、その下部に位置し相対
的に高い不純物濃度の第1部分9aと、その上部に位置
し相対的に低い不純物濃度の第2部分9bとから構成さ
れる。第1部分9aは、その下縁から上縁までGe濃度
がほぼ同一の濃度プロファイルを持つが、第2部分9b
は、その下縁から上縁に向かってGe濃度が徐々に減少
する傾斜濃度プロファイルを有している。
【0075】p+型多結晶シリコン層7の上には、ベー
ス・コンタクト102の他の一部を形成するp+型多結
晶SiGe層10が選択的に形成されている。このp+
型多結晶SiGe層10は、p+型多結晶シリコン層7
に完全に重なるように形成されている。さらに、このp
+型多結晶SiGe層10は、開口101の内壁面の全
体を覆っていると共に、p+型単結晶SiGeからなる
真性ベース領域9の外周縁に接続されている。真性ベー
ス領域9は、こうしてp+型多結晶SiGe層10とp+
型多結晶シリコン層7とに電気的に接続されている。
【0076】p+型単結晶SiGeからなる真性ベース
領域9の上には、n型単結晶シリコンからなるエミッタ
領域11と、p+型単結晶シリコンからなる外部ベース
領域14とが形成されている。エミッタ領域11は、開
口101の中央においてコレクタ領域16に重なるよう
に配置され、その全周を外部ベース領域14によって囲
まれている。エミッタ領域11の平面形状は略矩形で、
外部ベース領域14の平面形状は略矩形枠状である。
【0077】エミッタ領域11と外部ベース領域14
は、同一の単結晶シリコン層の中央部と周辺部からそれ
ぞれ形成されている。エミッタ領域11は、p+型の単
結晶シリコン層の中央部にn型不純物を選択的にドープ
することにより形成され、n型不純物をドープされない
周辺部が外部ベース領域14となる。
【0078】p+型多結晶SiGe層10の上には、ベ
ース・コンタクト102のさらに他の一部を形成するp
+型多結晶シリコン層15が選択的に形成されている。
このp+型多結晶シリコン層15は、p+型多結晶SiG
e層10に完全に重なるように形成されている。さら
に、このp+型多結晶SiGe層15は、開口101の
内壁面の全体を覆っていると共に、p+型単結晶シリコ
ンからなる外部ベース領域14の外周縁に接続されてい
る。外部ベース領域14は、一方では、こうしてp+
多結晶シリコン層15とp+型多結晶SiGe層10と
+型多結晶シリコン層7とに電気的に接続され、他方
では、真性ベース領域9に電気的に接続されている。
【0079】ベース・コンタクト102は、p+型多結
晶シリコン層7とp+型多結晶SiGe層10とp+型多
結晶シリコン層15により構成され、真性ベース領域9
と外部ベース領域14を後述のベース電極20bに電気
的に接続している。
【0080】ベース・コンタクト102と、ベース・コ
ンタクト102から露出した酸化シリコン層6の上に
は、ボロン・シリケート・ガラス(BORON-SILICATE GLA
SS,BSG)層13が形成されている。このBSG層1
3は、ベース・コンタクト102上から開口101の内
部にまで延在していて、外部ベース領域14を覆ってい
る。このBSG層13はまた、エミッタ領域11の直上
に略矩形のエミッタ用開口103を有している。エミッ
タ領域11は、その全体がエミッタ用開口103から露
出している。
【0081】BSG層13の上には、絶縁用側壁として
の酸化シリコン層17が選択的に形成され、その酸化シ
リコン層17の内側にn+型多結晶シリコンからなるエ
ミッタ・コンタクト18が形成されている。このエミッ
タ・コンタクト18は、エミッタ領域11と接触してそ
れに電気的に接続されていると共に、酸化シリコン層1
7によって外部ベース領域14とベース・コンタクト1
02から電気的に絶縁されている。このエミッタ・コン
タクト18の頂部は、BSG層13の上に突出してい
る。酸化シリコン層17は、BSG層13とエミッタ・
コンタクト18の間の隙間を埋め込んだ形になってお
り、その底部はエミッタ領域11と外部ベース領域14
に接触している。
【0082】BSG層13の上には、そのBSG層13
から露出したエミッタ・コンタクト18覆うように酸化
シリコン層19が形成されている。BSG層13の上に
は、エミッタ電極20a、ベース電極20bおよびコレ
クタ電極20cが形成されている。エミッタ電極20a
は、エミッタコンタクト18とエミッタ領域11の直
上に位置している。ベース電極20bは、コレクタ電極
20cから遠い側においてベース・コンタクト102の
直上に位置している。コレクタ電極20cは、コレクタ
・コンタクト領域5の直上に位置している。
【0083】エミッタ電極20aは、酸化シリコン層1
9を貫通する開口104を介してエミッタ・コンタクト
18に接触し、それによってエミッタ・コンタクト18
を介してその下方のエミッタ領域11に電気的に接続さ
れている。
【0084】ベース電極20bは、BSG層13と酸化
シリコン層19を貫通する開口105を介して、ベース
・コンタクト102の一部を構成するp+型多結晶シリ
コン層15に接触している。ベース電極20bは、その
下方のベース・コンタクト102を介して、ベース用開
口101内にある外部ベース領域14と真性ベース領域
9にそれぞれ電気的に接続されている。
【0085】コレクタ電極20cは、酸化シリコン層
6、19およびBSG層13の全てを貫通する開口10
を介して下方のコレクタ・コンタクト領域5に接触
し、それによってコレクタ・コンタクト領域5とコレク
タ埋込層2a(つまりコレクタ・コンタクト)を介して
コレクタ領域16に電気的に接続されている。
【0086】以上説明したように、本発明の第1実施形
態の半導体装置では、エミッタ領域11がn型単結晶シ
リコンからなり、そのエミッタ領域11と接触する真性
ベース領域9と外部ベース領域14とがそれぞれp+
単結晶SiGeとp+型単結晶シリコンからなってい
る。また、真性ベース領域9のp型不純物濃度は、エミ
ッタ領域11のn型不純物濃度よりも高い。従って、当
該半導体装置のヘテロ接合バイポーラトランジスタは、
本来の低ベース抵抗、高電流増幅率という特徴を持つ。
【0087】また、エミッタ領域11と真性ベース領域
9のp−nヘテロ接合だけでなく、エミッタ領域11と
外部ベース領域14のp−nホモ接合にも多結晶部分は
存在しないため、エミッタ領域11からベース領域9と
14に注入される電子が正孔との再結合によって生成す
る再結合電流は低く抑えられる。
【0088】その結果、当該npn型バイポーラトラン
ジスタの遮断周波数fTの低下が防止される。しかも、
ベース・コレクタ容量も低く抑えられる。すなわち、当
該npn型バイポーラトランジスタの電気的特性が向上
する。
【0089】まず最初に、図2(a)に示すような(1
00)の結晶面を持ち抵抗率が約10〜20Ω・cmで
あるp-型シリコン基板1を準備し、その表面に公知の
CVD(Chemical Vapor Deposition)法または熱酸化
法を用いて厚さ300〜700nm(好ましくは500
nm)の酸化シリコン層(図示せず)を形成する。その
後、公知のフォトリソグラフィによりパターン化された
フォトレジスト膜をマスクとして、HF(フッ化水素)
系の溶液を用いた公知のウエット・エッチング法で酸化
シリコン層を選択的に除去する。フォトレジスト膜を除
去すると、酸化シリコン層からなるマスク(図示せず)
が基板1の表面に形成される。
【0090】その後、この酸化シリコン層のマスクを介
して、公知のイオン注入法で基板1に砒素を選択的に注
入する。その際には、砒素イオンが酸化シリコン層のマ
スクを突き抜けないように加速エネルギーを50〜12
0keV(好ましくは70keV)とし、コレクタ埋込
層2aの不純物濃度が1×1019cm―3台となるよう
にドーズ量を1×1015〜2×1016cm-2(好ましく
は5×1015cm-2)するのが好ましい。続いて、イオ
ン注入による損傷の回復、砒素イオンの活性化および押
し込みのために1000〜1150℃(好ましくは11
00℃)の窒素雰囲気中で2時間の熱処理を行う。こう
して、基板1の表面領域に図2(a)に示すようなn+
型コレクタ埋込層2aが形成される。
【0091】HF系の溶液で、基板1の表面に形成され
た酸化シリコン層のマスクを除去した後、熱酸化により
新たに厚さ50〜250nm(好ましくは100nm)
の酸化シリコン層(図示せず)を基板1の表面に形成す
る。そして、パターン化されたフォトレジスト(図示せ
ず)をマスクとして、加速エネルギー50keV、ドー
ズ量1×1014cm-2の条件下でボロン(硼素)のイオ
ン注入を行う。フォトレジストを除去してから、温度1
000℃、窒素雰囲気中で1時間の熱処理を行ってボロ
ンイオンを活性化する。こうして、基板1の表面領域に
図2(a)に示すようなp+型チャネル・ストッパ2b
が形成される。
【0092】基板1の表面の酸化シリコン層を除去した
後、図2(a)に示すように、公知のエピタキシャル成
長法により、コレクタ埋込層2aおよびチャネル・スト
ッパ2bを被覆するように、基板1の表面に厚さ0.3
〜1.3μm(この実施形態では約0.4μm)のn-
型エピタキシャル・シリコン層3を成長させる。その際
の好ましい条件は、成長温度が950〜1050℃、原
料ガスがSiH4またはSiH2Cl2、ドーピングガス
がPH3であり、不純物すなわち燐の含有量は5×10
15〜5×1016cm-3である。この実施形態では、燐の
含有量は5×1016cm-3以下とする。
【0093】次に、熱酸化法により、エピタキシャル層
3の表面に厚さ20〜50nmの酸化シリコン層(図示
せず)と、厚さ70〜150nmの窒化シリコン層(図
示せず)を順に形成した後、パターン化されたフォトレ
ジスト膜(図示せず)をマスクとして、ドライエッチン
グ法によりそれらの窒化シリコン層と酸化シリコン層を
パターン化する。引き続いて、パターン化されたそれら
窒化シリコン層と酸化シリコン層をマスクとして、ドラ
イエッチング法にエピタキシャル層3をエッチングし
て、所望の素子形成領域と同じパターンを持つ溝(図示
せず)を形成する。この溝の深さは、ロコス法で形成さ
れる酸化シリコン層の厚さの半分程度とするのが好まし
い。フォトレジスト膜を除去してから、パターン化され
た窒化シリコン層と酸化シリコン層をマスクとして熱酸
化法によりエピタキシャル・シリコン層3を選択的に酸
化すると、図2(a)に示すように、酸化シリコンから
なる分離絶縁層4がエピタキシャル層3の内部に形成さ
れる。こうして、npn型バイポーラトランジスタを形
成すべき素子形成領域が基板1上に画定される。
【0094】この分離絶縁層4は、その底部がチャンネ
ル・ストッパ2bに達するように形成されるのが好まし
く、例えばその厚さを300〜1000nmとすればよ
い。この実施形態では約600nmとする。
【0095】以上のようにして分離絶縁層4が形成され
た後、基板1の表面のパターン化された窒化シリコン層
と酸化シリコン層は、熱したリン酸の溶液を用いて取り
除かれる。
【0096】続いて、以下のようにしてn+型コレクタ
・コンタクト領域5が形成される。まず、コレクタ・コ
ンタクト領域5に対応する箇所に開口を持つフォトレジ
スト膜(図示せず)をエピタキシャル・シリコン層3の
表面に形成した後、そのフォトレジスト膜をマスクとし
て、加速エネルギー100keV、ドーズ量5×1015
cm-2の条件でエピタキシャル層3に選択的に燐をイオ
ン注入する。フォトレジスト膜を除去した後、注入され
た燐イオンの活性化およびイオン注入によるエピタキシ
ャル層3の損傷回復のために、温度1000℃の窒素雰
囲気中で30分間の熱処理を行う。こうして、図2
(a)に示すように、底部がn+型コレクタ埋込層2a
に接触したコレクタ・コンタクト領域5が形成される。
【0097】以上の工程により、図2(a)に示す構成
の基体100が作製される。
【0098】続いて、図2(b)に示すように、基体1
00の表面に、厚さ100nmの酸化シリコン層6を形
成する。この酸化シリコン層6の厚さは、真性ベース領
域の厚さの(1/2)程度とするのが好ましい。その酸
化シリコン層6の上に、CVD法を用いて厚さ150〜
350nm(ここでは250nm)の多結晶シリコン層
7を堆積させる。続いて、イオン注入法により多結晶シ
リコン層7にボロンを導入し、その導電型をp+型に変
更する。イオン注入の条件としては、多結晶シリコン層
7を突き抜けない程度の加速エネルギーとし、多結晶シ
リコン層7の不純物濃度が約1×1020cm-3となる程
度のドーズ量とする。この例では、加速エネルギー10
keV、ドーズ量1×1016cm-2である。
【0099】こうしてp+型となった多結晶シリコン層
7の上にパターン化されたフォトレジスト膜(図示せ
ず)を形成した後、そのフォトレジスト膜をマスクとし
て、公知の異方性ドライエッチング法により酸化シリコ
ン層6および多結晶シリコン層7を選択的に除去し、図
2(b)に示すような、酸化シリコン層6とp+型多結
晶シリコン層7を貫通するベース用開口101を形成す
る。その後、マスクとして用いたフォトレジスト膜を除
去する。この時の状態は図2(b)のようになる。
【0100】さらに、以下のようにして、p+型単結晶
SiGeからなる真性ベース領域9、p+型多結晶Si
Ge層10、n型単結晶シリコン層11a、n型多結晶
シリコン層12を、図3(a)に示すように形成する。
【0101】まず、エピタキシャル成長法を用いて、ア
ンドープのSiGe合金層を結晶成長させる。具体的に
は、LPCVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposi
tion)法、ガスソースMBE(Molecular Beam Epitax
y)法、UHV/CVD(Ultra-High Vacuum CDV)法な
どを使用できる。この実施形態ではUHV/CVD法を
使用し、成長条件は、基板温度が605℃であり、ソー
スガスとしてのSi26ガスとGeH4ガスとCl2ガス
の流量がそれぞれ3sccm、2sccm、0.03s
ccmである。
【0102】この結晶成長工程により、開口101から
露出するn-型シリコン・エピタキシャル層3の表面に
は、アンドープの単結晶SiGe層9aが形成され、そ
れと同時に、p+型多結晶シリコン層7の表面と酸化シ
リコン層6の開口101内の側面には、アンドープの多
結晶SiGe層10aが形成される。アンドープ単結晶
SiGe層9aの外周縁とアンドープ多結晶SiGe層
10aの内周縁とは、開口101の底部外縁の近傍で互
いに接続される。
【0103】アンドープ単結晶SiGe層9aとアンド
ープ多結晶SiGe層10aのGe濃度は、例えば約1
0%である。それらSiGe層9a、10aの層厚は、
例えば約25nmであるが、後の工程で行われる熱処理
により欠陥が発生しない範囲内で、これらの層の厚さは
大きくすることができる。
【0104】続いて、UHV/CVD法を用いてp+
SiGe層を選択的に結晶成長させる。ここでは、Si
26ガス流量とGeH4ガス流量とを調整しながら結晶
を成長させる。成長条件は、例えば、基板温度が605
℃、ソースガスとしてのSi 26ガスとGeH4ガスと
Cl2ガスの流量がそれぞれ3sccm、2sccm、
0.03sccm、ドーピングガスとしてのB26ガス
(10%に希釈)の流量が5sccmである。
【0105】この結晶成長により、アンドープ単結晶S
iGe層9aの表面にはp+型単結晶SiGe層9bが
形成され、アンドープ多結晶SiGe層10aの表面に
はp +型多結晶SiGe層10bが形成される。p+型単
結晶SiGe層9bの外周縁とp+型多結晶SiGe層
10bの内周縁とは、アンドープ単結晶SiGe層9a
とアンドープ多結晶SiGe層10aの接続部の近傍で
互いに接続される。
【0106】上記の条件下で結晶成長させることによ
り、p+型単結晶SiGe層9bのGe濃度に傾斜プロ
ファイルを持たせることができる。この例では、結晶の
成長方向(すなわち基板1から上方)に向かってGeの
濃度が10%から0%まで直線的に変化するようなプロ
ファイルとする。また、p+型単結晶SiGe層9bお
よびp+型多結晶SiGe層10bの厚さとボロン含有
量は、例えば、それぞれ40nm、5×1019cm-3
ある。
【0107】その後、850℃で20分間の熱処理を行
うと、p+型多結晶シリコン層7からアンドープ多結晶
SiGe層10aにボロンが拡散し、p+型となる。そ
の結果、多結晶SiGe層10aはp+型多結晶SiG
e層10bと一体となって、p+型多結晶SiGe層1
0が形成される。また、それと同時に、p+型単結晶S
iGe層9bからアンドープ単結晶SiGe層9aへの
ボロンの拡散が行われ、アンドープ単結晶SiGe層9
aもp+型となる。こうして、全体がp+型単結晶SiG
eからなる真性ベース領域9が形成される。
【0108】続いて、UHV/CVD法により、基板温
度605℃、ソースガスSi26(ガス流量3scc
m)、ドーピングガスPH3として、n型シリコンをエ
ピタキシャル成長させる。この結晶成長により、図3
(a)に示すように、p+型単結晶SiGeからなる真
性ベース領域9の表面にはn型単結晶シリコン層11a
が形成され、p+型多結晶SiGe層10の表面にはn
型多結晶シリコン層12が形成される。n型単結晶シリ
コン層11aの外周縁とn型多結晶シリコン層12の内
周縁とは、真性ベース領域9とp+型多結晶SiGe層
10の接続部の近傍で互いに接続される。n型単結晶シ
リコン層11aおよびn型多結晶シリコン層12のリン
濃度と厚さは、それぞれ、例えば約5×1018cm-3
30nmである。この時の状態を図3(a)に示す。
【0109】次に、パターン化されたフォトレジスト膜
(図示せず)をn型単結晶シリコン層11aおよびn型
多結晶シリコン層12の上に形成する。その後、そのパ
ターン化されたフォトレジスト膜をマスクとして、ドラ
イ・エッチング法により、p +型多結晶シリコン層7と
+型多結晶SiGe層10とn型多結晶シリコン層1
2を選択的に除去する。こうして、図3(b)に示すよ
うに、ベース・コンタクト102が形成される箇所を除
いて、酸化シリコン層6の表面を露出させる。
【0110】続いて、LPCVD法を用いて厚さ100
nmのBSG層13を堆積させる。このBSG層13
は、図3(b)に示すように、残ったn型単結晶シリコ
ン層11aとn型多結晶シリコン層12の表面と、露出
せしめられた酸化シリコン層6の表面を覆うように形成
される。
【0111】BSG層13のボロン含有量は、5〜12
mol%とするのが好ましく、この実施形態では10m
ol%とする。ボロン含有量が5mol%未満の場合、
後の熱処理工程におけるボロン拡散の効率が低下するた
め、熱処理の温度が高くなるだけでなく処理時間も長く
なるからである。他方、BSG層13中に12mol%
を超えるボロンを含有させることは困難であるからであ
る。
【0112】さらに、パターン化されたフォトレジスト
をマスクとして異方性ドライエッチングを行い、BSG
層13にエミッタ用開口103を形成する。この時の状
態を図3(b)に示す。
【0113】引き続いて、800℃で15分間の熱処理
を行い、n型単結晶シリコン層11aとBSG層13と
の接触面を介して、BSG層13内のボロンをn型単結
晶シリコン層11aに拡散させる。このボロン拡散によ
りn型単結晶シリコン層11aは部分的にp+型に変わ
り、その箇所にp+型単結晶シリコン層14が形成され
る。p+型単結晶シリコン層14は外部ベース領域とし
て動作する。n型単結晶シリコン層11aのボロンの注
入されない部分は、n型単結晶シリコン層からなるエミ
ッタ領域11となる。また、それと同時に、n型多結晶
シリコン層12にもBSG層13からボロンが拡散・注
入され、n型多結晶シリコン層12の全体がp+型に変
わる。その結果、p+型多結晶シリコン層15が形成さ
れる。この時の状態は図4(a)に示すようになる。
【0114】次に、BSG層13をマスクとして、n-
型シリコン・エピタキシャル層3に燐を選択的にイオン
注入し、n-型シリコン・エピタキシャル層3内の真性
ベース9の直下に位置する箇所に、自己整合的にn型コ
レクタ領域16を形成する。この場合のイオン注入の条
件は、例えば、加速エネルギー200keV、ドーズ量
4×1012cm-2である。
【0115】その後、LPCVDにより、エミッタ領域
11およびBSG層13のそれぞれの表面に酸化シリコ
ン層(図示せず)を堆積させてから、その酸化シリコン
層を異方性ドライエッチングによりエッチバックし、ベ
ース用開口101の内部のBSG層13の表面にのみ選
択的に残す。こうして、図4(b)に示すように、酸化
シリコンよりなる酸化物側壁17を形成する。
【0116】続いて、LPCVD法により、BSG層1
3上に基板1の全面にわたって、燐がドープされた多結
晶シリコン層(図示せず)を約250nmの厚さに堆積
する。その後、その多結晶シリコン層をフォトリソグラ
フィと異方性エッチングによりパターン化し、図4
(b)に示すように、n+型多結晶シリコンからなるエ
ミッタ・コンタクト18を形成する。このエミッタ・コ
ンタクト18の底部は、BSG層13のエミッタ用開口
103を通じてエミッタ領域11と接触しているが、外
部ベース領域14とBSG層13とは接触していない。
この時の状態は、図4(b)に示す通りである。
【0117】次に、図1に示すように、CVD法によ
り、酸化シリコン層19をBSG層13上に形成する。
この酸化シリコン層19は、エミッタ・コンタクト18
を覆っている。そして、フォトリソグラフィと異方性ド
ライエッチングにより、酸化シリコン層19の所定箇所
にエミッタ電極20a、ベース電極20b、コレクタ電
極20cの接続用の開口104、105、106を形成
する。
【0118】最後に、スパッタ法により、開口104、
105、106を形成した酸化シリコン層19の表面に
アルミニウム合金層(図示せず)を形成した後、フォト
リソグラフィとドライエッチングによりそのアルミニウ
ム合金層をパターン化し、エミッタ電極20a、ベース
電極20b、コレクタ電極20cを形成する。エミッタ
電極20aは、開口104を介してエミッタ・コンタク
ト18に接触し、ベース電極20bは、開口105を介
してベース・コンタクト102に接触し、コレクタ電極
20cは、開口106を介してコレクタ・コンタクト領
域5に接触している。
【0119】以上の工程により、図1に示す第1実施形
態の半導体装置が完成する。
【0120】この製造方法によれば、自己整合的に形成
されたヘテロ接合バイポーラトランジスタを備えた本発
明の第1実施形態の半導体装置が得られる。
【0121】(第2実施形態) [構成]図5は、本発明の第2実施形態の半導体装置の
部分断面図を示す。この半導体装置の平面形状は、第1
実施形態のものと実質的に同じである。
【0122】図5の半導体装置は、第1実施形態と同様
に、ベース・エミッタ間とベース・コレクタ間にヘテロ
接合を持つnpn型バイポーラ・トランジスタが形成さ
れたシリコン基体100を備えている。この基体100
は、図1に示した第1実施形態の半導体装置のシリコン
基体と同じ構成を持つので、図5において図1と同一ま
たは対応する要素には同じ符号を付してその説明を省略
する。
【0123】基体100の表面、換言すればエピタキシ
ャル層3の表面は、酸化シリコン層36で覆われてい
る。酸化シリコン層36には、それを貫通する略矩形の
ベース・エミッタ用開口131が形成されており、その
開口131から基体100の表面が露出している。開口
131は、基体100に形成されたコレクタ領域16に
ほぼ同心となるように重なっている。換言すれば、コレ
クタ領域16は、酸化シリコン層36を貫通する開口1
31のほぼ中心に位置しており、コレクタ領域16の全
体が開口131内にある。
【0124】酸化シリコン層36の上には、p+型多結
晶シリコン層37が選択的に形成されている。p+型多
結晶シリコン層37はベース・コンタクト102の一部
を形成するので、開口131の近傍にのみ且つ開口13
1を囲むように形成されている。多結晶シリコン層37
には、それを貫通する略矩形のエミッタ用開口133が
形成されている。その開口133は、酸化シリコン層3
6の開口131とほぼ同心となるように配置されてい
る。開口133の面積が開口131の面積より小さいの
で、p+型多結晶シリコン層37は開口131の上にせ
り出している。
【0125】p+型多結晶シリコン層37の上には、窒
化シリコン層38が形成されている。この窒化シリコン
層38は、多結晶シリコン層37の表面だけでなく、開
口133内にある多結晶シリコン層37の側面も覆って
いる。従って、開口133の内部において、窒化シリコ
ン層38はp+型多結晶シリコン層37よりも内側にせ
り出している。酸化シリコン層36のp+型多結晶シリ
コン層37の形成されない表面も、窒化シリコン層38
で覆われている。
【0126】酸化シリコン層36の開口131の内部で
は、基体100の表面にp+型単結晶SiGe層からな
る真性ベース領域39が形成されている。この真性ベー
ス領域39は、開口131から露出した基体100の表
面の全体を覆っている。また、この真性ベース領域39
は、その下部に位置し相対的に高い不純物濃度の第1部
分39aと、その上部に位置し相対的に低い不純物濃度
の第2部分39bとから構成される。第1部分39a
は、その下縁から上縁までGe濃度がほぼ同一の濃度プ
ロファイルを持つが、第2部分39bは、その下縁から
上縁に向かってGe濃度が徐々に減少する傾斜濃度プロ
ファイルを有している。
【0127】p+型単結晶SiGeからなる真性ベース
領域39の上には、n型単結晶シリコンからなるエミッ
タ領域41と、p+型単結晶シリコンからなる外部ベー
ス領域44と、ベースコンタクト102の一部をなす
+型多結晶シリコン層45と、ベースコンタクト1
02の他の一部をなすp+型多結晶SiGe層40とが
形成されている。エミッタ領域41は、開口131の中
央においてコレクタ領域16に重なるように配置され、
その全周を外部ベース領域44によって囲まれている。
エミッタ領域41の平面形状は略矩形で、外部ベース領
域44の平面形状は略矩形枠状である。外部ベース領域
44は、その全周を略矩形枠状の平面形状を持つp+
多結晶シリコン層45によって囲まれている。p+型多
結晶シリコン層45は、その全周を略矩形枠状の平面形
状を持つp+型多結晶SiGe層40によって囲まれて
いる。
【0128】エミッタ領域41と外部ベース領域44
は、同一の単結晶シリコン層の中央部と周辺部からそれ
ぞれ形成されている。外部ベース領域44は、n型の単
結晶シリコン層の周辺部にp型不純物を選択的にドープ
することにより形成され、p型不純物をドープされない
中心部がエミッタ領域41となる。
【0129】p+型多結晶SiGe層40は、真性ベー
ス領域39の周辺部上に位置し、開口131の内壁面に
沿って延在している。このp+型多結晶SiGe層40
の底面は真性ベース領域39に接触し、その外側面は開
口131の内壁面に接触し、その上面はp+型多結晶シ
リコン層37の下面と窒化シリコン層38の開口131
上にせり出した部分の下面に接触している。
【0130】p+型多結晶シリコン層45は、p+型多結
晶GeSi層40と外部ベース領域44の間に位置して
いる。p+型多結晶シリコン層45の傾斜した底面は外
部ベース領域44に接触し、その外側面はp+型多結晶
SiGe層40の内側面に接触し、その上面は窒化シリ
コン層38の開口131上にせり出した部分の下面に接
触している。
【0131】外部ベース領域44は、真性ベース領域3
9に電気的に接続されているだけでなく、p+型多結晶
シリコン層45を介してp+型多結晶SiGe層40に
電気的に接続され、さらにp+型多結晶シリコン層37
に電気的に接続されている。真性ベース領域39は、p
+型多結晶SiGe層40を介してp+型多結晶シリコン
層37に電気的に接続されている。
【0132】真性ベース領域39に接触するp+型多結
晶SiGe層40と、外部ベース領域44に接触するp
+型多結晶シリコン層45と、酸化シリコン層36上の
+型多結晶シリコン層37とが、ベース・コンタクト
102を構成する。
【0133】エミッタ領域41の上には、n+型多結晶
シリコンからなるエミッタ・コンタクト48が形成され
ている。エミッタ・コンタクト48の底部は、エミッタ
領域41に接触し、その頂部は窒化シリコン層38の上
に突出している。外部ベース領域44とエミッタ・コン
タクト48と窒化シリコン層38に囲まれた領域には、
BSG層43と、酸化物側壁としての酸化シリコン層4
7が形成されている。BSG層43は、酸化シリコン層
47と外部ベース領域44だけでなく、p+型多結晶シ
リコン層45と窒化シリコン層38にも接触している。
酸化シリコン層47は、エミッタ領域41と外部ベース
領域44とエミッタ・コンタクト48に接触している。
【0134】窒化シリコン層38の上には、エミッタ・
コンタクト48を覆うように酸化シリコン層19が形成
されている。酸化シリコン層19の上には、エミッタ電
極20a、ベース電極20b、およびコレクタ電極20
cが形成されている。エミッタ電極20aは、エミッタ
コンタクト48とエミッタ領域41の直上に位置してい
る。ベース電極20bは、コレクタ電極20cから遠い
側においてベース・コンタクト102の直上に位置して
いる。コレクタ電極20cは、コレクタ領域5の直上に
位置している。
【0135】エミッタ電極20aは、酸化シリコン層1
9に形成された開口134を介してエミッタ・コンタク
ト48に接触し、それによってエミッタ・コンタクト領
域48を介してその下方のエミッタ領域41に電気的に
接続されている。
【0136】ベース電極20bは、酸化シリコン層19
と窒化シリコン層38を貫通する開口135を介してそ
の下方のベース・コンタクト102に接触し、それによ
ってベース・コンタクト102を介して、またベース・
コンタクト102と外部ベース領域14とを介して、ベ
ース用開口101内にある真性ベース領域39に電気的
に接続されている。
【0137】コレクタ電極20cは、酸化シリコン層3
6、19および窒化シリコン層38を貫通する開口13
6を介して下方のコレクタ・コンタクト領域5に接触
し、それによってコレクタ・コンタクト領域5とコレク
タ埋込層2aを介してコレクタ領域16に電気的に接続
されている。この第2実施形態においても、基体100
の内部に形成されたコレクタ・コンタクト領域5とコレ
クタ埋込層2aがコレクタ・コンタクトとして機能す
る。
【0138】以上説明したように、本発明の第2実施形
態の半導体装置では、エミッタ領域41がn型単結晶シ
リコンからなり、そのエミッタ領域41と接触する真性
ベース領域39と外部ベース領域44とがそれぞれp+
型単結晶SiGeとp+型単結晶シリコンからなってい
る。また、真性ベース領域39のp型不純物濃度は、エ
ミッタ領域41のn型不純物濃度よりも高い。従って、
当該半導体装置のヘテロ接合バイポーラトランジスタ
は、本来の低ベース抵抗、高電流増幅率という特徴を持
つ。
【0139】また、エミッタ領域41と真性ベース領域
39のp−nヘテロ接合だけでなく、エミッタ領域41
と外部ベース領域44のp−nホモ接合にも多結晶部分
は存在しないため、エミッタ領域41からベース領域3
9と44に注入される電子が正孔との再結合によって生
成する再結合電流は、低く抑えられる。
【0140】その結果、当該npn型バイポーラトラン
ジスタの遮断周波数fTの低下が防止される。しかも、
ベース・コレクタ容量も低く抑えられる。すなわち、当
該npn型バイポーラトランジスタの電気的特性が向上
する。
【0141】まず、図6(a)に示すシリコン基体10
0を作製する。その作製方法は、図2(a)に示した第
1実施形態の半導体装置の場合と同じであるため、ここ
ではその説明を省略する。
【0142】続いて、図6(a)に示すように、基体1
00の表面に、厚さ100nmの酸化シリコン層36を
形成する。この酸化シリコン層36の厚さは、真性ベー
ス領域の厚さの(1/2)程度とするのが好ましい。そ
の酸化シリコン層36の上に、CVD法を用いて厚さ1
50〜350nm(ここでは250nm)の多結晶シリ
コン層37を堆積させる。続いて、イオン注入法により
多結晶シリコン層37にボロンを導入し、その導電型を
+型に変更する。イオン注入の条件としては、多結晶
シリコン層37を突き抜けない程度の加速エネルギーと
し、多結晶シリコン層37の不純物濃度が約1×1020
cm-3となる程度のドーズ量とする。この例では、加速
エネルギー10keV、ドーズ量1×1016cm-2であ
る。
【0143】こうしてp+型となった多結晶シリコン層
37の上にパターン化されたフォトレジスト膜(図示せ
ず)を形成した後、そのフォトレジスト膜をマスクとし
て、公知の異方性ドライエッチング法により多結晶シリ
コン層37を選択的に除去する。こうして、図6(a)
に示すように、ベース・コンタクト102を形成すべき
箇所にp+型多結晶シリコン層37を残すと共に、p+
多結晶シリコン層37を貫通する開口133を形成す
る。
【0144】マスクとして用いたフォトレジスト膜を除
去した後、LPCVD法を用いて厚さ300nmの窒化
シリコン層38を堆積する。この窒化シリコン層38
は、p +型多結晶シリコン層37とそこから露出した酸
化シリコン層36を覆っている。この時の状態を図6
(b)に示す。
【0145】その後、フォトリソグラフィによりパター
ン化されたフォトレジスト膜をマスクとして、異方性ド
ライエッチングを行い、窒化シリコン層38に開口を形
成する。こうして形成した窒化シリコン層38の開口を
利用して、HF系の溶液を用いて下方にある酸化シリコ
ン層36をウェットエッチングし、エピタキシャル層3
を露出させる。このウェットエッチングは等方性である
ので、酸化シリコン層36は垂直方向(下方)だけでな
く水平方向(外方)にもエッチングが行われ、その結
果、酸化シリコン層36に形成される開口131の面積
は、p+型多結晶シリコン層37に形成された開口13
3の面積より大きくなり、p+型多結晶シリコン層37
が開口131の上に庇状にせり出す形状(いわゆる、オ
ーバーハング形状)が実現される。この時の状態を図7
(a)に示す。
【0146】次に、以下のようにして、p+型単結晶S
iGeからなる真性ベース領域39とp+型多結晶Si
Ge層40を、図7(b)に示すように形成する。
【0147】まず、選択的エピタキシャル成長法を用い
て、アンドープのSiGe合金層を結晶成長させる。具
体的には、LPCVD法、ガスソースMBE法、UHV
/CVD法などを使用できる。ここではUHV/CVD
法を使用する。成長条件は、例えば、基板温度が605
℃、ソースガスとしてのSi26ガスとGeH4ガスと
Cl2ガスの流量がそれぞれ3sccm、2sccm、
0.03sccmである。
【0148】この結晶成長工程により、開口131から
露出するn-型シリコン・エピタキシャル層3の表面か
ら上方にアンドープの単結晶SiGeが成長し、そこに
アンドープの単結晶SiGe層39aが形成される。そ
れと同時に、p+型多結晶シリコン層37の開口131
内部にせり出した表面から水平方向内方にアンドープの
多結晶SiGeが成長し、そこにアンドープ多結晶Si
Ge層40a形成される。アンドープ単結晶SiGe層
39aの上面の外周部とアンドープ多結晶SiGe層4
0aの下面とは、開口101の内壁の近傍で互いに接続
される。
【0149】アンドープの単結晶SiGe層39aとア
ンドープ多結晶SiGe層40aのGe濃度は、例えば
約10%である。これらSiGe層39aと40aの層
厚は、例えば約25nmであるが、後の工程で行われる
熱処理により欠陥が発生しない範囲で、これらの層の厚
さは大きくすることができる。
【0150】続いて、UHV/CVD法を用いて、p+
型SiGeを選択的に結晶成長させる。ここでは、ソー
スガスとしてのSi26ガス流量とGeH4ガス流量と
を調整しながら結晶を成長させる。ドーピング・ガスと
してはB26ガスを使用する。成長条件は、例えば、基
板温度が605℃、ソースガスとしてのSi26ガスと
GeH4ガスとCl2ガスの流量がそれぞれ3sccm、
2sccm、0.03sccm、ドーピングガスとして
のB26ガス(10%に希釈)の流量が5sccmであ
る。
【0151】この結晶成長では、アンドープSiGeの
場合と同様にp+型SiGeが成長するので、アンドー
プ単結晶SiGe層39aの上にp+型単結晶SiGe
層39bが形成され、アンドープ多結晶SiGe層40
aの内面にp+型多結晶SiGe層40bが形成され
る。p+型単結晶SiGe層39bの外周縁とp+型多結
晶SiGe層40bの内周縁とは、アンドープ単結晶S
iGe層39aとアンドープ多結晶SiGe層40aの
接続部の近傍で互いに接続される。
【0152】上記の条件下で結晶を成長させることによ
り、p+型単結晶SiGe層39bのGe濃度に傾斜プ
ロファイルを持たせることができる。この例では、結晶
の成長方向(すなわち基板1から上方)に向かってGe
の濃度が10%から0%まで直線的に変化するようなプ
ロファイルとする。また、p+型単結晶SiGe層39
bとp+型多結晶SiGe層40bの厚さとボロンの含
有量は、それぞれ例えば40nm、5×1019cm-3
ある。この時の状態を図7(b)に示す。
【0153】その後、850℃で20分間の熱処理を行
うと、p+型多結晶シリコン層37からアンドープ多結
晶SiGe層40aにボロンが拡散し、p+型となる。
その結果、p+型多結晶SiGe層40aはp+型多結晶
SiGe層40bと一体となって、p+型多結晶SiG
e層40が形成される。また、それと同時に、p+型単
結晶SiGe層39bからアンドープ単結晶SiGe層
39aへのボロンの拡散が行われ、アンドープ単結晶S
iGe層39aもp+型となる。こうして、全体がp+
単結晶SiGeからなる真性ベース領域39が形成され
る。
【0154】さらに、UHV/CVD法により、基板温
度605℃、ソースガスSi26(ガス流量3scc
m)、ドーピング・ガスPH3として、n型シリコンを
エピタキシャル成長させる。この結晶成長により、図8
(a)に示すように、真性ベース領域39の表面にはn
型単結晶シリコン層41aが形成され、p+型多結晶S
iGe層40の内面にはn型多結晶シリコン層42が形
成される。n型単結晶シリコン層41aの外周縁とn型
多結晶シリコン層42の下縁とは、真性ベース領域39
とp+型多結晶SiGe層40の接続部の近傍で互いに
接続される。n型単結晶シリコン層41aおよびn型多
結晶シリコン層42のリン濃度は、例えば約5×1018
cm-3である。それらの層厚は、例えば30nmであ
る。この時の状態を図8(a)に示す。
【0155】次に、LPCVD法を用いて厚さ100n
mのBSG層43を堆積させる。このBSG層43は、
窒化シリコン層38だけでなくn型単結晶シリコン層4
1aをも覆うように形成される。
【0156】このBSG層43のボロン含有量は、5〜
12mol%とするのが好ましく、この実施形態では1
0mol%とする。ボロン含有量が5mol%未満の場
合、後の熱処理工程におけるボロン拡散の効率が低下す
るため、熱処理の温度が高くなるだけでなく処理時間も
長くなるからである。他方、BSG層43中に12mo
l%を超えるボロンを含有させることは困難であるから
である。
【0157】さらに、パターン化されたフォトレジスト
をマスクとして異方性ドライエッチングを行うと、図8
(b)に示すように、開口133の内側にのみBSG層
43が残る。この時の状態を図8(b)に示す。
【0158】引き続いて、800℃で15分間の熱処理
を行い、n型単結晶シリコン層11aとBSG層43と
の接触面を介して、BSG層43内のボロンをn型単結
晶シリコン層41aに拡散させる。このボロン拡散によ
りn型単結晶シリコン層41aは部分的にp+型に変わ
り、その箇所にp+型単結晶シリコン層44が形成され
る。p+型単結晶シリコン層44は外部ベース領域とし
て動作する。n型単結晶シリコン層41aのボロンの注
入されない部分は、n型単結晶シリコン層からなるエミ
ッタ領域41となる。また、それと同時に、n型多結晶
シリコン層42にもBSG層43からボロンが拡散・注
入され、n型多結晶シリコン層42の全体がp+型に変
わる。その結果、p+型多結晶シリコン層45が形成さ
れる。この時の状態は図9(a)に示すようになる。
【0159】次に、BSG層43をマスクとして、n-
型シリコン・エピタキシャル層3に燐を選択的にイオン
注入し、n-型シリコン・エピタキシャル層3内の真性
ベース9の直下に位置する箇所に、自己整合的にn型コ
レクタ領域16を形成する。この場合のイオン注入の条
件は、例えば、加速エネルギー200keV、ドーズ量
4×1012cm-2である。
【0160】その後、LPCVDにより、窒化シリコン
層38とそれより露出するエミッタ領域41、外部ベー
ス領域44、BSG層43の上に酸化シリコン層(図示
せず)を堆積させてから、その酸化シリコン層を異方性
ドライエッチングによりエッチバックし、開口133の
内部のBSG層43の表面にのみ選択的に残す。こうし
て、図9(b)に示すように、酸化シリコンよりなる酸
化物側壁47を形成する。
【0161】続いて、LPCVD法により、窒化シリコ
ン層38上に基板1の全面にわたって、燐がドープされ
た多結晶シリコン層(図示せず)を約250nmの厚さ
に堆積する。その後、その多結晶シリコン層をフォトリ
ソグラフィと異方性エッチングによりパターン化し、図
9(b)に示すように、n+型多結晶シリコンからなる
エミッタ・コンタクト48を形成する。このエミッタ・
コンタクト48の底部は、その下方のエミッタ領域11
と接触しているが、外部ベース領域44とBSG層43
とは接触していない。この時の状態は、図9(b)に示
す通りである。
【0162】次に、図5に示すように、CVD法によ
り、酸化シリコン層19をBSG層13上に形成する。
この酸化シリコン層19は、エミッタ・コンタクト48
を覆っている。そして、フォトリソグラフィと異方性ド
ライエッチングにより、酸化シリコン層19の所定箇所
にエミッタ電極20a、ベース電極20b、コレクタ電
極20cの接続用の開口134、135、136を形成
する。
【0163】最後に、スパッタ法により、開口134、
135、136を形成した酸化シリコン層19の表面に
アルミニウム合金層(図示せず)を形成した後、フォト
リソグラフィとドライエッチングによりそのアルミニウ
ム合金層をパターン化し、エミッタ電極20a、ベース
電極20b、コレクタ電極20cを形成する。エミッタ
電極20aは、開口134を介してエミッタ・コンタク
ト48に接触し、ベース電極20bは、開口135を介
してベース・コンタクト102に接触し、コレクタ電極
20cは、開口136を介してコレクタ・コンタクト領
域5に接触している。
【0164】以上の工程により、図5に示す第2実施形
態の半導体装置が完成する。
【0165】この製造方法によれば、自己整合的に形成
されたヘテロ接合バイポーラトランジスタを備えた本発
明の第2実施形態の半導体装置が得られる。
【0166】(第3実施形態) [構成]図10は、本発明の第3実施形態の半導体装置
の部分断面図を示す。この半導体装置の平面形状は、第
1実施形態のものと実質的に同じである。
【0167】図10の半導体装置は、第1および第2の
実施形態と同様に、ベース・エミッタ間とベース・コレ
クタ間にヘテロ接合を持つnpn型バイポーラ・トラン
ジスタが形成されたシリコン基体100を備えている。
この基体100は、図1に示した第1実施形態の半導体
装置のシリコン基体と同じ構成を持つので、図10にお
いて図1と同一または対応する要素には同じ符号を付し
てその説明を省略する。
【0168】基体100の表面、換言すればエピタキシ
ャル層3の表面は、酸化シリコン層36で覆われてい
る。酸化シリコン層36には、それを貫通する略矩形の
ベース・エミッタ用開口131が形成されており、その
開口131から基体100の表面が露出している。開口
131は、基体100に形成されたコレクタ領域16に
ほぼ同心となるように重なっている。換言すれば、コレ
クタ領域16は、酸化シリコン層36を貫通する開口1
31のほぼ中心に位置しており、コレクタ領域16の全
体が開口131内にある。
【0169】酸化シリコン層36の上には、p+型多結
晶シリコン層37が選択的に形成されている。p+型多
結晶シリコン層37はベース・コンタクト102の一部
を形成するので、開口131の近傍にのみ且つ開口13
1を囲むように形成されている。p+型多結晶シリコン
層37の上には、窒化シリコン層58が形成されてい
る。酸化シリコン層36のp+型多結晶シリコン層37
の形成されない表面も、窒化シリコン層58で覆われて
いる。
【0170】酸化シリコン層36の開口131とほぼ同
心となるように、p+型多結晶シリコン層37と窒化シ
リコン層58を貫通する略矩形の開口153が形成され
ている。窒化シリコン層58は、第2実施形態の場合と
は異なり、多結晶シリコン層37の表面だけを覆ってい
る。従って、窒化シリコン層58はp+型多結晶シリコ
ン層37と同じ位置に内周縁を有している。
【0171】酸化シリコン層36の開口131の内部で
は、基体100の表面にp+型単結晶SiGe層からな
る真性ベース領域39が形成されている。この真性ベー
ス領域39は、開口131から露出した基体100の表
面の全体を覆っている。また、この真性ベース領域39
は、その下部に位置し相対的に高い不純物濃度の第1部
分39aと、その上部に位置し相対的に低い不純物濃度
の第2部分39bとから構成される。第1部分39a
は、その下縁から上縁までGe濃度がほぼ同一の濃度プ
ロファイルを持つが、第2部分39bは、その下縁から
上縁に向かってGe濃度が徐々に減少する傾斜濃度プロ
ファイルを有している。この構成は、第2実施形態と実
質的に同じである。
【0172】p+型単結晶SiGeからなる真性ベース
領域39の上には、n型単結晶シリコンからなるエミッ
タ領域41と、p+型単結晶シリコンからなる外部ベー
ス領域44と、ベースコンタクト102の一部をなすp
+型多結晶シリコン層55と、ベースコンタクト102
の他の一部をなすp+型多結晶SiGe層50とが形成
されている。エミッタ領域41は、開口131の中央に
おいてコレクタ領域16に重なるように配置され、その
全周を外部ベース領域44によって囲まれている。エミ
ッタ領域41の平面形状は略矩形で、外部ベース領域4
4の平面形状は略矩形枠状である。外部ベース領域44
は、その全周を略矩形枠状の平面形状を持つp+型多結
晶シリコン層55によって囲まれている。p+型多結晶
シリコン層55は、そのほぼ全周を略矩形枠状の平面形
状を持つp+型多結晶SiGe層50によって囲まれて
いる。
【0173】エミッタ領域41と外部ベース領域44
は、同一の単結晶シリコン層の中央部と周辺部からそれ
ぞれ形成されている。外部ベース領域44は、n型の単
結晶シリコン層の周辺部にp型不純物を選択的にドープ
することにより形成され、p型不純物をドープされない
中心部がエミッタ領域41となる。
【0174】p+型多結晶SiGe層50は、真性ベー
ス領域39の周辺部上に位置し、開口131の内壁面に
沿って延在している。このp+型多結晶SiGe層50
の底面は真性ベース領域39に接触し、その外側面は開
口131の内壁面に接触し、その上面はp+型多結晶シ
リコン層37の開口131上にせり出した部分の下面と
内側面に接触している。
【0175】p+型多結晶シリコン層55は、p+型多結
晶GeSi層50と外部ベース領域44の間に位置して
いる。p+型多結晶シリコン層55の傾斜した底面は外
部ベース領域44に接触し、その外側面はp+型多結晶
SiGe層50の内側面に接触し、その上面は後述する
側壁としての酸化シリコン層47に接触している。
【0176】外部ベース領域44は、真性ベース領域3
9に電気的に接続されているだけでなく、p+型多結晶
シリコン層55を介してp+型多結晶SiGe層50に
電気的に接続され、さらにp+型多結晶シリコン層37
に電気的に接続されている。真性ベース領域39は、p
+型多結晶SiGe層50を介してp+型多結晶シリコン
層37に電気的に接続されている。
【0177】真性ベース領域39に接触するp+型多結
晶SiGe層50と、外部ベース領域44に接触するp
+型多結晶シリコン層55と、酸化シリコン層36上の
+型多結晶シリコン層37とが、ベース・コンタクト
102を構成する。
【0178】エミッタ領域41の上には、n+型多結晶
シリコンからなるエミッタ・コンタクト48が形成され
ている。エミッタ・コンタクト48の底部は、エミッタ
領域41に接触し、その頂部は窒化シリコン層58の上
に突出している。外部ベース領域44とエミッタ・コン
タクト48と窒化シリコン層58に囲まれた領域には、
BSG層43と、酸化物側壁としての酸化シリコン層4
7が形成されている。BSG層43は、酸化シリコン層
47と外部ベース領域44だけでなく、p+型多結晶シ
リコン層55と窒化シリコン層58にも接触している。
酸化シリコン層47は、エミッタ領域41と外部ベース
領域44とエミッタ・コンタクト48に接触している。
【0179】窒化シリコン層58の上には、エミッタ・
コンタクト48を覆うように酸化シリコン層19が形成
されている。酸化シリコン層19の上には、エミッタ電
極20a、ベース電極20b、およびコレクタ電極20
cが形成されている。エミッタ電極20aは、エミッタ
コンタクト48とエミッタ領域41の直上に位置してい
る。ベース電極20bは、コレクタ電極20cから遠い
側においてベース・コンタクト102の直上に位置して
いる。コレクタ電極20cは、コレクタ領域5の直上に
位置している。
【0180】エミッタ電極20aは、酸化シリコン層1
9に形成された開口154を介してエミッタ・コンタク
ト48に接触し、それによってエミッタ・コンタクト領
域48を介してその下方のエミッタ領域41に電気的に
接続されている。
【0181】ベース電極20bは、酸化シリコン層19
と窒化シリコン層58を貫通する開口155を介してそ
の下方のベース・コンタクト102に接触し、それによ
ってベース・コンタクト102を介して、またベース・
コンタクト102と外部ベース領域14とを介して、ベ
ース用開口101内にある真性ベース領域39に電気的
に接続されている。
【0182】コレクタ電極20cは、酸化シリコン層3
6、19および窒化シリコン層58を貫通する開口15
6を介して下方のコレクタ・コンタクト領域5に接触
し、それによってコレクタ・コンタクト領域5とコレク
タ埋込層2aを介してコレクタ領域16に電気的に接続
されている。この第3実施形態においても、基体100
の内部に形成されたコレクタ・コンタクト領域5とコレ
クタ埋込層2aがコレクタ・コンタクトとして機能す
る。
【0183】以上説明したように、本発明の第3実施形
態の半導体装置では、エミッタ領域41がn型単結晶シ
リコンからなり、そのエミッタ領域41と接触する真性
ベース領域39と外部ベース領域44とがそれぞれp+
型単結晶SiGeとp+型単結晶シリコンからなってい
る。また、真性ベース領域39のp型不純物濃度は、エ
ミッタ領域41のn型不純物濃度よりも高い。従って、
当該半導体装置のヘテロ接合バイポーラトランジスタ
は、本来の低ベース抵抗、高電流増幅率という特徴を持
つ。
【0184】また、エミッタ領域41と真性ベース領域
39のp−nヘテロ接合だけでなく、エミッタ領域41
と外部ベース領域44のp−nホモ接合にも多結晶部分
は存在しないため、エミッタ領域41からベース領域3
9と44に注入される電子が正孔との再結合によって生
成する再結合電流は、低く抑えられる。
【0185】その結果、当該npn型バイポーラトラン
ジスタの遮断周波数fTの低下が防止される。しかも、
ベース・コレクタ容量も低く抑えられる。すなわち、当
該npn型バイポーラトランジスタの電気的特性が向上
する。
【0186】まず、図11(a)に示すシリコン基体1
00を作製する。その作製方法は、図2(a)に示した
第1実施形態の半導体装置の場合と同じであるため、こ
こではその説明を省略する。
【0187】続いて、図11(b)に示すように、基体
100の表面に、厚さ100nmの酸化シリコン層36
を形成する。この酸化シリコン層36の厚さは、真性ベ
ース領域の厚さの(1/2)程度とするのが好ましい。
その酸化シリコン層36の上に、CVD法を用いて厚さ
150〜350nm(ここでは250nm)の多結晶シ
リコン層37を堆積させる。続いて、イオン注入法によ
り多結晶シリコン層37にボロンを導入し、その導電型
をp+型に変更する。イオン注入の条件としては、多結
晶シリコン層37を突き抜けない程度の加速エネルギー
とし、多結晶シリコン層37の不純物濃度が約1×10
20cm-3となる程度のドーズ量とする。この例では、加
速エネルギー10keV、ドーズ量1×1016cm-2
ある。
【0188】こうしてp+型となった多結晶シリコン層
37の上に、パターン化されたフォトレジスト膜(図示
せず)を形成した後、そのフォトレジスト膜をマスクと
して、公知の異方性ドライエッチング法により多結晶シ
リコン層37を選択的に除去する。こうして、ベース・
コンタクト102を形成すべき箇所にp+型多結晶シリ
コン層37を残す。
【0189】次に、こうしてパターン化されたp+型多
結晶シリコン層37の上に、LPCVD法を用いて厚さ
300nmの窒化シリコン層58を堆積する。この窒化
シリコン層58は、p+型多結晶シリコン層37とそこ
から露出した酸化シリコン層36を覆っている。
【0190】その後、窒化シリコン層58の表面に、フ
ォトリソグラフィによりパターン化されたフォトレジス
ト膜を形成する。そして、このフォトレジスト膜をマス
クとして窒化シリコン層58とp+型多結晶シリコン層
37の異方性ドライエッチングを行い、図11(b)に
示すような、窒化シリコン層58とp+型多結晶シリコ
ン層37を貫通する開口153を形成する。
【0191】さらに、こうして形成した窒化シリコン層
58の開口を利用して、HF系の溶液を用いて下方にあ
る酸化シリコン層36をウェットエッチングし、エピタ
キシャル層3を露出させる。このウェットエッチングは
等方性であるので、酸化シリコン層36は垂直方向(下
方)だけでなく水平方向(外方)にもエッチングが行わ
れ、その結果、酸化シリコン層36に形成される開口1
31の面積は、p+型多結晶シリコン層37と窒化シリ
コン層58に形成された開口153の面積より大きくな
り、p+型多結晶シリコン層37と窒化シリコン層58
が開口131の上に庇状にせり出す形状(いわゆる、オ
ーバーハング形状)が実現される。この時の状態を図1
1(b)に示す。
【0192】次に、以下のようにして、p+型単結晶S
iGeからなる真性ベース領域39とp+型多結晶Si
Ge層50を、図12(a)に示すように形成する。
【0193】まず、選択的エピタキシャル成長法を用い
て、アンドープのSiGe合金層を結晶成長させる。具
体的には、LPCVD法、ガスソースMBE法、UHV
/CVD法などを使用できる。ここではUHV/CVD
法を使用する。成長条件は、基板温度605℃、Si2
6ガス流量3sccm、GeH4ガス流量2sccmで
ある。
【0194】この結晶成長工程により、開口131から
露出するn-型シリコン・エピタキシャル層3の表面か
ら上方にアンドープの単結晶SiGeが成長し、そこに
アンドープの単結晶SiGe層39aが形成される。そ
れと同時に、p+型多結晶シリコン層37の開口131
内部にせり出した部分から下方および水平方向内方にア
ンドープの多結晶SiGeが成長し、そこにアンドープ
多結晶SiGe層50aが形成される。アンドープ単結
晶SiGe層39aの上面の外周部とアンドープ多結晶
SiGe層50aの下面とは、開口101の内壁の近傍
では互いに接続されない。
【0195】アンドープの単結晶SiGe層39aとア
ンドープ多結晶SiGe層50aのGe濃度は、例えば
約10%である。これらSiGe層39aと50aの層
厚は、例えば約25nmであるが、後の工程で行われる
熱処理により欠陥が発生しない範囲で、これらの層の厚
さは大きくすることができる。
【0196】続いて、UHV/CVD法を用いて、p+
型SiGeを選択的に結晶成長させる。ここでは、ソー
スガスとしてのSi26ガス流量とGeH4ガス流量と
を調整しながら結晶を成長させる。ドーピング・ガスと
してはB26ガスを使用する。成長条件は、例えば、基
板温度が605℃、ソースガスとしてのSi26ガスと
GeH4ガスとCl2ガスの流量がそれぞれ3sccm、
2sccm、0.03sccm、ドーピングガスとして
のB26ガス(10%に希釈)の流量が5sccmであ
る。
【0197】この結晶成長では、アンドープSiGeの
場合と同様にp+型SiGeが成長するので、アンドー
プ単結晶SiGe層39aの上にp+型単結晶SiGe
層39bが形成され、それと同時にアンドープ多結晶S
iGe層50aの外面にp+型多結晶SiGe層50b
が形成される。p+型多結晶SiGe層50bの下縁
は、開口101の底部周縁の近傍でアンドープ単結晶S
iGe層39aとp+型単結晶SiGe層39bの外周
縁に接続される。
【0198】上記の条件下で結晶を成長させることによ
り、p+型単結晶SiGe層39bのGe濃度に傾斜プ
ロファイルを持たせることができる。この例では、結晶
の成長方向(すなわち基板1から上方)に向かってGe
の濃度が10%から0%まで直線的に変化するようなプ
ロファイルとする。また、p+型単結晶SiGe層39
bとp+型多結晶SiGe層40bの厚さとボロンの含
有量は、それぞれ例えば40nm、5×1019cm-3
ある。この時の状態を図12(a)に示す。
【0199】その後、850℃で20分間の熱処理を行
うと、p+型多結晶シリコン層37からアンドープ多結
晶SiGe層50aにボロンが拡散し、p+型となる。
その結果、p+型多結晶SiGe層50aはp+型多結晶
SiGe層50bと一体となって、図12(b)に示す
ように、p+型多結晶SiGe層50が形成される。ま
た、それと同時に、p+型単結晶SiGe層39bから
アンドープ単結晶SiGe層39aへのボロンの拡散が
行われ、アンドープ単結晶SiGe層39aもp+型と
なる。こうして、図12(b)に示すように、全体がp
+型単結晶SiGeからなる真性ベース領域39が形成
される。
【0200】さらに、UHV/CVD法により、基板温
度605℃、ソースガスSi26(ガス流量3scc
m)、ドーピング・ガスPH3として、n型シリコンを
エピタキシャル成長させる。この結晶成長により、図1
2(b)に示すように、真性ベース領域39の表面には
n型単結晶シリコン層41aが形成され、p+型多結晶
SiGe層50の内面にはn型多結晶シリコン層52が
形成される。n型単結晶シリコン層41aの外周縁とn
型多結晶シリコン層52の下縁とは、真性ベース領域3
9とp+型多結晶SiGe層50の接続部の近傍で互い
に接続される。n型単結晶シリコン層41aおよびn型
多結晶シリコン層52のリン濃度は、例えば約5×10
18cm-3である。それらの層厚は、例えば30nmであ
る。この時の状態を図12(b)に示す。
【0201】次に、LPCVD法を用いて厚さ100n
mのBSG層43を堆積させる。このBSG層43は、
窒化シリコン層58だけでなくn型単結晶シリコン層4
1aをも覆うように形成される。
【0202】このBSG層43のボロン含有量は、5〜
12mol%とするのが好ましく、この実施形態では1
0mol%とする。ボロン含有量が5mol%未満の場
合、後の熱処理工程におけるボロン拡散の効率が低下す
るため、熱処理の温度が高くなるだけでなく処理時間も
長くなるからである。他方、BSG層43中に12mo
l%を超えるボロンを含有させることは困難であるから
である。
【0203】さらに、パターン化されたフォトレジスト
をマスクとして異方性ドライエッチングを行うと、図1
3(a)に示すように、開口133の内側にのみBSG
層43が残る。この時の状態を図13(a)に示す。
【0204】引き続いて、800℃で15分間の熱処理
を行い、n型単結晶シリコン層41aとBSG層43と
の接触面を介して、BSG層43内のボロンをn型単結
晶シリコン層41aに拡散させる。このボロン拡散によ
りn型単結晶シリコン層41aは部分的にp+型に変わ
り、その箇所にp+型単結晶シリコン層44が形成され
る。p+型単結晶シリコン層44は外部ベース領域とし
て動作する。n型単結晶シリコン層41aのボロンの注
入されない部分は、n型単結晶シリコン層からなるエミ
ッタ領域41となる。また、それと同時に、n型多結晶
シリコン層52にもBSG層43からボロンが拡散・注
入され、n型多結晶シリコン層52の全体がp+型に変
わる。その結果、p+型多結晶シリコン層55が形成さ
れる。この時の状態は図13(b)に示すようになる。
【0205】次に、BSG層43をマスクとして、n-
型シリコン・エピタキシャル層3に燐を選択的にイオン
注入し、n-型シリコン・エピタキシャル層3内の真性
ベース9の直下に位置する箇所に、自己整合的にn型コ
レクタ領域16を形成する。この場合のイオン注入の条
件は、例えば、加速エネルギー200keV、ドーズ量
4×1012cm-2である。
【0206】その後、LPCVDにより、窒化シリコン
層58とそれより露出するエミッタ領域41、外部ベー
ス領域44、BSG層43の上に酸化シリコン層(図示
せず)を堆積させてから、その酸化シリコン層を異方性
ドライエッチングによりエッチバックし、開口153の
内部のBSG層43の表面にのみ選択的に残す。こうし
て、図14(a)に示すように、酸化シリコンよりなる
酸化物側壁47を形成する。
【0207】続いて、LPCVD法により、窒化シリコ
ン層58上に基板1の全面にわたって、燐がドープされ
た多結晶シリコン層(図示せず)を約250nmの厚さ
に堆積する。その後、その多結晶シリコン層をフォトリ
ソグラフィと異方性エッチングによりパターン化し、図
14(a)に示すように、n+型多結晶シリコンからな
るエミッタ・コンタクト48を形成する。このエミッタ
・コンタクト48の底部は、その下方のエミッタ領域1
1と接触しているが、外部ベース領域44とBSG層4
3とは接触していない。この時の状態は、図14(a)
に示す通りである。
【0208】次に、図10に示すように、CVD法によ
り、酸化シリコン層19をBSG層43上に形成する。
この酸化シリコン層19は、エミッタ・コンタクト48
を覆っている。そして、フォトリソグラフィと異方性ド
ライエッチングにより、酸化シリコン層19の所定箇所
にエミッタ電極20a、ベース電極20b、コレクタ電
極20cの接続用の開口154、155、156を形成
する。
【0209】最後に、スパッタ法により、開口154、
155、156を形成した酸化シリコン層19の表面に
アルミニウム合金層(図示せず)を形成した後、フォト
リソグラフィとドライエッチングによりそのアルミニウ
ム合金層をパターン化し、エミッタ電極20a、ベース
電極20b、コレクタ電極20cを形成する。エミッタ
電極20aは、開口154を介してエミッタ・コンタク
ト48に接触し、ベース電極20bは、開口155を介
してベース・コンタクト102に接触し、コレクタ電極
20cは、開口156を介してコレクタ・コンタクト領
域5に接触している。
【0210】以上の工程により、図10に示す第3実施
形態の半導体装置が完成する。
【0211】この製造方法によれば、自己整合的に形成
されたヘテロ接合バイポーラトランジスタを備えた本発
明の第3実施形態の半導体装置が得られる。
【0212】上述した第1〜第3の実施形態では、バイ
ポーラトランジスタはいずれもnpn型であったが、p
np型であってもよいことはもちろんである。この場
合、導電型を逆にすることを除いて、第1〜第3の実施
形態の場合と同じ不純物濃度に設定すればよい。また、
硼素を含んだBSG層に代えて、燐を含んだフォスフォ
・シリケート・ガラス(PHOSPHO-SILICATE GLASS,PS
G)を使用すればよい。
【0213】エミッタ領域と外部ベース領域を形成する
単結晶半導体層の外部ベース領域に対応する箇所に不純
物を導入する工程には、上述した第1〜第3の実施形態
で説明したものに限定されず、それら以外の任意の方法
が適用できることは言うまでもない。
【0214】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の半導体装置
およびその製造方法によれば、ベース抵抗の低減と接合
容量の低減を同時に達成できるヘテロ接合バイポーラト
ランジスタを備えた半導体装置が得られる。
【0215】また、電気的特性を向上させたヘテロ接合
バイポーラトランジスタを備えた半導体装置が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の半導体装置を示す部分
平面図とそのA−A線に沿った部分断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態の半導体装置の製造方法
の工程を示す部分断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態の半導体装置の製造方法
の工程を示す部分断面図で、図2の工程の続きである。
【図4】本発明の第1実施形態の半導体装置の製造方法
の工程を示す部分断面図で、図3の工程の続きである。
【図5】本発明の第2実施形態の半導体装置を示す部分
断面図である。
【図6】本発明の第2実施形態の半導体装置の製造方法
の工程を示す部分断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態の半導体装置の製造方法
の工程を示す部分断面図で、図6の続きである。
【図8】本発明の第2実施形態の半導体装置の製造方法
の工程を示す部分断面図で、図7の続きである。
【図9】本発明の第2実施形態の半導体装置の製造方法
の工程を示す部分断面図で、図8の続きである。
【図10】本発明の第3実施形態の半導体装置を示す部
分断面図である。
【図11】本発明の第3実施形態の半導体装置の製造方
法の工程を示す部分断面図である。
【図12】本発明の第3実施形態の半導体装置の製造方
法の工程を示す部分断面図で、図11の続きである。
【図13】本発明の第3実施形態の半導体装置の製造方
法の工程を示す部分断面図で、図12の続きである。
【図14】本発明の第3実施形態の半導体装置の製造方
法の工程を示す部分断面図で、図13の続きである。
【図15】従来の半導体装置を示す部分断面図である。
【図16】従来の他の半導体装置を示す部分断面図であ
る。
【図17】従来のさらに他の半導体装置を示す部分断面
図である。
【符号の説明】
1 シリコン基板 2a コレクタ埋込層 2b チャネル・ストッパ 3 エピタキシャル層 4 分離絶縁層 5 コレクタ・コンタクト領域 6 酸化シリコン層 7 p+型多結晶シリコン層 9 真性ベース領域 10 p+型多結晶SiGe層 11 エミッタ領域 13 BSG層 14 p+型単結晶シリコン層 15 p+型多結晶シリコン層 16 コレクタ領域 17 酸化シリコン層 18 エミッタ・コンタクト層 19 BSG層 20a エミッタ電極 20b ベース電極 20c コレクタ電極 36 酸化シリコン層 37 p+型多結晶シリコン層 38 窒化シリコン層 39 真性ベース領域 39a 第1真性ベース層 39b 第2真性ベース層 40 p+型多結晶GeSi層 41 エミッタ領域 43 BSG層 44 p+型単結晶シリコン層 45 p+型多結晶シリコン層 47 酸化シリコン層 48 エミッタ・コンタクト層 50 p+型多結晶GeSi層 55 p+型多結晶シリコン層 58 窒化シリコン層 100 シリコン基体 101 開口 102 ベース・コンタクト 103、104、105、106 開口 131、133、134、135、136 開口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/331 H01L 29/732 H01L 29/737

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基体上にヘテロ接合バイポーラト
    ランジスタを備えた半導体装置であって、 前記半導体基体の表面に形成された、前記半導体基体の
    表面を露出させる第1開口を有する第1絶縁層と、 前記第1絶縁層の前記第1開口の内部において前記半導
    体基体の表面に形成された、真性ベース領域として機能
    する第1導電型の第1単結晶半導体層と、 前記第1単結晶半導体層の上に重ねて形成された、前記
    第1導電型の第1部分および第2導電型の第2部分を有
    する第2単結晶半導体層と、 前記第2単結晶半導体層の前記第1部分により形成され
    た前記第1導電型の外部ベース領域と、 前記第2単結晶半導体層の前記第2部分により形成さ
    れ、且つ前記真性ベース領域との間にヘテロ接合を形成
    する前記第2導電型のエミッタ領域と、 前記第2単結晶半導体層の上に重ねて形成された、前記
    第1導電型の不純物原子を含む不純物含有層と、 前記半導体基体の内部において前記真性ベース領域の下
    に形成された前記第2導電型のコレクタ領域と、 前記第1絶縁層の上に形成された、前記真性ベース領域
    および前記外部ベース領域をベース電極に電気的接続す
    るための導電性ベース・コンタクトと、 前記エミッタ領域に接触して形成された、前記エミッタ
    領域をエミッタ電極に電気的接続するための導電性エミ
    ッタ・コンタクトと、 前記コレクタ領域に接触して前記半導体基体の内部に形
    成された、前記コレクタ領域をコレクタ電極に電気的接
    続するための導電性コレクタ・コンタクトとを備えて構
    成され、 前記不純物含有層は、前記第2単結晶半導体層の前記第
    2部分の全体を露出させる第2開口を有していると共
    に、前記第2単結晶半導体層の前記第1部分に接触して
    おり、しかも、その不純物含有層に含まれている前記第
    1導電型の前記不純物原子の一部が拡散して、前記第2
    単結晶半導体層の前記第1部分の中に存在しており、 前記ベース・コンタクトは、互いに重ねて形成された第
    1および第2の導電層を含んでおり、それら第1および
    第2の導電層は前記真性ベース領域と前記外部ベース領
    域にそれぞれ電気的接続されており、 前記エミッタ領域中の前記第2導電型の不純物濃度は、
    前記真性ベース領域中の前記第1導電型の不純物濃度よ
    りも低く設定されていることを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 前記ベース・コンタクトを形成する前記
    第1および第2の導電層の端部が、前記真性ベース領域
    と前記外部ベース領域にそれぞれ接触せしめられている
    請求項1に記載の半導体装置。
  3. 【請求項3】 前記ベース・コンタクトを形成する前記
    第1および第2の導電層の端部が前記第1絶縁層の前記
    第1開口の内側に庇状にせり出しており、それら第1お
    よび第2の導電層の庇状にせり出した端部が、第3およ
    び第4の導電層を介して前記真性ベース領域と前記外部
    ベース領域にそれぞれ接続されている請求項1に記載の
    半導体装置。
  4. 【請求項4】 前記真性ベース領域が、前記半導体基体
    から離れるにつれてGe濃度が徐々に減少する傾斜した
    濃度プロファイルを持っている請求項1〜3のいずれか
    1項に記載の半導体装置。
  5. 【請求項5】 前記真性ベース領域として機能する前記
    第1導電型の前記第1単結晶半導体層が、前記半導体基
    体の側に位置し且つ相対的に高い前記第1導電型の不純
    物濃度を持つ層状の第1部分と、前記半導体基体とは反
    対側に位置し且つ相対的に低い前記第1導電型の不純物
    濃度を持つ層状の第2部分とを含んで構成されている請
    求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体装置。
  6. 【請求項6】 半導体基体上にヘテロ接合バイポーラト
    ランジスタを備えた半導体装置の製造方法であって、 前記半導体基体の表面を露出させる第1開口を有する第
    1絶縁層を前記半導体基体の表面に形成する工程と、 前記第1絶縁層の前記第1開口の内部において、前記半
    導体基体の表面に真性ベース領域として機能する第1導
    電型の第1単結晶半導体層を形成する工程と、 第2導電型の第2単結晶半導体層を前記第1単結晶半導
    体層の上に重ねて形成する工程と、 前記第1導電型の不純物原子を含む不純物含有層を、前
    記第2単結晶半導体層の前記第2部分の全体を露出させ
    ると共に前記第2単結晶半導体層の前記第1部分に接触
    させるように、前記第2単結晶半導体層の上に重ねて形
    成する工程と、 前記不純物含有層に含まれている前記第1導電型の不純
    物原子を熱処理によって前記第2単結晶半導体層に選択
    的に拡散させることにより、前記第2導電型の前記第2
    単結晶半導体層を部分的に前記第1導電型に変え、もっ
    て外部ベース領域として機能する前記第1導電型の第1
    部分およびエミッタ領域として機能する前記第2導電型
    の第2部分を形成すると共に、前記エミッタ領域と前記
    真性ベース領域の間にヘテロ接合を形成する工程と、 前記第1単結晶半導体層と前記第2単結晶半導体層を介
    して、前記第2導電型の不純物を前記半導体基体の内部
    に選択的に導入し、もって前記第2導電型のコレクタ領
    域を前記真性ベース領域の下に形成する工程と、 前記真性ベース領域および前記外部ベース領域をベース
    電極に電気的接続するための導電性ベース・コンタクト
    を、前記第1絶縁層の上に形成する工程と、 前記エミッタ領域をエミッタ電極に電気的接続するため
    の導電性エミッタ・コンタクトを、前記エミッタ領域に
    接触させて形成する工程と、 前記コレクタ領域をコレクタ電極に電気的接続するため
    の導電性コレクタ・コンタクトとを、前記コレクタ領域
    に接触させて前記半導体基体の内部に形成する工程とを
    備え、 前記ベース・コンタクトは、互いに重ねて形成された第
    1および第2の導電層を含んでおり、それら第1および
    第2の導電層は前記真性ベース領域と前記外部ベース領
    域にそれぞれ電気的接続されており、 前記エミッタ領域中の前記第2導電型の不純物濃度は、
    前記真性ベース領域中の前記第1導電型の不純物濃度よ
    りも低く設定されていることを特徴とする半導体装置の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 前記真性ベース領域として機能する前記
    第1導電型の前記第1単結晶半導体層を形成する工程
    が、 相対的に高い前記第1導電型の不純物濃度を持つ層状の
    第1部分を前記半導体基体の側に形成する工程と、 相対的に低い前記第1導電型の不純物濃度を持つ層状の
    第2部分を前記半導体基体とは反対側に形成する工程と
    を含む請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
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