JP3297043B2 - マイクロカプセル分散液中のホルムアルデヒドの除去方法 - Google Patents

マイクロカプセル分散液中のホルムアルデヒドの除去方法

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、マイクロカプセル分散液中のホルムアルデ
ヒドの除去方法の改良に関するものである。さらに詳し
くいえば、本発明は、マイクロカプセル分散液の着色や
増粘、あるいはマイクロカプセルの劣化をもたらすこと
なく、その中に残留するホルムアルデヒドを効率よく除
去する方法に関するものである。
従来の技術 近年、マイクロカプセルは感圧複写紙の塗被剤、医薬
品、農薬、香料、接着剤、活性炭、酵素、染料、溶剤な
どの封入材として広く利用されている。
このマイクロカプセルの製造方法としては、疎水性モ
ノマーを含有する非水混和性溶媒を、親水性モノマーを
含有する水中に微細分散させて、非水混和性溶媒と水と
の界面で重合反応させることにより壁膜を形成させる、
いわゆる界面重合法、疎水性ポリマー溶液を、凝固液中
に微細分散状態で導入し硬化させて壁膜を形成させる、
いわゆる液中硬化被覆法、芯物質を媒体中に微細分散状
態で導入し、芯物質又は媒体のいずれか一方に含有させ
たモノマーを重合させて壁膜を形成させる、いわゆるイ
ンサイチュ(in−situ)重合法、芯物質を微細分散させ
た水溶性ポリマーの水溶液に、水と混和性のポリマーの
非溶媒を加え、芯物質の表面にポリマー被覆を形成させ
る、いわゆるコアセルベーション法などが知られてい
る。
これらの方法においては、マイクロカプセルの壁膜を
形成させるのに、通常ホルムアルデヒドが多用されてお
り、例えばコアセルベーション法では硬化剤として、ま
た界面重合法やインサイチュ重合法では壁膜形成用材料
の一成分として用いられている。ホルムアルデヒドを用
いた壁膜の材料としては、例えば尿素−ホルムアルデヒ
ド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール
−ホルムアルデヒド樹脂などがある。
前記の硬化剤として、あるいは壁膜形成用材料の一成
分としてホルムアルデヒドを用いる方法においては、い
ずれも良好なマイクロカプセルを得るためには、過剰量
のホルムアルデヒドを添加する必要があり、そのため形
成されたマイクロカプセル分散液中にはホルムアルデヒ
ドが相当量残存するのを免れない。
ところで、ホルムアルデヒドは特有の刺激性の臭気を
有するガスで、目、鼻、呼吸器系統の粘膜及び皮膚に刺
激を与え、誤って身体内に入ると口腔、咽喉、腹部を刺
激し苦痛、嘔吐、下痢、目まいなどの症状をもたらす。
また、身体に接触した場合、皮膚に対して刺激を与え
炎症を起こしたり、アレルギーを惹起することが知られ
ており、このため有害物質を含有する家庭用品の規制に
関する法律(昭和48年10月12日法律第112号)により、
身体に直接広範囲に長時間接触する家庭用繊維製品につ
いては、75ppm以下という基準が設定されている。
このように、ホルムアルデヒドは人体に対して安全衛
生上、悪影響を与えるため、前記したように、マイクロ
カプセル分散液中に多量のホルムアルデヒドが残存して
いると、マイクロカプセルの製造時やマイクロカプセル
を応用した製品の作成時に作業環境上問題を生じる場合
があり、さらには、マイクロカプセル応用製品の使用時
に社会問題を引き起こすおそれがある。
したがって、マイクロカプセル分散液中の残留ホルム
アルデヒドを除去するために、これまで種々の方法が試
みられてきた。このホルムアルデヒドの除去方法には、
物理的方法と化学的方法とがあり、前者の物理的方法と
しては、例えばろ過、吸着、蒸留などにより除去する方
法が提案されている(特開昭56−40430号公報、同56−2
1639号公報、同55−99337号公報、同55−47138号公
報)。しかしながら、このような物理的方法は、長時間
処理が必要であって生産性が悪い上、設備費も高くつく
など、経済的に不利であるという欠点を有している。
一方、化学的方法としては、(1)ヒドロキシルアミ
ン塩と反応させる方法(特開昭55−145524号公報、同54
−5874号公報、同51−75676号公報)、(2)亜硫酸塩
や亜硫酸水素塩、あるいはこれらと尿素とそれらの誘導
体とを組み合わせて添加し、処理する方法(特開昭55−
119437号公報、同55−67328号公報、特公昭44−27254号
公報)、(3)アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水
酸化物でpH10.0以上のアルカリ性にし、単糖類などを添
加し、加熱反応させる方法(特開昭57−147430号公報、
同57−50541号公報、同56−33030号公報、同55−18218
号公報)が提案されている。
しかしながら、前記(1)のヒドロキシルアミン塩と
反応させる方法においては、ヒドロキシルアミンとホル
ムアルデヒドとの反応物の分解や、ヒドロキシルアミン
の分解により、アンモニア臭が発生する欠点があり、
(2)の亜硫酸塩や亜硫酸水素塩などを添加する方法に
おいては、マイクロカプセル分散液が増粘したり、二次
凝集やカプセル壁膜の劣化が生じるなどの欠点がある。
また(3)のアルカリ性にして単糖類などを添加し、加
熱反応させる方法は、ホルムアルデヒドの刺激臭はなく
なるものの、黄色に着色したり、カラメル臭が発生する
などの欠点を有している。
さらに、アルカリ性で脂肪族アルデヒドと反応させる
方法(特開昭57−71634号公報)、ホルムアミドと反応
させる方法(特開昭56−15835号公報)、活性メチレン
基をもつ化合物と反応させる方法(特開昭57−32729号
公報)、アルカノールアミンなどと反応させる方法(特
開昭55−35967号公報)などが開示されているが、これ
らの方法はいずれも、ホルムアルデヒドの除去が十分で
なかったり、十分であった場合でも、反応速度が遅かっ
たり分散液が着色したり、あるいは不快臭が生じること
があるなどの欠点を有している。
発明が解決しようとする課題 本発明は、このような事情のもとで、マイクロカプセ
ル分散液中に残留するホルムアルデヒドを、該分散液の
増粘や着色、マイクロカプセル壁膜の劣化などをもたら
すことなく、短時間で効率よく経済的有利に除去する方
法を提供することを目的としてなされたものである。
課題を解決するための手段 本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を
重ねた結果、ホルムアルデヒドが残留するマイクロカプ
セル分散液を、60℃以下の温度においてpH9〜12.5の条
件下、過酸化水素で処理することにより、その目的を達
成しうることを見い出し、この知見に基づいて本発明を
完成するに至った。
すなわち、本発明は、カプセル壁膜形成用材料の一成
分としてホルムアルデヒドを用いて形成されたマイクロ
カプセル分散液を、常温ないしは60℃までの高めた温度
において、pH9〜12.5の条件下、過酸化水素でホルムア
ルデヒド臭が消失するまで処理することを特徴とするマ
イクロカプセル分散液中のホルムアルデヒドの除去方法
を提供するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明方法が適用されるマイクロカプセル分散液につ
いては、カプセル壁膜形成用材料の一成分としてホルム
アルデヒドを用いて形成されたものであればよく、特に
制限されず、例えばコアセルベーション法において、壁
膜硬化剤としてホルムアルデヒドを用いて得られたホル
ムアルデヒド架橋壁膜を有するマイクロカプセルの分散
液、あるいは界面重合法やインサイチュ重合法におい
て、壁膜形成用材料としてホルムアルデヒドを用いて得
られた尿素−ホルムアルデヒド樹脂やメラミン−ホルム
アルデヒド樹脂などから成る壁膜を有するマイクロカプ
セルの分散液などに本発明方法が適用される。
本発明においては、前記マイクロカプセル分散液に、
アルカリ性化合物によりpH9〜12.5に調整し、過酸化水
素を添加し、残留ホルムアルデヒドと反応させることに
より、有害なホルムアルデヒドが除去される。該アルカ
リ性化合物としては、アルカリ金属やアルカリ土類金属
の水酸化物、例えば水酸化リチウム、水酸化カリウム、
水酸化ナトリウム、水酸化カルシウムなどが挙げられる
が、これらの中で水酸化ナトリウムが特に好適である。
また、これらのアルカリ性化合物は、系のpHが9〜12.5
になるように添加される。このpHが9未満ではホルムア
ルデヒドの除去効果が十分に発揮されないし、12.5を超
えるとマイクロカプセルが劣化する傾向がみられ、好ま
しくない。また、過酸化水素とホルムアルデヒドとの反
応で、系のpHが低下する場合には、系のpHが前記範囲を
維持するように、該アルカリ性化合物を反応の途中で添
加してもよい。
過酸化水素の添加量は、通常残留ホルムアルデヒドに
対して当量から3当量倍の範囲で選ばれる。この量が残
留ホルムアルデヒドの当量未満では、ホルムアルデヒド
除去の目的が十分に達せられないし、3当量倍を超える
とマイクロカプセル分散液が着色したり、マイクロカプ
セルの壁膜が劣化したりする傾向がみられ好ましくな
い。
反応は常温例えば20℃においても十分に進行するが、
反応を促進させるために60℃を超えない範囲の温度に加
温するのが好ましい。処理温度が60℃を超えるとマイク
ロカプセルの壁膜が劣化する傾向がみられ、好ましくな
い。この反応は、実質上ホルムアルデヒド臭が消失する
まで行う必要がある。この際の処理時間は処理温度に左
右され、一概に定めることはできないが、通常10分ない
し3時間程度で十分である。
このようにして、残留ホルムアルデヒドの除去処理が
施されたマイクロカプセル分散液は、通常p−トルエン
スルホン酸、シュウ酸、酢酸などの有機酸や、塩酸、硫
酸などの無機酸を用いてpHを7〜8に調整してから、種
々の用途に用いられる。
発明の効果 アルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物と単糖類
などを添加して、マイクロカプセル分散液中のホルムア
ルデヒドを除去する方法は、反応速度が遅く加熱する必
要があり、また、尿素とレゾルシンを添加してホルムア
ルデヒドを除去する方法は4時間以上の反応時間を必要
とするが、本発明方法は常温で十分に反応が進行し、反
応速度も速く、常温でも1時間以内でほぼ反応が完結す
る上、従来の方法に比べて、着色や増粘をもたらすこと
なく、十分にホルムアルデヒドを除去することができ
る。
さらに、アルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物
と単糖類とを添加する方法などは、ホルムアルデヒドの
除去効果はあるものの、マイクロカプセルがゲル化する
など、ダメージを受ける欠点を有しているが、本発明方
法によると、マイクロカプセルは、なんらダメージを受
けることがない。
実施例 次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明する
が、本発明はこれらの例によってなんら限定されるもの
ではない。
調製例1 マイクロカプセル分散液〔A〕の調製 スチレン−無水マレイン酸共重合体(商品名Scripset
−520、モンサント社製)を少量の水酸化ナトリウムと
共に水に溶解して、pH4.6、濃度5重量%の水溶液を調
製したのち、この水溶液300重量部中に、アルキルナフ
タレン(商品名KMC−113オイル、クレハ化学社製)194
重量部にクリスタルバイオレットラクトン6重量部を溶
解したオイルを、平均粒子径が6μmになるように乳化
分散した。
次いで、37重量%ホルムアルデヒド水溶液51.5重量部
にメラミン20重量部を加え、20重量%水酸化ナトリウム
水溶液でpH9.5に調整したのち、15分間で80℃まで加温
してメラミンを溶解させて得られたプレポリマーを、前
記乳化分散液に添加し、かきまぜながら系の温度を80℃
まで加温して2時間この温度で保持したのち、放冷して
マイクロカプセル分散液〔A〕を得た。この分散液はホ
ルムアルデヒドの刺激臭が強く、著しい不快感があっ
た。
比較例1 固形分40重量部のマイクロカプセル分散液〔A〕に、
完全ケン化ポリビニルアルコール1.2重量部(固形分換
算)、小麦デンプン粉末8重量部を加え、55g/m2の紙の
上に、4g/m2になるようにワイヤーバーにて塗布乾燥し
て、感圧複写用上葉紙を作成した。得られた上葉紙はホ
ルムアルデヒド特有の刺激臭があり、アセチルアセトン
法により定量を行ったところ、893ppmであり、法律で定
める値(75ppm以下)を大きく超えていた。
実施例1 マイクロカプセル分散液〔A〕100重量部に、35重量
%過酸化水素水(三菱瓦斯化学社製)1.5重量部及び20
重量%水酸化ナトリウム水溶液5.7重量部を加え、pH12.
42に調整し、室温(25℃)において1時間かきまぜたの
ち、20重量%p−トルエンスルホン酸水溶液にてpH7.3
に調整した。得られた分散液はホルムアルデヒド臭はな
く、着色、増粘も起こっていなかった。
次に、この分散液を用い、比較例1と同様の方法で感
圧複写紙用上葉紙を作成し、この上葉紙のホルムアルデ
ヒドの定量を行ったところ、43.9ppmであった。
実施例2 実施例1において、40℃で30分間かきまぜて過酸化水
素処理を行った以外は、実施例1と同様にして分散液を
得た。この分散液はホルムアルデヒド特有の刺激臭はな
く、また、比較例1と同様の方法で感圧複写紙用上葉紙
を作成し、そのホルムアルデヒドを定量したところ、4
0.5ppmであった。
比較例2 マイクロカプセル分散液〔A〕100重量部に対し、グ
ルコース粉末5.3重量部を加え、20重量%水酸化ナトリ
ウム水溶液でpH12.3に調整し、60℃でかきまぜたのち、
放冷し、20重量%p−トルエンスルホン酸水溶液でpH7.
3に調整した。得られたマイクロカプセル分散液は黄色
に着色し、かつカラメル臭も強く、感圧複写紙用上葉紙
には使用できない分散液であった。
比較例3 比較例2において、グルコース粉末量を0.53重量部と
した以外は、比較例2と同様な操作を行った。得られた
分散液は、比較例2に比べれば若干弱くなっているもの
の、やはり黄色の着色とカラメル臭があった。
得られた分散液を比較例1と同様の方法で感圧複写紙
用上葉紙を得たが、原紙に比べると黄色を呈していた。
比較例4 マイクロカプセル分散液〔A〕100重量部を40℃に加
温し、かきまぜながら水酸化カルシウム1.5重量部を加
え、系のpHを12.1に調整し、グルコース粉末4.6重量部
を加えて、1時間反応させた。放冷後、40重量%p−ト
ルエンスルホン酸水溶液でpH7.3に調整した。得られた
マイクロカプセル分散液は黄色に着色し、液の上部には
ゲル化したカプセルがみられた。また、マイクロカプセ
ルをSEMにより観察を行ったところ、ダメージがあり、
感圧複写紙用上葉紙に使用できるものではなかった。
比較例5 マイクロカプセル分散液〔A〕100重量部に対し、尿
素0.8重量部、レゾルシン0.1重量部を添加し、系の温度
を55℃に保ち、かきまぜながら、2時間反応させた。こ
の際の系のpHは5.5であった。放冷して得られた分散液
はホルムアルデヒド特有の刺激臭が強く、ホルムアルデ
ヒドの十分な除去が行われていないことが分る 比較例6 マイクロカプセル分散液〔A〕100重量部に対し、ア
セト酢酸エチル3.0g、炭酸ナトリウム0.4重量部を加
え、20重量%水酸化ナトリウム水溶液でpHを10.0に調整
し、系の温度を60℃に保持して4時間かきまぜながら反
応させた。その後放冷して、マイクロカプセル分散液を
得たが、得られた分散液はホルムアルデヒド刺激臭があ
り、十分な除去は行われなかった。
なお、実施例1、2、比較例1で得た上葉紙につい
て、耐熱性、耐溶剤性、耐湿性についてテストを別に行
った。比較例1に対し、実施例1、2は品質の低下はみ
られず、ホルムアルデヒド除去操作によるマイクロカプ
セルのダメージは全くなかった。
調製例2 マイクロカプセル分散液〔B〕の調製 調製例1で使用した5重量%スチレン−無水マレイン
酸共重合体水溶液300重量部中に、レモン香油200重量部
を平均粒子径が5μmになるように乳化、分散させたの
ち、調製例1と同様な操作を行い、マイクロカプセル分
散液〔B〕を得た。この分散液はホルムアルデヒドの刺
激臭が強く、著しく不快感を感じ、香油内包マイクロカ
プセルとしては実用性の低いものであった。
比較例7 固形分30重量部のマイクロカプセル分散液〔B〕に、
アクリル系バインダー30重量部(固形分)を加え、全量
1として布賦香用液を得た。この液の残留ホルムアル
デヒド量をアセチルアセトン法により定量したところ、
758ppmであった。
この液を用いて、綿布に溝づけ法で賦香し、熱風乾燥し
て賦香布を得た。得られた賦香はホルムアルデヒド特有
の刺激臭があり、賦香布としては不適当なものであっ
た。
実施例3 マイクロカプセル分散液〔B〕100重量部に、35重量
%過酸化水素水(三菱瓦斯化学社製)1.5重量部及び20
重量%水酸化ナトリウム水溶液5.7重量部を加え、pH12.
35に調整し、室温(25℃)において1時間かきまぜたの
ち、20重量%p−トルエンスルホン酸水溶液にてpH7.0
に調整した。得られた分散液はホルムアルデヒド臭はな
く、着色、増粘も起っていなかった。
次に、この分散液を用い比較例7と同様にして布賦香
用液と賦香布を得た。得られた賦香用液のホルムアルデ
ヒド量は39.7ppmであり、賦香布からはホルムアルデヒ
ドの刺激臭は全くなかった。
比較例8 比較例2において、マイクロカプセル分散液〔A〕の
代りに、マイクロカプセル分散液〔B〕を用いた以外
は、比較例2と同様な処理を行い、処理マイクロカプセ
ル分散液を得た。この分散液は黄色に着色し、強いカラ
メル臭があり、香油内包マイクロカプセルとしては不適
当なものであった。また、この分散液を用い、比較例7
と同様の操作を行い、賦香用液と賦香布を得た。得られ
た布賦香用液のホルムアルデヒド量は42.8ppmであり、
また、賦香布は黄色に着色し、カラメル臭が強く、実用
性を欠くものであった。
比較例9 比較例3において、マイクロカプセル分散液〔A〕の
代りに、マイクロカプセル分散液〔B〕を用いた以外は
比較例3と同様にして処理マイクロカプセル分散液を得
た。この分散液は黄色に着色し、カラメル臭もあった。
この分散液を用いて比較例7と同様な操作を行い、布賦
香用液と賦香布を得た。得られた布賦香用液のホルムア
ルデヒド量は43.1ppmであり、また賦香布は黄色を呈
し、カラメル臭を有し、賦香布としては実用性を欠くも
のであった。
比較例10 比較例4において、マイクロカプセル分散液〔A〕の
代りに、マイクロカプセル分散液〔B〕を用いた以外
は、比較例4と同様な操作を行い、処理マイクロカプセ
ル分散液を得た。この分散液の上部はゲル化が起こり、
黄色に着色し、かつカラメル臭と香料油のレモンの香り
がした。このマイクロカプセルをSEMで観察したとこ
ろ、ダメージが起こっていることが分かった。
さらに、比較例7と同様な操作を行い、賦香布を得た
が黄色に着色し、かつカラメル臭とレモンの香りを有
し、賦香布として不適当であった。
また、実施例3、比較例7、8、9、10で得た賦香布
について、以下のようなテストを行い、評価を行った。
すなわち、賦香布を手でよくもむことにより、マイク
ロカプセルを破壊し、その前と後での賦香布からの香り
の強さを官能的に比較することにより、賦香布としての
性能及びホルムアルデヒド除去操作によるマイクロカプ
セルの性能の変化を比較した。その結果を表に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 13/20 B01D 53/46

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カプセル壁膜形成用材料の一成分としてホ
    ルムアルデヒドを用いて形成されたマイクロカプセル分
    散液を、常温ないしは60℃までの高めた温度において、
    pH9〜12.5の条件下、過酸化水素でホルムアルデヒド臭
    が消失するまで処理することを特徴とするマイクロカプ
    セル分散液中のホルムアルデヒドの除去方法。
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