JP2000318096A - 水性ゲル積層体ロールの製造方法 - Google Patents

水性ゲル積層体ロールの製造方法

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JP2000318096A
JP2000318096A JP11127548A JP12754899A JP2000318096A JP 2000318096 A JP2000318096 A JP 2000318096A JP 11127548 A JP11127548 A JP 11127548A JP 12754899 A JP12754899 A JP 12754899A JP 2000318096 A JP2000318096 A JP 2000318096A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シーズニングが不要で、巻き取り時のはみ出
しを十分に防止しつつ高含水率の水性ゲル積層体をロー
ル状で得ることが可能な、水性ゲル積層体ロールの製造
方法を提供すること。 【解決手段】 水溶性高分子と、前記水溶性高分子を加
熱により架橋させることが可能な架橋剤と、水とを構成
成分として含有し、水の含有量が全構成成分基準で70
〜95重量%である水性ゲル組成物を、基材に塗工する
塗工工程と、前記水性ゲル組成物を加熱し前記水溶性高
分子を架橋させるとともに、前記水性ゲル組成物の水の
含有量が全構成成分基準で45〜90重量%になるよう
に乾燥させ水性ゲル積層体を得る加熱工程と、前記水性
ゲル積層体をロール状に巻き取る巻き取り工程と、を含
むことを特徴とする水性ゲル積層体ロールの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、皮膚冷却用シート
などとして有用な水性ゲル積層体ロールの製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、水性ゲルを基材シート上に積層し
た製品が、皮膚冷却用シート、皮膚保湿用シート、食品
鮮度保持用シート、医療用電極シートなどとして使用さ
れている。
【0003】水性ゲルは、架橋や不溶化が施された親水
性のポリマーを水で膨潤させたものであり、親水性ポリ
マーの種類、架橋や不溶化の方法などにより様々な種類
のものが存在する。水性ゲルに用いられる代表的なポリ
マーとして、ポリアクリル酸又はその塩の架橋物が挙げ
られる。ポリアクリル酸又はその塩を架橋する方法とし
ては、ポリアクリル酸又はその塩と水酸化アルミニウム
や硫酸アルミニウムなどの多価金属陽イオンとの間でイ
オン結合コンプレックスを形成させる方法が知られてお
り、この方法が工業的に多く用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来一
般に用いられている上記の多価金属陽イオンをポリアク
リル酸又はその塩の水溶液に混合した場合、室温にて速
やかに架橋反応が進行しゲルが生じるため、混合物を流
動性のある状態で保存できる期間(以下、ポットライフ
と称す)が短くなる。したがって、ロールコータなどを
用いてこの混合物を基材に塗工しようとしても、既に架
橋反応が進行し流動性が消失しているために塗工ができ
なくなるという問題が発生する。
【0005】この問題を解決するために、ポリアクリル
酸又はその塩の水溶液と上記の多価金属陽イオンとの混
合物に、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)又はこの
ナトリウム塩などに代表されるキレート剤などをゲル化
速度調整剤として添加することが行われている。
【0006】ゲル化速度調整剤が添加された水性ゲル組
成物は、ゲル化反応が遅延され塗工時に十分な流動性を
有するようになるために、ロールコータなどを用いて塗
工することが可能になるが、一方で、塗工後もゲル化反
応の遅延効果が残るため、塗工後基材をシート状で長時
間保つこと(以下、シーズニングと称す)によって架橋
を完全に行うことが必要になる。
【0007】したがって、従来の認識では基材に塗工さ
れた水性ゲル組成物は巻き取らずにシート状のまま加工
することが常識であったが、本発明者らは、水性ゲル組
成物の塗工物をロール状に巻き取ることが可能であれ
ば、次工程であるスリッティングや打ち抜きなどの工程
へ水性ゲル組成物をロール状で搬送できるため製造工程
が簡略化されたり、製品をロール状で供給することが可
能になるなど、シート状のものに比較して格段に有用性
が向上することに想到した。
【0008】しかし、従来一般に用いられている上記の
方法ではシーズニングにかなりの時間が必要なため、水
性ゲル組成物の架橋の終了を待ってロール状に巻き取る
ことは経済的ではないという問題がある。また、水性ゲ
ル組成物の架橋が完全でない状態で基材をロール状に巻
き取ろうとすると、巻き取り時の圧力により水性ゲル組
成物がロールからはみ出してしまうという問題も生じ
る。
【0009】本発明は、このような従来技術の課題を鑑
みてなされたものであり、シーズニングが不要で、巻き
取り時のはみ出しを十分に防止しつつ高含水率の水性ゲ
ル積層体をロール状で得ることが可能な、水性ゲル積層
体ロールの製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、室温付近では水
溶性高分子と架橋反応を起こさないが加熱により架橋反
応を開始する架橋剤を含有させたポットライフの長い水
性ゲル組成物を基材に塗工し、これを加熱し水性ゲル組
成物を架橋させるとともに水の含有量を調整し、シーズ
ニングを行わずに巻き取ることによって、巻き取り時の
はみ出しがなく高含水率の水性ゲル積層体ロールが得ら
れることを見出し本発明を完成させた。
【0011】すなわち、本発明の水性ゲル積層体ロール
の製造方法は、水溶性高分子と、前記水溶性高分子を加
熱により架橋させることが可能な架橋剤と、水とを構成
成分として含有し、水の含有量が全構成成分基準で70
〜95重量%である水性ゲル組成物を、基材に塗工する
塗工工程と、前記水性ゲル組成物を加熱し前記水溶性高
分子を架橋させるとともに、前記水性ゲル組成物の水の
含有量が全構成成分基準で45〜90重量%になるよう
に乾燥させ水性ゲル積層体を得る加熱工程と、前記水性
ゲル積層体をロール状に巻き取る巻き取り工程と、を含
むことを特徴とする方法である。
【0012】本発明の水性ゲル積層体ロールの製造方法
においては、前記加熱工程を、80〜200℃の加熱雰
囲気条件下で行うことが好ましい。
【0013】また、本発明の水性ゲル積層体ロールの製
造方法においては、前記水溶性高分子が、ポリ(メタ)
アクリル酸及び/又はその塩であることが好ましい。
【0014】また、本発明の水性ゲル積層体ロールの製
造方法においては、前記水性ゲル組成物が、前記架橋剤
を前記水性ゲル組成物の全構成成分基準で0.05〜5
重量%含有することが好ましい。
【0015】さらに、本発明の水性ゲル積層体ロールの
製造方法においては、前記架橋剤がアミノ酢酸ジヒドロ
キシアルミニウムであることが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
ついてさらに詳細に説明する。
【0017】本発明の水性ゲル積層体ロールの製造方法
は、水溶性高分子と、前記水溶性高分子を加熱により架
橋させることが可能な架橋剤と、水とを構成成分として
含有し、水の含有量が全構成成分基準で70〜95重量
%である水性ゲル組成物を、基材に塗工する塗工工程
と、前記水性ゲル組成物を加熱し前記水溶性高分子を架
橋させるとともに、前記水性ゲル組成物の水の含有量が
全構成成分基準で45〜90重量%になるように乾燥さ
せ水性ゲル積層体を得る加熱工程と、前記水性ゲル積層
体をロール状に巻き取る巻き取り工程と、を含むもので
ある。
【0018】水性ゲル組成物が構成成分として含有する
水溶性高分子としては、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ
(メタ)アクリル酸塩、ポリ無水マレイン酸、ポリビニ
ルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒアルロン酸な
どの多糖類などが挙げられる。なかでも、架橋剤との反
応性に優れることからポリ(メタ)アクリル酸、ポリ
(メタ)アクリル酸塩、ポリ無水マレイン酸、ヒアルロ
ン酸などのカルボキシル基を含有する水溶性高分子がよ
り好ましく、水への溶解性が優れることからポリ(メ
タ)アクリル酸及び/又はその塩が最も好ましい。な
お、ポリ(メタ)アクリル酸とは、ポリアクリル酸及び
ポリメタアクリル酸を意味する。
【0019】水性ゲル組成物の水溶性高分子の含有量
は、全構成成分基準で1〜25重量%であることが好ま
しく、2〜15重量%であることがより好ましい。水溶
性高分子の含有量が1重量%より小さい場合は、水溶性
高分子が水や保湿剤を全てゲル中に取り込めなくなる傾
向があり、25重量%より大きい場合は水性ゲル組成物
の粘度が高く塗工が困難になる傾向がある。
【0020】水溶性高分子を加熱により架橋させること
が可能な架橋剤は、水溶性高分子と混合しただけでは架
橋反応を開始しないが、加熱により物理的状態が変化し
水溶性高分子との架橋反応を開始するような架橋剤であ
る。
【0021】このような架橋剤としては、例えば、室温
付近では水溶性高分子が溶解している水に対して溶解性
が非常に低いために水溶性高分子と架橋反応を開始しな
いが、加熱により水に対する溶解性が向上して水溶性高
分子と架橋反応を開始するという機能を有するものが挙
げられる。
【0022】このような架橋剤を含有する水性ゲル組成
物は、加熱するまでは架橋反応が起こらないためにポッ
トライフが長くなり基材へ塗工することが可能になる。
また、基材へ塗工後加熱することにより水性ゲル組成物
が短時間で架橋し強度が上昇するために、シーズニング
を長時間行うことなくロール状に巻き取ることが可能に
なる。
【0023】上記のような性能を有する架橋剤として
は、例えば、アラントインクロロヒドロキシアルミニウ
ム、アラントインジヒドロキシアルミニウム、アルジオ
キサ、アミノ酢酸ジヒドロキシアルミニウムなどが挙げ
られる。なかでも、アミノ酢酸ジヒドロキシアルミニウ
ムが好ましい。
【0024】上記の架橋剤は水性ゲル組成物の全構成成
分基準で0.05〜5重量%含まれることが好ましく、
0.1〜4.5重量%であることがより好ましい。含有
量が0.05重量%より小さい場合は、架橋の程度が低
くなりゲルの強度が弱くなる傾向があり、5重量%より
大きい場合は、架橋に関与しない架橋剤が残存する傾向
がある。
【0025】加熱工程における雰囲気温度は、上記の架
橋剤が水溶性高分子と架橋反応を開始できる温度であれ
ばよいが、80〜200℃であることが好ましく、10
0〜150℃であることがより好ましい。また、加熱工
程の時間は特に制限はないが、1〜20分であることが
好ましい。
【0026】加熱工程を80〜200℃で1〜20分行
うことにより、加熱工程中に水性ゲル組成物の最表面に
水の含有量の低い層を生じさせることができ、この層が
存在することにより水性ゲル組成物内部の水の蒸発が制
限され、加熱工程後の水性ゲル組成物の水の含有量が全
構成成分基準で45〜90重量%に調整されやすくなる
傾向がある。
【0027】加熱工程前の水性ゲル組成物の水の含有量
は、全構成成分基準で70〜95重量%であるが、好ま
しくは、75〜90重量%である。含有量が70重量%
より小さい場合は水性ゲル組成物の流動性が低いために
塗工が困難になり、95重量%より大きい場合は加熱工
程により架橋した水性ゲル組成物が水を全てゲル中に取
り込めなくなる。
【0028】加熱工程後の水性ゲル組成物の水の含有量
は、全構成成分基準で45〜90重量%であるが、好ま
しくは50〜80重量%である。含有量が45重量%よ
り小さい場合は製造される水性ゲル積層体ロールが含有
する水の量が少なく、例えば皮膚冷却シートなどに用い
たときに冷却効果が少なくなり、90重量%より大きい
場合は架橋した水性ゲル組成物の強度が十分でなく巻き
取り時にはみ出してしまう。
【0029】加熱工程後の水性ゲル組成物の水の含有量
は、架橋した水性ゲル組成物が巻き取り時に適度な強度
を有することが必要なことから、加熱工程前の含有量よ
りも5重量%以上減少していることが好ましい。
【0030】水性ゲル組成物が塗工される基材として
は、天然繊維、半合成繊維、合成繊維、又はこれらの複
合繊維からなる布帛又は編物;不織布;紙;並びに合成
紙などが挙げられる。なお、これらはプライマー処理や
撥水処理などの表面処理が施されていてもよく、樹脂フ
ィルムと複合化されていてもよい。基材の厚さは特に制
限はないが、10〜3000μmであることが好まし
い。
【0031】水性ゲル組成物を基材に塗工する方法は、
流動性を有する材料を塗工できる方法であれば特に制限
はないが、例えば、ロールコータ、ナイフコータ、グラ
ビアコータ、バーコータ、ダイコータなどを用いる方法
が挙げられる。
【0032】基材上に塗工される水性ゲル組成物の重量
は特に制限はないが、100〜2000g/m2である
ことが好ましい。また、塗工時の水性ゲル組成物の温度
は、架橋剤が架橋反応を開始する温度より低いことが好
ましいが、室温(25℃付近)であることがより好まし
い。
【0033】水性ゲル積層体を巻き取る方法としては、
通常のワインダーを用いることができる。なお、巻き取
り時に必要に応じてポリエステルフィルムなどを剥離材
として水性ゲル積層体の水性ゲル組成物面に積層し、水
性ゲル積層体とともに巻き取ってもよい。この剥離材は
水性ゲル組成物が基材の背面に付着することを防止する
働きを有する。剥離材はシリコーン樹脂などの塗布によ
り剥離処理が施されたものであってもよい。
【0034】本発明において、水性ゲル組成物は、水溶
性高分子と、前記水溶性高分子を加熱により架橋させる
ことが可能な架橋剤と、水とを構成成分として含有する
が、必要に応じて保湿剤を更に含有していてもよい。
【0035】保湿剤としては、グリセリン、プロピレン
グリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール、ソルビトー
ル、ピロリドンカルボン酸又はその塩、乳酸又はその
塩、尿素などが挙げられるが、グリセリンが特に好まし
い。
【0036】上記の保湿剤は水性ゲル組成物の全構成成
分基準で5〜60重量%含まれることが好ましく、7〜
55重量%であることがより好ましい。保湿剤の含有量
が5重量%より小さい場合は、製造される水性ゲル積層
体ロールを例えば皮膚冷却用シートとして使用したとき
に冷却効果が持続する時間が短くなる傾向があり、含有
量が60重量%より大きい場合は、例えば皮膚冷却用シ
ートとして使用したときにべたつき感が生じる傾向があ
る。
【0037】保湿剤を5〜60重量%含有させることに
より、加熱工程後の水性ゲル組成物の水の含有量を全構
成成分基準で45〜90重量%に調整することが容易に
なる傾向がある。
【0038】水性ゲル組成物は、必要に応じて保湿剤以
外のその他の添加剤を更に含有していてもよい。このよ
うな添加剤としては、酸化防止剤;防腐剤;紫外線吸収
剤;可塑剤;滑剤;着色剤(染料ないし顔料);薬剤;
炭酸カルシウム、ガラス粉、ケイ酸アルミニウムなどの
粒状フィラー;炭素繊維、ガラス繊維などの繊維状フィ
ラー、カーボンブラックなどの導電性フィラーなどが挙
げられる。
【0039】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0040】(実施例1)水溶性高分子としてポリアク
リル酸ナトリウム塩(部分中和物、pH=6〜7、日本
純薬株式会社製、アロンビスAH−105)320g、
架橋剤としてアミノ酢酸ジヒドロキシアルミニウム36
gを精製水2400gに練り合わせながら添加し、ポリ
アクリル酸ナトリウム塩を溶解分散させ水性ゲル組成物
を得た。これを、撥水処理した不織布上に加熱後の塗布
量が約600g/m2になるようにナイフコータで塗工
し、130℃で7分間加熱し、ロール状に巻き取り水性
ゲル積層体ロールを作成した。
【0041】(実施例2)水溶性高分子としてポリアク
リル酸ナトリウム塩(部分中和物、pH=6〜7、日本
純薬株式会社製、アロンビスAH−105)128g及
びポリアクリル酸ナトリウム塩(完全中和物、pH=8
〜10、日本純薬株式会社製、ジュリマーAC−10N
P)76.8g、架橋剤としてアミノ酢酸ジヒドロキシ
アルミニウム19.2gを保湿剤であるグリセリン41
6gに分散した。その分散溶液を精製水3360gに練
り合わせながら添加し、ポリアクリル酸ナトリウム塩を
溶解分散させ水性ゲル組成物を得た。これを、撥水処理
した不織布上に加熱後の塗布量が約820g/m2にな
るようにナイフコータで塗工し、130℃で7分間加熱
し、ポリエステルフィルムと貼り合わせ、ロール状に巻
き取り水性ゲル積層体ロールを作成した。
【0042】(実施例3)水溶性高分子としてポリアク
リル酸ナトリウム塩(部分中和物、pH=6〜7、日本
純薬株式会社製、アロンビスAH−105)64g及び
ポリアクリル酸ナトリウム塩(完全中和物、pH=8〜
10、日本純薬株式会社製、ジュリマーAC−10N
P)38.4g、架橋剤としてアミノ酢酸ジヒドロキシ
アルミニウム9.6gを保湿剤であるグリセリン208
gに分散した。その分散溶液を精製水3680gに練り
合わせながら添加し、ポリアクリル酸ナトリウム塩を溶
解分散させ水性ゲル組成物を得た。これを、撥水処理し
た不織布上に加熱後の塗布量が約580g/m2になる
ようにナイフコータで塗工し、85℃で7分間加熱し、
ポリエステルフィルムと貼り合わせ、ロール状に巻き取
り水性ゲル積層体ロールを作成した。
【0043】(実施例4)加熱後の塗布量を約1200
g/m2、加熱を190℃で7分間にした以外は、実施
例2と全く同じ操作により水性ゲル積層体ロールを作成
した。
【0044】(実施例5)水溶性高分子としてポリアク
リル酸ナトリウム塩(部分中和物、pH=6〜7、日本
純薬株式会社製、アロンビスAH−105)128g及
びポリアクリル酸ナトリウム塩(完全中和物、pH=8
〜10、日本純薬株式会社製、ジュリマーAC−10N
P)76.8g、架橋剤としてアミノ酢酸ジヒドロキシ
アルミニウム19.2gを保湿剤であるグリセリン33
9.2gに分散した。これに、フィラーとしてケイ酸ア
ルミニウム76.8gを精製水3360gに分散させた
ものを練り合わせながら添加し、ポリアクリル酸ナトリ
ウム塩を溶解分散させ水性ゲル組成物を得た。これを、
撥水処理した不織布上に加熱後の塗布量が約550g/
2になるようにナイフコータで塗工し、130℃で7
分間加熱し、ポリエステルフィルムと貼り合わせ、ロー
ル状に巻き取り水性ゲル積層体ロールを作成した。
【0045】(実施例6)アミノ酢酸ジヒドロキシアル
ミニウム量を2.4g、グリセリン量を356g、加熱
後の塗布量を約520g/m2にした以外は、実施例5
と全く同じ操作により水性ゲル積層体ロールを作成し
た。
【0046】(実施例7)アミノ酢酸ジヒドロキシアル
ミニウム量を44.8g、グリセリン量を313.6
g、加熱後の塗布量を約520g/m2にした以外は、
実施例5と全く同じ操作により水性ゲル積層体ロールを
作成した。
【0047】(実施例8)水溶性高分子としてポリアク
リル酸ナトリウム塩(部分中和物、pH=6〜7、日本
純薬株式会社製、アロンビスAH−105)81.92
g及びポリアクリル酸ナトリウム塩(完全中和物、pH
=8〜10、日本純薬株式会社製、ジュリマーAC−1
0NP)49.15g、架橋剤としてアミノ酢酸ジヒド
ロキシアルミニウム12.29gを保湿剤であるグリセ
リン447.49gに分散した。これに、フィラーとし
てケイ酸アルミニウム49.15gを精製水1920g
に分散させたものを練り合わせながら添加し、ポリアク
リル酸ナトリウム塩を溶解分散させ水性ゲル組成物を得
た。これを、撥水処理した不織布上に加熱後の塗布量が
約400g/m2になるようにナイフコータで塗工し、
130℃で7分間加熱し、ポリエステルフィルムと貼り
合わせ、ロール状に巻き取り水性ゲル積層体ロールを作
成した。
【0048】(実施例9)水溶性高分子としてポリアク
リル酸ナトリウム塩(部分中和物、pH=6〜7、日本
純薬株式会社製、アロンビスAH−105)128g及
びポリアクリル酸ナトリウム塩(完全中和物、pH=8
〜10、日本純薬株式会社製、ジュリマーAC−10N
P)76.8g、架橋剤としてアミノ酢酸ジヒドロキシ
アルミニウム19.2gを保湿剤であるグリセリン32
6.4gに分散した。これに、硫酸アルミニウムカリウ
ム12.8gを精製水3360gに溶解し、更に、フィ
ラーとしてケイ酸アルミニウム76.8gを分散させた
ものを練り合わせながら添加し、ポリアクリル酸ナトリ
ウム塩を溶解分散させ水性ゲル組成物を得た。これを、
撥水処理した不織布上に加熱後の塗布量が約600g/
2になるようにナイフコータで塗工し、130℃で7
分間加熱し、ポリエステルフィルムと貼り合わせ、ロー
ル状に巻き取り水性ゲル積層体ロールを作成した。
【0049】(実施例10)架橋剤としてアラントイン
クロロヒドロキシアルミニウム19.2gを用いた以外
は、実施例5と全く同じ操作により水性ゲル積層体ロー
ルを作成した。
【0050】(実施例11)架橋剤としてアルジオキサ
を44.8g用いた以外は、実施例7と全く同じ操作に
より水性ゲル積層体ロールを作成した。
【0051】実施例1〜11の水性ゲル組成物の構成成
分の重量%、加熱後の塗布量、加熱温度、加熱時間をま
とめて表1に示した。
【0052】
【表1】
【0053】(比較例1)水溶性高分子としてポリアク
リル酸ナトリウム塩(部分中和物、pH=6〜7、日本
純薬株式会社製、アロンビスAH−105)128g及
びポリアクリル酸ナトリウム塩(完全中和物、pH=8
〜10、日本純薬株式会社製、ジュリマーAC−10N
P)76.8gを保湿剤であるグリセリン435.2g
に分散した。その分散溶液を精製水3360gに練り合
わせながら添加し、ポリアクリル酸ナトリウム塩を溶解
分散させ架橋剤を含まない水性ゲル組成物を得た。これ
を、撥水処理した不織布上に加熱後の塗布量が約500
g/m2になるようにナイフコータで塗工し、130℃
で7分間加熱し、ポリエステルフィルムと貼り合わせ、
ロール状に巻き取り水性ゲル積層体ロールを作成した。
【0054】(比較例2)水溶性高分子としてポリアク
リル酸ナトリウム塩(部分中和物、pH=6〜7、日本
純薬株式会社製、アロンビスAH−105)128g及
びポリアクリル酸ナトリウム塩(完全中和物、pH=8
〜10、日本純薬株式会社製、ジュリマーAC−10N
P)76.8gを保湿剤であるグリセリン326.4g
に分散した。これに、架橋剤として硫酸アルミニウム3
2gを精製水3360gに溶解し、更にフィラーとして
ケイ酸アルミニウム76.8gを分散させたものを練り
合わせながら添加し、ポリアクリル酸ナトリウム塩を溶
解分散させ水性ゲル組成物を得た。これを、撥水処理し
た不織布上に加熱後の塗布量が約500g/m2になる
ようにナイフコータで塗工しようと試みたが、水性ゲル
組成物のポットライフが短かかったために均一に塗工す
ることができなかった。
【0055】(比較例3)水溶性高分子としてポリアク
リル酸ナトリウム塩(部分中和物、pH=6〜7、日本
純薬株式会社製、アロンビスAH−105)128g及
びポリアクリル酸ナトリウム塩(完全中和物、pH=8
〜10、日本純薬株式会社製、ジュリマーAC−10N
P)76.8gを保湿剤であるグリセリン294.4g
に分散した。これに、架橋剤として硫酸アルミニウム3
2g及びゲル化速度調整剤としてエチレンジアミン四酢
酸二水素二ナトリウム二水和物32gを精製水3360
gに溶解し、更にフィラーとしてケイ酸アルミニウム7
6.8gを分散させたものを練り合わせながら添加し、
ポリアクリル酸ナトリウム塩を溶解分散させ水性ゲル組
成物を得た。これを、撥水処理した不織布上に加熱後の
塗布量が約500g/m2になるようにナイフコータで
塗工し、130℃で7分間加熱し、ポリエステルフィル
ムと貼り合わせ、ロール状に巻き取り水性ゲル積層体ロ
ールを作成した。
【0056】(比較例4)水溶性高分子としてポリアク
リル酸ナトリウム塩(部分中和物、pH=6〜7、日本
純薬株式会社製、アロンビスAH−105)128g及
びポリアクリル酸ナトリウム塩(完全中和物、pH=8
〜10、日本純薬株式会社製、ジュリマーAC−10N
P)76.8g、架橋剤としてアミノ酢酸ジヒドロキシ
アルミニウム19.2gを保湿剤であるグリセリン33
9.2gに分散した。これに、フィラーとしてケイ酸ア
ルミニウム76.8gを精製水960gに分散させたも
のを練り合わせながら添加し、ポリアクリル酸ナトリウ
ム塩を溶解分散させ水性ゲル組成物を得た。これを、撥
水処理した不織布上に加熱後の塗布量が約600g/m
2になるようにナイフコータで塗工しようと試みたが、
水の含有量が少なかったために水性ゲル組成物の流動性
が悪く均一に塗工することができなかった。
【0057】比較例1〜4の水性ゲル組成物の構成成分
の重量%、加熱後の塗布量、加熱温度、加熱時間をまと
めて表2に示した。
【0058】
【表2】
【0059】実施例1〜11及び比較例1〜4の水性ゲ
ル組成物のポットライフ、水性ゲル積層体ロールの巻き
取り時のはみ出し、水性ゲル積層体ロールの水性ゲル層
の含水率を以下に示す方法により測定した。得られた結
果を表3に示す。
【0060】(水性ゲル組成物のポットライフ)水性ゲ
ル組成物を調製した後室温で6時間放置し、水性ゲル組
成物がナイフコータで塗工可能かどうか評価した。評価
は以下の基準で行った。 ○:ナイフコータで塗工可能。 ×:ナイフコータで塗工不可能。
【0061】(水性ゲル積層体ロールの巻き取り時のは
み出し)ロール状に巻き取った水性ゲル積層体のはみ出
し状態を目視にて観察した。評価は以下の基準で行っ
た。 ○:ロールの両側から水性ゲルがはみ出していない。 ×:ロールの両側から水性ゲルがはみ出している。
【0062】(水性ゲル積層体ロールの水性ゲル層の含
水率)水性ゲル積層体ロールを10×10cm2に裁断
し、水性ゲル層の重量を秤量し(この重量をAgとす
る)、110℃で3時間乾燥した後、再び水性ゲル層の
重量を秤量し(この重量をBgとする)、下式(1)によ
り水性ゲル層の含水率を算出した。 含水率(%)=(A−B)/A×100 (1)
【0063】
【表3】
【0064】実施例1〜11はいずれも、加熱工程前に
おいては水性ゲル組成物のポットライフが十分に長く、
加熱工程を経ることによって架橋が十分に進み、シーズ
ニングを必要としなくともはみ出しなく水性ゲル積層体
をロール状に巻き取ることができた。一方、比較例1お
よび3は、水性ゲル組成物のポットライフが長かったも
のの、加熱工程を経た後でも巻き取り時にはみ出しが見
られた。比較例2および4は、水性ゲル組成物がゲル状
となり基材に塗工することができなかった。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の水性ゲル
積層体ロールの製造方法により、シーズニングが不要
で、巻き取り時のはみ出しを十分に防止しつつ高含水率
の水性ゲル積層体をロール状で得ることが可能となる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08J 3/24 CEY C08J 3/24 CEY 4F070 C08K 5/17 C08K 5/17 4F072 C08L 33/02 C08L 33/02 4F100 // A61L 15/00 A61L 15/00 4J002 B29B 11/16 B29B 11/16 C08J 7/04 C08J 7/04 Z Fターム(参考) 4C076 AA75 AA87 BB31 CC18 DD23P DD30P DD38X DD51P EE09A EE11A EE15A FF03 FF35 4C081 AA09 AA12 BB01 BC01 CA052 CA062 CA072 CA082 CB042 CC05 CD082 CE02 CE08 CE11 DA02 DA05 DA12 DC03 DC06 DC12 EA02 EA03 EA04 EA06 4C099 AA02 CA19 EA08 GA01 GA02 HA04 JA03 LA14 4D075 AC41 BB21Z BB93Z DA15 DC30 EA06 EA12 EB22 EB45 EB56 4F006 AA01 AB24 BA05 CA09 DA04 EA05 4F070 AA32 AB13 AC12 AC36 AE08 GA06 GB01 GC02 GC03 4F072 AA04 AA06 AA08 AB03 AB27 AD09 AE01 AG03 AH03 AH25 AH52 4F100 AH03A AH03H AH08A AH08H AK01A AK25A AT00B BA02 CA02 CA02A DG15B EH462 EJ052 EJ422 EJ862 GB66 JB09A 4J002 BG011 DE027 EC076 FD146 FD207

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性高分子と、前記水溶性高分子を加
    熱により架橋させることが可能な架橋剤と、水とを構成
    成分として含有し、水の含有量が全構成成分基準で70
    〜95重量%である水性ゲル組成物を、基材に塗工する
    塗工工程と、 前記水性ゲル組成物を加熱し前記水溶性高分子を架橋さ
    せるとともに、前記水性ゲル組成物の水の含有量が全構
    成成分基準で45〜90重量%になるように乾燥させ水
    性ゲル積層体を得る加熱工程と、 前記水性ゲル積層体をロール状に巻き取る巻き取り工程
    と、を含むことを特徴とする水性ゲル積層体ロールの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 前記加熱工程を、80〜200℃の加熱
    雰囲気条件下で行うことを特徴とする請求項1記載の水
    性ゲル積層体ロールの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記水溶性高分子が、ポリ(メタ)アク
    リル酸及び/又はその塩であることを特徴とする請求項
    1又は2記載の水性ゲル積層体ロールの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記水性ゲル組成物が、前記架橋剤を前
    記水性ゲル組成物の全構成成分基準で0.05〜5重量
    %含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一
    項に記載の水性ゲル積層体ロールの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記架橋剤がアミノ酢酸ジヒドロキシア
    ルミニウムであることを特徴とする請求項1〜4のいず
    れか一項に記載の水性ゲル積層体ロールの製造方法。
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