JP2002119852A - 建材用アルデヒド系化合物吸収剤およびこれを基材に配合又は塗布した建材 - Google Patents

建材用アルデヒド系化合物吸収剤およびこれを基材に配合又は塗布した建材

Info

Publication number
JP2002119852A
JP2002119852A JP2001201588A JP2001201588A JP2002119852A JP 2002119852 A JP2002119852 A JP 2002119852A JP 2001201588 A JP2001201588 A JP 2001201588A JP 2001201588 A JP2001201588 A JP 2001201588A JP 2002119852 A JP2002119852 A JP 2002119852A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymer
building material
aldehyde
general formula
structural unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001201588A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuhiko Ueno
信彦 上野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2001201588A priority Critical patent/JP2002119852A/ja
Publication of JP2002119852A publication Critical patent/JP2002119852A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Chemical And Physical Treatments For Wood And The Like (AREA)
  • Building Environments (AREA)
  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 建材中の接着剤より発生するアルデヒド系化
合物を効率よく吸収し再放出しない建材用アルデヒド系
化合物吸収剤を提供する。 【解決手段】 下記一般式(1)で表される構造単位を
有する重合体からなる建材用アルデヒド系化合物吸収剤
及びこれを基材に配合又は塗布した建材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建材中の接着剤よ
り発生するアルデヒド系化合物を効率よく吸収し、かつ
再放出しないアルデヒド系化合物の吸収剤、及びこれを
基材に配合または塗布した建材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、建築物や家具などの表面材とし
て、合板、パーティクルボード、中密度繊維板(MD
F)のような建材が用いられている。合板は単板を接着
剤で接着して製板したものであり、パーティクルボード
およびMDFは植物繊維質に接着剤を添加して製板した
ものである。一般的にこれらの建材には、接着剤として
尿素系、メラミン系、レゾルシノール系の接着剤が使用
されている。
【0003】この接着剤の接着原理としては、ホルムア
ルデヒド等のアルデヒドによる架橋反応である。ところ
が、これらの接着剤には遊離のホルムアルデヒドが含ま
れており、また樹脂の分解によってホルムアルデヒドが
遊離してくる。最近になってこのホルムアルデヒドが建
材から住空間に放出され、アレルギー反応(シックハウ
ス症候群、シックビル症候群)を引き起こし問題となっ
ている。
【0004】これらの問題の解決策として、酢酸ビニル
系のホルムアルデヒドを含まない接着剤を開発したり、
放出されるホルムアルデヒドを捕捉することの出来る薬
剤を開発したり、という動きが盛んである。例えば、ホ
ルムアルデヒド捕捉剤としては、従来、尿素、チオ尿
素、エチレン尿素、ジシアンジアミド、グリオキザール
モノウレイン等が知られている。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】しかし、これらのホ
ルムアルデヒド捕捉剤は、性能・コストの点から充分な
性能を持つまでには至っていない。またこれらのホルム
アルデヒド吸収剤は低分子化合物であることが多く、使
用状態によってアルデヒド吸収剤がブリードしたり、揮
発してしまうことがある。また、温度・湿度などの条件
の変化によって一度捕まえたアルデヒド系化合物を再放
出してしまうおそれがあった。
【0006】そこで、建材中の接着剤から発生するアル
デヒド系化合物を効率よく吸収し再放出しないの吸収剤
および建材の開発が望まれていた。
【0007】
【発明を解決するための手段】そこで研究者は上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、ポリビニルアミン系の
重合体を建材の基材に配合または塗布することにより、
建材中の接着剤から発生するアルデヒド系化合物を効率
よく吸収し再放出しないことを見出し本発明に到達し
た。
【0008】すなわち、本発明の要旨は、下記一般式
(1)で表される構造単位を有する重合体からなる建材
用アルデヒド系化合物吸収剤に存する。
【0009】
【化3】
【0010】また、本発明の別の要旨は、一般式(1)
で表される構造単位を5〜30モル%、下記一般式
(2)で表される構造単位を重合体中に95〜70モル
%含有することを特徴とする建材用アルデヒド系化合物
吸収剤に存する。
【0011】
【化4】
【0012】更に、本発明の別の要旨は、基材に前記建
材用アルデヒド系化合物吸収剤を配合または塗布したこ
とを特徴とする建材に存する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用する重合体は、下記一般式(1)で表され
る構造単位を有する。
【0014】
【化5】
【0015】重合体中に含まれる一般式(1)の構造単
位は、多いほどアルデヒド系化合物の吸収力が高い。好
ましくは、全構造単位中一般に5〜100モル%である
が、好ましくは10〜100モル%である。更に好まし
くは、40〜100モル%、より好ましくは60〜10
0モル%、最も好ましくは90〜100モル%である。
一般式(1)で表される構造単位が5モル%未満では、
アルデヒド系化合物の吸収能が低い。重合体中の一般式
(1)の構造単位の一部は塩(塩酸塩、硫酸塩等)とな
っていてもよいが、一般式(1)の構造単位中の塩の含
有量は、好ましくは10モル%以下である。塩の含有量
が多くなると、アルデヒド系化合物の吸収力が低くな
る。尚、アルデヒド系化合物とは、分子中にアルデヒド
基を有する化合物であって、ホルムアルデヒド、アセト
アルデヒド等である。本発明の重合体は、特にホルムア
ルデヒドの吸収力に優れている。
【0016】本発明の重合体は、本発明の効果を損なわ
ない範囲で一般式(1)以外の他のの構造単位を有する
ことができる。中でも下記一般式(2)の構造単位が好
まし
【0017】
【化6】
【0018】一般式(2)の構造単位を有すると、ビニ
ルアルコールの持つフィルム形成能、バインダー能を重
合体に付与することが出来、基材への塗布・添加の際に
有利に働く。一般式(1)で表わされる構造単位と一般
式(2)で表わされる構造単位を含む共重合体をバイン
ダーやフィルム形成剤としても使用する場合は、一般
に、全構成単位中、一般式(1)で表わされる構造単位
を5〜30モル%、一般式(2)で表わされる構造単位
を95〜70モル%含有する。より好ましくは、一般式
(I)で表わされる構造単位を10〜30モル%、一般
式(2)で表わされる構造単位を90〜70モル%含有
する。一般式(2)で表わされる構造単位が70モル%
未満となるとバインダー能やフィルム形成能が低下し、
95モル%を越えるとアルデヒド系化合物の吸収能が低
下し好ましくない。
【0019】上記の重合体は、1規定の食塩水による
0.1g/dlの水溶液として25℃で測定した還元粘
度が、通常0.01〜10g/dl、好ましくは0.1
〜5g/dlの範囲とされる。上記の重合体は、通常、
N−ビニルホルムアミド又はN−ビニルアセトアミドの
(共)重合体を加水分解することによって得られる。加
水分解が容易であることから、通常、N−ビニルホルム
アミドの重合体を加水分解する方が好ましい。
【0020】以下、N−ビニルホルムアミドとしてN−
ビニルホルムアミドを用いた場合を例にとって具体的に
説明する。重合方法としては、アニオン重合、カチオン
重合等のイオン重合、ラジカル重合のいずれの方法を用
いてもよいが、N−ビニルホルムアミド重合体の分子量
を容易に制御できる点からラジカル重合が好ましい。ラ
ジカル重合の重合開始剤は通常の一般的な開始剤のいず
れもが使用できるが、重合体を収率良く得るためには、
アゾ化合物が好ましい。特に好ましい開始剤としては
2,2′−アゾビス−4−アミジノプロパンの塩酸塩お
よび酢酸塩、4,4′−アゾビス−4−シアノ吉草酸の
ナトリウム塩、アゾビス−N,N′−ジメチレンイソブ
チルアミジンの塩酸塩および硫酸塩が挙げられる。これ
ら重合開始剤の使用量は単量体の重量に対して、通常
0.01〜1重量%である。
【0021】また、N−ビニルホルムアミドの重合方法
としては、公知の塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化
重合等の方法によって行うことができる。重合反応は一
般的に不活性ガス気流下、通常30〜100℃の温度条
件下で行われる。溶液重合としては水を溶媒に用い、通
常、単量体濃度5〜60重量%の水溶液で重合するが、
懸濁重合としては、通常、単量体濃度20〜80重量%
の水溶液を疎水性の溶媒と分散安定剤を用いて油中水の
分散状態で重合する。乳化重合としては、通常、単量体
濃度20〜60重量%の水溶液を疎水性の溶媒と乳化剤
を用いて水中油型または油中水型の乳化状態で重合す
る。
【0022】本発明の重合体は、重合体の性質を損なわ
ない範囲で、1種または2種以上の他の単量体を共重合
させることができる。例えば(メタ)アクリロニトリ
ル、(メタ)アクリルアミド、N置換(メタ)アクリル
アミド、(メタ)アクリルエステル類、ビニルエステル
類、ビニルエーテル類、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、酪酸
ビニル、ビニルアルコール、アリルエーテル等の非イオ
ン性単量体、(メタ)アクリル酸、α,β−不飽和ジカ
ルボン酸、スルホアルキル(メタ)アクリルアミド、ス
ルホアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アリルス
ルホン酸、及びその塩等のアニオン性単量体、ジアルキ
ルアミノアルキル(メタ)アクリレート、ジアルキルア
ミノアルキル(メタ)アクリルアミド、アリルアミン、
ジアリルアミン及びその塩または第4級アンモニウム化
物等のカチオン性単量体が挙げられるがこれらに限定さ
れるものではない。上述の一般式(2)のビニルアルコ
ール構造単位は、通常酢酸ビニル、酪酸ビニル等の単量
体を重合した後、けん化することによって重合体中に導
入する事が出来る。
【0023】この様にして得られた重合体を続いて加水
分解する。加水分解は、酸性加水分解、塩基性加水分解
のいずれの方法でもよい。酸性加水分解に使用される変
性剤としては、強酸性に作用する化合物いずれも使用さ
れる。例えば、塩酸、臭素酸、フッ化水素酸、硫酸、硝
酸、燐酸、スルファミン酸、メタンスルホン酸、等が挙
げられるが、加水分解物の水に対する溶解性の点で1価
の酸が好ましい。
【0024】塩基性加水分解に使用される変性剤として
は、強塩基性に作用する化合物いずれも使用される。例
えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチ
ウム、第4級アンモニウムハイドロオキサイド、等が例
示される。変性剤の使用量は、N−ビニルホルムアミド
重合体中のホルミル基に対して、通常0.05〜5倍モ
ルの範囲で目的の変性率に応じて適宜使用される。反応
温度は通常50〜110℃の範囲で、反応時間は通常1
〜8時間の範囲で実施される。
【0025】加水分解の際、不純物によって起きるゲル
化を防止する目的で、任意に塩酸ヒドロキシルアミン、
硫酸ヒドロキシルアミン、等のゲル化防止剤を加えて変
性を行っても良い。また変性前にゲル化防止剤で処理を
行った後、加水分解を行うことも出来る。加水分解は均
一溶液系もしくは不均一溶液系で行われる。均一溶液系
の加水分解の場合例えば、水、水−メタノール混合溶媒
等の溶媒が用いられる。不均一系の場合はヘキサン、ト
ルエン等の溶媒が用いられる。
【0026】続いて、本発明の重合体の使用方法につい
て述べる。本発明の重合体は、建材の基材に配合または
塗布される。本発明の重合体を使用できる建材として
は、アルデヒド系化合物を放出する可能性がある建材全
てであるが、木材合板、パーティクルボード、中密度繊
維板(MDF)、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、
メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデ
ヒド樹脂、グアナミンホルムアルデヒド樹脂、またはこ
れらの基材の上に合成樹脂シートが接着された化粧シー
トが例示される。中でも、本発明の重合体は、板と板を
接着剤で張り合わせた合板への使用に適している。
【0027】本発明の重合体は、通常1〜20重量%の
溶液、好ましくは5〜15重量%の溶液の形で使用す
る。重合体溶液の濃度が1重量%以下では、塗布の効率
が悪く、また20重量%以上では溶液の粘度が高く、塗
布適性が低くなると言う欠点がある。上記の溶液を、通
常、目的の建材の基材の片面、若しくは両面に塗工し、
乾燥する。また建材が多層に渡る場合、その間の層に上
記の溶液を塗布し使用する事もできる。又、基材中に本
発明に係る重合体を配合することも可能である。建材の
基材がパーティクルボードやMDFである場合は、接着
剤中に直接本発明に係わる重合体を含む添加剤を混ぜ込
むこともできる。接着剤中に本発明に係わる重合体を混
ぜ込んだ場合、接着剤中の未反応のアルデヒド化合物と
本発明に係わる重合体が接着剤中で反応するので、その
結果、建材の機械的強度、例えば、はく離強さ、曲げ強
さ等が向上するという副次的効果もある。アルデヒド系
化合物を建材の外部に漏らさない為には、建材の基材の
表面に重合体水溶液を塗工する方法が好ましい。
【0028】本発明の重合体の建材の基材への塗工方法
としては、上記の建材の上に、本発明に係わる重合体の
単独溶液または他の塗工用薬剤と混合した塗工液をグラ
ビアロール、ロールコーター、ナイフコーター、スプレ
ーコーター、サイズプレス、ブレードコーターあるいは
キャレンダーで行う。塗布量としては、片面に対して、
通常0.0001〜0.1g/cm2(乾燥後のポリマ
ー量)、好ましくは0.0005〜0.05g/cm2
(乾燥後のポリマー量)である。
【0029】本発明のアルデヒド系化合物の吸収剤は、
アルデヒド系化合物の優れた吸収能を持つことを特徴と
している。また、通常ホルマリン吸収剤を使用するとホ
ルマリンが持つ殺菌作用が失われることから、合板、建
材にカビが生えることが懸念されるが、本発明の重合体
には殺菌作用があるのでその心配もない。
【0030】
【実施例】以下、本発明を、実施例により更に詳細に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、特にこれ
らに限定されるものではない。
【0031】<ポリN−ビニルホルムアミドの製造例>
攪拌機、冷却管、温度計、滴下ロートおよび窒素導入管
を備えた3lのジャケット付きセパラブルフラスコに脱
塩水1592gを加え、70℃に昇温した。次に、窒素
雰囲気下、10重量%2,2′−アゾビス(2−アミジ
ノプロパン)二塩酸塩(和光純薬工業(株)、商品名:
V−50)水溶液50gを加え、ただちに60重量%N
−ビニルホルムアミド水溶液833g(7.03モル)
の滴下を開始した。滴下は2時間かけて行い、滴下開始
1時間後に10%重量V−50水溶液25gを追加し
た。滴下終了後、70℃で3時間熟成した後、温度を下
げ反応を停止し、N−ビニルホルムアミド重合体の20
%水溶液(重合体水溶液A)を得た。1N食塩水中25
℃の温度で測定した還元粘度(ηsp/C)0.5dl/
g。
【0032】<ポリビニルアミンの製造例1>攪拌機、
冷却管、温度計および窒素導入管を備えた200mlの
ジャケット付きセパラブルフラスコに、ポリN−ビニル
ホルムアミドの製造例に従って合成された重合体水溶液
A100g(ポリマー純分20g)、塩酸ヒドロキシル
アミン1.95gを加え、窒素雰囲気下50℃で1時間
反応させる。35重量%水酸化ナトリウム水溶液46.
8g(重合体中のホルムアミド基に対して1.4当量)
を加えた後、昇温し80℃で5時間加水分解を行った。
得られた溶液の一部を取り、大量の10重量%HCl
(35%)/メタノールにあけて重合体を塩酸塩として
析出させた。重合体の加水分解率は94%であった。加
水分解率は1/400規定のポリビニル硫酸カリウム水
溶液により生成物の水溶液をpH2.5の条件下トルイ
ジンブルーを指示薬として用いたコロイド滴定値から算
出した。
【0033】<ポリビニルアミンの製造例2>水酸化ナ
トリウム水溶液の量を23.4gに変更した以外はポリ
ビニルアミンの製造例1と同様の方法で変成を行った。
重合体の加水分解率は60%であった。 <ポリビニルアミンの製造例3>水酸化ナトリウム水溶
液の量を17.0gに変更した以外はポリビニルアミン
の製造例1と同様の方法で変成を行った。重合体の加水
分解率は47%であった。
【0034】<ポリビニルアミン/ポリビニルアルコー
ル共重合体の製造例> ・重合 攪拌機、窒素導入管、冷却管を備えた2lの4つ口フラ
スコに脱塩水642g、分散安定剤としてラウリルジメ
チルアミノ酢酸ベタイン(花王(株)、商品名:アンヒ
トール20BS)4.48g、ポリエチレングリコール
(分子量20000)4.48g、ピロリン酸ソーダ
1.48g、N−ビニルホルムアミド6.3g、酢酸ビ
ニル39.4g、重合開始剤として2,2’−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業
(株)、商品名:V−65)0.098gを加え攪拌下
65℃に加温した。白濁が始まると共にN−ビニルホル
ムアミド56.4g、酢酸ビニル355.5gの混合
物、およびV−65 0.88gの5%アルコール溶液
を3時間かけて滴下した。さらに75℃2時間攪拌後
N,N’−アゾビスイソブチロニトリルの5%メタノー
ル溶液4g及び脱塩水270gを加えさらに3時間攪拌
後、さらにN,N’−アゾビスイソブチロニトリルの5
%メタノール溶液4gを添加し98℃で1時間攪拌し、
白色ペースト状物を得た。液体クロマトグラフィーによ
り転化率を測定したところ、N−ビニルホルムアミドが
99.6%、酢酸ビニルが99.4%であった。
【0035】・加水分解 白色ペースト状重合体組成物1050gに硫酸ヒドロキ
シルアミン30%水溶液16.45gを添加し、60℃で
2時間攪拌した。続いて急速攪拌下苛性ソーダ48%水
溶液367.4gを20℃1時間かけて添加し75℃で
6時間攪拌、続いて80℃で2時間攪拌した。反応物は
白色スラリー状となった。反応後、冷却しスラリー状反
応物を得た。グラスフィルターを用いて濾過し、粗ポリ
ビニルアミン−ポリビニルアルコール重合体を得た。
【0036】・重合体の精製 粗ポリビニルアミン-ポリビニルアルコール共重合体
を、メタノール1800gを用いて洗浄し、乾燥御白色
重合体粉末223gを得た。収率は93%であった。さ
らにNMRにより分析した結果、酢酸ビニル単位、ビニ
ルホルムアミド単位とも95%以上加水分解しているこ
とが確認された。コロイド滴定法により求めた重合体の
カチオン当量は3.47meq/g 4%水溶液の粘
度は30.6mPa・sであった。カチオン当量から計
算するとこの重合体はビニルアミンユニットを約15m
ol%含有する。
【0037】実施例1(ホルムアルデヒド放出量調査) 尿素系樹脂接着剤(JIS K9801−95、日本化
成製)を用いて以下に示す合板(40cm×40cm)
を調整した。ポリビニルアミンの製造例1で得られた重
合体を用いて2.5重量%水溶液を調整し、スプレーを
用いて上記の合板に片面10g(20g/両面)塗布
し、ポリ袋に密封して養生(約48時間)、その後カッ
トして試験に供した。よって吸収剤は表面のみ散布され
ており、木口面は無処理となる。ホルムアルデヒドの量
はガス検知管を用いて定量した。試験は、養生直後と1
週間後の2回行った。
【0038】(接着剤組成物配合) 尿素系樹脂接着剤 100部 小麦粉(日清製粉、赤花) 20部 水(水道水) 5部 塩化アンモニウム 1部
【0039】(合板製造条件) 材種:ラワン 単板構成:1.3mm+3.5mm+1.3mm(6.
1mm、3プライ) 単板含水率:8〜10% 塗布量 :34g/尺2 堆積時間 :15分間 冷圧圧力・時間:12kg/cm2・30分間 熱圧圧力・時間・温度:10kg/cm2・120秒・
120℃
【0040】実施例2〜4 ポリビニルアミンの製造例2〜3、およびポリビニルア
ミン/ポリビニルアルコール共重合体の製造例で得られ
た重合体を用いた以外は実施例1と同様の方法で試験片
を作成し評価を行った。 比較例1 ポリビニルアミンの代わりに市販のポリマーA(ヒドラ
ジン系ホルマリン吸収剤)を用いた以外は実施例1と同
様の方法で試験片を作成し、評価を行った。 比較例2 ポリビニルアミンの代わりに市販のポリマーB(ヒドラ
ジン系ホルマリン吸収剤)を用いた以外は実施例1と同
様の方法で試験片を作成し、評価を行った。 比較例3 ポリビニルアミンの代わりに尿素を用いた以外は実施例
1と同様の方法で試験片を作成し、評価を行った。 比較例4 ポリビニルアミンの2.5重量%水溶液の代わりに水だ
けを塗布した以外は実施例1と同様の方法で試験片を作
成し、評価を行った。実施例と比較例の評価結果を表1
に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】本発明のアルデヒド系化合物吸収剤は建
材中のアルデヒド系化合物の吸収し、かつ再放出しない
ため、これを基材に配合または塗布した建材はアルデヒ
ド系化合物を建材外に放出しない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 139/02 C09D 139/02 E04B 1/92 E04B 1/92 // A61L 9/01 A61L 9/01 K (C08F 216/06 (C08F 216/06 226:02) 226:02) Fターム(参考) 2E001 DH00 DH28 GA12 HC02 4C080 AA05 BB02 CC02 HH05 HH08 JJ03 KK08 LL04 MM28 NN27 4G066 AC13B AD10B AD20B BA02 CA52 DA03 FA37 FA40 4J038 CR071 FA061 GA09 LA02 NA02 NA27 PB05 PC06 PC10 4J100 AD02P AN02P AN02Q CA01 CA04 JA67

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表される構造単位を
    有する重合体からなる建材用アルデヒド系化合物吸収
    剤。 【化1】
  2. 【請求項2】 一般式(1)で表される構造単位を5〜
    100モル%含有することを特徴とする請求項1に記載
    の建材用アルデヒド系化合物吸収剤。
  3. 【請求項3】 一般式(1)で表される構造単位を10
    〜100モル%含有することを特徴とする請求項1に記
    載の建材用アルデヒド系化合物吸収剤。
  4. 【請求項4】 一般式(1)で表される構造単位を5〜
    30モル%、下記一般式(2)で表される構造単位を重
    合体中に95〜70モル%含有することを特徴とする請
    求項1に記載の建材用アルデヒド系化合物吸収剤。 【化2】
  5. 【請求項5】 基材に請求項1乃至4の何れかに記載の
    重合体を配合または塗布したことを特徴とする建材。
  6. 【請求項6】 建材中に接着剤が含有されていることを
    特徴とする請求項5に記載の建材。
  7. 【請求項7】 基材が合板であることを特徴とする請求
    項5または6に記載の建材。
JP2001201588A 2000-07-04 2001-07-03 建材用アルデヒド系化合物吸収剤およびこれを基材に配合又は塗布した建材 Pending JP2002119852A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001201588A JP2002119852A (ja) 2000-07-04 2001-07-03 建材用アルデヒド系化合物吸収剤およびこれを基材に配合又は塗布した建材

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000-202260 2000-07-04
JP2000202260 2000-07-04
JP2001201588A JP2002119852A (ja) 2000-07-04 2001-07-03 建材用アルデヒド系化合物吸収剤およびこれを基材に配合又は塗布した建材

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003197381A Division JP2004089993A (ja) 2000-07-04 2003-07-15 建材用アルデヒド系化合物吸収剤およびこれを基材に配合または塗布した建材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002119852A true JP2002119852A (ja) 2002-04-23

Family

ID=26595345

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001201588A Pending JP2002119852A (ja) 2000-07-04 2001-07-03 建材用アルデヒド系化合物吸収剤およびこれを基材に配合又は塗布した建材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002119852A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006077069A (ja) * 2004-09-08 2006-03-23 Osaka Univ コア−コロナ型ナノ粒子を含む水系塗料組成物
WO2008012113A3 (de) * 2006-07-27 2008-03-13 Basf Ag Verwendung von holzwerkstoffen enthaltend polyamin zur senkung des formaldehydgehalts in der umgebungsluft
JP2008534325A (ja) * 2005-04-01 2008-08-28 アクゾ ノーベル コーティングス インテルナショナール ベー.ファオ. 木材をベースとする製品からのアルデヒドの放出の低減方法
JP2009523628A (ja) * 2006-01-17 2009-06-25 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 木質材料においてホルムアルデヒド放散を減少させるための方法
JP6144437B1 (ja) * 2015-09-30 2017-06-07 積水化学工業株式会社 変性ポリビニルアセタール樹脂組成物
JP7450874B2 (ja) 2020-01-20 2024-03-18 ハイモ株式会社 ホルムアルデヒドガス捕捉剤

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006077069A (ja) * 2004-09-08 2006-03-23 Osaka Univ コア−コロナ型ナノ粒子を含む水系塗料組成物
JP2008534325A (ja) * 2005-04-01 2008-08-28 アクゾ ノーベル コーティングス インテルナショナール ベー.ファオ. 木材をベースとする製品からのアルデヒドの放出の低減方法
JP2009523628A (ja) * 2006-01-17 2009-06-25 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 木質材料においてホルムアルデヒド放散を減少させるための方法
WO2008012113A3 (de) * 2006-07-27 2008-03-13 Basf Ag Verwendung von holzwerkstoffen enthaltend polyamin zur senkung des formaldehydgehalts in der umgebungsluft
JP2009544493A (ja) * 2006-07-27 2009-12-17 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 周囲空気中のホルムアルデヒド含有量の減少のためのポリアミンを含有する木材料の使用
AU2007278434B2 (en) * 2006-07-27 2013-03-14 Basf Se Use of timber materials comprising polyamine for lowering formaldehyde content in ambient air
JP6144437B1 (ja) * 2015-09-30 2017-06-07 積水化学工業株式会社 変性ポリビニルアセタール樹脂組成物
JP7450874B2 (ja) 2020-01-20 2024-03-18 ハイモ株式会社 ホルムアルデヒドガス捕捉剤

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1571161B1 (en) Aqueous emulsion and use thereof
CA2656822C (en) Adhesive system and method of producing a wood based product
JPH0160191B2 (ja)
JP2002119852A (ja) 建材用アルデヒド系化合物吸収剤およびこれを基材に配合又は塗布した建材
JPH09124874A (ja) アセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂組成物
JP5595197B2 (ja) 抗菌剤、抗菌性樹脂組成物、および抗菌性架橋高分子
JP2009514990A (ja) 接着剤組成物
JP2011084738A (ja) グリオキシル酸塩組成物、それを含有する樹脂組成物、およびその架橋高分子
CN109225082B (zh) 温敏型微胶囊及其制备方法、人造板制备方法及人造板
JP4202526B2 (ja) 水性ゲル積層体ロールの製造方法
JP2002097434A (ja) 無臭木質板製板用接着剤
JP2004182960A (ja) 水溶性混合物
JP2002285125A (ja) 無臭木質板製板用接着剤糊液の製造方法
JPH09291185A (ja) アセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂組成物、速硬化性接着剤及び接着方法
ES2297745T3 (es) Sistema de agentes aglutinantes, que contienen resinas de aminoplasto, al menos un acetal procedente de un ester de polivinilo parcial o completamente saponificado y de un aldehido de un acido.
CN106890551A (zh) 游离甲醛捕捉剂及其制备方法
JP4117745B2 (ja) アルデヒド吸収フィルム
JPH0160190B2 (ja)
JP2006052244A (ja) 2液硬化型水性接着剤
JP2007270002A (ja) 水性エマルジョンおよびその組成物
JP4263570B2 (ja) 木質用耐水接着剤組成物
JP4754194B2 (ja) アミノ系樹脂接着剤組成物
JPH03103404A (ja) 水性樹脂組成物
JPS63242345A (ja) アクリル系吸水剤及びその製造方法
JPH03153789A (ja) ポリ酢酸ビニル―リン酸塩系接着剤組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040819

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060518

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060627

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070116