JP4117745B2 - アルデヒド吸収フィルム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種基材から発生するホルムアルデヒドを吸収するフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ホルムアルデヒドは低分子の合成原料や高分子樹脂の製造原料としても多量に使用されている。そしてこれらから得られた樹脂、例えばフェノール−ホルムアルデヒド樹脂やメラミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、グアナミン−ホルムアルデヒド樹脂等は接着加工、成形加工、紙加工、繊維加工、塗料、化粧板等の広汎な用途に使用されている。
【0003】
しかしながら、かかる樹脂を使用して得られる各種加工製品からはホルムアルデヒドを発生する傾向があり、雰囲気中に逸散し刺激臭が漂うという問題が発生したり、更に繊維製品の加工にはよく使われているため、繊維製品に残存し、皮膚障害を引き起こす等の危険性がある。特に、ワイシャツやポロシャツ等は直接肌に触れるためその危険性は見逃せないものである。
又、ホルムアルデヒドは非常に移染しやすい物質で、家具等の合板に残存しているホルムアルデヒドが、ホルムアルデヒド加工をしていない繊維製品等を汚染するという可能性もある。
【0004】
かかる対策の一つとして、ホルムアルデヒド捕捉剤の利用が汎用的に行われており、ホルムアルデヒドを含むフィルムに、尿素、チオ尿素、エチレン尿素、ジシアンジアミド、グリオキザールモノウレイン等の公知のホルムアルデヒド捕捉剤を添加させる方法等がある。
又、分子中に−NH−結合を有する化合物を含有するポリビニルアルコールからなるフィルムを用いること(特開平9−100382号公報)が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、公知のホルムアルデヒド捕捉剤を添加させる方法では、アルデヒドと反応する低分子化合物のブリードが生じたり、脱臭能力が不充分である等の問題が残る。
又、特開平9−100382号公報記載の技術では、ホルムアルデヒドに対する脱臭能力や、ホルムアルデヒドの移染防止性、保持性でまだまだ満足のいくものではないことが判明した。
そこで、本発明では、このような背景において、ブリード等の問題のなく、ホルムアルデヒドを効率良く低減させることができるアルデヒド吸収フィルムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者等はかかる事情に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、熱可塑性樹脂フィルムとアセトアセチル基含有高分子化合物層を積層してなるアルデヒド吸収フィルムが本発明の目的に合致することを見出し本発明を完成するに至った。本発明においては、熱可塑性樹脂フィルムがガスバリヤー性、柔軟性、非帯電性等の点でポリビニルアルコール系フィルムであることが好ましく、又、アセトアセチル基含有高分子化合物が、アセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂であることが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明で用いる熱可塑性樹脂フィルムとしては、特に限定されることなく、ポリエチレン、ポリプロピレン及びそれらの共重合体等のポリオレフィン系フィルム、塩化ビニル及びその共重合体フィルム、セルロース系フィルム、ポリアミド系フィルム、ポリエステル系フィルム等が挙げられるが、特にガスバリヤー性、柔軟性、非帯電性等の点及び積層する場合(特にコーティングする場合)の密着性に優れる点でポリビニルアルコール系フィルムが好ましい。ポリビニルアルコール系フィルムとしては、ポリビニルアルコール系樹脂からなるものであれば特に制限されることはない。
【0008】
ポリビニルアルコール系樹脂としては、通常酢酸ビニルを重合したポリ酢酸ビニルをケン化して製造されるものであり、該ポリビニルアルコール樹脂が好ましいが、本発明では、必ずしもこれに限定されるものでなく、酢酸ビニルと共重合性を有する単量体と酢酸ビニルとの共重合体のケン化物が挙げられる。又、ポリビニルアルコール樹脂を酸の存在下でアルデヒド類と反応させたポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂等のいわゆるポリビニルアセタール樹脂及びその他ポリビニルアルコール系樹脂誘導体が挙げられる。
【0009】
かかる単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、イソブチレン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタドデセン等のオレフィン類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいはモノ又はジアルキルエステル等、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル類、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸あるいはその塩、アルキルビニルエーテル類、N−アクリルアミドメチルトリメチルアンモニウムクロライド、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド、ジメチルアリルビニルケトン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ポリオキシエチレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシプロピレン(メタ)アリルエーテル等のポリオキシアルキレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリルアミド等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシエチレン(1−(メタ)アクリルアミド−1,1−ジメチルプロピル)エステル、ポリオキシエチレンビニルエーテル、ポリオキシプロピレンビニルエーテル、ポリオキシエチレンアリルアミン、ポリオキシプロピレンアリルアミン、ポリオキシエチレンビニルアミン、ポリオキシプロピレンビニルアミン等との共重合ケン化物が挙げられる。
【0010】
ポリビニルアルコール系樹脂の重合度は300〜30000が好ましく、特に1000〜3000が好ましい。かかる重合度が300未満ではフィルム強度が不足することになり、3000を越えると製膜方法によっては高粘度となり作業性が低下して好ましくない。
又、ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は65〜100モル%が好ましく、特には90〜100モル%が好ましい。かかるケン化度が65モル%未満では曇点の発現により製膜に支障をきたし、更にフィルム強度も低下することとなり好ましくない。特に耐水性の要求される用途には、ケン化度の高いほうが高結晶性となり耐水性が付与されるので好ましい。
【0011】
ポリビニルアルコール系フィルムの製造方法としては、特に限定されず、フィルムの厚み、フィルムの用途、目的により適宜選択されるが、通常溶液からのキャスト製膜法、乾式製膜法、乾湿式製膜法、ゲル製膜法、溶融製膜法等が用いられる。このとき使用される溶剤としては、水、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、エチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ヘキサフルオロイソプロパノール等が単独又は併用して用いられる。
【0012】
製膜時のポリビニルアルコール系樹脂の濃度は1〜50重量%、好ましくは5〜30重量%であり、製膜条件としては例えば、温度は通常室温から250℃の範囲で行われる。
得られたポリビニルアルコール系フィルムの厚みは5〜200μm、好ましくは25〜100μmが望まれる。
又、ポリビニルアルコール系フィルムは無延伸のまま使用しても、一軸延伸して使用してもよく、特に限定されない。一軸延伸フィルムとする場合は、例えば1.1〜7倍、特に3〜5倍とするのが好ましい。
【0013】
本発明で用いるアセトアセチル基含有高分子化合物層は、アセトアセチル基を含有する高分子化合物からなる層で、アセトアセチル基含有高分子化合物としては、アセトアセチル基を含有していれば特に制限されないが、例えばアセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂、アセトアセチル基含有アクリル系樹脂、アセトアセチル基含有不飽和ポリエステル系樹脂、アセトアセチル基含有飽和ポリエステル系樹脂、アセトアセチル基含有ウレタンアクリル系樹脂、アセトアセチル基含有エポキシアクリル系樹脂等が挙げられ、中でも好ましいものとしてはアセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂が挙げられる。
【0014】
以下、アセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂について述べる。
アセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂は、ポリビニルアルコールとジケテンを反応させる方法、ポリビニルアルコールをアセト酢酸エステルと反応させてエステル交換する方法や、酢酸ビニルとアセト酢酸ビニルを共重合させる方法等、いずれの方法で製造しても良いが、製造工程が簡略で、品質の良いアセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂が得られる点から、ポリビニルアルコールとジケテンを反応させる方法で製造するのが好ましい。ポリビニルアルコールとジケテンを反応させる方法としては、ポリビニルアルコールとガス状あるいは液状のジケテンを直接反応させても良いし、有機酸をポリビニルアルコールに予め吸着吸蔵せしめた後、不活性ガス雰囲気下で液状又はガス状のジケテンを噴霧、反応するか、又はポリビニルアルコールに有機酸と液状ジケテンの混合物を噴霧、反応する等の方法が用いられる。
【0015】
上記ポリビニルアルコールとしては、上記と同様、ポリ酢酸ビニルの低級アルコール溶液をアルカリ等のケン化触媒によってケン化して得られたポリビニルアルコールやその誘導体、更に酢酸ビニルと共重合性を有する上記単量体と酢酸ビニルとの共重合体のケン化物が挙げられる。
【0016】
アセトアセチル基を含有させる際の反応装置としては、加温可能で撹拌機の付いた装置であれば充分である。例えば、ニーダー、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、その他各種ブレンダー、撹拌乾燥装置が挙げられる。
上記の如く得られたアセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂は平均重合度100〜4000、好ましくは300〜3000、更に好ましくは250〜2800、ケン化度65〜100モル%、好ましくは68〜100モル%、更に好ましくは70〜100モル%であることが望まれる。又、アセトアセチル基含有量は0.5〜20モル%、好ましくは0.5〜15モル%、更に好ましくは2〜10モル%であることが望まれる。アセトアセチル基含有量が0.5モル%未満ではホルムアルデヒドの脱臭能力の点で不充分となり、一方20モル%を越えるとアセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂が不溶化したりして好ましくない。
【0017】
本発明においては、必要に応じて、上記アセトアセチル基含有高分子化合物に、従来公知の消臭剤、例えば酸化リン、酸化銀を2重量%以上含んだリン酸系ガラス粉末、アルキレンジアミン、ポリアルキレンジアミン、塩化第二鉄、塩化クロム、塩化マンガン、塩化ニッケル、塩化銅、塩化鉄等を含有させることも可能である。該公知の消臭剤のうち、リン酸系ガラス粉末、アルキレンジアミン、ポリアルキレンジアミンを併用する場合はアセトアセチル基含有高分子化合物100重量部に対して0.1〜20重量部、好ましくは0.3〜15重量部配合するのが適当である。
【0018】
又、塩化第二鉄、塩化クロム、塩化マンガン、塩化ニッケル、塩化銅、塩化鉄のような金属イオンを添加する場合、アセトアセチル基含有高分子化合物のアセトアセチル基(及び水酸基)に対して2〜100モル%、好ましくは5〜80モル%配合するのが適当する。
該金属イオンはアセトアセチル基や水酸基とキレートを形成し、均一に分散することにより、アルデヒド系化合物以外の悪臭(アンモニア、硫化水素、トリメチルアミン、等)にも有効に作用するのである。
更に又、本発明では、必要に応じて、アセトアセチル基含有高分子化合物100重量部に対して、0.02〜2重量部、好ましくは0.1〜1重量部のブロッキング防止剤を併用することもできる。かかるブロッキング防止剤としては、無機、有機の微粉末、例えば二酸化ケイ素、二酸化チタン、スチレン、或いはメチルメタクリレート等の微粒子等が挙げられる。
【0019】
本発明では、上記の熱可塑性樹脂フィルム、特に好ましくはポリビニルアルコール系フィルムとアセトアセチル基含有高分子化合物層を積層することが最大の特徴であり、積層方法としては、特に制限されず、例えば熱可塑性樹脂フィルムにアセトアセチル基含有高分子化合物をコーティングしたり、予めフィルムやシート等に成形したアセトアセチル基含有高分子化合物を熱可塑性樹脂フィルムにドライラミネートしたりする等の方法がある。積層に当たっては熱可塑性樹脂フィルムに対して片面、両面のいずれでもよい。
但し、片面のみに積層する場合は繊維製品等の基材がアセトアセチル基含有高分子化合物層積層面側に配置されるようにすることが好ましい。
【0020】
熱可塑性樹脂フィルムにアセトアセチル基含有高分子化合物をコーティングする方法としては、アセトアセチル基含有高分子化合物を水あるいはジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、エチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ヘキサフルオロイソプロパノール等の有機溶剤に単独又は混合して溶解してロールコーター法、エアドクター法、ブレードコーター法、スプレー法、ディップ法等、公知のコーティング方法により適宜に行われる。 該コーティングにおける塗布量は乾燥後の厚みで0.1〜30μmが好ましく、より好ましくは2〜20μmである。該厚みが0.1μm未満ではホルムアルデヒドの脱臭能力や保持能力が不足することとなり、30μmを越えるとコーティング上の問題が生じフィルムの表面状態が悪くなり好ましくない。
【0021】
又、熱可塑性樹脂フィルムに、予めフィルムやシート等に成形したアセトアセチル基含有高分子化合物をドライラミネートする方法としては、アセトアセチル基含有高分子化合物を溶液からのキャスト製膜法、乾式製膜法、ゲル製膜法、溶融製膜法等により、5〜100μm、好ましくは10〜50μmの厚みになるようにシート状あるいはフィルム状に形成して、ウレタン系、ポリエーテル系、ポリエステル系等の接着剤を介してラミネートする等の方法が挙げられる。
【0022】
かくして得られる本発明のアルデヒド吸収フィルムは、その使用に当たっては特に制限されず、ホルムアルデヒドを含有する対象物(シート、フィルム、発泡体、織物、編物、紙や繊維(織布、不織布)、木材(接着剤や塗料等がコーティングされているものも含む)等の基材)に対して、包装、カバー、敷物等、任意の形態で用いられ、特には、繊維製品等の包装に有用である。
【0023】
又、本発明のアルデヒド吸収フィルムは、ホルムアルデヒドを含有する対象物、あるいは基材から発生するホルムアルデヒドの低減に非常に優れた効果を発揮し、ホルムアルデヒドの移染も生じることなく、更にブリード等の問題もないものである。
【0024】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
尚、例中、「部」、「%」とあるのは、特に断りのない限り重量基準を意味する。
アセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂としては下記の(a−1)〜(a−3)を用いた。
(a−1);アセトアセチル基含有量10モル%、重合度1400、ケン化度89モル%のアセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂
(a−2);アセトアセチル基含有量5モル%、重合度1400、ケン化度94モル%のアセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂
(a−3);アセトアセチル基含有量0.8モル%、重合度1400、ケン化度98モル%のアセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂
【0025】
実施例1
ポリビニルアルコール樹脂(重合度1700、ケン化度99モル%)の水溶液(濃度22%)をキャスト法により製膜し、乾燥して、厚み30μmのポリビニルアルコール系フィルムを得た。
かかるポリビニルアルコール系フィルムに、アセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂(a−1)の水溶液(濃度7%)をグラビアロールによりコーティングを行い、乾燥して(乾燥後厚み10μm)、本発明のアルデヒド吸収フィルムを得た。
得られたアルデヒド吸収フィルムについて下記の評価を行った。
【0026】
(アルデヒド吸収力)
該フィルムで150mm×250mmの袋を作製し、中にホルマリン加工した布2.5g(遊離ホルマリン量は600ppm)を入れ、ヒートシールで密封した。その後、40℃×65%RH下で静置し、経時でサンプリングして布に残留するホルマリン量をJIS L 1041(アセチルアセトン法(B法))に準じて測定した。
【0027】
(移染性)
該フィルムで150mm×250mmの袋を作製し、中にホルマリン加工した布2.5g(遊離ホルマリン量は600ppm)を入れ、ヒートシールで密封した。該袋に、ホルマリン加工されていない布(遊離ホルマリン量は0ppm)を接触させて、更にその上からアルミ袋で包装した後、40℃で65%RHの条件下で静置し、7日後のホルマリン加工されていない布に移染したホルマリン量をJIS L 1041(アセチルアセトン法(B法))に準じて測定した。
評価基準は以下の通りである。
○・・・10ppm未満
△・・・10〜200ppm未満
×・・・200ppm以上
【0028】
実施例2
実施例1において、アセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂(a−1)をアセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂(a−2)に変えた以外は同様に行い、同様に評価した。
【0029】
実施例3
実施例1において、アセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂(a−1)をアセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂(a−3)に変えた以外は同様に行い、同様に評価した。
【0030】
実施例4
アセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂(a−1)の水溶液(濃度20%)をキャスト製膜法により、厚み20μmのフィルムを作製した後、該フィルムを実施例1と同様のポリビニルアルコール系フィルムにウレタン系接着剤を介して(接着剤層の厚み2μm)、ラミネートし、本発明のアルデヒド吸収フィルムを得た。
【0031】
実施例5
実施例1において、ポリビニルアルコール系フィルムをポリプロピレンフィルムに変えた以外同様に行い、同様に評価した。
【0032】
比較例1
実施例1において、アセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂(a−1)を用いず、ポリビニルアルコール系フィルムのみとした以外は同様に行い、評価した。
【0033】
比較例2
実施例1と同様のポリビニルアルコール系フィルムに尿素からなるアルデヒド消臭剤を塗布(乾燥後の厚み10μm)した以外は同様に評価した。
【0034】
比較例3
ポリビニルアルコール系樹脂(重合度1700、ケン化度99モル%)の10%水溶液100部に尿素からなるアルデヒド消臭剤を1部添加し、撹拌した後、キャスト製膜によりフィルムを作製し、該フィルムについて実施例1と同様に評価した。
実施例及び比較例の結果を表1に示す。
【0035】
【表1】
Figure 0004117745
【0036】
【発明の効果】
本発明のアルデヒド吸収フィルムは熱可塑性樹脂フィルム、特にポリビニルアルコール系フィルムにアセトアセチル基含有高分子化合物層を積層しているため、基材から発生するホルムアルデヒドの低減に非常に優れた効果を発揮し、ホルムアルデヒドの移染も生じることなく、更にブリード等の問題もないものであり、包装用、カバー用、敷物用等種々の用途に有用である。

Claims (5)

  1. 熱可塑性樹脂フィルムとアセトアセチル基含有高分子化合物層を積層してなることを特徴とするアルデヒド吸収フィルム。
  2. 熱可塑性樹脂フィルムがポリビニルアルコール系フィルムであることを特徴とする請求項1記載のアルデヒド吸収フィルム。
  3. アセトアセチル基含有高分子化合物が、アセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂であることを特徴とする請求項1又は2記載のアルデヒド吸収フィルム。
  4. アセトアセチル基含有高分子化合物層をコーティングにより積層することを特徴とする請求項1、2又は3記載のアルデヒド吸収フィルム。
  5. アセトアセチル基含有高分子化合物層をドライラミネートにより積層することを特徴とする請求項1〜4いずれか記載のアルデヒド吸収フィルム。
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