JP3895815B2 - 粘着シート類の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、疎水性粘着剤に水溶性物質を配合した粘着剤を用いた粘着シート類の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
粘着シート類において粘着剤層は通常、有機溶剤等の溶媒と混合して粘着剤液とし、支持体上に塗布して形成するが、低粘度の溶剤系粘着剤液を多孔質支持体上に直接塗布する場合、粘着剤液が支持体の背面に容易に裏抜けする。このため塗工機の各部に粘着剤液が付着したり、製造された粘着シート類をロール状にした場合、背面に裏抜けした粘着剤のため、粘着シート類が癒着し、巻き戻しが困難になる、あるいは、裏抜けした粘着剤により、目止め剤や背面の剥離剤の塗布が均一に行なわれない等、多くの問題点を有している。
【0003】
従って、これまで有機溶剤系粘着剤液を用いて多孔質支持体上へ粘着剤層を形成する場合、支持体上への粘着剤液の直接塗布は困難な場合が多く、粘着剤液を一度剥離紙上に塗布して粘着剤層を形成し、乾燥後多孔質支持体に貼りあわせる場合が多かった。
【0004】
さらに、アクリル系共重合体等の粘着剤の主成分は、有機溶剤に可溶性のものが多く、粘着剤液の作製には、有機溶剤が多く用いられるため、有機溶剤に対する溶解度が非常に小さい水溶性物質の配合は困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような製造方法では、製品として剥離紙が不要でも製造の工程で剥離紙を必要とし、材料の無駄が多く、装置面では支持体との貼り合わせ装置も必要となりコストが増大する。また、有機溶剤系粘着剤において水溶性物質の配合は非常に困難であり、粘着シート類に配合できる材料が限定されていた。
【0006】
本発明者らは、分子内にカルボキシル基を有するアクリル系共重合体を主成分とする粘着剤の有機溶剤溶液において、該カルボキシル基の一部ないしは全量を中和することにより、粘着剤有機溶剤溶液中に水を混合することができ、粘度が当初の有機溶剤溶液の粘度より大幅に上昇し、かつ水が粘着剤液中に安定に分散した含水粘着剤液が得られることを見い出し、上記課題の解決に成功した。
【0007】
本発明の目的は、水溶性物質を安定に配合することができる有機溶剤系粘着剤、及び粘着剤液を多孔質支持体に直接塗布する場合、粘着剤液の支持体の背面への裏抜けが軽減され、剥離紙なしで粘着シート類を製造することのできる粘着シート類の製造方法の提供にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、分子内にカルボキシル基を有するアクリル系共重合体を主成分とする粘着剤の有機溶剤溶液に対し、該カルボキシル基の1/5〜1/1を中和して水を混合することにより、水を安定に分散させた含水粘着剤液とし、該含水粘着剤液を支持体の片面または両面に直接塗布、乾燥して粘着剤層を得ることを特徴とする粘着シート類の製造方法を提供するものである。
【0009】
本発明により、含水粘着剤液作製の際に、添加する水に水溶性物質を溶解させておくことで、疎水性粘着剤と水溶性物質が容易に配合可能となり、粘着剤に使用する材料の選択肢が大幅に拡げられる。
【0010】
また、本発明により得られる高粘度化された含水粘着剤液は、多孔質支持体に直接塗布した場合でも、支持体背面への粘着剤裏抜けが少なく、剥離紙なしでの粘着シート類の製造が可能である。また、粘着剤の裏抜けがないため、含水粘着剤液を塗布した反対面に目止め剤、バックサイズ剤や離型剤の塗布が容易であり、ロ−ル状にした場合でも何ら使用上問題を生じない。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明に用いる分子内にカルボキシル基を有するアクリル系共重合体とは、例えば(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸のようなカルボキシル基を有する単量体を必須成分とし、それと共重合可能な(メタ)アクリル酸イソブチルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルへキシル等の(メタ)アクリル酸エステル単量体、ならびにそれらと共重合可能なビニル系単量体を共重合して得られる重合物であり、必要に応じて適宜選択される。
【0012】
上記アクリル系共重合体は、水に不溶であり、有機溶媒溶液として用いられる。有機溶媒溶液中の共重合体濃度は好ましくは10〜50重量%である。10重量%未満では、高粘度の含水粘着剤液を得ることが容易でなく、コスト面でも不利であり、50重量%を超えると、共重合体溶液の粘度が極めて高くなるため取り扱いが困難となる。
【0013】
さらに、上記共重合体のカルボキシル基の1/5〜1/1を中和する。中和に用いられる物質は、特に限定されず、例えばアンモニア、トリエタノールアミンなどのアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の一価のアルカリ金属等の水酸化物が挙げられる。中和されるカルボキシル基が1/5未満では安定な高粘度含水粘着剤液が得られず、1/1を超える量の中和剤を加えても1/1中和品以上の大幅な粘度上昇が得られない。
【0014】
カルボキシル基が上記中和剤で中和されることにより、水を混合しても粘着剤液中で長時間相分離せず安定に存在するようになり、含水粘着剤液となる。配合する水の量は、目標とする粘度ないしは配合する水溶性物質の量および支持体の多孔質度にあわせて適宜調整される。配合される水の量は、好ましくは、含水粘着剤液100重量%に対し、1〜50重量%が良い。1重量%未満では大幅な粘度の上昇が認められず、50重量%を超えると粘着剤液がゲル化し易い。
【0015】
本発明の粘着剤は、粘着剤層形成前の粘着剤液に水を安定的に含有するため、水溶性物質を含有させることができる。
【0016】
水溶性物質としては、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子、水溶性架橋剤、水溶性薬剤、糖タンパク等が挙げられる。特に水溶性高分子は、アクリル共重合体100重量部に対し、0.1〜100重量部配合されることが好ましい。
【0017】
これらの水溶性物質は、含水粘着剤液作製の際に、添加する水に水溶性物質を溶解させておく等の常法により、配合される。
【0018】
本発明の粘着剤および本発明に用いる粘着剤液には、要求特性に応じて通常の粘着剤に用いられる可塑剤、タッキファイアー、酸化防止剤、アクリル系共重合体の架橋剤、充填剤等を添加しても良い。
【0019】
本発明において支持体上への粘着剤層形成の方法は、例えば本発明の粘着剤を上述の方法により高粘度の含水粘着剤液とし、該含水粘着剤液を支持体の片面に直接塗布、乾燥して粘着剤層を得ることにより粘着シート類を製造することができる。
【0020】
また、上記含水粘着剤液を剥離紙上に塗布・乾燥して粘着剤層を形成し、各種基材に貼りあわせ粘着シート類を製造してもよい。
【0021】
本発明の製造方法に用いる支持体は、特に限定されず、プラスチックフィルム、紙、不織布、発泡体、金属箔等を用いることができる。
【0022】
本発明における含水粘着剤液は、高粘度化が容易であるため、不織布等の多孔質支持体の片面に直接塗布しても、支持体の背面への粘着剤の裏抜けが軽減され、目止め剤や離型剤の均一な塗布が容易になり、ロール状の製品にした場合でも癒着等のない所望の品質が得られる。
【0023】
本発明の粘着剤は、支持体の空孔径、空隙率等の多孔性の程度に合わせて含水粘着剤液の粘度を適宜調整することにより背面への粘着剤の裏抜けを軽減することができる。
【0024】
本発明にて得られる粘着シート類は、シート状、テープ状等の種々の形状のものを含むものである。
【0025】
以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、以下において部および%は重量部および重量%を示す。
【0026】
【実施例】
実施例1
窒素ガス雰囲気下で、アクリル酸5部、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル95部を酢酸エチルを溶媒として共重合して得られた共重合体濃度30%のアクリル系共重合体粘着剤溶液100部に、25%のアンモニア水をアクリル系共重合体粘着剤溶液中のカルボキシル基の100%を中和する量、水が含水粘着剤液中の15%になるように添加し、混合攪拌して、水が安定に分散した含水粘着剤液を得た。
【0027】
アクリル系共重合体粘着剤溶液と水、アンモニア添加後の含水粘着剤液の粘度を、東京計器社製BH型回転粘度計を用いて、ローターの回転数10rpm、液温30℃で測定した結果、アクリル系共重合体粘着剤溶液の粘度は14Pa・s、一方、含水粘着剤液の粘度は31.6Pa・sと粘度が大幅に上昇した。
【0028】
次に、含水粘着剤液を、乾燥後の粘着剤厚さが50μmになるように、アプリケ−タによって不織布(秤量35g/m2、商品名NS−3500、日本紙業社製)に直接塗布した。塗布直後において粘着剤の不織布背面への裏抜けは殆ど問題のないレベルであった。
【0029】
実施例2
実施例1で得られた含水粘着剤液を実施例1と同様の方法で不織布に含水粘着剤溶液を塗布し、速やかにその背面に目止め剤としてアクリル酸エステル系エマルジョン(商品名VONCOAT R−3360、大日本インキ化学工業社製)を乾燥後重量が約10g/m2になるように塗布し、100℃で5分乾燥した。乾燥後の状態は、粘着剤の裏抜けは極めて少なく、目止め剤も問題なく塗布可能であった。
【0030】
実施例3
実施例1と同様のアクリル系共重合体粘着剤溶液100部に、ソルビタントリオレエート24部を配合した粘着剤溶液に、中和剤としてトリエタノールアミンを該粘着剤溶液中のカルボキシル基の100%を中和する量を、アクリル系共重合体の架橋剤としてトリグリシジルイソシアヌレート(商品名TEPIC−G、日産化学社製)の0.43%水溶液を水が含水粘着剤液中の12%になるように添加、混合攪拌して、水が安定に分散した含水粘着剤液を得た。
【0031】
実施例1と同様の方法により粘度を測定したところ、粘着剤溶液の粘度は7Pa・s、水、アンモニア添加後の含水粘着剤液の粘度は31.6Pa・sであった。
【0032】
次に、実施例1と同様の方法で含水粘着剤を不織布に塗布した。塗布直後において粘着剤の不織布背面への裏抜けは殆ど問題のないレベルであった。
【0033】
実施例4
窒素ガス雰囲気下で、アクリル酸5部、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル95部を酢酸エチルを溶媒として共重合して得られた共重合体濃度26.9%のアクリル系共重合体粘着剤溶液100部に、ソルビタントリオレエート10.8部、25%アンモニア水を粘着剤溶液中のカルボキシル基の1/5を中和する量を、水が含水粘着剤液中の15.3%になるように添加、攪拌混合して水が安定に分散した高粘度含水粘着剤液を得た。
【0034】
実施例1と同様の方法により粘度を測定したところ、アンモニア添加後の含水粘着剤液の粘度は16Pa・sであった。
【0035】
次に、実施例1と同様の方法で含水粘着剤液を不織布に塗布した。塗布直後において粘着剤の不織布背面への裏抜けは殆ど問題のないレベルであった。
【0036】
実施例5
窒素ガス雰囲気下で、アクリル酸5部、アクリル酸イソブチルエステル5部、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル95部をトルエンを溶媒として共重合して得られた共重合体濃度39%のアクリル系共重合体溶液100部に、イソプロピルアルコール4.9部を添加した粘着剤溶液に、中和剤として水酸化カリウム水溶液を該粘着剤溶液中のカルボキシル基の100%を中和する量を添加し、さらに、水を含水粘着剤液中の2%になるように添加、混合攪拌して、水が安定に分散した含水粘着剤液を得た。
【0037】
実施例1と同様の方法により粘度を測定したところ、粘着剤溶液の粘度は8.2Pa・s、一方、含水粘着剤液の粘度は68.3Pa・sと高粘度であった。次に、実施例1と同様の方法で含水粘着剤液を不織布に塗布した。塗布直後において粘着剤の不織布背面への裏抜けは殆ど問題のないレベルであった。
【0038】
実施例6
水を含水粘着剤液中の水の量が20%になるように添加した他は実施例5と同様にして含水粘着剤液を作成した。
【0039】
実施例1と同様の方法により粘度を測定したところ、粘度は330Pa・sときわめて高粘度であった。
【0040】
次に、実施例1と同様の方法で含水粘着剤液を秤量25g/m2の不織布(商品名アクスター G2015−8P、東レ社製)に塗布したところ、塗布直後において粘着剤の不織布背面への裏抜けは問題のないレベルであり、低密度の多孔質支持体への直接塗布が可能であった。
【0041】
実施例7
窒素ガス雰囲気下で、アクリル酸5部、アクリル酸イソブチルエステル5部、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル95部をトルエンを溶媒として共重合して得られた共重合体濃度21%のアクリル系共重合体溶液100部に、イソプロピルアルコール5部加えて共重合体濃度20%の粘着剤溶液を得た。この粘着剤溶液に水酸化カリウム水溶液を該粘着剤溶液中のカルボキシル基の100%を中和する量を添加し、さらにカルボキシメチルセルロースナトリウムの水溶液(カルボキシメチルセルロースナトリウム、セロゲンHP−6HS9、エーテル化度0.8〜0.9、第一工業製薬社製)が含水粘着剤液中の0.285%(アクリル系共重合体100部に対して0.327部)、水が含水粘着剤剤中の39.7%になるように添加、攪拌混合して、水およびカルボキシメチルセルロースナトリウムが安定に分散した含水粘着剤液を得た。
【0042】
実施例1と同様の方法により粘度を測定したところ、粘着剤溶液の粘度は0.8Pa・s、一方、含水粘着剤液の粘度は94Pa・sであった。
【0043】
次に、実施例1と同様の方法で含水粘着剤液を不織布に塗布した。塗布直後において粘着剤の不織布背面への裏抜けは殆ど問題のないレベルであった。
【0044】
実施例8
実施例1と同様のアクリル系共重合体粘着剤溶液100部に、水酸化カリウム水溶液を該粘着剤溶液中のカルボキシル基の100%を中和する量を添加する。さらに、ポリビニルアルコール(商品名PVA210、けん化度88モル%、クラレ社製)の20%水溶液をポリビニルアルコールがアクリル系共重合体100部に対して11.5部となるよう添加し、水を含水粘着剤液中の15%になるように添加、攪拌混合して、水およびポリビニルアルコールが安定に分散した含水粘着剤液を得た。
【0045】
実施例1と同様の方法により粘度を測定したところ含水粘着剤液の粘度は33Pa・sであった。
【0046】
次に、実施例1と同様の方法で含水粘着剤液を不織布に塗布した。塗布直後において粘着剤の不織布背面への裏抜けは殆ど問題のないレベルで、疎水性のアクリル系共重合体粘着剤に水溶性のポリビニルアルコールが均一に分散した粘着テープが得られた。
【0047】
実施例9
窒素ガス雰囲気下で、アクリル酸5部、アクリル酸イソブチルエステル5部、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル95部をトルエンを溶媒として共重合して得られた共重合体を乾燥、再溶解して得た濃度50%のアクリル系共重合体溶液90部に、イソプロピルアルコール10部を加えて共重合体濃度45%の粘着剤溶液を得た。この粘着剤溶液に水酸化ナトリウム水溶液を該粘着剤溶液中のカルボキシル基の100%を中和する量を添加し、さらに水を含水粘着剤液中の2.5%になるように添加、攪拌混合し、含水粘着剤液を得た。
【0048】
実施例1と同様の方法により粘度を測定したところ、粘着剤溶液の粘度は38.9Pa・s、一方、含水粘着剤液の粘度は71.2Pa・sであった。次に、実施例1と同様の方法で含水粘着剤液を不織布に塗布した。塗布直後において粘着剤の不織布背面への裏抜けは殆ど問題のないレベルであった。
【0049】
実施例10
窒素ガス雰囲気下で、アクリル酸5部、アクリル酸イソブチルエステル5部、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル95部をトルエンを溶媒として共重合して得られた共重合体濃度28%のアクリル系共重合体溶液60部に、イソプロピルアルコール10部を加えて共重合体濃度24%の粘着剤溶液を得た。この粘着剤溶液に水酸化ナトリウム水溶液を該粘着剤溶液中のカルボキシル基の100%を中和する量を添加し、さらに、ポリビニルアルコール(商品名PVA103、けん化度98.5モル%、クラレ社製)の20%水溶液を、ポリビニルアルコールがアクリル系共重合体100部に対して同量になるように加え、攪拌混合して、含水粘着剤液中の水が43.8%の含水粘着剤液を得た。
【0050】
実施例1と同様の方法により粘度を測定したところ、粘着剤溶液の粘度は1.1Pa・s、一方、含水粘着剤液の粘度は200Pa・sであった。
【0051】
次に、実施例1と同様の方法で含水粘着剤液を不織布に塗布した。塗布直後において粘着剤の不織布背面への裏抜けは殆ど問題のないレベルであった。
【0052】
比較例1
実施例1と同様のアクリル系共重合体粘着剤溶液、つまり実施例1に記載のモノマーを酢酸エチルを溶媒として共重合して得られた共重合体濃度30%のアクリル系共重合体粘着剤溶液を、アンモニア水での中和処理を行わずにそのままで実施例1と同様の方法で不織布に塗布したところ、塗布直後において明らかに粘着剤の不織布背面への裏抜けが見られた。
【0053】
比較例2
実施例1と同様のアクリル系共重合体粘着剤溶液100部に、アンモニア水をアクリル系共重合体粘着剤溶液中のカルボキシル基の10%を中和する量、水が含水粘着剤液中の15%になるように添加し、混合攪拌したが、水は分離し、安定な含水粘着剤液が得られなかった。
【0054】
比較例3
実施例3と同様の粘着剤溶液、つまり実施例1と同様のアクリル系共重合体粘着剤溶液100部に、ソルビタントリオレエート24部を配合した粘着剤溶液をそのままで実施例1と同様の方法で不織布に塗布したところ、塗布直後において明らかに粘着剤の不織布背面への裏抜けが見られた。
【0055】
比較例4
実施例3と同様の粘着剤溶液、つまり実施例1と同様のアクリル系共重合体粘着剤溶液100部に、ソルビタントリオレエート24部を配合した粘着剤溶液をそのままで実施例1と同様の方法で不織布に塗布し、実施例2と同様に不織布背面に速やかに目止め剤を塗布しようとしたが、粘着剤の裏抜けのため塗布が困難であった。
【0056】
比較例5
実施例5と同様の粘着剤溶液、つまり実施例5にて得られた共重合体濃度39%のアクリル系共重合体溶液100部に、イソプロピルアルコール4.9部を添加した粘着剤溶液をそのままで実施例1と同様の方法で不織布に塗布したところ、塗布直後において粘着剤の不織布背面への大量の裏抜けが見られた。
【0057】
比較例6
実施例5の粘着剤溶液、つまり実施例5にて得られた共重合体濃度39%のアクリル系共重合体溶液100部に、イソプロピルアルコール4.9部を添加した粘着剤溶液をそのままで実施例1と同様の方法で坪量25g/m2の不織布(商品名アクスター G2015−8P、東レ社製)に塗布したところ、塗布直後において粘着剤の不織布背面への裏抜けが見られた。
【0058】
【発明の効果】
本発明の粘着剤は、主成分である分子内にカルボキシル基を有するアクリル系共重合体のカルボキシル基の1/5〜1/1を中和して水を混合することにより、水を安定に分散させた含水粘着剤液とできるため、水溶性の高分子や水溶性架橋剤等の水溶性物質を安定に配合・保持でき、従来の粘着剤に比較して幅広い特性を得ることができる。
【0059】
また、含水粘着剤液とすると高粘度化が可能なため、粘着剤層形成時に含水粘着剤液を多孔質支持体に塗布しても、粘着剤の支持体の背面への裏抜けが軽減され、剥離紙なしで粘着シート類が製造でき、背面に目止め剤や剥離剤等を均一に塗布することもできる。従って、低コストで高品質な粘着シート類を得ることができる。

Claims (8)

  1. 分子内にカルボキシル基を有するアクリル系共重合体を主成分とする粘着剤の有機溶剤溶液に対し、該カルボキシル基の1/5〜1/1を中和して水を混合することにより、水を安定に分散させた含水粘着剤液とし、該含水粘着剤液を支持体の片面に直接塗布、乾燥して粘着剤層を得ることを特徴とする粘着シート類の製造方法。
  2. 含水粘着剤液中に分散させる水の量が、含水粘着剤液100重量%に対し2〜50重量%であることを特徴とする請求項1記載の粘着シート類の製造方法。
  3. 有機溶剤溶液中のアクリル系共重合体濃度が10〜50重量%であることを特徴とする請求項1記載の粘着シート類の製造方法。
  4. 多孔質である支持体に請求項1記載の方法で粘着剤層を形成することを特徴とする粘着シート類の製造方法。
  5. 含水粘着剤液に水溶性物質を配合することを特徴とする請求項1記載の粘着シート類の製造方法。
  6. 水溶性物質として水溶性の高分子及び/または水溶性の架橋剤を配合することを特徴とする請求項5記載の粘着シート類の製造方法。
  7. 水溶性高分子を粘着剤中のアクリル系共重合体100重量部に対して0.1〜100重量部配合することを特徴とする請求項5記載の粘着シート類の製造方法。
  8. 支持体の片面に請求項1記載の方法で粘着剤層を形成し、支持体の粘着剤を有する面と反対側の面に目止め剤を塗布することを特徴とする粘着シート類の製造方法。
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