JP2006298894A - 貼付シート - Google Patents
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Abstract
【課題】より少ない高分子材料にもかかわらず、強度と安定性に優れ、含水率も高く、製造方法がより容易な貼付シートを提供する。
【解決手段】 粘着層14の含水ゲルに、0.1〜10質量%、好ましくは0.4%〜5質量%のメチルビニルエーテル/無水マレイン酸クロスポリマーを含有する。粘着層14には、ゲルの強度を高めるためにポリアクリル酸塩やメチルビニルエーテル/マレイン酸コポリマーの塩、またはモノアルキルエステル等の高分子カルボン酸を、補助的なゲル化剤として含有する。そして、冷却シートやパップ剤、または化粧用シートとして用いる。
【選択図】図1
【解決手段】 粘着層14の含水ゲルに、0.1〜10質量%、好ましくは0.4%〜5質量%のメチルビニルエーテル/無水マレイン酸クロスポリマーを含有する。粘着層14には、ゲルの強度を高めるためにポリアクリル酸塩やメチルビニルエーテル/マレイン酸コポリマーの塩、またはモノアルキルエステル等の高分子カルボン酸を、補助的なゲル化剤として含有する。そして、冷却シートやパップ剤、または化粧用シートとして用いる。
【選択図】図1
Description
この発明は、熱が出た場合の冷却シートや、化粧シート、その他湿布剤等として用いられる貼付シートに関する。
例えば、発熱時の冷却シートは、特許文献1、2に開示されているように、含水ゲルから成る冷却性を有した粘着層を備えている。この粘着層は、ポリアクリル酸塩などを架橋反応させてゲル化し水分を保持させ、粘着性を持たせている。
また、特許文献3、4に開示されているように、寒天やゼラチン等の水溶性高分子材料のゲルによる冷却シートや美容液シートも提案されている。このゲルは、水分を90質量%以上含有し、安定にシート状に形成されている。
特開2004−231567公報
特開2000−72619号公報
特開2003−226633号公報
特開2003−518008号公報
従来のポリアクリル酸等の合成水溶性高分子をゲル化剤とする含水ゲルの粘着層においては、冷却効果や保湿効果を高めるには含水率を高くする必要があるが、含水率を高くするとゲルの強度や安定性が低下するという、相反する問題があった。また寒天やゼラチン等の天然水溶性高分子のゲルによる冷却シートや化粧用シートも提案されているが、天然水溶性高分子のゲルに各種有効成分を配合すると、ゲル化速度を最適に制御できず、工業的な量産における生産性に問題があった。
さらに、コストダウンのためにもより少ない材料で、より強度の高い含水ゲルをより容易な製造工程でつくるための材料が求められている。
この発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、より少ない高分子材料にもかかわらず、強度と安定性に優れ、含水率も高く、製造方法がより容易な貼付シートを提供することを目的とする。
この発明は、粘着層の含水ゲルに、0.1質量%以上10質量%以下、好ましくは0.4質量%以上5質量%以下のメチルビニルエーテル/無水マレイン酸クロスポリマー(以下、PVM/MAクロスポリマーという)を、必須のゲル化剤として含有する貼付シートである。
前記粘着層には、ゲルの強度を高めるために、ポリアクリル酸塩やメチルビニルエーテル/マレイン酸コポリマーの塩等のリニアなポリカルボン酸、またはモノアルキルエステル等の高分子カルボン酸を、補助的なゲル化剤として含有する含水ゲルである。
前記貼付シートは、冷却シートやパップ剤、または化粧用シートとして用いられるもので、粘着層中に、メントール等の薬剤や、サルチル酸メチル等の消炎鎮痛剤やその他の薬剤を含有したものでもよい。また粘着性を高める目的からPVP(ポリビニルピロリドン)等の粘着成分を含有したものでもよい。
この発明の貼付シートは、適度な粘着力で高含水率の粘着層を形成することができ、コストダウンとともに冷却効果や保湿効果の向上に寄与する。特に、リニアポリカルボン酸とPVM/MAクロスポリマーの混合物を、水酸化アルミニウム等の架橋剤を含むアルカリ性水溶液に溶解することでゲル化を生じるものであることから、ゲル化の初期段階ではミクロゲル状態の弱酸性ないし中性溶液で、その他の有効成分を均一にゲル溶液に分散できる。また、支持体への塗工時には、ミクロゲル溶液の粘度がひくく、展膏速度を上げることができ、塗工後にマクロゲルが形成されることで安定な貼付シートが製造されるものである。
以下、この発明の実施形態について図面に基づいて説明する。図1はこの発明の第一実施形態の貼付シート10を示すもので、不織布等の支持体12と、その一面に展膏された粘着層14から成る。支持体12は、ポリエステル、レーヨン、ポリプロピレン、コットン、またはこれらの混紡材料で作られ、目付けは適宜60〜100g/m2の範囲で作られている。
支持体12の一面に設けられた含水ゲルの粘着層14は、PVM/MAクロスポリマーあるいはポリアクリル酸塩あるいはメチルビニルエーテル/マレイン酸コポリマー等のリニアポリマーを含むPVM/MAクロスポリマーが架橋剤でマクロゲルを形成している含水ゲルである。PVM/MAクロスポリマーは、含水ゲル中に0.1〜10質量%、このましくは0.4〜5質量%存在し、図2に示す構造を有する超高分子で、メチルビニルエーテル/マレイン酸コポリマーをデカジエンで部分架橋して得られる。PVM/MAクロスポリマーは加水分解により、図3に示す構造の高分子となり、ミクロゲルが水酸化アルミニウム等の架橋剤でマクロゲルを形成する。添加されるリニアなポリカルボン酸は、マクロゲルの生成速度をゆるやかなものにするとともに、マクロゲルの粘弾性を高める効果がある。この粘着層の含水率は十分な強度を保持しつつ、90%以上にすることも可能である。
粘着層14の外側面には、非透湿性の樹脂フィルム等の剥離材である剥離シート16が取り付けられている。剥離シート16は、シリコンを塗布したポリエステルフィルム等が用いられる。
さらに、粘着層14には、l−メントール等の清涼剤を混合しても良く、湿布用のパップ剤として用いる場合は、サリチル酸メチル等の消炎鎮痛剤を配合することも可能である。
この実施形態の貼付シートは、PVM/MAクロスポリマーとメチルビニルエーテル/マレイン酸コポリマーをゲル化剤として含水ゲルの粘着層14を形成したので、含水率を90%に高めることができ、製造も容易なものである。また、ポリアクリル酸やCMC(カルボキシメチルセルロース)あるいはHPC(ヒドロキシプロピルセルロース)等の塩を配合することで粘着層14の粘着性、強度あるいは粘弾性をさらに高めることができる。またチキソ性にすぐれるPVM/MAクロスポリマーをゲル化剤に用いることで、支持体12への塗工時には、溶液の粘度が低く、展膏速度を上げることができるため生産性も良い。また、PVM/MAクロスポリマーのゲル化速度は速く、展膏後の工程が容易となる。
その他、粘着層14は、PVM/MAクロスポリマーの超高分子ゲルのため耐候性が高く、幅広いpHや温度範囲で粘度が一定となる。また、アミン系の臭気を吸収するものである。
なお、この発明の貼付シートは上記実施形態に限定されるものではなく、各部材の素材は適宜変更可能である。粘着層や支持体の素材は、用途や他の部材の成分の配合に合わせて適宜変更可能である。
次に、この発明の第一実施例の貼付シートについて説明する。この実施例の貼付シートはパップ剤であり、その配合割合を表1に示す。比較のため従来のパップ剤の処方を表2に示す。
この実施例の貼付シートの製造方法は、PVM/MAクロスポリマーとメチルビニルエーテル/マレイン酸コポリマーを計量して均一に混合したのち、水酸化アルミニウムを溶かしたアルカリ水溶液に添加して撹拌溶解する。さらにポリソルベート80、dl−カンフル、合成メントール、サリチル酸メチル、セスキオレイン酸ソルビタン、グリセリンを添加して均一になるまで撹拌混合し、目付け100g/m2のポリエステル製不織布に、膏体重量850g/m2の割合で均一に塗工した。セパレーターとしてはポリプロピレン製のエンボスフィルムを使用した。塗工後、100×140mmに裁断し、アルミニウムラミネート袋に密封包装した。なお従来のパップ剤の製造方法は、酒石酸、精製水、グリセリン、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸グラフト重合体を計量し、約30分間撹拌混合した後、ポリソルベート80、dl−カンフル、合成メントール、サリチル酸メチル、セスキオレイン酸ソルビタン、乾燥水酸化アルミニウムゲルを均一に混合したものを塗工する。
この実施例の貼付シートは、PVM/MAクロスポリマーをゲル材料にすることにより、安定性が高く、優れた貼付シートを容易に製造することができた。また含水率も高く、使用感の優れたパップ剤であった。
次に、この発明の第二実施例の貼付シートについて説明する。この実施例の貼付シートは冷却シートであり、その配合割合を表3示す。比較のため従来の冷却シートの処方を表4に示す。
製造方法は、PVM/MAクロスポリマーとメチルビニルエーテル/マレイン酸コポリマーを計量して均一に混合したのち、水酸化アルミニウムの溶けたアルカリ水溶液に投入して撹拌溶解する。さらに、パラオキシ安息香酸を添加して均一になるまで撹拌混合し、目付け100g/m2のポリエステル製不織布に、膏体重量850g/m2の割合で均一に塗工した。セパレーターとしてはポリプロピレン製のエンボスフィルムを使用した。塗工後、100×140mmに裁断し、アルミニウムラミネート袋に密封包装した。
次に、この発明の第三実施例の貼付シートについて説明する。この実施例の貼付シートは化粧用のフェースマスクであり、その配合割合を表5示す。比較のため従来のフェースマスクの処方を表6に示す。
製造方法は、PVM/MAクロスポリマーとメチルビニルエーテル/マレイン酸コポリマー、ポリアクリル酸ソーダを計量して均一に混合したのち、水酸化アルミニウムの溶けたアルカリ水溶液に投入して撹拌溶解する。さらに、ポリソルベート80、セスキオレイン酸ソルビタン、ラベンダーエキス、シャクヤクエキス、カモミラエキス、香料、パラオキシ安息香酸、グリセリン、を添加して均一になるまで撹拌混合し、目付け100g/m2のポリエステル製不織布に、膏体重量850g/m2の割合で均一に塗工した。セパレーターとしてはポリプロピレン製のエンボスフィルムを使用した。塗工後、100×140mmに裁断し、アルミニウムラミネート袋に密封包装した。
10 貼付シート
12 支持体
14 粘着層
16 剥離シート
12 支持体
14 粘着層
16 剥離シート
Claims (5)
- 粘着層の含水ゲルに、ゲル化剤として0.1質量%以上10質量%以下のメチルビニルエーテル/無水マレイン酸クロスポリマーを含有したことを特徴とする貼付シート。
- 前記粘着層は、ポリアクリル酸塩またはメチルビニルエーテル/マレイン酸コポリマーの塩、または高分子カルボン酸を、補助的なゲル化剤として用いて形成した含水ゲルであることを特徴とする請求項1記載の貼付シート。
- 前記貼付シートは、冷却シートであることを特徴とする請求項1または2記載の貼付シート。
- 前記貼付シートは、パップ剤であることを特徴とする請求項1または2記載の貼付シート。
- 前記貼付シートは、化粧用シートであることを特徴とする請求項1または2記載の貼付シート。
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JP2005251098A JP2006298894A (ja) | 2005-03-24 | 2005-08-31 | 貼付シート |
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Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007142280A1 (en) * | 2006-05-31 | 2007-12-13 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. | Hydrogel sheet and production method thereof |
JP2018048173A (ja) * | 2010-09-03 | 2018-03-29 | 株式会社 メドレックス | 皮膚貼付用粘着シートの製造方法 |
CN115534436A (zh) * | 2022-11-02 | 2022-12-30 | 高梵(浙江)信息技术有限公司 | 一种高性能纤维防撕裂无纺布及其制备方法 |
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2005
- 2005-08-31 JP JP2005251098A patent/JP2006298894A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN115534436A (zh) * | 2022-11-02 | 2022-12-30 | 高梵(浙江)信息技术有限公司 | 一种高性能纤维防撕裂无纺布及其制备方法 |
CN115534436B (zh) * | 2022-11-02 | 2024-05-17 | 高梵(浙江)信息技术有限公司 | 一种高性能纤维防撕裂无纺布及其制备方法 |
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