JP2002029971A - インドメタシン水溶性貼付剤 - Google Patents
インドメタシン水溶性貼付剤Info
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Abstract
剤の提供。 【解決手段】 インドメタシンを炭素数3〜30のグリ
コールに溶解もしくは分散し、これをグリセリン含有ゲ
ル中に均一に分散させること。
Description
配合したインドメタシンの保存安定性に優れた水溶性貼
付剤およびその製造法に関する。
疲労に伴う痛み、打撲、捻挫等に対する治療薬として用
いられている。その中でも、非ステロイド性消炎鎮痛剤
であるインドメタシンは、優れたプロスタグランジン合
成抑制作用を有することから、経口剤にとどまらず経皮
吸収型の外用製剤としても広く使用されている。インド
メタシンの外用製剤には保存安定性などを改良すべき点
があり、特開平05−286856号、特開平05−2
55083号、特開平05−271077号、特開平0
5−286857号、特開平08−113537号、特
開平10−158165号などにおいて、それらを改良
すべき種々の試みがなされている。しかしながら、イン
ドメタシンの保存安定性は、経皮吸収との兼合いから、
なお十分なものであるとはいえない。また、インドメタ
シンの経皮吸収性を向上させるために、インドメタシン
をクロタミトンに溶解させてから製剤中に配合してい
る。しかし、溶解状態のインドメタシンは製剤中での保
存安定性に欠ける。従って、インドメタシンを安定に含
有し、かつ経皮吸収も良好な水溶性貼付剤の開発が待た
れていた。
解決するもので、経皮吸収性を損なうことなく、インド
メタシンを水溶性貼付剤中に長時間安定に保持させた製
剤を提供することを目的とする。
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、インドメタシ
ンを炭素数3〜30のグリコールに溶解もしくは分散し
た後、これをグリセリン含有ゲル中に均一に分散させる
ことによって、インドメタシンが安定化し、インドメタ
シンの経皮吸収性を損なうことなく、保存安定性が良好
な水溶性貼付剤が得られることを見出し、本発明を完成
した。
に、炭素数3〜30のグリコールに溶解もしくは分散し
たインドメタシンを、分散させてなるインドメタシン水
溶性貼付剤、ならびにインドメタシンを炭素数3〜30
のグリコールに溶解もしくは分散し、これをグリセリン
を含有ゲル中に均一に分散させることを特徴とするイン
ドメタシンを長時間安定に保持させた水溶性貼付剤の製
造法に関する。
解もしくは分散させるために用いられる炭素数3〜30
のグリコールとしては、プロピレングリコール、ジプロ
ピレングリコール、ブチレングリコール、ポリエチレン
グリコールなどが挙げられるが、特にポリエチレングリ
コール200、ポリエチレングリコール300、ポリエ
チレングリコール400、ポリエチレングリコール60
0、プロピレングリコール、1,3ブチレングリコール
が好ましい。
合量は2〜20重量%であり、好ましくは2.5〜15
重量%である。すなわち、ゲル中に配合される炭素数3
〜30のグリコール量が2重量%未満では、炭素数3〜
30のグリコールに対するインドメタシンの溶解もしく
は分散が不十分となり、ゲル中にインドメタシンを均一
に分散させることが難しいために、インドメタシンを長
時間安定的に水溶性貼付剤中に保持させることができな
い。また、ゲル中に配合される炭素数3〜30のグリコ
ール量が20重量%を超えるとゲル粘度の低下による保
形性悪化現象(支持体側からのゲルの抜け、およびべた
つき現象)が見られ、水溶性貼付剤として成形すること
が困難である。
重量%であり、好ましくは15〜30重量%である。す
なわち、ゲル中のグリセリンの配合量が10重量%未満
ではゲル作製過程において、水溶性高分子を均一にゲル
内に分散することができずゲル中に、ままこが生じる。
また、ゲル中のグリセリンの配合量が40重量%より多
くなると、ゲル表面に保持できなくなったグリセリンが
浮き出し現象を起こし、貼付時にべとつきが生じるとい
った問題が発生する。これらの炭素数3〜30のグリコ
ールとグリセリンを、特に上記の配合割合で組み合わせ
て用いることにより、ゲル流動性が高くなり、展延作業
性に優れた、初期の粘着力が良好なインドメタシン水溶
性貼付剤を作製できる。ゲルを構成する成分について
は、特に制限はなく、例えば水溶性高分子、賦形剤、保
湿剤、安定化剤、架橋剤などを配合させることができ
る。
加水分解ゼラチン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸
塩、ポリアクリル酸部分中和物、ポリアクリル酸デンプ
ン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒ
ドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチ
ルセルロース、メチルセルロース、カルメロースナトリ
ウム、カルボキシビニルポリマー、メトキシエチレン無
水マレイン酸共重合体、N−ビニルアセトアミド共重合
体などを単独あるいは2種以上組み合わせて用いること
ができる。その配合量としては3〜20重量%、好まし
くは5〜15重量%である。
タン、軽質無水ケイ酸、酸化亜鉛などを単独あるいは2
種以上組み合わせて用いることができる。その配合量と
しては0.5〜10重量%である。保湿剤としては、例
えばD−ソルビトール、プロピレングリコール、ジプロ
ピレングリコール、ブチレングリコール、ピロリドンカ
ルボン酸塩などを単独あるいは2種以上組み合わせて用
いることができる。その配合量としては5〜30重量
%、好ましくは10〜20重量%である。ゲル中の水の
配合量は、30〜60重量%であり、好ましくは35〜
50重量%である。
の安定化剤として用いられているもので、例えばエデト
酸塩、パラオキシ安息香酸エステル、酒石酸などを単独
あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。架
橋剤としては例えば、水酸化アルミニウム、アルミニウ
ムグリシネート、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセ
テート、合成ヒドロタルサイト、メタケイ酸アルミン酸
金属塩などの多価金属化合物などを単独あるいは2種以
上組み合わせて用いることができる。また、必要に応じ
て吸収促進剤、防腐剤、抗酸化剤、可塑剤、乳化剤、界
面活性剤などを配合させることができる。
ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ナイ
ロン、ポリウレタンなどの多孔体、発泡体、織布、不織
布、さらにはフィルムまたはシートと多孔体、発泡体、
織布、不織布とのラミネート品などを用いることができ
る。膏体表面を被覆するプラスチックフィルムとして
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルまた
はこれらをシリコーンで離型処理したものを用いること
ができる。上記の成分で構成された貼付剤用膏体を支持
体上に展延し、膏体表面をプラスチックフィルムで被覆
することにより、本発明の水溶性貼付剤を作製すること
ができる。
るが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。
グリセリン20g、カルメロースナトリウム3.0g、
ポリアクリル酸部分中和物5.0g、70%D−ソルビ
トール液20g、カオリン3.0g、エデト酸ナトリウ
ム0.1g、メタケイ酸アルミン酸金属塩0.08gお
よび精製水適量を均一に混合して含水ゲルを調製した。
次にポリエチレングリコール200 4.5gにインド
メタシン0.5gを溶解した後、先の調製した含水ゲル
中に均一になるように分散し、貼付剤用膏体を得た。こ
の膏体を不織布上に展延し、膏体表面をシリコン処理し
たポリエチレンテレフタレートで被覆することにより水
溶性貼付剤を作製した。
エチレングリコール400に置き換えた以外は実施例1
と同じ成分の貼付剤を作製した。
エチレングリコール600に置き換えた以外は実施例1
と同じ成分の貼付剤を作製した。
ピレングリコールに置き換えた以外は実施例1と同じ成
分の貼付剤を作製した。
3ブチレングリコールに置き換えた以外は実施例1と同
じ成分の貼付剤を作製した。
タミトンに置き換えた以外は実施例1と同じ成分の貼付
剤を作製した。本発明の効果を明らかにするため以下の
試験を行った。
ミニウム袋に密封した後、40℃と50℃条件下に1ヶ
月保存し、これらの各貼付剤中のインドメタシン含量を
高速液体クロマトグラフィ(HPLC)により測定し
た。その結果を表1に示す。
3〜30のグリコールに溶解もしくは分散し、グリセリ
ン含有ゲル中に均一に分散させた本発明の実施例1〜5
の貼付剤は、上記条件下でも配合されているインドメタ
シンの経時的含量低下が抑制され、貼付剤中において安
定であることが確認された。
過性試験を行った。すなわち、雄性ウイスター系ラット
の腹部摘出皮膚を真皮側をレセプター層側にして、37
℃の温水を外周部に循環させた縦型拡散セル(有効拡散
面積1.77cm2)に装着した。レセプター層にはリ
ン酸緩衝液(pH7.4)を用いた。角質層側に各製剤
を貼付し、経時的にサンプリングを行い、インドメタシ
ンの累積皮膚透過量をHPLCにて測定した。その結果
を図1に示す。
比較例1とほぼ同等のインドメタシン累積透過量であ
り、良好な経皮吸収性が証明された。このことにより、
本発明の水溶性貼付剤は、インドメタシン溶解型貼付剤
と同等な経皮吸収性を備えていることがわかる。
−ソルビトール液10g、ポリアクリル酸ナトリウム
2.5g、カルメロースナトリウム4.0g、濃グリセ
リン16.0g、ポリビニルアルコール3.0g、カオ
リン3.0g、酸化チタン0.5g、合成ヒドロタルサ
イト0.12g、エデト酸ナトリウム0.05gおよび
精製水適量を均一に混合して含水ゲルを調製した。次に
プロピレングリコール3.0g、ツイン20 0.2g
にインドメタシン0.5gを分散した後、先の調製した
含水ゲル中に均一になるように分散し、貼付剤用膏体を
得た。この膏体を伸縮性不織布上に展延し、膏体表面を
ポリエチレンテレフタレートで被覆することにより水溶
性貼付剤を作製した。
0℃に加温した精製水2.5g中で溶解した。この溶解
液とポリアクリル酸部分中和物5.0g、カルメロース
ナトリウム3.5g、濃グリセリン25g、乾燥水酸化
アルミニウムゲル0.55g、70%D−ソルビトール
液20g、カオリン6.5g、エデト酸ナトリウム0.
08g、酒石酸1.8gおよび精製水適量を均一に混合
して含水ゲルを調製した。次にプロピレングリコール
8.0g、ヒマシ油1.0g、モノオレイン酸ソルビタ
ン0.5gにインドメタシン0.5gを分散した後、先
の調製した含水ゲル中に均一になるように分散し、貼付
剤用膏体を得た。この膏体を不織布上に展延し、膏体表
面をポリエチレンテレフタレートで被覆することにより
水溶性貼付剤を作製した。
た。この溶解液とポリアクリル酸部分中和物3.0g、
ポリアクリル酸デンプン1.0g、濃グリセリン12.
5g、メタケイ酸アルミン酸金属塩0.05g、ヒドロ
キシプロピルセルロース0.5g、エデト酸ナトリウム
0.05g、酒石酸1.2gおよび精製水適量を均一に
混合して含水ゲルを調製した。次に1,3ブチレングル
コール4.5g、l−メントール0.5g、ツイン20
0.3gにインドメタシン0.5gを溶解分散した
後、先の調製した含水ゲル中に均一になるように分散
し、貼付剤用膏体を得た。この膏体を不織布上に展延
し、膏体表面をポリエチレンテレフタレートで被覆する
ことにより水溶性貼付剤を作製した。
0%D−ソルビトール液14g、カオリン3g、濃グリ
セリン23g、カルメロースナトリウム3g、ポリアク
リル酸部分中和物5g、 ジヒドロキシアルミニウムア
ミノアセテート0.07g、エデト酸ナトリウム0.1
g、ポリソルベート80 0.08gおよび精製水適量
を均一に混合して含水ゲルを調製した。次にポリエチレ
ングリコール200 4.5gにインドメタシン0.5
g、パラオキシ安息香酸エステル0.15gを溶解した
後、先に調製した含水ゲル中に均一になるように分散
し、貼付剤用膏体を得た。この膏体を伸縮性不織布上に
展延し、膏体表面をポリプロピレンフィルムで被覆する
ことにより貼付剤を作製した。
3〜30のグリコールに溶解もしくは分散し、これをグ
リセリン含有ゲル中に均一に分散させることによって、
インドメタシンを安定に保持させることができ、従来の
溶解型のパップ剤に比べ、インドメタシンの経時安定性
を著しく高めた水溶性貼付剤を提供することが可能とな
った。さらに炭素数3〜30のグリコールとグリセリン
を組み合わせることにより、ゲル流動性が高くなり、展
延作業性に優れた、初期の粘着力が良好な水溶性貼付剤
を作製することができる。
積皮膚透過量の結果である。
Claims (5)
- 【請求項1】 グリセリン含有ゲル中に、炭素数3〜3
0のグリコールに溶解もしくは分散したインドメタシン
を、分散させてなるインドメタシン水溶性貼付剤。 - 【請求項2】 ゲル中の炭素数3〜30のグリコール量
が2〜20重量%である請求項1に記載の水溶性貼付
剤。 - 【請求項3】 ゲル中のグリセリン量が10〜40重量
%である請求項1に記載の水溶性貼付剤。 - 【請求項4】 ゲル中の炭素数3〜30のグリコール量
が2〜20重量%であり、グリセリン量が10〜40重
量%である請求項1に記載の水溶性貼付剤。 - 【請求項5】 インドメタシンを炭素数3〜30のグリ
コールに溶解もしくは分散し、これをグリセリン含有ゲ
ル中に分散させることを特徴とするインドメタシン水溶
性貼付剤の製造法。
Priority Applications (1)
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JP2000214251A JP4824156B2 (ja) | 2000-07-14 | 2000-07-14 | インドメタシン水溶性貼付剤 |
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