JPH08120251A - 水溶性粘着剤組成物及びマスキング用粘着テープ - Google Patents

水溶性粘着剤組成物及びマスキング用粘着テープ

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JPH08120251A
JPH08120251A JP25528294A JP25528294A JPH08120251A JP H08120251 A JPH08120251 A JP H08120251A JP 25528294 A JP25528294 A JP 25528294A JP 25528294 A JP25528294 A JP 25528294A JP H08120251 A JPH08120251 A JP H08120251A
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JP
Japan
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water
pressure
sensitive adhesive
soluble
adhesive
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JP25528294A
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English (en)
Inventor
Mitsuru Ozasa
満 小笹
Hiroyasu Iizuka
裕保 飯塚
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 水溶性で、長いポットライフを有し、塗布適
性に優れ、良好な粘着性、湿潤粘着性、耐候粘着性、耐
熱性を有し、熱履歴後の再剥離時に糊残りが少なく、被
着体に対する粘着剤残渣の水洗浄性や水拭き性が良好な
水溶性粘着剤組成物、及び該組成物を用いたハンダ用、
建築用などに好適なマスキング用テープを提供するこ
と。 【構成】 (a)常温水に溶解可能な水溶性ポリマー1
00重量部に対して、(b)澱粉類1〜100重量部、
(c)アルカノールアミン及びポリエーテルポリオール
からなる群より選ばれる少なくとも1種の水溶性可塑剤
20〜150重量部、及び(d)ポリエチレンイミン2
〜150重量部を含有せしめてなる水溶性粘着剤組成
物。基材の片面に、前記水溶性粘着剤組成物からなる粘
着剤層が形成されたマスキング用粘着テープ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水溶性粘着剤組成物及
びマスキング用粘着テープに関し、更に詳しくは、接着
性、凝集性、耐熱性、湿潤粘着性、耐候粘着性などに優
れるとともに、熱履歴後の再剥離時に糊残りが少なく、
かつ、粘着剤残渣の水洗浄性や水拭き性が良好な水溶性
粘着剤組成物、及び該水溶性粘着剤組成物からなる粘着
剤層を形成したマスキング用テープに関する。本発明の
マスキング用テープは、特に、ハンダマスキング用テー
プまたは建築マスキング用テープとして好適である。
【0002】
【従来の技術】プリント基板のハンダ塗布作業におい
て、ハンダ塗布を不要とする部分をハンダから保護する
ため、予めハンダマスキング用粘着テープをその部分に
貼付した後、ハンダを塗布することが行われている。ハ
ンダ塗布作業は、通常、高温のハンダ浴中にプリント基
板を浸漬して行うため、ハンダマスキング用粘着テープ
には、常温で良好な粘着力を有するだけではなく、高温
での粘着力が良好なこと、ハンダ塗布作業後に粘着剤の
残留(糊残り)がなく容易に剥離できること、プリント
基板に残留する粘着剤(残渣)がある場合にも容易に洗
浄除去できることなどの特性が要求されている。
【0003】従来、ハンダマスキング用粘着テープとし
ては、粘着剤として、アクリル系粘着剤やポリシロキサ
ンを主成分とするシリコン系粘着剤を用いたテープがあ
り、高温下でも良好な接着性を示すことが知られてい
る。しかしながら、上記公知の粘着テープは、ハンダ塗
布作業後の再剥離時に、プリント基板に粘着剤が残留す
るという問題がある。しかも、アクリル系粘着剤やシリ
コン系粘着剤の残渣を除去するには、有機溶剤で洗浄し
なければならない。この洗浄工程を工業的な規模で行う
場合は、フロン等の塩素系溶剤を用いることが多く、環
境への悪影響という問題点もあった。
【0004】一方、建築作業における外壁の塗装時に、
例えば、塗料やリシン、防水用シーリング剤などを塗布
する際には、見切りラインを美麗に仕上げるために、あ
るいは余分に塗装されて外観を損なうのを防ぐために、
建築マスキング用テープが使用されている。実際の建築
現場の施工作業では、マスキング用テープの被着面が湿
潤状態になっていることが多い。特に、モルタル、PC
ボード、石目時タイルなどは、湿潤状態にあることが多
く、ガラス、鋼板、サッシなどでは、水滴や曇り等が発
生して湿潤状態になり易い。このような被着面が湿潤状
態にある条件下での作業では、マスキング用テープの粘
着剤として一般に使用されている天然または合成ゴム系
の粘着剤では、粘着剤層と被着体との間に水が薄膜とな
って存在しているため、十分な接着面積が得られずに、
粘着力が著しく低下してマスキング作業に大きな支障を
きたすという問題があった。
【0005】また、近年、建築施工現場では、大規模
化、省人化が進み、貼付け作業を機械的に一括大量に行
う傾向にある。したがって、貼付け後の養生期間も長期
化しており、時には屋外で1週間以上の暴露に晒される
ことも稀ではない。このため、前述のゴム系粘着剤で
は、耐候性が不十分で、再剥離時に糊残りを生じる。ハ
ンダマスキング用テープにおいて、有機溶剤による洗浄
を避けるには、水溶性の粘着剤層を設けた粘着テープを
使用する方法が考えられる。一方、建築マスキング用テ
ープにおいて、湿潤条件下での粘着性を得るには、親水
性の官能基をもった系の粘着剤を用いて、水分を吸収す
ることにより、被着体に対する粘着力を確保する方法が
考えられる。
【0006】従来、上記のような目的・用途に適合する
水溶性粘着剤として、例えば、ポリエチレンイミンとデ
ンプン系水溶性高分子を含む水溶性接着剤組成物が知ら
れているが(特公昭52−32768号公報)、この組
成物は、強固な凝集力成分を持たないため、糊残りと初
期粘着力のバランスを取ることが困難である。すなわ
ち、上記の如き組成の粘着剤は、デンプン系水溶性高分
子の比率が少ない配合では、凝集力が極端に低下し、再
剥離の際に糊残りを生じ、逆に、その比率が多い場合に
は、粘着力が低くなりすぎる。
【0007】ポリエチレンイミンとデンプン系水溶性高
分子とポリアクリル酸を含む水溶液からなる水溶性接着
剤組成物も提案されているが(特公昭52−32769
号公報)、ポリアクリル酸とポリエチレンイミンとが反
応するため、粘着剤自体のポットライフが短いだけでは
なく、ゲル化速度が速いため、塗布作業が困難であると
いう問題点があった。また、多量のアクリル酸を共重合
して得られる高分子量かつ高ガラス転移温度のアクリル
系ポリマーに、可塑剤として常温で液体の多価アルコー
ルを配合した水溶性粘着剤が提案されている(特開平2
−232287号公報)。しかしながら、この水溶性粘
着剤は、熱による被着体への接着力昂進が著しく、再剥
離できなかったり、粘着剤中の多量のカルボキシル基と
被着体との反応により、粘着剤残渣が水洗浄できなくな
るといった問題点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、水溶
性で、長いポットライフを有し、塗布適性に優れ、良好
な粘着性、湿潤粘着性、耐候粘着性、耐熱性を有し、熱
履歴後の再剥離時に糊残りが少なく、被着体に対する粘
着剤残渣の水洗浄性や水拭き性が良好な水溶性粘着剤組
成物を提供することにある。本発明の他の目的は、該水
溶性粘着剤組成物からなる粘着剤層が形成されたマスキ
ング用粘着テープを提供することにある。より具体的
に、本発明の目的は、良好な粘着性と耐熱性を有し、熱
履歴後の再剥離時に糊残りが少なく、被着体に対する粘
着剤残渣の水洗浄性が良好なハンダマスキング用テープ
を提供することにある。また、本発明の目的は、被着面
に水分があってもマスキング作業を行える粘着力を有
し、かつ、耐候性に優れ、さらには、万一再剥離の際に
糊残りを生じても水拭きで簡単に粘着剤を除去できる建
築マスキング用テープを提供することにある。
【0009】本発明者は、前記従来技術の問題点を克服
するために鋭意研究した結果、ポリ−N−ビニルピロリ
ドンなどの水溶性ポリマー、ヒドロキシプロピル化スタ
ーチなどの澱粉類、トリエタノールアミンなどの水溶性
可塑剤、及びポリエチレンイミンを特定の割合で混合し
て得られる粘着剤組成物が、前記目的を達成できること
を見いだした。本発明の水溶性粘着剤組成物は、アルコ
ール及び/または水に均一に溶解し、ポットライフが長
く、塗布適性に優れている。この水溶性粘着剤組成物か
らなる粘着剤層を形成した粘着テープは、ハンダマスキ
ング用粘着テープとして使用した場合に、充分な粘着性
と耐熱性を有し、しかも糊残りが少なく、水洗浄性も良
好である。また、繊維質基材の片面に、この水溶性粘着
剤組成物からなる粘着剤層を形成した粘着テープは、建
築マスキング用粘着テープとして使用した場合、湿潤粘
着性、耐候粘着性、水拭き性などに優れている。本発明
は、これらの知見に基づいて完成するに至ったものであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、(a)
常温水に溶解可能な水溶性ポリマー100重量部に対し
て、(b)澱粉類1〜100重量部、(c)アルカノー
ルアミン及びポリエーテルポリオールからなる群より選
ばれる少なくとも1種の水溶性可塑剤20〜150重量
部、及び(d)ポリエチレンイミン2〜150重量部を
含有せしめてなる水溶性粘着剤組成物が提供される。上
記の好ましい実施態様として、(a)ポリ−N−ビニル
ピロリドン100重量部に対して、(b)ヒドロキシプ
ロピル化スターチ1〜100重量部、(c)トリエタノ
ールアミン20〜150重量部、及び(d)ポリエチレ
ンイミン2〜150重量部を含有せしめてなる水溶性粘
着剤組成物が提供される。また、本発明によれば、基材
の片面に、前記の水溶性粘着剤組成物からなる粘着剤層
が形成されたマスキング用粘着テープが提供される。
【0011】以下、本発明について詳述する。本発明に
用いられる水溶性ポリマー(a)は、常温水に溶解可能
なポリマーであり、分子中にカルボン酸を持たないポリ
マーであることが好ましい。このような水溶性ポリマー
としては、例えば、ポリ−2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、ポリ−2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、ポリ−4−ヒドロキシブチル(メ
タ)アクリレート、カプロラクトン変成(メタ)アクリ
レートのホモポリマー、エチレングリコール(メタ)ア
クリレートのホモポリマー、プロピレングリコール(メ
タ)アクリレートのホモポリマー等の水酸基を有するポ
リマー;ポリ(メタ)アクリロニトリル、ポリ−N−ビ
ニルカプロラクタム、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポ
リ(メタ)アクリロイルモルホリン、ポリ(メタ)アク
リルアミド、ポリジメチルアミノプロピル(メタ)アク
リルアミド等の高性能基を有するポリマー等が挙げられ
る。
【0012】また、上記水溶性ポリマーの他に、上記水
溶性ポリマーの原料であるモノマーと、そのホモポリマ
ーが水溶性を示さないモノマーとの共重合体であって
も、水溶性になり得るものは、使用することができる。
本発明に用いられる水溶性ポリマーは、ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィ(GPC)により測定した標準
ポリスチレン換算の重量平均分子量が70万以上である
ことが好ましく、より好ましくは100万以上、更に好
ましくは200万以上である。水溶性ポリマーの重量平
均分子量が低すぎると、得られる水溶性粘着剤組成物の
凝集力が低下し、充分な耐熱性(耐熱マスキング性)が
得られにくくなる。
【0013】澱粉類(b)は、熱履歴後の再剥離性を向
上させる役割を有する。澱粉類としては、例えば、馬鈴
薯、サツマイモ、トウモロコシ、小麦等の植物の種子、
根、地茎から得られるものが挙げられる。この中でもα
澱粉が水溶性で扱い易いので好ましい。また、アセチル
化された澱粉、エステル化された澱粉、エーテル化され
た澱粉、グラフト化された澱粉、架橋された澱粉誘導
体、あるいは、ハイアミロース澱粉、ワキシー澱粉等の
高周波処理、湿熱処理等を施して、澱粉分子を切断、水
溶化した加工澱粉も挙げられる。加工澱粉の中でも、ヒ
ドロキシプロピル化スターチが好ましい。α澱粉とは、
例えば、55〜60℃で水と共に加熱することにより糊
化された状態のもので、これを熱により急速乾燥、また
は凍結乾燥することによって得られ、冷水にも溶解す
る。また、β澱粉も、混合、塗工、加熱等の工程を経る
うちにα化される場合には、使用が可能である。
【0014】澱粉をエステル化またはエーテル化するこ
とにより糊化温度を低くすることができ、高度にエステ
ル化またはエーテル化を進めたものは、冷水にも溶解
し、糊液の安定性も向上する。一般にエステル化は酢酸
によって行われるが、リン酸、硝酸、コハク酸、キサン
トゲン酸等の酸によってエステル化されたものであって
もよい。また、エーテル化としては、カルボキシメチル
化、メチル化、ヒドロキシアルキル化、アリルエーテル
化等が挙げられる。澱粉を架橋すると、糊化温度を高く
することが可能である。架橋方法には、リン酸によるも
の、エピクロルヒドリンによるもの、ホルムアルデヒド
によるもの等が挙げられる。澱粉類の添加量は、少なく
なると熱履歴後に充分な再剥離性が得られにくく、多く
なると初期粘着力が低く耐熱マスキング性が得られにく
くなる。そこで、澱粉類(b)は、水溶性ポリマー
(a)100重量部に対し、1〜100重量部、好まし
くは10〜50重量部の割合で使用される。
【0015】水溶性可塑剤(c)は、可塑性及び粘着力
を調整するために添加する。水溶性可塑剤の具体例とし
ては、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン
などのアルカノールアミン;ポリエチレングリコール、
ポリプロピレングリコールなどのポリエーテルポリオー
ル;及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。上記
水溶性可塑剤として、アルカノールアミンとポリエーテ
ルポリオールは、それぞれ単独でも用いられるが、両者
の澱粉との相溶性が異なることから、混合物を用いるこ
とにより、接着界面へブリードさせることで再剥離性を
制御することが可能である。この際の上記水溶性可塑剤
中のアルカノールアミンの含有量としては、50〜99
重量%が好ましく、60〜90重量%がより好ましい。
【0016】上記の水溶性可塑剤以外にも、常温で液体
であるものは併用可能であり、例えば、ポリビニルメチ
ルエーテル、ポリビニルエチルエーテル等が挙げられ
る。水溶性可塑剤(c)の添加量は、少なくなると水溶
性ポリマー(a)が可塑化されず、粘着力が低くなり、
逆に、多くなると水溶性粘着剤組成物の凝集力が低下
し、耐熱マスキング性が悪くなる。そこで、水溶性可塑
剤(c)は、水溶性ポリマー(a)100重量部に対し
て、20〜150重量部、好ましくは30〜120重量
部、より好ましくは40〜80重量部の割合で使用され
る。
【0017】ポリエチレンイミン(d)は、主として初
期粘着力を調整するために配合される。ポリエチレンイ
ミンの添加量は、少なくなるとポリエチレンイミンが本
来持っている初期粘着性が発揮されず、粘着力が低くな
り、逆に、多くなると水溶性粘着剤組成物の凝集力が低
下し、耐熱マスキング性が悪くなる。そこで、ポリエチ
レンイミン(d)は、水溶性ポリマー(a)100重量
部に対して、2〜150重量部、好ましくは10〜13
0重量部の割合で使用される。
【0018】本発明の水溶性粘着剤組成物には、必要に
応じて、防錆剤、酸化防止剤、脱水剤等が添加されてい
てもよい。また、本発明の水溶性粘着剤組成物は、アル
コール、水、及びこれらの混合溶剤などに可溶性であ
り、これらの溶液として使用することができる。溶剤の
使用量は、少なくとも各成分が均一に溶解するに足る量
であり、塗布作業性等を考慮してその濃度を適宜定める
ことができる。また、本発明の水溶性粘着剤組成物は、
無溶剤で使用することも可能である。
【0019】本発明の水溶性粘着剤組成物の塗工方法と
しては、各種のロールコーター、ナイフコーター等によ
る基材への直接塗工の他に、表面離型処理フィルムまた
は表面処理剥離紙に塗工後、乾燥させて粘着剤層を形成
した後、テープ基材に圧着して転写する方法や、溶剤を
含まない水溶性粘着剤組成物を加熱溶融し、ホットメル
ト塗工する方法等が挙げられる。基材としては、含浸
紙、コート紙、上質紙、クラフト紙、和紙、合成紙、プ
ラスチックフィルムなどが挙げられ、使用目的に応じて
適宜選択して使用することができる。
【0020】ハンダマスキング用粘着テープの基材とし
ては、かなりの高温領域での耐熱性が要求されるため、
耐熱基材を使用することが好ましい。このような耐熱基
材としては、例えば、耐熱樹脂含浸クレープ紙、ポリエ
チレン等の樹脂をラミネートしたクレープ紙(粘着剤を
介してラミネートしたものを含む)、不織布、和紙、ポ
リエチレン等の樹脂をラミネートした不織布(粘着剤を
介してラミネートしたものを含む)等の紙基材、ポリイ
ミド系フィルム、ポリエーテルエーテルケトン系フィル
ム、アラミド系フィルム等のフィルム基材が挙げられ
る。
【0021】建築マスキング用テープの基材としては、
和紙、不織布、混抄紙等の繊維質基材を用いることが好
ましい。具体的には、ミツマタ、コウゾ、各種木材チッ
プ、マニラ麻、亜麻、リンター、ケナフ、羊毛等の天然
繊維、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、
ビニロン、レーヨン等の合成繊維等が挙げられ、これら
は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を混抄して使用
することができる。繊維質基材の坪量は、5〜45g/
2の範囲が好ましく、より好ましくは7〜40g/m2
の範囲である。坪量が7g/m2未満では、基材として
の強度が出ずに、ちぎれたり、破れたりし易くなる。坪
量が45g/m2を越えると、紙質が強くなり、マスキ
ングする面の凹凸に十分に追随できず紙浮きを生じ易く
なる。
【0022】繊維質基材は、その表面が一様ではなく、
所々に単繊維が飛び出していることがあり、これを基材
として用いた粘着テープをそのままで巻重体にすると、
粘着面に繊維の突起部分が絡まり、層割れを起こす原因
となってしまう。この問題を解決するために、繊維質基
材の背面側に、予め目止め剤をコートすることが好まし
い。確実なマスキング性能を得るために、用途に応じて
目止め剤の種類を選択することがより好ましい。例え
ば、養生時の耐水性が要求される場合には、アクリル酸
エステルを主体とする目止め剤を用い、プライマー処理
時の耐トルエン性が必要とされる場合には、エチレン−
酢酸ビニル共重合体(EVA)や酢酸ビニル樹脂を目止
め剤として用いることが好ましい。目止め剤のコート加
工では、各種のロールコーター、ナイフコーター、バー
コーターによる直塗が可能であり、適量を塗布後、乾燥
することにより目的に応じた皮膜を得ることができる。
【0023】さらに、巻重体の展開性を軽くして、良好
な作業性を得るために、目止め処理層の上から離型剤を
塗布してもよい。離型剤としては、目止め剤と良好なア
ンカー性を持ち、かつ、表面張力の低いものがよく、例
えば、長鎖アルキル系のポリマー、シリコン系ポリマー
等が好ましい。これらの離型剤は、ダイレクト塗工する
か、あるいは溶剤溶解、水分散により得られた溶液を、
ロールコーター、ナイフコーター、バーコーターにて塗
布後、乾燥して溶媒を飛ばして、目的とする離型層を形
成することができる。本発明の水溶性粘着剤組成物は、
基材の片面に塗工して、各種マスキング用粘着テープと
して好適に用いることができるが、所望により、各種用
途の粘着テープとしても使用可能である。
【0024】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明に
ついてより具体的に説明するが、本発明は、これらの実
施例のみに限定されるものではない。
【0025】[実施例1〜6]水溶性粘着剤組成物の調製 ポリ−N−ビニルピロリドン(BASF社製、品番K−
120、GPCによる重量平均分子量約200万)10
0重量部に対して、表1に示す割合(重量部)で、ヒド
ロキシプロピル化スターチ〔松谷化学(株)社製、商品
名ソルビトーゼ650〕、トリエタノールアミン〔日本
触媒(株)社製〕、ポリエチレンイミン〔日本触媒
(株)社製、商品名エポミンP−1000〕、イソプロ
ピルアルコール、及びイオン交換水を配合し、充分に撹
拌して水溶性粘着剤組成物を含有するイソプロピルアル
コール/水混合溶液を得た。
【0026】粘着テープの作成 上記で得た各水溶性粘着剤組成物の溶液を、耐熱樹脂を
片面にコートしたクレープ紙(坪量45g/m2)のコ
ート面とは反対側の面に塗工し、110℃のオーブン中
で7分間乾燥させることにより、水溶性粘着剤組成物か
らなる粘着剤層(厚さ30μm)が形成された粘着テー
プを作成した。得られた各粘着テープについて、ハンダ
マスキング用粘着テープとしての物性評価試験を行っ
た。結果を表1に示す。
【0027】[比較例1〜8]表1の比較例1〜8に示
す配合処方により、実施例1〜6と同様にして、粘着剤
組成物の溶液を調製し、粘着テープを作成した。得られ
た各粘着テープの評価結果を表1に示す。
【0028】物性の測定方法は、次のとおりである。 (1)粘着力(g/18mm) 18mm巾にカットした粘着テープを、温度23℃、湿
度65%下に、ガラス板に圧着し、20分間放置した
後、180度角にて剥離したときの剥離力(粘着力)を
測定した。 (2)加熱ローラー後粘着力(g/18mm) 上記と同様にして作成した貼付サンプルを更に120℃
のラミネーターを通過させて圧着し、20分放置した
後、180度角にて剥離したときの粘着力を測定した。 (3)ハンダマスキング性(%) 20mm巾にカットした粘着テープをプリント基板上に
貼付し、更に120℃のラミネーターを通過させて圧着
してハンダマスキング性試験片を得た。この試験片を撹
拌状態にある250℃ハンダ浴中に10秒間浸漬し、ハ
ンダの最大浸み込み巾を測定して、テープ巾に対する割
合(%)を算出した。 (4)糊残り性(%) 上記ハンダマスキング性試験後、プリント基板から粘着
テープを剥離し、貼付面積に対する粘着剤残渣の面積を
測定し、その割合(%)を算出した。 (5)水洗浄性 上記ハンダ浸漬後の糊残り性試験後、プリント基板上の
粘着剤残渣をブラシにより水中で洗浄し、洗浄作業の良
否を評価した。
【0029】
【表1】 (脚注)表1中、「−」は、粘着テープに粘着力がない
ため、測定できなかったことを示す。
【0030】[実施例7〜12]表2の実施例7〜12
に示す配合処方により、実施例1〜6と同様にして、粘
着剤組成物の溶液を調製した。得られた粘着剤組成物
を、坪量31g/m2のパルプとマニラ麻の混抄紙の片
面に酢酸ビニル樹脂を目止め剤に用いた繊維質基材の目
止め剤コート面とは反対側の面に、塗布し、乾燥して、
粘着剤層の厚さ30μmの粘着テープを作成した。各粘
着テープの評価結果を表2に示す。
【0031】[比較例9〜16]表2の比較例9〜16
に示す配合処方により、実施例7〜12と同様にして、
粘着剤組成物の溶液を調製し、粘着テープを作成した。
各粘着テープの評価結果を表2に示す。
【0032】物性の測定方法は、次のとおりである。 (1)粘着力(g/18mm) 18mm巾にカットした粘着テープを、温度23℃、湿
度65%下に、ガラス板に圧着し、20分間放置した
後、180度角にて剥離したときの剥離力(粘着力)を
測定した。 (2)湿潤粘着力(g/18mm) ガラス板を−5℃にて1時間冷却後、温度23℃、湿度
65%の雰囲気下に出し、1分間放置後、結露状態で上
記と同様のサンプルを圧着し、20分間放置した後、1
80度角にて剥離したときの剥離力(粘着力)を測定し
た。 (3)耐候粘着力(g/18mm) 18mm巾にカットした粘着テープを、温度23℃、湿
度65%下に、ガラス板に圧着し、直射日光の当たる南
面に1週間放置した後、180度角にて剥離したときの
剥離力(粘着力)を測定した。 (4)糊残り 耐候粘着力の評価後、ガラス板上の糊残りの有無を判定
した。 (5)水拭き性能 粘着剤が残ったガラス板について、水を含ませたブラシ
で擦り、落とせるか否かを確認した。
【0033】
【表2】 (脚注)表2中、「−」は、粘着テープに粘着力がない
ため、測定できなかったことを示す。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、水溶性で、長いポット
ライフを有し、塗布適性に優れ、良好な粘着性、湿潤粘
着性、耐候粘着性、耐熱性を有し、熱履歴後の再剥離時
に糊残りが少なく、被着体に対する粘着剤残渣の水洗浄
性や水拭き性が良好な水溶性粘着剤組成物、及び該水溶
性粘着剤組成物からなる粘着剤層が形成されたマスキン
グ用粘着テープが提供される。本発明のマスキング用テ
ープは、良好な粘着性と耐熱性を有し、熱履歴後の再剥
離時に糊残りが少なく、被着体に対する粘着剤残渣の水
洗浄性が良好であるため、ハンダマスキング用テープと
して好適である。また、繊維質基材の片面に粘着剤層を
設けた本発明のマスキング用テープは、被着面に水分が
あってもマスキング作業を行える粘着力を有し、かつ、
耐候性に優れ、さらには、万一再剥離の際に糊残りを生
じても水拭きで簡単に粘着剤を除去できるため、建築マ
スキング用テープとして好適である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09J 7/02 JKK JLF 103/04 JAF 139/06 JDF 179/02 JGD

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)常温水に溶解可能な水溶性ポリマ
    ー100重量部に対して、(b)澱粉類1〜100重量
    部、(c)アルカノールアミン及びポリエーテルポリオ
    ールからなる群より選ばれる少なくとも1種の水溶性可
    塑剤20〜150重量部、及び(d)ポリエチレンイミ
    ン2〜150重量部を含有せしめてなる水溶性粘着剤組
    成物。
  2. 【請求項2】 (a)ポリ−N−ビニルピロリドン10
    0重量部に対して、(b)ヒドロキシプロピル化スター
    チ1〜100重量部、(c)トリエタノールアミン20
    〜150重量部、及び(d)ポリエチレンイミン2〜1
    50重量部を含有せしめてなる請求項1記載の水溶性粘
    着剤組成物。
  3. 【請求項3】 基材の片面に、請求項1または2記載の
    水溶性粘着剤組成物からなる粘着剤層が形成されたマス
    キング用粘着テープ。
JP25528294A 1994-10-20 1994-10-20 水溶性粘着剤組成物及びマスキング用粘着テープ Pending JPH08120251A (ja)

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