JP3292616B2 - フェノール樹脂および樹脂組成物 - Google Patents

フェノール樹脂および樹脂組成物

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JP3292616B2
JP3292616B2 JP02066695A JP2066695A JP3292616B2 JP 3292616 B2 JP3292616 B2 JP 3292616B2 JP 02066695 A JP02066695 A JP 02066695A JP 2066695 A JP2066695 A JP 2066695A JP 3292616 B2 JP3292616 B2 JP 3292616B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフェノール樹脂、フェノ
ール樹脂組成物、エポキシ樹脂組成物及び積層板用エポ
キシ樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】最近の電子産業を中心とする科学技術の
急速な進歩に伴い、各電子機器の性能及びその各原料に
対する要求性状は増々厳しくなっており、例えば積層
板、半導体封止材等に用いるフェノール樹脂も例外では
ない。ヘキサメチレンテトラミン等の硬化剤を使用した
フェノール樹脂成型材料は、各種電気製品やブレーキ材
等に使用されている。しかし、一般に用いられているフ
ェノールノボラック樹脂やビスフェノールA型フェノー
ル樹脂は吸湿性が高いため、電気部品等として長期間用
いた場合、吸湿により絶縁性が低下するという問題が指
摘されている。また、耐熱性の点でも、250℃以上の
温度で長期間熱処理すると機械強度の劣化が著しいとい
う問題がある。例えばブレーキ材として使用した場合、
ブレーキの長時間使用による急激な温度上昇により耐熱
性が不十分な樹脂成分が分解して、ブレーキの効きが低
下する等の問題がある。上記の問題点を改良する目的
で、ジシクロペンタジエンとフェノール類の共重合体が
提案されているが(特開平5−70668号公報)、反
応性が悪く耐熱性も十分ではない。
【0003】高速電子機器の分野においては近年、電子
素子の高密度化、信号の高速化、高周波数化に伴い信号
の遅延と装置の発熱が問題になっている。信号の遅延時
間は使用するプリント配線板材料の比誘電率の平方根に
比例して大きくなるため、高速電子機器のプリント配線
板材料としては、誘電率の低いものが求められている。
一般に広く用いられているガラス布を基材とするエポキ
シ樹脂系積層板は誘電率が4.5〜5.0とかなり大き
く、高速電子機器用、高周波機器用としては不十分であ
る。そこで誘電率を低くするために、ポリエチレン、ポ
リテトラフルオロエチレン、ポリフェニレンオキサイ
ド、ポリスルホン等を用いた積層板が開発されている。
しかし、これらは熱可塑性樹脂であるため、強度または
半田耐熱性が十分でないという問題がある。エポキシ樹
脂系積層板は一般的にはノボラックエポキシ樹脂を主成
分とし、難燃化を目的として臭素化エポキシ樹脂を配合
して製造されているが、このような従来の積層板は主原
料のノボラックエポキシ樹脂の構造に起因して誘電特性
が悪く、昨今の電子機器の要求には対応できなくなって
いる。そこで、これを改善し高速電子機器及び高周波機
器に適したプリント基板を製造する方法としてフェノー
ル類付加ブタジエン低(共)重合体またはそのエポキシ
樹脂を利用する方法がいくつか提案されている。ビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂及び/又はノボラックエポキ
シ樹脂にフェノール類付加ブタジエン低(共)重合体を
配合した組成物(特開平1−163256号公報)は、
フェノール類付加ブタジエン低(共)重合体が低誘電率
であるため積層板の誘電特性は大幅に改善される。しか
し、フェノール類付加ブタジエン低(共)重合体の分子
量が大きく、この樹脂のワニスの粘度が大きいために、
シート状基材に含浸乾燥してプリプレグを作成するとき
にプリプレグ表面が発泡し、成形した積層板内にボイド
ができやすいという問題がある。また、この基板は金属
箔との接着性や耐熱性が十分でない等の問題も指摘され
ている。ワニス粘度の低下のために、フェノール類付加
ブタジエン低(共)重合体に軟化点の低いフェノール類
付加ジシクロペンタジエン樹脂を配合した組成物(特開
平5−156130号公報)が提案されているが、ジシ
クロペンタジエン変性樹脂は反応性が低いため、これら
のフェノール付加体の混合物を使用した積層板は耐熱性
が十分でないという重大な欠点がある。
【0004】現在、上記の目的を達成すべく現行のフェ
ノール樹脂に代わる新たな樹脂が数多く提案されている
が、すべての特性を満たす樹脂は未だその開発に成功し
ていないのが現状である。積層板と同じく半導体関連の
技術の進歩もめざましく、半導体の集積度は増々向上
し、それに伴い配線の微細化とチップサイズの大型化が
進んでいる。半導体のメモリーの集積度の向上ととも
に、実装方法もまたスルーホール実装から表面実装への
移行が進んでいる。表面実装の自動化ラインでは、リー
ド線の半田付けの際に半導体パッケージが急激な温度変
化を受け、このため樹脂成形部にクラックが生じたり、
リード線と樹脂との間の界面が劣化し、この結果として
耐湿性が低下するという問題がある。前述の問題を解決
するため、半導体パッケージを半田浴に浸漬した際の熱
衝撃を緩和する各種方法が提案されている。例えば、シ
リコーン化合物を添加する方法、熱可塑性オリゴマーを
添加する方法あるいはシリコーン変性する方法等が提案
されているが、いずれも半田浸漬後、成形物にクラック
が生じてしまい信頼性のある半導体封止用樹脂組成物が
得られるには至っていない。半導体封止用樹脂組成物の
硬化剤であるフェノール樹脂は、従来のノボラックフェ
ノール樹脂やノボラッククレゾール樹脂に代えて耐湿性
に優れたジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂やp
−キシリレン型フェノール樹脂等が提案されているが、
その効果は充分ではなく、半田浴浸漬後のクラックの発
生はなお避けられないという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、特定
のフェノール樹脂、フェノール樹脂組成物、エポキシ樹
脂組成物及び積層板用エポキシ樹脂組成物を提供し、電
気特性、耐湿性、密着性等の上記の各課題を満足させる
ことである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を満足させるために鋭意検討した結果、フェノール類
と反応させる原料のオレフィン類として、共役ジエン類
の重合体と炭素数4〜15の炭化水素ジエン類を必須成
分とするオレフィンを用いることにより新しいフェノー
ル樹脂及び優れた特徴を有する該フェノール樹脂の組成
物を見い出すことに成功した。 すなわち本発明によれ
ば、酸触媒の存在下、炭素数4〜5の共役ジエン類の重
合体10〜90重量%及び炭素数4〜15の炭化水素ジ
エン類90〜10重量%からなるオレフィン類に、フェ
ノール類を付加して得られたフェノール樹脂(以下、
「フェノール樹脂1」という。)が提供される。また本
発明によれば、前記フェノール樹脂1及び硬化剤を必須
成分とするフェノール樹脂組成物(以下、「フェノール
樹脂組成物1」という。)が提供される。また本発明に
よれば、エポキシ樹脂及び前記フェノール樹脂1を必須
成分とするエポキシ樹脂組成物(以下、「エポキシ樹脂
組成物1」という。)が提供される。また本発明によれ
ば、エポキシ樹脂及び前記フェノール樹脂1を必須成分
とする積層板用エポキシ樹脂組成物(以下、「積層板用
エポキシ樹脂組成物1」という。)が提供される。
【0007】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明のフェノール樹脂1の製造に用いる炭素数4〜5の
共役ジエン類の重合体の数平均分子量は特に制限はない
が、300〜3000、好ましくは500〜2000が
望ましい。炭素数4〜5の共役ジエン類の重合体の具体
例としては、炭素数4〜5の共役ジエン類の単独重合
体、炭素数4〜5の共役ジエン類の共重合体又は炭素数
4〜5の共役ジエン類と芳香族ビニルモノマー等との共
重合体等を挙げることができる。炭素数4〜5の共役ジ
エン類の具体例としてはブタジエン、イソプレン、ピペ
リレン等が挙げられる。また芳香族ビニルモノマーの具
体例としてはスチレン、α−メチルスチレン、ビニルト
ルエン等が挙げられる。炭素数4〜5の共役ジエン類の
共重合体及び炭素数4〜5の共役ジエン類と芳香族ビニ
ルモノマー等との共重合体等の具体例としては、ブタジ
エンに対して通常3〜40モル%、好ましくは5〜30
モル%のイソプレン、ピペリレン等の共役ジオレフィン
又はスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等
の芳香族ビニルモノマーを共重合させたもの等を使用す
ることができる。
【0008】前記炭素数4〜5の共役ジエン類の重合体
は公知の方法で製造できる。例えばアルカリ金属又は有
機アルカリ金属化合物を触媒として、炭素数4〜5の共
役ジエン類を0〜100℃の温度でアニオン重合させる
方法等により製造することができる。この場合、分子量
を制御し、ゲル分等の少ない淡色の重合体を得るために
は、ベンジルナトリウム等の有機アルカリ金属化合物を
触媒とし、アルキルアリール基を有する化合物、例えば
トルエン等を連鎖移動剤とする連鎖移動重合法(特公昭
54−15586号公報)、テトラヒドロフラン溶媒中
でナフタレン等の多環芳香族化合物を活性剤とし、ナト
リウム等のアルカリ金属を触媒とするリビング重合法
(特公昭43−27432号公報)、トルエン、キシレ
ン等の芳香族炭化水素を溶媒とし、ナトリウム等のアル
カリ金属の分散体を触媒とし、ジオキサン等のエーテル
類を添加して分子量を制御する重合法(特公昭32−7
446号公報、特公昭34−10188号公報、特公昭
38−1245号公報)又はコバルト、ニッケル等の第
VIII族金属のアセチルアセナート化合物及びアルキルア
ルミニウムハロゲニドを触媒とする配位アニオン重合法
(特公昭45−507号公報、特公昭46−80300
号公報)等の方法が好ましい。
【0009】本発明のフェノール樹脂1の製造に用いる
炭素数4〜15の炭化水素ジエン類としては、ブタジエ
ン、イソプレン、ピペリレン、シクロペンタジエン、
1,5−ヘキサジエン、シクロヘキサジエン、ノルボル
ナジエン、4−ビニルシクロヘキセン、シクロオクタジ
エン、5−ビニル−ノルボルナ−2−エン、5−エチリ
デン−ノルボルネン、3a,4,7,7a−テトラヒド
ロインデン、ジシクロペンタジエン、メチルジシクロペ
ンタジエン、トリシクロペンタジエン、イソプレンの2
又は3量体、リモネン等のテルペン類等を挙げることが
でき、さらにこれらのジエン類と同様な反応性を有する
α−ピネン、β−ピネンも使用することができる。ま
た、これらのジエン類を2種以上混合して使用すること
もできる。以降、前記炭素数4〜5の共役ジエン類の重
合体及び炭素数4〜15の炭化水素ジエン類を「オレフ
ィン類A」と総称する。
【0010】前記炭素数4〜5の共役ジエン類の重合体
と炭素数4〜15の炭化水素ジエン類との混合割合は、
重量比で10:90〜90:10、好ましくは15:8
5〜85:15であるのが望ましい。炭素数4〜15の
炭化水素ジエン類がこの範囲より多いと、本発明のフェ
ノール樹脂を使用した各組成物の硬化物の誘電特性の低
下が著しく、この範囲より少ないと、各硬化物の誘電特
性は向上するものの、耐熱性が低下する。
【0011】本発明のフェノール樹脂1の製造に用いる
フェノール類の具体例としては、フェノール、o−クレ
ゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,4−ジ
メチルフェノール、2,6−ジメチルフェノール、ナフ
トール、フェニル−フェノール、ブロム化フェノール、
2−メチルハイドロキノン、レゾルシン、カテコール、
ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノー
ル、ジヒドロキシナフタレン等が挙げられ、経済性及び
製造上の問題を考慮すると、フェノール、クレゾール、
キシレノール等が特に好ましい。前記フェノール類は、
オレフィン類Aの二重結合の合計の当量数の1.2倍当
量以上、好ましくは1.2〜20倍当量、さらに好まし
くは2.5〜12倍当量使用することが好ましい。
【0012】本発明のフェノール樹脂1の製造に用いる
酸触媒の具体例としては、三フッ化ホウ素;または三フ
ッ化ホウ素・エーテル錯体、三フッ化ホウ素・フェノー
ル類錯体等の三フッ化ホウ素錯体等;フルオロアルキル
スルホン酸、フルオロアルキルカルボン酸、アリールス
ルホン酸等が挙げられる。酸触媒の使用量は特に限定さ
れないが、オレフィン類A100gあたり5〜50ミリ
モル、好ましくは10〜20ミリモルが望ましい。
【0013】本発明のフェノール樹脂1の製造において
、未反応のフェノール類が反応溶媒の役割をするの
で、反応溶媒を特に添加する必要はないが、反応系の粘
度を下げる目的で少量の不活性溶媒、例えばトルエン、
キシレン等の炭化水素やクロロベンゼン、ジクロロエタ
ン等のハロゲン溶剤を使用することができる。本発明の
フェノール樹脂1の製造では、前記酸触媒の存在下、オ
レフィン類Aにフェノール類を付加反応させるが、この
場合の反応温度は特に制限はなく、通常50〜180
℃、好ましくは70〜140℃で行なうのが望ましい。
反応温度が50℃未満の場合には反応速度が遅延し、ま
た反応温度が180℃を超えると触媒が分解し、腐食性
ガスを発生したり、得られる樹脂が着色する等の問題が
生じる可能性がある。本発明のフェノール樹脂1の製造
おいては、オレフィン類Aの2つの成分である炭素数
4〜5の共役ジエン類の重合体及び炭素数4〜15の炭
化水素ジエン類へのフェノール類の付加反応以外に、炭
素数4〜5の共役ジエン類の重合体の分子内の環化反応
が併発するので、反応系の反応熱は非常に高い。したが
って、反応温度を制御するために、オレフィン類Aを、
フェノール類と酸触媒とからなる系に逐次添加する方法
で反応させるのが最も好ましい。本発明のフェノール樹
脂1の製造において、オレフィン類の二重結合を完全に
反応させ、反応中間体であるエーテル付加体からアルキ
ル付加体への反応を円滑に進めるためには、反応系中の
水分量を低く制御することが好ましく、通常100重量
ppm以下、好ましくは60重量ppm以下とするのが
望ましい。水分量が100重量ppmを超えると二重結
合を実質的になくすことが難しくなり、得られるフェノ
ール樹脂1を使用した硬化物の耐熱性が低下する可能性
がある。
【0014】本発明のフェノール樹脂1は、軟化点が通
常90〜200℃、好ましくは70〜180℃、水酸基
当量が通常130〜700g/グラム当量、好ましくは
180〜600g/グラム当量であるのが望ましい。
発明においては、炭素数4〜5の共役ジエン類の重合体
とフェノール類とが反応したフェノール樹脂、及び炭素
数4〜15の炭化水素ジエン類とフェノール類とが反応
したフェノール樹脂も一部生成するが、大部分は、炭素
数4〜5の共役ジエン類の重合体、炭素数4〜15の炭
化水素ジエン類及びフェノール類が反応したフェノール
樹脂1が生成する。このことが後述する本発明のフェノ
ール樹脂1を用いた各組成物が従来の樹脂にない優れた
特性を示す理由と考えられる。
【0015】発明のフェノール樹脂組成物1は、前記
フェノール樹脂1と硬化剤とを必須成分とする。該硬化
剤としては、フェノール成形材料に使用される公知の硬
化剤等が使用できる。具体的には、ヘキサメチレンテト
ラミン、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、1,3
−ジオキソラン、4−フェニル−1,3−ジオキソラ
ン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、ジビニルベン
ゼン等が挙げられるが、ヘキサメチレンテトラミンが特
に好ましい。硬化剤の配合割合は、フェノール樹脂1
100重量部に対し、通常3〜20重量部、好ましくは
8〜17重量部が望ましい。硬化剤が3重量部未満で
は、硬化反応が十分進まないため、機械的強度及び耐熱
性が不十分で好ましくない。20重量部を超えると、硬
化する際にふくれが生じて好ましくない。
【0016】本発明のフェノール樹脂組成物1において
、他の公知のフェノール樹脂を併用してもよい。具体
的には、ビスフェノールA型フェノール樹脂、ノボラッ
ク型フェノール樹脂、オルソクレゾールノボラック型樹
脂、ビスフェノールAノボラック型フェノール樹脂、臭
素化フェノールノボラック型フェノール樹脂、ナフトー
ルノボラック型フェノール樹脂、トリヒドロキシフェニ
ルメタン、キシリレン型フェノール樹脂、炭素数4〜1
5のジエン類とフェノールとの反応物である炭化水素−
フェノール樹脂、テトラヒドロキシフェニルメタン等の
3官能又は4官能エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0017】本発明のフェノール樹脂組成物1を得るた
めにフェノール樹脂1と硬化剤を混合する方法は、特に
制限がないが、例えばフェノール樹脂1を製造した後、
硬化剤を添加してハンマーミル等を用いて粉砕しながら
混合する方法、フェノール樹脂1をハンマーミル等を用
いて粉砕した後、硬化剤を添加してリボンブレンダー等
を用いて混合する方法、フェノール樹脂1と硬化剤とを
ニーダー、ロール、ミキサー等を用いて80〜170℃
において加熱混合した後、粉砕する方法等が挙げられ
る。
【0018】本発明のエポキシ樹脂組成物1では、エポ
キシ樹脂と前記フェノール樹脂1とを必須成分とする。
該エポキシ樹脂としては、公知のエポキシ樹脂を使用す
ることができる。例えばビスフェノールAジグリシジル
エーテル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポ
キシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹
脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビス
フェノールFノボラック型エポキシ樹脂、臭素化フェノ
ールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック
型エポキシ樹脂、トリグリシジルエーテルトリフェニル
メタン、テトラグリシジルエーテルテトラフェニルメタ
ン等の3官能又は4官能エポキシ樹脂等が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。具体的には、ノ
ボラックエポキシ樹脂としては、商品名「エピクロンN
−660」(大日本インキ化学工業(株)製)、商品名
「スミエポキシESCN−195X」(住友化学工業
(株)製)、商品名「QUATREX2410」(ダウ
ケミカル(株)製)、商品名「EOCN−100」、臭
素化ノボラックエポキシ樹脂;「BRENS」(日本化
薬(株)製)、臭素化ビスA型エポキシ樹脂;商品名
「YDB−400」(東都化成(株)製)、商品名「Y
DCN−702P」(東都化成(株)製)、特殊エポキ
シ樹脂としては、商品名「YX−4000」(油化シェ
ルエポキシ(株)製)、商品名「EPICLON EX
A−1514」、「EPICLONHP−4032」、
「EPICLON EXA−1857」(大日本インキ
化学工業(株)製)、商品名「エピコート157S6
5」、「エピコートYL933」(油化シェルエポキシ
(株)製)、商品名「VG−3101」(三井石油化学
(株)製)、3官能又は4官能エポキシ樹脂としては、
商品名「ELMー434」(住友化学工業(株)製)等
の特殊エポキシ樹脂又はこれらの特殊エポキシ樹脂に塩
素原子や臭素原子等のハロゲン原子を導入したエポキシ
樹脂等を挙げることができる。使用に際しては単独もし
くはこれらのエポキシ樹脂の2種類以上の混合物として
用いることもできる。
【0019】エポキシ樹脂組成物1において、エポキシ
樹脂に対するフェノール樹脂1の配合割合は、エポキシ
樹脂を硬化せしめる量であればよく、特に限定されない
が、エポキシ樹脂の一分子中に含まれるエポキシ基の数
と、フェノール樹脂1の水酸基の数が当量付近となる量
であるのが好ましい。具体的にはエポキシ樹脂の一分子
中に含まれるエポキシ基の数と、フェノール樹脂1の水
酸基の数の割合が1:0.5〜0.5:1、好ましくは
0.7:1〜0.7:1であるのが望ましい。また、硬
化に当たっては本明細書中に記載される公知のフェノー
ル樹脂、他の硬化剤、硬化促進剤及び無機充填剤等を適
宜使用してもよい。
【0020】硬化促進剤としては、例えば第三級ホスフ
ィン類、イミダゾール類、第三級アミン類等を挙げるこ
とができる。具体的には、第三級ホスフィン類として
は、例えばトリエチルホスフィン、トリブチルホスフィ
ン、トリフェニルホスフィン等を挙げることができる。
また第三級アミン類としては、例えばジメチルエタノー
ルアミン、ジメチルベンジルアミン、2,4,6−トリ
ス(ジメチルアミノ)フェノール、1,8−ジアザビシ
クロ[5.4.0]ウンデセン等を挙げることができ
る。更にイミダゾール類としては、例えば2−エチル−
4−メチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾー
ル、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾ
ール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1−ビニル−2
−メチルイミダゾール、1−プロピル−2−メチルイミ
ダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、1−シアノ
エチル−2−エチルイミダゾール、1−シアノエチル−
2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチ
ル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−
2−フェニルイミダゾール、2−フェニルイミダゾー
ル、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−フェ
ニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5
−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4
−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール等を挙げ
ることができる。特に2−メチルイミダゾール、ジアザ
ビシクロウンデセン、トリフェニルホスフィン、ジメチ
ルベンジルアミン等を好ましく挙げることができ、使用
に際しては単独若しくは混合物として用いることができ
る。無機充填剤としては、一般にシリカ粉末充填剤、タ
ルク、石英、アルミナ、硫酸バリウム等が挙げられる。
【0021】本発明のエポキシ樹脂組成物1は、積層板
用、半導体封止材用等に用いることができる。エポキシ
樹脂組成物1を積層板用として用いる場合、通常の積層
板組成物に配合されるような前述の硬化促進剤、積層板
用溶剤、フィラー等をその硬化物性が低下しない範囲で
配合することができる。積層板用溶剤としては、例えば
メチルエチルケトン、アセトン、エチレングリコールモ
ノエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、キシレン、
トルエン等が挙げられる。
【0022】エポキシ樹脂組成物1を用いて積層板を製
造するには、従来使用されている公知の方法を用いるこ
とができる。例えばエポキシ樹脂組成物1に、積層板用
溶剤を添加、溶解して樹脂ワニスとした後、該樹脂ワニ
スを、樹脂含量が、例えば50重量%等の所望の量にな
るように積層板用溶剤で希釈してガラス布に含浸し、加
熱乾燥してB−ステージ状のプリプレグを得る。次い
で、このプリプレグを所定枚数重ねて加熱加圧すれば接
着性及び加工性に優れた積層板が得られる。またその積
層成形時に、必要に応じて銅箔等の金属箔を積層させて
もよい。
【0023】
【発明の効果】本発明のフェノール樹脂は各オレフィン
成分、すなわち炭素数4〜5の共役ジエン類の重合体お
よび炭素数4〜15の炭化水素ジエン類をそれぞれ単独
で用いて得られる樹脂あるいはそれらを単に混合した樹
脂とは、構造が異なることは勿論、特性も著しく異な
り、該フェノール樹脂より得られるフェノール樹脂組成
物、エポキシ樹脂組成物および積層板用エポキシ樹脂組
成物の硬化物は、誘電率および誘電正接等の電気特性、
耐熱性、密着性および耐吸湿性に優れている。 また本発
明のフェノール樹脂は、水酸基含量が少ないため、該フ
ェノール樹脂を用いて得られる硬化物は耐吸湿性に優
れ、また水酸基のまわりの疎水性基の嵩高さが低いため
反応性に優れており、反応性、耐吸湿性、作業性及び経
済性のバランスに優れている。そのため、各種成形材
料、電気部品、積層材料、塗料、接着剤、摩擦材等の産
業上広い分野で用いられる。また、成形材料以外として
も封止材用エポキシ樹脂組成物、積層板用エポキシ樹脂
組成物の硬化剤等として用いることができる。本発明の
エポキシ樹脂組成物は、耐熱性、接着性及び耐湿性等に
優れているので、積層板用エポキシ樹脂組成物として用
いる場合、遠赤外線、赤外線、ハンダ付け等による加熱
によって生じるミーズリング現象や層間剥離が生じるこ
とがなく、更には反りが極めて少なく、寸法安定性、ス
ルーホールの接着信頼性に優れ、ドリル加工性も良好に
することができる。さらに本発明のエポキシ樹脂組成物
を用いると、電気特性に優れた積層板を製造できるとい
う特徴を有する。すなわち高速電子機器用、高周波機器
用プリント基板を製造するためには誘電特性を向上させ
ることが必須であり、誘電特性は使用するエポキシ樹脂
の構造に依存することが知られているが、本発明による
エポキシ樹脂組成物を使用した積層板は、誘電特性が非
常に優れている。また半導体封止材用として使用する場
合、得られる硬化物の耐湿性が非常に良好で、またガラ
ス転移点が高いため耐熱性に優れている。従って硬化物
は耐熱性に優れており、リード線の半田付けの際に半導
体パッケージが急激な温度変化を受けても、樹脂成形部
にクラックが生じたり、リード線と樹脂との間の界面が
劣化したりすることがまったくなく、更には機械的物性
や電気特性等にも優れている。本発明のフェノール樹脂
は上記のような特性を有しているため、ポジ型レジスト
にも使用でき、例えばポジ型感光性を有する官能基を導
入するための原料樹脂、アルカリ可溶性樹脂及び溶解性
調節剤等にも使用することができる。
【0024】
【実施例】以下合成例、実施例及び比較例により更に詳
細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。実施例1 フェノール樹脂(A)の合成 フェノール1515gとトルエン300gとを、還流冷
却器及びリービッヒコンデンサー付きの5リットル反応
器に仕込み、170℃で加熱還流した後、トルエン25
0gを留出し、系内の水分を60ppmとした。次い
で、系を80℃まで冷却し、三フッ化ホウ素・フェノー
ル錯体10gを添加したのち、反応温度を80℃に制御
しながら、予め混合しておいた水分が20ppmのポリ
ブタジエン(日本石油化学(株)製、数平均分子量70
0、商品名「日石ポリブタジエンB−700」)150
gとジシクロペンタジエン160gとの混合物を、1.
5時間かけて徐々に滴下した。滴下終了後80℃で2.
5時間、加熱、撹拌した。反応終了後、協和化学工業
(株)製のマグネシウム化合物商品名「KW−100
0」60gを添加し、30分間撹拌して触媒を失活させ
たのち、セライトを敷き詰めた濾紙を用いて反応液を濾
過した。得られた透明な濾液を230℃で減圧蒸留し、
フェノール樹脂(A)540gを得た。得られたフェノ
ール樹脂(A)は軟化点が120℃であった。またフェ
ノール性水酸基の含有量を無水酢酸でアセチル化後、逆
滴定により分析したところ、フェノール性水酸基量は2
16g/グラム当量(eq)であった。
【0025】実施例2 フェノール樹脂(B)の合成 フェノールの代わりにo−クレゾール1728gを用
い、ポリブタジエンとジシクロペンタジエンとの混合物
を、ポリブタジエン(日本石油化学(株)製、数平均分
子量700、商品名「日石ポリブタジエンB−70
0」)150g/ジシクロペンタジエン144g/イソ
プレン16gの混合割合に変更した以外は実施例1と全
く同じ方法で反応を行い、フェノール樹脂(B)を58
0g得た。得られたフェノール樹脂(B)は軟化点が1
08℃で、フェノール性水酸基当量は204g/eqで
あった。
【0026】実施例3 フェノール樹脂(C)の合成 フェノール1515gとトルエン300gとを、還流冷
却器及びリービッヒコンデンサー付きの5リットル反応
器に仕込み、170℃で加熱還流した後、トルエン25
0gを留出し、系内の水分を60ppmとした。次い
で、系を70℃まで冷却し、三フッ化ホウ素・フェノー
ル錯体4gを添加したのち、反応温度を80℃に制御し
ながら、予め混合しておいた水分が20ppmのポリブ
タジエン(日本石油化学(株)製、数平均分子量100
0、商品名「日石ポリブタジエンB−1000」)15
0gとビニルシクロヘキセン160gとの混合物を、
1.5時間かけて徐々に滴下した。滴下終了後70℃で
1.0時間、加熱撹拌した。反応終了後、協和化学工業
(株)製のマグネシウム化合物商品名「KW−100
0」20gを添加し、30分間撹拌して触媒を失活させ
たのち、セライトを敷き詰めた濾紙を用いて反応液を濾
過した。得られた透明な濾液を190℃で減圧蒸留し、
フェノール樹脂(C)525gを得た。得られたフェノ
ール樹脂(C)は軟化点が98℃であった。フェノール
性水酸基量は367g/グラム当量であった。
【0027】実施例4 フェノール樹脂(D)の合成 ポリブタジエンをブタジエン80モル%/イソプレン1
0モル%/スチレン10モル%からなる数平均分子量2
000の共重合体150gに、またジシクロペンタジエ
ンをリモネン150gに代えた以外は実施例1と全く同
じ方法で反応を行い、フェノール樹脂(D)525gを
得た。得られたフェノール樹脂(D)は軟化点が112
℃であった。フェノール性水酸基量は203g/グラム
当量であった。
【0028】合成例1 フェノール樹脂(E)の合成 撹拌機、還流冷却器及び温度計付きの3リットル4つ口
フラスコにフェノール1440gを、三フッ化ホウ素・
フェノール錯体18gを添加し充分混合した。系内温度
を90〜100℃に保ちながらジシクロペンタジエン2
90gを1時間要して添加した。滴下終了後、系内温度
を80℃に保ち、3時間、加熱撹拌した。反応終了後、
協和化学工業(株)製のマグネシウム化合物、商品名
「KW−1000」60gを添加し、30分間撹拌して
触媒を失活させたのち、セライトを敷き詰めた濾紙を用
いて反応液を濾過した。得られた透明な濾液を230℃
で減圧蒸留し褐色の固体454gを得た。得られたフェ
ノール樹脂(E)は軟化点が95℃で、フェノール性水
酸基当量は172g/eqであった。
【0029】合成例2 フェノール樹脂(F)の合成 ポリブタジエンとジシクロペンタジエンとの混合物を実
施例1で用いたポリブタジエン310gに代えた以外は
実施例1と全く同様に行い、フェノール樹脂(F)を合
成した。得られたフェノール樹脂(F)の軟化点は15
0℃、水酸基当量は320g/eqであった。
【0030】合成例3 フェノール樹脂(G)の調製 撹拌機、還流冷却器及び温度計付きの1.5リットル4
つ口フラスコに、フェノール樹脂(E)224gと、フ
ェノール樹脂(F)176gと、トルエン267gとを
入れ、十分撹拌、溶解混合した後、120℃で減圧蒸留
してトルエンを留去し、フェノール樹脂(G)を得た。
得られたフェノール樹脂(G)の軟化点は129℃、水
酸基当量216g/eqであった。
【0031】実施例5及び6、比較例1及び2 フェノール樹脂成形材料(A)の調製(実施例5) 実施例1で製造したフェノール樹脂(A)100重量部
に、ヘキサメチレンテトラミン12重量部を添加してハ
ンマーミルで粉砕しフェノール樹脂組成物を得た。得ら
れたフェノール樹脂組成物112重量部に、ガラス繊維
145重量部、ウォラストナイト90重量部、ステアリ
ン酸マグネシウム1重量部、カーボンブラック5重量部
を添加し、120℃で5分間、熱ロールを用いて混練し
た後粉砕して成形粉とした。フェノール樹脂成形材料(B)の調製(実施例6) 実施例で製造したフェノール樹脂(B)を用いた以外
は、上記と同様にして成形粉とした。フェノールノボラック樹脂成形材料の調製(比較例1) 平均分子量520、水酸基当量104g/eqのフェノ
ールノボラック樹脂100重量部に、ヘキサメチレンテ
トラミン12重量部を添加してハンマーミルで粉砕しフ
ェノールノボラック樹脂組成物を得た。該樹脂組成物を
用いた以外は、上記と同様にして成形粉とした。フェノール樹脂成形材料の調製(比較例2) 合成例で製造したフェノール樹脂(G)を用いた以外
は、上記と同様にして成形粉とした。
【0032】「評価試験」 上記の各成形粉を用いて160℃、90kg/cm2
条件において7分間圧縮成形した。次いで200℃にお
いて5時間後硬化させ、以下に示す評価試験を行った。
結果を表1に示す。吸湿性(吸水率) フェノール樹脂成型品を120℃、2気圧の水蒸気中に
所定時間保持し、成型品の重量の経時増加率を吸水率と
した。高温時の機械強度 JIS−K−6199に準じて200℃及び250℃に
おける曲げ試験を行い曲げ強度を測定した。長期耐熱性 フェノール樹脂成型品を270℃のギアーオーブン中に
168時間、336時間保った後、室温においてJIS
−K−6199に準じて曲げ強度を測定した。その結
果、本発明のフェノール樹脂組成物の硬化成形物は、優
れた耐湿性、長期及び瞬時の耐熱性、機械特性を有し、
各種成形材料、電気部品、積層材料、塗料、接着剤、摩
擦材等の広い分野で利用できることが判る。
【0033】
【表1】
【0034】実施例7〜10、比較例3〜6 前述の実施例及び合成例で製造した表2に示すフェノー
ル樹脂を、表2に示す割合で配合してワニス(樹脂成分
が60重量%)を得た。このワニス中に、ガラス布を含
浸させた。このワニス含浸布を160℃の乾燥器中で4
分間乾燥させ、Bステ−ジ状のプリプレグを得た。この
プリプレグを切断して得たプリプレグ8枚、更に両面に
厚さ35μmの電解銅箔2枚を重ねて、40kg/cm
2で加圧しながら175℃で120分間加圧加熱して積
層板とした。各積層板についてガラス転移温度(TMA
法)、吸水率(JIS C 6481;100℃の水中で50時間
煮沸した後の重量増加量を測定)、引き剥がし強さ(JI
S C 6481)及び誘電特性(JIS C 6481)の硬化物性を測定
した。結果を表2に示す。
【0035】
【表2】 表2から、本発明の積層板用エポキシ樹脂組成物1は、
耐熱性、耐湿性及び誘電特性にも優れた熱硬化性樹脂組
成物であった。従って低誘電率や低誘電正接が必要とさ
れるプリント配線板には最適な樹脂であり、従来の積層
板用樹脂と同様な工程で銅張積層板を製造することがで
きる。
【0036】実施例11〜14、比較例7〜9 前述の実施例及び合成例で製造した表4に示すフェノー
ル樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂;商品名
「ESCN−220L」(住友化学工業(株)製)、溶
融シリカ粉末、商品名「ヒュウズレックスRD−8」
(龍森(株)製)及び各種添加剤を、表に示す割合で
混合した後、ニーダーで混練してエポキシ樹脂組成物を
得た。得られた組成物をタブレット化し、低圧トランス
ファー成型機にて175℃、70kg/cm2、120
秒の条件で成型後、180℃、5時間の後硬化を行っ
た。次に成型物を半田クラック試験用として6×6mm
のチップとし、52pパッケージに封止した。また半田
耐湿試験用として3×6mmのチップとし、16pSO
Pパッケージに封止した。封止したテスト用素子につい
て、ガラス転移温度(TMA法)、曲げ弾性率(JIS K 6
911)及び下記の半田クラック試験及び半田耐湿性平均寿
命試験を行なった。結果を表に示す。
【0037】半田クラック試験 封止したテスト用素子を、85℃、85%RHの環境下
で48時間及び72時間処理し、その後280℃の半田
槽に10秒間浸漬後顕微鏡で外部クラックを観察した。 半田耐湿性平均寿命(時間) 封止したテスト用素子を85℃、85%RHの環境下で
48時間及び75時間処理し、その後280℃の半田槽
に10秒間浸漬後プレッシャークッカー試験(125
℃、100%RH)を行い50%の回路のオーブン不良
が発生するまでの時間を測定した。
【0038】
【表3】 から、本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物
は、耐熱性、耐湿性、接着性に優れていることが判る。
従って半導体パッケージは、リード線の半田付けにおけ
る急激な温度変化に対しても、樹脂成形部におけるクラ
ックの発生、リード線樹脂間の界面劣化等を防止するこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 榎本 正美 神奈川県横浜市中区千鳥町8番地 日本 石油株式会社中央技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭50−61493(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 61/02

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸触媒の存在下、炭素数4〜5の共役ジ
    エン類の重合体10〜90重量%及び炭素数4〜15の
    炭化水素ジエン類90〜10重量%からなるオレフィン
    類に、フェノール類を付加して得たことを特徴とするフ
    ェノール樹脂。
  2. 【請求項2】 軟化点が90〜200℃である請求項1
    記載のフェノール樹脂。
  3. 【請求項3】 水酸基当量が130〜700g/グラム
    当量である請求項1又は2記載のフェノール樹脂。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項記載のフ
    ノール樹脂及び硬化剤を必須成分とするフェノール樹脂
    組成物。
  5. 【請求項5】 エポキシ樹脂及び請求項1〜3のいずれ
    か1項記載のフェノール樹脂を必須成分とするエポキシ
    樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 エポキシ樹脂及び請求項1〜3のいずれ
    か1項記載のフェノール樹脂を必須成分とする積層板用
    エポキシ樹脂組成物。
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