JP2808187B2 - 新規な樹脂、その製造法および該樹脂を含有する組成物 - Google Patents

新規な樹脂、その製造法および該樹脂を含有する組成物

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JP2808187B2
JP2808187B2 JP3501359A JP50135991A JP2808187B2 JP 2808187 B2 JP2808187 B2 JP 2808187B2 JP 3501359 A JP3501359 A JP 3501359A JP 50135991 A JP50135991 A JP 50135991A JP 2808187 B2 JP2808187 B2 JP 2808187B2
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正美 榎本
仁士 湯浅
文明 押見
裕 大月
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • H05K1/03Use of materials for the substrate
    • H05K1/0313Organic insulating material
    • H05K1/032Organic insulating material consisting of one material
    • H05K1/0326Organic insulating material consisting of one material containing O

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野】 本発明は樹脂、その製造法およびその樹脂を含有する
樹脂組成物に関するものであり、さらに詳しくはプリン
ト配線板用樹脂、半導体封止材用樹脂、絶縁材料などと
して有用で、熱安定性、耐候性、電気特性などに優れ
た、これまで全く知られていなかった主鎖がシクロアル
カンからのみなり、側鎖に多くのフェノール性水酸基を
有している新規な樹脂、およびブタジエン低重合体とフ
ェノール類を原料とし、該原料の水分量を厳密に制御し
て該新規な樹脂を製造する方法、および該樹脂を含む硬
化性エポキシ樹脂組成物に関するものである。
(従来の技術およびその課題) 近年、半導体関連技術の進歩はめざましく、LSIの集
積度は増々向上し、それに伴い配線の微細化とチップサ
イズの大型化が進んでいる。LSIのメモリーの集積度の
向上とともに、実装方法もまたスルーホール実装から表
面実装への移行が進んでいる。すなわち、パッケージ法
が従来のデップタイプから表面実装用として小型薄型の
フラットパッケージ、SOP、SOJ、PLCCに変わってきてお
り、これに伴ってパッケージクラックが発生したり、こ
れらのクラックにより耐湿性が低下するといった問題が
生じている。特に表面実装工程でのリードの半田付け時
にパッケージは急激な温度変化を受け、このためにパッ
ケージにクラックが生じる問題が大きくクローズアップ
されている。
半導体封止材用エポキシ樹脂の硬化剤としては、一般
にフェノールノボラック、クレゾールノボラック樹脂等
が使われており、それらを配合したものが封止材に用い
られている。しかしながらこのような硬化剤が配合され
ているエポキシ樹脂組成物はクラックが生じ易いため耐
湿性が悪くなるという欠陥があり、最近の半導体技術の
進歩に対応できなくなっている。
これを是正するため、硬化剤のフェノール樹脂として
耐湿性に優れた耐熱性フェノール樹脂、例えば、ジシク
ロペンタジエン誘導体(特開昭63-110213号公報)など
が検討されているが、成型性が劣ったりするといった問
題点がある。したがってこのジシクロペンタジエン誘導
体フェノール樹脂は軟化点が高くなるのを抑制するた
め、高々2〜3量体を用いているのが現状であり、この
ため得られる封止材のガラス転移温度(Tg)が高くなら
ず、電気特性が向上しないといった問題がある。
ブタジエン低重合体あるいは共低重合体を原料として
フェノール樹脂を合成しようという試みがいくつか知ら
れている。例えばブタジエン低重合体あるいは共低重合
体に活性白土および濃硫酸を触媒として、フェノールを
付加することは公知である(米国特許3,258,450号公
報)。この場合は軟化点が22℃以下の付加物しか得られ
ないという問題がある。
ブタジエン低重合体あるいは共低重合体もリン酸を触
媒としてフェノールを付加することも公知である(英国
特許1,106,267号)。この場合には軟化点が比較的高い
樹脂が得られるが、この方法で得られるフェノール樹脂
の重大な問題はフェノールの付加後も炭素−炭素二重結
合が多量に残存するため、これを硬化剤として用いて封
止材を製造すると長期安定性が著しく低下してしまうこ
とである。
ブタジエン低重合体あるいは共低重合体に過塩素酸を
触媒としてフェノールを付加することも公知である この場合にはフェノールの付加以外に高分子量化、フェ
ノールのエーテル付加などの副反応が生じ、また二重結
合が残っているという問題もある。したがってこの方法
で得られるフェノール樹脂もまた封止材等の用途に使用
することはできない。
さらに、フェノールと三フッ化ホウ素エーテル錯体の
混合物にブタジエン低重合体あるいは共低重合体を分割
して添加し、フェノール付加体を製造する方法も公知で
ある(特開昭54-26894号公報)。この場合には高分子量
化は抑制できるが、二重結合が多量に残るという問題が
ある。
さらにまた、フェノールとブタジエン低重合体あるい
は共低重合体を三フッ化ホウ素フェノール錯体を触媒と
して反応させ、フェノール付加体を得る方法も公知であ
る(特開昭54-160453号公報)。この場合もまた軟化点
が75℃以下で、かつ二重結合が多く残るという問題があ
る。
本発明の目的は、熱安定性、電気特性に優れ、プリン
ト配線板、半導体用封止材、ブレーキシュー等の用途に
好ましく使用できる実質的に二重結合を有しない新規な
樹脂、その製造法および硬化物が機械特性、電気特性、
耐湿性、耐候性、耐クラック性等にも優れている該樹脂
を含む硬化性エポキシ樹脂組成物を提供することであ
る。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは上記の課題を満たすべく、ブタジエン低
重合体とフェノール類を原料として、新規な樹脂を製造
する方法について鋭意検討した結果、驚くべきことに反
応系中の水分を厳密に制御して反応を行なわせることに
より、多くのフェノール性ヒドロキシル基を含有し、軟
化点が高く、かつ実質的に二重結合を有しない新規な樹
脂を得ることができることを見いだし、またこの樹脂と
硬化性エポキシ樹脂、硬化促進剤などを含有する樹脂組
成物により課題を解決できることを見いだし、本発明を
成すに到った。
すなわち、本発明の第1の発明は、下記一般式(I)
で示される繰り返し単位から実質的に構成される数平均
分子量500〜5,000の樹脂に関する。
(ここでR1はハロゲンまたは炭素数1〜4のアルキル基
を示し、R2およびR3は水素、メチル基またはエチル基を
示す。mは1または2であり、nは0〜2であり、xは
1または2であり、y,zおよびvは0または1であり、
wは0〜2である。ただし樹脂中の で表される基(以下、ヒドロキシ(アルキル)フェニル
基と称す場合がある)を除く主鎖はブタジエン重合体の
分子内環化反応により得られるポリシクロアルカンであ
る。) また、本発明の第2の発明は、数平均分子量が300〜
3,000のブタジエン重合体に、一般式 (R4はハロゲンまたは炭素数1〜4のアルキル基を示
し、pは1または2、qは1または2である。) で示される化合物(II)を三フッ化ホウ素および/また
は三フッ化ホウ素錯体存在下、温度50〜120℃、反応系
中の水分量を100重量ppm以下の条件下に反応させること
を特徴とする、一般式 (R2およびR3は水素、メチル基またはエチル基を示し、
R4はハロゲンまたは炭素数1〜4のアルキル基を示す。
pは1または2であり、qは1または2であり、xは1
または2であり、y,zおよびvは0または1であり、w
は0〜2である。ただし樹脂中の で表される基(以下、ヒドロキシ(アルキル)フェニル
基と称す場合がある)を除く主鎖はブタジエン重合体の
分子内環化反応により得られるポリシクロアルカンであ
る。) で示される繰り返し単位からなる数平均分子量500〜5,0
00の樹脂の製造法に関する。
また、本発明の第3の発明は、数平均分子量が300〜
3,000のブタジエン重合体に一般式 (rは1または2である) で示される化合物(IV)を三フッ化ホウ素および/また
は三フッ化ホウ素錯体存在下、50〜120℃で反応させる
に当たり、反応系中の水分量を100重量ppm以下にし、か
つ化合物(IV)と三フッ化ホウ素および/または三フッ
化ホウ素錯体を含有する系にブタジエン重合体を分割し
て添加しながら反応させることを特徴とする、一般式 (R2およびR3は水素、メチル基またはエチル基を示す。
rは1または2であり、xは1または2であり、y,zお
よびvは0または1であり、wは0〜2である。ただし で表される基(以下、ヒドロキシ(アルキル)フェニル
基と称す場合がある)を除く主鎖はブタジエン重合体の
分子内環化反応により得られるポリシクロアルカンであ
る。) で示される繰り返し単位からなる数平均分子量500〜5,0
00の樹脂の製造法に関する。
また、本発明の第4の発明は、特許請求の範囲第1項
の樹脂において、該樹脂の で表される基の付加モル数と主鎖のシクロアルカン環の
数の割合が1/1〜1/3であることを特徴とする。
また、本発明の第5の発明は、 (A)特許請求の範囲第1項記載の樹脂 100重量部 (B)硬化性エポキシ樹脂 20〜120重量部 (C)硬化促進剤 0.05〜5.0重量部 を必須成分として含有すること特徴とする硬化性エポキ
シ樹脂組成物に関する。
本発明において、「二重結合を実質的に有しない」と
は具体的には、原料のブタジエン低重合体に含まれてい
た炭素−炭素二重結合の98%以上が反応し、最終樹脂中
には原料のブタジエン低重合体の炭素−炭素二重結合は
2%以下しか残存していないことを意味する。
前記一般式(I)、(III)および(V)で示される
主鎖のシクロアルカン環中に記載したHは、シクロアル
カン環がヒドロキシ(アルキル)フェニル基で置換され
ている場合は核の残りの炭素の原子価が水素原子により
満たされており、シクロアルカン環がヒドロキシ(アル
キル)フェニル基で置換されていない場合は核の全ての
炭素の原子価が水素原子により満たされていることを意
味するものである。
前記式(I)、式(III)や式(V)で表される本発
明に係わる樹脂のヒドロキシ(アルキル)フェニル基の
付加モル数と主鎖のシクロアルカン環の数の割合は通常
1/1〜1/3である。
ここで、「主鎖のシクロアルカン環の数」とは主鎖中
に含まれるシクロアルカン環の数を意味する。例えば、
シクロヘキサン環やシクロペンタン環は環数は1であ
り、デカヒドロナフタレン環のようなビシクロ環は環数
2と数える。本発明の樹脂を説明するのにこのような定
義を必要とする理由は本反応の本質と大きく関わってい
る。
一般にオレフィンとフェノール類のフリーデルークラ
フツ反応によるアルキレーションは炭素−炭素二重結合
とフェノール類の1:1の当量反応である。副反応として
はオレフィン分子同士の重合あるいはフェノール類を介
した架橋反応がある。本発明の方法においては、炭素−
炭素二重結合が実質的に消失するほど反応が進行する
が、その消失量に相当するフェノール類は付加していな
い。具体的にはブタジエン低重合体の二重結合のうちフ
ェノール類の付加している量は高々50%であり、一般的
には25〜50%である。すなわち、本発明の方法において
は、原料のブタジエン低重合体の二重結合はアルキレー
ション以外の反応でも多量消失している。
本発明の方法で製造される樹脂はゲルパーミエイショ
ンクロマトグラフィーにより分析すると原料のブタジエ
ン低重合体の分子量に付加したフェノール類の付加量程
度以上は高分子量化はいていない。すなわち、本発明の
方法においては、ブタジエン低重合体の二重結合同士の
反応による高分子量化あるいはフェノール類を介した架
橋反応は起こっていない。このことは、本発明の方法に
おけるアルキレーション以外の副反応が分子内環化反応
であることを意味している。すなわち、本発明の方法に
おいてはブタジエン低重合体の二重結合は実質的にフェ
ノール類のアルキレーションと分子内環化の2つの反応
でのみ消費されており、それ以外の反応、例えばオレフ
ィン同士の反応等では消費されない。
したがって、「主鎖のシクロアルカン環の数」とは本
発明の方法においてはブタジエン低重合体の二重結合の
当量数より該重合体に付加したフェノール類のモル数を
除いた量を意味する。本発明の方法で得られる樹脂のヒ
ドロキシ(アルキル)フェニル基の付加モル数と「主鎖
のシクロアルカン環の数」の割合は1/1〜1/3である。本
発明の方法においては、原料のブタジエン低重合体の二
重結合は実質的に無くなるほど分子環化反応が進行す
る。
一般にブタジエン低重合体とフェノール類の反応にお
いて環化反応が部分的に起こることはあり得る。しかし
ながら、本発明のように二重結合が高分子量化を起こす
ことなく実質的に消失するほど環化反応が完全に進行し
た例はない。このような反応は学術的にも興味あるもの
であるが、工業的にはさらに重要な利益をもたらすもの
である。
すなわち、本発明の方法で得られるヒドロキシ(アル
キル)フェニル基含有樹脂は反応性の高いヒドロキシ
(アルキル)フェニル基を有するのみならず、炭素−炭
素二重結合がないため、耐熱性が著しく高く、例えば30
0℃以上でも安定に取り扱うことができるという特徴を
有する。
本発明においてかかる樹脂を合成できる理由は反応系
の水分量を100ppm以下に制御して反応を行なったためで
あり、反応系の水分量を100ppmを超えて含むと本発明の
樹脂は製造できず、二重結合が多量残存した樹脂しか得
られない。
本発明に係わる樹脂中のヒドロキシ(アルキル)フェ
ニル基の結合位置は特定できない。この理由は原料のブ
タジエン重合体中に異なるタイプの二重結合、すなわち
1,2タイプと1,4タイプの二重結合が混在しているためで
ある。
仮にブタジエン重合体中に下記(M)で表されるよう
に二重結合が配置されている場合は、下記式(N)で表
されるようなフェノール付加体が主に生成すると考えら
れる。
本発明において使用されるブタジエン低重合体は、数
平均分子量が300〜3,000、好ましくは500〜2,000の重合
体であって、従来の公知の方法で製造される。
すなわちアルカリ金属または有機アルカリ金属化合物
を触媒としてブタジエンを0〜100℃の温度でアニオン
重合させることにより製造することができる。この場
合、分子量を制御し、ゲル分などの少ない、淡色の低重
合体を得るためには、ベンジルナトリウムのような有機
アルカリ金属化合物を触媒とし、アルキルアリール基を
有する化合物、例えばトルエン等を連鎖移動剤とする連
鎖移動重合法(特公昭54-15586号公報)、テトラヒドロ
フラン溶媒中でナフタレン等の多環芳香族化合物を活性
剤とし、ナトリウム等のアルカリ金属を触媒とするリビ
ング重合法(特公昭43-27432号公報)、トルエン、キシ
レン等の芳香族炭化水素を溶媒とし、ナトリウム等のア
ルカリ金属の分散体を触媒とし、ジオキサン等のエーテ
ル類を添加して分子量を制御する重合法(特公昭32-744
6号公報、特公昭34-10188号公報、特公昭38-1245号公
報)またはコバルト、ニッケル等の第VIII族金属のアセ
チルアセナート化合物およびアルキルアルミニウムハロ
ゲニドを触媒とする配位アニオン重合法(特公昭45-507
号公報、特公昭46-80300号公報)等の方法が好ましい。
本発明のブタジエン低重合体としては一部、例えばブ
タジエンに対して30モル%のイソプレン、1,3−ペンタ
ジエンなどの共役ジオレフィンまたは芳香族ビニルミノ
マーなどを共重合させたものも使用することができる。
芳香族ビニルモノマーとして、例えばスチレン、α−メ
チルスチレン、ビニルトルエンまたはビニルベンゼンな
どが使用できる。
前記一般式(II)や一般式(IV)で示される本発明で
使用する化合物(フェノール類)は具体的には、例え
ば、O−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾー
ル、2,6−ジメチルフェノール、2,4−ジメチルフェノー
ル、ブロム化フェノール、2−メチルヒドロキノン、フ
ェノール、ヒドロキノン、レゾルシン、カテコール等が
挙げられ、経済性および製造上の問題を考慮するとフェ
ノール、クレゾール、キシレノール等を好ましく挙げる
ことができる。
これらのフェノール類の使用量はブタジエン重合体の
二重結合のモル数より多いモル数を使用する必要がある
が、好ましい量は1.2〜2倍モルである。
すなわち、ブタジエン重合体の二重結合1モルに対し
てフェノール類の付加量は0.25〜0.5モルが好ましく、
さらに好ましくは0.27〜0.45モルである。フェノール類
の使用量が1.2倍モルより少ないと高分子量化の副反応
が生じる。また2倍モルより多く使用するのは経済的に
不利である。
本発明で使用する触媒は三フッ化ホウ素また三フッ化
ホウ素錯体である。三フッ化ホウ素錯体としては、三フ
ッ化ホウ素・エーテル錯体、三フッ化ホウ素・フェノー
ル類錯体が使用される。
その使用量はブタジエン重合体100g当り三フッ化ホウ
素として5〜50ミリモル、好ましくは10〜20ミリモルで
ある。
本発明の反応温度は、50〜120℃、好ましくは70〜100
℃で実施される。反応温度が50℃より低いと反応速度が
遅くなり、また反応温度が120℃より高いと触媒が分解
し、腐食性ガスを発生する等の問題が生じる。本発明に
おいては、フェノール類の付加反応と同時に二重結合の
環化反応が併発しているので、反応系の反応熱は非常に
大きい。したがって、反応温度を制御するには触媒を逐
次添加するか、またはブタジエン重合体を逐次添加する
等の方法が採用されるが、ブタジエン重合体を反応温度
を制御しながら少量ずつ逐次添加する方法が最も好まし
い。
特に前記一般式(IV)で示されるフェノール類を使用
する場合は、ブタジエン重合体を逐次に添加する法で反
応を実施することを要する。
この逐次添加法の場合、その添加時間は通常、1〜8
時間であり、生成物の性状が全く変化しないというのも
本発明の特徴の一つである。その理由はフェノール類と
ブタジエン重合体中の二重結合のモル比が、フェノール
類のほうが多くなっているため、ブタジエン重合体の二
重結合が直ちにアルキル化と環化反応で消失し、高分子
量化などの副反応が生じないためと推定される。
本発明において、未反応フェノール類が、反応溶媒の
役割をするので、反応溶媒は特に用いる必要はないが、
反応系の粘度を下げる目的および反応系の凝固点を下げ
る等の目的で少量の不活性溶媒、例えばトルエン、キシ
レン等を使用することもできる。
本発明において、反応系中の水分量は100重量ppm以
下、好ましくは60重量ppm以下である。水分量が100重量
ppmを超えると、得られる樹脂の軟化点が低く、かつ二
重結合を実質的になくすことができない。すなわち、熱
安定性、耐候性、貯蔵安定性および電気特性に優れた樹
脂を得ることができない。
反応系の水分量を100重量ppm以下にする方法として
は、一般に水分が1〜2%と多く含まれているフェノー
ル類を精密蒸留した後、直ちに用いる方法、モレキュラ
シーブや活性アルミナ等の脱水剤で脱水して用いる方法
なども考えられるが、工業的にはブタジエン重合体とフ
ェノール化合物の原料中に5〜20%程度のトルエンまた
はキシレン等を加え、加熱して水を共沸蒸留し、原料中
の水分を減少させる方法が好ましい。
本発明において、ブタジエン重合体の二重結合1モル
に対してフェノール類の付加量は0.25〜0.50モルである
が、二重結合は実質的には残っておらず、しかも、フェ
ノール類が付加した量程度にしか分子量は増加していな
い。二重結合が消滅したのは前述のように分子内環化反
応が生じたためである。これは原料中の水分を少なくし
たために三フッ化ホウ素触媒の環化反応活性が高くなっ
たためと推定される。したがって、フェノール類の付加
反応と二重結合同士の環化反応は競争反応でありフェノ
ール類をアルキレーション反応で多く付加させるために
は、ブタジエン重合体の二重結合より多くのフェノール
類を使用する必要がある。
本発明に係わる樹脂は軟化点(環球法、JIS K-2531-6
0)は通常90℃以上であり、好ましくは100〜200℃であ
る。
本発明に係わる樹脂(A)は、硬化性エポキシ樹脂
(B)、硬化促進剤(C)などに前記のように所定量配
合して硬化性エポキシ樹脂組成物とし、硬化性エポキシ
樹脂(B)の硬化剤として使用することができる。
本発明に係わる樹脂(A)成分には、例えばノボラッ
ク型フェノール樹脂、商品名「タマノール−758」、
「タマノール−759」(荒川化学工業(株)製)、商品
名「ECN-1280」(チバガイギー(株)製)などを併用さ
せることもできる。その他、臭素化ノボラック型フェノ
ール樹脂、ポリビニルフェノール、臭素化ポリビニルフ
ェノール、テトラブロモビスフェノールAなどの多価フ
ェノール化合物等を含有させることもできる。これらの
含有量は(A)成分100重量部に対し100重量部以下好ま
しくは50重量部以下が望ましい。この際100重量部を越
えると耐湿性が悪くなるので好ましくない。
前記(B)成分である硬化性エポキシ樹脂は分子中に
エポキシ基を少なくとも1個、好ましくは2個以上有す
るものであって、これには例えばエピクロルヒドリンと
ビスフェノールAやノボラック樹脂から合成されるエポ
キシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、塩素原子や臭素原子等
のハロゲン原子を導入したエポキシ樹脂等を挙げること
ができる。例えばノボラックエポキシ樹脂、商品名「ス
ミエポキシESCN-220L」(住友化学工業(株)製)が挙
げられ、使用に際しては単独もしくは混合物として用い
ることができる。また該(B)成分に多官能エポキシ樹
脂を含有させることもできる。
該多官能エポキシ樹脂としては、例えば商品名「QUAT
REX2410」(ダウケミカル(株)製)、「YDCN-702P」、
「YDCN-703S」(以上東都化成(株)製)等が挙げられ
る。
前記(C)成分としては、エポキシ基とフェノール性
水酸基との反応を促進するものであればよく、一般に封
止材用に使用されているものを広く使用することがで
き、第三級ホスフィン類、イミダゾール類、第三級アミ
ン類等を挙げることができる。
具体的には、前記第三級ホスフィン類としては、下記
一般式(VI) (式中、R5,R6,およびR7は同一若しくは異なる基であ
って、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基またはアリ
ール基を示す)で表せる化合物、例えばトリエチルホス
フィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィ
ンなどが挙げられることができる。
また第三級アミン類としては例えばジメチルエタノー
ルアミン、ジメチルベンジルアミン、2,4,6−トリス
(ジメチルアミン)フェノール、1,8ジアザビシクロ
〔5,4,0〕ウンデセンなどを挙げることができる。イミ
ダゾール類としては、例えば2−エチル−4−メチルイ
ミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−メチル
イミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプ
タデシルイミダゾール、1−ビニル−2−メチルイミダ
ゾール、1−プロピル−2−メチルイミダゾール、2−
イソプロピルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エ
チルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4
−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデ
シルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイ
ミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル
−2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル
イミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチ
ルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒド
ロキシメチルイミダゾールなどを挙げることができ、特
に2−メチルイミダゾール(2Mz)、ジアザビシクロウ
ンデセン(DBU)、トリフェニルホスフィン(TPP)やジ
メチルベンジルアミン(BDMA)等を単独もしくは2種類
以上を混合して用いることが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、必要に応じてシリカ粉末充填
剤、シランカップリング剤、ブロム化エポキシ樹脂、三
酸化アンチモン、ヘキサブロモベンゼン等の難燃剤、カ
ーボンブラック、ベンガラ等の着色剤、天然ワックス、
合成ワックス等の離型剤及びシリコンオイル、ゴム等の
低応力添加剤等の種々の添加剤を適宜配合しても差し支
えない。
本発明の樹脂組成物を成型材料として製造するには、
本発明に係わる樹脂(A)、硬化性エポキシ樹脂
(B)、硬化促進剤(C)、充填剤、その他の添加剤を
ミキサー等によって十分に均一に混合した後、更に熱ロ
ールまたはニーダー等で溶融混練し、冷却後粉砕して成
型材料とすることができる。これらの成型材料は電子部
品あるいは電気部品の封止、被覆、絶縁等に適用するこ
とができる。得られる成型材料は機械特性、電気特性、
耐湿性、しかも耐クラック性にも優れたものである。本
発明の樹脂組成物は特に封止材として好適である。
(実施例) 以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1) 撹拌機、冷却用内部コイル、滴下ロート、還流冷却管
およびリービッヒ冷却管を具備した3リットルのセパラ
ブルフラスコに窒素下、「日石ポリブタジエンB-1000」
(商品名)(日本石油化学(株)製、数平均分子量100
0、1,2−二重結合65%、1,4−二重結合35%)350g、o
−クレゾール950gおよびトルエン300gを仕込んだ後オイ
ルバス中に浸漬した。その後、オイルバス温度を160℃
に昇温し撹拌下、トルエンと水を約240g留出させた。原
料中の水分をカールフィッシャー装置で分析したところ
50ppmであった。
上記のようにして脱水した原料を内部温度が50℃にな
るまで冷却した後、三フッ化ホウ素・フェノール錯体1
2.5gを1時間要して滴下した。触媒の滴下とともに反応
熱により内部温度が上昇したが、内部コイルで冷却する
ことにより滴下終了後の内部温度が80℃になるように徐
々に昇温した。触媒の滴下後、さらに2時間、80℃で撹
拌を継続した後、水酸化カルシウム12.5gを添加して反
応を終了した。
反応終了後、反応液にトルエン300gを加えて低粘度化
したのち、反応液中の触媒残渣を濾別した。この濾液を
蒸留により濃縮してクレゾール付加物(A−1)490gを
得た。蒸留により回収した未反応o−クレゾールは675g
であった。
このクレゾール付加ポリブタンジエン(A−1)の軟
化点は170℃であった。またこの付加物の水酸基価(I.
E.C.,Anal.Edy.17,394(1945)“Quantitative Organic
Analysis via Functional Group")は310mmol/100gで
あった。さらに反応原料に用いたポリブタジエンおよび
この付加物のIRおよび1H‐NMRスペクトルを第1図〜第
2図および第3図〜第4図に示したが、IRでは910,960,
990,1640cm-1の二重結合に起因する吸収は認められず、
1H‐NMRでもδ4.6〜5.6ppmの二重結合のプロトン吸収も
認められなかった。
したがって、ポリブタジエンの二重結合が完全に反応
していることは明らかである。また第2図および第4図
からエーテル結合に起因する吸収が認められないことか
ら、o−クレゾールは二重結合にアルキル化反応で付加
しており、エーテル結合で付加していないことも明瞭で
ある。さらに本付加物をゲルパーミエイションクロマト
グラフィー(GPC)で分析したところ、第5図〜第6図
に示すように付加物は原料として用いたポリブタジエン
に比べてo−クレゾール付加量に相当する大きさだけ分
子量が増大しているものの、それ以上の高分子量化は起
こっていないことは明らかである。したがって、原料の
ポリブタジエンの二重結合はo−クレゾールの付加反応
と分子内環化反応に消費され、それ以外の副反応は起こ
っておらず、o−クレゾールの付加量と主鎖のシクロア
ルカン環の数の割合は1:2.57である。
(実施例2) 原料ポリブタジエンの数平均分子量を700(日本石油
化学(株)製)、商品名、日石ポリブタジエン「B-70
0」)を用いた以外は実施例1と全く同じ方法で合成し
軟化点130℃で、フェノール性水酸基の含有量は樹脂100
g当り300ミリモルであるo−クレゾール付加ブタジエン
重合体(A−2)485gを得た。本付加物(A−2)をI
R,NMR,GPC分析した結果、実施例1と同様に高分子化が
起きておらず、原料のポリブタジエンの二重結合はクレ
ゾールの付加と分子内環化反応のみに消費されているこ
とがわかった。この付加物のo−クレゾールの付加量と
主鎖のシクロアルカン環の数の割合は1:2.63であった。
(実施例3) 実施例1と同様の装置に、フェノール900g、三フッ化
ホウ素・ジエチルエーテル錯体およびトルエン150gを仕
込んだ後、150℃でトルエンを140g留出させ、系内の水
分を15ppmとした。系を80℃に冷却後、撹拌下、滴下ロ
ートより水分を30ppm含む「日石ポリブタジエンB-700」
(日本石油化学(株)製、数平均分子量700)330gを3
時間かけて逐次添加した。ポリブタジエンの添加と同時
に発熱が起こったが、内部温度を80℃に保つように内部
コイルにより冷却した。添加後、さらに1時間、80℃の
温度で撹拌を続けた。
実施例1と同様に反応の終了、触媒残渣の濾別を行な
ったのち、この濾液を濃縮してフェノール付加体(A−
3)498gを得た。
この付加物の軟化点は135℃であった。この付加物の
水酸基価は340mmol/100gであった。
この付加物(A−3)のIRおよび1H‐NMRスペクトル
を第7図および第8図に示したが、IRでは910,960,990,
1640cm-1の二重結合に起因する吸収は認められず、1H‐
NMRでもδ4.6〜5.6ppmの二重結合のプロトン吸収も認め
られなかった。したがって、ポリブタジエンの二重結合
が完全に反応していることは明らかである。また第7図
および第8図からエーテル結合に起因する吸収が認めら
れないことから、フェノールは二重結合にアルキル化反
応で付加しており、エーテル結合で付加していないこと
も明瞭である。さらに本付加物をGPCで分析したとこ
ろ、第9図〜第10図に示すように付加物は原料として用
いたポリブタジエンに比べてフェノール付加量に相当す
る大きさだけ分子量が増大しているものの、それ以上の
高分子量化は起こっていないことは明らかである。した
がって、原料のポリブタジエンの二重結合はフェノール
の付加反応と分子内環化反応に消費され、それ以外の副
反応は起こっていないことは明らかであり、フェノール
の付加量と主鎖のシクロアルカン環の数の割合は1:2.22
である。
(実施例4) 実施例1で製造したo−クレゾール付加ブタジエン重
合体(A−1)100gに対し、ノボラックフェノール樹
脂、商品名「タマノール−759」(荒川化学(株)製)9
g、ノボラックエポキシ樹脂、商品名「スミエポキシESC
N-220L」(住友化学工業(株)製)82g、溶融シリカ粉
末「ヒュウズレックスRD-8」(龍森(株)製)445gを混
合した後ニーダーで混練しエポキシ樹脂成型材料を得
た。
得られた成型材料をタブレット化し、低圧トランスフ
ァー成型機にて、175℃、70kg/cm2、120秒の条件で行い
成型後180℃、5時間の後硬化をした。半田クラック試
験用として6×6mmのチップを52pパッケージに封止し、
また半田耐湿試験用として3×6mmのチップを16pSOPパ
ッケージに封止した。封止したテスト用素子について下
記の半田クラック試験及び半田耐湿試験を行った。
半田クラック試験:封止したテスト用素子を85℃、85
%RHの環境下で48hおよび72h処理し、その後280℃の半
田槽に10秒間浸漬後顕微鏡で外部クラックを観察した。
半田耐湿性平均寿命(h);封止したテスト用素子を
85℃、85%RHの環境下で48hおよび72h処理しその後280
℃の半田槽に10秒間浸漬後プレッシャークッカー試験
(125℃、100%RH)を行い50%の回路のオープン不良が
発生するまでの時間を測定した。
評価結果を第一表に示す。耐湿性に優れ、耐半田スト
レス性に良好なエポキシ樹脂組成物を得ることができ
た。
(実施例5) 実施例2で製造したo−クレゾール付加ブタジエン重
合体(A−2)を用いた以外は実施例4と同様にして成
型材料を得た。試験結果を第一表に示した。
耐湿性に優れ、耐半田ストレス性に良好なエポキシ樹
脂組成物を得ることができた。
(実施例6) 実施例3で製造したフェノール付加ブタジエン重合体
(A−3)を用いた以外は実施例4と同様にして成型材
料を得た。試験結果を第一表に示した。
耐湿性に優れ、耐半田ストレス性に良好なエポキシ樹
脂組成物を得ることができた。
(比較例1) 3リットルのセパラブルフラスコに窒素下、「日石ポ
リブタジエンB-1000」(商品名)(日本石油化学(株)
製、数平均分子量1000)350gとo−クレゾール950gを仕
込んだ。原料中の水分をカールフィッシャー装置で分析
したところ800ppmであった。
この系に三フッ化ホウ素・フェノール錯体12.5gを80
℃で1時間を要して滴下した。滴下後さらに2時間、80
℃で撹拌を継続した後、水酸化カルシウム12.5gを添加
して反応を終了した。
実施例1と同様にして触媒を濾別後、濾液を濃縮して
付加物(B−1)435gを得た。
このクレゾール付加ポリブタジエン(B−1)の軟化
点は120℃で、水酸基価は210mmol/100gであった。さら
に本付加物の1H‐NMRスペクトルを第11図に示したが、
付加物中にはまだかなりの未反応の二重結合が残存して
いた。この付加物の臭素価を測定したところ95であっ
た。
(比較例2) 3リットルのセパラブルフラスコに窒素下、「日石ポ
リブタジエンB-1000」(商品名)(日本石油化学(株)
製、数平均分子量1000、1,2−二重結合65%、1,4−二重
結合35%)350gとフェノール950gおよびトルエン200gを
仕込んだ後、実施例1と同様に共沸脱水してトルエンと
水を約200g留出させた。系内の水分をカールフィッシャ
ー装置で分析したところ50ppmであった。
この系に50℃で三フッ化ホウ素・フェノール錯体12.1
gを1時間を要して滴下した。触媒の滴下と共に反応熱
により内部温度は徐々に上昇したが、内部コイルで冷却
することにより滴下終了時の内部温度が80℃になるよう
に制御した。触媒の滴下後、さらに2時間、80℃で撹拌
を継続した後、水酸化カルシウム12.0gを添加して反応
を終了した。
反応液をトルエンで希釈して低粘度化した後、反応液
中の触媒残渣を濾別した。この濾液を蒸留により濃縮し
てフェノール付加物(B−2)500gを得た。
このフェノール付加物の水酸基価は220mmol/100gであ
った。この付加物の1H‐NMR分析によれば二重結合は殆
ど反応していたが、フェノールのエーテル付加に起因す
る吸収がかなり認められた。またこの付加物のGPC分析
によれば第12図に示したように実施例1の付加物に比べ
てかなり高分子量化していた。
(比較例3) 実施例4〜6で用いたフェノール類付加ポリブタジエ
ン重合体をフェノールノボラック樹脂に代えた以外は、
実施例4〜6と全く同じ方法で成型材料を得た。試験結
果を第一表に示した。
(発明の効果) 本発明の樹脂は主鎖がシクロアルカンからなり、側鎖
に多くのフェノール性水酸基を有し、実質的に二重結合
を有せず、軟化点が高く、熱安定性、電気特性に優れ、
プリント配線板、半導体用封止材、ブレーキシュー等の
用途に好ましく使用できる。
本発明の製造法により容易に本発明の樹脂を製造する
ことができる。
本発明の樹脂組成物は、硬化物が機械特性、電気特
性、耐湿性、耐候性、耐クラック性等に優れており、特
に封止材として有用である。
図面の簡単な説明 第1図は、本発明で使用した原料である「日石ポリブ
タジエンB−1000」(商品名)のIRスペクトルである。
第2図は、ポリブタジエンのo−クレゾール付加物
(A−1)のIRスペクトルである。
第3図は、原料「日石ポリブタジエンB-1000」のH-NM
Rスペクトルである。
第4図は、ポリブタジエンのo−クレゾール付加物
(A−1)のH-NMRスペクトルである。
第5図は、原料「日石ポリブタジエンB-1000」(商品
名)のGPCスペクトルである。
第6図は、o−クレゾール付加物(A−1)のGPCス
ペクトルである。
第7図は、フェノール付加物(A−3)のIRスペクト
ルである。
第8図は、フェノール付加物(A−3)のH-NMRスペ
クトルを示す。
第9図は、原料「日石ポリブタジエンB-700」のGPCス
ペクトルを示す。
第10図は、フェノール付加物(A−3)のGPCスペク
トルを示す。
第11図は、クレゾール付加物(B−1)のH-NMRスペ
クトルを示す。
第12図は、フェノール付加物(B−2)のGPCスペク
トルを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 8/00 - 8/50 G08G 59/00 - 59/72 C08L 7/00 - 101/14

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I)で示される繰り返し単位
    から実質的に構成される数平均分子量500〜5,000の樹
    脂。 (ここでR1はハロゲンまたは炭素数1〜4のアルキル基
    を示し、R2およびR3は水素、メチル基またはエチル基を
    示す。mは1または2であり、nは0〜2であり、xは
    1または2であり、y,zおよびvは0または1であり、
    wは0〜2である。ただし樹脂中の で表される基を除く主鎖はブタジエン重合体の分子内環
    化反応により得られるポリシクロアルカンである。)
  2. 【請求項2】数平均分子量が300〜3,000のブタジエン重
    合体に、一般式 (R4はハロゲンまたは炭素数1〜4のアルキル基を示
    し、pは1または2、qは1または2である。) で示される化合物(II)を三フッ化ホウ素および/また
    は三フッ化ホウ素錯体存在下、温度50〜120℃、反応系
    中の水分量を100重量ppm以下の条件下に反応させること
    を特徴とする、一般式 (R2およびR3は水素、メチル基またはエチル基を示し、
    R4はハロゲンまたは炭素数1〜4のアルキル基を示す。
    pは1または2であり、qは1または2であり、xは1
    または2であり、y,zおよびvは0または1であり、w
    は0〜2である。ただし樹脂中の で表される基を除く主鎖はブタジエン重合体の分子内環
    化反応により得られるポリシクロアルカンである。) で示される繰り返し単位からなる数平均分子量500〜5,0
    00の樹脂の製造法。
  3. 【請求項3】数平均分子量が300〜3,000のブタジエン重
    合体に一般式 (rは1または2である) で示される化合物(IV)を三フッ化ホウ素および/また
    は三フッ化ホウ素錯体存在下、50〜120℃で反応させる
    に当たり、反応系中の水分量を100重量ppm以下にし、か
    つ化合物(IV)と三フッ化ホウ素および/または三フッ
    化ホウ素錯体を含有する系にブタジエン重合体を分割し
    て添加しながら反応させることを特徴とする、一般式 (R2およびR3は水素、メチル基またはエチル基を示す。
    rは1または2であり、xは1または2であり、y,zお
    よびvは0または1であり、wは0〜2である。ただし で表される基を除く主鎖はブタジエン重合体の分子内環
    化反応により得られるポリシクロアルカンである。) で示される繰り返し単位からなる数平均分子量500〜5,0
    00の樹脂の製造法。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲第1項
    の樹脂において、該樹脂の で表される基の付加モル数と主鎖のシクロアルカン環の
    数の割合が1/1〜1/3であることを特徴とする樹脂。
  5. 【請求項5】(A)特許請求の範囲第1項記載の樹脂 100重量部 (B)硬化性エポキシ樹脂 20〜120重量部 (C)硬化促進剤 0.05〜5.0重量部 を必須成分として含有すること特徴とする硬化性エポキ
    シ樹脂組成物。
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