JP3290276B2 - Lc素子,半導体装置及びlc素子の製造方法 - Google Patents

Lc素子,半導体装置及びlc素子の製造方法

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JP3290276B2 JP34642993A JP34642993A JP3290276B2 JP 3290276 B2 JP3290276 B2 JP 3290276B2 JP 34642993 A JP34642993 A JP 34642993A JP 34642993 A JP34642993 A JP 34642993A JP 3290276 B2 JP3290276 B2 JP 3290276B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体装置等に組み込
まれて、あるいは単体で所定の周波数帯域を減衰させる
ことができるLC素子,半導体装置及びLC素子の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の電子技術の発達に伴い、電子回路
は各種分野において幅広く用いられており、従ってこれ
ら各電子回路を外部からの影響を受けることなく安定し
て確実に動作させることが望まれる。
【0003】しかし、このような電子回路には、直接あ
るいは間接的に外部からノイズが侵入する。このため、
電子回路を使用した各種電子機器に誤動作が引き起こさ
れる場合が少なくないという問題がある。
【0004】特に、電子回路は、直流電源としてスイッ
チングレギュレータを用いる場合が多い。従って、スイ
ッチング等の過渡電流により、または使用するデジタル
ICのスイッチング動作に起因する負荷変動により、ス
イッチングレギュレータの電源ラインには各種の周波数
成分を持った大きなノイズが発生することが多い。そし
て、これらのノイズは、同じ機器内の他の回路へ電源ラ
インを介して、または輻射により伝搬され誤動作やS/
N比の低下等の悪影響を及ぼし、さらに近くで使用中の
他の電子機器の誤動作を引き起こすことがある。
【0005】このようなノイズを除去するため、一般に
電子回路では各種のノイズフィルタが用いられている。
特に、近年では各種構成の電子機器を多数使用している
ため、ノイズに対する規制もますます激しくなってお
り、このため発生するノイズを確実に除去することがで
きる小型でしかも高性能なノイズフィルタとして機能す
るLC素子の開発が望まれる。
【0006】このようなLC素子の1つとして、特開平
3−259608号公報に開示されたLCノイズフィル
タが知られている。このLCノイズフィルタは、L成分
とC成分とが分布定数的に存在するものであり、集中定
数タイプのLCノイズフィルタに比べて比較的広い帯域
にわたって良好な減衰特性を得ることができるというも
のである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したL
Cノイズフィルタは、絶縁シートの一方の面にキャパシ
タ用導電体を、他方の面にインダクタ用導電体をそれぞ
れ形成した後に、この絶縁シートを折りたたむことによ
り製造されるものであり、絶縁シートの折り返し等の工
程が必要なため製造工程が複雑になるという問題があっ
た。
【0008】また、このLCノイズフィルタをICやL
SIの電源ラインあるいは信号ラインに直接挿入して使
用する場合には、LCノイズフィルタとIC等とを配線
しなければならず、部品組み付けの手間がかかるという
問題があった。
【0009】また、このLCノイズフィルタは部品単体
として形成されるため、ICやLSIの回路に含ませ
て、すなわちICやLSI等の内部配線管に挿入するこ
とがほとんど不可能であるという問題があった。
【0010】さらに、このLCノイズフィルタにおいて
分布定数的に形成されるキャパシタは、インダクタ用導
電体とキャパシタ用導電体のそれぞれの形状や配置によ
り決定されるため、部品として完成した後はキャパシタ
ンスが一定となり、全体としての特性も固定化されてし
まい汎用性がないという問題があった。例えば、キャパ
シタンスのみを変更したい場合にはキャパシタ用導電体
の形状を変更する必要があり、組み込んだ回路中で必要
に応じてキャパシタンスを任意に変更して使用すること
は困難である。
【0011】そこで、本発明はこのような点に鑑みて創
作されたものであり、その目的は、製造が簡単であり後
工程における部品の組み付け作業を省略することがで
き、しかもICやLSIの一部として形成することが可
能なLC素子,半導体装置及びLC素子の製造方法を提
供することにある。
【0012】また、本発明の他の目的は、分布定数的に
存在するキャパシタンスを必要に応じて変えることによ
り特性を任意に変更することができるLC素子,半導体
装置およびLC素子の製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1のLC素子は、同一平面内であって、
ほぼ平行で隣接して配置された非スパイラル形状の2つ
の電極と、前記2つの電極に沿った位置に形成され、こ
れら2つの電極のいずれか一方にp領域が、他方にn領
域が電気的に接続された非スパイラル形状のpn接合層
と、を備え、前記2つの電極のそれぞれによって形成さ
れるインダクタと、これら2つの電極間の前記pn接合
層によって形成されるキャパシタとが分布定数的に存在
し、前記2つの電極の少なくとも一方を信号入出力路と
して用いることを特徴とする。
【0014】請求項2のLC素子は、同一平面内であっ
て、ほぼ平行で隣接して配置された長さが異なる非スパ
イラル形状の2つの電極と、前記2つの電極の短い方に
沿った位置に形成され、前記2つの電極のいずれか一方
にp領域が、他方にn領域が電気的に接続された非スパ
イラル形状のpn接合層と、を備え、前記2つの電極の
それぞれによって形成されるインダクタと、これら2つ
の電極間の前記pn接合層によって形成されるキャパシ
タとが分布定数的に存在し、前記2つの電極の少なくと
も一方を信号入出力路として用いることを特徴とする。
【0015】請求項3のLC素子は、ほぼ対向して配置
された非スパイラル形状の2つの電極と、前記2つの電
極に挟まれた位置に形成されており、これら2つの電極
のいずれか一方にp領域が、他方にn領域が電気的に接
続されたpn接合層と、を備え、前記2つの電極のそれ
ぞれによって形成されるインダクタと、これら2つの電
極間の前記pn接合層によって形成されるキャパシタと
が分布定数的に存在し、前記2つの電極の少なくとも一
方を信号入出力路として用いることを特徴とする。
【0016】請求項4のLC素子は、ほぼ対向して配置
された長さが異なる非スパイラル形状の2つの電極と、
少なくとも前記2つの電極に挟まれた位置に形成されて
おり、これら2つの電極のいずれか一方にp領域が、他
方にn領域が電気的に接続されたpn接合層と、を備
え、前記2つの電極のそれぞれによって形成されるイン
ダクタと、これら2つの電極間の前記pn接合層によっ
て形成されるキャパシタとが分布定数的に存在し、前記
2つの電極の少なくとも一方を信号入出力路として用い
ることを特徴とする。
【0017】請求項5のLC素子は、請求項1〜4のい
ずれかのLC素子において、前記電極の形状は、蛇行形
状であることを特徴とする。
【0018】請求項6のLC素子は、請求項1〜4のい
ずれかのLC素子において、前記電極の形状は、波形形
状であることを特徴とする。
【0019】請求項7のLC素子は、請求項1〜4のい
ずれかのLC素子において、前記電極の形状は、曲線形
状であることを特徴とする。
【0020】請求項8のLC素子は、請求項1〜4のい
ずれかのLC素子において、前記電極の形状は、直線形
状であることを特徴とする。
【0021】請求項9のLC素子は、請求項1〜8のい
ずれかのLC素子において、前記2つの電極のいずれか
一方を複数に分割し、あるいは前記2つの電極のいずれ
か一方とともに対応する前記pn接合層を複数に分割
し、分割された複数の電極片のそれぞれの一部を電気的
に接続することを特徴とする。
【0022】請求項10のLC素子は、請求項1〜9の
いずれかのLC素子において、非スパイラル形状の前記
2つの電極のいずれか一方の両端近傍に設けられた第1
及び第2の入出力電極と、非スパイラル形状の前記2つ
の電極の他方の一端近傍に設けられたアース電極と、を
有し、前記第1及び第2の入出力電極のいずれか一方か
ら信号を入力し、他方から信号を出力するとともに、前
記アース電極を固定電位の電源に接続あるいは接地する
ことを特徴とする。
【0023】請求項11のLC素子は、請求項1〜8の
いずれかのLC素子において、非スパイラル形状の前記
2つの電極のいずれか一方の両端近傍に設けられた第1
及び第2の入出力電極と、非スパイラル形状の前記2つ
の電極の他方の両端近傍に設けられた第3及び第4の入
出力電極と、を有し、非スパイラル形状の前記2つの電
極のそれぞれを信号入出力路とするコモンモード型の素
子として用いられることを特徴とする。
【0024】請求項12のLC素子は、請求項1〜11
のいずれかのLC素子において、非スパイラル形状の前
記2つの電極に対して、前記pn接合層の逆バイアスの
電圧レベルの信号の入力を行なうことを特徴とする。
【0025】請求項13のLC素子は、請求項1〜11
のいずれかのLC素子において、前記pn接合層に所定
の逆バイアス電圧を印加するバイアス回路と、入力信号
から直流成分を除去した信号を非スパイラル形状の前記
2つの電極の少なくとも一方に入力する直流成分除去回
路と、をさらに含むことを特徴とする。
【0026】請求項14のLC素子は、請求項1〜11
のいずれかのLC素子において、非スパイラル形状の前
記2つの電極の少なくとも一方と前記pn接合層との間
に絶縁層を形成するとともに、前記pn接合層に所定の
逆バイアス電圧を印加するバイアス回路を設けることを
特徴とする。
【0027】請求項15のLC素子は、請求項13また
は14のLC素子において、前記バイアス回路は前記p
n接合層に印加する逆バイアス電圧を変更可能であり、
前記pn接合層に印加する逆バイアス電圧を変えること
により前記pn接合層が有するキャパシタンスを任意に
変更することを特徴とする。
【0028】請求項16の半導体装置は、請求項1〜1
5のいずれかのLC素子を基板の一部として形成し、非
スパイラル形状の前記2つの電極の少なくとも一方を信
号ラインあるいは電源ラインに挿入して一体成形したこ
とを特徴とする。
【0029】請求項17のLC素子は、請求項1〜9の
いずれかのLC素子において、半導体基板上に前記pn
接合層を、さらにその上に非スパイラル形状の前記2つ
の電極を形成し、この半導体基板の全表面に化学液相法
により絶縁膜を形成し、この絶縁膜の一部をエッチング
あるいはレーザ光照射によって除去して孔をあけ、その
孔を半田で表面に盛り上がる程度に封じることにより端
子付けを行なうことを特徴とする。
【0030】請求項18のLC素子の製造方法は、半導
体基板に、非スパイラル形状のp領域あるいはn領域を
形成する第1の工程と、前記第1の工程において形成さ
れたp領域あるいはn領域の表面の一部に、反転層であ
るn領域あるいはp領域を形成することにより、非スパ
イラル形状のpn接合層を形成する第2の工程と、前記
pn接合層の表面であって、p領域及びn領域のそれぞ
れに電気的に接続された非スパイラル形状の2つの電極
を形成する第3の工程と、非スパイラル形状の前記2つ
の電極のそれぞれに接続される配線層を形成する第4の
工程と、を含むことを特徴とする。
【0031】
【作用】請求項1のLC素子では、非スパイラル形状の
2つの電極がほぼ平行に形成されている。一般には、導
体を渦巻き形状に形成することによりインダクタとして
機能するが、その導体の形状を工夫することにより、あ
るいは使用する周波数帯域によっては導体を渦巻き形状
以外の形状とした場合でもインダクタとして機能するよ
うになる。
【0032】したがって、請求項1のLC素子において
は、非スパイラル形状の2つの電極のそれぞれがインダ
クタとして機能する。また、これら2つの電極間にはp
n接合層が形成されており、このpn接合層がキャパシ
タとして機能する。しかも、このキャパシタは非スパイ
ラル形状の電極の全長にわたって分布定数的に形成され
ている。このため、上述した2つの電極の少くとも一方
に入力された信号は、分布定数的に存在するインダクタ
およびキャパシタを介して伝搬される際に、広い帯域に
わたり良好な減衰特性が得られる。
【0033】特に、請求項1のLC素子は、半導体基板
上に非スパイラル形状のpn接合層を形成するととも
に、さらにその表面側に非スパイラル形状の2つの電極
を形成することにより製造することができ、製造が非常
に容易となる。また、このLC素子は、半導体基板上に
形成されるため、ICやLSIの一部として形成するこ
とも可能であり、このような部品の一部として形成した
場合には、後工程における部品の組み付け作業を省略す
ることができる。
【0034】また、請求項2のLC素子では、上述した
非スパイラル形状の2つの電極のいずれか一方を短く形
成している。この場合であっても同様に、長さが異なる
2つの電極のそれぞれはインダクタとして機能し、これ
らの電極間にはpn接合層によって形成されるキャパシ
タが分布定数的に存在する。したがって、このLC素子
は広い帯域にわたって良好な減衰特性を有するととも
に、製造容易及び基板の一部として形成することが可能
であるという効果がある。
【0035】また、請求項3のLC素子は、上述した請
求項1のLC素子ではほぼ同一面内で平行に配置されて
いた非スパイラル形状の2つの電極を、半導体基板を挟
んでほぼ対向するように配置しており、これらの電極が
それぞれインダクタとして機能し、これらの電極間には
pn接合層によって形成されるキャパシタが分布定数的
に存在する。したがって、このLC素子は広い帯域にわ
たって良好な減衰特性を有するとともに、製造容易及び
基板の一部として形成することが可能であるという効果
がある。
【0036】同様に、請求項4のLC素子は、上述した
請求項2のLC素子ではほぼ同一面内で平行に配置され
ていた非スパイラル形状の2つの電極を、半導体基板を
挟んでほぼ対向するように配置しており、これらの電極
がそれぞれインダクタとして機能し、これらの電極間に
はpn接合層によって形成されるキャパシタが分布定数
的に存在する。したがって、このLC素子は広い帯域に
わたって良好な減衰特性を有するとともに、製造容易及
び基板の一部として形成することが可能であるという効
果がある。
【0037】また、請求項5〜8のLC素子は、上述し
た電極の非スパイラル形状を具体的に蛇行形状,波形形
状,曲線形状,直線形状に特定したものである。
【0038】すなわち、電極を蛇行形状あるいは波形形
状とした場合には、各凹凸部の1つ1つが約1/2ター
ンのコイルとなってこれらが直列に接続されるため、全
体として所定のインダクタンスを有することになる。特
に、蛇行形状とすることにより、隣接する電極を接近さ
せることができるため、スペースの有効利用を図ること
ができる。また、使用する周波数帯域を高周波領域に限
った場合には、電極を曲線形状あるいは直線形状とした
場合にも所定のインダクタンスを有することになり、電
極を蛇行形状等に形成した場合と同様の動作を行わせる
ことができる。
【0039】また、請求項9のLC素子では、上述した
非スパイラル形状の2つの電極のいずれか一方を複数の
電極片に分割するとともにこれらの一部を電気的に接続
して使用する。この場合には、分割された各電極片の自
己インダクタンスが小さくなり、この自己インダクタン
スの影響が少ない分布定数型のLC素子となる。
【0040】特に、請求項10では、上述した各LC素
子の非スパイラル形状の電極のいずれか一方の両端近傍
に第1及び第2の入出力電極を設けるとともに、非スパ
イラル形状の他方の電極の一方端近傍にアース電極を設
けることにより、第1及び第2の入出力電極が設けられ
た側の非スパイラル形状の電極が信号入出力路として使
用される3端子型のLC素子を容易に形成することがで
きる。
【0041】また、請求項11では、他方の非スパイラ
ル形状の電極の両端にも第3及び第4の入出力電極を設
けることにより、4端子コモンモード型のLC素子を容
易に形成することができる。
【0042】また、請求項12のLC素子では、上述し
た非スパイラル形状の2つの電極のそれぞれに対して、
pn接合層に逆バイアスがかかるような電圧レベルの信
号を入力することにより、2つの電極間に分布定数的に
キャパシタが確実に形成されるようになっている。
【0043】すなわち、pn接合層においては逆バイア
スをかけたときにキャパシタとして機能させることがで
きるため、非スパイラル形状のpn接合層がキャパシタ
として機能するような信号を入力することにより、全体
として広い帯域で良好な減衰特性を有するLC素子とし
て動作することができる。
【0044】また、請求項13のLC素子においては、
このpn接合層に対する逆バイアス電圧をバイアス回路
によって印加している。また、これに対応して直流成分
除去回路が設けられており、入力信号から直流成分が除
去された信号がバイアス回路から印加される逆バイアス
電圧に重畳されて入力される。これにより、pn接合層
を完全に逆バイアスで用いることができ、非スパイラル
形状の2つの電極間に確実にキャパシタを形成すること
ができる。
【0045】また、請求項14のLC素子では、上述し
た非スパイラル形状の2つの電極の少なくとも一方とp
n接合層との間に絶縁層を形成し、バイアス回路によっ
てpn接合層に逆バイアス電圧を印加している。したが
って、この場合もpn接合層を確実にキャパシタとして
動作させることができ、全体として広い帯域において良
好な減衰特性を有するLC素子として動作する。また、
この場合には絶縁層によって非スパイラル形状の電極と
pn接合層とが直流的に分離されているため、上述した
請求項13で用いるような直流成分除去回路を付加する
必要はない。
【0046】また、請求項15のLC素子では、上述し
たバイアス回路によって印加する逆バイアス電圧を可変
に設定することができる。これにより、非スパイラル形
状の2つの電極間に形成されるキャパシタの容量を任意
に変更することができ、減衰特性を必要に応じて可変に
制御することができる。
【0047】また、請求項16の半導体装置では、上述
した各請求項のLC素子を基板の一部に、信号ラインあ
るいは電源ラインに挿入するように形成している。これ
により、半導体基板上の他の部品と一体的に製造するこ
とができ、製造が容易になるとともに後工程における部
品の組み付け作業が不要となる。
【0048】また、請求項17のLC素子は、上述した
請求項1〜9のいずれかのLC素子を半導体基板上に形
成した後に化学液相法により全表面に絶縁膜を形成す
る。その後、この絶縁膜の一部にエッチングやレーザ光
照射により孔をあけ、この孔に半田を盛ることにより端
子付けが行われる。したがって、表面実装型のLC素子
を簡単に製造することができ、表面実装型とすることに
よりこのLC素子の組み付け作業も容易となる。
【0049】また、請求項18のLC素子の製造方法
は、上述した各LC素子を半導体製造技術を適用して製
造するための方法である。すなわち、第1の工程におい
て非スパイラル形状のp領域あるいはn領域を形成し、
次に第2工程においてその一部に反転層であるn領域あ
るいはp領域を形成することにより、全体として非スパ
イラル形状を有するpn接合層が形成される。そして、
第3の工程において非スパイラル形状の2つの電極を形
成することにより上述したLC素子が完成する。また、
必要に応じてその後の工程で非スパイラル形状の2つの
電極のそれぞれに接続される配線層が形成される。
【0050】このように、上述したLC素子は一般的な
半導体製造技術を応用することにより製造することがで
き、小型化あるいは低コスト化が可能であるとともに、
複数個同時に大量生産することも可能となる。
【0051】
【実施例】以下、本発明を適用した一実施例のLC素子
について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0052】第1実施例 図1は、本発明を適用した第1実施例のLC素子の平面
図である。また、図2は図1のA−A線拡大断面図であ
る。
【0053】これらの図に示すように、本実施例のLC
素子100は、半導体基板であるp型シリコン基板(p
−Si基板)24の表面付近に形成された蛇行形状のn
+ 領域22と、さらにその一部に形成された蛇行形状の
+ 領域20とを含んでおり、これらのn+ 領域22と
+ 領域20とがpn接合層26を形成している。ま
た、上述したp−Si基板24に比べて、n+ 領域22
およびp+ 領域20のそれぞれは不純物濃度が高目に設
定されており、このp−Si基板24とn+ 領域22と
の間に逆バイアス電圧を印加することによりアイソレー
ション領域として機能するようになっている。実際は、
後述するアース電極18とp−Si基板24とを同電位
とすることにより確実に逆バイアスの電圧を印加すれば
よい。
【0054】また、本実施例のLC素子100は、上述
したn+ 領域22の表面側であって、このn+ 領域22
に沿った位置に蛇行形状の第1の電極10が形成されて
いる。同様に、p+ 領域20の表面側であって、p+
域20に沿った位置に第2の電極12が形成されてい
る。そして、第1の電極10の両端には2つの入出力電
極14,16が接続されている。第2の電極12の一方
端(例えば入出力電極14側)にはアース電極18が設
けられている。このように、第1及び第2の電極10,
12に対する入出力電極14,16あるいはアース電極
18の取り付けは、図1に示すように薄いn+ 領域22
あるいはp+ 領域20を傷付けないように能動領域の外
側で行われる。
【0055】図3は、蛇行形状の電極によって形成され
るインダクタの原理を示す図である。同図に示すよう
に、凹凸状に屈曲した蛇行形状を有する電極10あるい
は12に一方向の電流を流した場合には、隣接する凹凸
部分で向きが反対となるような磁束が交互に発生し、あ
たかも1/2ターンのコイルが直列に接続された状態に
なる。実際に、蛇行形状の電極と渦巻き形状の電極とを
比較すると、電極の幅および隣接する電極の間隔を同一
にしたときには、同じ面積に形成することができる電極
の長さは、蛇行形状の電極の方が渦巻き形状の電極より
も長くなり、インダクタンスの値にはあまり差がないこ
とが確認されている。
【0056】また、渦巻き形状の電極にした場合には、
電極の両端部の内の一方が中心部に位置し、他方が周辺
部に位置するのに対し、蛇行形状の電極では電極の両端
が周辺部に位置するので、端子を設けたり他の回路素子
と接続する際に好都合である。
【0057】このような構造を有する本実施例のLC素
子100は、蛇行形状を有している第1及び第2の電極
10,12がそれぞれインダクタ導体として機能するこ
とになる。また、第1及び第2の電極10,12のそれ
ぞれに電気的に接続されたpn接合層26が逆バイアス
の状態で使用されると蛇行形状のキャパシタとして機能
する。したがって、第1及び第2の電極10,12によ
り形成されるインダクタとpn接合層26によって形成
されるキャパシタが分布定数的に存在するLC素子10
0となる。
【0058】図4は、本実施例のLC素子100の等価
回路を示す図である。同図(A)に示すように、蛇行形
状を有する第1の電極10がインダクタンスL1を有す
るインダクタとして機能し、一方の入出力電極14から
入力された信号がこの第1の電極10を介して伝搬され
他方の入出力電極16から出力される。また、蛇行形状
を有する第2の電極12がインダクタンスL2を有する
インダクタとして機能し、一方端に設けられたアース電
極18が接地され、あるいは固定電位Eの電源に接続さ
れて使用される。
【0059】このような接続状態において、入出力電極
14に入力される電圧レベルをアース電極18の電圧レ
ベル(0Vあるいは固定電位E)よりも高く設定した場
合には、n+ 領域22とp+ 領域20とからなるpn接
合層26に逆バイアス電圧がかかるため、このpn接合
層26がキャパシタタンスCを有するキャパシタとして
機能する。また、このキャパシタは第1の電極10と第
2の電極12との全長にわたって分布定数的に形成され
ており、従来の集中定数型のLC素子にはない優れた減
衰特性を発揮することができる。
【0060】また、図4(B)は、pn接合層26に強
制的に逆バイアス電圧を印加したものであり、これによ
り確実にpn接合層26をキャパシタとして動作させる
ことができる。具体的には、入出力電極14とアース電
極18との間に所定の逆バイアス電圧を印加するための
バイアス用電源28を接続するとともに、入力信号の中
の直流成分のみを除去するためのコンデンサ30を入出
力電極14側に接続する。このような回路を付加するこ
とにより、pn接合層26に対して一定の逆バイアス電
圧を常に印加することができるとともに、この逆バイア
ス電圧に重畳された信号を本実施例のLC素子100に
入力することができる。
【0061】なお、入出力電極16から出力される信号
には逆バイアス電圧が加わっているため、さらにその外
側にコンデンサ32を接続することにより、直流成分で
あるこの逆バイアス電圧分を除去することが望ましい。
【0062】また、図4(C)は、上述したバイアス用
電源28に代えて、逆バイアスの電圧レベルを任意に変
更することができる可変バイアス用電源34を接続した
ものである。一般に、pn接合層26に印加される逆バ
イアス電圧の大小に応じてpn接合面に生じる空乏層の
幅が変化するため、これにともないキャパシタンスCも
変動する。したがって、2つの入出力電極14,16を
介してpn接合層26に印加される逆バイアス電圧を変
えることにより、分布定数的に存在するキャパシタンス
Cを任意に変化させ、LC素子100全体としての減衰
特性を調整あるいは変更することができる。
【0063】図5は、本実施例のLC素子100の製造
工程を示す図であり、図1のB−B線断面の各製造工程
毎の状態が示されている。
【0064】(1)エピタキシャル層の成長:まず最初
に、p−Si基板24(ウエハ)表面の酸化膜を除去し
た後に、p−Si基板24の表面全体にn+ 形エピタキ
シャル層25を成長させる(同図(A))。
【0065】(2)アイソレーション領域の形成:次に、
図1に示したn+ 領域22及びp+ 領域20を除く領域
をアイソレーション領域とするために、p形不純物の拡
散あるいはイオン注入を行なう。
【0066】具体的には、まずエピタキシャル層25の
表面を熱酸化して酸化膜70を形成する。そして、フォ
トリソグラフィによってp領域を形成すべき位置の酸化
膜70を除去した後に、p形不純物を熱拡散あるいはイ
オン注入により選択的に添加することにより、p領域が
選択的に形成される。このようにして形成されたp領域
は、p−Si基板24の一部となってアイソレーション
領域を形成する(同図(B))。
【0067】このようにしてアイソレーション領域の形
成が行われた結果、残されたエピタキシャル層25によ
って蛇行形状のn+ 領域22が形成される。
【0068】(3)pn接合層の形成:次に、蛇行形状に
形成されたn+ 領域22の一部にp形不純物を熱拡散あ
るいはイオン注入により導入することにより、蛇行形状
のp+ 領域20を形成する。
【0069】具体的には、まずn+ 領域22を含むp−
Si基板24の表面を熱酸化して酸化膜72を形成す
る。そして、フォトリソグラフィによってp+ 領域20
を形成すべき位置の酸化膜72を除去した後に、p形不
純物を熱拡散あるいはイオン注入により選択的に添加す
ることにより、p+ 領域20が選択的に形成される。
【0070】このp+ 領域20は、先に形成されたn+
領域22中に形成する必要があるため、既に導入されて
いるn形不純物の量以上のp形不純物を添加することに
より、p+ 領域20が形成される(同図(C))。
【0071】このようにして、n+ 領域22とp+ 領域
20とからなる蛇行形状のpn接合層26が形成され
る。
【0072】(4)スパイラル電極の形成:次に、熱酸化
により表面に酸化膜74を形成した後にフォトリソグラ
フィによってn+ 領域22とp+ 領域20のそれぞれの
表面に蛇行形状の孔あけを行ない、その後この蛇行形状
に孔あけされた部分に、例えばアルミニウムや銅あるい
は金等を蒸着することにより第1及び第2の電極10,
12を形成する(同図(D))。また、その後2つの入
出力電極14,16及びアース電極18のそれぞれをア
ルミニウム等の蒸着により形成する。
【0073】最後に、全面にP−ガラスを付着させた
後、加熱して平坦な表面を形成することによりLC素子
100が完成する。
【0074】本実施例のLC素子100を製造する工程
は、基本的には通常のバイポーラトランジスタあるいは
ダイオードを製造する工程と類似しており、pn接合層
26やその間のアイソレーション領域の形状等が異なる
ものである。したがって、一般のバイポーラトランジス
タを製造する工程においてフォトマスクの形状を変更す
ることにより対応することができ、製造が容易になると
ともに小型化にも適している。また、一般のバイポーラ
トランジスタやMOS−FET等の半導体部品と同一基
板上に形成することが可能であり、ICやLSIの一部
として形成することができる。しかも、ICやLSIの
一部として形成した場合には、後工程における部品の組
み付け作業を省略することができる。
【0075】なお、上述した本実施例の製造工程におい
ては、最初にエピタキシャル成長によりn+ 領域を表面
全体に形成した後にアイソレーションを行なう場合を例
にとり説明したが、p−Si基板24の表面に酸化膜を
形成した後にフォトリソグラフィにより蛇行形状のn+
領域22に対応する窓あけを行ない、この部分に熱拡散
あるいはイオン注入によりn形不純物を導入することに
よりn+ 領域22を形成した後に、同様の方法により直
接的にp+ 領域20を形成してもよい。また、pn接合
層を形成する方法については、一般的な半導体製造技術
を用いることができる。
【0076】このように、本実施例のLC素子100
は、第1及び第2の電極10,12のそれぞれがインダ
クタを形成するとともに、これらの電極に沿って形成さ
れた蛇行形状のpn接合層26が逆バイアスで使用され
ることによりキャパシタとして機能する。しかも、第1
及び第2の電極10,12の全長にわたってpn接合層
26が形成されているため、第1及び第2の電極10,
12に形成されるインダクタンスL1,L2とpn接合
層26によって形成されるキャパシタンスCとが分布定
数的に存在する。
【0077】したがって、第2の電極12の一方端に設
けられたアース電極18を接地あるいは固定電位に接続
するとともに、第1の電極10を信号の入出力路として
用いた場合には、入力された信号に対して広い帯域で良
好な減衰特性を有するLC素子となる。
【0078】また、上述したようにこのLC素子100
は、一般のバイポーラトランジスタ等の製造技術を応用
して製造することができるため、製造が容易であり小型
化等にも適している。また、半導体基板の一部としてこ
のLC素子を製造した場合には他の部品との配線も同時
に行なうことができ、後工程における組み付け作業等が
不要となる。
【0079】また、本実施例のLC素子100は、pn
接合層26に加える逆バイアス電圧の値を変えることに
より、分布定数的に形成されるキャパシタの容量Cを可
変に制御することができ、LC素子100の全体の周波
数特性を調整あるいは変更することができる。
【0080】なお、上述した第1実施例は、第1の電極
10を信号の入出力路として用いたが、第2の電極12
を信号の入出力路として用いるようにしてもよい(この
点は後述する各実施例についても同様である)。すなわ
ち、第2の電極12の両端に入出力電極14,16を接
続することによりこの第2の電極12を信号の入出力路
として用いるとともに、第1の電極10の一方端にアー
ス電極18を接続し、このアース電極18を接地あるい
は固定電位に接続する。
【0081】また、図6は第2の電極12をp−Si基
板24の反対の面(裏面)側に第1の電極10にほぼ対
向するように配置した場合の変形例を示す図である。ま
た、図7は図6のA−A線拡大断面を示す図であり、図
2に対応するものである。このように、蛇行形状の2つ
の電極10,12をpn接合層26を介してほぼ対向さ
せて配置した場合であっても、図1および図2に示した
LC素子100と同様に、第1および第2の電極10,
12のそれぞれがインダクタとして機能するとともに、
これらの間には分布定数的にキャパシタが形成されるこ
とに変わりはなく、良好な周波数特性を有するとともに
製造容易等の利点を有することになる。特に、このよう
に第1および第2の電極10,12をほぼ対向させる場
合には、図1に示したようにほぼ同一面内に平行に配置
した場合に比べて、実装面積を小さくできる利点もあ
る。
【0082】ところで、図7に断面構造を示すLC素子
においては、pn接合層26全体が大きな対向電極(n
領域23とp領域21のそれぞれが対向電極に相当す
る)を有する1つのキャパシタと考えられる。しかし、
一般にn領域23とp領域21のそれぞれは第1および
第2の電極10,12に比べて比抵抗が大きいため、第
1および第2の電極10,12間に交流信号を流した場
合には、対向する第1および第2の電極10,12間の
蛇行形状のキャパシタを介してのみ交流信号が流れ、第
1および第2の電極10,12の隣接する蛇行部分間に
形成されるキャパシタにはほとんど交流信号が流れな
い。したがって、第1および第2の電極10,12間の
対向して配置される部分同士以外のpn接合層26はキ
ャパシタとして機能することはなく、第1および第2の
電極10,12の対向部分のみがキャパシタとして機能
することになる。
【0083】第2実施例 次に、本発明の第2実施例のLC素子について、図面を
参照しながら具体的に説明する。
【0084】上述した第1実施例のLC素子100は、
蛇行形状の第1及び第2の電極10,12がほぼ全長に
わたって平行に、すなわちほぼ同一の長さに形成された
ものであるが、本実施例のLC素子200は、図1に示
した第2の電極12を約半分の長さにするとともに、こ
れに対応するpn接合層26も約半分の長さにした点に
特徴がある。
【0085】図8は、第2実施例のLC素子200の平
面図である。図8に示すように第2の電極12及び対応
するpn接合層26を部分的に省略した場合であって
も、短くなった第2の電極12により形成されるインダ
クタと、短くなったpn接合層26により形成されるキ
ャパシタとが分布定数的に形成されるため、図1に示し
たLC素子100と同様に良好な減衰特性を有すること
になる。
【0086】図9は、本実施例のLC素子200の等価
回路を示す図である。同図(A)に示すように、第2の
電極12の蛇行数が少くなった分だけインダクタンスL
3も小さくなり、これに対応して分布定数的に存在する
キャパシタンスC1も小さくなる。
【0087】また、同図(B)及び同図(C)に示すよ
うに、入出力電極14とアース電極18との間にバイア
ス用電源28あるいは可変バイアス用電源34とともに
コンデンサ30を接続することにより、pn接合層26
の逆バイアスを確実に実現することができるとともに、
この逆バイアス電圧の値を可変に制御することにより特
性値が変更できる点は上述した第1実施例と同様であ
る。
【0088】このように、本実施例のLC素子200
は、一方が短い第1及び第2の電極10,12ととも
に、これらの間にpn接合層26を形成することにより
インダクタとキャパシタとが分布定数的に存在し、良好
な減衰特性を持った素子として機能することができる。
また、LC素子200を半導体製造技術を利用して製造
できる点や、LSI等の一部として形成することができ
るとともにこの場合には後工程における配線処理を省略
できる等については上述した第1実施例のLC素子10
0と同じである。
【0089】図10は、第2の電極12をp−Si基板
24の反対の面側に第1の電極10にほぼ対向するよう
に配置した場合の変形例を示す図である。同図に示すよ
うに、蛇行形状で長さが異なる第1および第2の電極1
0,12をほぼ対向させて配置した場合であっても、図
8に示したLC素子200と同様に、第1および第2の
電極10,12のそれぞれがインダクタとして機能する
とともに、これらの間に分布定数的にキャパシタが形成
されることに変わりはなく、良好な周波数特性を有する
とともに製造容易等の利点を有することになる。
【0090】第3実施例 次に、本発明の第3実施例のLC素子300について図
面を参照しながら具体的に説明する。
【0091】上述した第1実施例のLC素子100及び
第2の実施例のLC素子200は、3端子型のノーマル
モード型素子として機能するものであるが、本実施例の
LC素子300は、4端子型のコモンモード型素子とし
て機能するよう形成されている点に特徴がある。
【0092】図11は、第3実施例のLC素子の平面図
である。同図に示すように、第3実施例のLC素子30
0は、蛇行形状の第2の電極12の両端に入出力電極3
6,38が設けられており、この点が図1に示したLC
素子100と異なっている。
【0093】図12は、第3実施例のLC素子の等価回
路を示す図である。同図(A)に示すように、2つの入
出力電極14,16の間に形成された第1の電極10が
インダクタンスL1を有するインダクタとして機能する
とともに、2つの入出力電極36,38間に形成された
第2の電極12がインダクタンスL2を有するインダク
タとして機能する。しかも、これら2つのインダクタの
間には、第1実施例のLC素子100と同様にキャパシ
タンスCを有するキャパシタがpn接合層26により分
布定数的に形成される。
【0094】このように、本実施例のLC素子300
は、第1の電極10のみならず第2の電極12の両端に
も2つの入出力電極36,38を設けることにより、良
好な減衰特性をもった4端子コモンモード型素子として
機能することができる。
【0095】また、pn接合層26は、第2の電極12
に対して第1の電極10の相対的電位が高い逆バイアス
のときにキャパシタとして動作するため、上述した4端
子コモンモード素子として動作させるためには、第1の
電極10側に入力する信号レベルを第2の電極12側に
入力する信号レベルよりも高く設定する必要がある。
【0096】図12(B)は、第1及び第2の電極1
0,12間に強制的に逆バイアス電圧を印加するように
したものであり、この逆バイアス電圧の印加はバイアス
用電源28により行われる。また、本実施例のLC素子
300においては入出力電極14及び36の両方に対し
て信号が入力されるため、第1実施例で用いたコンデン
サ30の他にコンデンサ40を入出力電極36側に接続
する。
【0097】このように、2つのコンデンサ30,40
を用いることにより2つの入出力電極14,36のそれ
ぞれに入力される信号からは直流成分が取り除かれ、そ
れぞれの信号の交流成分のみがバイアス用電源28から
印加される逆バイアス電圧に重畳されて本実施例のLC
素子300に入力されるようになる。
【0098】したがって、本実施例のLC素子300
は、pn接合層26に対して確実に逆バイアス電圧を印
加することができ、インダクタとともにキャパシタが分
布定数的に形成される。これにより、良好な減衰特性が
得られる。
【0099】また、図12(C)は、同図(B)のバイ
アス用電源28を可変バイアス用電源34に置き換えた
ものである。すなわち、可変バイアス用電源34により
逆バイアス電圧を可変に設定することができ、これによ
りpn接合層26が有するキャパシタンスCの変更、す
なわちLC素子300全体の特性値の変更が可能とな
る。
【0100】図13は、第2の電極12をp−Si基板
24の反対の面側に第1の電極10にほぼ対向するよう
に配置した場合の変形例を示す図である。同図に示すよ
うに、蛇行形状の第1および第2の電極10,12をほ
ぼ対向させて配置した場合であっても、図11に示した
LC素子300と同様に、第1および第2の電極10,
12のそれぞれがインダクタとして機能し、これらの間
に分布定数的にキャパシタが形成される4端子コモンモ
ード型素子とすることができ、良好な周波数特性を有す
るとともに製造容易等の利点を有することになる。
【0101】第4実施例 次に、本発明の第4実施例のLC素子について、図面を
参照しながら具体的に説明する。
【0102】上述した各実施例のLC素子100,20
0,300のそれぞれは、第2の電極12を1本の導体
で形成していたが、本実施例のLC素子400はこの第
2の電極12を複数の(例えば2本の)分割電極片12
−1,12−2に分割した点に特徴がある。
【0103】図14は、第4実施例のLC素子の平面図
である。同図に示すように、第4実施例のLC素子40
0は、図1に示したLC素子100に用いられている第
2の電極12を2本の分割電極片12−1,12−2に
置き換えた構造を有している。全体として蛇行形状を有
するこれらの分割電極片12−1,12−2のそれぞれ
には、アース電極18が接続されており、2つのアース
電極18を接地することにより、各分割電極片12−
1,12−2のそれぞれによって形成されるインダクタ
の一方端が接地される。あるいは、2つのアース電極1
8を固定電位の電源に接続することにより、各分割電極
片12−1,12−2のそれぞれによって形成されるイ
ンダクタの一方端がこの固定電位となる。
【0104】図15は、第4実施例のLC素子400の
等価回路を示す図である。同図(A)に示すように、第
1の電極10の全体がインダクタンスL1を有するイン
ダクタとして機能するとともに、各分割電極片12−
1,12−2のそれぞれがインダクタンスL3,L4を
有するインダクタとして機能する。そして、第1の電極
10と2つの分割電極片12−1,12−2とそれぞれ
の間にあるpn接合層26とがキャパシタンスC2,C
3を有するキャパシタとして機能し、しかもこれらのキ
ャパシタが分布定数的に形成される。
【0105】また、図15(B)及び同図(C)には、
強制的な逆バイアス電圧あるいは可変に設定可能な逆バ
イアス電圧を印加する場合の回路が示されている。これ
らの図は、図4(B)及び(C)に対応するものであ
り、このような回路構成とすることにより、pn接合層
26を確実にキャパシタとして動作させることができ、
あるいはこのキャパシタの容量を変えることによりLC
素子400全体としての特性を変更することができる。
【0106】本実施例のLC素子400においては、各
分割電極片12−1,12−2の自己インダクタンスL
3,L4が小さくなる。したがって、これらの自己イン
ダクタンスによるLC素子400全体の特性への影響は
小さくなり、第1の電極10が有するインダクタンスL
1と分布定数的に形成されるキャパシタンスC2,C3
とによってLC素子全体の特性がほぼ決定されることに
なる。
【0107】なお、上述した本実施例のLC素子400
は、第2の電極12を2分割したが、3以上の数に分割
するようにしてもよく、分割数を増すことによりそれぞ
れの分割電極片の自己インダクタンスがさらに小さくな
る。
【0108】図16は、2本の分割電極片12−1,1
2−2をp−Si基板24の反対の面側に第1の電極1
0にほぼ対向するように配置した場合の変形例を示す図
である。同図に示すように、蛇行形状の第1の電極10
と2本の分割電極片12−1,12−2とをほぼ対向さ
せて配置した場合であっても、図14に示したLC素子
400と同様に、第1の電極10および各分割電極片1
2−1,12−2のそれぞれがインダクタとして機能す
るとともに、これらの間に分布定数的にキャパシタが形
成されることに変わりはなく、良好な周波数特性を有す
るとともに製造容易等の利点を有することになる。
【0109】第5実施例 次に、本発明の第5実施例のLC素子について、図面を
参照しながら具体的に説明する。
【0110】一般に、導電体は渦巻き形状とすることに
より所定のインダクタンスを有するインダクタ導体とし
て機能する。また、上述したように電極10,12を蛇
行形状とした場合であっても所定のインダクタンスを有
するインダクタ導体として機能する。ところが、入力さ
れる信号の周波数帯域を高周波に限った場合には、渦巻
き形状や蛇行形状以外の形状、極端な場合には直線形状
であってもインダクタンス成分を有するインダクタ導体
として機能する。本実施例のLC素子は、このような点
に着目して、電極10等を蛇行形状以外の形状に形成し
た点に特徴がある。
【0111】図17および図18は、第1および第2の
電極10,12のそれぞれを直線形状とした本実施例の
LC素子の平面図である。
【0112】図17(A)は上述した図1に対応してお
り、第1および第2の電極10,12の長さがほぼ等し
く、しかもほぼ平行に形成された3端子型のLC素子が
示されている。同図(B)は図8に対応しており、第2
の電極12が第1の電極10の一部に対応して設けられ
たLC素子が示されている。
【0113】図18(A)は図11に対応しており、第
2の電極12の両端のそれぞれに入力電極36,38を
設けて4端子のコモンモード型素子とした場合が示され
ている。同図(B)は図14に対応しており、第2の電
極12側を2本の分割電極片12−1,12−2に分割
したLC素子が示されている。
【0114】上述した図17および図18には、第1の
電極10と第2の電極12とが同一面内に形成されたL
C素子が示されているが、図6等に示したように第1の
電極10と第2の電極12とをpn接合層26を挟んで
ほぼ対向するように配置する場合についても同様であ
る。
【0115】図19は、第1および第2の電極10,1
2を曲線形状とした場合のLC素子の平面図であり、曲
率半径が大きな曲線形状の場合が示されている。2つの
入出力電極14,16を直線で結んだ位置に他の部品等
を配置しなければならない場合には、同図に示すように
第1および第2の電極10,12を曲線形状とすればよ
い。
【0116】図20は、第1および第2の電極10,1
2を波形形状とした場合のLC素子の平面図である。こ
のLC素子は、図1等に示した蛇行形状ほどではない
が、第1および第2の電極10,12を直線形状あるい
は曲率半径の大きな曲線形状とした場合に比べると大き
なインダクタンスを有することになる。
【0117】図21は、第1および第2の電極10,1
2を1周に満たない周回形状とした場合のLC素子の平
面図である。同図に示すように、第1および第2の電極
10,12をほぼ周回形状に形成することにより、小さ
なインダクタンスを有するLC素子を形成することがで
きる。また、第1および第2の電極10,12の一方端
あるいは両端を部分的に折り返すことにより、第1の電
極10等が発生する磁束を部分的に打ち消してインダク
タンスを減らし、LC素子全体のインダクタンス、すな
わち周波数特性を調整することができる。
【0118】なお、上述した図19〜図21のそれぞれ
は、説明を簡単にするために、図17(A)に対応する
LC素子のみが示されているが、図17(B),図18
のそれぞれに対応するタイプおよび第1の電極10と第
2の電極12とをpn接合層26を挟んでほぼ対向する
ように配置するタイプについても同様に考えることがで
きる。
【0119】このように、図17〜図21に示したLC
素子は、第1および第2の電極10,12を蛇行形状以
外の形状としたものであり、上述した第1実施例〜第4
実施例と同様に、良好な減衰特性を有する素子として機
能することができる。また、pn接合層26に印加する
逆バイアス電圧を変えることにより分布定数的に形成さ
れるキャパシタのキャパシタンスも変わり、LC素子全
体の特性を可変に制御することができる点も上述した各
実施例と同じである。
【0120】その他の実施例 次に、本発明のその他の実施例に係るLC素子につい
て、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0121】図22及び図23は、化学液相法を用いて
端子付けを行なう場合の概略を示す図である。図22
は、図1等に対応する本実施例のLC素子500の平面
図であり、同図に示すように、LC素子500の第1及
び第2の電極10,12の両端には、入出力電極14等
が設けられていない。このような形状を有する第1及び
第2の電極10,12を含む半導体基板を切り離した後
に、図23に図22のC−C線断面を示すように、個別
に切り離されたチップ(素子)の全表面に化学液相法に
より絶縁膜としてシリコン酸化膜42を形成する。その
後、エッチングにより第1及び第2の電極10,12の
端部上のシリコン酸化膜42を除去して孔をあけ、その
孔を半田44で表面に盛り上がる程度に封じることによ
り、突出した半田42をプリント配線基板のランド等と
直接接触させることができるので、表面実装に際して好
都合である。
【0122】なお、素子表面の保護膜に、合成樹脂等の
他の絶縁材料を使用してもよく、保護膜の穿孔にレーザ
光線を利用してもよい。
【0123】図24は、上述した各実施例のLC素子1
00等をLSI等の一部として形成する場合の説明図で
ある。同図に示すように、半導体チップ46上の各種信
号あるいは電源のライン48に上述した各LC素子10
0等を挿入する形で組み込む。特に、上述した各実施例
のLC素子100等は、半導体チップ46上に各種回路
を形成する工程において同時に製造することができるた
め、後工程における配線処理等が不要になるといった利
点がある。
【0124】なお、図24および後述する図25〜図2
7においては、代表として第1実施例のLC素子100
を回路の一部に組み込んだ場合を描いてあるが、このL
C素子100をLC素子200等に置き換えて考えるこ
とができることを言うまでもない。
【0125】図25は、上述した各実施例のLC素子1
00等の出力側にバッファを接続した例を示す図であ
る。同図(A)は、バッファとしてMOS−FETと抵
抗からなるソースホロワ回路50を用いた場合を示して
いる。このソースホロワ回路50を構成するMOS−F
ETは、上述した各実施例のLC素子とは若干異なる構
成を有するものの同一の半導体基板上に形成することが
可能であるため、ソースホロワ回路50を含めた全体を
LC素子として一体的に形成することができる。
【0126】また、同図(B)は、バッファとして2つ
のバイポーラトランジスタと抵抗からなるエミッタホロ
ワ回路52を用いた場合を示している。このエミッタホ
ロワ回路52を構成するバイポーラトランジスタは、上
述した各実施例のLC素子とと同じ構造を有しているた
め、このエミッタホロワ回路52を含めた全体をLC素
子として一体的に形成することができる。
【0127】なお、同図に示したLC素子100を第3
実施例のLC素子300に置き換える場合には、第1及
び第2の電極10,12の両方を信号入出力路として用
いるため、第2の電極12の出力側にも上述したソース
ホロワ回路50あるいはエミッタホロワ回路52を接続
するようにする。
【0128】このように出力側にバッファを設けること
により、LC素子100等によって比較的広帯域の周波
数成分が除去されるとともに、第1の電極10等を介す
ることにより減衰した信号レベルが増幅によって復元さ
れ、SN比が良好な出力信号を得ることが可能となる。
【0129】図26は、上述した各実施例のLC素子の
出力側にレベル変換回路を接続した例を示す図である。
同図(A)には、レベル変換回路として2つのエミッタ
ホロワ回路54,56を直列に接続した場合を示してい
る。同図(B)は、レベル変換回路として2つのソース
ホロワ回路58,60を直列に接続した場合を示してい
る。このように出力側にレベル変換回路を接続すること
により、LC素子の第1の極10等を介することによ
り減衰した信号レベルが増幅されるとともに、所定のレ
ベル変換あるいはレベル補正を容易に行なうことができ
る。
【0130】なお、これらのレベル変換回路を各実施例
のLC素子と同一の半導体基板に一体的に形成すること
ができる点は、上述したバッファの場合と同じである。
【0131】また、第3実施例のLC素子300につい
ては、図26(A),(B)に示した回路を第2の電極
12の出力側にも接続する点も上述したバッファの場合
と同じである。
【0132】図27は、上述した各実施例のLC素子1
00等を用いて電圧制御発振器(VCO)を構成した場
合の一例を示す図である。同図に示すように、上述した
各実施例のLC素子の出力側にアンプ61を接続すると
ともに、このアンプ61の出力をLC素子の入力側に帰
還させる。このような帰還ループを形成することにより
発振動作が行われる。しかも、この発振周波数は入出力
電極14側に外部から印加される制御用電圧を逆バイア
ス電圧として用いることにより、すなわちこれにともな
い分布定数的に存在するキャパシタンスを変更すること
により、一定範囲で任意に変えることができる。
【0133】なお、本発明は上記各実施例に限定される
ものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施
が可能である。
【0134】例えば、上述した各実施例においては、p
n接合層26の表面に第1及び第2の電極10,12を
直接接触させて形成するようにしたが、これらの第1及
び第2の電極10,12の少くとも一方とpn接合層2
6との間にSiO2 等の絶縁層62を介在させるように
してもよい。
【0135】図28は、同一面内に形成された第1及び
第2の極10,12とpn接合層26との間の少くと
も一方に絶縁層62を形成した場合の断面構造を示す図
である。同図(A)は、2つの電極10,12の両方を
絶縁層62を介して形成した場合であり、この場合には
pn接合層26に直接逆バイアス電圧を印加するととも
に、第1の電極10の一方端に設けられた入出力電極1
4に直接信号の入力を行なうことができる。すなわち、
絶縁層62を介して配置された第1の電極10とn+ 領
域22との間、あるいは第2の電極12とp+ 領域20
との間がコンデンサとして機能することになり、上述し
図4等に示したような直流成分除去のためのコンデン
サ30が不要となる。
【0136】また、図28(B)は、第2の電極12側
のみに絶縁層62を形成した場合を、同図(C)は反対
に第1の電極10側のみに絶縁層62を形成した場合を
それぞれ示している。これらの場合も、同図(A)と同
様に、pn接合層26に直接逆バイアス電圧を印加する
とともに、第1の電極10の一方端側に設けられた入出
力電極14に直接信号を入力することができる。
【0137】図29は、ほぼ対向して配置された第1及
び第2の極10,12とpn接合層26との間の少く
とも一方に絶縁膜62を形成した場合の断面構造を示す
図である。同図(A)は、2つの電極10,12の両方
を絶縁層62を介して形成した場合であり、この場合に
はpn接合層26に直接逆バイアス電圧を印加するとと
もに、第1の電極10の一方端に設けられた入出力電極
14に直接信号の入力を行なうことができる。同図
(B)は、第2の電極12側のみに絶縁層62を形成し
た場合を、同図(C)は反対に第1の電極10側のみに
絶縁層62を形成した場合をそれぞれ示している。
【0138】また、上述した各実施例では、最後の工程
においてアルミニウム等の蒸着を行なうことにより第1
及び第2の電極10,12を形成するようにしたため、
これらの各電極10,12が図2に示すように突出した
断面形状となるが、エッチング等によりpn接合層26
の一部に蛇行形状の溝を形成することにより、図30あ
るいは図31に示すようにpn接合層26にこれら各電
極10,12を埋め込むようにしてもよい。このように
することにより、表面側に凹凸がなくほぼ平坦なLC素
子を形成することができ、組み付け作業等が容易にな
る。
【0139】また、上述した各実施例においてはp−S
i基板24を含むpnp構造を利用してLC素子の形成
を行なったが、同様にnpn構造とすることもできる。
図32はnpn構造とした場合のLC素子の部分的断面
を示す図である。このような構造とした場合には、pn
接合層に印加する逆バイアス電圧の極性を反対にする必
要がある。図33は、このようにして印加する逆バイア
ス電圧の極性を反対にした場合の構成を示す図であり、
図4(C)に対応する回路が示されている。
【0140】また、上述した第1および第2の電極1
0,12をpn接合層26を挟んでほぼ対向した位置に
配置した各実施例のLC素子(図6に示したLC素子1
00等)は、p−Si基板24の全体をn領域23とp
領域21からなるpn接合層26とした場合を例にとり
説明したが、図34に示すように、n領域23(あるい
はp領域21でもよい)を第1の電極10等に沿った蛇
行形状としてもよい。この場合には、蛇行形状に沿って
形成されたn領域23とp領域21との境界面(pn接
合面)に空乏層が生じて蛇行形状のキャパシタが形成さ
れることになるため、図7等に示した構造よりも確実に
蛇行形状のキャパシタを形成することができる。
【0141】また、実際にp−Si基板24の全体をn
領域23とp領域21からなるpn接合層26とする場
合には、p−Si基板24の厚みをウエハの状態より薄
くする必要がある。また、一般にはn型ウエハの方が入
手し易いことを考慮して、図35に示すような構造とし
てもよい。
【0142】すなわち、同図(A)に示すように、n−
Si基板64の表面にエピタキシャル成長等によりp領
域21を形成した後にn−Si基板64の裏面側にエッ
チングを行い、このエッチングを行った部分に第1およ
び第2の電極10,12を形成する。また、同図(B)
に示すように、n−Si基板64の表面側に順にp+
域66およびn+ 領域68を形成した後にn−Si基板
64のエッチングを行い、このエッチングを行った部分
に第1および第2の電極10,12を形成する。また、
同図(C)に示すように、n−Si基板64の一部に第
1の電極10にほぼ沿うように蛇行形状のP+ 領域66
を形成した後に、さらにその上に蛇行形状のn+ 領域6
8を形成し、その後n−Si基板64の裏面側であって
第2の電極12に対応する部分のエッチングを行い、こ
のエッチングを行った部分に第1および第2の電極1
0,12を形成する。
【0143】また、上述した各実施例においては、LC
素子100等をLSI等の一部として形成できる点を効
果としてあげたが、必ずしもLSI等の一部として形成
する必要はなく、半導体基板上にLC素子100等を形
成した後に入出力電極14,16及びアース電極18の
それぞれに端子付けを行なって、あるいは図22および
23に示したような化学液相法を利用した端子付けを行
なって、単体の素子として形成するようにしてもよい。
この場合には、同一の半導体基板上に複数個のLC素子
100等を同時に形成し、その後半導体基板を切り離し
て各LC素子100等に端子付けを行なうようにすれ
ば、容易に大量生産が可能となる。
【0144】また、上述した各実施例においては、入出
力電極14,16およびアース電極18のそれぞれを第
1および第2の電極10,12の最端部に設けるように
したが、必ずしも最端部に設ける必要はなく、必要に応
じてその取り付け位置をずらすようにしてもよい。
【0145】また、上述した各実施例においては、第1
の電極の両端近傍であって隔たった位置に第1および第
2の入出力電極14,16を配置するようにしたが、第
1の電極12の形状を工夫して2つの入出力電極14,
16を接近させて配置するようにしてもよい。
【0146】例えば、図36に示すように、2つの入出
力電極14,16を隣接するように配置するとともに、
図1に示したLC素子100の第1および第2の電極1
0,12の一方端を入出力電極16に達するまで延長す
る。あるいは、図37に示すように、2つの入出力電極
14,16を隣接するように配置するとともに、図1に
示したLC素子100の第1および第2の電極10,1
2を蛇行形状を維持したまま折り返す。
【0147】このように、第1の電極10(あるいは第
1および第2の電極10,12の両方)の形状を工夫す
ることにより、2つの入出力電極14,16の位置が接
近し、アース電極18とこれら入出力電極14,16と
をほぼ同一位置に形成することができる。したがって、
端子付けに際しての配線を容易に行うことができ、製造
工程の簡略化が可能となる。
【0148】また、上述した各実施例のLC素子100
等は、逆バイアス電圧を変えることにより、分布定数的
に存在するキャパシタの容量も変わり、これによりLC
素子としての周波数特性が可変に制御できるというもの
である。したがって、LC素子100等を回路の一部と
して用いることにより、同調回路,変調回路,発振回
路,フィルタ等を容易に構成することができる。
【0149】また、上述した各実施例のLC素子100
等は、p−Si基板24上にpn接合層26を形成する
場合を例にとり説明したが、ゲルマニウム等の他の種類
の半導体を用いた場合や、アモルファスシリコン等の非
晶質材料を用いる場合であってもよい。
【0150】
【発明の効果】上述したように、請求項1の発明によれ
ば、非スパイラル形状の2つの電極のそれぞれがインダ
クタとして機能するとともに、これら2つの電極間に形
成されたpn接合層が分布定数的なキャパシタとして機
能し、入力された信号はこの分布定数的に形成されたイ
ンダクタおよびキャパシタを介して伝搬されるため、広
い帯域にわたり良好な減衰特性が得られる。また、半導
体基板上に非スパイラル形状のpn接合層を形成すると
ともに、さらにその表面側に非スパイラル形状の2つの
電極を形成することにより製造することができ、製造が
非常に容易となる。また、このLC素子は、半導体基板
上に形成されるため、ICやLSIの一部として形成す
ることも可能であり、このような部品の一部として形成
した場合には、後工程における部品の組み付け作業を省
略することができる。
【0151】また、請求項2の発明によれば、上述した
非スパイラル形状の2つの電極のいずれか一方を短く形
成しており、この場合であっても同様に、分布定数的に
インダクタとキャパシタとが形成されるため、広い帯域
にわたって良好な減衰特性を有するとともに、製造容易
及び基板の一部として形成することが可能となる。
【0152】また、請求項3の発明によれば、上述した
請求項1のLC素子ではほぼ同一面内で平行に配置され
ていた非スパイラル形状の2つの電極を、半導体基板を
挟んでほぼ対向するように配置しており、これらの電極
がそれぞれインダクタとして機能し、これらの電極間に
はpn接合層によって形成されるキャパシタが分布定数
的に存在する。したがって、このLC素子は広い帯域に
わたって良好な減衰特性を有するとともに、製造容易及
び基板の一部として形成することが可能となる。
【0153】また、請求項4の発明によれば、上述した
請求項2のLC素子ではほぼ同一面内で平行に配置され
ていた非スパイラル形状の2つの電極を、半導体基板を
挟んでほぼ対向するように配置しており、これらの電極
がそれぞれインダクタとして機能し、これらの電極間に
はpn接合層によって形成されるキャパシタが分布定数
的に存在する。したがって、このLC素子は広い帯域に
わたって良好な減衰特性を有するとともに、製造容易及
び基板の一部として形成することが可能となる。
【0154】また、請求項5〜8の発明によれば、上述
した電極の非スパイラル形状を具体的に蛇行形状,波形
形状,曲線形状,直線形状に特定しており、電極を蛇行
形状あるいは波形形状とした場合には、各凹凸部の1つ
1つが約1/2ターンのコイルとなってこれらが直列に
接続されるため、全体として所定のインダクタンスを有
することになる。特に、蛇行形状とすることにより、隣
接する電極を接近させることができるため、スペースの
有効利用を図ることができる。また、使用する周波数帯
域を高周波領域に限った場合には、電極を曲線形状ある
いは直線形状とした場合にも所定のインダクタンスを有
することになり、電極を蛇行形状等に形成した場合と同
様の動作を行わせることができる。
【0155】また、請求項9の発明によれば、上述した
非スパイラル形状の2つの電極のいずれか一方を複数の
電極片に分割するとともにこれらの一部を電気的に接続
して使用しており、この場合には、分割された各電極片
の自己インダクタンスが小さくてこれらによる影響が少
ない分布定数型のLC素子を形成することができる。
【0156】また、請求項10の発明によれば、上述し
た各LC素子の非スパイラル形状の電極のいずれか一方
の両端近傍に第1及び第2の入出力電極を設けるととも
に、非スパイラル形状の他方の電極の一方端近傍にアー
ス電極を設けることにより、第1及び第2の入出力電極
が設けられた側の非スパイラル形状の電極が信号入出力
路として使用される3端子型のLC素子を容易に形成す
ることができる。
【0157】また、請求項11の発明によれば、他方の
非スパイラル形状の電極の両端にも第3及び第4の入出
力電極を設けることにより、4端子コモンモード型のL
C素子を容易に形成することができる。
【0158】また、請求項12の発明によれば、上述し
た非スパイラル形状の2つの電極のそれぞれに対して、
pn接合層に逆バイアスがかかるような電圧レベルの信
号を入力することにより、2つの電極間に分布定数的な
キャパシタを確実に形成することができる。
【0159】また、請求項13の発明によれば、このp
n接合層に対する逆バイアス電圧をバイアス回路によっ
て印加しているとともに直流成分除去回路が設けられて
おり、入力信号から直流成分が除去された信号がバイア
ス回路から印加される逆バイアス電圧に重畳されて入力
される。これにより、pn接合層を完全に逆バイアスで
用いることができ、非スパイラル形状の2つの電極間に
確実にキャパシタを形成することができる。
【0160】また、請求項14の発明によれば、上述し
た非スパイラル形状の2つの電極の少なくとも一方とp
n接合層との間に絶縁層を形成し、バイアス回路によっ
てpn接合層に逆バイアス電圧を印加しており、この場
合もpn接合層を確実にキャパシタとして動作させるこ
とができ、全体として広い帯域において良好な減衰特性
を有するLC素子として動作する。また、この場合には
絶縁層によって非スパイラル形状の電極とpn接合層と
が直流的に分離されているため、上述した請求項13で
用いるような直流成分除去回路を省略することができ
る。
【0161】また、請求項15の発明によれば、上述し
たバイアス回路によって印加する逆バイアス電圧を可変
に設定することができるため、非スパイラル形状の2つ
の電極間に形成されるキャパシタの容量を任意に変更す
ることができ、減衰特性を必要に応じて可変に制御する
ことができる。
【0162】また、請求項16の発明によれば、上述し
た各請求項のLC素子を基板の一部に、信号ラインある
いは電源ラインに挿入するように形成しており、これに
より、半導体基板上の他の部品と一体的に製造すること
ができ、製造が容易になるとともに後工程における部品
の組み付け作業が不要となる。
【0163】また、請求項17の発明によれば、上述し
た請求項1〜9のいずれかのLC素子を半導体基板上に
形成した後に化学液相法により全表面に絶縁膜を形成
し、その後、この絶縁膜の一部にエッチングやレーザ光
照射により孔をあけ、この孔に半田を盛ることにより端
子付けが行われる。したがって、表面実装型のLC素子
を簡単に製造することができ、表面実装型とすることに
よりこのLC素子の組み付け作業も容易となる。
【0164】また、請求項18の発明によれば、上述し
た各LC素子一般的な半導体製造技術を応用することに
より製造することができ、小型化あるいは低コスト化が
可能であるとともに、複数個同時に大量生産することも
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した第1実施例のLC素子の平面
図である。
【図2】図1のA−A線拡大断面図である。
【図3】蛇行形状の電極によって形成されるインダクタ
の原理を示す図である。
【図4】第1実施例のLC素子の等価回路を示す図であ
る。
【図5】第1実施例のLC素子の製造工程を示す図であ
る。
【図6】第1実施例の変形例を示す図である。
【図7】図6のA−A線拡大断面を示す図である。
【図8】第2実施例のLC素子の平面図である。
【図9】第2実施例のLC素子の等価回路を示す図であ
る。
【図10】第2実施例の変形例を示す図である。
【図11】第3実施例のLC素子の平面図である。
【図12】第3実施例のLC素子の等価回路を示す図で
ある。
【図13】第3実施例の変形例を示す図である。
【図14】第4実施例のLC素子の平面図である。
【図15】第4実施例のLC素子の等価回路を示す図で
ある。
【図16】第4実施例の変形例を示す図である。
【図17】第5実施例のLC素子の平面図である。
【図18】第5実施例のLC素子の平面図である。
【図19】第5実施例の変形例を示す図である。
【図20】第5実施例の変形例を示す図である。
【図21】第5実施例の変形例を示す図である。
【図22】化学液相法を用いて端子付けを行う場合の概
略を示す図である。
【図23】化学液相法を用いて端子付けを行う場合の概
略を示す図である。
【図24】LC素子をLSI等の一部として形成する場
合の説明図である。
【図25】出力側にバッファを接続した例を示す図であ
る。
【図26】出力側にレベル変換回路を接続した例を示す
図である。
【図27】電圧制御発振器を構成した場合の一例を示す
図である。
【図28】電極と半導体基板との間に絶縁層を形成した
場合の断面構造を示す図である。
【図29】電極と半導体基板との間に絶縁層を形成した
場合の断面構造を示す図である。
【図30】表面を平坦に形成した変形例を示す図であ
る。
【図31】表面を平坦に形成した変形例を示す図であ
る。
【図32】npn構造とした場合のLC素子の断面を示
す図である。
【図33】npn構造を有するLC素子とバイアス印加
回路との接続状態を示す図である。
【図34】蛇行形状のpn接合層を形成した場合の変形
例を示す図である。
【図35】エッチングを行って半導体基板の一部の厚み
を薄くした変形例を示す図である。
【図36】入出力電極の位置を変更した変形例を示す図
である。
【図37】入出力電極の位置を変更した変形例を示す図
である。
【符号の説明】
10 第1の電極 12 第2の電極 14,16 入出力電極 18 アース電極 20 p+領域 22 n+領域 24 p−Si基板 25 エピタキシャル層 26 pn接合層 28 バイアス用電源 30,32 コンデンサ 34 可変バイアス用電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01P 11/00 H01L 27/04 L H03H 7/34 H01F 15/00 D H03K 17/61 H03K 17/60 D 19/003 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/822 H01L 27/04 H01P 1/00 H01P 9/00 H01P 11/00 H03H 7/34 H03K 17/61 H03K 19/003

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一平面内であって、ほぼ平行で隣接し
    て配置された非スパイラル形状の2つの電極と、 前記2つの電極に沿った位置に形成され、これら2つの
    電極のいずれか一方にp領域が、他方にn領域が電気的
    に接続された非スパイラル形状のpn接合層と、 を備え、前記2つの電極のそれぞれによって形成される
    インダクタと、これら2つの電極間の前記pn接合層に
    よって形成されるキャパシタとが分布定数的に存在し、
    前記2つの電極の少なくとも一方を信号入出力路として
    用いることを特徴とするLC素子。
  2. 【請求項2】 同一平面内であって、ほぼ平行で隣接し
    て配置された長さが異なる非スパイラル形状の2つの電
    極と、 前記2つの電極の短い方に沿った位置に形成され、前記
    2つの電極のいずれか一方にp領域が、他方にn領域が
    電気的に接続された非スパイラル形状のpn接合層と、 を備え、前記2つの電極のそれぞれによって形成される
    インダクタと、これら2つの電極間の前記pn接合層に
    よって形成されるキャパシタとが分布定数的に存在し、
    前記2つの電極の少なくとも一方を信号入出力路として
    用いることを特徴とするLC素子。
  3. 【請求項3】 請求項1、2のいずれかにおいて、 前記電極の形状は、蛇行形状、波形形状、曲線形状、直
    線形状のいずれかであることを特徴とするLC素子。
  4. 【請求項4】 請求項1〜のいずれかにおいて、 前記2つの電極のいずれか一方を複数に分割し、あるい
    は前記2つの電極のいずれか一方とともに対応する前記
    pn接合層を複数に分割し、分割された複数の電極片の
    それぞれの一部を電気的に接続することを特徴とするL
    C素子。
  5. 【請求項5】 請求項1〜のいずれかにおいて、 非スパイラル形状の前記2つの電極のいずれか一方の両
    端近傍に設けられた第1及び第2の入出力電極と、 非スパイラル形状の前記2つの電極の他方の一端近傍に
    設けられたアース電極と、 を有し、前記第1及び第2の入出力電極のいずれか一方
    から信号を入力し、他方から信号を出力するとともに、
    前記アース電極を固定電位の電源に接続あるいは接地す
    ることを特徴とするLC素子。
  6. 【請求項6】 請求項1〜のいずれかにおいて、 非スパイラル形状の前記2つの電極のいずれか一方の両
    端近傍に設けられた第1及び第2の入出力電極と、 非スパイラル形状の前記2つの電極の他方の両端近傍に
    設けられた第3及び第4の入出力電極と、 を有し、非スパイラル形状の前記2つの電極のそれぞれ
    を信号入出力路とするコモンモード型の素子として用い
    られることを特徴とするLC素子。
  7. 【請求項7】 請求項1〜のいずれかにおいて、 非スパイラル形状の前記2つの電極に対して、前記pn
    接合層の逆バイアスの電圧レベルの信号の入力を行なう
    ことを特徴とするLC素子。
  8. 【請求項8】 請求項1〜のいずれかにおいて、 前記pn接合層に所定の逆バイアス電圧を印加するバイ
    アス回路と、 入力信号から直流成分を除去した信号を非スパイラル形
    状の前記2つの電極の少なくとも一方に入力する直流成
    分除去回路と、 をさらに含むことを特徴とするLC素子。
  9. 【請求項9】 請求項1〜のいずれかにおいて、 非スパイラル形状の前記2つの電極の少なくとも一方と
    前記pn接合層との間に絶縁層を形成するとともに、前
    記pn接合層に所定の逆バイアス電圧を印加するバイア
    ス回路を設けることを特徴とするLC素子。
  10. 【請求項10】 請求項8、9のいずれかにおいて、 前記バイアス回路は前記pn接合層に印加する逆バイア
    ス電圧を変更可能であり、前記pn接合層に印加する逆
    バイアス電圧を変えることにより前記pn接合層が有す
    るキャパシタンスを任意に変更することを特徴とするL
    C素子。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれかのLC素子
    を基板の一部として形成し、非スパイラル形状の前記2
    つの電極の少なくとも一方を信号ラインあるいは電源ラ
    インに挿入して一体成形したことを特徴とする半導体装
    置。
  12. 【請求項12】 半導体基板に、非スパイラル形状のp
    領域あるいはn領域を形成する第1の工程と、 前記第1の工程において形成されたp領域あるいはn領
    域の表面の一部に、反転層であるn領域あるいはp領域
    を形成することにより、非スパイラル形状のpn接合層
    を形成する第2の工程と、 前記pn接合層の表面であって、p領域及びn領域のそ
    れぞれに電気的に接続された非スパイラル形状の2つの
    電極を形成する第3の工程と、 非スパイラル形状の前記2つの電極のそれぞれに接続さ
    れる配線層を形成する第4の工程と、 を含むことを特徴とするLC素子の製造方法。
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