JP3390070B2 - Lc素子,半導体装置及びlc素子の製造方法 - Google Patents

Lc素子,半導体装置及びlc素子の製造方法

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JP3390070B2 JP32314993A JP32314993A JP3390070B2 JP 3390070 B2 JP3390070 B2 JP 3390070B2 JP 32314993 A JP32314993 A JP 32314993A JP 32314993 A JP32314993 A JP 32314993A JP 3390070 B2 JP3390070 B2 JP 3390070B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体装置等に組み込
まれて、あるいは単体で所定の周波数帯域を減衰させる
ことができるLC素子,半導体装置及びLC素子の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の電子技術の発達に伴い、電子回路
は各種分野において幅広く用いられており、従ってこれ
ら各電子回路を外部からの影響を受けることなく安定し
て確実に動作させることが望まれる。
【0003】しかし、このような電子回路には、直接あ
るいは間接的に外部からノイズが侵入する。このため、
電子回路を使用した各種電子機器に誤動作が引き起こさ
れる場合が少なくないという問題がある。
【0004】特に、電子回路は、直流電源としてスイッ
チングレギュレータを用いる場合が多い。従って、スイ
ッチング等の過渡電流により、または使用するデジタル
ICのスイッチング動作に起因する負荷変動により、ス
イッチングレギュレータの電源ラインには各種の周波数
成分を持った大きなノイズが発生することが多い。そし
て、これらのノイズは、同じ機器内の他の回路へ電源ラ
インを介して、または輻射により伝搬され誤動作やS/
N比の低下等の悪影響を及ぼし、さらに近くで使用中の
他の電子機器の誤動作を引き起こすことがある。
【0005】このようなノイズを除去するため、一般に
電子回路では各種のノイズフィルタが用いられている。
特に、近年では各種構成の電子機器を多数使用している
ため、ノイズに対する規制もますます激しくなってお
り、このため発生するノイズを確実に除去することがで
きる小型でしかも高性能なノイズフィルタとして機能す
るLC素子の開発が望まれる。
【0006】このようなLC素子の1つとして、特開平
3−259608号公報に開示されたLCノイズフィル
タが知られている。このLCノイズフィルタは、L成分
とC成分とが分布定数的に存在するものであり、集中定
数タイプのLCノイズフィルタに比べて比較的広い帯域
にわたって良好な減衰特性を得ることができるというも
のである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したL
Cノイズフィルタは、絶縁シートの一方の面にキャパシ
タ用導電体を、他方の面にインダクタ用導電体をそれぞ
れ形成した後に、この絶縁シートを折りたたむことによ
り製造されるものであり、絶縁シートの折り返し等の工
程が必要なため製造工程が複雑になるという問題があっ
た。
【0008】また、このLCノイズフィルタをICやL
SIの電源ラインあるいは信号ラインに直接挿入して使
用する場合には、LCノイズフィルタとIC等とを配線
しなければならず、部品組み付けの手間がかかるという
問題があった。
【0009】また、このLCノイズフィルタは部品単体
として形成されるため、ICやLSIの回路に含ませ
て、すなわちICやLSI等の内部配線等に挿入するこ
とがほとんど不可能であるという問題があった。
【0010】さらに、このLCノイズフィルタにおいて
分布定数的に形成されるキャパシタの容量や各導電体の
抵抗は、インダクタ用導電体とキャパシタ用導電体のそ
れぞれの形状や配置により決定されるため、部品として
完成した後はキャパシタンスや抵抗が一定となり、全体
としての特性も固定化されてしまい汎用性がないという
問題があった。例えば、キャパシタンスや抵抗を変更し
たい場合にはインダクタ用導電体あるいはキャパシタ用
導電体の形状を変更する必要があり、組み込んだ回路中
で必要に応じてキャパシタンスや抵抗を任意に変更して
使用することは困難である。
【0011】そこで、本発明はこのような点に鑑みて創
作されたものであり、その目的は、製造が簡単であり後
工程における部品の組み付け作業を省略することがで
き、しかもICやLSIの一部として形成することが可
能なLC素子,半導体装置及びLC素子の製造方法を提
供することにある。
【0012】また、本発明の他の目的は、分布定数的に
存在するキャパシタンスや抵抗を必要に応じて変えるこ
とにより特性を任意に変更することができるLC素子,
半導体装置およびLC素子の製造方法を提供することに
ある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1のLC素子は、半導体基板の一方の面
側に形成され、ゲートとして機能する渦巻き形状の第1
の電極と、前記半導体基板の他方の面側に形成され、前
記第1の電極とほぼ対向する位置に形成された渦巻き形
状の第2の電極と、前記第1および第2の電極の少なく
とも一方と、前記半導体基板との間に形成された絶縁層
と、前記半導体基板内にあって、前記第1の電極に所定
の電圧を印加したときにこの第1の電極に対応する前記
半導体表面の位置に形成されるチャネルの両端付近に形
成されるソースおよびドレインと、を備え、前記第1の
電極に対応して形成されるチャネルと前記第2の電極の
それぞれによって形成されるインダクタと、これらの間
に形成されるキャパシタとが分布定数的に存在し、少な
くとも前記第1の電極に対応して形成されるチャネルを
信号入出力路として用いることを特徴とする。
【0014】請求項2のLC素子は、半導体基板の一方
の面側に形成され、ゲートとして機能する渦巻き形状の
第1の電極と、前記半導体基板の他方の面側に形成さ
れ、前記第1の電極とほぼ対向する位置に形成された渦
巻き形状の第2の電極と、前記第1および第2の電極の
少なくとも一方と、前記半導体基板との間に形成された
絶縁層と、前記半導体基板内にあって、前記第1の電極
に所定の電圧を印加したときにこの第1の電極に対応す
る前記半導体表面の位置に形成されるチャネルの方端
付近に形成されるソースあるいはドレインと、を備え、
前記第1の電極に対応して形成されるチャネルと前記第
2の電極のそれぞれによって形成されるインダクタと、
これらの間に形成されるキャパシタとが分布定数的に存
在し、前記第2の電極を信号入出力路として用いること
を特徴とする。
【0015】請求項3のLC素子は、請求項1又は2の
LC素子において、前記半導体基板表面であって前記第
1の電極に対応する位置に、予めキャリアを注入するこ
とを特徴とする。
【0016】請求項4のLC素子は、請求項1〜3のい
ずれかのLC素子において、前記第1の電極に対して、
前記第2の電極の長さを長くあるいは短く設定すること
により、前記第1の電極に対応して形成されるチャネル
と前記第2の電極とを部分的に対応させることを特徴と
する。
【0017】請求項5のLC素子は、請求項1〜4のい
ずれかのLC素子において、前記半導体基板に代えて、
前記第1および第2の電極の各周回部分の間に渦巻き形
状のn領域あるいはp領域からなる反転層が形成された
半導体基板を用いることを特徴とする。
【0018】請求項6のLC素子は、請求項1,3〜5
のいずれかのLC素子において、前記第2の電極を複数
に分割し、分割された複数の電極片のそれぞれの一部を
電気的に接続することを特徴とする。
【0019】請求項7のLC素子は、請求項2〜5のい
ずれかのLC素子において、前記第1の電極を複数に分
割し、分割された複数の電極片のそれぞれに対応して形
成される複数のチャネルのそれぞれの一方端付近にソー
スあるいはドレインを設け、これらの複数のソースある
いはドレインを電気的に接続することを特徴とする。
【0020】請求項8のLC素子は、請求項1,3〜6
のいずれかのLC素子において、前記第1の電極に対応
して形成されるチャネルの両端付近に形成されたソース
およびドレインのそれぞれに電気的に接続された第1お
よび第2の入出力電極と、前記第2の電極の一方端付近
に電気的に接続されたアース電極と、を有し、前記第1
および第2の入出力電極のいずれか一方から信号を入力
し、他方から信号を出力するとともに、前記アース電極
を固定電位の電源に接続あるいは接地することを特徴と
する。
【0021】請求項9のLC素子は、請求項2〜5,7
のいずれかのLC素子において、前記第2の電極の両端
付近に電気的に接続された第1および第2の入出力電極
と、前記第1の電極あるいは前記第1の電極を分割した
電極片に対応して形成されるチャネルの一方端付近に形
成されたソースあるいはドレインに電気的に接続された
アース電極と、を有し、前記第1および第2の入出力電
極のいずれか一方から信号を入力し、他方から信号を出
力するとともに、前記アース電極を固定電位の電源に接
続あるいは接地することを特徴とする。
【0022】請求項10のLC素子は、請求項1,3〜
5のいずれかのLC素子において、前記第1の電極に対
応して形成されるチャネルの両端付近に形成されたソー
スおよびドレインのそれぞれに電気的に接続された第1
および第2の入出力電極と、前記第2の電極の両端付近
に電気的に接続された第3および第4の入出力電極と、
を有し、前記第1の電極に対応して形成されるチャネル
と前記第2の電極との両方を信号入出力路とするコモン
モード型の素子として用いられることを特徴とする。
【0023】請求項11のLC素子は、請求項1〜10
のいずれかのLC素子において、前記第1の電極に対し
て印加するゲート電圧を可変に設定することにより、前
記第1の電極に対応して形成されるチャネルの抵抗値
と、このチャネルと前記第2の電極との間に分布定数的
に形成されるキャパシタの容量値とを可変に制御するこ
とを特徴とする。
【0024】請求項12の半導体装置は、請求項1〜1
1のいずれかのLC素子を基板の一部として形成し、前
記第1の電極に対応して形成されたチャネルおよび前記
第2の電極の少なくとも一方を信号ラインあるいは電源
ラインに挿入して一体成形したことを特徴とする。
【0025】請求項13のLC素子は、請求項1〜7の
いずれかのLC素子において、全表面に化学液相法によ
り絶縁膜を形成し、この絶縁膜の一部をエッチングある
いはレーザ光照射によって除去して孔をあけ、その孔を
半田で表面に盛り上がる程度に封じることにより端子付
けを行うことを特徴とする。
【0026】請求項14の半導体装置は、請求項1,3
〜6,8,10のいずれかのLC素子の前記ソースおよ
びドレインのいずれか一方に、前記チャネルを介して出
力される信号を増幅するバッファを接続したことを特徴
とする。
【0027】請求項15の半導体装置は、請求項1,3
〜6,8,10のいずれかのLC素子の前記ソースおよ
びドレインのいずれか一方に、前記チャネルを介して出
力される信号の電圧レベルを変更するレベル変換回路を
接続したことを特徴とする。
【0028】請求項16の半導体装置は、請求項1〜1
1のいずれかのLC素子の信号入出力路に増幅器を直列
に接続するとともにこの増幅出力を前記信号入出力路に
帰還させ、前記第1の電極に印加するゲート電圧を変更
することにより、周波数を可変に制御することを特徴と
する。
【0029】請求項17のLC素子は、請求項1〜11
のいずれかのLC素子において、前記第1および第2の
電極の少なくとも一方に過電圧を動作電源ライン側ある
いはアース側にバイパスさせる保護回路を設けたことを
特徴とする。
【0030】請求項18のLC素子の製造方法は、半導
体基板に部分的に不純物を注入することによりソースと
ドレインを形成する第1の工程と、前記半導体基板の少
なくとも一方の面の全部あるいは一部に絶縁層を形成す
る第2の工程と、前記半導体基板あるいは前記絶縁層の
表面であって、前記ソースとドレインを結ぶように渦巻
き形状の第1の電極を形成するとともに、前記半導体基
板及び前記絶縁層を挟んでこの第1の電極とほぼ対向す
る位置に渦巻き形状の第2の電極を形成する第3の工程
と、前記ソース,ドレインと第1および第2の電極のそ
れぞれに電気的に接続される配線層を形成する第4の工
程と、を含むことを特徴とする。
【0031】請求項19のLC素子の製造方法は、半導
体基板に部分的に不純物を注入することによりソースあ
るいはドレインを形成する第1の工程と、前記半導体基
板の少なくとも一方の面の全部あるいは一部に絶縁層を
形成する第2の工程と、前記半導体基板あるいは前記絶
縁層の表面であって、前記ソースあるいはドレインの近
傍に一方端が位置するように渦巻き形状の第1の電極を
形成するとともに、前記半導体基板及び前記絶縁層を挟
んでこの第1の電極とほぼ対向する位置に渦巻き形状の
第2の電極を形成する第3の工程と、前記ソースあるい
はドレインと第1および第2の電極のそれぞれに電気的
に接続される配線層を形成する第4の工程と、を含むこ
とを特徴とする。
【0032】
【作用】請求項1のLC素子では、一方がゲートとして
機能する渦巻き形状の第1及び第2の電極が半導体基板
及び絶縁層を挟んでほぼ対向するように形成されてお
り、これら第1あるいは第2の電極と絶縁層と半導体基
板とからなるMOS構造となっている。
【0033】そのため、ゲートとして機能する第1の電
極に対応して渦巻き形状のチャネルが形成されるように
なっており、この渦巻き形状のチャネルと第2の電極の
それぞれがインダクタとして機能することになる。ま
た、一般のMOS・FETと同様に、このチャネルの外
周には空乏層が生じるため、チャネルとそれ以外の半導
体基板との間には分布定数的にキャパシタが発生する。
しかも、この半導体基板は第2の電極と直接、あるいは
絶縁層を介して間接的に接続されており、結果としてチ
ャネルと第2の電極との間に分布定数的にキャパシタが
形成されることになる。
【0034】したがって、上述したチャネルの一方端に
形成されたソースあるいはドレインに入力された信号
は、分布定数的に存在するインダクタおよびキャパシタ
を介して伝搬される際に、広い帯域にわたり良好な減衰
特性が得られる。
【0035】特に、請求項1のLC素子は、半導体基板
にソースおよびドレインを形成するとともに、さらにそ
の表面に絶縁層と渦巻き形状の第1および第2の電極を
形成することにより製造することができ、製造が非常に
容易となる。また、このLC素子は、半導体基板上に形
成されるため、ICやLSIの一部として形成すること
も可能であり、このような部品の一部として形成した場
合には、後工程における部品の組み付け作業を省略する
ことができる。
【0036】また、請求項2のLC素子では、上述した
LC素子がチャネルを信号入出力路として使用していた
のに対し、渦巻き形状の第2の電極を信号入出力路とし
て使用したものであり、チャネルを介して信号を伝搬し
ないためソースあるいはドレインのいずれか一方が省略
されている。
【0037】したがって、チャネルと第2の電極とがそ
れぞれインダクタとして機能するとともに、これらの間
に分布定数的にキャパシタが形成される点は、上述した
請求項1のLC素子と同じであり、広い帯域にわたって
良好な減衰特性を有するとともに、製造が容易であり、
基板の一部として形成することが可能となる。
【0038】また、請求項3のLC素子では、第1の電
極に対応する位置に予めキャリアを注入することによ
り、デプレション型の素子として形成したものである。
この場合には、LC素子の特性そのものは変えずに、第
1の電極に電圧(ゲート電圧)を印加しない状態でチャ
ネルを形成し、あるいは印加するゲート電圧とチャネル
幅等との関係を変更することができる。
【0039】また、請求項4のLC素子では、第1およ
び第2の電極のいずれか一方を短く形成しており、この
場合であっても同様に、長さが異なる第1および第2の
電極のそれぞれはインダクタとして機能し、これらの電
極間には空乏層を挟んで形成されるキャパシタが分布定
数的に存在する。したがって、このLC素子は広い帯域
にわたって良好な減衰特性を有するとともに、製造が容
易であり基板の一部として形成することが可能であると
いう効果がある。
【0040】また、請求項5のLC素子では、上述した
各LC素子と比べると、半導体基板内であって第1及び
第2の電極の各周回部分の合間に反転層が形成されてい
る点が異なっている。すなわち、この反転層を形成する
ことにより、渦巻き形状の第1及び第2の電極の半径方
向にnpn構造あるいはpnp構造となるため、第1及
び第2の電極に対応する半導体基板内の周回部分同士に
ついて良好なアイソレーションを行うことができる。し
たがって、第1の電極に対応して形成されるチャネルと
このチャネルにほぼ対向するように配置された第2の電
極との間にのみ分布定数的にキャパシタが形成される状
態を容易につくることができ、このLC素子は広い帯域
にわたって良好な減衰特性を有することができる。
【0041】また、請求項6のLC素子では、第2の電
極を複数の電極片に分割するとともにこれらの一部を電
気的に接続して使用する。この場合には、各分割片の自
己インダクタンスが小さくなり、この各分割片の自己イ
ンダクタンスの影響が少ない分布定数型のLC素子とな
る。
【0042】また、請求項7のLC素子では、第1の電
極を複数の電極片に分割するとともに、これに対応する
チャネルも分割して形成されるようになる。したがっ
て、請求項6のLC素子と同様に、各分割チャネルの自
己インダクタンスが小さくなり、これによる影響が少な
い分布定数型のLC素子となる。
【0043】また、請求項8のLC素子では、第1の電
極に対応して形成されるチャネルの両端付近のソースお
よびドレインに接続される第1および第2の入出力電極
を設けるとともに、第2の電極の一方端近傍にアース電
極を設けることにより、チャネルが信号入出力路として
使用される3端子型のLC素子を容易に形成することが
できる。
【0044】また、請求項9のLC素子では、第2の電
極の両端付近に第1および第2の入出力電極を設けると
ともに、チャネルの一方端に形成されたソースあるいは
ドレインに接続されたアース電極を設けることにより、
第2の電極が信号入出力路として使用される3端子型の
LC素子を容易に成形することができる。
【0045】また、請求項10のLC素子では、上述し
たチャネルの両端に形成されたソースおよびドレインに
第1および第2の入出力電極を設けるとともに、第2の
電極の両端付近に第3および第4の入出力電極を設ける
ことにより、4端子コモンモード型のLC素子を容易に
形成することができる。
【0046】また、請求項11のLC素子では、第1の
電極に印加するゲート電圧を可変に設定することによ
り、この第1の電極に対応して形成される渦巻き形状の
チャネルの幅、すなわちチャネルの抵抗値が変化する。
また、チャネルの外周に形成される空乏層にも変化が生
じるため、チャネルと第2の電極との間に形成されるキ
ャパシタの容量も変化する。したがって、ゲート電圧を
変えることにより、チャネルの抵抗値と、このチャネル
と第2の電極との間に分布定数的に形成されるキャパシ
タの容量を変更することが可能であり、減衰特性を必要
に応じて可変に制御することができる。
【0047】また、請求項12の半導体装置では、上述
した各請求項のLC素子を基板の一部に、信号ラインあ
るいは電源ラインに挿入するように形成している。これ
により、半導体基板上の他の部品と一体的に製造するこ
とができ、製造が容易になるとともに後工程における部
品の組み付け作業が不要となる。
【0048】また、請求項13のLC素子は、上述した
請求項1〜7のいずれかのLC素子を、半導体基板に形
成した後に化学液相法により全表面に絶縁膜を形成す
る。その後、この絶縁膜の一部にエッチングやレーザ光
照射により孔をあけ、この孔に半田を盛ることにより端
子付けが行われる。したがって、表面実装型のLC素子
を簡単に製造することができ、表面実装型とすることに
よりこのLC素子の組み付け作業も容易となる。
【0049】また、請求項14の半導体装置では、上述
したLC素子のチャネルを介して出力される信号を増幅
するバッファが接続されており、アルミニウム等の金属
材料に比べて抵抗値が大きいチャネルを介することによ
り、電圧レベルが減衰した信号をSN比が良好な元の信
号に復元することが可能となる。
【0050】また、請求項15の半導体装置では、上述
したバッファの変わりにレベル変換回路が接続されい
る。このレベル変換回路を接続することにより、チャネ
ルを介して減衰した信号レベルを復元するとともに、所
定のレベルの変換あるいはレベル補正を行なうことが可
能となる。
【0051】また請求項16の半導体装置では、上述し
たLC素子の信号入出力路に増幅器が直列接続され、し
かもこの増幅出力が入力側に帰還されている。このよう
なフィードバックループを形成することにより発振動作
が行われ、しかも上述したLC素子は第1の電極に印加
するゲート電圧を変更することによりチャネルの抵抗値
およびチャネルと第2の電極との間に分布定数的に形成
されるキャパシタの容量を変えることが可能であり、こ
れによりゲート電圧に応じて出力周波数が制御可能な電
圧制御発振器を簡単に構成することができる。
【0052】また請求項17のLC素子では、第1およ
び第2の電極の少なくとも一方に保護回路が接続されて
おり、これらの電極に対して過電圧が印加されると、動
作電源ライン側あるいはアース側にバイパス電流が流
れ、第1および第2の電極と半導体基板との間に形成さ
れた絶縁層の絶縁破壊を防止することができる。
【0053】また、請求項18および請求項19のLC
素子の製造方法は、上述した各LC素子を半導体製造技
術を適用して製造するための方法である。すなわち、第
1の工程において半導体基板にソース・ドレインの両方
を、あるいはいずれか一方を形成し、第2及び第3の工
程において半導体基板表面に絶縁層と第1及び第2の電
極のそれぞれを形成する。そして、第4の工程において
入出力電極等を含む配線層が形成されて上述したLC素
子が完成する。
【0054】このように、上述したLC素子は、一般的
な半導体製造技術(特にMOS製造技術)を応用するこ
とにより製造することができ、小型化あるいは低コスト
化が可能であるとともに、複数個同時に大量生産するこ
とも可能となる。
【0055】
【実施例】以下、本発明を適用した一実施例のLC素子
について図面を参照しながら具体的に説明する。
【0056】第1実施例 図1は、本発明を適用した第1実施例のLC素子の平面
図である。また、図2は図1のA−A線拡大断面図、図
3は図1のB−B線拡大断面図、図4は図1のC−C線
拡大断面図、図5は図1のD−D線拡大断面図である。
【0057】これらの図に示すように、本実施例のLC
素子100は、半導体基板であるp型シリコン基板(p
−Si基板)30の表面付近の隔たった位置に形成され
たソース12とドレイン14の間を、渦巻き形状の第1
の電極10に対する電圧の印加によって形成されるチャ
ネル22によって接続することにより形成されている。
【0058】上述したソース12およびドレイン14
は、p−Si基板30を反転させたn+ 領域として形成
される。例えば、As+ イオンを熱拡散あるいはイオン
打ち込みにより注入して不純物濃度を高めることにより
形成される。
【0059】第1の電極10は、MOS構造を有する本
実施例のLC素子100においてゲートとして機能する
ものであり、渦巻き形状の一方の端部(外周部)がソー
ス12の一部に、他方の端部(中心部)がドレイン14
の一部にオーバラップするように、p−Si基板30の
一方の面側に形成された絶縁層28を挟んで形成されて
いる。第1の電極10は、例えばアルミニウム膜を形成
することによって、あるいは拡散またはイオン注入でP
を多量にドープすることにより形成する。
【0060】また、絶縁層28は、p−Si基板30の
表面において、このp−Si基板30と第1の電極10
とを絶縁するためのものである。図2(A)に示すよう
に、p−Si基板30の全表面がこの絶縁層28によっ
て覆われており、さらにこの絶縁層28の表面に上述し
た第1の電極10が形成される。この絶縁層28は、例
えばPを添加したSiO2 (P−ガラス)によって形成
されている。
【0061】また、上述したp−Si基板30及び絶縁
層28を挟んで第1の電極10にほぼ対向する位置に、
渦巻き形状の電極26が形成されている。この第2の電
極26と第1の電極10との間に所定のゲート電圧を印
加することにより、第1の電極10に対向するp−Si
基板30の表面にチャネル22が形成されるようになっ
ている。
【0062】また、上述した第1の電極10,ソース1
2,ドレイン14,第2の電極26のそれぞれには、図
1〜図5に示すように、アース電極16,入出力電極1
8,20および制御用電極24が接続されている。すな
わち、第1の電極10に対する制御電極24の取り付け
は、図1に示すように、薄いゲート膜(絶縁層28)を
傷付けないように能動領域の外側で行われる。また、ソ
ース12への入出力電極18の取り付け、およびドレイ
ン14への入出力電極20の取り付けは、図3および図
5に示すように、ソース12およびドレイン14の一部
を露出させた後に、アルミニウムなどの金属膜を付ける
ことにより行われる。なお、第2の電極26近傍にはゲ
ート膜等が存在しないため、特に能動領域を意識してア
ース電極16の取り付けを行う必要はなく、他の部品と
の干渉等を考慮して適当な場所でその一方端にアース電
極16を取り付ければよい。
【0063】上述した構造を有する本実施例のLC素子
100は、nチャネルエンハンスメント型の構造を有し
ているものとすれば、第1の電極10に正の電圧が印加
されたときに初めてチャネル22が形成されることにな
る。
【0064】図2(A)および(B)は、チャネルが形
成される状態を示す図である。第1の電極10に対し
て、すなわち第1の電極10に接続された制御用電極2
4に正のゲート電圧が印加されていない状態では、同図
(A)に示すようにp−Si基板30の表面にはチャネ
ル22が現われない。したがって、この状態では図1に
示したソース12とドレイン14とが絶縁された状態に
ある。
【0065】ところが、第1の電極10に対して正のゲ
ート電圧を印加すると、図2(B)に示すように、第1
の電極10に対応するp−Si基板30の表面付近にn
領域からなるチャネル22が出現する。また、p−Si
基板30の内部であってこのチャネル22の外側には、
第1の電極10に印加された正のゲート電圧によって正
孔が排除された空乏層32が形成される。したがってこ
の空乏層32を挟んでチャネル22内の電子とp−Si
基板30内の正孔とが対向して配置され、キャパシタが
形成される。しかも、このキャパシタは第1の電極10
のほぼ全長にわたって形成されるため、p−Si基板3
0に接続された第2の電極26とチャネル22との間に
は分布定数的にキャパシタが形成されることになる。
【0066】図6は、本実施例のLC素子100の断面
構造であり、第1の電極10のスパイラル方向にとった
断面が示されている。同図に示すように、第1の電極1
0に平行にチャネル22が形成され、このチャネル22
によってソース10とドレイン14とが導通状態にな
る。例えば、エンハンスメント型の場合は、第1の電極
10にゲート電圧を印加した状態で初めてこのチャネル
22が形成されてソース12とドレイン14とが導通状
態になるが、第1の電極10に印加するゲート電圧を変
えることによりチャネル22の幅および深さが変わるた
め、ソース12とドレイン14との間の抵抗値を変化さ
せることができる。
【0067】また、図2(B)に示すように、チャネル
22の幅および深さを変えることによりチャネル22の
表面積も変化し、これに伴い空乏層32の表面積も変化
する。すなわち、この表面積の変化に伴いチャネル22
と第2の電極26との間に分布定数的に形成されるキャ
パシタの容量も変化し、結果的にゲート電圧を変えるこ
とによりキャパシタンスも変化させることができる。
【0068】図7は、第1実施例のLC素子100の等
価回路を示す図である。同図(A)に示す等価回路は、
制御用電極24に所定のゲート電圧を印加することによ
りチャネル22を形成し、このチャネル22を信号の入
出力路に用いるとともに、アース電極16を接地した場
合が示されており、3端子型の素子として機能するもの
である。
【0069】この場合には、チャネル22がインダクタ
ンスL1を有するインダクタ導体として機能するととも
に、第2の電極26がインダクタンスL2を有するイン
ダクタ導体として機能する。また、これら2つのインダ
クタ導体間には所定のキャパシタンスCを有するキャパ
シタが分布定数的に形成される。したがって、このLC
素子100は従来の集中定数型の素子にはない優れた減
衰特性を発揮することができ、入出力電極18,20の
いずれか一方から入力された信号からは所定の周波数成
分のみが除去され他方から出力されるようになる。
【0070】なお、同図(A)にはアース電極16を接
地する場合を示したが、このアース電極16を所定の電
位を有する電源に接続するようにしてもよい。
【0071】また、図7(B)は、制御用電極24に対
して可変のコントロール用電圧Vcを印加する場合の等
価回路を示すものである。制御用電極24に印加するコ
ントロール電圧Vcはゲート電圧そのものであり、この
電圧Vcを変えることによりチャネル22の深さが変わ
るためチャネル22自体の移動度が変わって、結果的に
ソース12とドレイン14との間の抵抗値を任意に変化
させることができる。また、これと同時に、チャネル2
2と第2の電極26との間のキャパシタンスCも変更で
きる点は上述した通りである。
【0072】したがって、チャネル22の抵抗値とこの
チャネル22と第2の電極26との間に分布定数的に存
在するキャパシタンスCが変わることにより、全体とし
てLC素子100の減衰特性が変化することになる。換
言すれば、このコントロール用電圧Vcを変化させるこ
とにより、本実施例のLC素子100の特性をある範囲
で任意に変化させることができる。
【0073】図7(C)は、同図(B)に示す等価回路
をさらに機能的に表わしたものであり、コントロール電
圧Vcを変えることにより、チャネル22に直列に接続
されている可変抵抗器の抵抗値と、チャネル22と第2
の電極26との間に分布定数的に形成された可変容量の
キャパシタンスとが変更可能である状態が示されてい
る。
【0074】なお、上述したLC素子100は、ソース
12とドレイン14との間にnチャネルを形成する場合
を説明したが、この場合はキャリアとして電子が使用さ
れるため移動度が大きく、チャネル22の抵抗が小さく
なる。これに対し、n−Si基板上にpチャネルを形成
することにより、上述したLC素子100を形成するよ
うにしてもよい。この場合はキャリアとしてホールが用
いられるため、チャネル22の抵抗が比較的大きくな
り、上述したnチャネルの場合と比較すると異なる特性
を有することになる。
【0075】図8は、第1の電極10に印加するゲート
電圧(コントロール電圧Vc)を変化させてチャネル2
2の深さ等を変えた場合のチャネル抵抗Rを説明するた
めの図である。同図(A)は、実際には渦巻き形状の第
1の電極10を直線形状と仮定した場合の平面図であ
り、同図(B)は、そのA−A線断面図である。
【0076】同図において、Wはゲート幅であり、Xは
チャネルの深さである。このような幅Wの第1の電極1
0によってチャネル22が形成されると、この形成され
たチャネル幅は(W+2X)となる。したがって、チャ
ネル22のソース12およびドレイン14間の抵抗R
は、 R=ρ/(W+2X) で計算することができる。ここで、ρはチャネル22の
単位面積当たりの抵抗であり、上述した式はチャネル抵
抗Rがチャネルの長さLに比例し、チャネル幅(W+2
X)に反比例していることを示す。
【0077】次に、本実施例のLC素子100の製造工
程について説明する。
【0078】図9は、本実施例のLC素子100の製造
工程を示す図であり、一例としてエンハンスメント型の
LC素子100について示されている。なお、同図は第
1の電極10のスパイラル方向に断面をとったものであ
る。
【0079】(1) 酸化膜の形成:まず最初に、p−Si
基板30の表面を熱酸化することにより、SiO2 を形
成する(同図(A))。
【0080】(2) ソース・ドレインの窓あけ:次に、p
−Si基板30表面の酸化膜に対してフォトエッチング
を行なうことにより、ソース12およびドレイン14に
対応する部分の窓あけを行なう(同図(B))。
【0081】(3) ソース・ドレインの形成:次に、窓あ
けした部分からn型不純物を注入することによりソース
12およびドレイン14を形成する(同図(C))。例
えば、n型不純物としてAs+ が用いられ、この不純物
が熱拡散により注入される。なお、イオン打ち込みによ
り注入する場合には、上述した(2) における窓開けは不
要となる。
【0082】(4) ゲート領域の除去:次に、第1の電極
10を形成したい部分の酸化膜を除去することにより、
ゲート領域の開口部を形成する(同図(D))。本実施
例のLC素子100の場合は、第1の電極10を渦巻き
形状に形成する必要があるため、このゲート領域の開口
部の形成も渦巻き形状になるように行われる。このよう
にして第1の電極10に対応する部分のp−Si基板3
0が露出することになる。
【0083】(5) ゲート酸化膜の形成:次に、このよう
にして部分的に露出したp−Si基板30に対して新し
い酸化膜、すなわち絶縁層28の形成を行なう(同図
(E))。
【0084】(6) ゲートおよびその他の電極の形成:次
に、例えばアルミニウムを蒸着することにより、ゲート
して機能する第1の電極10を形成するとともに、この
第1の電極に接続される制御用電極24およびソース1
2とドレイン14とに接続される入出力電極18,20
とをそれぞれ形成する(同図(F))。
【0085】また、上述した(4) 〜(6) の工程に前後し
て、あるいは(4) 〜(6) の工程と並行して、p−Si基
板30の他方の面に例えばアルミニウムを蒸着すること
により渦巻き形状の第2の電極を形成するとともに、こ
の第2の電極に接続されるアース電極16を形成する。
【0086】(7) 絶縁層の形成:最後に、全面にP−ガ
ラスを付着させた後、加熱して平滑な表面を形成する
(同図(G))。
【0087】このようにしてLC素子100を製造する
工程は、基本的には通常のMOS・FETを製造する工
程と類似しており、第1及び第2の電極10,26の形
状等が異なっている。したがって、製造そのものは、フ
ォトマスクの形状を変更したり、一般のMOS・FET
を製造する工程の順序を一部変更することにより対応す
ることができ、そのため一般のMOS・FETやバイポ
ーラトランジスタと同一基板上に形成することも可能と
なる。したがって、ICやLSIの一部として形成する
ことができ、これらの部品の一部として形成した場合に
は、後工程における部品の組み付け作業を省略すること
ができる。
【0088】このように、本実施例のLC素子100
は、第1の電極10に対応して形成されるチャネル22
と第2の電極26とのそれぞれがインダクタを形成する
とともに、これらチャネル22と第2の電極26との間
には分布定数的にキャパシタが形成される。
【0089】したがって、第2の電極26の一方端に設
けられたアース電極16を接地あるいは固定電位に接続
するとともに、チャネル22を信号の入出力路として用
いた場合には、入力された信号に対して広い帯域で良好
な減衰特性を有するLC素子となる。
【0090】また、上述したようにこのLC素子100
は、一般のMOS・FET等の製造技術を応用して製造
することができるため、製造が容易であり小型化等にも
適している。また、半導体基板の一部としてLC素子を
製造した場合には、他の部品との配線も同時に行なうこ
とができ、後工程における組み付け作業等が不要とな
る。
【0091】また、本実施例のLC素子100は、第1
の電極10に印加するゲート電圧(コントロール電圧V
c)を変えることにより、チャネル22の抵抗値とこの
チャネル22と第2の電極26との間に分布定数的に形
成されるキャパシタの容量とを可変に制御することがで
き、LC素子100の全体の周波数特性を調整あるいは
変更することができる。
【0092】なお、上述した第1実施例は、第1の電極
10に対応して形成されるチャネル22を信号の入出力
路として用いたが、チャネル22と第2の電極26とを
入れ替えるようにしてもよい。すなわち、図10に示す
ように、第2の電極26の両端に入出力電極18,20
を接続することによりこの第2の電極26を信号の入出
力路として用いるとともに、チャネル22の一方端に形
成されたソース12(あるいはドレイン14)にアース
電極16を接続し、このアース電極16を接地あるいは
固定電位に接続する。但し、この場合にはソース12お
よびドレイン14のいずれか一方にアース電極16を接
続することになるため、他方を省略することができる。
【0093】第2実施例 次に、本発明の第2実施例のLC素子について、図面を
参照しながら具体的に説明する。
【0094】上述した第1実施例のLC素子100は、
第1の電極10に対応して形成されるチャネル22と第
2の電極26とがほぼ全長にわたって対向して、すなわ
ちほぼ同一の長さに形成されたものであるが、本実施例
のLC素子200は、図1に示した第2の電極26を約
1ターン分短くした点に特徴がある。
【0095】図11は、第2の実施例のLC素子200
の平面図である。図11に示すように、第2の電極26
の一部を省略した場合であっても、短くなった第2の電
極26およびそれよりも長い第1の電極10に対応して
形成されるチャネル22とにより形成される各インダク
タと、これらチャネル22と第2の電極26とにより形
成されるキャパシタとが分布定数的に形成されるため、
図1に示した第1実施例のLC素子100と同様に良好
な減衰特性を有することになる。
【0096】図12は、本実施例のLC素子200の等
価回路を示す図である。同図に示すように、第2の電極
26のターン数が少くなった分だけインダクタンスL3
も小さくなり、これに対応して分布定数的に存在するキ
ャパシタンスC1も小さくなる。
【0097】また、制御用電極24に印加するゲート電
圧を変えることにより、第1の電極10に対応して形成
されるチャネル22の抵抗値およびこのチャネル22と
ターン数を短くした第2の電極26との間に形成される
キャパシタンスも変化し、これによりLC素子200の
減衰特性を可変に制御できる点は上述した第1実施例の
LC素子100と同様である。
【0098】このように、本実施例のLC素子200
は、第1の電極10に対応して形成されるチャネル22
とこの第1の電極10より短い第2の電極26とにより
インダクタとキャパシタが分布定数的に形成され、良好
な減衰特性をもった素子として機能することができる。
【0099】また、LC素子200を半導体製造技術を
利用して製造できる点や、LSI等の一部として形成す
ることができるとともに、この場合には後工程における
配線処理を省略できる点、制御用電極24に印加するゲ
ート電圧を変えることにより上述したインダクタのイン
ダクタンスやキャパシタの容量値を可変に制御して素子
としての減衰特性を変更できる点等については上述した
第1実施例のLC素子100と同じである。
【0100】なお、本実施例のLC素子200は、第1
の電極10に対応して形成されるチャネル22を信号の
入出力路として用いたが、第2の電極26を信号の入出
力路として用い、第1の電極10に対応して形成される
チャネル22側を接地あるいは固定電位に接続するよう
にしてもよい。
【0101】図13は、第2の電極26を信号の入出力
路として使用する場合の変形例を示す図であり、第1実
施例の図10に対応するものである。この場合は、第2
の電極26の両端に入出力電極18,20を接続すると
ともに、第1の電極10に対応して形成されるチャネル
22の一方端に設けられたソース22(あるいはドレイ
ン14)にアース用電極16を接続する。また、第1の
電極10を第2の電極26に対して約1ターン分短く形
成することにより、この第1の電極10に対応して形成
されるチャネル22も約1ターン分短くなる。
【0102】このような場合であっても、第1の電極1
0に対応して形成されるチャネル22と第2の電極26
とがそれぞれインダクタとして機能するとともに、これ
らの間に分布定数的にキャパシタが形成されるため、図
11に示すLC素子200と同様に良好な減衰特性が得
られる。
【0103】第3実施例 次に、本発明の第3実施例のLC素子300について、
図面を参照しながら具体的に説明する。
【0104】上述した第1実施例のLC素子100およ
び第2実施例のLC素子200は、3端子のノーマルモ
ード型素子として機能するものであるが、本実施例のL
C素子300は、4端子型のコモンモード型素子として
機能するように形成されている点に特徴がある。
【0105】図14は、第3実施例のLC素子の平面図
である。同図に示すように、第3実施例のLC素子30
0は、第2の電極26の両端に入出力電極36,38が
設けられており、この点が図1に示したLC素子100
と異なっている。
【0106】図15は、第3実施例のLC素子の等価回
路を示す図である。同図に示すように、2つの入出力電
極18,20の間にソース12およびドレイン14を介
して形成されたチャネル22がインダクタンスL1を有
するインダクタとして機能するとともに、2つの入出力
電極36,38間に形成された第2の電極26がインダ
クタンスL2を有するインダクタとして機能する。しか
も、これらチャネル22と第2の電極26とがそれぞれ
信号の入出力路として使用されるとともに、これらの間
には第1実施例のLC素子100と同様にキャパシンタ
ンスCを有するキャパシタが分布定数的に形成される。
【0107】このように、本実施例のLC素子300
は、第1の電極10に対応して形成されるチャネル22
のみならず第2の電極26の両端にも2つの入出力電極
36,38を設けることにより、良好な減衰特性をもっ
た4端子コモンモード型素子として機能することができ
る。また、制御用電極24に印加するゲート電圧を変え
ることにより、上述したインダクタンスL1を有するイ
ンダクタに含まれる抵抗値と分布定数的なキャパシタン
スCとを変えることでき、LC素子300全体の減衰特
性を可変に制御することができる。
【0108】第4実施例 次に、本発明の第4実施例のLC素子について、図面を
参照しながら具体的に説明する。
【0109】上述した各実施例のLC素子100,20
0,300のそれぞれは、第2の電極26を1本の導体
で形成していたが、本実施例のLC素子400はこの第
2の電極26を複数の(例えば3本の)分割電極片26
−1,26−2,26−3に分割した点に特徴がある。
【0110】図16は、第4実施例のLC素子の平面図
である。同図に示すように、第4実施例のLC素子40
0は、図1に示したLC素子100に用いられている第
2の電極26を3本の分割電極片26−1,26−2,
26−3に置き換えた構造を有している。全体として渦
巻き形状を有するこれらの分割電極片26−1〜26−
3のそれぞれにはアース電極16が接続されており、3
つのアース電極16を接地することにより、各分割電極
片26−1〜26−3のそれぞれによって形成されるイ
ンダクタの一部が接地される。あるいは3つのアース電
極16を固定電位の電源に接続することにより、各分割
電極片26−1〜26−3のそれぞれによって形成され
るインダクタの一部がこの固定電位となる。
【0111】図17は、第4実施例のLC素子400の
等価回路を示す図である。同図に示すように、第1の電
極10に対応して形成されるチャネル22の全体がイン
ダクタンスL1を有するインダクタとして機能するとと
もに、各分割電極片26−1,26−2,26−3のそ
れぞれがインダクタンスL3,L4,L5を有するイン
ダクタとして機能する。そして、チャネル22と各分割
電極片26−1〜26−3とがキャパシンタスC2,C
3,C4を有するキャパシタとして機能し、しかもこれ
らのキャパシタが分布定数的に形成される。
【0112】本実施例のLC素子400は、各分割電極
片26−1,26−2,26−3の自己インダクタンス
L3,L4,L5が小さくなる。したがって、これらの
自己インダクタンスによるLC素子400全体の特性へ
の影響は小さくなり、第1の電極10に対応して形成さ
れるチャネル22が有するインダクタンスL1と分布定
数的に形成されるキャパシンタスC2,C3,C4とに
よってLC素子400全体の特性がほぼ決定されること
になる。
【0113】また、制御用電極24に印加するゲート電
圧を変えることによりLC素子400全体の特性を可変
に制御できる点は上述した各実施例と同様である。
【0114】なお、図16に平面構造を示した本実施例
のLC素子400は、第1の電極10に対応して形成さ
れるチャネル22を信号の入出力路として用いるととも
に第2の電極26を3分割したが、これとは反対に第2
の電極26を信号の入出力路として用いるとともに第1
の電極10側を複数に分割するようにしてもよい。この
場合には、複数に分割された第1の電極10のそれぞれ
に対応してチャンネル22が形成されるため、各チャネ
ルの一方端付近にソース12あるいはドレイン14を設
け、これらにアース電極16を接続すればよい。
【0115】その他の実施例 次に、本発明のその他の実施例に係るLC素子につい
て、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0116】図18および図19は、化学液相法を用い
て端子付けを行なう場合の概略を示す図である。図18
は図1等に対応する本実施例のLC素子500の平面図
であり、同図に示すように、LC素子500の第1の電
極10および第2の電極26の両端あるいは一方端には
制御用電極24やアース電極16が設けられていない。
【0117】このような形状を有する第1および第2の
電極10,26を含む半導体基板を1個のLC素子50
0ごとに切り離した後に、図19に図18のE−E線断
面を示すように、個別に切り離されたチップ(素子)の
全表面に化学液相法により絶縁膜としてシリコン酸化膜
40を形成する。その後、エッチングにより第1および
第2の電極10,26の一方端上のシリコン酸化膜40
を除去して孔をあけ、その孔を半田42で表面に盛り上
がる程度に封じることにより、突出した半田42をプリ
ント配線基板のランド等と直接接触させることができ
る。したがって、表面実装する場合には好都合となる。
【0118】なお、素子表面の保護膜に合成樹脂等の他
の絶縁材料を使用してもよく、保護膜の穿孔にレーザ光
線を利用してもよい。また、スルーホールを利用して一
方の面側にのみ半田44を突出させるようにしてもよ
い。
【0119】図20は、上述した各実施例のLC素子1
00等をLSI等の一部として形成する場合の説明図で
ある。同図に示したように、半導体チップ46上の各種
信号あるいは電源のライン48に上述した各LC素子1
00等を挿入する形で組み込む。特に、上述した各実施
例のLC素子100等は、半導体チップ46上に各種回
路を形成する工程において同時に製造することができる
ため、後工程における配線処理等が不要になるといった
利点がある。なお、スルーホールを用いて第2の電極2
6側の配線を第1の電極10側に行うようにすれば、半
導体チップ46上の他の部品との接続をさらに容易に行
うことができる。
【0120】次に、上述したLC素子を実際の回路の一
部として使用する場合の一例について説明する。
【0121】一般に、上述した各実施例のLC素子10
0等においてインダクタを形成するチャネル22は高抵
抗を有しており、しかもこのチャネル22の全長が長い
ため2つの入出力電極18,20間で信号レベルの減衰
が生じる。そのため、実際にLC素子100等を回路の
一部として使用する場合には、出力側に高入力インピー
ダンスのバッファを接続することにより実用的な構成と
なる。
【0122】図21は、出力側にバッファを接続した例
を示す図である。同図(A)は、バッファとしてMOS
・FETと抵抗とからなるソースホロワ回路50を用い
た場合を示している。このソースホロワ回路50を構成
するMOS・FETは上述した各実施例のLC素子10
0等と同じMOS構造を有しているため、このソースホ
ロワ回路50を含めた全体をLC素子として一体的に形
成することができる。
【0123】また、同図(B)は、バッファとして2つ
のバイポーラトランジスタと抵抗からなるエミッタホロ
ワ回路52を用いた場合を示している。LC素子100
等とバイポーラトランジスタでは構造は若干異なるもの
の同一の基板上に形成することが可能であるため、この
エミッタホロワ回路52を含めた全体をLC素子として
一体的に形成することができる。
【0124】このように出力側にバッファを設けること
により、LC素子100等のインダクタ部分(チャネル
22)によって減衰した信号レベルが増幅によって復元
されて、SN比が良好な出力信号を得ることが可能にな
る。
【0125】図22は、出力側にレベル変換回路を接続
した例を示す図である。同図(A)は、レベル変換回路
として2つのエミッタホロワ回路54,56を直列に接
続した場合を示している。同図(B)は、レベル変換回
路として2つのソースホロワ回路58,60を直列に接
続した場合を示している。
【0126】このように、出力側にレベル変換回路を接
続することにより、LC素子100等のインダクタ部分
によって減衰した信号レベルが増幅されるとともに、所
定のレベル変換あるいはレベル補正を容易に行なうこと
ができる。
【0127】なお、これらのレベル変換回路をLC素子
100等と同一の基板に一体的に形成することができる
点は、上述したバッファの場合と同じである。
【0128】図23は、上述した各実施例LC素子10
0等を用いて電圧制御発振器(VCO)を構成した場合
の一例を示す図である。同図に示すように、上述した各
実施例のLC素子100等の出力側にアンプ61を接続
するとともに、このアンプ61の出力をLC素子の入力
側に帰還させる。このような帰還ループを形成すること
により発振動作が行われる。しかも、この発振周波数は
制御用電極24に外部から印加されるゲート電圧を変え
ることにより、すなわち、これに伴い分布定数的に形成
されるキャパシタンスとチャネル22の抵抗値とを変え
ることにより、一定範囲で任意に変えることができる。
【0129】図24は、上述した各実施例のLC素子1
00等に入力保護回路を追加した場合の構成の一例を示
す図である。MOS構造を有する各実施例のLC素子1
00等は、制御用電極24に静電気によって発生する高
電圧が印加されると、制御用電極24に接続されている
第1の電極10と半導体基板30との間に介在する絶縁
層28が破壊される。したがって、この静電気による絶
縁層28の破壊を防止するために保護回路が必要とな
る。
【0130】同図に示す保護回路は、ともに複数のダイ
オードと抵抗とにより構成されており、特に同図(A)
の回路では数100V、同図(B)の回路では1000
〜2000Vの静電耐量があり、使用環境等に応じて使
用する保護回路を適宜選択することができる。
【0131】なお、本発明は上記各実施例に限定される
ものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施
が可能である。
【0132】例えば、上述した各実施例は、制御用電極
24に対して所定のゲート電圧を印加したときにチャネ
ル22が形成されるエンハンスメント型のLC素子10
0等について説明したが、デプレション型とすることも
できる。すなわち、図1等に示したチャネル22の領域
に予めキャリア(n型不純物)を注入することによりn
チャネルを形成しておく。これにより、ゲート電圧を印
加しない状態においてもチャネル22が形成され、ある
いは印加するゲート電圧とチャネル幅等との関係を変え
ることができる。また、注入するキャリアは第1の電極
10に沿った一部の領域のみに注入してもよく、キャリ
アを注入した部分に対応する第1の電極10の全部ある
いは一部を省略するようにしてもよい。
【0133】また、上述した各実施例においては、p−
Si基板30の表面に第2の電極26を直接接触させて
形成するとともに、第1の電極10を絶縁層28を介在
させて形成するようにしたが、これとは反対に、第1の
電極10をp−Si基板30に直接接触させて形成する
とともに、第2の電極26を絶縁層28を介在させて形
成するようにしてもよい。また、第1よび第2の電極
10,26の両方をp−Si基板30の両面に形成され
たそれぞれの絶縁層28の表面に形成するようにしても
よい。
【0134】また、上述した各実施例のLC素子100
等は、p領域の単一層からなる基板を挟んで第1および
第2の電極10,26等を形成するようにしたが、これ
らの電極10,26の各周回部分の合間に渦巻き形状の
反転層を形成することにより、電極10,26の各周回
部分同士のアイソレーションを確実に行なうようにして
もよい。
【0135】図25は、第1および第2の電極10,2
6の各周回部分の合間に渦巻き形状の反転層を形成した
場合の断面構造を示す図であり、上述した図2に対応す
るものである。すなわち、同図に示すように、p−Si
基板30の一部にn領域64からなる渦巻き形状の反転
層を形成する。このような構造を有するLC素子におい
て、周回部分が異なる第2の電極26に接続されたp−
Si基板30同士に着目すると、間にn領域64が形成
されているため電気的に分離されており、確実にアイソ
レーションを行うことができる。
【0136】また、上述した各実施例においては、ほぼ
円形の渦巻き形状を有する第1および第2の電極10,
26を考えたが、全体として渦巻き形状を有していれ
ば、四角形やその他の渦巻き形状であってもよい。
【0137】また、上述した各実施例においては、LC
素子100等をLSI等の一部として形成できる点を効
果としてあげたが、必ずしもLSI等の一部として形成
する必要はなく、半導体基板上にLC素子100等を形
成した後に入出力電極18,20,アース電極16およ
び制御用電極24のそれぞれに端子付けを行なって、あ
るいは図19に示したような化学液相法を利用して端子
付けを行なって、単体の素子として形成するようにして
もよい。この場合には、同一の半導体基板上に複数個の
LC素子100等を同時に形成し、その後半導体基板を
切り離して各LC素子等に端子付けを行なうようにすれ
ば、容易に大量生産が可能となる。
【0138】また、上述した各実施例においては、第2
の電極26の外周側の一方端にアース電極16を接続す
るようにしたが、このアース電極16は内周側の一方端
に設けるようにしてもよい。また、必ずしも入出力電極
18,20,アース電極16および制御用電極24は最
端部に設ける必要なく、周波数特性を検討した後に必要
に応じてその取り付け位置をずらすようにしてもよい。
【0139】また、上述した各実施例のLC素子等は、
制御用電極24に印加するゲート電圧を変えることによ
り、チャネル22の抵抗と分布定数的に形成されるキャ
パシタの容量の変わり、これによりLC素子全体の周波
数特性が可変に制御できるというものである。したがっ
て、LC素子100等を回路の一部として用いることに
より、同調回路,変調回路,発振回路,フィルタ等を容
易に構成することができる。
【0140】また、上述した各実施例のLC素子100
等はp−Si基板30を利用して形成する場合を例にと
り説明したが、ゲルマニウム等の他の種類の半導体を用
いる場合や、アモルファスシリコン等の非晶質材料を用
いるようにしてもよい。
【0141】また、実際にウエハの状態にあるp−Si
基板30を利用して各実施例のLC素子100等を製造
する場合には、p−Si基板30の比抵抗が一般の金属
に比べて高いことを考慮して、p−Si基板30の厚み
をウエハの状態よりも薄くする必要がある。また、一般
にはn型ウエハの方が入手し易いことを考慮して、図2
6に示すような構造としてもよい。
【0142】すなわち、同図(A)に示すように、n−
Si基板66の一方の面に渦巻き形状のエッチングを行
い、このエッチングを行った部分に第1あるいは第2の
電極10,26を形成する。また、同図(B)に示すよ
うに、n−Si基板66の一部に第1及び第2の電極1
0,26のそれぞれにほぼ沿うようにp+ 領域68を形
成し、その後n−Si基板66の裏面側であって第2の
電極26に対応する部分のエッチングを行い、最後に第
1及び第2の電極10,26を形成する。
【0143】また、上述した各実施例のLC素子100
等は第1及び第2の電極10,26のそれぞれを完全に
対向するように配置したが、第1及び第2の電極10,
26をほぼ対向するように少しずらして配置してもよ
い。特に、図25に示すようなアイソレーションを行っ
た場合には、p−Si基板30を挟んで第1及び第2の
電極10,26を配置しさえすればその範囲内で第1及
び第2の電極10,26がずれてもよい。
【0144】
【発明の効果】上述したように、請求項1の発明によれ
ば、第1の電極に対応して形成されるチャネルの一方端
に入力された信号は、分布定数的に存在するインダクタ
およびキャパシタを介して伝搬される際に、広い帯域に
わたり良好な減衰特性が得られる。また、このLC素子
は、半導体基板にソースおよびドレインを形成するとと
もに、この半導体基板の両面に絶縁層と渦巻き形状の第
1および第2の電極を形成することにより製造すること
ができ、製造が非常に容易となる。また、このLC素子
は、半導体基板上に形成されるため、ICやLSIの一
部として形成することも可能であり、このような部品の
一部として形成した場合には、後工程における部品の組
み付け作業を省略することができる。
【0145】また、請求項2の発明によれば、信号入出
力路としてチャネルを使用する代わりに上述した第2の
電極を用いており、上述した請求項1のLC素子と同様
に、広い帯域にわたって良好な減衰特性を得ることがで
きるとともに、製造容易および基板の一部として形成す
ることが可能となる。
【0146】また請求項3の発明によれば、第1の電極
に対応する位置に予めキャリアを注入することにより、
デプレション型の素子として形成することができ、LC
素子の特性そのものは変えずに、第1の電極に電圧を印
加しない状態でチャネルを形成し、あるいは印加するゲ
ート電圧とチャネル幅等との関係を変更することができ
る。
【0147】また、請求項4の発明によれば、第1およ
び第2の電極のいずれか一方を短くした場合であっても
それぞれはインダクタとして機能するとともに、第1の
電極に対応して形成されるチャネルと第2の電極との間
には空乏層を挟んで形成されるキャパシタが分布定数的
に存在することになる。したがって、広い帯域にわたっ
て良好な減衰特性を得ることができるとともに、製造が
容易でありかつ基板の一部として形成することが可能と
なる。
【0148】また、請求項5の発明によれば、半導体基
板内であって第1及び第2の電極の各周回部分の合間に
反転層が形成されており、これにより良好なアイソレー
ションを行なうことができる。したがって、第1の電極
に対応して形成されるチャネルとこのチャネルにほぼ対
向するように配置された第2の電極との間にのみ分布定
数的にキャパシタが形成される状態を容易に作ることが
でき、このLC素子は広い帯域にわたって良好な減衰特
性を有することができる。
【0149】また、請求項6の発明によれば、第2の電
極を複数の電極片に分割するとともにこれらの一部を電
気的に接続して使用しており、各電極片の自己インダク
タンスが小さくなり、この各自己インダクタンスの影響
が少い分布定数型のLC素子を実現することができる。
【0150】また、請求項7の発明によれば、第1の電
極を複数の電極片に分割するとともに、これに対応する
チャネルも分割して形成しており、上述した請求項6の
場合と同様に、自己インダクタンスの影響が少いLC素
子を実現することが可能となる。
【0151】また、請求項8の発明によれば、チャネル
の両端付近のソースおよびドレインに第1および第2の
入出力電極を設けるとともに、第2の電極の一方端近傍
にアース電極を設けることにより、チャネルが信号入出
力路として使用される3端子型のLC素子を容易に形成
することができる。
【0152】また、請求項9の発明によれば、第2の電
極の両端付近に第1および第2の入出力電極を設けると
ともにチャネルの一方端に形成されたソースあるいはド
レインに接続されたアース電極を設けることにより、第
2の電極が信号入出力路として使用される3端子型のL
C素子を容易に形成することができる。
【0153】また、請求項10の発明によれば、上述し
たチャネルの両端に形成されたソースおよびドレインに
第1および第2の入出力電極を設けるとともに、第2の
電極の両端付近に第3および第4の入出力電極を設ける
ことにより、4端子コモンモード型のLC素子を容易に
形成することができる。
【0154】また、請求項11の発明によれば、第1の
電極に印加するゲート電圧を可変に設定することによ
り、この第1の電極に対応して形成される渦巻き形状の
チャネル幅、すなわちチャネルの抵抗値が変化する。ま
た、チャネルの外周に形成される空乏層にも変化が生じ
るため、チャネルと第2の電極との間に形成されるキャ
パシタの容量も変化する。したがって、ゲート電圧を変
えることにより、チャネルの抵抗値と、このチャネルと
第2の電極との間に分布定数的に形成されるキャパシタ
の容量とを変更することが可能であり、減衰特性を必要
に応じて可変に制御することができる。
【0155】また、請求項12の発明によれば、上述し
た各請求項のLC素子を基板の一部の信号ラインあるい
は電源ラインに挿入するように形成しており、半導体基
板上の他の部品と一体的に製造することができ、製造が
容易になるとともに、後工程の部品の組み付け作業が不
要となる。
【0156】また、請求項13の発明によれば、LC素
子を半導体基板に形成した後に化学液相法により絶縁膜
を形成し、その後この絶縁膜の一部に孔をあけ、この孔
に半田を盛ることにより端子付けが行われており、表面
実装型のLC素子を簡単に製造することができ、表面実
装型とすることによりこのLC素子の組み付け作業も容
易となる。
【0157】また、請求項14の発明によれば、LC素
子のチャネルを介して出力される信号をバッファにより
増幅しており、チャネルを介することにより減衰した信
号レベルを復元することにより、良好なSN比とするこ
とができる。
【0158】また、請求項15の発明によれば、LC素
子の出力側にレベル変換回路が接続されており、チャネ
ルを介することにより減衰した信号レベルを復元するこ
とができるとともに所定のレベル変換あるいはレベル補
正を行なうことが可能となる。
【0159】また、請求項16の発明によれば、LC素
子の信号入出力路に増幅器を直列接続するとともに、こ
の増幅出力を入力側に帰還しており、このようなフィー
ドバックループを形成することにより発振動作が行われ
る。しかも、LC素子は第1の電極に印加するゲート電
圧を変更することにより分布定数的に形成されるキャパ
シタの容量等を変えることが可能であるため、ゲート電
圧に応じて出力周波数が制御可能な電圧制御発振器を簡
単に構成することができる。
【0160】また、請求項17の発明によれば、第1お
よび第2の電極の少なくとも一方に保護回路が設けられ
ており、これらの電極に対して過電圧が印加されると、
動作電源ライン側あるいはアース側にバイパス電流が流
れ、第1および第2の電極と半導体基板との間に形成さ
れた絶縁層の絶縁破壊を防止することができる。
【0161】また、請求項18および請求項19の発明
によれば、上述したLC素子を一般的な半導体製造技術
(特にMOS製造技術)を応用することにより製造する
ことができ、小型化あるいは低コスト化が可能であると
ともに、複数個同時に大量生産することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した第1実施例のLC素子の平面
図である。
【図2】図1のA−A線拡大断面図である。
【図3】図1のB−B線拡大断面図である。
【図4】図1のC−C線拡大断面図である。
【図5】図1のD−D線拡大断面図である。
【図6】第1実施例のLC素子の渦巻き形状の電極に沿
った断面構造を示す図である。
【図7】第1実施例のLC素子の等価回路を示す図であ
る。
【図8】チャネルの抵抗値を説明するための図である。
【図9】本実施例のLC素子の製造工程を示す図であ
る。
【図10】本実施例のLC素子の変形例を示す図であ
る。
【図11】第2実施例のLC素子の平面図である。
【図12】第2実施例の等価回路を示す図である。
【図13】第2実施例のLC素子の変形例を示す図であ
る。
【図14】第3実施例のLC素子の平面図である。
【図15】第3実施例のLC素子の等価回路を示す図で
ある。
【図16】第4実施例のLC素子の平面図である。
【図17】第4実施例のLC素子の等価回路を示す図で
ある。
【図18】化学液相法を用いて端子付けを行なう場合の
概略を示す図である。
【図19】化学液相法を用いて端子付けを行なう場合の
概略を示す図である。
【図20】各実施例のLC素子をLSI等の一部として
形成する場合の説明図である。
【図21】各実施例のLC素子の出力側にバッファを接
続した例を示す図である。
【図22】各実施例のLC素子の出力側にレベル変換回
路を接続した例を示す図である。
【図23】各実施例のLC素子を用いて電圧制御発振器
を構成した場合の一例を示す図である。
【図24】各実施例のLC素子の入力側に保護回路を接
続した例を示す図である。
【図25】半導体基板に渦巻き形状の反転層を形成した
場合の断面構造を示す図である。
【図26】基板の一部をエッチングする場合の部分的断
面を示す図である。
【符号の説明】
10 第1の電極 12 ソース 14 ドレイン 16 アース電極 18,20 入出力電極 22 チャネル 24 制御用電極 26 第2の電極 28 絶縁層 30 p−Si基板 32 空乏層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/822 H01F 27/00 H01L 27/04 H03H 7/01

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板の一方の面側に形成され、ゲ
    ートとして機能する渦巻き形状の第1の電極と、 前記半導体基板の他方の面側に形成され、前記第1の電
    極とほぼ対向する位置に形成された渦巻き形状の第2の
    電極と、前記第1の電極と 、前記半導体基板との間に形成された
    絶縁層と、 前記半導体基板内にあって、前記第1の電極に所定の電
    圧を印加したときにこの第1の電極に対応する前記半導
    体表面の位置に形成されるチャネルの両端に形成され
    るソースおよびドレインと、 を備え、前記第1の電極に対応して形成されるチャネル
    よって形成されるインダクタと、前記第1の電極に対
    応して形成されるチャネルと前記第2の電極の間に形成
    されるキャパシタとが分布定数的に存在し、少なくとも
    前記第1の電極に対応して形成されるチャネルを信号入
    出力路として用いることを特徴とするLC素子。
  2. 【請求項2】 半導体基板の一方の面側に形成され、ゲ
    ートとして機能する渦巻き形状の第1の電極と、 前記半導体基板の他方の面側に形成され、前記第1の電
    極とほぼ対向する位置に形成された渦巻き形状の第2の
    電極と、前記第1の電極と 、前記半導体基板との間に形成された
    絶縁層と、 前記半導体基板内にあって、前記第1の電極に所定の電
    圧を印加したときにこの第1の電極に対応する前記半導
    体表面の位置に形成されるチャネルの一方端に形成さ
    れるソースあるいはドレインと、 を備え、前記第1の電極に対応して形成されるチャネル
    よって形成されるインダクタと、前記第1の電極に対
    応して形成されるチャネルと前記第2の電極の間に形成
    されるキャパシタとが分布定数的に存在し、前記第2の
    電極を信号入出力路として用いることを特徴とするLC
    素子。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、 前記半導体基板表面であって前記第1の電極に対応する
    位置に、予めキャリアを注入することを特徴とするLC
    素子。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかにおいて、 前記第1の電極に対して、前記第2の電極の長さを長く
    あるいは短く設定することにより、前記第1の電極に対
    応して形成されるチャネルと前記第2の電極とを部分的
    に対応させることを特徴とするLC素子。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかにおいて、 前記半導体基板に代えて、前記第1および第2の電極の
    各周回部分の間に渦巻き形状のn領域あるいはp領域か
    らなる反転層が形成された半導体基板を用いることを特
    徴とするLC素子。
  6. 【請求項6】 請求項1,3〜のいずれかにおいて、 前記第1の電極に対応して形成されるチャネルの両端
    に形成されたソースおよびドレインのそれぞれに電気的
    に接続された第1および第2の入出力電極と、 前記第2の電極の一方端に電気的に接続されたアース
    電極と、 を有し、前記第1および第2の入出力電極のいずれか一
    方から信号を入力し、他方から信号を出力するととも
    に、前記アース電極を固定電位の電源に接続あるいは接
    地することを特徴とするLC素子。
  7. 【請求項7】 請求項2〜5いずれかにおいて、 前記第2の電極の両端に電気的に接続された第1およ
    び第2の入出力電極と、 前記第1の電極あるいは前記第1の電極を分割した電極
    片に対応して形成されるチャネルの一方端に形成され
    たソースあるいはドレインに電気的に接続されたアース
    電極と、 を有し、前記第1および第2の入出力電極のいずれか一
    方から信号を入力し、他方から信号を出力するととも
    に、前記アース電極を固定電位の電源に接続あるいは接
    地することを特徴とするLC素子。
  8. 【請求項8】 請求項1,3〜5のいずれかにおいて、 前記第1の電極に対応して形成されるチャネルの両端
    に形成されたソースおよびドレインのそれぞれに電気的
    に接続された第1および第2の入出力電極と、 前記第2の電極の両端に電気的に接続された第3およ
    び第4の入出力電極と、 を有し、前記第1の電極に対応して形成されるチャネル
    と前記第2の電極との両方を信号入出力路とするコモン
    モード型の素子として用いられることを特徴とするLC
    素子。
  9. 【請求項9】 請求項1〜のいずれかにおいて、 前記第1の電極に対して印加するゲート電圧を可変に設
    定することにより、前記第1の電極に対応して形成され
    るチャネルの抵抗値と、このチャネルと前記第2の電極
    との間に分布定数的に形成されるキャパシタの容量値と
    を可変に制御することを特徴とするLC素子。
  10. 【請求項10】 請求項1〜のいずれかのLC素子を
    基板の一部として形成し、前記第1の電極に対応して形
    成されたチャネルおよび前記第2の電極の少なくとも一
    方を信号ラインあるいは電源ラインに挿入して一体成形
    したことを特徴とする半導体装置。
  11. 【請求項11】 請求項1〜のいずれかにおいて、 全表面に化学液相法により絶縁膜を形成し、この絶縁膜
    の一部をエッチングあるいはレーザ光照射によって除去
    して孔をあけ、その孔を半田で表面に盛り上がる程度に
    封じることにより端子付けを行うことを特徴とするLC
    素子。
  12. 【請求項12】 請求項1,3〜6,8いずれかのL
    C素子の前記ソースおよびドレインのいずれか一方に、
    前記チャネルを介して出力される信号を増幅するバッフ
    ァを接続したことを特徴とする半導体装置。
  13. 【請求項13】 請求項1,3〜6,8いずれかのL
    C素子の前記ソースおよびドレインのいずれか一方に、
    前記チャネルを介して出力される信号の電圧レベルを変
    更するレベル変換回路を接続したことを特徴とする半導
    体装置。
  14. 【請求項14】 請求項1〜のいずれかのLC素子の
    信号入出力路に増幅器を直列に接続するとともにこの増
    幅出力を前記信号入出力路に帰還させ、前記第1の電極
    に印加するゲート電圧を変更することにより、周波数を
    可変に制御することを特徴とする半導体装置。
  15. 【請求項15】 請求項1〜のいずれかにおいて、 前記第1および第2の電極の少なくとも一方に過電圧を
    動作電源ライン側あるいはアース側にバイパスさせる保
    護回路を設けたことを特徴とするLC素子。
  16. 【請求項16】 半導体基板に部分的に不純物を注入す
    ることによりソースとドレインを形成する第1の工程
    と、 前記半導体基板の方の面の全部あるいは一部に絶縁層
    を形成する第2の工程と、 前記半導体基板前記絶縁層の表面、前記ソースとド
    レインを結ぶように渦巻き形状の第1の電極を形成する
    とともに、前記半導体基板の他方の面に、この第1の電
    極とほぼ対向する位置に渦巻き形状の第2の電極を形成
    する第3の工程と、 前記ソース,ドレインと第1および第2の電極のそれぞ
    れに電気的に接続される配線層を形成する第4の工程
    と、 を含むことを特徴とするLC素子の製造方法。
  17. 【請求項17】 半導体基板に部分的に不純物を注入す
    ることによりソースあるいはドレインを形成する第1の
    工程と、 前記半導体基板の方の面の全部あるいは一部に絶縁層
    を形成する第2の工程と、 前記半導体基板前記絶縁層の表面、前記ソースある
    いはドレインの近傍に一方端が位置するように渦巻き形
    状の第1の電極を形成するとともに、前記半導体基板
    他方の面に、この第1の電極とほぼ対向する位置に渦巻
    き形状の第2の電極を形成する第3の工程と、 前記ソースあるいはドレインと第1および第2の電極の
    それぞれに電気的に接続される配線層を形成する第4の
    工程と、 を含むことを特徴とするLC素子の製造方法。
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