JPH0897373A - Lc素子,半導体装置及びlc素子の製造方法 - Google Patents

Lc素子,半導体装置及びlc素子の製造方法

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JPH0897373A
JPH0897373A JP25753794A JP25753794A JPH0897373A JP H0897373 A JPH0897373 A JP H0897373A JP 25753794 A JP25753794 A JP 25753794A JP 25753794 A JP25753794 A JP 25753794A JP H0897373 A JPH0897373 A JP H0897373A
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spiral
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layer
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JP25753794A
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Takeshi Ikeda
毅 池田
Akira Okamoto
明 岡本
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T I F KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 製造が容易であり、後工程における部品の組
み付け作業を省略することができ、ICやLSIの一部
として形成することができ、分布定数的に存在するキャ
パシタを必要に応じて変えることにより特性を任意に変
更することができるLC素子,半導体装置及びLC素子
の製造方法を提供すること。 【構成】 LC素子100は、p−Si基板の表面付近
に形成された非渦巻き形状のn+領域22と、さらにそ
の一部に形成された非渦巻き形状のp+領域20とを含
んでおり、これによりpn接合層26が形成されてい
る。また、このp+領域20の表面には電極10が形成
されており、この電極10と上述したn+領域22のそ
れぞれがインダクタとして機能するとともに、pn接合
層26を逆バイアスで使用することによりキャパシタが
分布数的に形成され、良好な減衰特性が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体装置等に組み込
まれて、あるいは単体で所定の周波数帯域を減衰させる
ことができるLC素子,半導体装置及びLC素子の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の電子技術の発達に伴い、電子回路
は各種分野において幅広く用いられており、従ってこれ
ら各電子回路を外部からの影響を受けることなく安定し
て確実に動作させることが望まれる。
【0003】しかし、このような電子回路には、直接あ
るいは間接的に外部からノイズが侵入する。このため、
電子回路を使用した各種電子機器に誤動作が引き起こさ
れる場合が少なくないという問題がある。
【0004】特に、電子回路は、直流電源としてスイッ
チング・レギュレータを用いる場合が多い。従って、ス
イッチング等の過渡電流により、または使用するデジタ
ルICのスイッチング動作に起因する負荷変動により、
スイッチング・レギュレータの電源ラインには各種の周
波数成分を持った大きなノイズが発生することが多い。
そして、これらのノイズは、同じ機器内の他の回路へ電
源ラインを介して、または輻射により伝搬され誤動作や
S/N比の低下等の悪影響を及ぼし、さらに近くで使用
中の他の電子機器の誤動作を引き起こすことがある。
【0005】このようなノイズを除去するため、一般に
電子回路では各種のノイズフィルタが用いられている。
特に、近年では各種構成の電子機器を多数使用している
ため、ノイズに対する規制もますます厳しくなってお
り、このため発生するノイズを確実に除去することがで
きる小型でしかも高性能なノイズフィルタとして機能す
るLC素子の開発が望まれる。
【0006】このようなLC素子の1つとして、特開平
3−259608号公報に開示されたLCノイズフィル
タが知られている。このLCノイズフィルタは、L成分
とC成分とが分布定数的に存在するものであり、集中定
数タイプのLCノイズフィルタに比べて比較的広い帯域
にわたって良好な減衰特性を得ることができるというも
のである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したL
Cノイズフィルタは、絶縁シートの一方の面にキャパシ
タ用導電体を、他方の面にインダクタ用導電体をそれぞ
れ形成した後に、この絶縁シートを折りたたむことによ
り製造されるものであり、絶縁シートの折り返し等の工
程が必要なため、製造工程が複雑になるという問題があ
った。
【0008】また、このLCノイズフィルタをICやL
SIの電源ラインあるいは信号ラインに直接挿入して使
用する場合には、LCノイズフィルタとIC等とを配線
しなければならず、部品組み付けの手間がかかるという
問題があった。
【0009】また、このLCノイズフィルタは部品単体
として形成されるため、ICやLSIの回路に含ませ
て、すなわちICやLSI等の内部配線間に挿入するこ
とがほとんど不可能であるという問題があった。
【0010】さらに、このLCノイズフィルタにおいて
分布定数的に形成されるキャパシタは、インダクタ用導
電体とキャパシタ用導電体のそれぞれの形状や配置によ
り決定されるため、部品として完成した後はキャパシタ
ンスが一定となり、全体としての特性も固定化されてし
まい汎用性がないという問題があった。例えば、キャパ
シタンスのみを変更したい場合にはキャパシタ用導電体
の形状を変更する必要があり、組み込んだ回路中で必要
に応じてキャパシタンスを任意に変更して使用すること
は困難である。
【0011】そこで、本発明はこのような点に鑑みて創
作されたものであり、その目的は、製造が簡単であり後
工程における部品の組み付け作業を省略することがで
き、しかもICやLSIの一部として形成することが可
能なLC素子,半導体装置及びLC素子の製造方法を提
供することにある。
【0012】また、本発明の他の目的は、分布定数的に
存在するキャパシタンスを必要に応じて変えることによ
り特性を任意に変更することができるLC素子,半導体
装置およびLC素子の製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1のLC素子は、半導体基板表面に形成
された非渦巻き形状の電極と、前記半導体基板の一部で
あって前記非渦巻き形状の電極に沿った位置に形成さ
れ、p層あるいはn層からなる第1の領域に前記非渦巻
き形状の電極が接続されており、この第1の領域に対し
て反転領域となる第2の領域を含んで形成される非渦巻
き形状のpn接合層と、を備え、前記非渦巻き形状の電
極と前記pn接合層の一部を構成する前記第2の領域の
それぞれによって形成されるインダクタと、これら各イ
ンダクタに対応する前記pn接合層によって形成される
キャパシタとが分布定数的に存在し、前記非渦巻き形状
の電極と前記第2の領域の少なくとも一方を信号伝搬路
として用いることを特徴とする。
【0014】請求項2のLC素子は、請求項1のLC素
子において、前記非渦巻き形状の電極が蛇行形状を有す
ることを特徴とする。
【0015】請求項3のLC素子は、請求項1のLC素
子において、前記非渦巻き形状の電極が波形形状を有す
ることを特徴とする。
【0016】請求項4のLC素子は、請求項1のLC素
子において、前記非渦巻き形状の電極が曲線形状を有す
ることを特徴とする。
【0017】請求項5のLC素子は、請求項1のLC素
子において、前記非渦巻き形状の電極が直線形状を有す
ることを特徴とする。
【0018】請求項6のLC素子は、請求項1〜5のい
ずれかのLC素子において、前記非渦巻き形状の電極に
対して、前記pn接合層の少なくとも第2の領域の長さ
を長くあるいは短く設定することにより、前記非渦巻き
形状の電極と前記pn接合層の第2の領域とを部分的に
対応させることを特徴とする。
【0019】請求項7のLC素子は、請求項1〜6のい
ずれかのLC素子において、前記非渦巻き形状の電極を
複数に分割し、あるいは前記pn接合層の少なくとも第
2の領域を複数に分割し、各分割片のそれぞれを電気的
に接続することを特徴とする。
【0020】請求項8のLC素子は、請求項1〜7のい
ずれかのLC素子において、前記非渦巻き形状の電極と
前記pn接合層の第2の領域とのうち、いずれか一方の
両端近傍に設けられた第1及び第2の入出力電極と、前
記非渦巻き形状の電極と前記pn接合層の第2の領域と
のうち、他方の一端近傍に設けられたアース電極と、を
有し、前記第1及び第2の入出力電極のいずれか一方か
ら信号を入力し、他方から信号を出力するとともに、前
記アース電極を固定電位の電源に接続あるいは接地する
ことを特徴とする。
【0021】請求項9のLC素子は、請求項1〜6のい
ずれかののLC素子において、前記非渦巻き形状の電極
と前記pn接合層の第2の領域とのうち、いずれか一方
の両端近傍に設けられた第1および第2の入出力電極
と、前記非渦巻き形状の電極と前記pn接合層の第2の
領域とのうち、他方の両端近傍に設けられた第3および
第4の入出力電極と、を有し、前記非渦巻き形状の電極
と前記pn接合層の第2の領域のそれぞれを信号伝搬路
とするコモンモード型の素子として用いられることを特
徴とする。
【0022】請求項10の半導体装置は、請求項1〜9
のいずれかにおいて、前記非渦巻き形状の電極および前
記pn接合層の第2の領域の少なくとも一方に対して、
前記pn接合層の逆バイアスの電圧レベルの信号の入力
を行なうことを特徴とする。
【0023】請求項11のLC素子は、請求項1〜10
のいずれかのLC素子において、前記pn接合層に所定
の逆バイアス電圧を印加するバイアス回路と、入力信号
から直流成分を除去した信号を前記非渦巻き形状の電極
および前記pn接合層の第2の領域の少なくとも一方に
入力する直流成分除去回路と、をさらに含むことを特徴
とする。
【0024】請求項12のLC素子は、請求項1〜10
のいずれかのLC素子において、前記非渦巻き形状の電
極と前記pn接合層の第1の領域との間に絶縁層を形成
するとともに、前記pn接合層に所定の逆バイアス電圧
を印加するバイアス回路を設けることを特徴とする。
【0025】請求項13のLC素子は、請求項11また
は12のLC素子において、前記バイアス回路は前記p
n接合層に印加する逆バイアス電圧を変更可能であり、
前記pn接合層に印加する逆バイアス電圧を変えること
により前記pn接合層が有するキャパシタンスを変更す
ることを特徴とする。
【0026】請求項14のLC素子は、請求項1〜13
のいずれかのLC素子を半導体基板上に形成し、この半
導体基板の全表面に絶縁膜を形成し、この絶縁膜の一部
をエッチングあるいはレーザ光照射によって除去して孔
をあけ、その孔を半田で表面に盛り上がる程度に封じる
ことにより端子付けを行なうことを特徴とする。
【0027】請求項15の半導体装置は、請求項1〜1
4のいずれかのLC素子を基板の一部として形成し、前
記非渦巻き形状の電極および前記pn接合層の第2の領
域の少なくとも一方を信号ラインあるいは電源ラインに
挿入して一体成形したことを特徴とする。
【0028】請求項16のLC素子は、半導体基板の一
部に形成されており、第1の領域およびこれとは反転領
域となる第2の領域とからなる非渦巻き形状のpn接合
層を備え、前記第1および第2の領域のそれぞれによっ
て形成されるインダクタと、前記pn接合層によって形
成されるキャパシタとが分布定数的に存在し、前記第1
および第2の領域の少なくとも一方を信号伝搬路として
用いることを特徴とする。請求項17のLC素子は、請
求項16のLC素子において、前記非渦巻き形状のpn
接合層が蛇行形状を有することを特徴とする。
【0029】請求項18のLC素子は、請求項16のL
C素子において、前記非渦巻き形状のpn接合層が波形
形状を有することを特徴とする。
【0030】請求項19のLC素子は、請求項16のL
C素子において、前記非渦巻き形状のpn接合層が曲線
形状を有することを特徴とする。
【0031】請求項20のLC素子は、請求項16のL
C素子において、前記非渦巻き形状のpn接合層が直線
形状を有することを特徴とするLC素子。
【0032】請求項21のLC素子は、請求項16〜2
0のいずれかのLC素子において、前記pn接合層を構
成する第1の領域に対して第2の領域を長くあるいは短
く設定することにより、これら第1の領域と第2の領域
を部分的に対応させることを特徴とする。
【0033】請求項22のLC素子は、請求項16〜2
1のいずれかのLC素子において、前記pn接合層を構
成する第1の領域および第2の領域のいずれか一方を複
数に分割し、各分割片のそれぞれの一部を電気的に接続
することを特徴とする。
【0034】請求項23のLC素子は、請求項16〜2
2のいずれかのLC素子において、前記pn接合層を構
成する第1の領域および第2の領域のいずれか一方の両
端近傍に設けられた第1及び第2の入出力電極と、前記
pn接合層を構成する第1の領域および第2の領域の他
方の一端近傍に設けられたアース電極と、を有し、前記
第1および第2の入出力電極のいずれか一方から信号を
入力し、他方から信号を出力するとともに、前記アース
電極を固定電位の電源に接続あるいは接地することを特
徴とする。
【0035】請求項24のLC素子は、請求項16〜2
1のいずれかのLC素子において、前記pn接合層を構
成する第1の領域および第2の領域のいずれか一方の両
端近傍に設けられた第1および第2の入出力電極と、前
記pn接合層を構成する第1の領域および第2の領域の
他方の両端近傍に設けられた第3および第4の入出力電
極と、を有し、前記pn接合層の第1および第2の領域
のそれぞれを信号伝搬路とするコモンモード型の素子と
して用いられることを特徴とする。
【0036】請求項25のLC素子は、請求項16〜2
4のいずれかのLC素子において、前記pn接合層を構
成する第1の領域および第2の領域の少なくとも一方に
対して、前記pn接合層の逆バイアスの電圧レベルの信
号の入力を行なうことを特徴とする。
【0037】請求項26のLC素子は、請求項16〜2
4のいずれかのLC素子において、前記pn接合層に所
定の逆バイアス電圧を印加するバイアス回路と、入力信
号から直流成分を除去した信号を前記pn接合層の第1
および第2の領域の少なくとも一方に入力する直流成分
除去回路と、をさらに含むことを特徴とする。
【0038】請求項27のLC素子は、請求項26のL
C素子において、前記バイアス回路は前記pn接合層に
印加する逆バイアス電圧を変更可能であり、前記pn接
合層に印加する逆バイアス電圧を変えることにより前記
pn接合層が有するキャパシタンスを変更することを特
徴とする。
【0039】請求項28のLC素子は、請求項16〜2
7のいずれかのLC素子を半導体基板上に形成し、この
半導体基板の全表面に絶縁膜を形成し、この絶縁膜の一
部をエッチングあるいはレーザ光照射によって除去して
孔をあけ、その孔を半田で表面に盛り上がる程度に封じ
ることにより端子付けを行なうことを特徴とする。
【0040】請求項29の半導体装置は、請求項16〜
28のいずれかのLC素子を基板の一部として形成し、
前記pn接合層の第1および第2の領域の少なくとも一
方を信号ラインあるいは電源ラインに挿入して一体成形
したことを特徴とする。
【0041】請求項30のLC素子の製造方法は、半導
体基板に非渦巻き形状の第1の領域とこの第1の領域に
対して反転領域となる第2の領域とからなるpn接合層
を形成する第1の工程と、前記pn接合層の表面であっ
て、前記第1の領域に電気的に接続された非渦巻き形状
の電極を形成する第2の工程と、前記非渦巻き形状の電
極および前記pn接合層の第2の領域のそれぞれの両端
あるいは一方端に接続される配線層を形成する第3の工
程と、を含むことを特徴とする。
【0042】請求項31のLC素子の製造方法は、半導
体基板に非渦巻き形状の第1の領域とこの第1の領域に
対して反転領域となる第2の領域とからなるpn接合層
を形成する第1の工程と、前記pn接合層の第1および
第2の領域のそれぞれの両端あるいは一方端に接続され
る配線層を形成する第2の工程と、を含むことを特徴と
する。
【0043】
【作用】請求項1のLC素子では、pn接合層とその表
面に形成されている電極が非渦巻き形状に形成されてお
り、この電極とpn接合層の第2の領域とのそれぞれが
インダクタとして機能する。また、これらの間には非渦
巻き形状のpn接合層が形成されているため、このpn
接合層によって非渦巻き形状の電極とpn接合層の第2
の領域との間には分布定数的なキャパシタが形成され
る。
【0044】したがって、上述した非渦巻き形状の電極
とpn接合層の第2の領域の少くとも一方に入力された
信号は、分布定数的に存在するインダクタおよびキャパ
シタを介して伝搬され、広い帯域にわたり良好な減衰特
性が得られる。
【0045】特に、請求項1のLC素子は、半導体基板
上に非渦巻き形状のpn接合層を形成するとともに、さ
らにその表面側に非渦巻き形状の電極を形成することに
より製造することができ、製造が非常に容易となる。ま
た、このLC素子は、半導体基板上に形成されるため、
ICやLSIの一部として形成することも可能であり、
このような部品の一部として形成した場合には、後工程
における部品の組み付け作業を省略することができる。
【0046】請求項2〜5のLC素子はインダクタとし
て機能する非渦巻き形状の電極とpn接合層の電極の形
状が蛇行形状、波形形状、曲線形状、直線形状のいずれ
かに特定されているが、上述の請求項1のLC素子と同
様の作用および効果を持つ。この形状の相違以外は同一
であるとしても、電極と第2の領域の持つインダクタン
スおよびキャパシタンスの値は各形状によって異なるた
め、LC素子の特性も各形状によって異なったものとな
る。これらの各形状においても、各形状の電極と第2の
領域のそれぞれがインダクタとして機能し、それらのイ
ンダクタとそれらの間のpn接合層によって形成される
キャパシタとが分布定数的に存在することは同様であ
り、広い帯域にわたり良好な減衰特性をもつLC素子と
して機能する。
【0047】また、請求項6のLC素子では、上述した
蛇行形状の電極に対して、pn接合層の少なくとも第2
の領域の長さを長くあるいは短く形成している。この場
合であっても同様に、長さが異なる蛇行形状の電極とp
n接合層の第2の領域のそれぞれはインダクタとして機
能し、これらの間にはpn接合層によって形成されるキ
ャパシタが分布定数的に存在する。したがって、このL
C素子は広い帯域にわたって良好な減衰特性を有すると
ともに、製造容易及び基板の一部として形成することが
可能であるという効果がある。
【0048】また、請求項7のLC素子では、上述した
蛇行形状の電極およびpn接合層のいずれか一方を複数
に分割するとともに、これら分割片の一部を電気的に接
続して使用する。この場合には、分割されていない他方
側を信号伝搬路として用いることにより、上述したLC
素子とは特性の異なる分布定数型のLC素子となる。特
に、各分割片のインダクタンスは小さくなるため、各分
割片のインダクタンスの影響が少ないLC素子とするこ
とができる。
【0049】また、請求項8のLC素子では、上述した
蛇行形状の電極とpn接合層の第2の領域のいずれか一
方の両端近傍に第1及び第2の入出力電極を設けるとと
もに、他方の一方端近傍にアース電極を設けることによ
り、第1及び第2の入出力電極が設けられた側の電極あ
るいは第2の領域が信号伝搬路として使用される3端子
型のLC素子を容易に形成することができる。
【0050】また、請求項9のLC素子では、請求項4
における他方側の電極あるいは第2の領域の両端にも第
3及び第4の入出力電極を設けることにより、4端子コ
モンモード型のLC素子を容易に形成することができ
る。
【0051】また、請求項10のLC素子では、上述し
た蛇行形状の電極とpn接合層の第2の領域の少なくと
も一方に、pn接合層に逆バイアスがかかるような電圧
レベルの信号を入力することにより、pn接合間に分布
定数的なキャパシタを確実に形成することができる。
【0052】すなわち、pn接合層においては逆バイア
スをかけたときにキャパシタとして機能させることがで
きるため、蛇行形状のpn接合層がキャパシタとして機
能するような信号を入力することにより、全体として広
い帯域で良好な減衰特性を有するLC素子として動作す
ることができる。
【0053】また、請求項11のLC素子では、このp
n接合層に対する逆バイアス電圧をバイアス回路によっ
て印加している。また、これに対応して直流成分除去回
路が設けられており、入力信号から直流成分が除去され
た信号がバイアス回路から印加される逆バイアス電圧に
重畳されて入力される。これにより、pn接合層を完全
に逆バイアスで用いることができ、蛇行形状のpn接合
層を確実にキャパシタとして使用することができる。
【0054】また、請求項12のLC素子では、上述し
た蛇行形状の電極とpn接合層の第1の領域との間に絶
縁層を形成し、バイアス回路によってpn接合層に逆バ
イアス電圧を印加している。したがって、この場合もp
n接合層を確実にキャパシタとして使用することがで
き、全体として広い帯域において良好な減衰特性を有す
るLC素子として動作する。また、この場合には絶縁層
によって蛇行形状の電極とpn接合層とが直流的に分離
されるため、上述した請求項11で用いるような直流成
分除去回路を付加する必要はない。
【0055】また、請求項13のLC素子では、上述し
たバイアス回路によって印加する逆バイアス電圧を可変
に設定することができる。これにより、蛇行形状のpn
接合層の容量を任意に変更することができ、減衰特性、
すなわち周波数特性を必要に応じて可変に制御すること
ができる。
【0056】また、請求項14のLC素子では、上述し
た各請求項のLC素子を半導体基板上に形成した後に化
学液相法等により全表面に絶縁膜を形成する。その後、
この絶縁膜の一部にエッチングやレーザ光照射により孔
をあけ、この孔に半田を盛ることにより端子付けが行わ
れる。したがって、表面実装型のLC素子を簡単に製造
することができ、表面実装型とすることによりこのLC
素子の組み付け作業も容易となる。
【0057】また、請求項15の半導体装置では、上述
した各請求項のLC素子を基板の一部に、信号ラインあ
るいは電源ラインに挿入するように形成している。これ
により、半導体基板上の他の部品と一体的に製造するこ
とができ、製造が容易になるとともに後工程における部
品の組み付け作業が不要となる。
【0058】また、請求項16〜29のLC素子および
半導体装置は、上述した各請求項のLC素子および半導
体装置における非渦巻き形状の電極を省略し、この電極
の機能をpn接合層の第1の領域に持たせた点に特徴が
ある。すなわち、pn接合層の第1および第2の領域の
それぞれがインダクタとして機能するとともに、これら
の間にはpn接合層による分布定数的なキャパシタが存
在する。
【0059】したがって、請求項16〜29の各LC素
子は、上述した請求項15までのLC素子と同様に、良
好な減衰特性を有するとともに製造が容易である等の効
果がある。しかも、非渦巻き形状の電極が半導体表面に
形成されないため、この電極を形成する工程が不要であ
り、さらに製造が容易になるとともに、半導体表面を他
の目的に有効利用することもできるようになる。
【0060】また、請求項30あるいは請求項31のL
C素子の製造方法は、上述した各LC素子を半導体製造
技術を適用して製造するための方法である。すなわち、
まず非渦巻き形状のpn接合層が形成され、あるいは非
渦巻き形状のpn接合層とともに非渦巻き形状の電極が
形成され、その後、これらに接続される配線層が形成さ
れてLC素子が完成する。
【0061】このように、上述したLC素子は一般的な
半導体製造技術を応用することにより製造することがで
き、小型化あるいは低コスト化が可能であるとともに、
複数個同時に大量生産することも可能となる。
【0062】
【実施例】以下、本発明を適用したLC素子の実施例に
ついて、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0063】〔第1実施例〕図1は、本発明を適用した
第1実施例のLC素子の平面図である。また、図2は図
1のA−A線における拡大断面図である。
【0064】これらの図に示すように、本実施例のLC
素子100は、半導体基板であるp型シリコン基板(p
−Si基板)24の表面付近に形成された蛇行形状のn
+領域22と、さらにその一部に形成された蛇行形状の
+領域20とを含んでおり、これらのn+領域22とp
+領域20とがpn接合層26を形成している。また、
上述したp−Si基板24に比べて、n+領域22およ
びp+領域20のそれぞれは不純物濃度が高目に設定さ
れており、このp−Si基板24とn+領域22との間
に逆バイアス電圧を印加することにより、p−Si基板
24がアイソレーション領域として機能するようになっ
ている。実際は、p−Si基板24と後述するアース電
極18とを同電位とすることにより確実に逆バイアスの
電圧を印加すればよい。
【0065】また、本実施例のLC素子100は、上述
したp+領域20の表面側であって、このp+領域20に
沿った位置に蛇行形状の電極10が形成されており、こ
の電極10の一方端(例えば外側の一方端)にはアース
電極18が接続されている。また、上述したn+領域2
2の両端には2つの入出力電極14,16がそれぞれ接
続されている。
【0066】なお、電極10に対するアース電極18の
取り付けは、図1に示すように薄いp+領域20を傷付
けないように能動領域の外側で行われる。また、電極1
0とアース電極18との接続(それ以外の電極の接続も
同様)は、電極10がn+領域22やp−Si基板24
等と接触しないように絶縁して行う必要があるため、絶
縁が必要な部分には予め酸化膜等の絶縁層を形成してお
くようにする。
【0067】このような構造を有する本実施例のLC素
子100は、蛇行形状の電極10とn+領域22とがそ
れぞれインダクタ導体として機能することになる。ま
た、電極10がp+領域20にに電気的に接続されたp
n接合層26が逆バイアスの状態で使用されると蛇行形
状のキャパシタとして機能する。したがって、電極10
とn+領域22とにより形成されるインダクタとpn接
合層26によって形成されるキャパシタが分布定数的に
存在するLC素子100が形成される。
【0068】ここで、蛇行形状の導体のインダクタとし
ての機能に関して簡単に説明する。図3は、蛇行形状の
インダクタの原理を示す図である。凹凸状に屈曲した蛇
行形状を有する電極10に一方向の電流を流した場合に
は、隣接する凹凸部分で向きが反対となるような磁束が
交互に発生し(例えば、図3に示したように、丸印の中
に「・」がある記号の付近においての磁束の方向が図の
紙表面から垂直に出る方向となり、丸印の中に「×」が
ある記号の付近においての磁束の方向が図の紙面表面か
ら垂直に入る方向となる)、あたかも1/2ターンのコ
イルが直列に接続された状態になる。したがって、図3
に示したような蛇行形状を持つ素子は全体として所定の
インダクタンスを有するインダクタ導体として機能させ
ることができる。
【0069】図4は、本実施例のLC素子100の等価
回路を示す図である。同図(A)に示すように、pn接
合層26のn+領域22がインダクタンスL1を有する
インダクタとして機能し、一方の入出力電極14から入
力された信号がn+領域22を介して伝搬され他方の入
出力電極16から出力される。また、電極10がインダ
クタンスL2を有するインダクタとして機能し、一方端
に設けられたアース電極18が接地され、あるいは固定
電位Eの電源に接続されて使用される。
【0070】このような接続状態において、入出力電極
14に入力される信号の電圧レベルをアース電極18の
電圧レベル(0Vあるいは固定電位E)よりも高く設定
した場合には、n+領域22とp+領域20とからなるp
n接合層26に逆バイアス電圧がかかるため、このpn
接合層26がキャパシタタンスCを有するキャパシタと
して機能する。また、このキャパシタは第1の電極10
の全長にわたって分布定数的に形成されており、従来の
集中定数型のLC素子にはない優れた減衰特性を発揮す
ることができる。
【0071】また、図4(B)は、pn接合層26に強
制的に逆バイアス電圧を印加したものであり、これによ
り確実にpn接合層26をキャパシタとして動作させる
ことができる。具体的には、入出力電極14とアース電
極18との間に所定の逆バイアス電圧を印加するための
バイアス用電源28を接続するとともに、入力信号の中
の直流成分のみを除去するためのコンデンサ30を入出
力電極14側に接続する。このような回路を付加するこ
とにより、pn接合層26に対して一定の逆バイアス電
圧を常に印加することができるとともに、この逆バイア
ス電圧に重畳された信号を本実施例のLC素子100に
入力することができる。
【0072】なお、入出力電極16から出力される信号
には逆バイアス電圧が加わっているため、さらにその外
側にコンデンサ32を接続することにより、この逆バイ
アス電圧分を除去することが望ましい。
【0073】また、図4(C)は、上述したバイアス用
電源28に代えて、逆バイアスの電圧レベルを任意に変
更することができる可変バイアス用電源34を接続した
ものである。一般に、pn接合層26に印加される逆バ
イアス電圧の大小に応じてpn接合面に生じる空乏層の
幅が変化するため、これにともないキャパシタンスCも
変動する。したがって、入出力電極14やアース電極1
8を介してpn接合層26に印加される逆バイアス電圧
を変えることこより、分布定数的に存在するキャパシタ
ンスCを任意に変化させ、LC素子100全体としての
減衰特性を調整あるいは変更することができる。
【0074】図5は、本実施例のLC素子100の製造
工程を示す図であり、図1のB−B線における断面の各
製造工程毎の状態が示されている。
【0075】(1)エピタキシャル層の成長:まず最初
に、p−Si基板24(ウエハ)表面の酸化膜を除去し
た後に、p−Si基板24の表面全体にn+形エピタキ
シャル層25を成長させる(同図(A))。
【0076】(2)アイソレーション領域の形成:次
に、図1に示したn+領域22及びp+領域20を除く領
域をアイソレーション領域とするために、p形不純物の
拡散あるいはイオン注入を行なう。
【0077】具体的には、まずエピタキシャル層25の
表面を熱酸化して酸化膜70を形成する。そして、フォ
トリソグラフィによってp領域を形成すべき位置の酸化
膜70を除去した後に、p形不純物を熱拡散あるいはイ
オン注入により選択的に添加することにより、p領域が
選択的に形成される。このようにして形成されたp領域
は、p−Si基板24の一部となってアイソレーション
領域を形成する(同図(B))。
【0078】このようにしてアイソレーション領域の形
成が行われた結果、残されたエピタキシャル層25によ
って蛇行形状のn+領域22が形成される。
【0079】(3)pn接合層の形成:次に、蛇行形状
に形成されたn+領域22の一部にp形不純物を熱拡散
あるいはイオン注入により導入することにより、蛇行形
状のp+領域20を形成する。
【0080】具体的には、まずn+領域22を含むp−
Si基板24の表面を熱酸化して酸化膜72を形成す
る。そして、フォトリソグラフィによってp+領域20
を形成すべき位置の酸化膜72を除去した後に、p形不
純物を熱拡散あるいはイオン注入により選択的に添加す
ることにより、p+領域20が選択的に形成される。
【0081】このp+領域20は、先に形成されたn+
域22中に形成する必要があるため、既に導入されてい
るn形不純物の量以上のp形不純物を添加することによ
り、p+領域20が形成される(同図(C))。
【0082】このようにして、n+領域22とp+領域2
0とからなる蛇行形状のpn接合層26が形成される。
【0083】(4)電極の形成:次に、熱酸化により表
面に酸化膜74を形成した後にフォトリソグラフィによ
ってp+領域20の表面に蛇行形状の孔あけを行ない、
その後この蛇行形状に孔あけされた部分に、例えばアル
ミニウムを蒸着することにより電極10を形成する(同
図(D))。その後、この電極10の一方端近傍にアー
ス電極18を、n+領域22の両端近傍に2つの入出力
電極14,16をそれぞれアルミニウム等の蒸着により
形成する。
【0084】最後に、全面にP−ガラスを付着させた
後、加熱して平坦な表面を形成することによりLC素子
100が完成する。
【0085】本実施例のLC素子100を製造する工程
は、基本的には通常のバイポーラトランジスタあるいは
ダイオードを製造する工程と類似しており、pn接合層
26やその間のアイソレーション領域の形状等が異なる
ものである。したがって、一般のバイポーラトランジス
タを製造する工程においてフォトマスクの形状を変更す
ることにより対応することができ、製造が容易になると
ともに小型化にも適している。また、一般のバイポーラ
トランジスタやMOSFET等の半導体部品と同一基板
上に形成することが可能であり、ICやLSIの一部と
して形成することができる。しかも、ICやLSIの一
部として形成した場合には、後工程における部品の組み
付け作業を省略することができる。
【0086】なお、上述した本実施例の製造工程におい
ては、最初にエピタキシャル成長によりn+領域を表面
全体に形成した後にアイソレーションを行なう場合を例
にとり説明したが、p−Si基板24の表面に酸化膜を
形成した後にフィトリソグラフィにより蛇行形状のn+
領域22に対応する窓あけを行ない、この部分に熱拡散
あるいはイオン注入によりn形不純物を導入することに
よりn+領域22を形成した後に、同様の方法により直
接的にp+領域20を形成してもよい。また、pn接合
層を形成する方法については、一般的な半導体製造技術
を用いることができる。
【0087】このように、本実施例のLC素子100
は、電極10とpn接合層26のn+領域22のそれぞ
れがインダクタを形成するとともに、電極10に沿って
形成された蛇行形状のpn接合層26が逆バイアスで使
用されることによりキャパシタとして機能する。しか
も、電極10の全長にわたってpn接合層26が形成さ
れているため、n+領域22によって形成されるインダ
クタンスL1を有するインダクタと、電極10によって
形成されるインダクタンスL2を有するインダクタと、
pn接合層26によって形成されるキャパシタンスCを
有するキャパシタとが分布定数的に存在する。
【0088】したがって、電極10の一方端に設けられ
たアース電極18を接地あるいは固定電位に接続すると
ともに、pn接合層26のn+領域22を信号の伝搬路
として用いた場合には、入力された信号に対して広い帯
域で良好な減衰特性を有するLC素子となる。
【0089】また、上述したようにこのLC素子100
は、一般のバイポーラトランジスタ等の製造技術を応用
して製造することができるため、製造が容易であり小型
化等にも適している。また、半導体基板の一部としてこ
のLC素子を製造した場合には他の部品との配線も同時
に行なうことができ、後工程における組み付け作業等が
不要となる。
【0090】また、本実施例のLC素子100は、pn
接合層26に加える逆バイアス電圧の値を変えることに
より、分布定数的に形成されるキャパシタの容量Cを可
変に制御することができ、LC素子100の全体の周波
数特性を調整あるいは変更することができる。
【0091】なお、上述した本実施例は、蛇行形状のn
+領域22を信号伝搬路として使用したが、n+領域22
の一方端にアース電極18を設けるとともに電極10の
両端に入出力電極14,16を設けて、電極10側を信
号伝搬路として使用するようにしてもよい。一般に、n
+領域22は電極10よりも比抵抗が大きいため、信号
伝搬路を入れ換えることにより、減衰特性、すなわち周
波数特性が異なるLC素子を形成することができる。
【0092】また、上述した本実施例は、電極10を一
方のインダクタ用導体として使用するとともに、pn接
合層26を構成するn+領域22を他方のインダクタ用
導体として使用したが、電極10を取り除くとともにp
n接合層26を構成するp+領域20を一方のインダク
タ用導体として使用するようにしてもよい。すなわち、
この場合にはpn接合層26がキャパシタとして機能す
るとと同時に、このpn接合層26を構成するp+領域
20とn+領域22の両方をインダクタ用導体として使
用することになる。
【0093】図6は、本実施例のLC素子の変形例を示
す図であり、インダクタとして機能する電極を使用しな
いLC素子が示されている。同図に示すLC素子は、p
n接合層26を構成するp+領域20の一方端にアース
電極18を設けるとともに、n+領域22の両端に2つ
の入出力電極14,16を設けている。このLC素子
は、p+領域20とn+領域22の両方がインダクタ用導
体として機能するとともに、これらによって形成される
pn接合層26が分布定数的なキャパシタとして機能し
ており、図1に示したLC素子100と同様に、良好な
減衰特性を有するとともに製造容易等の利点を有する。
また、このLC素子を製造する場合には、図5(D)に
示した電極10の形成工程が不要となる。
【0094】なお、図6に示すLC素子において、2つ
の入出力電極14,16とアース電極18との接続関係
を入れ換えて、p+領域20側を信号伝搬路として使用
してもよいことは勿論である。
【0095】〔第2実施例〕次に、本発明の第2実施例
のLC素子について、図面を参照しながら具体的に説明
する。
【0096】上述した第1実施例のLC素子100は、
電極10のほぼ全長にわたってほぼ同じ長さのpn接合
層26が形成されたものであるが、本実施例のLC素子
200は、図1に示した電極10を短くした点に特徴が
ある。
【0097】図7は、第2実施例のLC素子200の平
面図である。同図に示すように電極10を部分的に省略
した場合であっても、短くなった電極10および長いp
n接合層26のn+領域22のそれぞれにより形成され
るインダクタと、短い電極10に対向するpn接合層2
6の一部により形成されるキャパシタとが分布定数的に
形成されるため、図1に示したLC素子100と同様に
良好な減衰特性を有することになる。
【0098】図8は、本実施例のLC素子200の等価
回路を示す図である。同図(A)に示すように、電極1
0が短くなった分だけインダクタンスL3も小さくな
り、これに対応して分布定数的に存在するキャパシタン
スC1も小さくなる。
【0099】また、同図(B)及び同図(C)に示すよ
うに、入出力電極14とアース電極18との間にバイア
ス用電源28あるいは可変バイアス用電源34とともに
コンデンサ30を接続することにより、pn接合層26
の逆バイアスを確実に実現することができるとともに、
この逆バイアス電圧の値を可変に制御することにより特
性値が変更できる点は上述した第1実施例と同様であ
る。
【0100】このように、本実施例のLC素子200
は、短い電極10とpn接合層26のn+領域22とに
よりインダクタが、pn接合層26によりキャパシタが
分布定数的に形成されており、従来の集中定数型素子に
はない良好な減衰特性を持った素子として機能すること
ができる。また、LC素子200を半導体製造技術を利
用して製造できる点や、LSI等の一部として形成する
ことができるとともにこの場合には後工程における配線
処理を省略できる等については上述した第1実施例のL
C素子100と同じである。
【0101】なお、上述した本実施例は、図1に示した
LC素子100と比べると、pn接合層26の形状を維
持しながら電極10の長さのみを短く形成したものであ
り、電極10に対向しない部分についてはpn接合層2
6である必要はない。また、入出力電極14,16とア
ース電極18を入れ換えるようにしてもよい。
【0102】図9は、本実施例のLC素子の変形例を示
す図である。同図に示すLC素子は、図7に示したLC
素子のpn接合層26を部分的に変更したものである。
具体的には、電極10に対向しないpn接合層26のp
+領域20を省略したものであり、キャパシタとして機
能しないpn接合層26の一部を単一のn+領域22と
したものである。このLC素子は、実質的には図7に示
したLC素子と同じであり、同様の特性および利点を有
する。
【0103】また、図10は本実施例のLC素子の他の
変形例を示す図である。同図に示すLC素子は、電極1
0に比べてpn接合層26を短く形成するとともに電極
10側を信号伝搬路として使用したものである。この場
合にはn+領域22よりも比抵抗が小さな電極10側を
信号伝搬路としているため、図7に示したLC素子20
0とは異なる特性を有することになる。
【0104】図11は、本実施例のLC素子の他の変形
例を示す図であり、図7に示す電極10を使用しないL
C素子が示されている。同図に示すLC素子は、n+
域22に比べて長さが短いp+領域20を有する蛇行形
状のpn接合層26において、n+領域22の両端に2
つの入出力電極14,16が、pn領域20の一方端
(例えば外側)にアース電極18がそれぞれ設けられて
いる。このLC素子は、長さが異なるp+領域20とn+
領域22の両方がインダクタ用導体として機能するとと
もに、これらの両方によって形成されるpn接合層26
が分布定数的なキャパシタとして機能しており、図7に
示したLC素子200と同様に、良好な減衰特性を有す
るとともに製造容易等の利点を有する。
【0105】〔第3実施例〕次に、本発明の第3実施例
のLC素子300について図面を参照しながら具体的に
説明する。
【0106】上述した第1実施例のLC素子100及び
第2の実施例のLC素子200は、3端子型のノーマル
モード型素子として機能するものであるが、本実施例の
LC素子300は、4端子型のコモンモード型素子とし
て機能するよう形成されている点に特徴がある。
【0107】図12は、第3実施例のLC素子の平面図
である。同図に示すように、第3実施例のLC素子30
0は、電極10の両端に入出力電極36,38が設けら
れており、この点が図1に示したLC素子100と異な
っている。
【0108】図13は、第3実施例のLC素子の等価回
路を示す図である。同図(A)に示すように、2つの入
出力電極14,16の間に形成された蛇行形状のn+
域22がインダクタンスL1を有するインダクタとして
機能するとともに、2つの入出力電極36,38間に形
成された電極10がインダクタンスL2を有するインダ
クタとして機能する。しかも、これら2つのインダクタ
の間には、第1実施例のLC素子100と同様にキャパ
シタンスCを有するキャパシタがpn接合層26により
分布定数的に形成される。
【0109】このように、本実施例のLC素子300
は、n+領域22のみならず電極10の両端にも2つの
入出力電極36,38を設けることにより、良好な減衰
特性をもった4端子コモンモード型素子として機能する
ことができる。
【0110】また、pn接合層26は、p+領域20に
対して(すなわち電極10に対して)n+領域22の相
対的電位が高い逆バイアスのときにキャパシタとして動
作するため、上述した4端子コモンモード素子として動
作させるためには、n+領域22側に入力する信号レベ
ルを電極10側に入力する信号レベルよりも高く設定す
る必要がある。
【0111】図12(B)は、入出力電極14,36間
に強制的に逆バイアス電圧を印加するようにしたもので
あり、この逆バイアス電圧の印加はバイアス用電源28
により行われる。また、本実施例のLC素子300にお
いては入出力電極14及び36の両方に対して信号が入
力されるため、第1実施例で用いたコンデンサ30の他
にコンデンサ40を入出力電極36側に接続する。
【0112】このように、2つのコンデンサ30,40
を用いることにより2つの入出力電極14,36のそれ
ぞれに入力される信号からは直流成分が取り除かれ、そ
れぞれの信号の交流成分のみがバイアス用電源28から
印加される逆バイアス電圧に重畳されて本実施例のLC
素子300に入力されるようになる。
【0113】したがって、本実施例のLC素子300
は、pn接合層26に対して確実に逆バイアス電圧を印
加することができ、インダクタとともにキャパシタが分
布定数的に形成される。これにより、良好な減衰特性が
得られる。
【0114】また、図13(C)は、同図(B)のバイ
アス用電源28を可変バイアス用電源34に置き換えた
ものである。すなわち、可変バイアス用電源34により
逆バイアス電圧を可変に設定することができ、これによ
りpn接合層26が有するキャパシタンスCの変更、す
なわちLC素子300全体の特性値の変更が可能とな
る。
【0115】なお、上述した本実施例は、電極10を一
方の信号伝搬路として使用したが、この電極10を取り
除くとともにpn接合層26を構成するp+領域20と
+領域22の両方を信号伝搬路として使用するように
してもよい。
【0116】図14は、本実施例のLC素子の変形例を
示す図であり、電極を使用しないLC素子が示されてい
る。同図に示すLC素子は、pn接合層26を構成する
+領域22の両端に入出力電極14,16を設けると
ともに、p+領域20の両端に入出力電極36,38を
それぞれ設けている。このLC素子は、p+領域20と
+領域22の両方が信号伝搬路であり、同時にそれぞ
れがインダクタ用導体として機能するものである。ま
た、これらによって形成されるpn接合層26が分布定
数的なキャパシタとして機能しており、図12に示した
LC素子300と同様に、良好な減衰特性を有するとと
もに製造容易等の利点を有する4端子コモンモード素子
となっている。
【0117】〔第4実施例〕次に、本発明の第4実施例
のLC素子について、図面を参照しながら具体的に説明
する。
【0118】上述した各実施例のLC素子100,20
0,300のそれぞれは、電極10を1本の導体で形成
していたが、本実施例のLC素子400はこの電極10
を複数の(例えば2本の)分割電極片10−1,10−
2に分割した点に特徴がある。
【0119】図15は、第4実施例のLC素子の平面図
である。同図に示すように、第4実施例のLC素子40
0は、図1に示したLC素子100に用いられている電
極10を2本の分割電極片10−1,10−2に置き換
えた構造を有しており、各分割電極片に接続されたp+
領域20も2分割されている。全体として蛇行形状を有
するこれらの分割電極片10−1,10−2のそれぞれ
には、アース電極18が接続されており、2つのアース
電極18を接地することにより、各分割電極片10−
1,10−2のそれぞれによって形成されるインダクタ
の一方端が接地される。あるいは、2つのアース電極1
8を固定電位の電源に接続することにより、各分割電極
片10−1,10−2のそれぞれによって形成されるイ
ンダクタの一方端がこの固定電位となる。
【0120】図16は、第4実施例のLC素子400の
等価回路を示す図である。同図(A)に示すように、p
n接合層26のn+領域22の全体がインダクタンスL
1を有するインダクタとして機能するとともに、各分割
電極片10−1,10−2のそれぞれがインダクタンス
L3,L4を有するインダクタとして機能する。そし
て、n+領域22と各分割電極片10−1,10−2の
それぞれの間にあるpn接合層26がキャパシタンスC
2,C3を有するキャパシタとして機能し、しかもこれ
らのキャパシタが分布定数的に存在する。
【0121】また、図16(B)及び同図(C)には、
強制的な逆バイアス電圧あるいは可変に設定可能な逆バ
イアス電圧を印加する場合の回路が示されている。これ
らの図は、図4(B)及び(C)に対応するものであ
り、このような回路構成とすることにより、pn接合層
26を確実にキャパシタとして動作させることができ、
あるいはこのキャパシタの容量を変えることによりLC
素子400全体としての特性を変更することができる。
【0122】また、本実施例のLC素子400は、各分
割電極片10−1,10−2の自己インダクタンスL
3,L4が小さくなる。したがって、これらの自己イン
ダクタンスによるLC素子400全体の特性の影響は小
さくなり、n+領域22が有するインダクタンスL1と
分布定数的に形成されるキャパシタンスC2,C3とに
よってLC素子全体の特性がほぼ決定されることにな
る。
【0123】なお、上述した本実施例は、蛇行形状のn
+領域22を信号伝搬路として用いるとともに電極10
を分割して使用したが、反対に電極10を信号伝搬路と
して使用するとともにpn接合層26の全体を複数に分
割するようにしてもよい。
【0124】図17は、本実施例のLC素子の変形例を
示す図であり、電極10側を信号伝搬路として用いる場
合が示されている。同図に示すLC素子は、電極10の
両端に入出力電極14,16を接続するとともに、pn
接合層26を分割し、分割片26−1,26−2のそれ
ぞれに含まれるn+領域22の一方端にアース電極18
を設けたものである。このLC素子は、図15に示した
LC素子400において、n+領域22と電極10の機
能を入れ換えたものであり、実質的には図15に示した
LC素子と同様の利点を有する。
【0125】また、図18は本実施例のLC素子の他の
変形例を示す図であり、図15において示した電極10
を使用しないLC素子が示されている。同図に示すLC
素子は、n+領域22の両端に入出力電極14,16を
接続するとともに、p+領域20のみが分断されて分割
されており、これら各分割片20−1,20−2のそれ
ぞれの一方端にアース電極18を設けたものである。こ
のLC素子は、n+領域22と各分割片20−1,20
−2のそれぞれがインダクタ用導体として機能するとと
もに、これらの間にあるpn接合層26が分布定数的な
キャパシタとして機能しており、図15に示したLC素
子400と同様に、良好な減衰特性を有するとともに製
造容易等の利点を有する。
【0126】〔第5実施例〕次に、本発明の第9実施例
のLC素子について、図面を参照しながら具体的に説明
する。
【0127】一般に、導体は渦巻き形状とすることによ
り所定のインダクタンスを有するインダクタ導体として
機能する。また、上述したように導体を蛇行形状とした
場合であっても所定のインダクタンスを有するインダク
タ導体として機能する。ところが、入力される信号の周
波数帯域を高周波に限った場合には、渦巻き形状や蛇行
形状以外の形状、極端な場合には直線形状であってもイ
ンダクタンス成分を有するインダクタ導体として機能す
る。本実施例のLC素子は、このような点に着目して、
電極10等を渦巻き形状あるいは状蛇行形状以外の形状
に形成した点に特徴がある。
【0128】図19および図20は、電極10,pn接
合層26(p+領域20およびn+領域22)のそれぞれ
を直線形状とした本実施例のLC素子の平面図である。
【0129】図19(A)は上述した図1に対応してお
り、電極10、およびpn接合層26の長さがほぼ等し
く、しかもほぼ平行に形成された3端子型のLC素子が
示されている。図19(B)は図9に対応しており、電
極10がn+領域22の一部に対応して設けられたLC
素子が示されている。
【0130】図20(A)は図12に対応しており、電
極10の一端および他端に入力電極36および38を設
けて4端子のコモンモード型素子とした場合が示されて
いる。図20(B)は図15に対応しており、電極10
を2本の分割電極片10−1,10−2に分割したLC
素子が示されている。
【0131】図21は、電極10およびpn接合層26
を曲線形状とした場合のLC素子の平面図であり、曲率
半径が大きな曲線形状の場合が示されている。2つの入
出力電極14,16を直線で結んだ位置に他の部品等を
配置しなければならない場合には、同図に示すように電
極10およびpn接合層26を曲線形状とすればよい。
【0132】図22は、電極10およびpn接合層26
を波形形状とした場合のLC素子の平面図である。この
LC素子は、図1等に示した蛇行形状ほどではないが、
電極10およびpn接合層26を直線形状あるいは曲率
半径の大きな曲線形状とした場合に比べると大きなイン
ダクタンスを有することになる。
【0133】図23は、電極10およびpn接合層26
を1周に満たない周回形状とした場合のLC素子の平面
図である。同図に示すように、電極10およびpn接合
層26をほぼ周回形状に形成することにより、小さなイ
ンダクタンスを有するLC素子を形成することができ
る。また、電極10およびpn接合層26の一方端ある
いは両端を部分的に折り返すことにより、電極10等が
発生する磁束を部分的に打ち消してインダクタンスを減
らし、LC素子全体のインダクタンス、すなわち周波数
特性を調整することもできる。
【0134】なお、上述した図21〜図23に示したL
C素子のそれぞれは、説明を簡単にするために、図19
(A)に対応するLC素子のみが示されているが、図1
9(B)、図20(A)、および図20(B)のそれぞ
れに対応するタイプについても同様に考えることができ
る。
【0135】このように、図19〜図23に示したLC
素子は、電極10およびpn接合層26を別の形状とし
たものであり、上述した第1実施例〜第4実施例と同様
に、良好な減衰特性を有する素子として機能することが
できる。また、pn接合層26に印加する逆バイアス電
圧を変えることにより分布定数的に形成されるキャパシ
タのキャパシタンスも変わり、LC素子全体の特性を可
変に制御することができる点も上述した各実施例と同じ
である。
【0136】また、本実施例のLC素子を半導体製造技
術を利用して製造できる点や、LSI等の一部として形
成することができ、後工程における配線処理を省略でき
る点等については上述した各実施例のLC素子と同じで
あり、これらについては上述した各実施例と同様の利点
を有する。
【0137】〔その他の実施例〕次に、本発明のその他
の実施例に係るLC素子について、図面を参照しながら
具体的に説明する。
【0138】上述した蛇行形状の電極を有するLC素子
を用いた各実施例においては、電極10あるいはpn接
合層26の端部近傍である隔たった位置に第1および第
2の入出力電極14,16を配置するようにしたが、電
極10およびpn接合層26の形状を工夫して2つの入
出力電極14,16を接近させて配置するようにしても
よい。
【0139】例えば、図24に示すように、2つの入出
力電極14,16を隣接するように配置するとともに、
図1に示したLC素子100の電極10およびpn接合
層26の一方端を入出力電極16に達するまで延長す
る。あるいは、図25に示すように、2つの入出力電極
14,16を隣接するように配置するとともに、図1に
示したLC素子100の電極10およびpn接合層26
を蛇行形状を維持したまま折り返す。
【0140】このように、電極10および/あるいはp
n接合層26の形状を工夫することにより、2つの入出
力電極14,16の位置が接近し、アース電極18とこ
れら入出力電極14,16とをほぼ同一位置に形成する
ことができる。したがって、端子付けに際しての配線を
容易に行うことができ、製造工程の簡略化が可能とな
る。
【0141】図26および図27は、化学液相法を用い
て端子付けを行なう場合の概略を示す図である。図26
は、図1等に対応するLC素子の平面図であり、同図に
示すように、pn接合層のn+領域22の両端には入出
力電極14,16が設けられているが、電極10の一方
端にはアース電極18が設けられていない。このような
構造を有する半導体基板を1個のLC素子600毎に切
り離した後に、図26のC−C線の位置に対応する断面
図である図27に示すように、個別に切り離されたチッ
プ(素子)の全表面に化学液相法により絶縁膜としてシ
リコン酸化膜42を形成する。その後、エッチングによ
り電極10および入出力電極14の上のシリコン酸化膜
42を除去して孔をあけ、その孔を半田44で表面に盛
り上がる程度に封じることにより、突出した半田42を
プリント配線基板のランド等と直接接触させることがで
きるので、表面実装に際して好都合である。
【0142】なお、素子表面の保護膜に、合成樹脂等の
他の絶縁材料を使用してもよく、保護膜の穿孔にレーザ
光線を利用してもよい。
【0143】図28は、上述した各実施例のLC素子1
00,200,300,400等をLSI等の一部とし
て形成する場合の説明図である。同図に示すように、半
導体チップ46上の各種信号あるいは電源のライン48
に上述した各LC素子100,200,300,400
等を挿入する形で組み込む。特に、上述した各実施例の
LC素子100,200,300,400等は、半導体
チップ46上に各種回路を形成する工程において同時に
製造することができるため、後工程における配線処理等
が不要になるといった利点がある。
【0144】図29、図30、図31、図32、および
図33は、上述した各実施例のLC素子100,20
0,300,400等の出力側にバッファを接続した例
を示す図である。一般に、n+領域22やp+領域20は
アルミニウム等の金属に比べると比抵抗が大きいため、
これらを信号伝搬路として使用した場合には信号の減衰
が生じる。このため、これらの出力側にバッファを接続
して、減衰した信号の電圧レベルを増幅することにより
実用的な素子となる。また、電極10の長さを長くした
場合あるいは線幅を細くした場合には、電極10を信号
伝搬路として使用した場合であっても信号の減衰が生じ
るため、同様に出力側にバッファを接続することにより
実用的な素子となる。
【0145】図29は、バッファとしてMOSFETと
抵抗からなるソースホロワ回路50を用いた場合を示し
ている。このソースホロワ回路50を構成するMOSF
ETは、上述した各実施例のLC素子とは若干異なる構
成を有するものの同一の半導体基板上に形成することが
可能であるため、ソースホロワ回路50を含めた全体を
LC素子として一体的に形成することができる。
【0146】また、図30は、バッファとしてダーリン
トン接続された2つのバイポーラトランジスタと抵抗か
らなるエミッタホロワ回路52を用いた場合を示してい
る。このエミッタホロワ回路52を構成するバイポーラ
トランジスタは、上述した各実施例のLC素子と同じ構
造を有しているため、このエミッタホロワ回路52を含
めた全体をLC素子として容易に一体的に形成すること
ができる。なお、出力に近い方のトランジスタのベース
を抵抗を介して接地することによって、このトランジス
タの動作点の安定度を向上させることもできる。
【0147】図31は、バッファとしてpチャネルMO
SFETを逆バイアスで使用した場合の回路を示してい
る。
【0148】図32は、バッファとして2つのMOSF
ETと抵抗からなる増幅回路54を用いた場合を示して
いる。この増幅回路54を構成するMOSFETは上述
した各実施例のLC素子とは若干異なる構成を有するも
のの同一の半導体基板上に形成することが可能であるた
め、この増幅回路54を含めた全体をLC素子として容
易に一体的に形成することができる。なお、この回路に
おいては電圧増幅率は1+(R2/R1)であり、R2
=0とすればソース・フォロワーと同等になる。
【0149】また、図33は、バッファとして2つのバ
イポーラトランジスタと抵抗からなる増幅回路55を用
いた場合を示している。上述した各実施例のLC素子と
バイポーラトランジスタとは同じ構成を有しているた
め、この増幅回路55を含めた全体をLC素子として同
一の半導体基板上に一体的に形成することができる。な
お、この回路においては電圧増幅率は1+(R2/R
1)であり、R2=0とすればエミター・フォロワーと
同等になる。
【0150】なお、図29、図30、図31、図32、
および図33に示したLC素子100を第3実施例のL
C素子300等に置き換える場合には、n+領域22お
よび電極10の両方を信号伝搬路として用いるため、電
極10の出力側にも上述したバッファ50,52,5
3,54,55等を接続するようにする。
【0151】このように出力側にバッファを設けること
により、LC素子100,200,300,400等に
よって比較的広帯域の周波数成分が除去されるととも
に、n+領域22等を介することにより減衰した信号レ
ベルが増幅によって復元され、SN比が良好な出力信号
を得ること、後段の回路とのインピーダンス整合を得る
こと等が可能になる。
【0152】なお、図29、図30、図31、図32、
および図33では一例として第1実施例のLC素子10
0を用いた場合を図示したが、他の実施例のLC素子2
00,300,400等を用いる場合も同様である。
【0153】このように出力側にバッファを設けること
により、LC素子100等によって比較的広帯域の周波
数成分が除去されると同時に、n+領域22あるいは電
極10を介することにより減衰した信号レベルが増幅に
よって復元され、SN比が良好な出力信号を得ることが
可能となる。
【0154】また、出力側にレベル変換回路を接続する
ことにより、LC素子のn+領域22等を介することに
より減衰した信号レベルを増幅し、所定のレベル変換あ
るいはレベル補正を行なうことができる。なお、これら
のレベル変換回路を各実施例のLC素子と同一の半導体
基板に一体的に形成することができる点は、上述したバ
ッファの場合と同じである。また、第3実施例のLC素
子300については、レベル変換回路を2つの信号伝搬
路の両方の出力側に接続、あるいはいずれか一方の出力
側のみに接続することができる。
【0155】なお、本発明は上記各実施例に限定される
ものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施
が可能である。
【0156】例えば、上述した各実施例においては、p
n接合層26のp+領域20の表面に電極10を直接接
触させて形成するようにしたが、これら電極10とpn
接合層26のp+領域20との間にSiO2等の絶縁層6
2を介在させるようにしてもよい。
【0157】図34は、電極10とpn接合層26のp
+領域20との間に絶縁層62を形成した場合の断面構
造を示す図である。この場合には、pn接合層26に直
接逆バイアス電圧を印加するとともに、電極10の一方
端に設けられた入出力電極14(あるいは16)に直接
信号の入力を行なうことができる。すなわち、絶縁層6
2を挟んで配置された電極10とp+領域20とがコン
デンサとして機能することになり、上述した図4等に示
したような直流成分除去のためのコンデンサ30が不要
となる。
【0158】また、上述した各実施例では、最後の工程
においてアルミニウム等の蒸着を行なうことにより電極
10を形成するようにしたため、この電極10が図2に
示すように突出した断面形状となるが、エッチング等に
よりpn接合層26の一部に蛇行形状の溝を形成するこ
とにより、図35に示すようにpn接合層26に電極1
0を埋め込むようにしてもよい。このようにすることに
より、表面側に凹凸がなくほぼ平坦なLC素子を形成す
ることができ、組み付け作業等が容易になる。また、上
述した各実施例においてはp−Si基板24を含むpn
p構造を利用してLC素子の形成を行なったが、同様に
npn構造とすることもできる。図36はnpn構造と
した場合のLC素子の部分的断面を示す図である。この
ような構造とした場合には、pn接合層に印加する逆バ
イアス電圧の極性を反対にする必要がある。図37は、
このようにして印加する逆バイアス電圧の極性を反対に
した場合の構成を示す図であり、図4(C)に対応する
回路が示されている。
【0159】また、上述した各実施例においては、LC
素子100等をLSI等の一部として形成できる点を効
果としてあげたが、必ずしもLSI等の一部として形成
する必要はなく、半導体基板上にLC素子100等を形
成した後に入出力電極14,16及びアース電極18の
それぞれに端子付けを行なって、あるいは図26および
図27に示したような化学液相法を利用した端子付けを
行なって、単体の素子として形成するようにしてもよ
い。この場合には、同一の半導体基板上に複数個のLC
素子100等を同時に形成し、その後半導体基板を切り
離して各LC素子100等に端子付けを行なうようにす
れば、容易に大量生産が可能となる。
【0160】また、上述した第1実施例等においては、
+領域22、電極10等の一端に入出力電極14,1
6及びアース電極18を設けるようにしたが、、必ずし
も入出力電極14,16及びアース電極18は最端部に
設ける必要はなく、必要に応じてその取り付け位置をず
らすようにしてもよい。
【0161】また、上述した各実施例のLC素子100
等は、逆バイアス電圧を変えることにより、分布定数的
に存在するキャパシタの容量も変わり、これによりLC
素子としての周波数特性が可変に制御できるというもの
である。したがって、LC素子100等を回路の一部と
して用いることにより、同調回路,変調回路,発振回
路,フィルタ等を可変周波数型として容易に構成するこ
とができる。
【0162】また、上述した各実施例のLC素子100
等は、p−Si基板24上にpn接合層26を形成する
場合を例にとり説明したが、ゲルマニウムやガリウム砒
素等の他の種類の半導体を用いた場合や、アモルファス
シリコン等の非晶質材料を用いる場合であってもよい。
【0163】
【発明の効果】上述したように、請求項1の発明によれ
ば、非渦巻き形状の電極とpn接合層の第2の領域の少
くとも一方に入力された信号は、分布定数的に存在する
インダクタおよびキャパシタを介して伝搬され、広い帯
域にわたり良好な減衰特性が得られる。また、この素子
は、半導体基板上に非渦巻き形状のpn接合層を形成す
るとともに、さらにその表面側に非渦巻き形状の電極を
形成することにより製造することができ、製造が非常に
容易となる。しかも、このLC素子は、半導体基板上に
形成されるため、ICやLSIの一部として形成するこ
とも可能であり、このような部品の一部として形成した
場合には、後工程における部品の組み付け作業を省略す
ることができる。
【0164】また、請求項2〜5の発明によれば、イン
ダクタとして機能する非渦巻き形状の電極とpn接合層
の電極の形状が蛇行形状、波形形状、曲線形状、直線形
状のいずれかに特定されているため、LC素子の特性も
各形状によって異なったものとなるが、これらの各形状
においても、各形状の電極と第2の領域のそれぞれがイ
ンダクタとして機能し、それらのインダクタとそれらの
間のpn接合層によって形成されるキャパシタとが分布
定数的に存在することは同様であり、広い帯域にわたり
良好な減衰特性をもつLC素子として機能する。
【0165】また、請求項6の発明によれば、長さが異
なる非渦巻き形状の電極とpn接合層の第2の領域のそ
れぞれがインダクタとして機能し、これらの間にpn接
合層によって形成されるキャパシタが分布定数的に存在
するため、上述した各請求項の場合と同様に広い帯域に
わたって良好な減衰特性を有するとともに、製造が容易
であり基板の一部として形成することが可能である。
【0166】また、請求項7の発明によれば、上述した
非渦巻き形状の電極およびpn接合層のいずれか一方を
複数に分割するとともに、これら分割片の一部を電気的
に接続して使用しており、分割されていない他方側を信
号伝搬路として用いることにより、上述したLC素子と
は特性の異なる分布定数型のLC素子となる。特に、各
分割片のインダクタンスは小さくなるため、各分割片の
インダクタンスの影響が少ないLC素子とすることがで
きる。
【0167】また、請求項8の発明によれば、上述した
非渦巻き形状の電極とpn接合層の第2の領域のいずれ
か一方の両端近傍に第1及び第2の入出力電極を設ける
とともに、他方の一方端近傍にアース電極を設けること
により、第1及び第2の入出力電極が設けられた側の電
極あるいは第2の領域が信号伝搬路として使用される3
端子型のLC素子を容易に形成することができる。
【0168】また、請求項9の発明によれば、請求項8
における他方側の電極あるいは第2の領域の両端にも第
3及び第4の入出力電極を設けることにより、4端子コ
モンモード型のLC素子を容易に形成することができ
る。
【0169】また、請求項10の発明によれば、上述し
た非渦巻き形状の電極とpn接合層の第2の領域の少な
くとも一方に、pn接合層に逆バイアスがかかるような
電圧レベルの信号を入力することにより、pn接合間に
分布定数的なキャパシタを確実に形成することができ
る。
【0170】また、請求項11の発明によれば、このp
n接合層に対する逆バイアス電圧をバイアス回路によっ
て印加するとともに、これに対応して直流成分除去回路
が設けられており、入力信号から直流成分が除去された
信号がバイアス回路から印加される逆バイアス電圧に重
畳されて入力される。これにより、pn接合層を完全に
逆バイアスで用いることができ、非渦巻き形状のpn接
合層を確実にキャパシタとして使用することができる。
【0171】また、請求項12の発明によれば、上述し
た非渦巻き形状の電極とpn接合層の第1の領域との間
に絶縁層を形成し、バイアス回路によってpn接合層に
逆バイアス電圧を印加しており、pn接合層を確実にキ
ャパシタとして使用することができ、全体として広い帯
域において良好な減衰特性を有するLC素子として動作
する。また、この場合には絶縁層によって非渦巻き形状
の電極とpn接合層とが直流的に分離されるため、上述
した請求項11で用いるような直流成分除去回路を省略
することができる。
【0172】また、請求項13の発明によれば、上述し
たバイアス回路によって印加する逆バイアス電圧を可変
に設定することができる。これにより、非渦巻き形状の
pn接合層の容量を任意に変更することができ、減衰特
性、すなわち周波数特性を必要に応じて可変に制御する
ことができる。
【0173】また、請求項14の発明によれば、上述し
たLC素子を半導体基板上に形成した後に化学液相法等
により全表面に絶縁膜を形成し、その後この絶縁膜の一
部にエッチングやレーザ光照射により孔をあけ、この孔
に半田を盛ることにより端子付けが行われる。したがっ
て、表面実装型のLC素子を簡単に製造することがで
き、表面実装型とすることによりこのLC素子の組み付
け作業も容易となる。
【0174】また、請求項15の発明によれば、上述し
た各請求項のLC素子を基板の一部に、信号ラインある
いは電源ラインに挿入するように形成している。これに
より、半導体基板上の他の部品と一体的に製造すること
ができ、製造が容易になるとともに後工程における部品
の組み付け作業が不要となる。
【0175】また、請求項16〜21の発明は、上述し
た各請求項の発明において用いた非渦巻き形状の電極を
省略し、この電極の機能をpn接合層の第1の領域に持
たせた点に特徴がある。すなわち、pn接合層の第1お
よび第2の領域のそれぞれがインダクタとして機能する
とともに、これらの間にはpn接合層による分布定数的
なキャパシタが形成されるため、上述した請求項15ま
での発明と同様に、良好な減衰特性を有するとともに製
造が容易である等の効果がある。しかも、非渦巻き形状
の電極が半導体表面に形成されないため、この電極を形
成する工程が不要であり、さらに製造が容易になるとと
もに、半導体表面を他の目的に有効利用することもでき
るようになる。
【0176】また、請求項30あるいは請求項31の発
明によれば、上述した各発明のLC素子を一般的な半導
体製造技術を応用することにより製造することができ、
小型化あるいは低コスト化が可能であるとともに、複数
個同時に大量生産することも可能となる。
【0177】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した第1実施例のLC素子の平面
図である。
【図2】図1のA−A線における拡大断面図である。
【図3】蛇行形状の電極によって形成されるインダクタ
の原理を示す図である。
【図4】第1実施例のLC素子の等価回路を示す図であ
る。
【図5】第1実施例のLC素子の製造工程を示す図であ
る。
【図6】第1実施例のLC素子の変形例を示す図であ
る。
【図7】第2実施例のLC素子の平面図である。
【図8】第2実施例のLC素子の等価回路を示す図であ
る。
【図9】第2実施例のLC素子の変形例を示す図であ
る。
【図10】第2実施例のLC素子の他の変形例を示す図
である。
【図11】第2実施例のLC素子の他の変形例を示す図
である。
【図12】第3実施例のLC素子の平面図である。
【図13】第3実施例のLC素子の等価回路を示す図で
ある。
【図14】第3実施例のLC素子の変形例を示す図であ
る。
【図15】第4実施例のLC素子の平面図である。
【図16】第4実施例のLC素子の等価回路を示す図で
ある。
【図17】第4実施例のLC素子の変形例を示す図であ
る。
【図18】第4実施例のLC素子の他の変形例を示す図
である。
【図19】第5実施例のLC素子の平面図である。
【図20】第5実施例のLC素子の平面図である。
【図21】第5実施例の変形例を示す図である。
【図22】第5実施例の変形例を示す図である。
【図23】第5実施例の変形例を示す図である。
【図24】入出力電極の位置を変更した変形例を示す図
である。
【図25】入出力電極の位置を変更した変形例を示す図
である。
【図26】化学液相法を用いて端子付けを行なう場合の
概略を示す図である。
【図27】化学液相法を用いて端子付けを行なう場合の
概略を示す図である。
【図28】各実施例のLC素子をLSI等の一部として
形成する場合の説明図である。
【図29】各実施例のLC素子の出力側にバッファを接
続した例を示す図である。
【図30】各実施例のLC素子の出力側にバッファを接
続した例を示す図である。
【図31】各実施例のLC素子の出力側にバッファを接
続した例を示す図である。
【図32】各実施例のLC素子の出力側にバッファを接
続した例を示す図である。
【図33】各実施例のLC素子の出力側にバッファを接
続した例を示す図である。
【図34】pn接合層と電極の間に絶縁層を形成した場
合の断面構造を示す図である。
【図35】電極を埋め込んだ場合の断面構造を示す図で
ある。
【図36】npn構造とした場合のLC素子の部分的断
面を示す図である。
【図37】印加する逆バイアス電圧の極性を反対にした
場合の構成を示す図である。
【符号の説明】
10 電極 14,16 入出力電極 18 アース電極 20 p+領域 22 n+領域 24 p−Si基板 25 エピタキシャル層 26 pn接合層 28 バイアス用電源 30,32 コンデンサ 34 可変バイアス用電源

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板表面に形成された非渦巻き形
    状の電極と、 前記半導体基板の一部であって前記非渦巻き形状の電極
    に沿った位置に形成され、p層あるいはn層からなる第
    1の領域に前記非渦巻き形状の電極が接続されており、
    この第1の領域に対して反転領域となる第2の領域を含
    んで形成される非渦巻き形状のpn接合層と、 を備え、前記非渦巻き形状の電極と前記pn接合層の一
    部を構成する前記第2の領域のそれぞれによって形成さ
    れるインダクタと、これら各インダクタに対応する前記
    pn接合層によって形成されるキャパシタとが分布定数
    的に存在し、前記非渦巻き形状の電極と前記第2の領域
    の少なくとも一方を信号伝搬路として用いることを特徴
    とするLC素子。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記非渦巻き形状の電極が蛇行形状を有することを特徴
    とするLC素子。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 前記非渦巻き形状の電極が波形形状を有することを特徴
    とするLC素子。
  4. 【請求項4】 請求項1において、 前記非渦巻き形状の電極が曲線形状を有することを特徴
    とするLC素子。
  5. 【請求項5】 請求項1において、 前記非渦巻き形状の電極が直線形状を有することを特徴
    とするLC素子。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかにおいて、 前記非渦巻き形状の電極に対して、前記pn接合層の少
    なくとも第2の領域の長さを長くあるいは短く設定する
    ことにより、前記非渦巻き形状の電極と前記pn接合層
    の第2の領域とを部分的に対応させることを特徴とする
    LC素子。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかにおいて、 前記非渦巻き形状の電極を複数に分割し、あるいは前記
    pn接合層の少なくとも第2の領域を複数に分割し、各
    分割片のそれぞれを電気的に接続することを特徴とする
    LC素子。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかにおいて、 前記非渦巻き形状の電極と前記pn接合層の第2の領域
    とのうち、いずれか一方の両端近傍に設けられた第1及
    び第2の入出力電極と、 前記非渦巻き形状の電極と前記pn接合層の第2の領域
    とのうち、他方の一端近傍に設けられたアース電極と、 を有し、前記第1及び第2の入出力電極のいずれか一方
    から信号を入力し、他方から信号を出力するとともに、
    前記アース電極を固定電位の電源に接続あるいは接地す
    ることを特徴とするLC素子。
  9. 【請求項9】 請求項1〜6のいずれかにおいて、 前記非渦巻き形状の電極と前記pn接合層の第2の領域
    とのうち、いずれか一方の両端近傍に設けられた第1お
    よび第2の入出力電極と、 前記非渦巻き形状の電極と前記pn接合層の第2の領域
    とのうち、他方の両端近傍に設けられた第3および第4
    の入出力電極と、 を有し、前記非渦巻き形状の電極と前記pn接合層の第
    2の領域のそれぞれを信号伝搬路とするコモンモード型
    の素子として用いられることを特徴とするLC素子。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかにおいて、 前記非渦巻き形状の電極および前記pn接合層の第2の
    領域の少なくとも一方に対して、前記pn接合層の逆バ
    イアスの電圧レベルの信号の入力を行なうことを特徴と
    するLC素子。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれかにおいて、 前記pn接合層に所定の逆バイアス電圧を印加するバイ
    アス回路と、 入力信号から直流成分を除去した信号を前記非渦巻き形
    状の電極および前記pn接合層の第2の領域の少なくと
    も一方に入力する直流成分除去回路と、 をさらに含むことを特徴とするLC素子。
  12. 【請求項12】 請求項1〜10のいずれかにおいて、 前記非渦巻き形状の電極と前記pn接合層の第1の領域
    との間に絶縁層を形成するとともに、前記pn接合層に
    所定の逆バイアス電圧を印加するバイアス回路を設ける
    ことを特徴とするLC素子。
  13. 【請求項13】 請求項11または12において、 前記バイアス回路は前記pn接合層に印加する逆バイア
    ス電圧を変更可能であり、前記pn接合層に印加する逆
    バイアス電圧を変えることにより前記pn接合層が有す
    るキャパシタンスを変更することを特徴とするLC素
    子。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13のいずれかのLC素子
    を半導体基板上に形成し、この半導体基板の全表面に絶
    縁膜を形成し、この絶縁膜の一部をエッチングあるいは
    レーザ光照射によって除去して孔をあけ、その孔を半田
    で表面に盛り上がる程度に封じることにより端子付けを
    行なうことを特徴とするLC素子。
  15. 【請求項15】 請求項1〜14のいずれかのLC素子
    を基板の一部として形成し、前記非渦巻き形状の電極お
    よび前記pn接合層の第2の領域の少なくとも一方を信
    号ラインあるいは電源ラインに挿入して一体成形したこ
    とを特徴とする半導体装置。
  16. 【請求項16】 半導体基板の一部に形成されており、
    第1の領域およびこれとは反転領域となる第2の領域と
    からなる非渦巻き形状のpn接合層を備え、 前記第1および第2の領域のそれぞれによって形成され
    るインダクタと、前記pn接合層によって形成されるキ
    ャパシタとが分布定数的に存在し、前記第1および第2
    の領域の少なくとも一方を信号伝搬路として用いること
    を特徴とするLC素子。
  17. 【請求項17】 請求項16において、 前記非渦巻き形状のpn接合層が蛇行形状を有すること
    を特徴とするLC素子。
  18. 【請求項18】 請求項16において、 前記非渦巻き形状のpn接合層が波形形状を有すること
    を特徴とするLC素子。
  19. 【請求項19】 請求項16において、 前記非渦巻き形状のpn接合層が曲線形状を有すること
    を特徴とするLC素子。
  20. 【請求項20】 請求項16において、 前記非渦巻き形状のpn接合層が直線形状を有すること
    を特徴とするLC素子。
  21. 【請求項21】 請求項16〜20のいずれかにおい
    て、 前記pn接合層を構成する第1の領域に対して第2の領
    域を長くあるいは短く設定することにより、これら第1
    の領域と第2の領域を部分的に対応させることを特徴と
    するLC素子。
  22. 【請求項22】 請求項16〜21のいずれかにおい
    て、 前記pn接合層を構成する第1の領域および第2の領域
    のいずれか一方を複数に分割し、各分割片のそれぞれの
    一部を電気的に接続することを特徴とするLC素子。
  23. 【請求項23】 請求項16〜22のいずれかにおい
    て、 前記pn接合層を構成する第1の領域および第2の領域
    のいずれか一方の両端近傍に設けられた第1及び第2の
    入出力電極と、 前記pn接合層を構成する第1の領域および第2の領域
    の他方の一端近傍に設けられたアース電極と、 を有し、前記第1および第2の入出力電極のいずれか一
    方から信号を入力し、他方から信号を出力するととも
    に、前記アース電極を固定電位の電源に接続あるいは接
    地することを特徴とするLC素子。
  24. 【請求項24】 請求項16〜21のいずれかにおい
    て、 前記pn接合層を構成する第1の領域および第2の領域
    のいずれか一方の両端近傍に設けられた第1および第2
    の入出力電極と、 前記pn接合層を構成する第1の領域および第2の領域
    の他方の両端近傍に設けられた第3および第4の入出力
    電極と、 を有し、前記pn接合層の第1および第2の領域のそれ
    ぞれを信号伝搬路とするコモンモード型の素子として用
    いられることを特徴とするLC素子。
  25. 【請求項25】 請求項16〜24のいずれかにおい
    て、 前記pn接合層を構成する第1の領域および第2の領域
    の少なくとも一方に対して、前記pn接合層の逆バイア
    スの電圧レベルの信号の入力を行なうことを特徴とする
    LC素子。
  26. 【請求項26】 請求項16〜24のいずれかにおい
    て、 前記pn接合層に所定の逆バイアス電圧を印加するバイ
    アス回路と、 入力信号から直流成分を除去した信号を前記pn接合層
    の第1および第2の領域の少なくとも一方に入力する直
    流成分除去回路と、 をさらに含むことを特徴とするLC素子。
  27. 【請求項27】 請求項26において、 前記バイアス回路は前記pn接合層に印加する逆バイア
    ス電圧を変更可能であり、前記pn接合層に印加する逆
    バイアス電圧を変えることにより前記pn接合層が有す
    るキャパシタンスを変更することを特徴とするLC素
    子。
  28. 【請求項28】 請求項16〜27のいずれかのLC素
    子を半導体基板上に形成し、この半導体基板の全表面に
    絶縁膜を形成し、この絶縁膜の一部をエッチングあるい
    はレーザ光照射によって除去して孔をあけ、その孔を半
    田で表面に盛り上がる程度に封じることにより端子付け
    を行なうことを特徴とするLC素子。
  29. 【請求項29】 請求項16〜28のいずれかのLC素
    子を基板の一部として形成し、前記pn接合層の第1お
    よび第2の領域の少なくとも一方を信号ラインあるいは
    電源ラインに挿入して一体成形したことを特徴とする半
    導体装置。
  30. 【請求項30】 半導体基板に非渦巻き形状の第1の領
    域とこの第1の領域に対して反転領域となる第2の領域
    とからなるpn接合層を形成する第1の工程と、 前記pn接合層の表面であって、前記第1の領域に電気
    的に接続された非渦巻き形状の電極を形成する第2の工
    程と、 前記非渦巻き形状の電極および前記pn接合層の第2の
    領域のそれぞれの両端あるいは一方端に接続される配線
    層を形成する第3の工程と、 を含むことを特徴とするLC素子の製造方法。
  31. 【請求項31】 半導体基板に非渦巻き形状の第1の領
    域とこの第1の領域に対して反転領域となる第2の領域
    とからなるpn接合層を形成する第1の工程と、 前記pn接合層の第1および第2の領域のそれぞれの両
    端あるいは一方端に接続される配線層を形成する第2の
    工程と、 を含むことを特徴とするLC素子の製造方法。
JP25753794A 1993-12-29 1994-09-27 Lc素子,半導体装置及びlc素子の製造方法 Pending JPH0897373A (ja)

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US08/358,770 US5705963A (en) 1993-12-29 1994-12-19 LC element comprising a reverse biased pn junction
EP94120305A EP0661805B1 (en) 1993-12-29 1994-12-21 LC element, semiconductor device, and LC element manufacturing method
DE69417199T DE69417199T2 (de) 1993-12-29 1994-12-21 LC-Element, Halbleiteranordnung, und Verfahren zur Herstellung des LC-Elements
FI946026A FI116008B (fi) 1993-12-29 1994-12-22 LC-elementti, puolijohdelaite ja LC-elementin valmistusmenetelmä
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WO2001008290A1 (en) * 1999-07-26 2001-02-01 Niigata Seimitsu Co., Ltd. Lc oscillator
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