JPH07297664A - ローパスフィルタおよび移相器 - Google Patents
ローパスフィルタおよび移相器Info
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- JPH07297664A JPH07297664A JP10764294A JP10764294A JPH07297664A JP H07297664 A JPH07297664 A JP H07297664A JP 10764294 A JP10764294 A JP 10764294A JP 10764294 A JP10764294 A JP 10764294A JP H07297664 A JPH07297664 A JP H07297664A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 構成の簡略化および外部からの制御による時
定数の変更あるいは移相量の変更が可能であるローパス
フィルタおよび移相器を提供すること。 【構成】 このローパスフィルタ100(あるいは移相
器)は、所定のゲート長を有するゲート電極12と、半
導体基板10内であってこのゲート電極12の長手方向
の両端近傍に設けられた2つの拡散領域であるソース1
4およびドライン16と、これらソース14,ドレイン
16に電気的に接続された2つの入出力電極18,20
と、半導体基板10とゲート電極12との間に形成され
たゲート酸化膜22とにより構成されている。ゲート電
極12のゲート長Lを長く設定することにより、このゲ
ート電極12に対応して形成されるチャネル26の抵抗
と、このチャネル26とゲート電極12との間に形成さ
れるキャパシタンスとが分布定数的に形成される。
定数の変更あるいは移相量の変更が可能であるローパス
フィルタおよび移相器を提供すること。 【構成】 このローパスフィルタ100(あるいは移相
器)は、所定のゲート長を有するゲート電極12と、半
導体基板10内であってこのゲート電極12の長手方向
の両端近傍に設けられた2つの拡散領域であるソース1
4およびドライン16と、これらソース14,ドレイン
16に電気的に接続された2つの入出力電極18,20
と、半導体基板10とゲート電極12との間に形成され
たゲート酸化膜22とにより構成されている。ゲート電
極12のゲート長Lを長く設定することにより、このゲ
ート電極12に対応して形成されるチャネル26の抵抗
と、このチャネル26とゲート電極12との間に形成さ
れるキャパシタンスとが分布定数的に形成される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抵抗成分とキャパシタ
ンス成分とからなるローパスフィルタおよび移相器に関
する。
ンス成分とからなるローパスフィルタおよび移相器に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来からローパスフィルタは、各種の電
子回路に使用されており、最も一般的には電源ラインや
信号ライン上に重畳されたノイズや高調波スプリアス成
分等を除去する目的で使用される。このようなローパス
フィルタとしては、コイルとコンデンサとをT型あるい
はπ型に組み合わせたLCフィルタや、コンデンサと抵
抗とをT型あるいはπ型に組み合わせたRCフィルタが
知られている。高周波領域の信号等を取り扱う場合には
上述したLCフィルタが使用されるが、比較的低周波領
域用には、構成が簡単であって時定数の変更等が容易な
RCフィルタが汎用されている。
子回路に使用されており、最も一般的には電源ラインや
信号ライン上に重畳されたノイズや高調波スプリアス成
分等を除去する目的で使用される。このようなローパス
フィルタとしては、コイルとコンデンサとをT型あるい
はπ型に組み合わせたLCフィルタや、コンデンサと抵
抗とをT型あるいはπ型に組み合わせたRCフィルタが
知られている。高周波領域の信号等を取り扱う場合には
上述したLCフィルタが使用されるが、比較的低周波領
域用には、構成が簡単であって時定数の変更等が容易な
RCフィルタが汎用されている。
【0003】図11は、従来の代表的なRCローパスフ
ィルタの一例を示す図である。同図(A)および(B)
は、抵抗とコンデンサとからなる1段あるいは2段のロ
ーパスフィルタである。また、同図(C)は同図(A)
の抵抗をMOS−FETによる等価抵抗に置き換えたも
のであり、時定数を変更可能としたものである。
ィルタの一例を示す図である。同図(A)および(B)
は、抵抗とコンデンサとからなる1段あるいは2段のロ
ーパスフィルタである。また、同図(C)は同図(A)
の抵抗をMOS−FETによる等価抵抗に置き換えたも
のであり、時定数を変更可能としたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来のRCローパスフィルタの構成は、コイルを使用する
LCフィルタに比べると簡単であるが、それでも抵抗
(あるいは等価抵抗)とコンデンサといった2個の部品
を必要としており、さらに構成の簡略化が可能であれば
ICやLSIの一部として形成する場合に便利である。
来のRCローパスフィルタの構成は、コイルを使用する
LCフィルタに比べると簡単であるが、それでも抵抗
(あるいは等価抵抗)とコンデンサといった2個の部品
を必要としており、さらに構成の簡略化が可能であれば
ICやLSIの一部として形成する場合に便利である。
【0005】また、図11(C)に示したようにMOS
−FETによる等価抵抗を使用することにより、あるい
はコンデンサを可変容量ダイオードに置き換えることに
より、RCローパスフィルタの時定数を外部からの制御
により変更することができるが、これらの場合であって
も2個の部品が必要である点に変わりはない。
−FETによる等価抵抗を使用することにより、あるい
はコンデンサを可変容量ダイオードに置き換えることに
より、RCローパスフィルタの時定数を外部からの制御
により変更することができるが、これらの場合であって
も2個の部品が必要である点に変わりはない。
【0006】また、従来からRCローパスフィルタを移
相器として用いることにより、入力信号の位相をずらす
ことが行われているが、このようにRCローパスフィル
タを移相器として用いる場合にも2個、あるいは移相量
を大きく設定する場合(2段以上のローパスフィルタと
する場合)にはそれ以上の部品が必要となり、構成の簡
略化が望まれる。
相器として用いることにより、入力信号の位相をずらす
ことが行われているが、このようにRCローパスフィル
タを移相器として用いる場合にも2個、あるいは移相量
を大きく設定する場合(2段以上のローパスフィルタと
する場合)にはそれ以上の部品が必要となり、構成の簡
略化が望まれる。
【0007】本発明は、このような点に鑑みて創作され
たものであり、その目的は構成の簡略化および外部から
の制御による時定数の変更が可能であるローパスフィル
タを提供することにある。
たものであり、その目的は構成の簡略化および外部から
の制御による時定数の変更が可能であるローパスフィル
タを提供することにある。
【0008】また、本発明の他の目的は、構成の簡略化
および外部からの制御による移相量の変更が可能である
移相器を提供することにある。
および外部からの制御による移相量の変更が可能である
移相器を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1のローパスフィルタは、半導体基板表
面に絶縁層を挟んで形成された長尺のゲート電極と、前
記半導体基板表面近傍であって前記ゲート電極の長手方
向の両端近傍に設けられたソースおよびドレインと、を
備え、前記ゲート電極に対応して前記半導体基板表面に
形成されるチャネルを信号入出力路として使用すること
を特徴とする。
ために、請求項1のローパスフィルタは、半導体基板表
面に絶縁層を挟んで形成された長尺のゲート電極と、前
記半導体基板表面近傍であって前記ゲート電極の長手方
向の両端近傍に設けられたソースおよびドレインと、を
備え、前記ゲート電極に対応して前記半導体基板表面に
形成されるチャネルを信号入出力路として使用すること
を特徴とする。
【0010】請求項2のローパスフィルタは、請求項1
のローパスフィルタにおいて、前記ゲート電極に印加す
る所定の制御電圧を変えることにより前記チャネルの抵
抗を変更してフィルタの時定数を変えることを特徴とす
る。
のローパスフィルタにおいて、前記ゲート電極に印加す
る所定の制御電圧を変えることにより前記チャネルの抵
抗を変更してフィルタの時定数を変えることを特徴とす
る。
【0011】請求項3のローパスフィルタは、請求項1
または2のローパスフィルタにおいて、前記チャネルの
抵抗Rと前記チャネルと前記ゲート電極間のキャパシタ
ンスCとの積RCが、前記ゲート電極のゲート長Lの二
乗に比例して変化することを特徴とする。
または2のローパスフィルタにおいて、前記チャネルの
抵抗Rと前記チャネルと前記ゲート電極間のキャパシタ
ンスCとの積RCが、前記ゲート電極のゲート長Lの二
乗に比例して変化することを特徴とする。
【0012】請求項4のローパスフィルタは、請求項1
〜3のいずれかのローパスフィルタにおいて、前記信号
入出力路の出力側に、前記チャネルを介して出力される
信号を増幅するバッファを接続したことを特徴とする。
〜3のいずれかのローパスフィルタにおいて、前記信号
入出力路の出力側に、前記チャネルを介して出力される
信号を増幅するバッファを接続したことを特徴とする。
【0013】請求項5のローパスフィルタは、請求項1
〜4のいずれかのローパスフィルタにおいて、前記ゲー
ト電極に過電圧を動作電源ライン側あるいはアース側に
バイパスさせる保護回路を設けたことを特徴とする。
〜4のいずれかのローパスフィルタにおいて、前記ゲー
ト電極に過電圧を動作電源ライン側あるいはアース側に
バイパスさせる保護回路を設けたことを特徴とする。
【0014】請求項6の移相器は、請求項1〜3のいず
れかのローパスフィルタを用いて、入力信号の位相を所
定の角度ずらすことを特徴とする。
れかのローパスフィルタを用いて、入力信号の位相を所
定の角度ずらすことを特徴とする。
【0015】
【作用】請求項1のローパスフィルタは、一般的なMO
Sトランジスタに比べると、ゲート長を長尺に形成する
とともに、このゲート電極とこのゲート電極に対応して
形成されるチャネルとの間のキャパシタを利用した点に
特徴がある。すなわち、長尺形状を有するチャネルその
ものが抵抗体として機能するとともに、この抵抗体と上
述したキャパシタとが分布定数的に結合したRC複合素
子となる。したがって、分布定数的に結合した抵抗とキ
ャパシタの微小部分をみると、抵抗とキャパシタとがπ
型あるいは逆L字型に接続されたローパスフィルタとな
っている。
Sトランジスタに比べると、ゲート長を長尺に形成する
とともに、このゲート電極とこのゲート電極に対応して
形成されるチャネルとの間のキャパシタを利用した点に
特徴がある。すなわち、長尺形状を有するチャネルその
ものが抵抗体として機能するとともに、この抵抗体と上
述したキャパシタとが分布定数的に結合したRC複合素
子となる。したがって、分布定数的に結合した抵抗とキ
ャパシタの微小部分をみると、抵抗とキャパシタとがπ
型あるいは逆L字型に接続されたローパスフィルタとな
っている。
【0016】請求項1の発明によれば、MOS構造を有
する1つの素子によってローパスフィルタを構成するこ
とができるため、構成の簡略化が可能となる。
する1つの素子によってローパスフィルタを構成するこ
とができるため、構成の簡略化が可能となる。
【0017】また、請求項2のローパスフィルタは、上
述したゲート電極に印加する制御電圧を変えることによ
りチャネル抵抗を可変に制御し、これにより分布定数的
に形成された抵抗体とキャパシタとにより決定されるロ
ーパスフィルタの時定数を変更しようとするものであ
る。したがって、請求項2の発明によれば、ローパスフ
ィルタの構成の簡略化が可能であるとともに、外部から
印加する制御電圧の値を変えることにより時定数を変更
して周波数特性を変えることができる。
述したゲート電極に印加する制御電圧を変えることによ
りチャネル抵抗を可変に制御し、これにより分布定数的
に形成された抵抗体とキャパシタとにより決定されるロ
ーパスフィルタの時定数を変更しようとするものであ
る。したがって、請求項2の発明によれば、ローパスフ
ィルタの構成の簡略化が可能であるとともに、外部から
印加する制御電圧の値を変えることにより時定数を変更
して周波数特性を変えることができる。
【0018】また、請求項3のローパスフィルタは、上
述したゲート電極の長さ(ゲート長L)を変えることに
より、容易に特性変更が可能であることを示している。
すなわち、ゲート電極あるいはチャネルの長さ(ゲート
長)をL、その幅をWとすると、チャネルの抵抗RはL
に比例し、Wに反比例することになる。また、チャネル
とゲート電極との間に形成されるコンデンサの容量Cは
LおよびWのそれぞれに比例することになる。したがっ
て、ローパスフィルタの時定数を決定するために用いら
れるRとCとの積RCは、(L/W)×LW=L2 に比
例することになる。したがって、上述したゲート電極の
長さのみを変更することにより、ローパスフィルタの時
定数を任意に、しかも大幅に変更することができ、設計
あるいは特性の調整が容易となる。
述したゲート電極の長さ(ゲート長L)を変えることに
より、容易に特性変更が可能であることを示している。
すなわち、ゲート電極あるいはチャネルの長さ(ゲート
長)をL、その幅をWとすると、チャネルの抵抗RはL
に比例し、Wに反比例することになる。また、チャネル
とゲート電極との間に形成されるコンデンサの容量Cは
LおよびWのそれぞれに比例することになる。したがっ
て、ローパスフィルタの時定数を決定するために用いら
れるRとCとの積RCは、(L/W)×LW=L2 に比
例することになる。したがって、上述したゲート電極の
長さのみを変更することにより、ローパスフィルタの時
定数を任意に、しかも大幅に変更することができ、設計
あるいは特性の調整が容易となる。
【0019】なお、従来のように抵抗とコンデンサとを
別々に備えてローパスフィルタを構成した場合であって
も、それぞれの素子定数を変えて積RCの値を変更する
ことが可能であったが、上述した各請求項のローパスフ
ィルタを使用した場合には、ゲート長Lを変更しただけ
で積RCの値がゲート長Lの二乗に比例して変更される
ため、周波数特性の大幅な変更が容易に行える。
別々に備えてローパスフィルタを構成した場合であって
も、それぞれの素子定数を変えて積RCの値を変更する
ことが可能であったが、上述した各請求項のローパスフ
ィルタを使用した場合には、ゲート長Lを変更しただけ
で積RCの値がゲート長Lの二乗に比例して変更される
ため、周波数特性の大幅な変更が容易に行える。
【0020】また、ゲート幅は変えずにゲート長だけを
変更すればよいため、ゲート電極の面積サイズの増加も
最小限で済むことになる。これに対し、従来のローパス
フィルタにおいては、例えばコンデンサの容量を増やす
ことにより同様の大幅な周波数変更を行おうとすれば、
コンデンサの電極の長さおよび幅の両方を同時に増加し
なければならず、半導体基板上に一体成形した場合には
周波数特性の変更に伴う実装面積の増加も顕著になる。
変更すればよいため、ゲート電極の面積サイズの増加も
最小限で済むことになる。これに対し、従来のローパス
フィルタにおいては、例えばコンデンサの容量を増やす
ことにより同様の大幅な周波数変更を行おうとすれば、
コンデンサの電極の長さおよび幅の両方を同時に増加し
なければならず、半導体基板上に一体成形した場合には
周波数特性の変更に伴う実装面積の増加も顕著になる。
【0021】また、請求項4のローパスフィルタは、上
述したチャネルを介して出力される信号を増幅するバッ
ファを備えており、アルミニウム等の金属材料に比べて
抵抗値が大きいチャネルを介することにより電圧レベル
が減衰した信号を、SN比が良好な元の信号に復元する
ことが可能となる。
述したチャネルを介して出力される信号を増幅するバッ
ファを備えており、アルミニウム等の金属材料に比べて
抵抗値が大きいチャネルを介することにより電圧レベル
が減衰した信号を、SN比が良好な元の信号に復元する
ことが可能となる。
【0022】また、請求項5のローパスフィルタは、ゲ
ート電極に入力保護回路が設けられており、静電気によ
る高電圧が印加されると、この入力保護回路によって動
作電源ライン側あるいはアース側にバイパス電流が流
れ、ゲート電極と半導体基板との間の絶縁破壊を防止す
ることができる。
ート電極に入力保護回路が設けられており、静電気によ
る高電圧が印加されると、この入力保護回路によって動
作電源ライン側あるいはアース側にバイパス電流が流
れ、ゲート電極と半導体基板との間の絶縁破壊を防止す
ることができる。
【0023】また、請求項6の移相器は、上述した各請
求項のローパスフィルタを用いて入力信号の移相を所定
の角度ずらすようにしたものである。すなわち、上述し
たローパスフィルタは、抵抗とキャパシタとが分布定数
的に形成された充放電回路として機能するため、その時
定数に応じた信号の遅延量(移相量)が設定された移相
器として動作することができる。この場合であっても、
基本的な構成は上述ししたローパスフィルタと変わりは
なく、移相器の構成の簡略化が可能であるとともに、外
部から印加する制御電圧の値を変えることにより時定数
を変更して移相量を変えることができる。
求項のローパスフィルタを用いて入力信号の移相を所定
の角度ずらすようにしたものである。すなわち、上述し
たローパスフィルタは、抵抗とキャパシタとが分布定数
的に形成された充放電回路として機能するため、その時
定数に応じた信号の遅延量(移相量)が設定された移相
器として動作することができる。この場合であっても、
基本的な構成は上述ししたローパスフィルタと変わりは
なく、移相器の構成の簡略化が可能であるとともに、外
部から印加する制御電圧の値を変えることにより時定数
を変更して移相量を変えることができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明を適用した一実施例のローパス
フィルタについて、図面を参照しながら具体的に説明す
る。
フィルタについて、図面を参照しながら具体的に説明す
る。
【0025】図1は、本実施例のローパスフィルタ10
0の詳細な構造を示す図である。同図(A)は半導体基
板上に形成されたローパスフィルタ100の平面図を、
同図(B)はそのA−A線断面図をそれぞれ示してい
る。
0の詳細な構造を示す図である。同図(A)は半導体基
板上に形成されたローパスフィルタ100の平面図を、
同図(B)はそのA−A線断面図をそれぞれ示してい
る。
【0026】同図に示すように、本実施例のローパスフ
ィルタ100は、所定のゲート長を有するゲート電極1
2と、半導体基板10内であってこのゲート電極12の
長手方向の両端近傍に設けられた2つの拡散領域である
ソース14およびドレイン16と、これらソース14,
ドレイン16に電気的に接続された2つの入出力電極1
8,20と、半導体基板10とゲート電極12との間に
形成されたゲート酸化膜22とにより構成されている。
また、ゲート電極12には外部から電圧を印加するため
に制御電極24が接続されている。
ィルタ100は、所定のゲート長を有するゲート電極1
2と、半導体基板10内であってこのゲート電極12の
長手方向の両端近傍に設けられた2つの拡散領域である
ソース14およびドレイン16と、これらソース14,
ドレイン16に電気的に接続された2つの入出力電極1
8,20と、半導体基板10とゲート電極12との間に
形成されたゲート酸化膜22とにより構成されている。
また、ゲート電極12には外部から電圧を印加するため
に制御電極24が接続されている。
【0027】上述した半導体基板10を例えばn型シリ
コン基板(n−Si基板)とした場合には、拡散領域で
あるソース14とドレイン16のそれぞれは反転領域で
あるp領域となる。反対に、半導体基板10をp型シリ
コン基板(p−Si基板)とした場合には、拡散領域で
あるソース14とドレイン16のそれぞれは反転領域で
あるn領域となる。
コン基板(n−Si基板)とした場合には、拡散領域で
あるソース14とドレイン16のそれぞれは反転領域で
あるp領域となる。反対に、半導体基板10をp型シリ
コン基板(p−Si基板)とした場合には、拡散領域で
あるソース14とドレイン16のそれぞれは反転領域で
あるn領域となる。
【0028】このような構造を有するローパスフィルタ
100は、図1(B)に示すように一般のMOSトラン
ジスタと類似した構成を有しており、ゲート電極12の
ゲート長Lを長く設定することにより、このゲート電極
12に対応して形成されるチャネル26の抵抗と、この
チャネル26とゲート電極12との間に形成されるキャ
パシタとが分布定数的に形成される点に特徴がある。
100は、図1(B)に示すように一般のMOSトラン
ジスタと類似した構成を有しており、ゲート電極12の
ゲート長Lを長く設定することにより、このゲート電極
12に対応して形成されるチャネル26の抵抗と、この
チャネル26とゲート電極12との間に形成されるキャ
パシタとが分布定数的に形成される点に特徴がある。
【0029】一般に、ローパスフィルタの時定数は、抵
抗Rと容量Cとの積RCに基づいて決定されるが、本実
施例のローパスフィルタ100におけるチャネル抵抗R
はゲート長Lに比例し、ゲート幅Wに反比例する。ま
た、ゲート電極12とチャネル26との間の容量Cは、
ゲート長Lおよびゲート幅Wのそれぞれに比例する。こ
れらを掛け合わせた積RCは、(L/W)×LW=L2
に比例することになり、ゲート幅Wとは無関係にゲート
長Lのみを変えることによりRCの値、したがってロー
パスフィルタ100の時定数を大幅に変更することがで
きる。すなわち、ゲート長Lのみを変更しただけで周波
数特性(減衰特性)の大幅な変更が可能となるため、広
い範囲で周波数特性を変更あるいは調整するといったこ
とが容易となり、ローパスフィルタ100の設計が容易
となる。
抗Rと容量Cとの積RCに基づいて決定されるが、本実
施例のローパスフィルタ100におけるチャネル抵抗R
はゲート長Lに比例し、ゲート幅Wに反比例する。ま
た、ゲート電極12とチャネル26との間の容量Cは、
ゲート長Lおよびゲート幅Wのそれぞれに比例する。こ
れらを掛け合わせた積RCは、(L/W)×LW=L2
に比例することになり、ゲート幅Wとは無関係にゲート
長Lのみを変えることによりRCの値、したがってロー
パスフィルタ100の時定数を大幅に変更することがで
きる。すなわち、ゲート長Lのみを変更しただけで周波
数特性(減衰特性)の大幅な変更が可能となるため、広
い範囲で周波数特性を変更あるいは調整するといったこ
とが容易となり、ローパスフィルタ100の設計が容易
となる。
【0030】また、制御電極24を介してゲート電極1
2に印加するゲート電圧を変えることにより、チャネル
26の深さを変更することができるため、外部からの制
御によりチャネル抵抗Rを任意に変更することができ
る。
2に印加するゲート電圧を変えることにより、チャネル
26の深さを変更することができるため、外部からの制
御によりチャネル抵抗Rを任意に変更することができ
る。
【0031】例えば、p型シリコンを用いた半導体基板
10上にn型のチャネル26が形成される場合であって
エンハンスメント型を例にとると、正のゲート電圧を印
加したときにはじめてチャネル26が現れ、さらにこの
正のゲート電圧の値を大きくすることによりチャネル抵
抗Rが少なくなる。また、n型シリコンを用いた半導体
基板10上にp型のチャネル26が形成される場合であ
ってエンハンスメント型を例にとると、負のゲート電圧
を印加したときにはじめてチャネル26が現れ、さらに
この負のゲート電圧の値を小さく、すなわち負のゲート
電圧の絶対値を大きくすることによりチャネル抵抗Rが
少なくなる。
10上にn型のチャネル26が形成される場合であって
エンハンスメント型を例にとると、正のゲート電圧を印
加したときにはじめてチャネル26が現れ、さらにこの
正のゲート電圧の値を大きくすることによりチャネル抵
抗Rが少なくなる。また、n型シリコンを用いた半導体
基板10上にp型のチャネル26が形成される場合であ
ってエンハンスメント型を例にとると、負のゲート電圧
を印加したときにはじめてチャネル26が現れ、さらに
この負のゲート電圧の値を小さく、すなわち負のゲート
電圧の絶対値を大きくすることによりチャネル抵抗Rが
少なくなる。
【0032】また、ゲート電極12に対応する半導体基
板10表面の位置に予めキャリアを注入しておくデプレ
ション型の場合も、基本的にはエンハンスメントの場合
と同じであり、ゲート電圧とチャネル深さとの関係のみ
が異なっている。例えば、予め多量のキャリアを注入し
ておくことにより、ゲート電圧を印加しない状態におい
てもチャネル26を形成することができ、この場合であ
っても印加するゲート電圧を変化させることによりチャ
ネル26の深さを変えてチャネル抵抗Rを変更すること
ができる。
板10表面の位置に予めキャリアを注入しておくデプレ
ション型の場合も、基本的にはエンハンスメントの場合
と同じであり、ゲート電圧とチャネル深さとの関係のみ
が異なっている。例えば、予め多量のキャリアを注入し
ておくことにより、ゲート電圧を印加しない状態におい
てもチャネル26を形成することができ、この場合であ
っても印加するゲート電圧を変化させることによりチャ
ネル26の深さを変えてチャネル抵抗Rを変更すること
ができる。
【0033】図2は、図1に示したローパスフィルタ1
00の回路図である。本実施例のローパスフィルタ10
0は、基本的には一般的なMOSトランジスタと同じ構
造を有しているため、図2(A)に示すように、MOS
−FETのソース・ドレイン間を長くしたような回路図
を適用することができる。
00の回路図である。本実施例のローパスフィルタ10
0は、基本的には一般的なMOSトランジスタと同じ構
造を有しているため、図2(A)に示すように、MOS
−FETのソース・ドレイン間を長くしたような回路図
を適用することができる。
【0034】また、等価回路としては、同図(B)に示
すように、チャネル26による抵抗とこのチャネル26
とゲート電極12間に形成されるキャパシタとが分布定
数的に形成されたものになる。したがって、ゲート電極
12に接続された制御電極24を接地あるいは固定電位
等に接続するとともに、チャネル26を信号の入出力路
として使用することにより、この素子がローパスフィル
タとして機能することになる。
すように、チャネル26による抵抗とこのチャネル26
とゲート電極12間に形成されるキャパシタとが分布定
数的に形成されたものになる。したがって、ゲート電極
12に接続された制御電極24を接地あるいは固定電位
等に接続するとともに、チャネル26を信号の入出力路
として使用することにより、この素子がローパスフィル
タとして機能することになる。
【0035】また、上述したようにゲート電極12に印
加する電圧を可変に制御することによりチャネル26の
深さが変わってチャネル抵抗Rが変化するため、このチ
ャネル抵抗Rとチャネル−ゲート電極間のキャパシタン
スCとにより決定されるローパスフィルタの時定数も変
化し、ローパスフィルタ全体としての周波数特性を外部
からの電圧制御により任意に変化させることができる。
加する電圧を可変に制御することによりチャネル26の
深さが変わってチャネル抵抗Rが変化するため、このチ
ャネル抵抗Rとチャネル−ゲート電極間のキャパシタン
スCとにより決定されるローパスフィルタの時定数も変
化し、ローパスフィルタ全体としての周波数特性を外部
からの電圧制御により任意に変化させることができる。
【0036】図3〜図5は、実際に本実施例のローパス
フィルタ100を試作してその特性を測定した結果を示
す図である。
フィルタ100を試作してその特性を測定した結果を示
す図である。
【0037】図3は、ゲート電極12に印加する逆バイ
アス電圧とカットオフ周波数との関係を示している。同
図に示すように、逆バイアス電圧を可変したときにカッ
トオフ周波数が変化しており、バイアス電圧を変えるこ
とによりローパスフィルタ100の周波数特性を可変で
きることが確かめられた。
アス電圧とカットオフ周波数との関係を示している。同
図に示すように、逆バイアス電圧を可変したときにカッ
トオフ周波数が変化しており、バイアス電圧を変えるこ
とによりローパスフィルタ100の周波数特性を可変で
きることが確かめられた。
【0038】また、図4および図5は逆バイアス電圧を
変えた場合のローパスフィルタ100の減衰特性(挿入
損失)を測定したものであり、これらの図の(A)から
(E)に向かって逆バイアス電圧が次第に高く設定され
ている。これらの図に示すように、逆バイアス電圧を可
変したときに減衰のピークや各周波数における減衰量が
変化しており、この測定結果からもバイアス電圧を変え
ることによりローパスフィルタ100の周波数特性を可
変できることが確かめられた。
変えた場合のローパスフィルタ100の減衰特性(挿入
損失)を測定したものであり、これらの図の(A)から
(E)に向かって逆バイアス電圧が次第に高く設定され
ている。これらの図に示すように、逆バイアス電圧を可
変したときに減衰のピークや各周波数における減衰量が
変化しており、この測定結果からもバイアス電圧を変え
ることによりローパスフィルタ100の周波数特性を可
変できることが確かめられた。
【0039】上述した構造および等価回路を有する本実
施例のローパスフィルタ100は、そのままの構造を用
いることにより入力信号の位相を所定の角度だけずらす
移相器として動作させることができる。すなわち、本実
施例のローパスフィルタ100は、集中定数型の1段の
ローパスフィルタを多数段直列に接続したものに相当し
ており、信号の位相を各分割部分において所定角度遅ら
すように動作する。したがって、ローパスフィルタ10
0全体としては、入力信号の位相を所定の角度αだけ遅
らせた出力信号を出力する。
施例のローパスフィルタ100は、そのままの構造を用
いることにより入力信号の位相を所定の角度だけずらす
移相器として動作させることができる。すなわち、本実
施例のローパスフィルタ100は、集中定数型の1段の
ローパスフィルタを多数段直列に接続したものに相当し
ており、信号の位相を各分割部分において所定角度遅ら
すように動作する。したがって、ローパスフィルタ10
0全体としては、入力信号の位相を所定の角度αだけ遅
らせた出力信号を出力する。
【0040】また、従来のRCローパスフィルタを用い
た移相器では、1段のフィルタによって理論的には90
度まで信号の位相を遅らすことができる。したがって、
実際に信号の位相を180度までの任意の角度遅らそう
とすると、最大3段のフィルタを直列接続するととも
に、各フィルタ内の抵抗値とキャパシタンスとを調整す
ることになる。ところが、本実施例の移相器によれば、
ゲート電極12のゲート長を変えるだけで任意の角度位
相を遅らすことができるため、設計や移相量の調整が容
易となる。
た移相器では、1段のフィルタによって理論的には90
度まで信号の位相を遅らすことができる。したがって、
実際に信号の位相を180度までの任意の角度遅らそう
とすると、最大3段のフィルタを直列接続するととも
に、各フィルタ内の抵抗値とキャパシタンスとを調整す
ることになる。ところが、本実施例の移相器によれば、
ゲート電極12のゲート長を変えるだけで任意の角度位
相を遅らすことができるため、設計や移相量の調整が容
易となる。
【0041】また、制御電極24に印加する電圧を可変
に制御することにより時定数を変えることができるた
め、外部からの制御により移相器における移相量を可変
に制御できる点はローパスフィルタ100と同じであ
る。
に制御することにより時定数を変えることができるた
め、外部からの制御により移相器における移相量を可変
に制御できる点はローパスフィルタ100と同じであ
る。
【0042】図6は、実際に試作したローパスフィルタ
100を移相器として用いた場合の位相特性を測定した
結果を示す図である。
100を移相器として用いた場合の位相特性を測定した
結果を示す図である。
【0043】同図の(A)から(E)に向かってゲート
電極12に印加する逆バイアス電圧が次第に高く設定さ
れている。同図に示すように、逆バイアス電圧を可変し
たときに位相特性も変化しており、バイアス電圧を変え
ることにより移相量可変の移相器として使用できること
が確かめられた。
電極12に印加する逆バイアス電圧が次第に高く設定さ
れている。同図に示すように、逆バイアス電圧を可変し
たときに位相特性も変化しており、バイアス電圧を変え
ることにより移相量可変の移相器として使用できること
が確かめられた。
【0044】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が
可能である。
のではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が
可能である。
【0045】例えば、図1に構造を示した本実施例のロ
ーパスフィルタ100(あるいは移相器)は、一般のM
OSトランジスタと比べるとチャネル26が長いためこ
のチャネル26が高抵抗を有しており、ソース14およ
びドレイン16のそれぞれに接続された2つの入出力電
極18,20間で信号レベルの減衰が生じる。そのた
め、本実施例のローパスフィルタ100(あるいは移相
器)を回路の一部として使用する場合には、出力側に高
入力インピーダンスのバッファを接続することが望まし
い。
ーパスフィルタ100(あるいは移相器)は、一般のM
OSトランジスタと比べるとチャネル26が長いためこ
のチャネル26が高抵抗を有しており、ソース14およ
びドレイン16のそれぞれに接続された2つの入出力電
極18,20間で信号レベルの減衰が生じる。そのた
め、本実施例のローパスフィルタ100(あるいは移相
器)を回路の一部として使用する場合には、出力側に高
入力インピーダンスのバッファを接続することが望まし
い。
【0046】図7は、出力側にバッファを接続した例を
示す図である。同図(A)は、バッファとしてMOS−
FET28と抵抗30とからなるソースホロワ回路32
を用いた場合を示している。このソースホロワ回路32
を構成するMOS−FET28は、本実施例のローパス
フィルタ100と同じMOS構造を有しているため、こ
のソースホロワ回路32を含めた全体を共通の半導体基
板上に一体的に形成することができる。
示す図である。同図(A)は、バッファとしてMOS−
FET28と抵抗30とからなるソースホロワ回路32
を用いた場合を示している。このソースホロワ回路32
を構成するMOS−FET28は、本実施例のローパス
フィルタ100と同じMOS構造を有しているため、こ
のソースホロワ回路32を含めた全体を共通の半導体基
板上に一体的に形成することができる。
【0047】また、同図(B)は、バッファとして2つ
のバイポーラトランジスタ34,36と抵抗38とから
なるエミッタホロワ回路40を用いた場合を示してい
る。ローパスフィルタ100(MOS構造)とバイポー
ラトランジスタでは構造が若干異なるがどちらも半導体
基板上に形成するものであるため、このエミッタホロワ
回路40を含めた全体を共通の半導体基板上に一体的に
形成することができる。
のバイポーラトランジスタ34,36と抵抗38とから
なるエミッタホロワ回路40を用いた場合を示してい
る。ローパスフィルタ100(MOS構造)とバイポー
ラトランジスタでは構造が若干異なるがどちらも半導体
基板上に形成するものであるため、このエミッタホロワ
回路40を含めた全体を共通の半導体基板上に一体的に
形成することができる。
【0048】また、同図(C)は、バッファとして作動
増幅器(オペアンプ)42を用いた場合を示している。
作動増幅器42の構造は、上述したソースホロワ回路3
2やエミッタホロワ回路40に比べると複雑であるが半
導体基板上に形成できる点は同じであり、全体を一体成
形することができる。
増幅器(オペアンプ)42を用いた場合を示している。
作動増幅器42の構造は、上述したソースホロワ回路3
2やエミッタホロワ回路40に比べると複雑であるが半
導体基板上に形成できる点は同じであり、全体を一体成
形することができる。
【0049】このように、出力側にバッファを設けるこ
とにより、ローパスフィルタ100によって所定の高周
波成分のみを除去するとともに、あるいは移相器によっ
て所定の移送量分だけ位相を遅らせるとともに、チャネ
ル26によって減衰した信号レベルが増幅により復元さ
れて、SN比が良好な出力信号を得ることができる。
とにより、ローパスフィルタ100によって所定の高周
波成分のみを除去するとともに、あるいは移相器によっ
て所定の移送量分だけ位相を遅らせるとともに、チャネ
ル26によって減衰した信号レベルが増幅により復元さ
れて、SN比が良好な出力信号を得ることができる。
【0050】また、上述した各種のバッファの代わりに
レベル変換回路を接続するようにしてもよい。
レベル変換回路を接続するようにしてもよい。
【0051】図8は、出力側にレベル変換回路を接続し
た例を示す図である。同図(A)は、レベル変換回路と
して2つのエミッタホロワ回路44,46を直列に接続
した場合を示している。また、同図(B)はレベル変換
回路として2つのソースホロワ回路48,50を直列に
接続した場合を示している。
た例を示す図である。同図(A)は、レベル変換回路と
して2つのエミッタホロワ回路44,46を直列に接続
した場合を示している。また、同図(B)はレベル変換
回路として2つのソースホロワ回路48,50を直列に
接続した場合を示している。
【0052】このように、出力側にレベル変換回路を接
続することにより、ローパスフィルタ100(あるいは
移相器)のチャネル26によって減衰した信号レベルが
増幅されるとともに、所定のレベル変換あるいはレベル
補正を容易に行うことができる。なお、これらのレベル
変換回路もローパスフィルタ100等と共通の半導体基
板に一体成形することができる点は、上述したバッファ
の場合と同じである。
続することにより、ローパスフィルタ100(あるいは
移相器)のチャネル26によって減衰した信号レベルが
増幅されるとともに、所定のレベル変換あるいはレベル
補正を容易に行うことができる。なお、これらのレベル
変換回路もローパスフィルタ100等と共通の半導体基
板に一体成形することができる点は、上述したバッファ
の場合と同じである。
【0053】また、上述した実施例のローパスフィルタ
100(あるいは移相器)は、半導体基板10を利用し
て形成されるため、バッファやその他の回路とともにL
SI等の基板上に一体成形することができるが、必ずし
もLSI等の一部として形成する必要はなく、半導体基
板10上にローパスフィルタ100(あるいは移相器)
を形成した後にゲート電極12および入出力電極18,
20のそれぞれに端子付けを行って、単体の素子として
形成するようにしてもよい。この場合には、同一の半導
体基板上に複数個のローパスフィルタ100(あるいは
移相器)を同時に形成し、その後半導体基板を切り離し
て各素子に端子付けを行うようにすれば、容易に大量生
産が可能となる。特に、このようにして切り離された各
素子のパッケージングの方法としては、化学液相法を利
用することもできる。
100(あるいは移相器)は、半導体基板10を利用し
て形成されるため、バッファやその他の回路とともにL
SI等の基板上に一体成形することができるが、必ずし
もLSI等の一部として形成する必要はなく、半導体基
板10上にローパスフィルタ100(あるいは移相器)
を形成した後にゲート電極12および入出力電極18,
20のそれぞれに端子付けを行って、単体の素子として
形成するようにしてもよい。この場合には、同一の半導
体基板上に複数個のローパスフィルタ100(あるいは
移相器)を同時に形成し、その後半導体基板を切り離し
て各素子に端子付けを行うようにすれば、容易に大量生
産が可能となる。特に、このようにして切り離された各
素子のパッケージングの方法としては、化学液相法を利
用することもできる。
【0054】図9は、化学液相法による端子付けを説明
するための図である。同図(A)は平面図であり、図1
(A)に示した平面構造と比べると、入出力電極18,
20および制御電極24のそれぞれが短く設定されてい
る。また、図9(B)は同図(A)のB−B線断面図で
ある。
するための図である。同図(A)は平面図であり、図1
(A)に示した平面構造と比べると、入出力電極18,
20および制御電極24のそれぞれが短く設定されてい
る。また、図9(B)は同図(A)のB−B線断面図で
ある。
【0055】図9に示すように、切り離されたチップ
(素子)の全表面に、化学液相法により絶縁膜としてシ
リコン酸化膜52を形成し、エッチングにより電極12
(あるいは24),18,20上のシリコン酸化膜52
を除去して孔をあけ、その孔を半田54で表面に盛り上
がる程度に封じることにより、この突出した半田54が
端子として機能する。したがって、この突出した半田5
4をプリント配線基板のランドと直接接触させることが
できるので、表面実装に際して好都合である。
(素子)の全表面に、化学液相法により絶縁膜としてシ
リコン酸化膜52を形成し、エッチングにより電極12
(あるいは24),18,20上のシリコン酸化膜52
を除去して孔をあけ、その孔を半田54で表面に盛り上
がる程度に封じることにより、この突出した半田54が
端子として機能する。したがって、この突出した半田5
4をプリント配線基板のランドと直接接触させることが
できるので、表面実装に際して好都合である。
【0056】なお、素子表面の保護膜に合成樹脂等の他
の絶縁材料を使用してもよく、保護膜の穿孔にレーザ光
線を利用してもよい。また、半田54が盛られる電極1
2,18等は、図9(B)に示すようにその表面をほぼ
同一面(すなわち同一高さ)に形成することが望まし
い。この場合には半田54の各高さもほぼ同一となるた
め、表面実装に対してさらに好都合となる。
の絶縁材料を使用してもよく、保護膜の穿孔にレーザ光
線を利用してもよい。また、半田54が盛られる電極1
2,18等は、図9(B)に示すようにその表面をほぼ
同一面(すなわち同一高さ)に形成することが望まし
い。この場合には半田54の各高さもほぼ同一となるた
め、表面実装に対してさらに好都合となる。
【0057】図10は、上述した実施例のローパスフィ
ルタ100(あるいは位相回路)に入出力保護回路を追
加した場合の構成の一例を示す図である。ローパスフィ
ルタ100等を単体で形成した場合において、ゲート電
極12に静電気によって発生する高電圧が印加される
と、ゲート電極12と半導体基板10の間に介在するゲ
ート酸化膜22が破壊される。したがって、この静電気
によるゲート酸化膜22の破壊を防止するために保護回
路が必要となる。
ルタ100(あるいは位相回路)に入出力保護回路を追
加した場合の構成の一例を示す図である。ローパスフィ
ルタ100等を単体で形成した場合において、ゲート電
極12に静電気によって発生する高電圧が印加される
と、ゲート電極12と半導体基板10の間に介在するゲ
ート酸化膜22が破壊される。したがって、この静電気
によるゲート酸化膜22の破壊を防止するために保護回
路が必要となる。
【0058】同図に示す保護回路は、ともに複数のダイ
オードと抵抗とにより構成されており、ゲート電極12
に高電圧が印加されると、動作電源ライン側あるいは筐
体アース側に電流がバイパスされるようになっている。
特に、同図(A)に示す回路では数100V、同図
(B)に示す回路では1000〜2000Vの静電耐量
があり、使用環境等に応じて使用する保護回路を適宜選
択することができる。
オードと抵抗とにより構成されており、ゲート電極12
に高電圧が印加されると、動作電源ライン側あるいは筐
体アース側に電流がバイパスされるようになっている。
特に、同図(A)に示す回路では数100V、同図
(B)に示す回路では1000〜2000Vの静電耐量
があり、使用環境等に応じて使用する保護回路を適宜選
択することができる。
【0059】また、上述した実施例では、シリコン等の
半導体材料を例にとり説明したが、ゲルマニウムやガリ
ウム砒素あるいはアモルファスシリコン等の非晶質材料
を用いるようにしてもよい。
半導体材料を例にとり説明したが、ゲルマニウムやガリ
ウム砒素あるいはアモルファスシリコン等の非晶質材料
を用いるようにしてもよい。
【0060】
【発明の効果】上述したように請求項1の発明によれ
ば、ゲート電極に対応して形成される長尺形状のチャネ
ルそのものが抵抗体となるとともにチャネルとゲート電
極間にキャパシタが形成され、しかもこれらが分布定数
的に形成されている。したがって、分布定数的に結合し
た抵抗とキャパシタの微小部分をみると抵抗とキャパシ
タとからなるローパスフィルタが形成され、これらが多
段に結合されて全体としてMOS構造を有する1つの素
子によってローパスフィルタが構成されるため、構成の
簡略化が可能となる。
ば、ゲート電極に対応して形成される長尺形状のチャネ
ルそのものが抵抗体となるとともにチャネルとゲート電
極間にキャパシタが形成され、しかもこれらが分布定数
的に形成されている。したがって、分布定数的に結合し
た抵抗とキャパシタの微小部分をみると抵抗とキャパシ
タとからなるローパスフィルタが形成され、これらが多
段に結合されて全体としてMOS構造を有する1つの素
子によってローパスフィルタが構成されるため、構成の
簡略化が可能となる。
【0061】また、請求項2の発明によれば、上述した
ゲート電極に印加する制御電圧を変えることによりチャ
ネル抵抗を可変に制御し、これにより分布定数的に形成
された抵抗体とキャパシタとにより決定されるローパス
フィルタの時定数を変更しようとするものであり、ロー
パスフィルタの構成の簡略化が可能であるとともに、外
部から印加する制御電圧の値を変えることにより時定数
を変更して周波数特性を変えることができる。
ゲート電極に印加する制御電圧を変えることによりチャ
ネル抵抗を可変に制御し、これにより分布定数的に形成
された抵抗体とキャパシタとにより決定されるローパス
フィルタの時定数を変更しようとするものであり、ロー
パスフィルタの構成の簡略化が可能であるとともに、外
部から印加する制御電圧の値を変えることにより時定数
を変更して周波数特性を変えることができる。
【0062】また、請求項3の発明によれば、上述した
ゲート電極の長さのみを変更することにより、ローパス
フィルタの時定数を任意に、しかも大幅に変更すること
ができ、設計あるいは特性の調整が容易となる。
ゲート電極の長さのみを変更することにより、ローパス
フィルタの時定数を任意に、しかも大幅に変更すること
ができ、設計あるいは特性の調整が容易となる。
【0063】また、請求項4の発明によれば、アルミニ
ウム等の金属材料に比べて抵抗値が大きいチャネルを介
することにより電圧レベルが減衰した信号を、SN比が
良好な元の信号に復元することが可能となる。
ウム等の金属材料に比べて抵抗値が大きいチャネルを介
することにより電圧レベルが減衰した信号を、SN比が
良好な元の信号に復元することが可能となる。
【0064】また、請求項5の発明によれば、静電気に
よる高電圧が印加されたときに、入力保護回路によって
動作電源ライン側あるいはアース側にバイパス電流が流
れ、ゲート電極と半導体基板との間の絶縁破壊を防止す
ることができる。
よる高電圧が印加されたときに、入力保護回路によって
動作電源ライン側あるいはアース側にバイパス電流が流
れ、ゲート電極と半導体基板との間の絶縁破壊を防止す
ることができる。
【0065】また、請求項6の発明によれば、上述した
各請求項のローパスフィルタの抵抗とキャパシタとが分
布定数的に形成された充放電回路として機能するため、
その時定数に応じた信号の遅延量(移相量)が設定され
た移相器として動作することができる。この場合であっ
ても、基本的な構成は上述ししたローパスフィルタと変
わりはなく、移相器の構成の簡略化が可能であるととも
に、外部から印加する制御電圧の値を変えることにより
時定数を変更して移相量を変えることができる。
各請求項のローパスフィルタの抵抗とキャパシタとが分
布定数的に形成された充放電回路として機能するため、
その時定数に応じた信号の遅延量(移相量)が設定され
た移相器として動作することができる。この場合であっ
ても、基本的な構成は上述ししたローパスフィルタと変
わりはなく、移相器の構成の簡略化が可能であるととも
に、外部から印加する制御電圧の値を変えることにより
時定数を変更して移相量を変えることができる。
【図1】本発明のローパスフィルタを適用した一実施例
の構造を示す図である。
の構造を示す図である。
【図2】一実施例のローパスフィルタの等価回路を示す
図である。
図である。
【図3】本実施例のローパスフィルタにおいて逆バイア
ス電圧とカットオフ周波数との関係を測定した結果を示
す図である。
ス電圧とカットオフ周波数との関係を測定した結果を示
す図である。
【図4】本実施例のローパスフィルタにおいて逆バイア
ス電圧を可変して減衰特性を測定した結果を示す図であ
る。
ス電圧を可変して減衰特性を測定した結果を示す図であ
る。
【図5】本実施例のローパスフィルタにおいて逆バイア
ス電圧を可変して減衰特性を測定した結果を示す図であ
る。
ス電圧を可変して減衰特性を測定した結果を示す図であ
る。
【図6】本実施例のローパスフィルタを移相器として用
いた場合において逆バイアス電圧を可変して位相特性を
測定した結果を示す図である。
いた場合において逆バイアス電圧を可変して位相特性を
測定した結果を示す図である。
【図7】ローパスフィルタにバッファを追加した構成を
示す図である。
示す図である。
【図8】ローパスフィルタにレベル変換回路を追加した
構成を示す図である。
構成を示す図である。
【図9】化学液相法による端子付けを説明するための図
である。
である。
【図10】ローパスフィルタに入力保護回路を追加した
構成を示す図である。
構成を示す図である。
【図11】従来の代表的なRCローパスフィルタの一例
を示す図である。
を示す図である。
10 半導体基板 12 ゲート電極 14 ソース 16 ドレイン 18,20 入出力電極 22 ゲート酸化膜 24 制御電極 26 チャネル
Claims (6)
- 【請求項1】 半導体基板表面に絶縁層を挟んで形成さ
れた長尺のゲート電極と、 前記半導体基板表面近傍であって前記ゲート電極の長手
方向の両端近傍に設けられたソースおよびドレインと、 を備え、前記ゲート電極に対応して前記半導体基板表面
に形成されるチャネルを信号入出力路として使用するこ
とを特徴とするローパスフィルタ。 - 【請求項2】 請求項1において、 前記ゲート電極に印加する所定の制御電圧を変えること
により前記チャネルの抵抗を変更してフィルタの時定数
を変えることを特徴とするローパスフィルタ。 - 【請求項3】 請求項1または2において、 前記チャネルの抵抗Rと前記チャネルと前記ゲート電極
間のキャパシタンスCとの積RCが、前記ゲート電極の
ゲート長Lの二乗に比例して変化することを特徴とする
ローパスフィルタ。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかにおいて、 前記信号入出力路の出力側に、前記チャネルを介して出
力される信号を増幅するバッファを接続したことを特徴
とするローパスフィルタ。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかにおいて、 前記ゲート電極に過電圧を動作電源ライン側あるいはア
ース側にバイパスさせる保護回路を設けたことを特徴と
するローパスフィルタ。 - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかのローパスフィ
ルタを用いて、入力信号の位相を所定の角度ずらすこと
を特徴とする移相器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10764294A JPH07297664A (ja) | 1994-04-22 | 1994-04-22 | ローパスフィルタおよび移相器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10764294A JPH07297664A (ja) | 1994-04-22 | 1994-04-22 | ローパスフィルタおよび移相器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07297664A true JPH07297664A (ja) | 1995-11-10 |
Family
ID=14464376
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10764294A Pending JPH07297664A (ja) | 1994-04-22 | 1994-04-22 | ローパスフィルタおよび移相器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07297664A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012099602A (ja) * | 2010-11-01 | 2012-05-24 | Renesas Electronics Corp | 半導体装置 |
CN108259021A (zh) * | 2018-01-10 | 2018-07-06 | 广西师范大学 | 一种cmos宽带分布式可调带通滤波器 |
-
1994
- 1994-04-22 JP JP10764294A patent/JPH07297664A/ja active Pending
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Legal Events
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A02 | Decision of refusal |
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