JP3289846B2 - モールドトランスの絶縁構造 - Google Patents

モールドトランスの絶縁構造

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スイッチングトランス
等に使用される、モールドトランスに関し、特に一次巻
線及び二次巻線との間の絶縁構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、このようなモールドトランスは、
図9に示すように、構成されている。図9において、モ
ールドトランス1は、モールド巻線部2と、このモール
ド巻線部2の中空部内に挿入された磁芯3とから構成さ
れている。
【0003】このモールド巻線部2は、図1の斜線で示
す部分にて切断した一部断面図である図10に示すよう
に、ボビン4に対して、一次巻線5を巻回した後、この
一次巻線5の周りに、絶縁層6を配設し、この絶縁層6
の上から、二次巻線7を巻回し、最後に、この一次巻線
5及び二次巻線7を樹脂モールド部8によって、被覆す
ることにより、構成されている。
【0004】ここで、上記絶縁層6は、例えば絶縁テー
プを巻回することにより、形成されている。この絶縁テ
ープは、各巻線,即ち一次巻線5及び二次巻線7の幅に
ほぼ等しい幅を有している。
【0005】このような構成のモールドトランスの絶縁
構造によれば、一次巻線5及び二次巻線7は、絶縁層6
によって、互いに絶縁されることになる。
【0006】ところで、北欧の民生機器用安全規格にお
いては、上記絶縁層6と樹脂モールド部8との間に、界
面が存在するとみなされ、この界面に関して、所定の沿
面距離を確保することが要求されている。従って、北欧
輸出用の各種民生機器に対して、モールドトランス1を
組み込むような場合には、沿面距離を確保するために、
モールドトランスは、図11に示すように、構成されて
いる。図11において、モールド巻線部9は、その絶縁
層6の幅が、一次巻線5及び二次巻線7の幅より広く選
定されている。これにより、この絶縁層6は、図面に
て、各巻線5及び7の縁部を越えて突出するようになっ
ている。
【0007】この構成により、モールド巻線部9では、
絶縁層6と樹脂モールド部の沿面距離が図10の場合に
比較して、モールドトランス領域にて、矢印で示すよう
に、比較的長くなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構成のモールドトランスのアース構造においては、
北欧仕様の場合、絶縁層6が上下に長く形成されている
ために、モールドトランス全体が大型化してしまうとい
う問題があった。また、通常のモールド巻線部2と北欧
仕様のモールド巻線部9を用意して、二種類のモールド
トランス1を生産する必要があった。従って、生産性が
悪く、生産コストが高くなってしまうという問題があっ
た。
【0009】本発明は、以上の点に鑑み、小型に構成で
きると共に、生産性が高く、低コストで生産できるよう
にした、モールドトランスの絶縁構造を提供することを
目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的は、請求項1の
発明によれば、モールド巻線部と、このモールド巻線部
の中空部内に挿入された磁芯とから構成されており、こ
のモールド巻線部が、一次巻線と、この一次巻線の上に
配設された絶縁層と、この絶縁層の上から巻回された二
次巻線と、この一次巻線,絶縁層及び二次巻線を被覆す
る樹脂モールド部とを備えるモールドトランスの絶縁構
造において、上記絶縁層が、上記一次巻線及び上記二次
巻線に接触する部分では、上記一次巻線と二次巻線の各
幅とほぼ一致する設定され、かつ、上記絶縁層の上記一
次巻線と接触する部分と、二次巻線に接触する部分との
間では、これら一次巻線と二次巻線の各幅よりも狭く設
定されている箇所を備える、モールドトランスの絶縁構
造により、達成される。
【0011】請求項2の発明は、請求項1の構成におい
て、上記切欠部が、断面V字状またはW字状であること
を特徴とする。
【0012】また、本発明による絶縁構造は、好ましく
は、この絶縁層が、絶縁テープを巻回することにより、
形成されている。
【0013】
【作用】上記構成によれば、絶縁層が、好ましくはV字
状またはW字状に成形された切欠部を有していることに
より、この絶縁層と樹脂モールド部との界面が、内側に
向かって突出することになり、その沿面距離が長くな
り、所定の沿面距離が確保できる。また、この絶縁層と
樹脂モールド部との界面が、一次巻線及び二次巻線の幅
よりも外側に突出しないことから、モールドトランス全
体が、小型に構成できる。
【0014】上記絶縁層が、絶縁テープを巻回すること
により形成されている場合には、この絶縁層は、この絶
縁テープを巻回するだけの簡単な作業によって、容易に
形成できることになる。
【0015】
【実施例】以下、この発明の好適な実施例を図1乃至図
8を参照しながら、詳細に説明する。尚、以下に述べる
実施例は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に
好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲
は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載
がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0016】図1は、本発明により構成した絶縁構造を
組み込んだモールドトランスの一実施例を示している。
図1において、モールドトランス10は、モールド巻線
部11と、このモールド巻線部11の中空部内に挿入さ
れた磁芯12とから構成されている。
【0017】このモールド巻線部11は、その一部断面
図である図2に示すように、ボビン13に対して、一次
巻線14を巻回した後、この一次巻線14の周りに、絶
縁層15を配設し、この絶縁層15の上から、二次巻線
16を巻回し、最後に、この一次巻線14,絶縁層15
及び二次巻線16を樹脂モールド部17によって、被覆
することにより、構成されている。
【0018】ここで、上記絶縁層15は、例えば絶縁テ
ープ18(後述)を巻回することにより、形成されてい
る。さらに、絶縁層15が、その両縁に、V字状の切欠
部15a,15bを備えている点で、異なる構成であ
る。
【0019】ここで、絶縁テープ18は、図3に示すよ
うに、両端で、一次巻線14及び二次巻線16と同じ幅
を有するように、比較的幅が広く形成され、且つ中央付
近で、比較的幅が狭く形成されている。このような形状
の絶縁テープ18を一次巻線14の周りに巻回すること
により、断面がV字状の切欠部15a,15bを有する
絶縁層15が得られることになる(図2参照)。
【0020】本実施例は、以上のように構成されてお
り、一次巻線14及び二次巻線16は、絶縁層15によ
って、互いに絶縁されることになる。その際、この絶縁
層15がV字状の切欠部15a,15bを有しているの
で、この絶縁層15と樹脂モールド部17との界面は、
切欠部15a,15bがない場合に比較して、沿面距離
が長くなる。
【0021】例えば、図4に示すように、絶縁層15の
厚さが安全規格で要求される0.4mmである場合、切
欠部15a,15bの深さを約3mmとすると、沿面距
離は、6mmとなって、安全規格を満たすことになる。
この場合、モールドトランス10は、この絶縁層15
が、一次巻線14及び二次巻線16の外側に突出してい
ないので、大型になってしまうようなことはない。
【0022】上記絶縁テープ18は、例えば12ミクロ
ン厚のPETフィルムを、図3に示すように、両端に
て、一次巻線14及び二次巻線16と同じ幅、即ち14
mmとし、中央付近にて、1ターン以上の長さに亘っ
て、約3mmづつ狭い8mmとなるように形成し、一次
巻線14の周りに巻回する。これにより、上述のように
V字状の切欠部15a,15bを有する絶縁層15が得
られる。
【0023】ここで、上記絶縁層15のV字状の切欠部
15a,15bにおける放電経路は、図5(A)にて矢
印で示すように、一次巻線14または二次巻線16に対
して垂直な絶縁物のみの経路と、また図5(B)に示す
ように、界面に沿った経路とがあり、安全規格の要求
が、絶縁厚0.4mmまたは沿面距離6mmであること
から、それぞれの絶縁性能値を、1とする。
【0024】これらに基づいて、図4にて太線で示すよ
うな放電経路Lの場合について、説明する。この場合、
V字状の切欠部15aの左右にて下端からの距離を、そ
れぞれA,Bとする。また、放電経路Lを、左側から順
次に、L1,L2,L3,L4に分割する。各放電経路
の部分L1,L2,L3,L4における絶縁性能値は、
幾何学上の相似条件に基づいて、以下のようになる。 L1 : (0.2×B/3)/0.4 L2 : (3×(3−B)/3)/6 L3 : (0.2×A/3)/0.4 L4 : (3×(3−A)/3)/6 従って、各部分L1,L2,L3,L4における絶縁性
能値の和をとると、A,Bの値にかかわらず、全体の放
電経路の絶縁性能値は、1となる。
【0025】ところで、絶縁層15が、図6に示すよう
に、「コ」字状に内側に向かって約2.8mmだけ突出
した厚さ0.2mmの切欠部15cを有している場合に
は、図6において太線で示す放電経路では、絶縁厚0.
2mm+沿面距離0.2mmとなる。従って、絶縁性能
値は、 (0.2/0.4)+(0.2/6)=0.533 となり、安全規格を満たす1にはなり得ない。かくし
て、V字状の切欠部15aが、絶縁性能値の点で優れて
いることが分かる。
【0026】図7は、本発明によるモールドトランスの
他の実施例を示している。図7において、モールドトラ
ンスを構成するモールド巻線部20は、その一次巻線1
4と二次巻線16の間に配設される絶縁層15が、その
両縁にて、W字状の切欠部15d,15eを備えている
点で、図1及び図2のモールドトランス10と異なる構
成である。この構成によれば、図1及び図2のモールド
トランス10の場合と同様に、放電経路は、常に絶縁性
能値1となる。従って、安全規格を満たすモールドトラ
ンスが得られることになる。
【0027】また、図8は、本発明によるモールドトラ
ンスのさらに他の実施例を示している。図8において、
モールドトランスを構成するモールド巻線部30は、そ
の一次巻線14と二次巻線16の間に配設される絶縁層
15が、その両縁にて、断面が実質的にV字状である
が、互いに非対称の形状の切欠部15f,15gを有し
ている。
【0028】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、こ
の絶縁層と樹脂モールド部との界面が、内側に向かって
突出することになり、その沿面距離が長くなる。従っ
て、容易に所定の沿面距離が確保できる。さらに、この
絶縁層と樹脂モールド部との界面が、一次巻線及び二次
巻線の幅よりも外側に突出しないことから、モールドト
ランス全体が、小型に構成できる。これにより、北欧仕
様の場合であっても、絶縁層が、一次巻線及び二次巻線
の縁部を越えて突出しないので、他の地域向けのモール
ドトランスと同様に小型化できることになる。かくし
て、北欧仕様及びその他の地域用の二種類のモールドト
ランスを用意する必要がない。これにより、生産性が向
上し、生産コストが低減できることになる。また、上記
絶縁層が、絶縁テープを巻回することにより構成される
場合には、この絶縁層が、簡単に構成できることにな
り、より一層生産コストが低減できることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による絶縁構造を組み込んだモールドト
ランスの一実施例を示す斜視図である。
【図2】図1のモールドトランスのモールド巻線部を示
す概略断面図である。
【図3】図2のモールド巻線部の絶縁層を構成するため
の絶縁テープの展開図である。
【図4】図2のモールド巻線部の絶縁層の縁部における
切欠部の拡大断面図である。
【図5】図4の切欠部付近の(A)絶縁物及び(B)界
面に沿った放電経路の説明図である。
【図6】「コ」字状の切欠部の場合の放電経路を示す説
明図である。
【図7】本発明による他の実施例におけるモールド巻線
部の断面図である。
【図8】本発明によるさらに他の実施例におけるモール
ド巻線部の断面図である。
【図9】従来のモールドトランスの一例を示す分解斜視
図である。
【図10】図9のモールドトランスのモールド巻線部を
示す概略断面図である。
【図11】図9のモールドトランスの北欧仕様のモール
ド巻線部を示す概略断面図である。
【符号の説明】
10 モールドトランス 11 モールド巻線部 12 磁芯 13 ボビン 14 一次巻線 15 絶縁層 15a 切欠部 15b 切欠部 15d 切欠部 15e 切欠部 16 二次巻線 17 樹脂モールド部 18 絶縁テープ 20 モールド巻線部 30 モールド巻線部

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モールド巻線部と、このモールド巻線部
    の中空部内に挿入された磁芯とから構成されており、こ
    のモールド巻線部が、一次巻線と、この一次巻線の上に
    配設された絶縁層と、この絶縁層の上から巻回された二
    次巻線と、この一次巻線,絶縁層及び二次巻線を被覆す
    る樹脂モールド部とを備えるモールドトランスの絶縁構
    造において、上記絶縁層が、 上記一次巻線及び上記二次巻線に接触する部分では、上
    記一次巻線と二次巻線の各幅とほぼ一致する幅に設定さ
    れ、 かつ、上記絶縁層の上記一次巻線と接触する部分と、二
    次巻線に接触する部分との間では、これら一次巻線と二
    次巻線の各幅よりも狭く設定されている箇所を備える
    とを特徴とする、モールドトランスの絶縁構造。
  2. 【請求項2】 前記切欠部が、断面V字状であることを
    特徴とする、請求項1に記載のモールドトランスの絶縁
    構造。
  3. 【請求項3】 前記絶縁層が、上記一次巻線及び上記二
    次巻線に接触する部分では、上記一次巻線と二次巻線の
    各幅とほぼ一致する幅とされ、上記絶縁層の上記一次巻
    線と接触する部分と、二次巻線に接触する部分との間で
    は、これら一次巻線と二次巻線の各幅よりも狭くなるよ
    うに形成された絶縁テープを巻回することにより、形成
    されていることを特徴とする、請求項1または2に記載
    のモールドトランスの絶縁構造。
  4. 【請求項4】 前記切欠部が、断面W字状であることを
    特徴とする、請求項1に記載のモールドトランスの絶縁
    構造。
  5. 【請求項5】 前記絶縁層が、上記一次巻線及び上記二
    次巻線に接触する部分ならびに、これらの各部分の中間
    では、上記一次巻線と二次巻線の各幅とほぼ一致する幅
    とされ、これら上記一次巻線に接触する部分と上記中間
    の部分との間の位置、及び上記中間の部分と上記二次巻
    線と接触する部分との間の位置においては、上記一次巻
    線と二次巻線の各幅よりも狭くなるように形成された絶
    縁テープを巻回することにより、形成されていることを
    特徴とする、請求項4に記載のモールドトランスの絶縁
    構造。
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