JP2000100618A - 巻線部品用ボビン - Google Patents

巻線部品用ボビン

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JP2000100618A
JP2000100618A JP10272372A JP27237298A JP2000100618A JP 2000100618 A JP2000100618 A JP 2000100618A JP 10272372 A JP10272372 A JP 10272372A JP 27237298 A JP27237298 A JP 27237298A JP 2000100618 A JP2000100618 A JP 2000100618A
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Japan
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bobbin
flange
wall
coil
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JP10272372A
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Tomoaki Yajima
智明 矢島
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Japan Radio Co Ltd
Nagano Japan Radio Co Ltd
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Japan Radio Co Ltd
Nagano Japan Radio Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 巻線の巻始め側端部と巻終わり側端部との絶
縁耐圧を向上させることができ、しかも、巻線部品の各
部間における絶縁性能を向上させることが可能な巻線部
品用ボビンを提供することを主目的とする。 【解決手段】 巻軸Wの巻幅方向における両端部にそれ
ぞれ鍔部3,4が延設されたボビン本体1を少なくとも
備え、鍔部3の巻軸2側の内壁3aに形成された開口部
7を介して鍔部3の外壁3b側の所定の巻線引出部位8
まで巻線Waを案内可能に構成された巻線部品用ボビン
1において、開口部7と巻線引出部位8とが鍔部3の鍔
面に対して非面対称部位にそれぞれ位置させられ、かつ
開口部7から巻線引出部位8まで巻線を案内可能な案内
路9aが鍔部3の厚み内に形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鍔部の巻軸側の内
壁に形成された開口部を介して鍔部の外壁側の巻線引出
部位まで巻線を案内可能に構成された巻線部品用ボビン
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の巻線部品用ボビンを用いた巻線
部品として、図12に示すコイル61が従来から知られ
ている。このコイル61は、図12,13に示すよう
に、筒状に形成された巻軸52および巻軸52の両端部
にそれぞれ延設された鍔53,54からなるボビン51
と、巻軸52の周面52bに巻き回された巻線Wと、巻
線Wの周囲に巻き回された絶縁用フィルムFと、巻軸5
2に形成されているコア挿入用孔52aに挿入された状
態でバンドBによって一体化された2つのC型のコアC
1,C2とを備えて構成されている。この場合、ボビン
51の鍔53における外壁53bには、図12に示すよ
うに、端子5a,5bが固定された端子台6a,6bが
形成されている。また、鍔53の縁部には、巻軸52に
巻き回した巻線Wの巻始め側端部Waおよび巻終わり側
端部Wbを端子5a,5b側にそれぞれ引き出すための
切欠き55a,55bが形成されている。
【0003】コイル61の組立てに際しては、まず、図
13に示すように、巻軸52の周面52bに、鍔53の
延設側から順に巻線Wを巻き回す。この際に、巻線Wの
巻始め側端部Waを巻軸52の周面52bから鍔53の
内壁53aに沿って切欠き55aまで引き上げ、切欠き
55aを介して端子5a側に引き出す。このとき、同図
に示すように、クロスオーバー絶縁用の絶縁テープTを
貼り付けることによって、巻線Wの巻始め側端部Waを
鍔53の内壁53aに密着固定する。続いて、鍔53,
54の間に所定の巻数となるまで幾重にも巻線Wを巻き
回した後に、図14に示すように、巻線Wの巻終わり側
端部Wbを鍔53の切欠き55bを介して端子5b側に
引き出す。次に、巻始め側端部Waおよび巻終わり側端
部Wbを端子5a,5bに巻き回した後に半田付けす
る。次いで、同図に示すように、巻線Wの周囲に絶縁用
フィルムFを巻き回す。この後、コアC1,C2をコア
挿入用孔52aの両端側からそれぞれ挿入し、バンドB
によって一体化させることにより、図12に示すよう
に、コイル61が完成する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のコイ
ル61に用いられているボビン51には、以下の問題点
がある。すなわち、従来のコイル61では、図15に示
すように、切欠き55aが鍔53の縁部に形成されてい
るため、切欠き55aまで引き上げた巻始め側端部Wa
と、巻軸52に巻き回されている巻終わり側端部Wbと
が、切欠き55aの近傍で接近する。したがって、この
コイル61では、最も電圧差が生じる巻始め側端部Wa
と巻終わり側端部Wbとを相互に絶縁するために、絶縁
テープTを貼付している。この場合、絶縁テープTの貼
付工程は、自動化が困難のため、人手に頼らざるをえな
い結果、コイル61の製造コストを上昇させているとい
う問題がある。また、落雷などに起因して高電圧が巻始
め側端部Waおよび巻終わり側端部Wbの間に印加され
た場合には、絶縁テープTの厚みでは、耐圧性能が不十
分であるという問題もある。
【0005】一方、切欠き55aをスリット状に形成す
ることも考えられ、この考え方を応用した場合、図1
6,17に示すボビン71を使用してのコイル81を構
成することができる。この場合、ボビン71は、図17
に示すように、筒状の巻軸72の両端部に鍔73,74
をそれぞれ延設し、鍔73の外壁73bには、端子5
a,5bを固定する端子台6a,6bを形成する。さら
に、鍔73には、巻線Wの巻始め側端部Waおよび巻終
わり側端部Wbを端子5a,5b側にそれぞれ引き出す
ためのスリット75aおよび切欠き75bを形成する。
このスリット75aは、ボビン51の切欠き55aとは
異なり、同図に示すように、鍔73の縁部から巻軸72
の周面72bまで切り込まれる。この構成によれば、巻
線Wの巻始め側端部Waを鍔73の内壁73aに沿って
縁部まで引き上げる必要がなく、図18に示すように、
周面72bからほぼ真横に巻始め側端部Waを引き出す
ことができる。したがって、巻始め側端部Waを巻終わ
り側端部Wbに接近させずに引き出すことができる結
果、絶縁テープTの貼付工程を省くことができ、しか
も、両端部Wa,Wb間の絶縁耐圧を向上させることが
できる。
【0006】ところが、このように構成したボビン71
にも、以下に述べる問題点がある。すなわち、このボビ
ン71では、スリット75aの最下端部から巻線Wの巻
始め側端部Waを外壁73b側に引き出している。この
ため、図18に示すように、スリット75aから引き出
された巻始め側端部Waと、コア挿入用孔72aに挿入
した状態のコアC1とが接近する。この場合、コアC
1,C2は、一般的には、グランド電位に接続される。
したがって、このボビン71には、巻線Wの両端部W
a,Wb間の絶縁性能を高めることはできるものの、ボ
ビン71をコイル81の一部品として位置付けた場合、
コイル81における各部との絶縁性能のバランスが極め
て悪いという問題がある。
【0007】本発明は、かかる問題点に鑑みてなされた
ものであり、巻線の巻始め側端部と巻終わり側端部との
絶縁耐圧を向上させることができ、しかも、巻線部品の
各部間における絶縁性能を向上させることが可能な巻線
部品用ボビンを提供することを主目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく請
求項1記載の巻線部品用ボビンは、巻軸の巻幅方向にお
ける両端部にそれぞれ鍔部が延設されたボビン本体を少
なくとも備え、鍔部の巻軸側の内壁に形成された開口部
を介して鍔部の外壁側の所定の巻線引出部位まで巻線を
案内可能に構成された巻線部品用ボビンにおいて、開口
部と巻線引出部位とが鍔部の鍔面に対して非面対称部位
にそれぞれ位置させられ、かつ開口部から巻線引出部位
まで巻線を案内可能な案内路が鍔部の厚み内に形成され
ていることを特徴とする。
【0009】請求項2記載の巻線部品用ボビンは、請求
項1記載の巻線部品用ボビンにおいて、巻線引出部位と
しての鍔部の縁部には、巻線を引き出すための引出口が
形成され、案内路は、引出口から開口部における巻軸側
の最下端部に亘って傾斜させられていることを特徴とす
る。
【0010】請求項3記載の巻線部品用ボビンは、請求
項1または2記載の巻線部品用ボビンにおいて、案内路
は、内壁と外壁とで溝状に形成されていることを特徴と
する。
【0011】請求項4記載の巻線部品用ボビンは、請求
項1または2記載の巻線部品用ボビンにおいて、両鍔部
の各外壁側からそれぞれはめ込むことによりボビン本体
をカバー可能な1対の絶縁用ケースをさらに備え、案内
路は、はめ込み状態の絶縁用ケースの内壁と、鍔部の内
壁とで溝状に形成されることを特徴とする。
【0012】請求項5記載の巻線部品用ボビンは、請求
項4記載の巻線部品用ボビンにおいて、絶縁用ケース
は、巻軸に巻き回された状態の巻線を覆う絶縁板を備
え、絶縁板と絶縁用ケースの上面部との間に形成される
内部空間と巻線引出部位とが連通可能に構成されると共
に、巻線引出部位および内部空間を介して、上面部に形
成された端子部まで巻線を引き出し可能に構成されてい
ることを特徴とする。
【0013】請求項6記載の巻線部品用ボビンは、請求
項3から5のいずれかに記載の巻線部品用ボビンにおい
て、案内路を形成する鍔部の内壁は、開口部側が薄肉に
形成されると共に巻線引出部位側が厚肉に形成されてい
ることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明に係る巻線部品用ボビンを用いたコイルの実施の形態
について説明する。なお、上記したコイル61,81と
同一の構成要素については、同一の符号を付して重複し
た説明を省略する。
【0015】最初に、コイル11について、各図を参照
して説明する。
【0016】コイル11は、図1に示すように、ボビン
1、巻線W、絶縁用フィルムF、例えば鉄心やフェライ
トで形成されたコアC1,C2、およびバンドBを備え
て構成されている。ボビン1は、本発明におけるボビン
本体に相当し、図2に示すように、コアC1,C2を挿
入可能なコア挿入用孔2aが形成された筒状の巻軸2
と、巻軸2の両端部にそれぞれ延設され、巻軸2の周面
2bに巻き回した巻線Wの巻き崩れを防止する鍔3,4
とを備えている。この場合、鍔3には、同図に示すよう
に、外壁3bに形成された端子台6a,6bに固定され
ている端子5a,5bまで巻線Wの巻始め側端部Waお
よび巻終わり側端部Wbをそれぞれ引き出すための溝9
および切欠き10が形成されている。
【0017】溝9は、図3に示すように、本発明におけ
る開口部に相当し内壁3aにおける鍔3の縁部から巻軸
2の周面2bまで切り込まれたスリット7と、鍔3の鍔
面に対してスリット7とは非面対称位置であって外壁3
b側の縁部に形成された引出口8とを連通させて形成さ
れている。この溝9の溝底である案内路9aは、引出口
8からスリット7の最下端部に亘って傾斜させられてお
り、スリット7を介して溝9内に導入された巻線Wを引
出口8に案内する。また、溝9を形成する鍔3の内壁3
aは、スリット7の形成側が薄肉に形成されると共に、
引出口8側に向けて徐々に厚肉となるように形成され、
引出口8の形成部位における内壁3aの厚みは、鍔3の
鍔厚よりも若干薄厚に形成されている。
【0018】このコイル11の組立てに際しては、ま
ず、図4に示すように、巻軸2の周面2bにおける鍔3
の延設側から順に巻線Wを巻き回す。この際に、巻線W
の巻始め側端部Waをスリット7を介して溝9内に導入
し、案内路9aに沿って引出口8まで引き上げた後に、
引出口8から端子5a側に引き出す。この際に、案内路
9aが引出口8からスリット7の最下端部に亘って傾斜
しているため、巻線Wを無理なく引出口8に引き出すこ
とができる。続いて、周面2bの鍔3から鍔4の間に巻
線Wを巻き回した後、巻線Wの巻終わり側端部Wbを切
欠き10を介して端子5b側に引き出す。次に、巻線W
の巻始め側端部Waおよび巻終わり側端部Wbを端子5
a,5bにそれぞれ巻き回した後に半田付けする。次い
で、巻線Wの周囲に絶縁用フィルムFを巻き回した後、
コアC1,C2をコア挿入用孔2aの両端側からそれぞ
れ挿入し、バンドBによって一体化させることにより、
図1に示すように、コイル11が完成する。
【0019】このコイル11では、図5に示すように、
巻始め側端部Waと巻終わり側端部Wbとが、鍔3の内
壁3aによって隔てられている。このため、従来のコイ
ル61とは異なり、絶縁テープTなどを貼付せずに巻始
め側端部Waおよび巻終わり側端部Wbの間を離間させ
ることができる結果、両端部Wa,Wbを相互に絶縁す
ることができる。また、絶縁テープTによって絶縁する
場合と比較し、絶縁テープTよりも遙かに厚い内壁3a
によって巻始め側端部Waと巻終わり側端部Wbとを絶
縁しているため、両端部Wa,Wbの絶縁耐圧を従来の
コイル61よりも遙かに向上させることができる。
【0020】さらに、巻軸2に巻き回された最上部層の
巻線Wと巻始め側端部Waとの間では、高絶縁耐圧を必
要とするため、溝9を形成する内壁3aが最も肉厚に形
成され、それほど絶縁耐圧を必要としない最下部層の巻
線Wと巻始め側端部Waとの間では、内壁3aが最も薄
肉に形成されている。このため、巻線Wと巻始め側端部
Waとを、必要とされる絶縁耐圧に適合するように離間
させることができる。しかも、溝9を内壁3aと平行と
なるように鍔3の厚み内に形成する場合と比較して、溝
9を形成する外壁3bの強度低下を防止することができ
る。加えて、鍔3の外壁3b側に引き出した巻始め側端
部Waが、鍔3の縁部側から引き出されて端子5aに巻
き回されるため、コア挿入用孔2aに挿入されているコ
アC1と巻始め側端部Waとの接近を避けることができ
る。したがって、上記したコイル81とは異なり、ボビ
ン1をコイル11の一部品として位置付けた場合に、任
意の各部間における絶縁性能のバランスが極めて良いコ
イル11を製造することができる。
【0021】次に、本発明の他の実施の形態に係るコイ
ル41について、各図を参照して説明する。なお、この
コイル41についても、上記したコイル11と同一の構
成要素については、同一の符号を付して重複した説明を
省略する。
【0022】コイル41は、図6に示すように、ボビン
20、巻線W、コアC1,C2およびバンドBを備えて
構成されている。ボビン20は、図7に示すように、本
発明におけるボビン本体に相当する巻枠21と、本発明
における絶縁用ケースに相当するケース30a,30b
とで、本発明における巻線部品用ボビンを構成する。巻
枠21は、同図に示すように、筒状に形成された巻軸2
2と、巻軸22の両端部に延設された鍔23,24とを
備えている。この場合、鍔23には、内壁23a側に本
発明における開口部に相当するスリット25が形成さ
れ、外壁23b側に引出口26が形成され、かつ、スリ
ット25から引出口26に亘って傾斜させられた案内路
27が連通形成されている。また、鍔24には、鍔23
に形成されている案内路27と点対称となるように、ス
リット25と引出口26との間に案内路27が連通形成
されている。
【0023】ケース30aは、図7に示すように、筒状
に形成された内筒32aおよび外筒33aと、中央部に
コア挿入用の孔が形成されたリング状の側壁31aとで
一体的に形成されている。一方、ケース30bは、外筒
33bの上面側の一部形状と、ケース30aにおける外
筒33aの上面側の一部形状とが若干異なるだけで、そ
の他の部位については、ケース30bとほぼ同じ形に形
成されている。したがって、ケース30bの構造および
機能に関しては、ケース30aの対応する構成要素の符
号に記号bを付して重複した説明を省略する。
【0024】このボビン20では、ケース30aの内筒
32a、外筒33aおよび側壁31aで形成される溝の
内部に巻枠21の一端を嵌入し、かつ、ケース30bの
内筒32b、外筒33bおよび側壁31bで形成される
溝の内部に巻枠21の他端を嵌入することにより、巻枠
21および両ケース30a,30bが一体化される。こ
の場合、ケース30aの側壁31aは、巻枠21が嵌入
されたときに本発明における絶縁ケースの内壁として機
能し、巻枠21の鍔23の内壁23aと相俟って溝状の
案内路27を形成する。また、外筒33aの上面および
両側面には、切欠き38aがそれぞれ形成されており、
両ケース30a,30bの一体化時には、図6に示すよ
うに、巻線Wに発生する熱を放熱するための放熱用孔3
9,39,39が形成される。
【0025】さらに、ケース30aの上面には、図8に
示すように、端子34aを固定するための端子台35a
が形成されている。また、内筒32aおよび外筒33a
の間に、巻枠21に巻き回した状態の巻線Wを覆うため
の絶縁板37aが形成されている。この場合、絶縁板3
7aと外筒33aとの間に、内部空間Sが形成され、絶
縁板37aと外筒33aとの間には、巻枠21に巻き回
した巻線Wの巻始め側端部Wa(または、巻終わり側端
部Wb)を内部空間S内に引き込むためのスリット36
aが形成されている。
【0026】コイル41の組立てに際しては、まず、図
9(a)に示すように、巻軸22の周面22bに巻線W
を巻き回す。この際に、巻線Wの巻始め側端部Waを鍔
23のスリット25を介して案内路27内に引き込むと
共に、案内路27に沿って引出口26まで引き上げ、引
出口26を介して鍔23の外側に引き出す。続いて、鍔
23,24の間に巻線Wを巻き回し、巻線Wの巻終わり
側端部Wbを、同図(b)に示すように、鍔24の内壁
24a側からスリット25内に導入し、そのスリット2
5を介して案内路27側に引き出して鍔24の外壁24
bに沿って引出口26近傍まで引き回す。次に、図10
に示すように、巻始め側端部Waをケース30aのスリ
ット36a内に挿入し、その状態で巻枠21の端部をケ
ース30aに嵌入する。次いで、図11に示すように、
巻始め側端部Waを、絶縁板37aの上面および外筒3
3a間の内部空間S内を通して外筒33aの上面側まで
引き出し、端子34aに巻き回した後に半田付けする。
ケース30bについても同様にして、巻枠21の他の端
部を嵌入し、巻終わり側端部Wbを、内部空間S内を通
して外筒33bの上面側まで引き出し、端子34bに巻
き回した後に半田付けする。この後、コアC1,C2を
ケース30a,30bのコア挿入用の孔にそれぞれ挿入
し、バンドBによって一体化させることにより、図6に
示すように、コイル41が完成する。
【0027】このコイル41では、コイル11と同様に
して、図11に示すように、鍔23の内壁23aが、巻
線Wの巻終わり側端部Wbと、案内路27内の巻始め側
端部Waとを離間させることにより相互に絶縁する。ま
た、案内路27内の巻始め側端部Waがケース30aに
よって覆われるため、外部部品と巻始め側端部Waとの
接触を防止することができる。加えて、ケース30aの
絶縁板37aが、内部空間S内に引き込まれた巻始め側
端部Waと、巻軸22に巻き回した巻終わり側端部Wb
を始めとする最上部層の巻線Wとを相互に絶縁する。こ
のため、巻線Wの最上部層の周囲に絶縁用フィルムFな
どを巻き回す必要がなくなる結果、そのための工程を不
要にすることができ、これにより、コイル41の製造コ
ストを低減することができる。
【0028】なお、本発明は、上記した本発明の実施の
形態に示した構成に限定されない。例えば、本発明の実
施の形態では、ボビン1のスリット7および巻枠21の
スリット25を巻軸2,22の周面2b,22bまで切
り欠いているが、その切欠きの程度は適宜変更すること
ができる。同様に、本発明の実施の形態では、引出口
8,26を縁部に形成しているが、引出口8,26は各
鍔の任意の位置に形成することができ、また、引出口自
体を設けなくてもよい。さらに、溝9を内壁3aと平行
となるように鍔3の厚み内に形成してもよいし、案内路
9a,27を巻軸2,22の周面2b,22bと平行に
なるように形成してもよい。
【0029】また、本発明の実施の形態では、スリット
7および溝9を形成することによって案内路9aを形成
しているが、これに限らず、鍔3の内壁3a側に円状の
開口部を形成すると共に、その開口部と引出口8をトン
ネル状に連通する案内路を形成してもよい。また、本発
明の実施の形態では、巻線部品としてコイルを例に挙げ
て説明したが、これに限らず、トランス用ボビンに本発
明を適用することができるのは勿論である。
【0030】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の巻線部品
用ボビンによれば、開口部から巻線引出部位まで巻線を
案内する案内路を鍔部の厚み内に形成したことにより、
巻線引出部位から引き出される巻線と、巻枠に巻き回し
た巻線とが鍔部の内壁によって相互に離間させられて絶
縁されるため、絶縁テープなどによって巻線間を絶縁す
る場合と比較して、巻線の巻始め側端部と巻終わり側端
部との絶縁耐圧を向上させることができる。また、絶縁
テープの貼付工程を省くことができるため、巻線部品の
製造コストを低減することができる。さらに、巻軸の内
側にコア部材などを挿入する場合であっても、そのコア
部材および巻線間を含め、巻線部品における任意の各部
間における絶縁性能を向上させることができる。
【0031】また、請求項2記載の巻線部品用ボビンに
よれば、引出口から開口部における巻軸側の最下端部に
亘って案内路を傾斜させたことにより、無理なく巻線を
案内することができると共に、例えば、巻軸の内側にコ
ア部材などを挿入する場合であっても、引出口から引き
出した巻線とコア部材との絶縁耐圧を高めることができ
る。
【0032】さらに、請求項3記載の巻線部品用ボビン
によれば、鍔部の内壁と外壁とで溝状の案内路を形成し
たことにより、溝を形成する外壁によって、案内路内の
巻線と外部部品との接触などを防止することができ、こ
れにより、巻線の確実な保護を図ることができる。
【0033】また、請求項4記載の巻線部品用ボビンに
よれば、両鍔部の各外壁側からそれぞれはめ込むことに
よりボビン本体をカバーする1対の絶縁用ケースを備え
たことにより、案内路を容易に溝状に形成することがで
きると共に、案内路内の巻線を絶縁用ケースによって確
実に保護することができる。
【0034】また、請求項5記載の巻線部品用ボビンに
よれば、絶縁用ケースの絶縁板が、絶縁ケース外に引き
出された巻始め端部と、巻軸に巻き回された最上部層の
巻線とを絶縁することができ、これにより、最上部層の
巻線の周囲に絶縁用フィルムなどを巻き回す工程を不要
にすることができる結果、巻線部品の製造コストを低減
することができる。
【0035】さらに、請求項6記載の巻線部品用ボビン
によれば、案内路を形成する内壁側の内壁について、開
口部側を薄肉に形成し、かつ巻線引出部位側を厚肉に形
成したことにより、案内路内の巻線と、巻軸に巻き回し
た巻線との絶縁耐圧を、必要とされる絶縁耐圧に応じて
高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るコイル11の外観斜
視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るボビン1の外観斜視
図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るボビン1の案内路9
a近傍を拡大した一部切欠き状態の斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るコイル11の組立方
法を示す外観斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るコイル11において
溝9内の巻始め側端部Waと巻軸2に巻き回された巻線
Wとの位置関係を示すための図であって、案内路9aに
沿って切断したコイル11の断面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るコイル41の外観斜
視図である。
【図7】本発明の実施の形態に係るボビン20における
巻枠21およびケース30a,30bの外観斜視図であ
る。
【図8】本発明の実施の形態に係るボビン20のスリッ
ト36aおよび絶縁板37a近傍を拡大した一部切欠き
状態の斜視図である。
【図9】本発明の実施の形態に係るコイル41の組立方
法を示す図であって、(a)は巻線Wの巻始めの工程に
おけるコイル41の外観斜視図、(b)は巻線Wの巻終
わりの工程におけるコイル41の外観斜視図である。
【図10】本発明の実施の形態に係るコイル41の組立
方法を示す斜視図である。
【図11】本発明の実施の形態に係るコイル41におい
て案内路27上の巻始め側端部Waと巻軸22に巻き回
された巻線Wとの位置関係を示すための図であって、案
内路27に沿って切断したボビン20の断面図およびケ
ース30aの断面図である。
【図12】従来のコイル61の外観斜視図である。
【図13】従来のボビン51の外観斜視図である。
【図14】従来のコイル61の組立方法を示すためのボ
ビン51の斜視図である。
【図15】従来のコイル61の断面図である。
【図16】コイル81の外観斜視図である。
【図17】巻線Wの巻始め工程におけるボビン71の外
観斜視図である。
【図18】コイル81の断面図である。
【符号の説明】
1 ボビン 2 巻軸 3 鍔 3a 内壁 3b 外壁 4 鍔 7 スリット 8 引出口 9 溝 9a 案内路 10 切欠き 11 コイル 20 ボビン 21 巻枠 22 巻軸 23 鍔 23a,24a 内壁 23b,24b 外壁 24 鍔 25 スリット 26 引出口 27 案内路 30a,30b ケース 31a,31b 側壁 33a,33b 外筒 34a,34b 端子 36a,36b スリット 37a,37b 絶縁板 41 コイル C1,C2 コア F 絶縁用フィルム S 内部空間 W 巻線 Wa 巻始め側端部 Wb 巻終わり側端部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 巻軸の巻幅方向における両端部にそれぞ
    れ鍔部が延設されたボビン本体を少なくとも備え、前記
    鍔部の前記巻軸側の内壁に形成された開口部を介して当
    該鍔部の外壁側の所定の巻線引出部位まで前記巻線を案
    内可能に構成された巻線部品用ボビンにおいて、 前記開口部と前記巻線引出部位とが前記鍔部の鍔面に対
    して非面対称部位にそれぞれ位置させられ、かつ前記開
    口部から前記巻線引出部位まで前記巻線を案内可能な案
    内路が前記鍔部の厚み内に形成されていることを特徴と
    する巻線部品用ボビン。
  2. 【請求項2】 前記巻線引出部位としての前記鍔部の縁
    部には、前記巻線を引き出すための引出口が形成され、
    前記案内路は、前記引出口から前記開口部における前記
    巻軸側の最下端部に亘って傾斜させられていることを特
    徴とする請求項1記載の巻線部品用ボビン。
  3. 【請求項3】 前記案内路は、前記内壁と前記外壁とで
    溝状に形成されていることを特徴とする請求項1または
    2記載の巻線部品用ボビン。
  4. 【請求項4】 前記両鍔部の前記各外壁側からそれぞれ
    はめ込むことにより前記ボビン本体をカバー可能な1対
    の絶縁用ケースをさらに備え、前記案内路は、はめ込み
    状態の前記絶縁用ケースの内壁と、前記鍔部の前記内壁
    とで溝状に形成されることを特徴とする請求項1または
    2記載の巻線部品用ボビン。
  5. 【請求項5】 前記絶縁用ケースは、前記巻軸に巻き回
    された状態の前記巻線を覆う絶縁板を備え、前記絶縁板
    と当該絶縁用ケースの上面部との間に形成される内部空
    間と前記巻線引出部位とが連通可能に構成されると共
    に、前記巻線引出部位および前記内部空間を介して、前
    記上面部に形成された端子部まで前記巻線を引き出し可
    能に構成されていることを特徴とする請求項4記載の巻
    線部品用ボビン。
  6. 【請求項6】 前記案内路を形成する前記鍔部の内壁
    は、前記開口部側が薄肉に形成されると共に前記巻線引
    出部位側が厚肉に形成されていることを特徴とする請求
    項3から5のいずれかに記載の巻線部品用ボビン。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005340482A (ja) * 2004-05-26 2005-12-08 Matsushita Electric Works Ltd ボビン、インダクタンス、トランス、およびパルス発生装置。
JP2008034599A (ja) * 2006-07-28 2008-02-14 Matsushita Electric Ind Co Ltd トランス
JP2012015290A (ja) * 2010-06-30 2012-01-19 Tdk Corp コイルボビン及びコイル部品
JP2012124217A (ja) * 2010-12-06 2012-06-28 Aisan Ind Co Ltd ボビン及びコイルステータ

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