JP2000188220A - 巻線部品 - Google Patents

巻線部品

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JP2000188220A
JP2000188220A JP10362674A JP36267498A JP2000188220A JP 2000188220 A JP2000188220 A JP 2000188220A JP 10362674 A JP10362674 A JP 10362674A JP 36267498 A JP36267498 A JP 36267498A JP 2000188220 A JP2000188220 A JP 2000188220A
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JP
Japan
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winding
groove
wound around
transformer
insulating plate
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JP10362674A
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English (en)
Inventor
Seiichi Shimada
誠一 島田
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Japan Radio Co Ltd
Nagano Japan Radio Co Ltd
Original Assignee
Japan Radio Co Ltd
Nagano Japan Radio Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 絶縁耐圧性能を低下させずに製造コストの低
減を図る。 【解決手段】 1または複数の巻線を巻き回し可能に構
成された巻枠2と、巻枠2を複数の巻溝21〜27に仕
切可能に形成されると共に各巻溝21〜27にそれぞれ
巻き回される各巻線を相互に絶縁する少なくとも1つの
絶縁板13とを備え、絶縁板13によって互いに仕切ら
れた少なくとも第1の巻溝22と隣接する第2の巻溝2
3とに巻き回されてその中間部位がセンタータップ7c
に接続される第1の巻線とを備えている巻線部品におい
て、絶縁板13は、第1の巻溝22側の縁部から第2の
巻溝23の底面まで連通形成された溝状の案内路13a
を備えて構成され、第1の巻線は、第1の巻溝22に巻
き回された所定部位がセンタータップ7cに接続され、
かつ第1の巻溝22から案内路13aを介して第2の巻
溝23の底面に案内されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、巻枠に巻線を巻き
回して形成されたトランスやコイルなどの巻線部品に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の巻線部品として、図13,14
に示すトランス31が従来から知られている。このトラ
ンス31は、例えば、一次巻線として使用される巻線W
1が中間部位でセンタータップに引き出されたセンター
タップ型トランスであって、巻線W1,W2を巻き回す
ための巻枠32と、例えばE字形に形成されたコア3,
3とを備えている。
【0003】巻枠32は、図15,16に示すように、
コア3,3を挿入するためのコア挿入用孔5aが形成さ
れると共に周面5bに巻線W1,W2を巻き回し可能に
構成された筒部5と、筒部5の両端にそれぞれ形成され
た鍔部6a,6bと、鍔部6a,6bの縁部にそれぞれ
形成された端子部35a,35bと、筒部5の周面5b
に立設されて巻溝41〜42を形成する絶縁板11,3
6とが絶縁性樹脂で一体成形されている。この場合、端
子部35aには、接続端子7a〜7fが固定され、端子
部35bには、接続端子8a〜8fが固定されている。
一方、絶縁板36の縁部には、巻線引出用の切欠き36
a,36bが形成されている。
【0004】このトランス31は、等価的には、図12
の実線で示すように、巻線W1,W2が互いに磁気的結
合された回路を構成する。この場合、巻線W1は、同
図,図13にそれぞれ示すように、巻始め側端部W1a
が接続端子7bに接続され、センタータップ引出部W1
bが接続端子7cに接続され、巻終わり側端部W1cが
接続端子7dに接続されている。また、巻線W1は、図
13に示すように、巻始め側端部W1aからセンタータ
ップ引出部W1bまでが巻溝41に巻き回され、図14
に示すように、層間絶縁用の絶縁テープTbによって所
定巻数毎に絶縁されると共に、センタータップ引出部W
1bから巻終わり側端部W1cまでが巻溝42に巻き回
され、層間絶縁用の絶縁テープTbによって所定巻数毎
に絶縁されている。一方、巻線W2は、図12,13に
それぞれ示すように、巻始め側端部W2aが接続端子8
cに接続され、巻終わり側端部W2bが接続端子8dに
接続されている。また、巻線W2は、図13に示すよう
に、巻溝43に巻き回され、図14に示すように、層間
絶縁用の絶縁テープTb,Tbによって所定巻数毎に絶
縁されている。
【0005】このトランス31の製造に際しては、ま
ず、自動巻線機を起動させ、図17(a)に示すよう
に、巻線W1の巻始め側端部W1aを接続端子7bに接
続させた後、端子部35aに沿って巻溝41内の周面5
bまで巻線W1を案内した状態で自動巻線機を一旦停止
させる。次いで、クロスオーバ絶縁用の絶縁テープTa
を貼り付けることにより巻線W1を端子部35aの側面
に密着固定する。次に、自動巻線機を再起動させ、巻線
W1を巻溝41に所定回数巻き回させる。次いで、自動
巻線機を再度停止させ、同図に示すように、巻線W1の
周囲に絶縁テープTbを巻き回した後、自動巻線機を再
起動させ、絶縁テープTbの周囲に巻線W1を巻き回さ
せた後、センタータップ引出部W1bを接続端子7cに
接続させ、その後、絶縁板36の切欠き36aを介して
巻溝42内に巻線W1を案内した状態で自動巻線機を再
度停止させる。次いで、クロスオーバ絶縁用の絶縁テー
プTaを貼り付けることにより、巻線W1を絶縁板36
の側面に密着固定する。
【0006】次に、自動巻線機を再起動させ、巻溝42
に巻線W1を所定回数巻き回させた後に自動巻線機を再
度停止させ、絶縁テープTbを巻線W1の周囲に巻き回
し、自動巻線機を再起動させて、絶縁テープTbの周囲
に巻線W1を所定回数巻き回させる。このときの状態を
図17(c)に示す。続いて、切欠き36bを介して巻
線W1を端子部35a側に引き出させた後に、巻終わり
側端部W1cを接続端子7dに接続させ、自動巻線機を
再度停止させる。これにより、巻線W1の巻き回しが完
了する。次に、自動巻線機を再起動させて、巻線W2の
巻始め側端部W2aを接続端子8cに接続させ、巻線W
1の巻き回しのときと同様にして、自動巻線機による巻
線W2の巻き回し、および自動巻線機を停止させた状態
での絶縁テープTbの巻き回し作業を繰り返し、巻線W
2を巻溝43に巻き回させた後、巻終わり側端部W2b
を接続端子8dに接続させる。この後、巻枠32を挟み
込むようにして、コア3,3を互いに接合させることに
より、図13に示すトランス31が完成する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のトラ
ンス31には、以下の問題点がある。第1に、従来のト
ランス31では、クロスオーバ絶縁および層間絶縁を図
るために、クロスオーバ絶縁用の絶縁テープTaや層間
絶縁用の絶縁テープTbを貼り付けている。このため、
巻線W1,W2の巻き回しの際に、絶縁テープTa,T
bを貼り付ける都度、自動巻線機を停止させ、しかも、
手作業で絶縁テープTa,Tbを貼り付けなければなら
ない。この結果、従来のトランス31には、自動巻線機
を停止させることによる巻き回し工程の長時間化、およ
び煩雑な絶縁テープTa,Tbの貼付手作業に起因し
て、製造コストの上昇を招いているという問題点があ
る。
【0008】第2に、従来のトランス31では、センタ
ータップ引出部W1bを巻溝42内に案内する際に、絶
縁テープTaによって巻線W1を絶縁板36に密着固定
することにより、センタータップ引出部W1bと、巻溝
42内に巻き回された上部層の巻線W1とのクロスオー
バ絶縁を行っている。この場合、図18に示すように、
巻溝42における最上部層の巻線W1の巻き高よりも低
い位置に絶縁テープTaが貼り付けられたときには、セ
ンタータップ引出部W1bと最上部層の巻線W1とが接
触する。したがって、クロスオーバ絶縁の確実化を期す
るためには、絶縁テープTaの貼り付け作業を慎重に行
わなければならない。しかも、巻溝42の溝幅が狭いた
め、貼り付け作業は極めて困難な作業となる。このた
め、従来のトランス31には、絶縁テープTaの貼り付
け作業時間の長時間化に起因して、製造コストのさらな
る上昇を招いているという問題点がある。
【0009】一方、絶縁板36を設けずに、1つの巻溝
に巻線W1を巻き回すことにより、クロスオーバ絶縁用
の絶縁テープTaを不要にすることもできる。ところ
が、巻線W1の巻始め側端部W1aおよび巻終わり側端
部W1c間に高電圧を供給した場合、巻溝内の巻線間電
圧が高くなるため、巻線W1の周囲の空気がイオン化し
てオゾンが発生する。したがって、そのオゾンによって
巻線W1や巻枠32が劣化すると共に、コロナ放電が発
生し易くなり、そのコロナ放電のエネルギーによっても
巻線W1や巻枠32の絶縁性が劣化し、長期的には、そ
の劣化した部分で放電してしまうという問題点が生じ
る。この場合、厚い層間絶縁用の絶縁テープTbを用い
て層間絶耐性上げることも考えられるが、かかる場合に
は、絶縁テープTbの厚みに起因して、巻枠32に対す
る巻線W1の巻き回し可能数が減少してしまうという問
題が発生し、しかも、自動巻線機を停止させなければな
らないという問題を依然として解決することができな
い。
【0010】本発明は、かかる問題点に鑑みてなされた
ものであり、絶縁耐圧性能を低下させずに製造コストの
低減を図ることが可能な巻線部品を提供することを主目
的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく請
求項1記載の巻線部品は、1または複数の巻線を巻き回
し可能に構成された巻枠と、巻枠を複数の巻溝に仕切可
能に形成されると共に各巻溝にそれぞれ巻き回される各
巻線を相互に絶縁する少なくとも1つの絶縁板とを備
え、絶縁板によって互いに仕切られた少なくとも第1の
巻溝と隣接する第2の巻溝とに巻き回されてその中間部
位がセンタータップに接続される第1の巻線とを備えて
いる巻線部品において、絶縁板は、第1の巻溝側の縁部
から第2の巻溝の底面まで連通形成された溝状の案内路
を備えて構成され、第1の巻線は、第1の巻溝に巻き回
された所定部位がセンタータップに接続され、かつ第1
の巻溝から案内路を介して第2の巻溝の底面に案内され
ていることを特徴とする。
【0012】請求項2記載の巻線部品は、請求項1記載
の巻線部品において、案内路は、第2の巻溝の底部表面
に対して鋭角に第1の巻線を案内可能に形成されている
ことを特徴とする。
【0013】請求項3記載の巻線部品は、請求項1また
は2記載の巻線部品において、第1の巻線とは別個独立
した第2の巻線と、巻枠における第1の巻溝側の一端側
に配設され第1および第2の巻線をそれぞれ接続するた
めの複数の接続端子が配設された端子部とをさらに備
え、第2の巻線は、三層絶縁電線で構成されると共に第
1の巻溝よりも巻枠における他端側の巻溝に巻き回され
ていることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明に係る巻線部品をトランスに適用した実施の形態につ
いて説明する。なお、従来のトランス31と同一の構成
要素については、同一の符号を付して重複した説明を省
略する。
【0015】最初に、トランス1の構成について、各図
を参照して説明する。
【0016】トランス1は、図1,2に示すように、一
次巻線としての巻線W1および二次巻線としての巻線W
2を巻き回すための巻枠2と、コア3,3とを備えて構
成されている。巻枠2は、全体として絶縁性樹脂で形成
され、図3,4に示すように、周面5bに巻線W1,W
2を巻き回し可能に構成され、かつコア挿入用孔5aが
形成されると共に面取りされた角筒状の筒部5と、筒部
5の両端にそれぞれ形成された鍔部6a,6bおよび端
子部9a,9bと、筒部5の周面5bに立設され巻線W
1,W2を相互に絶縁する絶縁板11と、鍔部6aおよ
び絶縁板11の間に配設され巻線W1を所定巻数毎に絶
縁する絶縁板12,13,14と、絶縁板11および鍔
部6bの間に配設され巻線W2を所定巻数毎に絶縁する
絶縁板15,16とが一体化されて構成されている。こ
の場合、鍔部6a,6bおよび絶縁板11〜15によっ
て巻溝21〜27が形成されている。なお、絶縁板13
が本発明における1つの絶縁板に相当する。
【0017】また、図4に示すように、端子部9aに
は、接続端子7a〜7fが固定されると共に、接続端子
7a,7c〜7d,7fの筒部5側には、上面が正方形
形状に切り欠かれて、接続した巻線W1を筒部5の周面
5bまで案内するための案内溝10,10,・・が形成
され、接続端子7b,7eの筒部5側には、上面が台形
形状に切り欠かれて、接続した巻線を筒部5の周面5b
まで案内するための案内溝10a,10aが形成されて
いる。さらに、端子部9bには、接続端子8a〜8fが
固定されると共に、接続端子8a,8c〜8d,8fの
筒部5側には、上面が正方形形状に切り欠かれて、接続
した巻線を筒部5の周面5bまで案内するための案内溝
10,10,・・が形成され、接続端子8b,8eの筒
部5側には、上面が台形形状に切り欠かれて、接続した
巻線を筒部5の周面5bまで案内するための案内溝10
a,10aが形成されている。一方、絶縁板12には、
案内溝12aおよび切欠き12b〜12eが形成され、
絶縁板13には、案内溝13aおよび切欠き13b〜1
3dが形成され、絶縁板14には、案内溝14aおよび
切欠き14b〜14dが形成されている。また、絶縁板
15には、案内溝15aおよび切欠き15bが形成さ
れ、絶縁板16には、案内溝16aおよび切欠き16b
が形成されている。この場合、案内溝12a〜16a
が、本発明における案内路に相当する。
【0018】このトランス1は、等価的には、図12の
実線で示すように、巻線W1,W2が互いに磁気的結合
された回路を構成する。この場合、巻線W1は、図1に
示すように、巻始め側端部W1aからセンタータップ引
出部W1bまでの巻線部位が、巻溝21,22に巻き回
され、両巻溝21,22内の巻線部位が絶縁板12によ
って互いに絶縁されている。また、巻線W1のセンター
タップ引出部W1bから巻終わり側端部W1cまでの巻
線部位は、巻溝23,24に巻き回され、両巻溝23,
24内の巻線部位が絶縁板14によって互いに絶縁され
ている。さらに、巻始め側端部W1aからセンタータッ
プ引出部W1bまでの巻線部位と、センタータップ引出
部W1bから巻終わり側端部W1cまでの巻線部位と
が、絶縁板13によって互いに絶縁されている。一方、
巻線W2は、巻溝25〜27に巻き回され、各巻溝25
〜27内の巻線部位は、絶縁板15,16によって互い
に絶縁されると共に、絶縁板11によって巻線W1と互
いに絶縁されている。
【0019】次に、トランス1の製造方法について、各
図を参照して説明する。
【0020】まず、図5に示すように、自動巻線機を起
動させ、巻線W1の巻始め側端部W1aを接続端子7b
に接続させた後、案内溝10aに沿って接続端子7bか
ら巻溝21内の周面5bまで巻線W1を引き出させる。
次に、図4の矢印Aで示す向きで、所定巻数となるよう
に、巻線W1を幾重にも巻溝21に巻き回させる。次い
で、案内溝12aを介して同図の矢印Bで示す向きで巻
線W1を巻溝22に引き込ませ、所定巻数となるように
幾重にも巻き回させる。続いて、切欠き12bを介して
同図の矢印Cで示す向きで巻線W1を端子部9a側に引
き出させると共に、センタータップ引出部W1bを接続
端子7cに接続させる。
【0021】次に、切欠き12bを介して同図の矢印D
で示す向きで巻線W1を巻溝22に引き込ませた後、案
内溝13aまで巻線W1を巻き回させる。次いで、図6
に示すように、案内溝13aを介して図4の矢印Eで示
す向きで巻線W1を巻溝23に引き込ませ、所定巻数と
なるように幾重にも巻き回させる。この際に、このトラ
ンス1では、案内溝13aが、巻溝23の底部表面に対
して、巻線W1を鋭角に案内する。一方、巻溝23の底
部表面に対して直角に巻線W1を案内する場合には、巻
線W1を一旦巻溝23の底部表面に当接させた後に自動
巻線機を停止させ、手作業によって巻線W1を折り曲げ
て巻溝23の巻き回し方向に案内する必要がある。これ
に対し、このトランス1では、自動巻線機を停止させる
ことなく、巻溝23に連続的に巻き回させることができ
る。続いて、案内溝14aを介して図4の矢印Fで示す
向きで巻線W1を巻溝24に引き込ませ、所定巻数とな
るように幾重にも巻き回させる。次に、切欠き14b,
13b,12cを介して同図の矢印Gで示す向きで巻線
W1を端子部9a側に引き出させると共に、巻終わり側
端部W1cを接続端子7dに接続させた後、自動巻線機
を停止させる。この結果、自動巻線機の連続的処理によ
って巻線W1の巻き回しが完了する。
【0022】次いで、自動巻線機に巻線W2を装着した
後に再起動させ、巻線W2の巻始め側端部W2aを接続
端子8bに接続させ、案内溝10aに沿って接続端子8
bから巻溝25内の周面5bまで巻線W2を引き出させ
る。次に、図4の矢印Hで示す向きで、所定巻数となる
ように、巻線W2を幾重にも巻溝25に巻き回させる。
次いで、案内溝15aを介して同図の矢印Iで示す向き
で巻線W2を巻溝26に引き込ませ、所定巻数となるよ
うに幾重にも巻き回させる。続いて、案内溝16aを介
して同図の矢印Jで示す向きで巻線W2を巻溝27に引
き込ませ、所定巻数となるように幾重にも巻き回させ
る。次に、切欠き16b,15bを介して同図の矢印K
で示す向きで巻線W2を端子部9b側に引き出させると
共に、巻終わり側端部W2bを接続端子8dに接続させ
た後、自動巻線機を停止させる。この結果、自動巻線機
の連続的処理によって巻線W2の巻き回しが完了する。
この後、筒部5のコア挿入用孔5aにコア3,3を挿入
し、巻枠2を挟み込むようにして互いに接合させること
により、図1に示すトランス1が完成する。
【0023】このトランス1では、図7に示すように、
巻線W1の巻始め側端部W1aが案内溝10aによって
接続端子7bから巻溝21内の周面5bまで案内されて
いるため、案内溝10a内の巻始め側端部W1aは、巻
溝21内の巻線W1に対して所定距離分離間する。この
ため、トランス1では、従来のトランス31とは異な
り、巻線W1の巻始め側端部W1aを絶縁テープTaな
どによってクロスオーバ絶縁する作業が不要となる。ま
た、トランス1では、例えば、図8に示すように、巻溝
21に巻き回した巻線W1と、巻溝22に巻き回した巻
線W1とが絶縁板12によって相互に絶縁されるため、
絶縁テープTbなどを巻き回すことなく、両巻溝21,
22内の巻線W1,W1同士が相互に絶縁される。この
場合、案内溝12a内の巻線W1は、巻溝21内の最下
位層の巻線W1に対して、電位差が最も大きくなる巻溝
22側の巻線部位が最も離間し、巻溝22内の最上位層
の巻線W1に対して、電位差が最も大きくなる巻溝21
側の巻線部位が最も離間する。したがって、案内溝12
a内の巻線W1は、両巻溝21,22内の巻線W1に対
する電位差に応じて離間させられるため、絶縁テープT
aなどによるクロスオーバ絶縁と比較して、確実かつ簡
易に絶縁される。
【0024】同様にして、接続端子7dに接続したセン
タータップ引出部W1bについても、図9に示すよう
に、巻溝22内の最下位層の巻線W1に対して、電位差
が最も大きくなる巻溝23側の巻線部位が最も離間し、
巻溝23内の最上位層の巻線W1に対して、電位差が最
も大きくなる巻溝22側の巻線部位が最も離間する。し
たがって、案内溝13a内のセンタータップ引出部W1
bは、両巻溝22,23内の巻線W1に対する電位差に
応じて離間させられるため、絶縁テープTaなどによる
クロスオーバ絶縁と比較して、確実かつ簡易に絶縁され
る。なお、案内溝14a,15a,16aについても、
案内溝12a,13aと同様にして機能する。
【0025】このように、このトランス1によれば、巻
線W1,W2の巻枠2への巻き回しに際して、従来のト
ランス31とは異なり、絶縁テープTa,Tbなどによ
るクロスオーバ絶縁や層間絶縁が不要となる。この結
果、巻始め側端部W1aの接続端子7bへの接続工程か
ら、巻終わり側端部W1cの接続端子7dへの接続工程
までの一連の作業工程を、自動巻線機を停止させずに連
続的に行わせることができる。同様にして、巻線W2に
ついても、巻始め側端部W2aの接続端子8bへの接続
工程から、巻終わり側端部W2bの接続端子8dへの接
続工程までを自動巻線機を停止させずに連続的に行わせ
ることができる。この結果、トランス1の製造コストを
大幅に低減することができる。さらに、このトランス1
では、絶縁テープTa,Tbよりも厚肉の絶縁板絶縁板
12〜16によって形成した複数の巻溝21〜27内に
巻線W1,W2を所定巻数毎に巻き回して相互に絶縁し
ているため、各巻溝21〜27内における巻線W1,W
2の巻線間電圧を低下させることができる。この結果、
オゾンやコロナ放電の発生を防止することができ、これ
により、巻線W1,W2や巻枠2の劣化を防止すること
ができる。
【0026】なお、本発明は、上記した本発明の実施の
形態に示した構成に限定されない。例えば、本発明の実
施の形態では、一次巻線としての巻線W1と二次巻線と
しての巻線W2とを備えたトランス1について説明した
が、インバータ装置における自励式プッシュプル回路な
どのトランスに用いるために、巻線W1,W2に加え
て、図12の波線で示す帰還巻線としての巻線W3を巻
線W1の周囲に巻き回すこともできる。この場合、導線
の周囲にポリエステルなどの絶縁性樹脂を3層被覆した
3層絶縁電線を巻線W3として用いることにより、絶縁
テープTbなどを巻き回さずに巻線W1の周囲に巻線W
3を直接巻き回させることができる。
【0027】具体的には、自動巻線機によって、線W3
の巻始め側端部W3aを接続端子7eに接続させた後、
切欠き12d,13c,14cを介して巻溝24に巻線
W3を引き込ませ、既に巻き回されている巻線W1の周
囲に巻線W3を所定回数巻き回させる。次に、切欠き1
4d,13d,12eを介して巻線W3を端子部9a側
に引き出させた後、巻終わり側端部W3bを接続端子7
fに接続させる。これにより、図10,11にそれぞれ
示すように、巻線W3の巻き回しが完了する。この場合
には、図11に示すように、切欠き14b,13b,1
2cを介して端子部9a側に引き出されている巻線W1
の巻終わり側端部W1cの上方への巻線W3の巻き回し
を回避できるため、巻線W3の巻き回しに起因する巻線
W1の断線や干渉を確実に防止することができる。さら
に、巻線W3に三層絶縁電線を使用することにより、巻
線W1に対する絶縁テープによる絶縁などを不要にする
ことができる。この場合、巻線W3は、数回巻き回すだ
けでよいため、三層絶縁電線の材料費によるコストアッ
プが問題となることはない。
【0028】また、本発明の実施の形態では、本発明を
トランスに適用した例について説明したが、コイルなど
の種々の巻線部品に本発明を適用することができる。さ
らに、本発明の実施の形態では、巻線W1側を一次巻線
として使用する例について説明したが、本発明はこれに
限定されず、例えば、巻線W1を二次巻線として使用す
ると共に巻線W2を一次巻線として使用することもでき
る。また、本発明の実施の形態では、巻枠2の筒部5に
おける断面形状を面取りした角筒状に形成しているが、
これを円筒状または三角筒状などに形成することもでき
る。また、案内溝12a〜16aについても、巻枠2の
筒部5を円筒状に形成した場合には、筒部5の表面に対
して傾斜するように形成することにより、巻線W1,W
2を筒部5の表面に対して鋭角に案内させることもでき
る。さらに、端子部9a,9bの位置や形状、および接
続端子7a〜7f,8a〜8fの端子形状や数は、本発
明の実施の形態に示した形状および位置などに限定され
ず、適宜変更が可能である。
【0029】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の巻線部品
によれば、複数の巻溝に巻線を分割して巻き回すことに
より、層間絶縁用テープによる貼付作業を行うことなく
巻線間絶縁耐圧性能を向上させることができると共に、
絶縁板に形成された案内路を介して第1の巻線を第1の
巻溝から第2の巻溝の底面に案内することにより、クロ
スオーバ絶縁用テープの貼付作業を行うことなくクロス
オーバ絶縁耐圧性能をより向上させることができる。ま
た、自動巻線機を停止させずに第1の巻線を連続的に巻
き回しすることができるため、製造コストを大幅に低減
することができる。
【0030】また、請求項2記載の巻線部品によれば、
案内路を第2の巻溝の底部表面に対して鋭角に第1の巻
線を案内可能に形成したことにより、自動巻線機による
巻線の巻き回しを容易に行うことができる。
【0031】さらに、請求項3記載の巻線部品によれ
ば、第2の巻線を三層絶縁電線で構成すると共に第1の
巻溝よりも巻枠における他端側の巻溝に巻き回したこと
により、第2の巻線の巻き回しに起因する第1の巻線の
断線や干渉を確実に防止することができると共に第1の
巻線に対する絶縁テープによる絶縁などを不要にするこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るトランス1の底面側
から見た外観斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るトランス1の断面図
である。
【図3】本発明の実施の形態に係る巻枠2の外観斜視図
である。
【図4】本発明の実施の形態に係る巻枠2の底面図であ
る。
【図5】本発明の実施の形態に係るトランス1における
接続端子7bの近傍を拡大した斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るトランス1における
案内溝13aの近傍を拡大した斜視図である。
【図7】本発明の実施の形態に係るトランス1における
端子部9aの一部を拡大した断面図である。
【図8】本発明の実施の形態に係るトランス1における
案内溝12aの近傍を拡大した断面図である。
【図9】本発明の実施の形態に係るトランス1における
案内溝13aの近傍を拡大した断面図である。
【図10】本発明の実施の形態に係るトランス1に巻線
W3を巻き回した状態の外観斜視図である。
【図11】本発明の実施の形態に係るトランス1に巻線
W3を巻き回した状態の断面図である。
【図12】本発明の実施の形態に係るトランス1および
従来のトランス31の等価回路図である。
【図13】従来のトランス31の底面側から見た外観斜
視図である。
【図14】従来のトランス31の断面図である。
【図15】従来の巻枠32の外観斜視図である。
【図16】従来のトランス31における巻枠32の底面
図である。
【図17】従来のトランス31の製造方法を示す図であ
って、(a)は絶縁テープTaによって巻線W1を端子
部35aに密着固定した状態を示す断面図、(b)は巻
線W1の周囲に絶縁テープTbを巻き回した状態を示す
断面図、(c)は絶縁テープTaによって巻線W1を絶
縁板36に密着固定した状態を示す断面図である。
【図18】従来のトランス31において絶縁テープTa
が位置ずれして貼り付けられた状態を示す切欠き36a
の近傍を拡大した断面図である。
【符号の説明】
1 トランス 2 巻枠 5 筒部 5b 周面 6a,6b 鍔部 7a〜7f 端子 9a,9b 端子部 11〜16 絶縁板 12a〜16a 案内溝 21〜27 巻溝 W1 巻線 W1b センタータップ引出部 W3 巻線

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1または複数の巻線を巻き回し可能に構
    成された巻枠と、前記巻枠を複数の巻溝に仕切可能に形
    成されると共に当該各巻溝にそれぞれ巻き回される各巻
    線を相互に絶縁する少なくとも1つの絶縁板とを備え、
    前記絶縁板によって互いに仕切られた少なくとも第1の
    巻溝と隣接する第2の巻溝とに巻き回されてその中間部
    位がセンタータップに接続される第1の巻線とを備えて
    いる巻線部品において、 前記絶縁板は、前記第1の巻溝側の縁部から前記第2の
    巻溝の底面まで連通形成された溝状の案内路を備えて構
    成され、前記第1の巻線は、前記第1の巻溝に巻き回さ
    れた所定部位が前記センタータップに接続され、かつ前
    記第1の巻溝から前記案内路を介して前記第2の巻溝の
    底面に案内されていることを特徴とする巻線部品。
  2. 【請求項2】 前記案内路は、前記第2の巻溝の底部表
    面に対して鋭角に前記第1の巻線を案内可能に形成され
    ていることを特徴とする請求項1記載の巻線部品。
  3. 【請求項3】 前記第1の巻線とは別個独立した第2の
    巻線と、前記巻枠における前記第1の巻溝側の一端側に
    配設され前記第1および第2の巻線をそれぞれ接続する
    ための複数の接続端子が配設された端子部とをさらに備
    え、前記第2の巻線は、三層絶縁電線で構成されると共
    に前記第1の巻溝よりも前記巻枠における他端側の前記
    巻溝に巻き回されていることを特徴とする請求項1また
    は2記載の巻線部品。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003071562A1 (fr) * 2002-02-21 2003-08-28 Hitachi, Ltd. Bobine d'allumage pour moteur a combustion interne
KR200461435Y1 (ko) 2010-08-31 2012-07-13 크로바하이텍(주) 슬립형태의 트랜스포머용 보빈
JP7484003B1 (ja) 2023-11-10 2024-05-15 株式会社東光高岳 変圧器

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