JP4845199B2 - トランス - Google Patents

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Description

本発明は、各国の安全規格に適合する絶縁性能を有するトランスに関するものであり、特に高周波、大電流のトランスに関するものである。
従来の一般的なトランスの一例としては、図11に示すように、一次および二次コイルに、丸線または高周波対応のため細い丸線を何本も束ねたリッツ線等を導体として用いたものがある。
上記のトランスは、二次コイルA5を、分割した一次コイルA4の間に挟み込んでボビンA3に巻回して、コイルブロックを作製する。次に、ボビンA3の中央部分に形成されている挿入孔に、一対のコアA1、A2の中足A1a、A2aを挿入する。
このトランスにおける絶縁は、一次および二次コイルの間に例えば絶縁紙A6を挿入して行っている。さらに、このトランスは、コイル端部にバリア絶縁部A7を設けることにより、各国の絶縁基準を満足させるための、他の電極等との距離を確保している。
このように構成されたトランスは、一次および二次コイルに被覆を有する丸線を使用していることや、コイル間およびコイル端部に絶縁紙A6またはバリア絶縁部A7のような多くの絶縁物および絶縁空間が必要となることから、導体占積率が低く、25〜30%が限界であった。
また、大電流対応のために使用する径の大きな丸線は、高周波領域での表皮効果の影響が大きいため実質的な導体の有効断面積は小さくなり、トランス自身の信頼性に影響を及ぼす温度上昇を招いていた。
この温度上昇を抑えるためには、巻線をさらに低抵抗化(大径化)する必要があり、このことはトランスの大形化の一因となっていた。
また、巻線の低抵抗化(大径化)は、コイルの巻数増加を困難にし、さらに一次コイルと二次コイルの結合度の悪化を招いていた。このため、例えば、トランスをインバータ駆動回路で使用する場合の漏れインダクタンスの影響を除去するために、回路対策が必要となり高コストとなっていた。さらに、この結合度の悪化は、出力負荷変動時の出力電圧変動率を悪化させる要因にもなっていた。
従来のトランスの他の例として、薄板導体を積層したコイルブロックを使用するタイプのものがある(例えば、特許文献1参照)。
上記トランスの一例は、図12に示すように、薄板導体からなる板状の二次コイルブロックB4の間に、同様の薄板導体からなる一次コイルブロックB5を配置し、これらの中央に設けられた挿入孔に、一対のコアB1、B2の中足B1a、B2aを挿入して作製する。
このトランスにおける絶縁は、コイルブロック間およびコイルブロック−コア間に絶縁紙を挿入したり、または、図12に示すように、コイルブロック−コア間の絶縁のために、モールドによる強化絶縁層B6を用いたりして行っている。
上記のトランスは、前述した丸線またはリッツ線を用いたトランスにおける問題のうち、一次コイルと二次コイルの結合度の低さ、および温度上昇については改善されたが、絶縁性能を満たすため等の生産工程の複雑さ、およびこの生産工程の複雑さに伴うコスト高という問題は改善されていなかった。
また、この薄板導体を積層するタイプのトランスは、多巻数の一次コイルの作製が困難という問題もあった。
多巻数の一次コイルを実現する方法の1つとして、図13に示すように、複数のベースコイル(例えば、C3a〜c)と絶縁紙(例えば、C4a〜c)を交互に積層し、各ベースコイルの引出部同士(例えば、C5)を図中に点線で示すように接続する方法がある。
しかし、この方法は、積層数を多くするにつれて、ベースコイルの引出部C5、およびスリット部C6の寸法を小さくしなければならず、作製が困難であった。また、異なる形状のベースコイルの作製が必要なため、複数の金型を用意しなければならないという問題があった。
多巻数の一次コイルを実現する他の方法として、図14に示すような、ベースコイルD1の表裏面に、スリット間隔D3で巻回された多巻数のコイルパターンD2を形成する方法がある。
しかし、この方法は、ベースコイル自身の作製工程がプリント基板のパターン作成を伴うために生産コストが高くなり、また、コイルの巻数を増すにつれてコイルパターンD2の幅が細くなり、電流容量が低下するといった問題があった。
特開2003−347125号公報
本発明は、各国の安全規格に適合する絶縁性能を有し、容易に巻数比の幅広い調整が可能で、導体占積率が高く、高周波領域での発熱が抑えられ、小形・薄形で、低コストかつ容易に生産可能なトランスを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明に係るトランスは、少なくとも片面が絶縁された帯状導体をボビンに巻回して形成した第1のコイルブロックと、薄板導体であるベースコイルおよび絶縁紙を積層して形成した複数の第2のコイルブロックからなる第2のコイルを分割した一方側と、前記分割した第2のコイルの他方側と、中足を有する一対のコアと、前記第2のコイルの一方側の完成体、前記第1のコイルブロックの完成体、および前記第2のコイルの他方側の完成体のそれぞれに設けられた、前記中足に対応した形状の挿入孔の位置を合わせつつ、これらの積み重ね体を保持する筐体とを備え、前記第1のコイルブロックと前記第2のコイルが、前記筐体および前記ボビンにより絶縁され、前記筐体が、前記コアの中足と直交する第2のコイルブロック接触面と、前記第2のコイルブロック接触面の周縁の一部に形成された、前記第2のコイルブロック接触面に対して垂直な複数の支持壁と、前記第2のコイルブロック接触面と前記支持壁に囲まれた収納部とを備え、前記第2のコイルブロックが前記支持壁によって制限される面積まで拡大され、前記第2のコイルブロックの前記絶縁紙の周縁部に複数の切欠部が形成され、前記支持壁の内側に複数の内壁突起が形成され、対応する前記切欠部と前記内壁突起がそれぞれ係合することにより、前記第2のコイルブロックが前記収納部内に保持される
好ましくは、前記ベースコイルは、1ターンまたは2ターンである。
好ましくは、前記ベースコイルは、拡大位置決め穴および位置決め穴が形成され、前記絶縁紙は、前記ベースコイルの拡大位置決め穴および位置決め穴に対応した位置に、位置決め穴が形成されている。
好ましくは、前記ボビンに、丸線から成る第3のコイルが巻回されている。
好ましくは、前記ボビンに巻回される前記帯状導体の巻き始め先端部は、巻回中心に向けて曲げ加工されている。
好ましくは、前記ボビンに巻回される帯状導体の巻き終わり部が、前記巻き終わり部の巻回中心側に配置されたスペーサを挟み込むようにして行われ、前記巻き終わり部の引き出し方向が予め定められた方向に保たれている。
好ましくは、前記第1のコイルブロックは、前記ボビンに予め取り付けられた第1の外部端子と、前記ボビンに巻回される帯状導体の巻き始め部および巻き終わり部にそれぞれ一端が接続された第1の端子接続板と、前記第1の外部端子と係合するための端子係合溝が切り欠き形成され、前記第1の外部端子と、前記第1の端子接続板の他端に接続される中継金具と、を含む。
好ましくは、前記第2のコイルブロックは、同一形状の前記ベースコイル2枚を互いに表裏反転させ、その間に前記絶縁紙を挟んで、これらを前記挿入孔の位置を合わせつつ重ね合わせた重ね合わせ体からなり、前記絶縁紙は、開口形成されたベースコイル接続穴を有し、前記2枚のベースコイルは、それぞれ、前記絶縁紙と接触する側の表面に、前記ベースコイル接続穴に対応する位置に、前記絶縁紙の厚さの略1/2に等しい高さの接続凸部を有し、前記第2のコイルブロックは、前記ベースコイル接続穴を介して、前記ベースコイルの対応する前記接続凸部同士を接続して重ね合わされている
好ましくは、前記収納部には、複数の前記第2のコイルブロックが収納され、前記複数の第2のコイルブロックの前記2枚のベースコイルは、それぞれ、前記収納部の前記支持壁の間から突き出すような外部端子取付部を有し、前記筐体外側の外部端子固定面は、前記筐体の外側で複数の前記外部端子取付部を相互に接続する第2の外部端子を備え、前記第2の外部端子の、前記外部端子取付部との接続部は、前記筐体と離間するような曲げ加工がされている。
好ましくは、前記筐体において、前記第1のコイルブロックは、2つの前記第2のコイルブロック接触面の間に保持され、前記筐体は、前記2つの第2のコイルブロック接触面に基づく2つの前記収納部を有し、前記第1の外部端子は、前記筐体に前記第1のコイルブロックを保持させた際に、いずれか一方の前記収納部側に配置され、前記一方の収納部に保持された前記第2のコイルブロックおよび絶縁紙の前記第1の外部端子側に配置された側面と、前記第2のコイルブロック接触面から最も離れた絶縁紙の前記第2のコイルブロック接触面と対峙しない面の一部を覆うように保護カバーが取り付けられていることを特徴とする。
本発明によれば、各国の安全規格に適合する絶縁性能を有し、容易に巻数比の幅広い調整が可能で、導体占積率が高く、高周波領域での発熱が抑えられ、小形・薄形で、低コストかつ容易に生産可能なトランスを提供することができる。
[用語の説明]
なお、本明細書中で「1ターン」とは、コイルがコア中足の周囲を1回巻回されていることを意味する。ここで、コイルの巻回とは、コイルがボビンまたはコア中足に直接巻回されている状態に限らず、コイル中を流れる電流の経路がコア中足の円周方向に存在し得るように配置されていればよいものとする。同様に「2ターン」とは、コイルがコア中足の周囲を2回巻回されていることを意味する。
また、本明細書中で「巻数比」とは、一のコイルに対する他のコイルの巻数比を意味する。
また、本明細書中で「導体占積率」とは、コイルを構成する巻線または薄板導体等を配置する領域全体の断面積における、巻線または薄板導体等の導体部が占める面積の割合を意味する。つまり、「導体占積率」とは、巻線間の隙間および巻線の被覆等の領域を除いた面積の割合を意味する。
また、本明細書中で「結合度」とは、コイル同士の磁束の結合度合いを意味する。漏れインダクタンスが増加するような場合に「結合度」は低下する。
まず、図1を参照して、本発明に係るトランスの構成について説明する。
本発明に係るトランスは、主に、第1のコイルブロック100、複数の第2のコイルブロック91〜94、これらを収納する筐体4、および一対のコア1、2から構成される。
第1のコイルブロック100の第1のコイル8は、ボビン3に帯状導体を巻回して作製されるため、容易に巻数を増加させることができる。この第1のコイル8の略両端に相当する巻き始め部および巻き終わり部には、それぞれ第1の端子接続板82および83が接続されている。
第2のコイルブロック(例えば、91)は、薄板導体であるベースコイル61a(好ましくは1ターン。以下、各ベースコイルは1ターンとして説明する。)と、ベースコイル61aと同一形状のベースコイルを表裏反転させたベースコイル61bで、絶縁紙51を挟み込むようにして作製される。後述するが、ベースコイル61aと61bは直列接続されるため、第2のコイルブロック91の巻数は2となる。
作製された第1のコイルブロック100、および第2のコイルブロックは筐体4に収納される。ここで、第1のコイルブロック100は、筐体4の内部に、包囲されるように収納されるため、第1のコイルブロック100と第2のコイルブロックは、筐体4およびボビン3により絶縁される。
第2のコイルブロックは、1個または複数個、収納することができ、複数個の場合は、筐体4の第1収納部4aまたは第2収納部4bに分割して収納することができる。図1では、4個の第2のコイルブロック91〜94が、第1収納部4aと第2収納部4bに2個ずつ収納される。複数の第2のコイルブロックを使用する場合、それらは第2の外部端子71、72で相互に接続される。図1において、第2のコイルブロック91〜94はすべて電気的に並列接続されており、その結果、第2のコイル9は全体として見ても2ターンのコイルとなる。
コア1および2は、第1のコイルブロック100と1個または複数の第2のコイルブロックを筐体4に収納した後、それらを貫通するように中足1a、2aを挿入孔10に挿入して取り付けられる。
本発明に係るトランスにおいて、第1のコイル8を入力(一次)側、第2のコイルブロック91〜94からなる第2のコイル9を出力(二次)側とした場合の回路図を図2に示す。
前述のように、第1のコイル8は帯状導体を巻回したものであり、2ターンとした第2のコイル9に比べて巻数が多い。
トランスの入/出力電圧比は、一次/二次コイルの巻数比に比例するため、図2に示すトランスは、出力電圧が入力電圧に対して小さくなる降圧型のトランスとして動作する。
このように、図1に示す本発明に係るトランスは、
(1)第1のコイル8を構成する帯状導体の巻数を変更するか、または筐体4に収納する第2のコイルブロック91〜94の個数、ベースコイル当たりの巻数、または第2のコイルブロック同士を相互に接続する第2の外部端子71、72の接続方法(直列/並列)を変更することで、容易に第1のコイル8と複数の第2のコイルブロックからなる第2のコイル9の巻数比を変化させることができ、幅広い入/出力電圧比の調整ができる。
(2)第1のコイル8および第2のコイルブロック91〜94が薄板導体のベースコイルからなっているため、ボビンレス構造が可能となり、導体占積率を高くすることができるとともに、高周波領域における発熱を抑えることができる。なお、この発熱は、第1のコイルを薄板の帯状導体とし、第2のコイルを薄板導体のベースコイルとしたことにより、導体の表面近傍しか電流が流れなくなる表皮効果に起因する発熱が軽減されたために改善できたものと推察される。
(3)帯状導体をボビン3に巻回して形成した巻数の多い第1のコイル8と、複数の第2のコイルブロック91〜94からなる第2のコイル9を組み合わせて構成することで、小形・薄形化が実現できる。
(4)第1のコイル8と複数の第2のコイルブロックからなる第2のコイル9の磁気的な結合面積を大きくすることができ、また、第1のコイル8と第2のコイル9間の距離を小さくすることができる。
(5)第1のコイルブロック100と第2のコイルブロック91〜94の作製は完全に独立して行われる。その後は、単に、完成した第1のコイルブロック100および第2のコイルブロック91〜94を筐体4と組み合わせるだけでよく、安価に、効率よく、安定してコイルブロック200の作製を行うことができる。
(6)第2のコイルブロック91〜94は、同一の金型から形成される薄板導体のベースコイル(例えば、第2のコイルブロック91の61a、61b等)を重ね合わせて構成され得るため、複数の金型を用意する必要がない。
次に、図面を参照しつつ本発明に係るトランスの製造方法および構成の一実施例について具体的に説明する。
図3は第1のコイル巻き始め部拡大図、図4(A)〜(D)は第1のコイルブロックの斜視図、断面図および上面模式図、図5(A)〜(D)は第2のコイルブロックおよびその構成要素の平面図、図6は第2のコイルブロックの部分縦断面図、図7は第1および第2のコイルブロックを収納する筐体の斜視図、図8(A)(B)は筐体に収納された第2のコイルブロックの平面図とその一部拡大図、図9(A)(B)は筐体に第2のコイルブロックを収納して保護カバーを取り付けた状態の縦断面図とその一部を拡大した平面図、図10は筐体に収納された第2のコイルブロックの部分縦断面図である。なお、図1、図2および上記各図面において、同一構成要素には同一符号を付するものとする。
[第1工程:第1のコイルブロック作製]
第1工程では、コーティングまたはポリエステルテープ等により少なくとも1面が絶縁された帯状導体をボビン3に巻回して第1のコイル8を形成し、第1のコイルブロック100を作製する。第1のコイル8の巻き始め部、および巻き終わり部には、それぞれ、第1の端子接続板82、83が接続される。さらに、第1のコイルブロック100には、必要に応じて第3のコイル87が形成される。
図3に、本工程で形成される第1のコイル8の巻き始め部の拡大図を示す。第1の端子接続板82は、第1のコイル8を構成する帯状導体の一端である第1のコイル巻き始め部8bを外部に引き出すために設けられている。ここで、第1のコイル巻き始め部8bの端部は鋭利で、巻回中の帯状導体を損傷してしまう虞がある。これを防ぐため、第1のコイル巻き始め部8bは長さAだけ突出した第1のコイル巻き始め先端部8aを有しており、図3に示すように、この先端部8aは巻回中心に向けて曲げ加工がされている。これにより、第1のコイル巻き始め部8bに接触しつつ巻回される帯状導体の損傷を防ぐことができ、品質が安定した第1のコイル8を作製することができる。なお、第1の端子接続板82と第1のコイル8を構成する帯状導体は、はんだ付け、溶接、圧着等で接続される。
図4(B)に、図4(A)のA面における第1のコイルブロック100の部分断面図を示す。第1のコイル8を形成する帯状導体には、予め第1のコイル巻き終わり部8cを外部に引き出すための第1の端子接続板83が取り付けられている。第1のコイル巻き終わり部8cは、第1の端子接続板82が取り付けられている帯状導体の他の一端に相当する。第1のコイル8は、帯状導体の巻き終わり部8cを巻回する際に、巻回中心側に配置したスペーサ84を挟み込むように巻回して終了する。これにより、ボビン3の接続板取付面3aと巻き終わり時の第1のコイル巻き終わり部8cの引き出し方向を略平行に保つことができ、第1の端子接続板83のボビン3への固定が容易となる。
ここで、本実施例では、第1のコイル8の巻回作業性を向上するために、第1のコイル巻き終わり部8cを延長した第1のコイル延長部8dが設けられている。
第1のコイル8の形成に続いて、皮膜コーティングされた丸線(例えば、マグネットワイヤー)、または被覆付丸線(例えば、塩ビ電線)からなる第3のコイルの形成を行う。本実施例において、第3のコイルは、例えば、一次側制御回路に電源を供給する補助電源用コイルとしての役割を果たす。補助電源用コイルは、一次側制御回路用の電源を備えていないタイプのスイッチング電源回路でトランスを使用する際等に備えられるものである。
図4(C)は、図4(A)のB面における断面図を示す。図4(C)において「10」で示される部分は、コアの中足を挿入するための挿入孔を示し、ボビン3が2分割されていることを示すものではない。ボビン3に巻回される第3のコイル87のうち、87aは、第1のコイル8と第1の端子接続板82の間隙3c間を、紙面奥から手前方向に巻回されている。一方、第3のコイル87bは、第1のコイル8とボビン3の間隙3d間を紙面手前から奥方向に巻回されている。なお、第3のコイル87aおよび第3のコイル87bは、1本の丸線または被覆付丸線からなっている。
図4(C)に示す第1のコイル巻き始め部8bと第1の端子接続板82の取り付け部(第3のコイル87aの内周)を除いた第3のコイルの内周側(例えば、第3のコイル87bの内周)には、ボビン段部3bが設けられている。このボビン段部3bの形状を調整することで、例えば、第3のコイル87を第1のコイル8の巻き高さHの中央付近に隣接して配置することが可能となる。また、ボビン段部3bにより、第3のコイル87を巻回するための間隙3c、3dを確実に残しつつ第1のコイルを巻回することができる。
結果として、本実施例のトランスは、第1のコイル8と第3のコイル87の間の磁気的な結合を安定させることができ、良好な電気的特性を得ることができる。また、図4(C)に示すように、第3のコイル87の径は第1のコイル幅Wと比べて十分小さいため、第3のコイルを形成しても第1のコイルブロック100の厚さDにはほとんど影響を与えない。
次に、L字形中継金具85および86の取り付けを行う。L字形中継金具85および86の取り付け状態を上から見た模式図を図4(D)に示す。図4(D)に示すように、L字形中継金具85、86には、それぞれ、端子係合溝85a、86aが形成されている。この端子係合溝85a、86aが、それぞれ、予めボビン3に取り付けられた丸棒状の第1の外部端子88、89と係合するとともに、第1の端子接続板82、83の他端(図4(D)には図示しない)と接触するように、L字形中継金具85および86が取り付けられる。
前述のように、第1の端子接続板82、83の一端は、それぞれ、第1のコイル巻き始め部8b、第1のコイル巻き終わり部8cに接続されている。この結果、第1のコイル巻き始め部8bは、第1の端子接続板82を介して第1の外部端子88に接続され、また、第1のコイル巻き終わり部8cは、第1の端子接続板83を介して第1の外部端子89に接続されることとなる。
本工程の最後に、第3のコイル87の端部を対応する外部端子にはんだ付けで接続し、第1のコイルブロック100の作製が完了する。
[第2工程:第2のコイルブロック作製]
第2工程では、図1に示すように、例えば薄板導体であるベースコイル61a(本実施例では1ターン)と、ベースコイル61aと同一形状のベースコイルを表裏反転させたベースコイル61bを、絶縁紙51を挟み込みつつ重ね合わせて、第2のコイルブロック91を作製する。本実施例では、第2のコイル9の電流容量を上げるために、第2のコイルブロックを4個並列接続して使用している(第2のコイルブロック91〜94)。
図5(A)〜(C)に、第2のコイルブロックの各構成要素の平面図を示す。例えば、図5(A)、(B)、(C)は、それぞれ図1におけるベースコイル61a、絶縁紙51、ベースコイル61bである。ベースコイル61aおよび61bは同一形状で、図5(A)と図5(C)は裏表の関係である。なお、ベースコイル61aの裏面、およびベースコイル61bの表面であって、絶縁紙51のベースコイル接続穴51aに相当する位置には、ベースコイル同士を確実に接続するための接続凸部61c、61dが形成されている。
なお、詳細については後述するが、本発明におけるベースコイル同士の重ね合わせは、絶縁紙を挟んで2枚のベースコイルに形成された接続凸部同士を圧着するようにして行う。結果として、ベースコイル同士は、接続凸部のみで電気的、機械的に接続される。また、絶縁紙は、接続凸部同士が圧着された2枚のベースコイルに挟み込まれてベースコイルとの位置関係がずれないようになっている。
本実施例において、ベースコイル61a、61bおよび絶縁紙51には、拡大位置決め穴61e、61f’(本実施例では、約φ2mm)、および位置決め穴61e’、61f、51b、51b’(本実施例では、約φ1mm)が形成されている。ベースコイル61aにおいて、拡大位置決め穴61eと位置決め穴61e’は、中心線C−Cを挟んで左右対称に配置されている。
図5(B)、図5(C)から明らかなように、ベースコイル61bおよび絶縁紙51に形成された拡大位置決め穴または位置決め穴は、上記拡大位置決め穴61eと位置決め穴61e’と同様に配置されている。拡大位置決め穴および位置決め穴は、重ね合わせの際に、ベースコイル61a、61bおよび絶縁紙51の相対的な位置を精度良く決定するために用いられる。
これらの対応する拡大位置決め穴または位置決め穴の位置が一致するようにベースコイル61a、61bおよび絶縁紙51を重ね合わせた状態の平面図が図5(D)である。図5(D)は、図1における第2のコイルブロック91に相当し、1ターンのベースコイルが2枚重ね合わされ、直列接続された2ターンのコイルである。
本実施例では、全体としてベースコイル61a、61bよりも絶縁紙51の外形寸法が大きい。一方、本トランス作製の最終工程で取り付けるコアの中足に対応した形状に開口された挿入孔10の開口面積は、絶縁紙51の方が小さくなっている。これにより、第2のコイルブロックを構成するベースコイル同士や、ベースコイルとコアの中足とを絶縁することができる。
第2のコイルブロック91を形成した際の、ベースコイル61aおよび61bの接続について、図5(D)のD−Dにおける断面図である図6を用いて説明する。ベースコイル61a、61bは、厚さdを有する絶縁紙51を挟んで重ね合わされる。前述のように、ベースコイル61a、61bには、絶縁紙51のベースコイル接続穴51aに対応する部分に、略d/2の高さを有する接続凸部61c、61dがそれぞれ設けられており、対向する接続凸部61c、61dが接触することにより、絶縁紙51を挟んでも確実にベースコイル61a、61bが接続され得るようになっている。
また、ベースコイル61a、61bおよび絶縁紙51の周縁部には、複数の切欠部(例えば、61g、51c、61h等)が形成されており、第2のコイルブロックを筐体4へ実装する際の位置決めとしての役割を有するのと同時に、絶縁紙51で絶縁されたベースコイル61aと61bが不必要な箇所で接触するのを防いでいる(第3工程で詳述する)。
なお、拡大位置決め穴61eの径は位置決め穴51b、61fの径よりも大きく、位置決め穴51b、61fは同径であるため、拡大位置決め穴または位置決め穴を介して、ベースコイル61aと61bが接触することはない。
[第3工程:第2のコイル作製]
第3工程では、筐体4の第1収納部4aに、第2のコイルブロック92、絶縁紙50b、第2のコイルブロック91、絶縁紙50aを順次積層・収納し、同様に、第2収納部4bに、第2のコイルブロック93、絶縁紙50c、第2のコイルブロック94、絶縁紙50dを順次積層・収納する。続いて、第2の外部端子71および72で、各第2のコイルブロックの外部端子取付部(例えば、70a、70b。詳細については後述)を相互接続して、第2のコイルブロック91〜94を並列接続する。
図7は、筐体4の斜視図を示す。筐体4は、第2のコイルブロック接触面4a’および4b’を有し、その周縁には、一部を除いて、第2のコイルブロック接触面4a’および4b’に垂直な支持壁4wが設けられている。そして、この第2のコイルブロック接触面4a’と支持壁4wにより第1収納部4aが形成され、さらに第2のコイルブロック接触面4b’と支持壁4wにより第2収納部4bが形成される。なお、本実施例では、この支持壁の高さは、第5工程で取り付けるコア1、2を合わせた高さと筐体4の高さが等しくなるように決定される。
また、この支持壁4wの内壁には、複数の内壁突起(例えば、4f、4f’)が設けられている。
図8(A)は、図7に示す筐体4の第1収納部4aに第2のコイルブロック91を収納した状態の平面図を示す。第1収納部4aに収納される第2のコイルブロック91中の絶縁紙51の外形寸法は、支持壁4wで制限される。本実施例において第2のコイルブロックは、第2のコイルの電流容量を大きくするために、支持壁4wによる制限一杯まで拡大された形状となっている。
また、絶縁紙51の切欠部(例えば、51c)と、支持壁4wの内壁突起(例えば、4f)が係合するために、第1収納部4aの中で第2のコイルブロック91は安定して保持されている。なお、本実施例では、第2収納部4bの、内壁突起4f’に対応した場所には、内壁突起は形成されておらず、その代わりに保護カバー20に設けられた2個の突起20bとこれに対応する絶縁紙(例えば、50d)の切欠部が係合する(図9(B)を用いて後述する)。
図8(B)に、図8(A)の一部拡大図を示す。図8(B)に示すように、ベースコイル61aは、符号61aが示す実線よりも左側の領域、ベースコイル61bは、符号61bが示す点線よりも左側の領域、絶縁紙51は、符号51で示す破線よりも左側の領域に、それぞれ位置している。つまり、図8(B)において、切欠部61gを除いたベースコイル61aの領域とベースコイル61bの領域は重なり、また、ベースコイル61aの領域とベースコイル61bの領域は、それぞれ、絶縁紙51の領域と重なっている。
図8(B)から明らかなように、支持壁4wの内壁突起4fと絶縁紙51の切欠部51cは、対応する形状となっている。ベースコイル61a、61bは全体として絶縁紙51よりも小さい。すなわち、切欠部以外の部分において、ベースコイル61a、61bの周縁は、絶縁紙51の周縁よりも内側にあり、支持壁4wから離間している。さらにベースコイル61aの切欠部61gは、絶縁紙51の切欠部51cよりも大きく形成されているため、ベースコイル61aと支持壁4wが接触することはない。
一方、内壁突起4fに対応するベースコイル61bの切欠部は形成されておらず、ベースコイル61bの周縁は、絶縁紙51の切欠部51cの周縁と略一致する。したがって、ベースコイル61bは、支持壁4wと接触することがある。しかしながら、前述のように、ベースコイル61aと支持壁4wは接触しない。結果として、大きさの異なる切欠部51cおよび61gは、支持壁4wを介して、ベースコイル61aと61bが接触するのを防いでいる。
また、本実施例では、図8(B)から明らかなように、筐体の収納部内において、第2のコイルブロックは、絶縁紙の切欠部(例えば、51c)と内壁突起(例えば、4f)の係合により保持されており、ベースコイル61aの切欠部61gは、この保持には寄与していない。
図8(B)に示した支持壁の内壁突起と絶縁紙の切欠部による係合、および支持壁、ベースコイルおよび絶縁紙の位置関係は、支持壁および絶縁紙の他の係合部分においても同様である。保護カバー20と絶縁紙の係合については、図9(B)を用いて後述する。
このように本実施例では、必要な高い絶縁を保ちつつ、筐体内に第2のコイルブロックを安定に保持することができる。また、第2のコイルを巻回するためのボビンを省略でき、ベースコイル面積を、絶縁性を保つための僅かなスペースを残して筐体と略同じ面積まで拡大できる。このため、本実施例における第2のコイルは、導体占積率が高く、電流容量を大きくすることができる。
続いて、保護カバー20の取り付けを行う。図9(A)は、第2のコイルブロック91、92および絶縁紙50a、50bを第1収納部4aに収納し、第2のコイルブロック93、94および絶縁紙50c、50dを第2収納部4bに収納し、保護カバー20を取り付けた状態を示す縦断面図である。本実施例では、第1収納部4aに収納されるもののうち、絶縁紙50aが、第2のコイルブロック接触面4a’から最も離れて配置されている。同様に、第1収納部4bに収納されるもののうち、絶縁紙50dが、第2のコイルブロック接触面4b’から、最も離れて配置されている。
筐体4は、第2のコイルブロック接触面4a’と第2のコイルブロック接触面4b’の間に、第1のコイルブロック100の厚さDに対応した空間を備えている。次工程(第4工程)において、第1のコイルブロック100は、矢印Xに沿って筐体開口4dからこの空間内に挿入嵌合される。筐体4内において第1のコイルブロック100が保持される際、お互いの挿入孔10の位置は揃えられる。本実施例では、第1のコイルブロック100の第1の外部端子88は、筐体内面4hを有する支持壁4wを挟んで第2の収納部4b付近に配置されることとなる。図9(B)には図示していないもう一つの第1の外部端子89も、同様に配置される。
保護カバー20は、長方形の薄板を長手方向に沿って直角に折り曲げた形状を有しており、その断面は、図9(A)に示すようにL字形となっている。また、図9(B)に示すように、保護カバー20の上記長手方向の長さと、筐体4の第2収納部4bの幅は対応している。
保護カバー20は、筐体内面4hと、筐体4の第2収納部4bに収納された第2のコイルブロック93および94との隙間を埋めるとともに、絶縁紙50dの下表面の一部を覆うように取り付けられる。結果として、保護カバー20は、最下層に配置される絶縁紙50dの下表面の一部と、第2のコイルブロック93、94および絶縁紙50c、50dの筐体内面4h側の側面を覆うこととなる。
なお、図9(B)に示すように、筐体内面4hには、絶縁紙(例えば、50d)の切欠部(例えば、50e)と係合する内壁突起は形成されていない。その代わりに、保護カバー20の内面20aには、第1収納部4aにおける内壁突起4f’と同様の役割を担う2個の突起20bが形成されており、この突起20bと絶縁紙50dの対応する切欠部50eが、それぞれ係合するようになっている。
このようにして保護カバー20を取り付けることで、第1の外部端子88と、筐体4の第2収納部4bに収納された第2のコイルブロック93および94との間に、9mm以上の沿面距離を確保することができる。
本工程の最後に、第2の外部端子の取り付けを行う。第2の外部端子は、支持壁4wのない部分から収納部の外側に突き出すように形成されている第2のコイルブロックの外部端子取付部(例えば、図8の70b)に取り付けられる。
図10は、第2のコイルブロック91〜94が収納された筐体4の、図8のE−Eにおける部分縦断面図を示す。第2の外部端子72は、複数(本実施例では4個)の第2のコイルブロックを並列接続する、十分な電流容量を有する第2のコイルの外部端子としての役割を担う。第2の外部端子72には、差込穴(図示せず)が形成されており、ここにベースコイル61bの外部端子取付部70b(図8参照)、およびこれに対応したベースコイル62b、63b、64bの各外部端子取付部を挿入し、はんだ72a、72bにより、各ベースコイルと第2の外部端子72の接続を行う。これとともに、第2の外部端子72は、筐体4の外部端子固定面4cに形成された位置決め突起4gと係合して、外部端子固定面4cに固定される。同様に、第2の外部端子72の紙面奥側には、ベースコイル61a、62a、63a、64aの各外部端子取付部を接続して、これらを並列接続する第2の外部端子71(図示せず)が取り付けられる。
図10に示すように、第2の外部端子72、71(図示せず)の、各ベースコイルの外部端子取付部(例えば、図8における70b)との接続部は、他の部分に比べて、筐体4の外部端子固定面4cから離間している。これにより、はんだ72aおよび72bは、手作業によるはんだ付けではなく、はんだ槽によるはんだ付けが可能となる。
[第4工程:コイルブロック作製]
第4工程は、図1に示すように、第1工程で作製した第1のコイルブロック100を、第3工程で第2のコイルブロックの収納が完了した筐体4の筐体開口部4dに挿入嵌合させて、コイルブロック200を作製する。
以上、第1〜第3工程で説明したように、本発明では、第1のコイルブロック100の作製(第1工程)と第2のコイルブロックの作製(第2工程)が相互に依存せず完全に独立して行える。つまり、第3、4工程では、前工程において完成したものを単に組み合わせるだけでよく、効率よく、作業工数も少なく、安価に、安定した品質のトランスを作製することができる。
[第5工程:コア取付]
図1に示すように、第4工程で作製したコイルブロック200の各構成要素には、絶縁紙50a側から絶縁紙50d側までを貫通するようにコアの中足に対応した形状の挿入孔10が設けられている。本発明に係るトランス作製の最終工程では、この挿入孔10に、中足1aおよび2aを有するコア1および2を挿入し、第1のコイルの完成体、第2のコイルの完成体および筐体4と組み合わせて、トランスを最終的に完成させる。
これにより、第1のコイルおよび第2のコイルと鎖交する磁気回路が形成されて、トランスとして機能するようになる。そして、コアの中足1a、2aと第1のコイル8、第2のコイル9との間、および第2のコイル9と第1の外部端子88、89との間には、適当な沿面距離および空間距離が保たれ、各国の安全基準を満足することができる。
[変形例]
(1)実施例では、第2のコイルとして2ターンの第2のコイルブロックを4個使用し、第1のコイルを挟み込むように2つの収納部に分割して収納したが、これに限定されない。すなわち、(i)ベースコイルあたりの巻数を2以上にする、(ii)第2のコイルブロック1個あたりのベースコイル積層数を増やす、(iii)第2のコイルブロックを分割せずにいずれか一方の収納部に収納する、または(vi)筐体に収納する第2のコイルブロック数を増減する、を行ってもよく、特性面の様々な要求に対応することができる。
(2)また、実施例では、第2のコイルを構成する第2のコイルブロックは、すべて電気的に並列になるように接続したが、第2の外部端子の接続如何によって、一部または全部を直列に変更することができ、多様な要求仕様にも対応することができる。
(3)また、実施例では、第2のコイルの電流容量を重視して、コアの中足が挿入される部分を除き、支持壁に囲まれた略すべての面積を占有するような幅の広いベースコイルを使用したが、放熱等の他の条件を考慮して、他の形状にすることもできる。
(4)また、実施例では、コアの中足の断面形状は、角を落とした長方形としたが、これに限らず、他の形状にしてもよい。ただし、他の形状に変更する際は、コアの中足の形状に対応するような形状に形成されているボビン、筐体および第2のコイルブロックの挿入孔も同時に変更する必要がある。
(5)また、実施例では、第2のコイルブロックの作製におけるベースコイル等の重ね合わせを精度良く行うために位置決め穴および拡大位置決め穴を設けたが、位置合わせ手段は、このような手法に限定されない。さらに、筐体内に第2のコイルブロックを絶縁しつつ固定するために設けられた絶縁紙等の切欠部と、筐体の支持壁および保護カバーに形成した内壁突起の係合についても、他の固定方法に置き換えてもよい。
(6)また、実施例では、筐体に第2のコイルブロックを収納(第3工程)した後に第1のコイルブロックを挿入嵌合(第4工程)したが、この順序は逆にすることができる。
(7)また、実施例では、第1のコイルを一次コイル、第2のコイルを二次コイルとし、降圧型のトランスとしたが、これを反対にして、昇圧型のトランスとしてもよい。
本発明に係るトランスの分解斜視図である。 本発明に係るトランスの回路図である。 本発明に係るトランスの第1のコイルの巻き始め部拡大図である。 本発明に係るトランスの第1のコイルブロックであって、(A)は斜視図、(B)は横部分断面図、(C)は縦断面図、(D)はL字型中継金具の取り付けを示す上面模式図である。 本発明に係るトランスの第2のコイルブロックおよびその構成要素であって、(A)(C)はベースコイルの平面図、(B)は絶縁紙の平面図、(D)はベースコイルと絶縁紙を積層した第2のコイルブロックの平面図である。 本発明に係るトランスの第2のコイルブロックの部分縦断面図である。 本発明に係るトランスの第1および第2のコイルブロックを収納する筐体の斜視図である。 本発明に係るトランスの筐体に第2のコイルブロックを収納した状態を示す平面図であって、(A)は全体図、(B)は一部拡大図である。 本発明に係るトランスの筐体に第2のコイルブロックを収納し、保護カバーを取り付けた状態の、(A)は縦断面図、(B)はその一部を拡大した平面図である。 本発明に係るトランスの筐体に第2のコイルブロックおよび絶縁紙を収納した状態の部分縦断面図である。 従来のトランスの縦断面図である。 従来のトランスの縦断面図である。 従来のトランスの積層構造を示す分解斜視図である。 従来のトランスに使用される多巻ベースコイルである。
符号の説明
1 コア
1a 中足
2 コア
2a 中足
3 ボビン
3b ボビン段部
3c、3d 間隙
4 筐体
4a 第1収納部
4a’ 第2のコイルブロック接触面
4b 第2収納部
4b’ 第2のコイルブロック接触面
4c 外部端子固定面
4d 筐体開口部
4f、4f’ 内壁突起
4g 位置決め突起
4h 筐体内面
4w 支持壁
50a〜50d 絶縁紙
50e 切欠部
51〜54 絶縁紙
51a ベースコイル接続穴
51b、51b’ 位置決め穴
51c 切欠部
61a、61b ベースコイル
61c、61d 接続凸部
61e、61f’ 拡大位置決め穴
61e’、61f 位置決め穴
61g、61h 切欠部
62a、62b ベースコイル
63a、63b ベースコイル
64a、64b ベースコイル
70a、70b 外部端子取付部
71、72 第2の外部端子
72a、72b はんだ
8 第1のコイル
8a 第1のコイル巻き始め先端部
8b 第1のコイル巻き始め部
8c 第1のコイル巻き終わり部
8d 第1のコイル延長部
82、83 第1の端子接続板
84 スペーサ
85、86 L字形中継金具
85a、86b 端子係合溝
87 第3のコイル
87a、87b 第3のコイル
88、89 第1の外部端子
9 第2のコイル
91〜94 第2のコイルブロック
10 挿入孔
20 保護カバー
100 第1のコイルブロック
200 コイルブロック

Claims (10)

  1. 少なくとも片面が絶縁された帯状導体をボビンに巻回して形成した第1のコイルブロックと、
    薄板導体であるベースコイルおよび絶縁紙を積層して形成した複数の第2のコイルブロックからなる第2のコイルを分割した一方側と、
    前記分割した第2のコイルの他方側と、
    中足を有する一対のコアと、
    前記第2のコイルの一方側の完成体、前記第1のコイルブロックの完成体、および前記第2のコイルの他方側の完成体のそれぞれに設けられた、前記中足に対応した形状の挿入孔の位置を合わせつつ、これらの積み重ね体を保持する筐体と、
    を備え、
    前記第1のコイルブロックと前記第2のコイルが、前記筐体および前記ボビンにより絶縁され、
    前記筐体が、前記コアの中足と直交する第2のコイルブロック接触面と、前記第2のコイルブロック接触面の周縁の一部に形成された、前記第2のコイルブロック接触面に対して垂直な複数の支持壁と、前記第2のコイルブロック接触面と前記支持壁に囲まれた収納部とを備え、
    前記第2のコイルブロックが前記支持壁によって制限される面積まで拡大され、
    前記第2のコイルブロックの前記絶縁紙の周縁部に複数の切欠部が形成され、
    前記支持壁の内側に複数の内壁突起が形成され、
    対応する前記切欠部と前記内壁突起がそれぞれ係合することにより、前記第2のコイルブロックが前記収納部内に保持されることを特徴とするトランス。
  2. 前記ベースコイルは、1ターンまたは2ターンであることを特徴とする請求項1に記載のトランス。
  3. 前記ベースコイルは、拡大位置決め穴および位置決め穴が形成され、
    前記絶縁紙は、前記ベースコイルの拡大位置決め穴および位置決め穴に対応した位置に、位置決め穴が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のトランス。
  4. 前記ボビンに、丸線から成る第3のコイルが巻回されていることを特徴とする請求項1に記載のトランス。
  5. 前記ボビンに巻回される帯状導体の巻き始め先端部は、巻回中心に向けて曲げ加工されていることを特徴とする請求項1または4に記載のトランス。
  6. 前記ボビンに巻回される帯状導体の巻き終わり部が、前記巻き終わり部の巻回中心側に配置されたスペーサを挟み込むようにして行われ、前記巻き終わり部の引き出し方向が予め定められた方向に保たれていることを特徴とする請求項1、4、5のいずれかに記載のトランス。
  7. 前記第1のコイルブロックは、さらに、
    前記ボビンに予め取り付けられた第1の外部端子と、
    前記ボビンに巻回される帯状導体の巻き始め部および巻き終わり部にそれぞれ一端が接続された第1の端子接続板と、
    前記第1の外部端子と係合するための端子係合溝が切り欠き形成され、前記第1の外部端子と、前記第1の端子接続板の他端に接続される中継金具と、を含むことを特徴とする請求項1、4〜6のいずれかに記載のトランス。
  8. 記第2のコイルブロックは、同一形状の前記ベースコイル2枚を互いに表裏反転させ、その間に前記絶縁紙を挟んで、これらを前記挿入孔の位置を合わせつつ重ね合わせた重ね合わせ体からなり、
    記絶縁紙は、開口形成されたベースコイル接続穴を有し、
    前記2枚のベースコイルは、それぞれ、前記絶縁紙と接触する側の表面に、前記ベースコイル接続穴に対応する位置に、前記絶縁紙の厚さの略1/2に等しい高さの接続凸部を有し、
    前記第2のコイルブロックは、前記ベースコイル接続穴を介して、前記ベースコイルの対応する前記接続凸部同士を接続して重ね合わされていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のトランス。
  9. 前記収納部には、複数の前記第2のコイルブロックが収納され、
    前記複数の第2のコイルブロックの前記2枚のベースコイルは、それぞれ、前記収納部の前記支持壁の間から突き出すような外部端子取付部を有し、
    前記筐体外側の外部端子固定面は、前記筐体の外側で複数の前記外部端子取付部を相互に接続する第2の外部端子を備え、
    前記第2の外部端子の、前記外部端子取付部との接続部は、前記筐体と離間するような曲げ加工がされていることを特徴とする請求項8に記載のトランス。
  10. 前記筐体において、前記第1のコイルブロックは、2つの前記第2のコイルブロック接触面の間に保持され、
    前記筐体は、前記2つの第2のコイルブロック接触面に基づく2つの前記収納部を有し、
    前記第1の外部端子は、前記筐体に前記第1のコイルブロックを保持させた際に、いずれか一方の前記収納部側に配置され、
    前記一方の収納部に保持された前記第2のコイルブロックおよび絶縁紙の前記第1の外部端子側に配置された側面と、前記第2のコイルブロック接触面から最も離れた絶縁紙の前記第2のコイルブロック接触面と対峙しない面の一部を覆うように保護カバーが取り付けられていることを特徴とする請求項8または9に記載のトランス。
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