JP3803007B2 - トランス - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スイッチング電源に使用するトランスに関し、特に、1次コイルと2次コイルに導体板を使用した構造のトランスに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、スイッチング電源に使用するトランスにあっては、コイルに流れる電流の増加に伴う銅損の増加を低減するため、1次コイルと2次コイルに実効断面積を十分に確保することのできる導体板を使用したトランスが使用され、この種のトランスとしては例えば図7に示すものがある。
【0003】
図7において、トランス101はコア106におけるコア中心部106aに対しリング状導体板で形成した1次コイル103と2次コイル104を絶縁紙105を介して積層配置している。
【0004】
図8は図7の1次コイル103と2次コイル104を取出しており、間に介在する絶縁紙105は省略している。1次コイル103と2次コイル104は、コイル端子103a,103b及び104a,104bの各々を図示しないフレームに支持固定することでコア中心部106aに対し同心となるように配置される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の導体板を1次コイルと2次コイルに使用したトランスにあっては、コア106に対する1次コイル103と2次コイル104の支持固定がコイル端子103a,103b及び104a,104bによる片持ち支持となっていたため、トランスを組立てた際のコア中心部106aに対するコイルの位置は図7のような理想的な同心配置とはならず、数ミリ程度の範囲でずれることが多い。
【0006】
そこで従来のトランスにあっては、コイルを配置した際にずれを生じても十分な絶縁距離Lを確保できるようにするため、図8のように、各コイルの導体板内径を大きく取っている。このように導体板内径を大きくとれば、例えば図9のように1次コイル103が右にずれた場合にも、1次コイル103と2次コイル104の内周の間の絶縁距離Lを十分に確保できる。
【0007】
しかし、絶縁距離を確保するために導体板内径を大きく取ると、導体板の実効断面積が小さくなってしまい、トランスの損失が増加してしまうという問題点があり、これを解消するために導体板外径を大きくするとトランスが大型化する問題がある。
【0008】
本発明は、コイル外径を変えることなくコイル断面積の増加と絶縁距離の確保を図るようにした構造のトランスを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため本発明は次のように構成する。まず本発明は、1次コイル及び2次コイルをリング状導体板で形成し、1次コイルと2次コイルを絶縁部材を介して積層した状態で中心部にコアを通すように配置した構造のトランスを対象とする。
【0010】
このようなトランスにつき本発明は、1次コイル及び2次コイルとなる各リング状導体板の内周に、中心部に位置するコアに対しコイルを位置決めする歯車状の凹凸による少なくとも一対の位置決め突起を形成し、1次コイルと2次コイルを積層状態で位置決め突起を相対せずに相互にずれる位置に配置したことを特徴とする。
【0011】
ここで1次コイル及び2次コイルの内周に形成した位置決め突起は、絶縁部材を介して相対した他のリング状導体の内周からの距離が規定の絶縁距離を確保する突出量をもつ。
【0012】
このように本発明は、1次コイル及び2次コイルの導体板の内周に歯車状凹凸の位置決め突起を形成して相互に相対しないようにずらして配置したことで、位置決め突起が中心を通るコアに当接することで、コアに対しコイルを同心に位置決め固定して、コイル導体板のずれを防ぎ、規定の絶縁距離を確保する。同時に導体板の内径を小さくして内周側をコアに近づけることで、導体板の実効断面積を大きくし、トランスの損失を低減する。
【0013】
【発明の実施の形態】
第1図は、本発明の一実施形態の説明図である。
【0014】
図1において、本発明のトランス1は、トランス枠体もしはボビンとして樹脂成形されたフレーム2に、リング状に形成した導体板を用いた1次コイル3と2次コイル4の間に同じくリング状態の絶縁紙5を介在して積層配置し、コイル内をコア中心が通るようにコア6を配置している。
【0015】
1次コイル3は一対のコイル端子3a,3bをフレーム2の凹部に嵌合することで、片持ち状態で支持している。この点は2次コイル4も同様であり、一対のコイル端子4a,4bをフレーム2の反対側凹部に嵌合することで、片持ち状態で支持している。
【0016】
コイル端子3a,3bは、図2(A)のコイル端子3aのように、コイル端子3aの切欠き部を基板13のパッド11に半田付けで固定した接続端子10に嵌合し、図2(B)のように半田付け12で固定する。この点は、2次コイル4のコイル端子4a,4bについても同様である。尚、コイル端子3a,3b,4a,4bの基板に対する接続構造は、図2に限定されず、基板にピンを立ててコイル端子を半田接続するなど、適宜の構造でよい。
【0017】
図3は図1の断面図であり、コア中心部6aに対し同心に、1次コイル3と2次コイル4が間に絶縁紙5を介在して積層配置されている。コア中心部6aの外側、即ちコア中足の周囲には絶縁テープを巻くなどの絶縁構造が施される。またコア中足に絶縁テープを巻くなどの絶縁構造とする替わりに、ボビンを用いてもよい。
【0018】
図4は図3の1次コイル3と2次コイル4を取出して平面で示しており、絶縁紙5は省略している。この1次コイル3と2次コイル4は図5に示す構造をもつ。
【0019】
図5(A)は1次コイル3であり、コイル内周3cはコア中心部6aに近い小さい内径であり、このコイル内周3cの2箇所の中心を介して向かい合う位置に、歯車状の凹凸による位置決め突起8を形成しており、位置決め突起8の内周8aは、コア中心部6aの外径と同じ内径とする。
【0020】
図5(B)は2次コイル4であり、コイル内周4cはコア中心部6aに近い小さい内径であり、このコイル内周4cの2箇所の中心を介して向かい合う位置に、歯車状の凹凸による位置決め突起9を形成しており、位置決め突起9の内周9aは、コア中心部6aの外径と同じ内径とする。
【0021】
この2次コイル4の位置決め突起9は、図4のように1次コイル3と重ね合わせた際に、位置決め突起8,9が相互に相対せずにずれた位置となるように、90°異なる位置に形成している。
【0022】
このような図5に示した形状の位置決め突起8,9をもつ1次コイル3と2次コイル4を図4のように積層してコア中心6aに対し配置すると、位置決め突起8,9がコア中心6aに当って1次コイル3と2次コイル4を同心となるように位置決めし、この状態でコイル端子3a,3b及び4a,4bを図1のようにフレーム2側に固定することで、コイルに位置ずれを起すことのない位置決め構造となっている。
【0023】
また1次コイル3と2次コイル4の内周の間の絶縁距離は、図4のA−A断面となる図3に示すように、位置決め突起8の内周8aとコイル内周4cとの絶縁距離Lとなり、コイル内周4cの径を任意に設定することで、必要とする絶縁距離を確保することができる。この点は、2次コイル4の位置決め突起9と1次コイル3との間の絶縁距離についても同様である。
【0024】
さらに、1次コイル3および2次コイル4のコイル内周3c,4cはコア中心部6aに近い小さい内径としているため、導体板の実効断面積を大きくし、トランスの損失を低減する。
【0025】
図6は本発明の他の実施形態であり、図1の実施形態のフレーム1を無くし、第1コイル3、第2コイル4及びコア6のみで構成したことを特徴とする。この構造のトランスは、図2のように、コイル端子3a,3b及び4a,4bを基板13の接続端子10に嵌合して半田付けし、またコア6は基板にシリコンゴムを塗布して固定する。また第1コイル3と第2コイル4をコア6に組み付けた状態でワニスを含浸して固定するようにしてもよい。
【0026】
尚、上記の実施形態にあっては、コイル内周に一対の位置決め突起を形成する場合を例にとるものであったが、位置決め突起の数を更に3枚、4枚というように増加させてもよい。
【0027】
また上記の実施形態は、1次コイル及び2次コイルを1ターンとした場合を例にとるものであったが、複数ターンとしてもよく、複数ターンの場合は特定の1ターンに2以上の位置決め突起を形成すればよい。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、1次コイルおよび2次コイルに使用した導体板のコアに対する位置決めが確実にでき、導体板の内径を余分に大きくすることなく絶縁距離を確保でき、このため導体板の実効断面積が増加しトランスの損失を減少することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示した説明図
【図2】図1のコイル端子を基板に取付ける構造の説明図
【図3】図1の断面図
【図4】図3の第1コイルと第2コイルを取出して積層配置を示した説明図
【図5】本発明の第1コイルと第2コイルの説明図
【図6】フレームを使用しない本発明の他の実施形態を示した説明図
【図7】従来のトランスの断面図
【図8】図7の第1コイルと第2コイルを取出して積層配置を示した説明図
【図9】1次コイルがずれて配置された場合の断面図
【符号の説明】
1:トランス
2:フレーム
3:1次コイル
3a,3b,4a,4b:コイル端子
3c,4c:コイル内周
4:2次コイル
5:絶縁紙
6:コア
6a:コア中心部
8,9:位置決め突起
8a,9a:位置決め突起の内周
10:接続端子
11:パッド
12:半田付け
13:基板
Claims (1)
- 1次コイル及び2次コイルをリング状導体板で形成し、前記1次コイルと2次コイルを絶縁部材を介して積層した状態で中心部を通じるコアに対し配置した構造のトランスに於いて、
前記1次コイル及び2次コイルとなる各リング状導体板の内周に、中心部を通る前記コアに対しコイルを位置決めする歯車状の凹凸による少なくとも一対の位置決め突起を形成し、
1次コイルと2次コイルの積層状態で前記位置決め突起を相対せずに相互にずれる位置に配置し、
前記位置決め突起は、前記絶縁部材を介して相対した他のリング状導体の内周からの距離が規定の絶縁距離を確保する突出量を持つことを特徴とするトランス。
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