JP2009105180A - トランス - Google Patents

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浩一 崎田
Katsuji Asano
勝司 浅野
Motoaki Takizawa
素章 滝沢
Kyoko Matsuda
京子 松田
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Abstract

【課題】冷却性能を高めると共に、一次巻線と二次巻線間の漏れ磁束による渦電流の発生を低減できるトランスを提供する。
【解決手段】トランス1は、磁性材料からなる複数のコア部材をつき合わせて形成したコア2に、一次巻線31と二次巻線32とを積層して装着した。前記二次巻線32は、前記コア2を周回するように形成した周回部24を有する金属板材からなり、前記一次巻線と互い違いに複数個装着され、漏れ磁束によって前記周回部24に発生する渦電流を減少させる隙間を、前記周回部24と前記コア2との間に形成した。
【選択図】図7

Description

本発明は、例えば100Aを超える電流容量が要求されるスイッチング電源用のトランスに関する。
安定化電源装置において、100Aを超える大電流出力を得ようとする場合、スイッチング方式の電源で小型軽量化を図るのが一般的である。こうしたスイッチング方式の電源では、スイッチング素子のスイッチングにより得られた方形波電圧を、二次側に絶縁して電力伝送するトランスが不可欠である。
こうした大電流用のトランスは、大型のフェライトコアに太い銅線,銅箔,或いは細い銅線を束ねた導体を巻回した構造が採用されていたが、近年は一次巻線や二次巻線を積層したトランス構造により、小型化が図られている。
こうしたトランス構造は、例えば特許文献1などに開示されている。ここで、その具体的な構成を図9に基づき説明すると、101は電源装置の入力側から出力側への電力伝送を行なうトランスで、これは磁性部材からなるコア102と、このコア102に電磁気的に結合する複数の一次巻線103および二次巻線104を備えて構成される。コア102は、断面がE形に形成された第1コア部材105と、断面がI形に形成された第2コア部材106とにより構成される。また、107はコア102を収容保持する合成樹脂製のコアホルダで、その底部にはプリント基板108の孔109に嵌合する弾性片110が一体的に設けられる。コア102は、中心部の円筒形状をなす主脚111と、この主脚111の両側にある一対の側脚112とを有し、これらの主脚111や側脚112の上面を形成する第1コア部材105のつき合わせ面113に、平板状の第2コア部材106をつき合わせることで、閉ざされた磁気回路が形成される。一方、一次巻線103は、合成樹脂からなる円板状のボビン体114と、このボビン体114に巻回される線材115とにより構成され、線材115は一対のフランジ116間に放射方向に拡径しながら渦巻き状に巻装される。また二次巻線104は、導電部材118をフィルム状の絶縁層119で覆うことで構成される。
そして製造に際しては、予めボビン体114に線材115を巻装した一次巻線103を用意し、この一次巻線103の線材115の両端をプリント基板108の所定位置に半田付けして双方の電気的接続を図る。また、このプリント基板108の孔109にコアホルダ107の弾性片110を嵌合させ、プリント基板108上にコアホルダ107を取付け固定する。次いで、一次巻線103およびコアホルダ107付きのプリント基板108を、プリント基板108と対向して配置される金属製の板状部材121にスペース(図示せず)を介在させた状態でねじ止めする。これらの各作業により、板状部材121に対するプリント基板108とトランス101のコアホルダ107との位置決め固定がそれぞれなされる。
次に、実質的なトランス101の製造工程に移行する。先ず、つき合わせ面113を上に向けた状態で、第1コア部材105をコアホルダ107に収容し、機構的に各々独立した一次巻線103と二次巻線104をコア102の主脚111に順次装着する。そして、第1コア部材105のつき合わせ面113を第2コア部材106につき合わせて、弾性ストッパー122の両端部をコアホルダ107の両側上部に係止することで、トランス101の全ての構成部品(コア102,一次巻線103および二次巻線104)がコアホルダ107に収容保持される。
また、トランス101の二次側の電流容量を増やすために、二次巻線104を銅などの金属板材で構成するものも、例えば特許文献2などで知られている。
さらに、トロイダル状コアに導体として太い銅線を巻いたり、あるいは細い銅線を束ねて巻いたりする構造が従来から採用されてきた。しかし、銅線が巻太って無駄なスペースが生じたり、太い銅線のために他の被接合体との端末処理が複雑となったり、コアの中心部で銅線が密になり、放熱が困難になったりする問題を有していた。
上述したような、一次巻線103と二次巻線104を積層したトランス101では、製造時に巻線機などの大掛かりな機械を必要としない利点がある。しかし、こうしたトランス構造においても、積層した一次巻線103と二次巻線104間の冷却が不十分であり、また特に大電流が流れるトランス101では、一次巻線103または二次巻線104の端部に設けた接続部で、外部回路との接続損失も大きく、熱集中が避けられないという問題があった。また併せて、限られたスペース内で巻線の占有率をさらに増加させると共に、一次巻線103と二次巻線104間の漏れインダクタンスを低減できるトランス構造も求められていた。
特開2003−68532号公報 特開昭64−30463号公報
さらに、上記従来のトランスでは、構造上、コアのつき合せ部分に形成されるギャップから漏れ磁束が発生して、コアに近接した二次巻線の表面に渦電流が流れる。このとき渦電流と二次巻線の電気抵抗により電力が消費されて発熱する(以下、渦電流損という)。このように上記従来のトランスでは、コアの突合せ部分から発生する漏れ磁束によって、渦電流損が生じ、エネルギー効率が低下するという問題があった。また、この渦電流によって二次巻線が発熱することにより、一次巻線と二次巻線間の冷却を十分に行うことができない、という問題があった。
そこで本発明は上記問題点に鑑み、渦電流損を低減してエネルギー効率を向上すると共に、一次巻線と二次巻線間の冷却を十分に行うことができるトランスを提供することを目的とする。
本発明の請求項1におけるトランスは、磁性材料からなる複数のコア部材をつき合わせて形成したコアに、一次巻線と二次巻線とを積層して装着したトランスにおいて、前記二次巻線は、前記コアを周回するように形成した周回部を有する金属板材からなり、前記一次巻線と互い違いに複数個装着され、漏れ磁束によって前記周回部に発生する渦電流を減少させる隙間を、前記周回部と前記コアとの間に形成したことを特徴とする。
本発明の請求項2におけるトランスは、前記周回部は、前記周回部の周縁からコアへ突出させた複数の突起を有することを特徴とする。
本発明の請求項3におけるトランスは、磁性材料からなるコアに、一次巻線と二次巻線とを積層して装着したトランスにおいて、前記一次巻線は、線材を複数回巻回したボビンレス構造のコイル部だけで構成され、前記二次巻線は、前記コアを周回するように形成した金属板材からなり、前記一次巻線と互い違いに複数個装着されることを特徴とする。
また、本発明の請求項4におけるトランスは、前記二次巻線の端部に接続部を設け、外部回路および/または別な二次巻線との接続を可能にするために、固定具が挿通する4つ以上の孔を前記接続部に形成している。
本発明の請求項1では、トランスの例えば複数のコア部材をつき合わせた部分に形成されるギャップから漏れ磁束が発生した場合であっても、渦電流損を低減してエネルギー効率を向上すると共に、二次巻線の発熱を低減することができるので、一次巻線と二次巻線間の冷却を十分に行うことができる。
本発明の請求項2では、前記内隙間及び外隙間を一定間隔に保持することができるので、より安定的に渦電流の発生を抑制することができる。
本発明の請求項3では、共通するコアに一次巻線と二次巻線がそれぞれ積層状態で装着されるが、一次巻線にボビンが存在しない分、トランスとしての巻線の占有率が増加するので、限られたスペースを有効に活用できる。また、トランスを電源装置などに組み込んだときに、空気の流れを妨げるボビンが無くなったことで、積層した一次巻線と二次巻線に冷風が満遍なく通過する。しかも、金属板状の二次巻線を多層構造化することにより、トランスとしての熱分散を図ることができ、前述した冷風が満遍なく通過することと相俟って、冷却性能を向上できると共に、一次巻線と二次巻線との間の漏れインダクタンスも低減できる。
本発明の請求項4では、4個以上の固定具を用いて、外部回路や他の二次巻線を接続部に強固に固定することができるため、接続部における損失の低減を図ることができる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明におけるトランスの好ましい実施例を説明する。
図1は、本実施例におけるトランス1の分解斜視図であり、図2はトランス1の組立後における外形図である。ここでのトランス1は、スイッチング方式の電源装置に組み込まれ、図示しないスイッチング素子のスイッチングにより一次側で得られた方形波電圧を、二次側に絶縁して電力伝送するものである。また、当該電源装置がブリッジ型コンバータにより構成される関係で、本実施例におけるトランス1も、共通するコア2に2つの巻線部3,4が電磁気的に結合した構造を有している。勿論、この巻線部3,4が単独若しくは3つ以上あっても構わない。
コア2は、鉄またはフェライトなどの磁性部材で構成され、何れも断面がE形に形成された第1コア部材11と第2コア部材12とにより構成される。それぞれのコア部材11,12は、中心部の円筒形状をなす主脚13と、この主脚13の両側にある一対の側脚14と、主脚13および各側脚14の基端部を繋ぎ合わせる平板状の連結部15とを有し、コア部材11,12の主脚13および各側脚14の上面どうしをつき合わせることで、閉ざされた磁気回路が形成される。このように、第1コア部材11と第2コア部材12とをつき合わせた場合、つき合わせ部分には一定程度のギャップGが形成される。なお、ここでのコア2は、いわゆるEE型のコア部材11,12により構成されるが、従来例で示したEI型や、それ以外の型によるコア部材11,12により構成してもよい。また、主脚13は円以外の断面を有する柱状であっても構わない。
巻線部3は、何れも複数の一次巻線31と二次巻線32とを互い違いに積層して構成され、また同様に巻線部4も、何れも複数の一次巻線41と二次巻線42とを互い違いに積層して構成される。ここで、巻線部3の一次巻線31と巻線部4の一次巻線41は同一形状であるが、巻線部3の二次巻線32と巻線部4の二次巻線42は、外部回路の接続部となる端部の形状が異なる。一次巻線31,41は並列接続され、この並列回路に前記方形波電圧が印加される。一方、二次巻線32,42は、それぞれの巻線部3,4で直列に接続され、巻線部3の二次巻線32の他端と、巻線部4の二次巻線42の一端がねじ止めにより電気的に接続される。
ここで、図3や図4を参照しながら、巻線部3,4の構成をさらに詳しく説明する。一次巻線31,41は、いわゆるボビンレス構造で、絶縁被覆された線材である電線21を巻回したコイル部22だけで構成される。ここでのコイル部22は、電線21を積み重ねながら、放射方向に拡径しつつ順に複数回巻回して形成される。したがって、一次巻線31,41の巻始めとなる電線21の一端21aが、コイル部22の内周側に位置し、一次巻線31,41の巻き終りとなる電線21の他端21bが、コイル部22の外周側に位置する。そのため、電線21の一端21aは、最終的にコイル部22の内周側から外周側を乗り越えるように、当該コイル部22を跨いで外部へ送出される膨出部21cが形成される一方で、電線21の他端21bは、コイル部22の外周側からそのまま外部へ送出される。
巻線部3の二次巻線32は、例えば銅板などの扁平板状の金属板材から形成され、前記コア2の脚部13を取り囲むように形成される周回部24と、この周回部24の一端と他端にそれぞれ形成される接続部25,26と、接続部25,26の反対側にあって、周回部24の中間に形成される誘導手段としての凹部27とを備える。凹部27は、周回部24の内周縁を「コ」字状に切り抜いて形成される。この凹部27は、周回部24の内周縁から半径方向に延び、奥行きが巻き幅である一次巻線31の軸直角方向長さより大きく形成され、幅が一次巻線31を構成する電線21の直径よりも大きく形成される。
同様に、巻線部4の二次巻線42は、例えば銅板などの扁平板状の金属板材から形成され、前記コア2の脚部13を取り囲むように形成される周回部24と、この周回部24の一端と他端にそれぞれ形成される接続部28,29と、接続部28,29の反対側にあって、周回部24の中間に形成される誘導手段としての凹部27とを備える。二次巻線42は、その両端部に位置する接続部28,29の形状だけが二次巻線32と異なる。凹部27の奥行きは巻き幅である一次巻線41の軸直角方向長さより長く形成され、幅が電線21の直径より長く形成される。
51は、コア部材11,12をつき合わせた状態で、コイル2の脚部13外周を覆うシート状の絶縁材である。この絶縁材51は、一次巻線31,41や二次巻線32,42とコイル2とを電気的に絶縁するためのものである。同様の目的で、各コア部材11,12の連結部15と巻線部3,4との間にも、それぞれシート状の絶縁材52が介在される。さらに、巻線部3,4間にも、別なシート状の絶縁材53が介在される。これらの絶縁材52,53は、一次巻線31,41や二次巻線32,42と共に積層される。
前記二次巻線32の接続部25,26には、4個の孔54がそれぞれ形成される。また、別な二次巻線42の接続部28,29にも、前記孔54と同形状の4個の孔55がそれぞれ形成される。コア2に複数の一次巻線31,41および二次巻線32,42を積層した状態では、各二次巻線32の接続部25に形成した孔54にねじ56がそれぞれ挿通され、このねじ56の先端側にナット57を螺着することで、各二次巻線32の接続部25が電気的に接続される。同様に、各二次巻線42の接続部29に形成した孔55にねじ58がそれぞれ挿通され、このねじ58の先端側にナット59を螺着することで、各二次巻線42の接続部29が電気的に接続される。さらに、各二次巻線32の接続部26に形成した孔54と、二次巻線42の接続部28に形成した孔55に、別なねじ60がそれぞれ挿通され、このねじ60の先端側にナット61を螺着することで、各二次巻線32,42の接続部26,28が電気的に接続される。なお、一次巻線31,41および二次巻線32,42を積層したときに向かい合う各接続部25,26,28,29間は、図示しない外部回路の端子部や、導電性のスペーサが介在して、共にねじ締めされる。これにより向かい合う各接続部25,26,28,29間の電気的な導通を確実にすると共に、ねじ締め時における接続部25,26,28,29の変形を防止している。
次に、二次巻線32,42の構成について、図6〜図8を参照して説明する。尚、以下の説明において、二次巻線32,42は、接続部25,26,28,29の構成が異なるのみで他の構成については同じであるので、説明の便宜上、二次巻線32についてのみ説明することとする。周回部24は、コア2との間に隙間としての内隙間71と外隙間72を形成し得るように設けられている。周回部24の内周縁24aは、コア2の主脚13の外径より大きい内径を有するように形成され、コア2の主脚13との間に内隙間71を形成している。この内隙間71は、漏れ磁束によって二次巻線32の周回部24に発生する渦電流を抑制し得る大きさ、例えば、径方向において片側1mm程度となるように形成される。
この周回部24の内周縁24aには、主脚13へ向かって突出して形成された突起73が設けられている。この突起73は、内周縁24aに複数、本図においては合計4個設けられており、先端が円弧形状の一部で形成され、内周縁24aから先端までの長さが前記隙間に相当する長さ(例えば1mm)を有している。4個の突起73は、大小からなる2個の突起73を一対として構成され、大小それぞれの突起73が、内周縁24aの対角線上に形成されている。
このように二次巻線32は、周回部24の内周縁24aに突起73を設けたことにより、内周縁24aと前記コア2の主脚13との間に内隙間71を形成していると共に、該内隙間71の幅を一定に保持している。
また、周回部24の外周縁24bは、コア2の側脚14との間に外隙間72を形成し得るように、外径が側脚14の内径より小さく形成されている。この外隙間72も内隙間71と同様に、漏れ磁束によって二次巻線32の周回部24に発生する渦電流を抑制し得る大きさ、例えば、径方向において片側1mm程度となるように形成される。
このように周回部24は、外周縁24bを側脚14の内径より小さい外径を有するように形成したことにより、外隙間72を設けた。この外隙間72は、周回部24の内周縁24aに形成した突起73がコア2の主脚13部に当接することにより、一定幅に保持される。
以上のように、二次巻線32は、周回部24の内周縁24aとコア2の主脚13との間に内隙間71が形成されていると共に、外周縁24bと前記コア2の側脚14との間に外隙間72が形成されており、前記内隙間71及び外隙間72は一定間隔に保持されている。
製造に際しては、予め電線21をボビンレスの状態で巻回することで、複数の一次巻線31,41をサブユニットとして組立てておく。そして、図3に示すように、第2コア部材12の主脚13および各側脚14の先端面を上に向けた状態で、絶縁材51を主脚13の外周に装着し、絶縁材52,巻線部4,絶縁材53,巻線部3,絶縁材52の順で、機構的に各々独立した一次巻線31,41や二次巻線32,42を含む各部品を装着する。このとき巻線部3は、一次巻線31と二次巻線32が互い違いに積層して装着され、別な巻線部4も一次巻線41と二次巻線42が互い違いに積層して装着されるが、一次巻線31,41にボビンが存在しない関係で、その分トランス1としての巻線の占有率が増える。また、トランス1を電源装置などに組み込んだときに、ファン(図示せず)からの空気の流れを妨げるボビンが無くなったことで、一次巻線31,41と二次巻線32,42に冷風が満遍なく通過する。しかも、金属板状の二次巻線32,42を多層構造化することにより、トランス1としての熱分散を図って、結果的に冷却性能を向上できると共に、一次巻線31,41と二次巻線32,42との間の漏れインダクタンスも低減する。
また、上記したように一次巻線31,41は、電線21の一端21aがコイル部22の内周側から外周側へかけてコイル部22を跨いで送出され、そこに部分的な膨出部21cが形成されるので、一次巻線31,41全体の軸方向長さは、コイル部22の高さに電線21の直径分を加えた長さとなる。従って、金属板材からなる通常の二次巻線32,42で一次巻線31,41をそれぞれ挟み込むと、膨出部21cの部分で二次巻線32,42の表面とコイル部22との間にデッドスペースが生じる。
ところが、本発明のような凹部27を備えた二次巻線32,42であれば、図3に示すように、凹部27に電線21の膨出部21cを配置することにより、前記二次巻線32,42の表面を,それに対向する一次巻線31,41のコイル部22表面に当接させたまま、コイル部22を跨いでいる電線21の一端21aを,凹部27によってコイル部7の内周側から外周側へ誘導することができる。従って、トランス1は、電線21の膨出部21cの直径分だけ軸方向の長さを短くすることができるので、スペースを有効に利用して小型化を実現することが可能になる。
なお、別な変形例として、図5に示すように、凹部27に替えて有底の溝部71を設けることとしてもよい。溝部71は、周回部24の内周縁から半径方向に延びるように形成され、高さ(軸)方向の長さが少なくとも電線21の直径より大きく、奥行きが一次巻線31,41の軸直角方向の長さより大きく、電線21の一端21aが外部へ導出できるように、円周方向の外端部が一次巻線31,41の外端部より外方に位置するように形成される。このように誘導手段として有底の溝部71を設けることとしたことにより、誘導手段の設置に伴う二次巻線32,42の断面積の減少を抑制することができる。すなわち、誘導手段を溝部71とすることにより、上記凹部12を設ける場合に比べ、二次巻線32,42の断面積を増やすことができる。
そして最後に、第2コア部材12に向かい合わせた状態で、第1コア部材11をつき合わせ、必要に応じてコア2の外周をテープ(図示せず)で固定することで、トランス1単体としての製造が完了する。
以上のように、本実施例では、磁性材料からなるコア2に、一次巻線31,41と二次巻線32,42とを積層して装着したトランス1において、一次巻線31,41は、線材である電線21を複数回巻回したボビンレス構造のコイル部22だけで構成され、二次巻線32,42は、コア2を周回するように形成した金属板材からなり、一次巻線31,41と互い違いに複数個装着されている。
こうすると、共通するコア2に一次巻線31,41と二次巻線32,42がそれぞれ積層状態で装着されるが、一次巻線31,41にボビンが存在しない分、トランス1としての巻線の占有率が増加するので、限られたスペースを有効に活用できる。また、トランス1を電源装置などに組み込んだときに、空気の流れを妨げるボビンが無くなったことで、積層した一次巻線31,41と二次巻線32,42に冷風が満遍なく通過する。しかも、金属板状の二次巻線32,42を多層構造化することにより、そこからトランス1としての熱分散を図ることができ、前述した冷風が満遍なく通過することと相俟って、冷却性能を向上できると共に、一次巻線31,41と二次巻線32,42との間の漏れインダクタンスも低減できる。
さらに本実施例では、二次巻線32,42の一端部および他端部にそれぞれ接続部25,26,28,29を設け、外部回路および/または別な二次巻線32,42との接続を可能にするために、固定具であるねじ56,58,60が挿通する4つ以上の孔を前記接続部25,26,28,29に形成している。
こうすると、4個以上のねじ56,58,60を用いて、外部回路や他の二次巻線32,42を接続部25,26,28,29に強固に固定することができるため、接続部25,26,28,29における損失の低減を図ることができる。
また、トランス1では、第1コア部材11と第2コア部材12とをつき合わせ部分に形成された一定程度のギャップGから、漏れ磁束が発生する。因みに、従来のトランス1では、上記漏れ磁束によって、二次巻線32上に渦電流が発生し、エネルギー効率を低下させていた。
これに対し、本実施例では、二次巻線32は、周回部24の内周縁24aとコア2の主脚13との間に内隙間71が形成されていると共に、外周縁24bと前記コア2の側脚14との間に外隙間72が形成されている。
こうすると、第1コア部材11と第2コア部材12とをつき合わせた部分に形成される一定のギャップGから漏れ磁束が発生した場合であっても、該漏れ磁束による渦電流の発生を抑制することができる。このようにして渦電流の発生を抑制できることにより、二次巻線32の発熱を低減することができる。従って、トランス1は、渦電流損を減少してエネルギー効率を向上できると共に、一次巻線31と二次巻線32間の冷却を十分に行うことができる。
さらに、周回部24の内周縁24aには、脚部へ向かって突出して形成された突起73を設けた。これにより、前記内隙間71及び外隙間72を一定間隔に保持することができるので、より安定的に渦電流の発生を抑制することができる。
また、突起73は、内周縁24aに4個設けられており、先端が円弧形状の一部で形成されている。これにより、トランス1は、二次巻線32をコア2に組み付ける際、スムーズに周回部24の内周縁24aをコア2の主脚13に挿入することができるので、容易に組み立てることができる。
さらに、4個の突起73は、大小からなる2個の突起73を一対として構成され、大小のそれぞれの突起73が、内周縁24aの対角線上に形成されている。こうすると、組み付け方向によらず、コア2の主脚13を周回部24の中心に保持できるので、より確実に内隙間71及び外隙間72を一定間隔に保持することができる。
また、周回部24の外周縁24bは、コア2の側脚14の内径より小さい外径を有するように形成した。こうすると、二次巻線32は、周回部24の内周縁24aに形成した突起73がコア2の主脚13に当接しているので、周回部24の外周縁24bとコア2の側脚14との間に形成された外隙間72を、一定間隔に保持することができる。
以上のように、トランス1は、二次巻線32の周回部24の内周縁24a及び外周縁24bと、コア2の主脚13及び側脚14との間に内隙間71及び外隙間72を形成し、内周縁24aに突起73を設けたことにより前記内隙間71及び外隙間72を一定間隔に保持することとしたから、より安定的に渦電流の発生を抑制することにより、渦電流損を減少できると共に、一次巻線31,41と二次巻線32間の冷却を十分に行うことができる。
また、トランス1は、ギャップGが二次巻線32と二次巻線42との間に位置するように二次巻線32,42を積層することにより、二次巻線32,42を漏れ磁束が覆いギャップGから離して配置している。
なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。本発明は、コア2,一次巻線31,41,二次巻線32,42の各形状は、実施例中に提示したものに限ることなく、適宜変更が可能である。また、2ターン以上の二次巻線32,42であっても構わない。さらに、ねじ56,58,60の先端部がねじ込まれる二次巻線32,42の一つを、タップ無しの孔54,55からタップ付きの孔に変更して、ナット57,59,61を不要にしてもよい。また、突起73は、実施例中に提示したものに限ることなく、周回部24の外周縁24bに設けることとしてもよい。さらに、二次巻線32は、隙間を形成するために従来に比べ周回部24を細く形成したが、抵抗の増大を抑制するため、厚みを従来に比べ適宜厚くすることとしてもよい。また、トランス1は、コア2同士をつき合わせた部分にのみ、内隙間71及び外隙間72を形成する二次巻線32,42を設け、コア2同士をつき合わせた部分から離れた部分には内隙間71及び外隙間72を形成しない通常の二次巻線を設けることとしてもよい。
本発明の好ましい一実施例におけるトランスの各構成部品を示す分解斜視図である。 同上、トランスの組立後における斜視図である。 同上、巻線部の積層時における斜視図である。 同上、要部の部分断面図である。 同上、別な変形例を示す要部の部分断面図である。 同上、二次巻線の構成を示す正面図である。 同上、二次巻線をコアに組み付けた状態の断面図である。 同上、トランスの縦断面図である。 従来のトランス構造を示す分解斜視図である。
符号の説明
2 コア
21 電線(線材)
22 コイル部
24 周回部
25,26,28,29 接続部
31,41 一次巻線
32,42 二次巻線
56,58,60 ねじ(固定具)
71 内隙間(隙間)
72 外隙間(隙間)

Claims (4)

  1. 磁性材料からなる複数のコア部材をつき合わせて形成したコアに、一次巻線と二次巻線とを積層して装着したトランスにおいて、
    前記二次巻線は、前記コアを周回するように形成した周回部を有する金属板材からなり、前記一次巻線と互い違いに複数個装着され、
    漏れ磁束によって前記周回部に発生する渦電流を減少させる隙間を、前記周回部と前記コアとの間に形成したことを特徴とするトランス。
  2. 前記周回部は、前記周回部の周縁からコアへ突出させた複数の突起を有することを特徴とする請求項1記載のトランス。
  3. 前記一次巻線は、線材を複数回巻回したボビンレス構造のコイル部だけで構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のトランス。
  4. 前記二次巻線の端部に接続部を設け、外部回路および/または別な二次巻線との接続を可能にするために、固定具が挿通する4つ以上の孔を前記接続部に形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のトランス。
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