JP2001223115A - インダクタンス部品及びその製造方法 - Google Patents

インダクタンス部品及びその製造方法

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JP2001223115A
JP2001223115A JP2000032489A JP2000032489A JP2001223115A JP 2001223115 A JP2001223115 A JP 2001223115A JP 2000032489 A JP2000032489 A JP 2000032489A JP 2000032489 A JP2000032489 A JP 2000032489A JP 2001223115 A JP2001223115 A JP 2001223115A
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coil
core
inductance component
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thin
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JP2000032489A
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Hideo Nakamura
英雄 中村
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TDK Lambda Corp
Original Assignee
TDK Lambda Corp
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  • Coils Of Transformers For General Uses (AREA)
  • Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)
  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】簡単な構造にて効率の低下やノイズの発生を最
低限に抑えながら、高い生産性を実現できるインダクタ
ンス部品を提供する。 【解決手段】漏洩磁束の多い入力コイルをコア2との結
合の良い筒型コイル5、出力電圧や出力電流に応じて様
々な線径、巻数のものが要求される出力コイルを薄型コ
イル6とし、筒型コイル5の外側に薄型コイル6を配設
することが可能な構造を用いることにより、効率の低下
やノイズの発生を最小限に抑えながら、高い生産性を実
現できるトランス1aを提供することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電源装置などに用
いられるトランスやチョークコイルなどのインダクタン
ス部品に関し、さらに詳しくは、複数のコイルと、これ
らのコイルを挿通するコアとを備えたインダクタンス部
品に関する。
【0002】
【従来の技術】スイッチング電源やインバータ等に使用
されるトランスやチョークコイル等のインダクタンス部
品は、コアとコイルを主要な構成要素とし、コイル間の
相互電磁誘導作用に基づき、交流電圧の変圧や、入力回
路と出力回路との間の絶縁等を行なう場合に利用される
電子部品である。
【0003】インダクタンス部品の中でも特にトランス
は、接続される回路の種類や仕様によって容量や形状等
が多種多様であり、また、一般に、回路の中で最後に仕
様が決定する回路部品である。そして、その構成要素で
あるコイルは、線径や、巻数、巻回方法等によって仕様
が複雑に変化する。
【0004】従来より一般に用いられているトランス用
コイル(以下、「従来型コイル」とする。)には、導線
を巻回する部分の幅、すなわち導線を巻回する部分の軸
方向長さが長いボビンが使用されており、そのようなボ
ビンに複数の導線が軸方向に螺旋状にソレノイド巻きで
巻回されている。
【0005】このような従来型コイルは、回路の仕様の
決定後に設計及び巻回が行われるため、設計から製作ま
でに多くの時間を要する。そのうえ、従来型コイルは、
使用する導線の線径及び巻数が同一であっても、巻回方
法が異なる場合には、仕様に差が生じるため、導線の巻
回に熟練が必要となる。さらに、従来型コイルの仕様を
変更するためには、導線を取り外し、巻回し直さなくて
はならないため、回路の設計変更や、改造等に柔軟に対
応することができない構造となっている。
【0006】そこで近年、軸方向の厚さが薄いボビンに
巻回された複数の薄型コイルを備え、これらの複数のコ
イルの組み合わせによって仕様を変更することが可能な
トランス1A(図8参照)が考案された。
【0007】このトランス1Aは、図9に示すように、
2つのコア片2a′からなるコア2′と、複数の薄型コ
イル6とによって構成されている。コア2′は、円筒形
で断面が略E字型のコア片2a′を上下に2個組み合わ
せたポット型のフェライトコアであり、薄型コイル6
は、樹脂等で成形された軸方向の厚さが薄い薄型ボビン
8に導線16を半径方向に広がる渦巻状にスパイラル巻
きで巻回したコイルである。これらを組み立てた際に
は、図8に示すようにコア2′が薄型コイル6を包み込
み、ポットのような形状になる。
【0008】この構造を用いた場合、予めユニット化
(モジュール化)された複数種の薄型コイル6を予め用
意しておくことが可能となり、回路の仕様に合わせて適
当な薄型コイル6を選択し、それらを複数組み合わせる
ことによって所望の仕様のトランス1Aを製作すること
が可能となる。したがって、複雑な組み合わせのコイル
を備えた多出力型の電源装置用のトランスなどでも短時
間で容易に製作することが可能となり、組立後の回路の
設計変更や、改造等にも柔軟に対応することが可能とな
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来型コ
イルを使用したトランスと比較し、前記薄型コイル6を
使用したトランス1Aは、コアとコイルとの結合が悪く
なる。なぜなら、従来型コイルは、導線を巻回する部分
の幅、すなわち導線を巻回する部分の軸方向長さが長い
ボビンに導線をスパイラル巻きで巻回した構造であるた
め、導線とコアとの間隔が短くなっているが、薄型コイ
ル6を使用したトランス1Aは、導線16を巻回する部
分の軸方向長さが短い薄型ボビン8に導線16をスパイ
ラル巻きで巻回した構造であるため、導線の巻数の増加
に伴って導線16とコア2との距離が長くなり、外周側
になるにしたがい導線16とコア2との距離が離れてし
まうからである。よって、この薄型コイル6を用いたト
ランス1Aを用いた場合、製作時間が短縮されるととも
に、組立や分解が容易になるため、生産性は向上する
が、その反面、コアとコイルの結合が悪くなってしま
う。
【0010】そして、コアとコイルの結合が悪い場合、
コアによって形成された閉磁路中を通るはずの磁束がコ
アの外部に漏洩してしまい、この漏洩した磁束によっ
て、渦電流が発生し、発熱、効率の低下、周囲の電子部
品の誤作動等の不具合が発生する。
【0011】したがって、この種の薄型コイル6を使用
したトランス1Aを用いる場合、外部に漏洩する磁束を
低減させるため、図9に示したように、一対のポット型
のコア片2a′によって薄型コイル6を内包するような
構造を用いなくてはならなかった。
【0012】本発明は、上記の問題点に鑑み、効率の低
下を最小限に抑えながら、高い生産性を実現できるトラ
ンスやチョークコイル等のインダクタンス部品を提供す
ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のインダクタンス部品は、ソレノイド巻きに
よって導線を巻回した少なくとも一つの第一のコイル
と、該第一のコイルの軸方向長さより短い軸方向長さを
有する少なくとも一つの第二のコイルと、これらのコイ
ルに挿通されるコアとを有し、前記第一のコイルが、前
記第二のコイルのコア挿通孔に挿通されていることを特
徴とする。
【0014】以上のような構成によれば、第二のコイル
と比較し、第一のコイルのコアに対する結合が良くな
る。
【0015】また、前記第二のコイルを前記第一のコイ
ルに複数挿通することが可能な構造を用いることによ
り、本インダクタンス部品をトランスとして用いる場合
の多出力型の電源装置などへの応用が容易になる。
【0016】また、前記第一のコイルの外径と、前記第
二のコイルの内径とをほぼ等しい大きさにすることによ
り前記第一のコイルに前記第二のコイルを挿通した際の
コイル間のガタつきを防止することが可能とる。
【0017】また、前記第一のコイルを筒型のボビンに
導線を巻回した筒型コイルにすることにより、前記第一
のコイルを容易に製作することが可能となる。
【0018】また、前記筒型コイルに巻回された導線の
両端を該筒型コイルの一方の端部から延出させることに
より、前記第二のコイルを該筒型コイルへ挿通させる作
業が容易になり、さらに該筒型コイルの基板等への取付
けが容易になる。
【0019】また、前記第二のコイルとして、スパイラ
ル巻きすることによって形成された薄型コイルや、シー
ト状に成形した偏平巻線に絶縁被覆を施して形成された
シート型コイル、コア挿通孔を設けた薄層基板に、導電
パターンが巻線部として形成された基板一体型コイルな
どのコイルを用いることにより、前記第一のコイルに対
する前記第二のコイルの着脱が容易になり、前記第一の
コイルに前記第二のコイルを複数設けることが容易にな
る。また、これらの第二のコイルを複数種組み合わせて
用いることも可能である。
【0020】さらに、前記第一のコイルのコア挿通孔と
ほぼ同一径のコア挿通孔を有する第三のコイルを前記第
一のコイルの端部付近に設けることも可能である。
【0021】また、前記筒型コイルを前記コアにエネル
ギーを供給する入力コイルにすることにより、使用時に
本インダクタンス部品から発生する漏洩磁束を減少させ
ることが可能となる。
【0022】また、前記第二のコイルをコアに蓄積され
たエネルギーを出力する出力コイルとして用いたり、前
記第三のコイルをコアの蓄積エネルギーを制御する制御
コイルとして用いることも可能である。
【0023】また、前記インダクタンス部品を電源装置
の回路に接続されるトランスとして用いる場合に、前記
第一のコイルをその電源装置の入力回路に接続される一
次コイルとし、前記第二のコイルをその電源装置の出力
回路に接続される二次コイルとすることにより、損失や
漏洩磁束の少ない電源装置を製作することが可能とな
る。
【0024】また、前記コイルのうちの少なくとも一つ
を入力電力や出力電力に合わせて標準化することにより
所望の仕様のインダクタンス部品を迅速に製作すること
が可能となる。
【0025】また、ソレノイド巻きで巻回された第一の
コイルと、該第一のコイルの軸方向長さより短い軸方向
長さを有する第二のコイルと、これらのコイルに挿通さ
れるコアとを有するインダクタンス部品の製造方法にお
いて、前記第一のコイルを前記コアに装着した後に、前
記第二のコイルを前記コアに装着された前記第一のコイ
ルに挿通させる方法を用いることにより、本インダクタ
ンス部品を容易に組み立てることが可能となる。
【0026】本発明の他の目的、構成及び効果は、図面
を参照して行う以下の実施形態の説明から、より明らか
となるであろう。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明のインダクタンス部
品の第一実施形態を添付図面を参照して詳述する。
【0028】図1は、本発明のインダクタンス部品の第
一実施形態を示す斜視図、図2は、その構造を示す分解
斜視図、図3は、その構造を示す縦断面図である。ま
た、図4は、本発明の第二実施形態の分解斜視図、図5
は、その構造を示す縦断面図である。さらに、図6
(a)は、本発明のインダクタンス部品に使用される薄
型コイルの他の実施形態であるシート型コイルの正面
図、図6(b)は、そのA−A′線断面図であり、図7
(a)は、本発明のインダクタンス部品に使用される薄
型コイルの他の実施形態である基板一体型コイルの正面
図、図7(b)は、そのB−B′線断面図である。な
お、前記図8及び図9に示した従来の構造と同一の機能
を有する要素には同一の番号を付記する。
【0029】まず、本発明の第一実施形態のインダクタ
ンス部品について詳述する。なお、本実施形態のインダ
クタンス部品は電源装置等の主トランスとして用いられ
るトランスとして構成されている。
【0030】図1ないし図3に示すように、本実施形態
のトランス1aは、入力コイルと出力コイルとの電磁的
な結合を強めるためのコア2と、コア2にエネルギーを
蓄積するための入力コイルとなる筒型コイル5と、この
筒型コイル5と電磁的に結合し、この筒型コイル5によ
ってコア2に蓄積されたエネルギーを取り出す出力コイ
ルとなる複数の薄型コイル6とを有している。本実施形
態では、前記入力コイルとしての筒型コイル5が本発明
の第一のコイルを構成し、また、前記出力コイルとして
の複数の薄型コイル6が本発明の第二のコイルを構成し
ている。
【0031】コア2は、図3に示すように磁性材料によ
って断面E字型に成形された一対のコア片2a、2aを
上下に2つ組み合わせたものであり、この一対のコア片
2a、2aによって「日」の字型の閉磁路が形成される
ようになっている。また、各コア片2aは、2本の外足
3と、それらの間に位置する1本の中足4とを有してお
り、組み立てる際、前記筒型コイル5及び薄型コイル6
は、この中足4に挿通される。
【0032】筒型コイル5は、図2に示すように、樹脂
等によって略円筒状に成形され、中心に軸方向に延びる
コア挿通孔12を備えた筒型ボビン7を有し、この筒型
ボビン7の外周にソレノイド巻き、すなわち軸方向に螺
旋状に導線16を巻回したものであり、コイルの形状が
筒型になるように形成されている。
【0033】また、この筒型コイル5に巻回されている
導線16の両端の先端部15は、図1及び図2に示すよ
うに筒型コイル5の下方の端部からのみ延出されてお
り、このような構造を用いることによってトランス1a
の基板等への取付けや、この筒型コイル5に対する薄型
コイル6の着脱が容易になっている。なお、これらの先
端部15を筒型コイル5の下方の端部からのみ延出させ
るため、筒型コイル5に巻回される導線16の先端部1
5の一方は、図2に示すように筒型ボビン7の内側を通
るようになっている。
【0034】また、図3に示すように、前記筒型コイル
5の外径R1は、薄型コイル6の内径r2とほぼ等しい寸
法になっている。すなわち、筒型コイル5に薄型コイル
6を挿通した際に、筒型コイル5の外側の側面と、薄型
コイル6のコア挿通孔12の内側の側面との間に隙間が
ほとんどない構造となっていることから、使用時におけ
る薄型コイル6のガタ付きや振動が防止されるようにな
っている。
【0035】なお、必要な場合には、筒型コイル5と薄
型コイル6との間に緩衝材や絶縁材となるシート等を設
け、これらの間の緩衝や絶縁を行なってもよい。
【0036】また、この筒型コイル5は、樹脂によって
モールト゛することも可能であり、その場合には、この筒
型コイル5の外周面が平滑になるため、この筒型コイル
5に対して薄型コイル6を挿通することが容易になる。
【0037】さらに、この筒型コイル5を電源装置の入
力回路に接続される一次コイル、すなわち、本トランス
1aに対する入力コイルとして用いることにより、使用
時に漏洩磁束の多い入力コイルとコアとの結合を良くす
ることが可能となるため、本トランスから外部に漏洩す
る磁束を減少させることが可能となる。
【0038】また、筒型コイル5は、本実施形態のよう
にコア2に取り付ける前に予め巻回しておくことが可能
であるが、本実施形態に限らず、必要に応じてコアに直
接絶縁被覆した導線を巻回することによって筒型コイル
を形成することも可能である。この際には、コアに緩衝
材や絶縁材となるシート等を巻回し、その後に導線を巻
回することが好ましい。
【0039】第二のコイルとなる薄型コイル6は、図1
ないし図3に示すように、樹脂などによって成形され、
前記筒型コイル5と同様に中心に軸方向に延びるコア挿
通孔12を有し、軸方向の厚さが前記筒型コイル5より
薄い薄型ボビン8に導線16をスパイラル巻きで巻回す
ることにより形成されている。
【0040】この薄型コイル6は、前述したように前記
筒型コイル5より軸方向長さが薄く、筒型コイル5に複
数個挿通することが可能となっている。
【0041】また、図3に示すように、この薄型コイル
6の内径r2は、前述したように筒型コイル5の外径R1
とほぼ等しい寸法になっており、それによってこれらの
薄型コイル6を筒型コイル5に隙間なく装着することが
可能となっている。また、この薄型コイル6は、筒型コ
イル5に複数個装着することが可能となっており、しか
も各々を独立したユニットとして扱うことが可能である
ことから、多出力電源等への応用が容易な構造となって
いる。このように、薄型コイル6は、その構造の特徴か
ら、出力コイルとして用いることが好ましい。
【0042】次に、本発明の第二実施形態のインダクタ
ンス部品について詳述する。なお、本実施形態のインダ
クタンス部品も上記の第一実施形態と同様にトランスと
して構成されている。
【0043】図4及び図5に示すように、本発明の第二
実施形態のトランス1bは、上記の第一実施形態のトラ
ンス1aと同様に、コア2と、筒型コイル5と、薄型コ
イル6、9とによって構成されている。
【0044】本実施形態のトランス1bは、上記第一実
施形態と同様に第一のコイル、第二のコイルを有してい
る一方、上記第一実施形態と異なり、第一のコイルに挿
通せずに用いる第三のコイルとなる薄型コイル9を有し
ている。この第三のコイルとなる薄型コイル9は、前記
薄型コイル6と同様に薄型ボビン8に導線16をスパイ
ラル巻きで巻回することにより形成されている。前記薄
型コイル6と薄型コイル9とは、図5に示すように各々
の中心に設けられたコア挿通孔12の内径r2及びr3
みが異なり、その他の構造は同一である。そのため、こ
こでは第三のコイルを薄型コイル9としている。
【0045】また、この構造に用いられている筒型コイ
ル5の軸方向の長さは、後述する薄型コイル9を端部に
設けるため、上述した第一実施形態に用いられている筒
型コイル5の軸方向長さより短くなっている。
【0046】そして、図5に示すように、薄型コイル9
のコア挿通孔12の内径r3は、筒型コイル5の内径r1
と同様にコア2の中足4の外径R0とほぼ等しい寸法に
なっており、取付けの際、これらの薄型コイル9は、筒
型コイル5の端部付近に設けられる。
【0047】本実施形態は、薄型コイル9を設けること
により、一つのトランスに3種類のコイルを設けること
が可能となっている。そして、電源装置等に本トランス
1bを使用する際に、例えば、第一のコイルをなす筒型
コイル5を入力コイルとして使用し、第二のコイルをな
す薄型コイル6を出力コイル、第三のコイルをなす薄型
コイル9を過飽和リアクトルの飽和状態の制御などに使
用する制御コイルとして用いるなど、これら3種類のコ
イルを使用目的に応じて使い分けることが可能となる。
【0048】なお、上記の第一、第二実施形態では、第
二のコイルや第三のコイルとして、前記薄型コイル6や
薄型コイル9を用いているが、これらの実施形態に限ら
ず、図6に示すように、コア挿通孔12を設け、金属材
料を薄いシート状に成形した偏平コイル10に絶縁被覆
11を施して形成されたシート型コイル6aや、図7に
示すように、コア挿通孔12を設けた薄層基板13に、
導電パターンをコイル部14として形成した基板一体型
コイル6b等のコイルを使用することも可能であり、さ
らには、これらのコイルを前記薄型コイル6、9と組み
合わせて用いることも可能である。これらのコイルも前
記薄型コイル6と同様にコア挿通孔12の寸法を変化さ
せることにより、図2及び図3に示したような第二のコ
イル、第三のコイルとして使用することが可能となり、
上記の薄型コイル6、9と同様の効果を得ることができ
る。
【0049】なお、筒型コイル5に装着するコイルは、
これらの3種のコイルに限定されることはなく、筒型コ
イル5に複数装着することが可能であれば他にも様々な
形状のコイルを使用することが可能である。
【0050】以下、上述した第一、第二実施形態のトラ
ンス1a、1bの組立て方法を詳述する。
【0051】まず、第一のコイルをなす筒型コイル5を
下側のコア片2aの中足4に挿通する。次に、コア片2
aに挿通された筒型コイル5に第二のコイルをなす薄型
コイル6を挿通する。ここで、上記第二実施形態のトラ
ンス1bのように第三のコイルをなす薄型コイル9を有
する場合には、前記薄型コイル6の挿通後に薄型コイル
9を前記筒型コイル5の端部付近に位置するようにコア
2の中足4に挿通する。さらに、これらのコイルを装着
した後に上側のコア片2aを取り付ける。そして、これ
らの一対のコア片2aを、クランプやテープ(図示せ
ず)等によって固定する。
【0052】以上のようにして組み立てられたトランス
1a、1bは、前記筒型コイル5の先端部15や前記薄
型コイル6、9の導線16を用いて基板等に設けられた
回路に接続される。
【0053】このように、前記筒型コイル5を入力コイ
ル、前記薄型コイル6を出力コイルとし、筒型コイル5
に薄型コイル6が挿通される構造を用いることにより、
コアと入力コイルの結合が良くなるとともに、図9に示
した従来型の構造のように薄型コイル6のみを使用した
場合と比較し、漏洩磁束や、ノイズが大幅に減少する。
また、これらの筒型コイル5や薄型コイル6は、標準化
することにより、コア2に取り付ける前に予め巻回する
ことが可能であるため、これらを組み合わせることによ
り所望の仕様のインダクタンス部品を迅速に製作するこ
とが可能となる。
【0054】上述した第一、第二実施形態では、本イン
ダクタンス部品は、トランスとして構成されているが、
本インダクタンス部品はチョークコイル等の電子部品と
しても利用することが可能であり、その際にも組立てや
分解が容易な本インダクタンス部品の利点を享受するこ
とができる。
【0055】最後に、本発明は、上述した実施形態に限
定されるものでなく、特許請求の範囲に記載された範囲
で種々の変更及び改良等が可能であることは言うまでも
ない。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
使用時に漏洩磁束の多い入力コイルをコアとの結合の良
い筒型コイル、出力電圧や出力電流に応じて様々な線
径、巻数のものが要求される出力コイルを薄型コイルと
し、筒型コイルの外側に薄型コイルを配設することが可
能な構造を用いることにより、効率の低下やノイズの発
生を最低限に抑えながら、高い生産性を実現できるイン
ダクタンス部品を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインダクタンス部品の第一実施形態を
示す斜視図である。
【図2】本発明のインダクタンス部品の第一実施形態の
構造を示す分解斜視図である。
【図3】本発明のインダクタンス部品の第一実施形態の
構造を示す縦断面図である。
【図4】本発明のインダクタンス部品の第二実施形態の
構造を示す分解斜視図である。
【図5】本発明のインダクタンス部品の第二実施形態の
構造を示す縦断面図である。
【図6】図6(a)は、本発明のインダクタンス部品に
用いられている薄型コイルの他の実施形態であるシート
型コイルの正面図、図6(b)は、前記シート型コイル
のA−A′線断面図である。
【図7】図7(a)は、本発明のインダクタンス部品に
用いられている薄型コイルの他の実施形態である基板一
体型コイルの正面図、図7(b)は、前記基板一体型コ
イルのB−B′線断面図である。
【図8】従来のインダクタンス部品の構造を示す斜視図
である。
【図9】従来のインダクタンス部品の構造を示す分解斜
視図である。
【符号の説明】
1 インダクタンス部品 1a 第一実施形態のトランス 1b 第二実施形態のトランス 1A 従来構造のトランス 2 コア(本発明) 2′ コア(従来構造) 2a コア片(本発明) 2a′ コア片(従来構造) 3 外足 4 中足 5 筒型コイル 6 薄型コイル(第二のコイル) 6a シート型コイル 6b 基板一体型コイル 7 筒型ボビン 8 薄型ボビン 9 薄型コイル(第三のコイル) 10 偏平コイル 11 絶縁被覆 12 コア挿通孔 13 薄層基板 14 コイル部 15 先端部 16 導線 R0 コアの中足の外径 R1 筒型コイルの外径 r1 筒型コイルの内径 r2 薄型コイル(第二のコイル)の内径 r3 薄型コイル(第三のコイル)の内径
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01F 31/00 C M D

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ソレノイド巻きによって導線を巻回した
    少なくとも一つの第一のコイルと、該第一のコイルの軸
    方向長さより短い軸方向長さを有する少なくとも一つの
    第二のコイルと、コアとを有し、前記第一のコイルが前
    記コアに挿通され、前記第二のコイルが前記コアに挿通
    された第一のコイルに挿通されていることを特徴とする
    インダクタンス部品。
  2. 【請求項2】 前記第二のコイルは、前記第一のコイル
    に複数挿通されていることを特徴とする請求項1に記載
    のインダクタンス部品。
  3. 【請求項3】 前記第一のコイルの外径と、前記第二の
    コイルの内径とがほぼ等しい大きさになっていることを
    特徴とする請求項1または請求項2に記載のインダクタ
    ンス部品。
  4. 【請求項4】 前記第一のコイルは、前記コアが挿通す
    るコア挿通孔を有する筒型のボビンに導線をソレノイド
    巻きすることによって形成された筒型コイルであること
    を特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のイン
    ダクタンス部品。
  5. 【請求項5】 前記筒型コイルに巻回された導線の両端
    が該筒型コイルの一方の端部から延出していることを特
    徴とする請求項4に記載のインダクタンス部品。
  6. 【請求項6】 前記第二のコイルは、前記コアに挿通さ
    れた第一のコイルが挿通するコア挿通孔を有する軸方向
    の厚さが薄い薄型ボビンに導線をスパイラル巻きするこ
    とによって形成された薄型コイルを含むことを特徴とす
    る請求項1ないし5のいずれかに記載のインダクタンス
    部品。
  7. 【請求項7】 前記第二のコイルは、前記コアに挿通さ
    れた第一のコイルが挿通するコア挿通孔を有する軸方向
    の厚さが薄いシート状に成形した偏平巻線に絶縁被覆を
    施して形成されたシート型コイルを含むことを特徴とす
    る請求項1ないし5のいずれかに記載のインダクタンス
    部品。
  8. 【請求項8】 前記第二のコイルは、前記コアに挿通さ
    れた第一のコイルが挿通するコア挿通孔を有する軸方向
    の厚さが薄い薄層基板に、導電パターンが巻線部として
    形成された基板一体型コイルを含むことを特徴とする請
    求項1ないし5のいずれかに記載のインダクタンス部
    品。
  9. 【請求項9】 前記第二のコイルが複数種用いられてい
    ることを特徴とする請求項6ないし8のいずれかに記載
    のインダクタンス部品。
  10. 【請求項10】 さらに、前記第一のコイルのコア挿通
    孔とほぼ同一径のコア挿通孔を有する第三のコイルが前
    記第一のコイルの端部付近に設けられていることを特徴
    とする請求項1ないし9のいずれかに記載のインダクタ
    ンス部品。
  11. 【請求項11】 前記第一のコイルは、前記コアにエネ
    ルギーを供給する入力コイルであることを特徴とする請
    求項1ないし10のいずれかに記載のインダクタンス部
    品。
  12. 【請求項12】 前記第二のコイルは、コアに蓄積され
    たエネルギーを出力する出力コイルであることを特徴と
    する請求項1ないし11のいずれかに記載のインダクタ
    ンス部品。
  13. 【請求項13】 前記第三のコイルは、コアの蓄積エネ
    ルギーを制御する制御コイルであることを特徴とする請
    求項10ないし12のいずれかに記載のインダクタンス
    部品。
  14. 【請求項14】 前記インダクタンス部品は、電源装置
    の回路に接続されるトランスであり、前記第一のコイル
    は、該電源装置の入力回路に接続される一次コイルであ
    り、前記第二のコイルは、該電源装置の出力回路に接続
    される二次コイルであることを特徴とする請求項1ない
    し13のいずれかに記載のインダクタンス部品。
  15. 【請求項15】 前記コイルのうちの少なくとも一つが
    入力電力や出力電力に合わせて標準化されていることを
    特徴とする請求項1ないし14のいずれかに記載のイン
    ダクタンス部品。
  16. 【請求項16】 ソレノイド巻きで巻回された第一のコ
    イルと、該第一のコイルの軸方向長さより短い軸方向長
    さを有する第二のコイルと、これらのコイルに挿通され
    るコアとを有するインダクタンス部品の製造方法におい
    て、前記第一のコイルを前記コアに装着した後に、前記
    第二のコイルを前記コアに装着された前記第一のコイル
    に挿通させることを特徴とするインダクタンス部品の製
    造方法。
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