JPH11214228A - 電源装置の主トランスおよびその製造方法 - Google Patents

電源装置の主トランスおよびその製造方法

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JPH11214228A
JPH11214228A JP10010749A JP1074998A JPH11214228A JP H11214228 A JPH11214228 A JP H11214228A JP 10010749 A JP10010749 A JP 10010749A JP 1074998 A JP1074998 A JP 1074998A JP H11214228 A JPH11214228 A JP H11214228A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 巻線製造作業を独自に行なう必要のない電源
装置の主トランスを得る。 【解決手段】 二次巻線28は、機構的に独立した出力側
モジュール14a〜14nに一体に取り付けられている。こ
の状態にある二次巻線28と一次巻線24とを、主トランス
12のコア27に連結する。主トランス12の出力側の組み立
てが完了するのと同時に、主トランス12としての組み立
ても完了する。よって、主トランス12は独自の巻線製造
作業を行なう必要がない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、入力側から出力側
の電力伝送を行なうスイッチング電源装置などに代表さ
れる電源装置の主トランスおよびその製造方法に関す
る。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】一般に、この種の特に
スイッチング電源装置においては、フィルター回路を介
して供給される交流電源電圧を整流平滑して直流入力電
圧を得、この直流入力電圧を主トランスの一次巻線に断
続的に印加する。そして、主トランスの二次巻線に誘起
された電圧を、二次側の整流平滑回路で整流平滑した後
に、所望の直流出力電圧を出力するように構成してい
る。
【0003】ところで、従来のこうした電源装置は、入
力電圧や出力電圧などを考慮した仕様に基づき、磁芯で
あるコアに一次巻線と二次巻線を巻回して、入力側から
出力側の電力伝送を行なう独立した主トランスを組み立
てておき、この主トランスに対して入力側および出力側
の各回路部品を組み込むようになっている。したがっ
て、主トランスを製造する際に必要な仕様が必ず存在
し、工数が増加する要因となっていた。また、複数の出
力電圧を供給する多出力の電源装置においては、各出力
毎に主トランスの二次側の巻線製造作業が必要になる煩
しさがあった。
【0004】そこで、本発明は上記問題点に鑑み、巻線
製造作業を独自に行なう必要のない電源装置の主トラン
スおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載された電
源装置の主トランスは、入力側から出力側への電力伝送
を行なう電源装置の主トランスにおいて、一次巻線と、
機構的に独立した出力側モジュールに一体に取り付けた
二次巻線と、前記一次巻線および前記二次巻線が連結可
能なコアとを備えたことを特徴とする。
【0006】また、請求項4に記載された電源装置の主
トランスの製造方法は、入力側から出力側への電力伝送
を行なう電源装置の主トランスにおいて、機構的に独立
した出力側モジュールに二次巻線を一体に取り付けた後
で、この二次巻線と一次巻線とをコアに連結させること
を特徴とする。
【0007】上記の構成および方法によれば、少なくと
も二次巻線は機構的に独立した出力側モジュールに一体
に取り付けられていることから、この状態にある二次巻
線と一次巻線とを主トランスのコアに連結すれば、主ト
ランスの出力側の組み立てが完了するのと同時に、主ト
ランスとしての組み立ても完了する。よって、主トラン
スは独自の巻線製造作業を行なう必要がない。
【0008】上記請求項1における電源トランスの主ト
ランスの構成では、請求項2に記載したように、前記一
次巻線が機構的に独立した入力側モジュールに一体に備
えたものであることが好ましい。
【0009】また、上記請求項4における電源トランス
の主トランスの製造方法では、請求項5に記載したよう
に、前記一次巻線は、前記コアに連結する前に、機構的
に独立した入力側モジュールに一体に取り付けられてい
ることが好ましい。
【0010】この構成および方法によれば、一次巻線も
機構的に独立した入力側モジュールに一体に取り付けら
れていることから、この状態にある一次巻線と二次巻線
とを主トランスのコアに連結すれば、主トランスの入力
側および出力側の組み立てが完了するのと同時に、主ト
ランスとしての組み立ても完了する。よって、主トラン
スは、独自の巻線製造作業を行なう必要がない。
【0011】上記請求項1または2における電源トラン
スの主トランスの構成では、請求項3に記載したよう
に、前記二次巻線を備えた前記出力側モジュールは異な
る特性のものが複数種用意されており、各々の前記二次
巻線がいずれも平板状コイルであることが好ましい。
【0012】また、上記請求項4または5における電源
トランスの主トランスの製造方法では、請求項6に記載
したように、前記出力側モジュールは異なる特性のもの
が複数種用意されており、その各々にいずれも平板状コ
イルが前記二次巻線として取り付けられていることが好
ましい。
【0013】この構成および方法によれば、出力側モジ
ュールは異なる特性のものが複数種用意されているた
め、単出力から多出力に至るまで、出力側モジュールを
どのように組み合わせたとしても、主トランスの巻線製
造作業を独自に行なう必要はない。また、二次巻線はい
ずれも平板状コイルであるため、安価でかつ簡単に製造
することができる。さらに、主トランスのコアに出力側
モジュールの二次巻線を複数積み重ねることができ、容
易に多出力化を実現できる。
【0014】
【発明の実施形態】以下、本発明における電源装置の一
実施例を、添付図面を参照しながら説明する。先ず、電
源装置の全体構成を図1〜図3に基づき説明すると、1
はアルミニウムなどの金属材料で形成された電源ケース
であり、この電源ケース1は、電源装置の大部分の構成
部品が取り付けられる底板2と、底板2に対しL字状に
なるように折り曲げられた側板3および曲げ板4とによ
り構成される。また、5は電源ケース1の上部を覆うカ
バーであり、これを電源ケース1と同様にアルミニウム
などの金属材料で形成される。そして、カバー5を電源
ケース1に装着した状態では、箱状をなす本体(電源ケ
ース1およびカバー5)の一側部に開口部6が形成され
る。
【0015】電源装置は、前記電源ケース1およびカバ
ー5からなる本体の外殻内に、各々独立した複数のモジ
ュールを備えている。そのモジュールとは、入力電圧ラ
インに侵入するノイズを効果的に抑制,遮断するノイズ
フィルタモジュールに相当するラインフィルタ部11と、
主トランス12を含む高調波抑制機能を備えたコンバータ
部13と、コンバータ部13の後段に並列接続された一乃至
複数の出力側モジュール14a〜14nと、出力側モジュー
ル14a〜14nの空スペースに装着されるブランクパネル
15と、電源装置の付加機能として一つの出力側モジュー
ル14aに補助的に設けられる補助モジュールたるオプシ
ョンボード16とにより概ね構成される。そして、これら
のモジュールを構成する各構成要素は、いずれも本体の
内部において機構的に独立しており、その各々が電源ケ
ース1に対して着脱可能に設けられている。
【0016】なお、ここでいうモジュールとは、一つの
電源装置の主要な内部構成を図面上で便宜的に区画した
ものとは全く異なり、自由な電源設計を行なえるよう
に、各々が機構的および電気的にも完全に独立してい
る。つまり、図面的に区画したものは、回路内部がブロ
ック化されているので、ブロック化された回路内部に手
を加えなければ、電源装置の仕様を変えることができな
い。しかし、本実施例におけるモジュールは、電源装置
の仕様に応じて複数種のモジュールを用意しているの
で、モジュール内部に手を加える必要はない。
【0017】個々のモジュールの構成について詳述する
と、電源ケース1の側板3に沿って設けられたラインフ
ィルタ部11は、曲げ板4より外部に露出した入力端子17
を備えており、チョークコイルやコンデンサなどを組み
合わせた周知のノイズフィルタ回路を内蔵している。そ
して、入力端子17からの交流入力電圧に含まれるノイズ
成分を抑制,遮断して、後段のコンバータ部13に送り出
す機能を有している。また、ラインフィルタ部11は、ノ
イズフィルタ回路の各構成部品をプリント基板に実装し
たフィルタ本体21を、アルミニウムなどの金属材料から
なる保持部材22で保持した構成を有しており、フィルタ
特性の異なるラインフィルタ部11が予め複数種用意され
ている。フィルタ本体21を構成するプリント基板は、コ
ンバータ部13と半田付け若しくはコネクタにより接続さ
れる一方、保持部材22はねじ(図示せず)により電源ケ
ース1の側板3に取付け固定されるが、その接続および
取付け固定位置は、どのラインフィルタ部11も一致して
いる。したがって、所望の特性を有する任意のラインフ
ィルタ部11を、そのまま電源ケース1の決められた箇所
に実装できる構造となっている。
【0018】コンバータ部13は、曲げ板4に設けた冷却
ファン23に臨んで、ラインフィルタ部11と同じく電源ケ
ース1の後方寄りに設けられており、スイッチング素子
(図示せず)などの発熱部品を効果的に放熱するように
なっている。また、このコンバータ部13は、ラインフィ
ルタ部11から供給される交流入力電圧の電流波形と電圧
波形を近付けて、交流入力電圧の高調波電流を抑制した
後、スイッチング素子のスイッチングにより、主トラン
ス12の一次巻線24に直流入力電圧を断続的に印加する機
能を有する。コンバータ部13は、前述の主トランス12の
他に、この主トランス12の一次巻線24を、他の主トラン
ス12の一次側回路を構成する電子部品と共にプリント基
板に実装して一体に備えた入力側モジュール25と、この
入力側モジュール25を構成する複数のプリント基板を互
いに支持する支え板26とにより構成される。そして、磁
性部材からなる主トランス12のコア27に電気的に絶縁し
て着脱可能に設けられる一次巻線24は、予め入力側モジ
ュール25の一側に半田付けされており、入力側モジュー
ル25と実質的に一体に構成されている。この入力側モジ
ュール25も、前記ラインフィルタ部11のように、入力電
圧などの特性に応じたものが予め複数種用意されてお
り、所望の特性を有する入力側モジュール25を、そのま
ま電源ケース1の決められた箇所に実装できる構造とな
っている。なお、主トランス12周辺の構成については、
後程詳しく説明する。
【0019】出力側モジュール14a〜14nは、本実施例
では電源ケース1の前側に3個並設されており、3出力
の直流出力電圧が取り出せるようになっている。この出
力側モジュール14a〜14nの設置数は、電源ケース1の
設置スペースが許す限りいくらでも可能であり、どの位
置にどの出力側モジュール14a〜14nを設置するのかも
任意である。但し、出力側モジュール14a〜14nを設置
しない電源ケース1の空スペースには、これを塞ぐよう
なブランクパネル15を設けることが好ましい。このこと
により、電源ケース1内を通過する空気が、空スペース
から外部に逃げることを確実に阻止することができ、出
力側モジュール14a〜14nを効果的に冷却できる。ま
た、ブランクパネル15は、出力モジュール14a〜14nの
設置数が任意になることから、複数種の形状のものを予
め用意しておくことが好ましい。
【0020】本実施例における電源ケース1は、出力モ
ジュール14a〜14nを最大5個設置できる同一スペース
のCH(チャンネル)1〜CH5のスロットを並設して
いる。このなかで、出力モジュール14aは、CH1およ
びCH2の2チャンネル分のスロットを占有している
が、他の出力モジュール14b,14cおよびブランクパネ
ル15は、CH3〜CH5の各々に設置され、1チャンネ
ル分のスロットを占有している。この実施例からも明ら
かなように、出力モジュール14a〜14nは、全て同一の
スペース内に収納できる形状でなくてもよく、出力の電
流容量などに応じて、2チャンネル以上の複数スロット
を占有してもよい。これにより、出力モジュール14a〜
14nの形状に柔軟性を持たせることができる。
【0021】各出力側モジュール14a〜14nは、二次巻
線28を一体的に備えていると共に、主トランス12の二次
側回路および帰還回路を構成する各種電子部品を実装す
る主基板31と、この主基板31を立設状態に保持するアル
ミニウムなどの金属材料からなる保持部材32と、主基板
31の部品面に対し垂直に半田付け接続された補助基板33
とにより構成される。このなかで、各出力側モジュール
14a〜14nの主基板31は、保持部材32によりその部品面
が同じ側に向いており、開口部6に対向した主基板31の
端部には、直流出力電圧を外部に供給する出力端子34が
設けられている。また、補助基板33は、出力電圧の設定
や、過電圧保護および過電流保護、並びにリモートセン
シングなどの各補助機能を実現する回路部品を実装して
おり、各補助機能に対応した動作用の外部端子35が、導
電パターンを露出させた状態で、補助基板33の先端部よ
りさらに突出して各々複数個並設されている。保持部材
32は、図示しないねじにより電源ケース1の側板3の決
められた位置に取り付け固定されており、これにより前
記補助基板33の外部端子35を含めた各出力側モジュール
14a〜14nの位置決めがなされる。
【0022】側板3の反対側にある出力側モジュール14
aには、前述のオプションボード16が補助基板33に対し
垂直に立設される。オプションボード16には、前記外部
端子35が挿通可能なスルーホール(図示せず)を形成し
た連結部41を突出状態に備えている。但し、連結部41は
外部端子35の全てに対応して設ける必要はない。この連
結部41には導電パターンが露出しており、外部端子35を
連結部41に挿通後、この連結部41を半田付けすること
で、双方の電気的接続がなされる。また、入力側モジュ
ール25のプリント基板にも、出力側モジュール14a〜14
nの各々に対応して、オプションボード16に半田付け接
続可能な別の連結部42が設けられており、これにより、
外部端子35の一乃至複数と入力側モジュール25との電気
的な連結が図られる。そして、出力側モジュール14a
は、オプションボード16の連結部41に連結した外部端子
35に対応した補助機能が、選択的に動作するようになっ
ている。なお、本実施例では、一つの出力側モジュール
14aにのみオプションボード16が装着されているが、他
の出力モジュール14b〜14nにも選択的にオプションボ
ード16を装着してもよい。これにより、選択された特定
の出力モジュール14a〜14nにのみ前記補助機能を持た
せることができる。
【0023】オプションボード16は、外部端子35との連
結部41が互いに異なる位置に設けられた複数種のものが
予め用意されている。例えば、全ての外部端子35に対応
して連結部41を備えたものと、出力電圧の設定に関わる
外部端子35のみに対応して連結部41を備えたものと、出
力電圧の設定および過電圧,過電流保護に関わる外部端
子35に対応して連結部41を備えたものとを用意すれば、
このなかの選択されたオプションボード16を出力側モジ
ュール14a〜14nの一つに装着すれば、その出力モジュ
ール14a〜14nに対しオプションボード16に見合う所望
の補助機能を持たせることが可能になる。
【0024】なお、本実施例では、各出力側モジュール
14a〜14nの同じ位置に外部端子35を設けるようにし
て、補助基板33の共通化を図るようにしているが、逆
に、外部端子35の数が異なる複数の補助基板33を用意し
ておき、このなかから選択した補助基板33を各出力側モ
ジュール14a〜14nに取り付けて、共通のオプションボ
ード16により、外部端子35と一次側モジュール25とを電
気的に連結させることも考えられる。しかし、この場合
は、補助基板33に搭載する回路部品が各々異なってくる
ので、様々な種類がある出力側モジュール14a〜14nの
管理が繁雑になる。本実施例のように補助基板33を共通
化すれば、出力側モジュール14a〜14nの数が無用に増
えず、部品管理が行いやすくなる。
【0025】次に、図4〜図8をさらに参照して、入力
側から出力側への電力伝送を行なう主トランス12周辺の
構成を詳述する。51は、主トランス12の外殻を形成する
合成樹脂製の外ケースである。この外ケース51は有底状
で、底部には入力側モジュール25のプリント基板への着
脱を容易にする複数の弾性片52が突出形成される。ま
た、外ケース51の内部には、コア27を構成する断面がE
形のコア下部材53と、このコア下部材53の上部に設けら
れる断面がI形のコア上部材54が収容保持される。コア
27は、中心部の円筒形状をなす主脚55と、主脚55の両側
にある一対の側脚56を有し、周知の閉ざされた磁気回路
を形成している。また、外ケース51は、側脚56を設けて
いないコア27の前後方向に位置して、コ字状に切り開い
た開口部57が形成される。コア27の主脚55は円筒状であ
る必要はないが、前述の一次巻線24や二次巻線28の先端
部が複数挿脱できる形状となっている。
【0026】入力側モジュール25に接続された一次巻線
24は、合成樹脂からなる円板状のボビン61と、このボビ
ン61の中央円筒部62に巻回される線材63とにより構成さ
れる。ボビン61は、後述する二次巻線28と共に主トラン
ス12のコア27に複数積層できるように、二次巻線28と同
様に比較的平板状に形成される。また、導線を絶縁物で
覆った線材63は、ボビン61に形成した上下一対のフラン
ジ64間において、放射方向に拡がって螺旋状に配設され
る。これらのボビン61および線材63を構成する絶縁物に
より、一次巻線24は外部と電気的に絶縁される。上部の
フランジ64には、扇状の切欠部65が形成されており、こ
の切欠部65の基端より放射方向に、線材63の巻き始めお
よび巻き終り端部を挾持する一対の係止片66が形成され
る。係止部66には、線材63の巻き始め端部を中央円筒部
62の近傍に案内すると共に、線材63の巻き終り端部を係
止片66側に案内する案内部としての切込み67が形成され
ており、この切込み67により線材63をボビン61に簡単に
巻回できるようになっている。なお、68は、コア上部材
54をコア下部材53の上部に保持させる金属製の弾性片で
ある。
【0027】一次巻線24は、本実施例のように同一のも
のを電気的に並列接続して、複数使用してもよい。これ
により、二次巻線24そのものに手を加え得ることなく、
二次巻線24の電流容量を簡単に増やすことができる。ま
た、一次巻線24と同一の部品を用いて、主トランス12の
補助巻線とすることもできる。この場合も、補助巻線を
コア27の主脚55に取り付けるだけでよいので、製造時の
工数増加を最小限にすることができる。
【0028】出力側モジュール14a〜14nに接続された
二次巻線28は平板コイル状をなし、2つの平坦な導電部
材71a,71bを有する。導電部材71a,71bは、出力側
モジュール14a〜14nから外方に延びた延長部72a,72
bと、この延長部72a,72bの基端にあって、主基板31
の回路との接触部73a,73bを有する横向きの支線脚74
a,74bが形成される。また、延長部72a,72bの先端
部からは、実質的に完全な円環状をなすコイル巻線部75
a,75bが、各導電部材71a,71bに形成されており、
このコイル巻線部75a,75bの終端76a,76bが、溝77
a,77bにより導電部材71a,71bの残りの部分から間
隔を有して形成される。溝77a,77bは、延長部72a,
72bの先端中央部において対角線上に交差する。
【0029】導電部材71a,71bは同一形状を有する
が、同じ方向から見たときに鏡像として現れるように積
み重なる。また、導電部材71a,71bの間には絶縁層78
が挿入される。コイル巻線部75a,75bの終端76a,76
bの双方が重なり合う部分では、導電部材71a,71bお
よび絶縁層78を貫く連絡孔79が設けられる。この連絡孔
79に半田付けを行なうことで、一方のコイル巻線部75a
の終端76aと、これに対応する他方のコイル巻線部75b
の終端76bとの接続が図られる。その結果、電流は主基
板31との接触部73aから延長部72aを経由し、コイル巻
線部75aを周回したところで、終端76aから半田付け接
続部を経由して絶縁層78を通過し、導電部材71bのコイ
ル巻線部75bの終端76bから、前記コイル巻線部75aの
場合と同じ方向に周回する。そして、導電部材71bの延
長部72bを経由して主基板31との接触部73bに戻るよう
になっている。
【0030】このように、本実施例では2ターンの二次
巻線28を形成しているが、例えば、螺旋状のコイル巻線
部75aまたはコイル巻線部75bにより、複数ターンの二
次巻線28を形成してもよい。逆に、コイル巻線部75aの
みを形成して、1ターンの二次巻線28を形成してもよ
い。また、本実施例の出力側モジュール14b,14cのよ
うに、主基板31の両面に同一の二次巻線28を接続しても
よい。この場合、2つの二次巻線28を電気的に並列接続
すると、二次巻線28そのものに手を加え得ることなく、
二次巻線28の電流容量を簡単に増やすことができる。
【0031】導電部材71a,71bと、その中間にある絶
縁層78と、連絡孔79からなる半田付け接続部は、いずれ
もフィルム状の絶縁層78により覆われる。これにより、
接触部73a,73bを除く部分で、二次巻線28が一次巻線
24と同様に外部と絶縁されることになる。コイル巻線部
75a,75bに絶縁層78を介在した二次巻線28の先端部
は、前記コア27に連結可能な形状に形成される。なお、
前記半田付け接続部は、他のあらゆる導電接続手段に置
き換えることが可能である。連絡孔79を適当な開口に置
き換えてもよい。
【0032】二次巻線28は連続する金属および絶縁物の
層から形成される平板状コイルであることから、打ち抜
き,プレス,エッチング若しくはレーザカッテイングの
手法により、安価でかつ簡単に製造することができる。
このように二次巻線28を簡単かつ迅速に製造できること
から、電源装置の製造工数を減らし、効率を高めること
が可能になる。また、主トランス12のコア27に出力側モ
ジュール14a〜14cの二次巻線28を複数積み重ねること
ができ、容易に多出力化を実現できる。
【0033】そして、製造に際しては、先ず、ラインフ
ィルタ部11および入力側モジュール25のプリント基板
や、出力側モジュール14a〜14nの主基板31および補助
基板33の各々に、必要な回路部品を取り付けておく。続
いて、ラインフィルタ部11のサブ製造工程では、回路部
品を実装したフィルタ本体21を保持部材22に組み付け
て、ラインフィルタ部11としての完成した組立て体を用
意しておく。また、別の入力側モジュール25のサブ製造
工程では、予めボビン61に線材63を巻回した一次巻線24
を用意しておき、入力側モジュール25を構成するプリン
ト基板の所定位置に、一次巻線24の線材63の基端を半田
付け接続しておく。この後、コア下部材53を外ケース51
に収容した主トランス12を、前記入力側モジュール25を
構成するプリント基板に取り付ける。ここでの取り付け
は、主トランス12の弾性片52を、その弾性変形により該
プリント基板に係止させることで達成される。主トラン
ス12は、一次巻線24や二次巻線28を巻回していない状態
で、他の部品に取り付け固定されており、従来の電源装
置における主トランス12とは、その製造方法が全く異な
っている。この状態で、各プリント基板を支え板26に取
り付けておき、入力側モジュール25として完成した組立
て体を用意しておく。
【0034】これとは別に、出力側モジュール14a〜14
nのサブ製造工程では、適切な寸法で必要な電力特性を
得るためのターン数を有する二次巻線28の接触部73a,
73bを、主基板31の所定位置に半田付け接続する。この
際、二次巻線28を主基板31の両面に一つずつ接続した
り、ターン数の異なる二次巻線28を接続するなどして、
所望の特性の出力側モジュール14a〜14nを複数種組み
立てる。その後、半田付けにより主基板31の部品面に共
通の補助基板33を立設し、これを保持部材32により保持
して、出力側モジュール14a〜14nとしての完成した組
立て体を用意しておく。なお、厳密には1チャンネルの
スロットを占有する出力側モジュール14b,14cと、2
チャンネル分のスロットを占有する出力側モジュール14
aとは、その形状の相違により異なる補助基板33が装着
されるが、外部端子35はいずれも同じ位置に設けられて
おり、占有面積の同じ出力側モジュールは同じ補助基板
33が取り付けられる。
【0035】上記各組立て体は、主トランス12に一次巻
線24や二次巻線28を組み込む前に検査が行なわれる。こ
れにより、特に出力側モジュール14a〜14nでは、個々
の組立て体の段階での誤差をなくして、各出力側モジュ
ール14a〜14nから期待した電圧および電流が確実に供
給されることになる。
【0036】こうした検査工程を一度経た後、電源ケー
ス1への組み込み工程を開始する。先ず、前述の完成し
た入力側モジュール25を電源ケース1の底板2に組み付
け、続いて、ノイズフィルタ部11を側板3に取り付ける
と共に、冷却ファン23を曲げ板4に取り付ける。また、
主トランス12の出力側においては、複数種の出力側モジ
ュール14a〜14nのなかから、選択した出力側モジュー
ル14a〜14cを、電源ケース1の開口部6に対向した部
位に並設する。また、特定の出力側モジュール14aに付
加機能を持たせる必要がある場合は、これに見合うオプ
ションボード16を選択して、その出力側モジュール14a
に取り付ける。これは、出力側モジュール14aの出力端
子35にオプションボード16の連結部41を半田付け接続す
る一方、すでに電源ボード1に組み込んである入力側モ
ジュール25に、オプションボード16の連結部42を半田付
け接続することで達成される。そして、電源ケース1内
に空スペースを生じた場合は、その箇所にブランクパネ
ル15を取り付ける。
【0037】上述の電源ケース1への各組み立て体の取
り付けが完了した後、最後に主トランス12のコア27を利
用して、入力側と出力側の連結作業が行なわれる。これ
は、機構的に各々独立した入力側モジュール25の一次巻
線24や、出力側モジュール14a〜14cの二次巻線28を、
コア27の主脚55に順次装着するだけでよい。その後、弾
性片68によりコア下部材53の上部にコア上部材54を取り
付けることで、入力側モジュール25および出力側モジュ
ール14a〜14cの組み立て完了と同時に、主トランス12
の組み立ても完了する。後は、電源ケース1にカバー5
を取り付けて、最終検査を行なえばよい。
【0038】以上のように、上記実施例では、入力側か
ら出力側への電力伝送を行なう電源装置の主トランス12
において、機構的に独立した出力側モジュール14a〜14
nに二次巻線28を一体に取り付けた後で、この出力側モ
ジュール14a〜14nと一体の二次巻線28と、これとは別
の一次巻線24とをコア27に連結させる独自の製造方法を
採用している。この製造方法によれば、少なくとも二次
巻線28は機構的に独立した出力側モジュール14a〜14n
に一体に取り付けられていることから、この状態にある
二次巻線28と一次巻線24とを主トランス12のコア27に連
結すれば、主トランス12の出力側の組み立てが完了する
のと同時に、主トランス12としての組み立ても完了す
る。よって、主トランス12は独自の巻線製造作業を行な
う必要がない。これは、入力側から出力側への電力伝送
を行なう電源装置の主トランス12において、一次巻線24
と、機構的に独立した出力側モジュール14a〜14nに一
体に取り付けた二次巻線28と、一次巻線28および二次巻
線24が連結可能なコア27とを備えた構成によっても実現
する。
【0039】また、上記製造方法において、本実施例で
は、一次巻線24は、コア27に連結する前に、機構的に独
立した入力側モジュール25に一体に取り付けられてい
る。この場合、一次巻線24も機構的に独立した入力側モ
ジュール25に一体に取り付けられていることから、入力
側モジュール25と一体の一次巻線24と、出力側モジュー
ル14a〜14nと一体の二次巻線28とを、主トランス12の
コア27に連結すれば、主トランス12の入力側および出力
側の組み立てが完了するのと同時に、主トランス12とし
ての組み立ても完了する。よって、主トランス12は、独
自の巻線製造作業を行なう必要がない。これは、前記構
成において、一次巻線24が機構的に独立した入力側モジ
ュール25に一体に備えたものからなることで実現する。
【0040】さらに、上記の各製造方法において、本実
施例では、出力側モジュール14a〜14nは異なる特性の
ものが複数種用意されており、その各々にいずれも平板
状コイルが二次巻線28として取り付けられている。この
場合、出力側モジュール14a〜14nは異なる特性のもの
が複数種用意されているため、単出力から多出力に至る
まで、出力側モジュール14a〜14nをどのように組み合
わせたとしても、主トランス12の巻線製造作業を独自に
行なう必要はない。また、二次巻線28はいずれも平板状
コイルであるため、安価でかつ簡単に製造することがで
きる。さらに、主トランス12のコア27に出力側モジュー
ル14a〜14nの二次巻線28を複数積み重ねることがで
き、容易に多出力化を実現できる。これは、前記各構成
において、二次巻線28を備えた出力側モジュール14a〜
14nは異なる特性のものが複数種用意されており、各々
の二次巻線28がいずれも平板状コイルであることで実現
する。
【0041】これ以外の作用,効果を列記すると、本実
施例では、入力側モジュール25に一次巻線24を一体に取
り付ける一方、この入力側モジュール25とは機構的に独
立した出力側モジュール14a〜14nに二次巻線28を一体
に取り付けて、少なくとも出力モジュール14a〜14nは
異なる特性のものを複数種用意しておき、そのなかから
選択された一乃至複数の出力側モジュール14a〜14nの
二次巻線28と、入力側モジュール25の一次巻線24とを、
入力側モジュール25から出力側モジュール14a〜14nへ
の電力伝送を行なう機構的に独立した主トランス12のコ
ア17に連結させるようにしている。この製造方法によれ
ば、所望の電源装置を構築するには、予め機構的に独立
した入力側モジュール25に一次巻線24を一体に取り付け
ると共に、同様に機構的に独立した出力側モジュール14
a〜14nに二次巻線28を一体に取り付けておく。そし
て、異なる特性のものが複数種用意された出力側モジュ
ール14a〜14nのなかから、一乃至複数の出力側モジュ
ール14a〜14nを選択し、この出力側モジュール14a〜
14nと一体の二次巻線28と、入力側モジュール25に一体
の一次巻線24とを各々共通の主トランス12に連結すれ
ば、単出力から多出力に至る自由な電源設計を行なうこ
とができる。この場合、主トランス12は出力側モジュー
ル14a〜14nの連結個数に関わらず1個で済むため、多
出力の電源装置を構築しても、主トランス12およびその
周辺の構造は複雑化しない。これは、一次巻線24を一体
に取り付けた入力側モジュール25と、二次巻線28を一体
に取り付けた出力側モジュール14a〜14nと、入力側モ
ジュール25から出力側モジュール14a〜14nへの電力伝
送を行なう主トランス12とを各々機構的に独立して備
え、少なくとも出力側モジュール14a〜14nは異なる特
性のものが複数種用意されており、そのなかから選択さ
れた一乃至複数の出力側モジュール14a〜14nの二次巻
線28と、入力側モジュール25の一次巻線24とを、主トラ
ンス12のコア27に連結可能に形成した構成でも達成され
る。
【0042】また、上記製造方法において、本実施例で
は、出力電圧の設定などの各補助機能に対応して、前記
出力側モジュール14a〜14nに動作用の外部端子35を各
々配設しておくと共に、外部端子35との連結部41が互い
に異なる位置に設けられている複数種の機構的に独立し
た補助モジュールたるオプションボード16を用意してお
き、このなかの選択されたオプションボード16を出力側
モジュール14a〜14nに選択的に装着することで、出力
側モジュール14a〜14nの一乃至複数の外部端子35と入
力側モジュール25とを電気的に連結させるようにしてい
る。このような方法で製造すると、各出力側モジュール
14a〜14nには、出力電圧の設定やその他の各補助機能
に対応した外部端子35が各々設けられている。したがっ
て、特定の補助機能を付加するには、機構的に独立した
複数種のオプションボード16のなかから、これに見合う
連結部41を有するオプションボード16を、選択した出力
側モジュール14aに装着すればよい。これにより、該当
する出力側モジュール14aは、特定の補助機能に関し
て、入力側モジュール25と電気的な連結が図られ、各出
力毎に所望の補助機能だけを動作させることが可能にな
る。そしてこれは、出力電圧の設定などの各補助機能に
対応して、一乃至複数の出力側モジュール14a〜14nに
動作用の外部端子35を各々配設すると共に、出力側モジ
ュール14aに選択的に装着され、一乃至複数の外部端子
35と入力側モジュール25とを電気的に連結する機構的に
独立したオプションボード16をさらに備え、オプション
ボード16は外部端子35との連結部41が互いに異なる位置
に設けられている複数種のものが用意されている構成に
より達成される。
【0043】また、上記製造方法において、本実施例で
は、一乃至複数の出力側モジュール14a〜14nを、箱状
の本体である電源ケース1およびカバー5の開口部6に
対向して設置し、この出力側モジュール14a〜14nを設
置していない空スペースを塞ぐように、機構的に独立し
たブランクパネル15を電源ケース1およびカバー5に装
着している。したがって、空スペースを塞いでブランク
パネル15を装着することによって、電源ケース1および
カバー5内を通過する空気が、空スペースから外部に逃
げることを確実に阻止することができ、出力側モジュー
ル14a〜14nを効果的に冷却できる。そしてこれは、一
乃至複数の出力側モジュール14a〜14nが、電源ケース
1およびカバー5の開口部6に対向して設置されてお
り、出力側モジュール14a〜14nを設置していない空ス
ペースを塞ぐように、機構的に独立したブランクパネル
15を電源ケース1およびカバー5に設けた構成によって
も達成される。
【0044】さらに、上記製造方法において、本実施例
では、他のモジュール類と同様に、入力側モジュール25
の前段に、入力電圧のノイズを抑制,遮断する機構的に
独立したノイズフィルタモジュールたるラインフィルタ
部11を装着している。したがって、入力側モジュール25
の前段にラインフィルタ部11を装着することで、このラ
インフィルタ部11を含めた自由な電源設計を行なうこと
ができる。そしてこれは、入力側モジュール25の前段
に、入力電圧のノイズを抑制,遮断する機構的に独立し
たラインフィルタ部11を設けることで達成される。
【0045】その他に、本実施例では、一次巻線24もそ
の全体外形が平板状に形成されている。よって、二次巻
線28が平板状コイルであることと相俟って、主トランス
12のコア27に入力側モジュール25の一次巻線24と出力側
モジュール14a〜14nの二次巻線28を各々積み重ねるこ
とができ、多出力化の実現がさらに容易になる。また、
平板状コイルからなる二次巻線28は、出力側モジュール
14a〜14nの回路部品を実装する主基板31すなわちプリ
ント基板に半田付け接続されるため、二次巻線28と出力
側モジュール14a〜14nとを容易に一体化できる。この
場合、二次巻線28の電流容量を容易に増やすために、主
基板31の両面に二次巻線28を各々接続し、各二次巻線28
を電気的に並列接続するのが好ましい。二次巻線28は様
々な形状が想定されるが、平板状コイルで形成されるた
め、従来のような巻線作業は不要であり、製造性が向上
する。勿論、前記の電流容量を容易に増やす手法におい
ても、製造性の向上はそのまま踏襲される。また、一次
巻線24および二次巻線28はいずれも円板状を有してお
り、円筒形状のコア27に挿入し連結されるようになって
いるが、このようにすると、角形のコアを採用したもの
に比べて、一次巻線24および二次巻線28の取付け方向を
考慮する必要がなく、特に複数の二次巻線28がコア27に
連結される多出力の電源装置において好ましいものとな
る。
【0046】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の要旨の範囲において種々の変形実
施が可能である。
【0047】
【発明の効果】本発明の請求項1に記載された電源装置
の主トランスは、入力側から出力側への電力伝送を行な
う電源装置の主トランスにおいて、一次巻線と、機構的
に独立した出力側モジュールに一体に取り付けた二次巻
線と、前記一次巻線および前記二次巻線が連結可能なコ
アとを備えたことを特徴とし、主トランスの出力側の組
み立てが完了するのと同時に、主トランスとしての組み
立ても完了することで、巻線製造作業を独自に行なう必
要のない電源装置の主トランスを提供できる。
【0048】また、本発明の請求項2に記載された電源
装置の主トランスは、前記請求項1の構成に加えて、前
記一次巻線が機構的に独立した入力側モジュールに一体
に備えたものであることを特徴とし、主トランスの入力
側および出力側の組み立てが完了するのと同時に、主ト
ランスとしての組み立ても完了することで、巻線製造作
業を独自に行なう必要のない電源装置の主トランスを提
供できる。
【0049】また、本発明の請求項3に記載された電源
装置の主トランスは、前記請求項1または2の構成に加
えて、前記二次巻線を備えた前記出力側モジュールは異
なる特性のものが複数種用意されており、各々の前記二
次巻線がいずれも平板状コイルであることを特徴とし、
単出力から多出力に至るまで、出力側モジュールをどの
ように組み合わせたとしても、主トランスの巻線製造作
業を独自に行なう必要はない。また、安価でかつ簡単に
二次巻線を製造できると共に、容易に多出力化を実現で
きる。
【0050】本発明の請求項4に記載された電源装置の
主トランスの製造方法は、入力側から出力側への電力伝
送を行なう電源装置の主トランスにおいて、機構的に独
立した出力側モジュールに二次巻線を一体に取り付けた
後で、この二次巻線と一次巻線とをコアに連結させるこ
とを特徴とし、主トランスの出力側の組み立てが完了す
るのと同時に、主トランスとしての組み立ても完了する
ことで、巻線製造作業を独自に行なう必要のない電源装
置の主トランスの製造方法を提供できる。
【0051】また、本発明の請求項5に記載された電源
装置の主トランスの製造方法は、前記請求項4におい
て、前記一次巻線は、前記コアに連結する前に、機構的
に独立した入力側モジュールに一体に取り付けられてお
り、主トランスの入力側および出力側の組み立てが完了
するのと同時に、主トランスとしての組み立ても完了す
ることで、巻線製造作業を独自に行なう必要のない電源
装置の主トランスの製造方法を提供できる。
【0052】また、本発明の請求項6に記載された電源
装置の主トランスの製造方法は、前記請求項4または5
において、前記出力側モジュールは異なる特性のものが
複数種用意されており、その各々にいずれも平板状コイ
ルが前記二次巻線として取り付けられており、単出力か
ら多出力に至るまで、出力側モジュールをどのように組
み合わせたとしても、主トランスの巻線製造作業を独自
に行なう必要はない。また、安価でかつ簡単に二次巻線
を製造できると共に、容易に多出力化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す電源装置の平面図であ
る。
【図2】同上カバーを開けた状態の電源装置の斜視図で
ある。
【図3】同上電気的構成の概略図である。
【図4】同上主トランスの分解斜視図である。
【図5】同上一次巻線のボビンの平面図である。
【図6】同上一次巻線のボビンの正面図である。
【図7】同上出力側モジュールの平面図である。
【図8】同上図7のI−I線断面図である。
【符号の説明】 12 主トランス 14a〜14n 出力側モジュール 24 一次巻線 25 入力側モジュール 27 コア 28 二次巻線
【手続補正書】
【提出日】平成11年3月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 電源装置の主トランスおよびその製造
方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、入力側から出力側
の電力伝送を行なうスイッチング電源装置などに代表さ
れる電源装置の主トランスおよびその製造方法に関す
る。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】一般に、この種の特に
スイッチング電源装置においては、フィルター回路を介
して供給される交流電源電圧を整流平滑して直流入力電
圧を得、この直流入力電圧を主トランスの一次巻線に断
続的に印加する。そして、主トランスの二次巻線に誘起
された電圧を、二次側の整流平滑回路で整流平滑した後
に、所望の直流出力電圧を出力するように構成してい
る。
【0003】ところで、従来のこうした電源装置は、入
力電圧や出力電圧などを考慮した仕様に基づき、磁芯で
あるコアに一次巻線と二次巻線を巻回して、入力側から
出力側の電力伝送を行なう独立した主トランスを組み立
てておき、この主トランスに対して入力側および出力側
の各回路部品を組み込むようになっている。したがっ
て、主トランスを製造する際に必要な仕様が必ず存在
し、工数が増加する要因となっていた。また、複数の出
力電圧を供給する多出力の電源装置においては、各出力
毎に主トランスの二次側の巻線製造作業が必要になる煩
しさがあった。
【0004】そこで、本発明は上記問題点に鑑み、巻線
製造作業を独自に行なう必要のない電源装置の主トラン
スおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載された電
源装置の主トランスは、入力側から出力側への電力伝送
を行なう電源装置の主トランスにおいて、一次巻線と、
機構的に独立した出力側モジュールに一体に取り付けた
二次巻線と、前記出力側モジュールを電源ケースの設置
スペースの任意の位置に取り付けた後に、前記電源ケー
スに組み付けられた状態で前記一次巻線および前記二次
巻線を連結するコアとを備えたことを特徴とする。
【0006】また、請求項4に記載された電源装置の主
トランスの製造方法は、入力側から出力側への電力伝送
を行なう電源装置の主トランスにおいて、機構的に独立
した出力側モジュールに二次巻線を一体に取り付け、前
記出力側モジュールを電源ケースの設置スペースの任意
の位置に取り付けた後に、前記二次巻線と一次巻線とを
前記電源ケースに組み付けられたコアに連結させること
を特徴とする。
【0007】上記の構成および方法によれば、少なくと
も二次巻線は機構的に独立した出力側モジュールに一体
に取り付けられていることから、出力側モジュールを電
源ケースの設置スペースの任意の位置に取り付けた後
に、コアを電源ケースに組み付けた状態で、二次巻線と
一次巻線とを主トランスのコアに連結すれば、主トラン
スの出力側の組み立てが完了するのと同時に、主トラン
スとしての組み立ても完了する。よって、主トランスは
独自の巻線製造作業を行なう必要がない。
【0008】上記請求項1における電源トランスの主ト
ランスの構成では、請求項2に記載したように、前記一
次巻線が機構的に独立した入力側モジュールに一体に備
えたものであることが好ましい。
【0009】また、上記請求項4における電源トランス
の主トランスの製造方法では、請求項5に記載したよう
に、前記一次巻線は、前記コアに連結する前に、機構的
に独立した入力側モジュールに一体に取り付けられてい
ることが好ましい。
【0010】この構成および方法によれば、一次巻線も
機構的に独立した入力側モジュールに一体に取り付けら
れていることから、この状態にある一次巻線と二次巻線
とを主トランスのコアに連結すれば、主トランスの入力
側および出力側の組み立てが完了するのと同時に、主ト
ランスとしての組み立ても完了する。よって、主トラン
スは、独自の巻線製造作業を行なう必要がない。
【0011】上記請求項1または2における電源トラン
スの主トランスの構成では、請求項3に記載したよう
に、前記二次巻線を備えた前記出力側モジュールは異な
る特性のものが複数種用意されており、各々の前記二次
巻線がいずれも平板状コイルであることが好ましい。
【0012】また、上記請求項4または5における電源
トランスの主トランスの製造方法では、請求項6に記載
したように、前記出力側モジュールは異なる特性のもの
が複数種用意されており、その各々にいずれも平板状コ
イルが前記二次巻線として取り付けられていることが好
ましい。
【0013】この構成および方法によれば、出力側モジ
ュールは異なる特性のものが複数種用意されているた
め、単出力から多出力に至るまで、出力側モジュールを
どのように組み合わせたとしても、主トランスの巻線製
造作業を独自に行なう必要はない。また、二次巻線はい
ずれも平板状コイルであるため、安価でかつ簡単に製造
することができる。さらに、主トランスのコアに出力側
モジュールの二次巻線を複数積み重ねることができ、容
易に多出力化を実現できる。
【0014】
【発明の実施形態】以下、本発明における電源装置の一
実施例を、添付図面を参照しながら説明する。先ず、電
源装置の全体構成を図1〜図3に基づき説明すると、1
はアルミニウムなどの金属材料で形成された電源ケース
であり、この電源ケース1は、電源装置の大部分の構成
部品が取り付けられる底板2と、底板2に対しL字状に
なるように折り曲げられた側板3および曲げ板4とによ
り構成される。また、5は電源ケース1の上部を覆うカ
バーであり、これを電源ケース1と同様にアルミニウム
などの金属材料で形成される。そして、カバー5を電源
ケース1に装着した状態では、箱状をなす本体(電源ケ
ース1およびカバー5)の一側部に開口部6が形成され
る。
【0015】電源装置は、前記電源ケース1およびカバ
ー5からなる本体の外殻内に、各々独立した複数のモジ
ュールを備えている。そのモジュールとは、入力電圧ラ
インに侵入するノイズを効果的に抑制,遮断するノイズ
フィルタモジュールに相当するラインフィルタ部11と、
主トランス12を含む高調波抑制機能を備えたコンバータ
部13と、コンバータ部13の後段に並列接続された一乃至
複数の出力側モジュール14a〜14nと、出力側モジュー
ル14a〜14nの空スペースに装着されるブランクパネル
15と、電源装置の付加機能として一つの出力側モジュー
ル14aに補助的に設けられる補助モジュールたるオプシ
ョンボード16とにより概ね構成される。そして、これら
のモジュールを構成する各構成要素は、いずれも本体の
内部において機構的に独立しており、その各々が電源ケ
ース1に対して着脱可能に設けられている。
【0016】なお、ここでいうモジュールとは、一つの
電源装置の主要な内部構成を図面上で便宜的に区画した
ものとは全く異なり、自由な電源設計を行なえるよう
に、各々が機構的および電気的にも完全に独立してい
る。つまり、図面的に区画したものは、回路内部がブロ
ック化されているので、ブロック化された回路内部に手
を加えなければ、電源装置の仕様を変えることができな
い。しかし、本実施例におけるモジュールは、電源装置
の仕様に応じて複数種のモジュールを用意しているの
で、モジュール内部に手を加える必要はない。
【0017】個々のモジュールの構成について詳述する
と、電源ケース1の側板3に沿って設けられたラインフ
ィルタ部11は、曲げ板4より外部に露出した入力端子12
を備えており、チョークコイルやコンデンサなどを組み
合わせた周知のノイズフィルタ回路を内蔵している。そ
して、入力端子17からの交流入力電圧に含まれるノイズ
成分を抑制,遮断して、後段のコンバータ部13に送り出
す機能を有している。また、ラインフィルタ部11は、ノ
イズフィルタ回路の各構成部品をプリント基板に実装し
たフィルタ本体21を、アルミニウムなどの金属材料から
なる保持部材22で保持した構成を有しており、フィルタ
特性の異なるラインフィルタ部11が予め複数種用意され
ている。フィルタ本体21を構成するプリント基板は、コ
ンバータ部13と半田付け若しくはコネクタにより接続さ
れる一方、保持部材22はねじ(図示せず)により電源ケ
ース1の側板3に取付け固定されるが、その接続および
取付け固定位置は、どのラインフィルタ部11も一致して
いる。したがって、所望の特性を有する任意のラインフ
ィルタ部11を、そのまま電源ケース1の決められた箇所
に実装できる構造となっている。
【0018】コンバータ部13は、曲げ板4に設けた冷却
ファン23に臨んで、ラインフィルタ部11と同じく電源ケ
ース1の後方寄りに設けられており、スイッチング素子
(図示せず)などの発熱部品を効果的に放熱するように
なっている。また、このコンバータ部13は、ラインフィ
ルタ部11から供給される交流入力電圧の電流波形と電圧
波形を近付けて、交流入力電圧の高調波電流を抑制した
後、スイッチング素子のスイッチングにより、主トラン
ス12の一次巻線24に直流入力電圧を断続的に印加する機
能を有する。コンバータ部13は、前述の主トランス12の
他に、この主トランス12の一次巻線24を、他の主トラン
ス12の一次側回路を構成する電子部品と共にプリント基
板に実装して一体に備えた入力側モジュール25と、この
入力側モジュール25を構成する複数のプリント基板を互
いに支持する支え板26とにより構成される。そして、磁
性部材からなる主トランス12のコア27に電気的に絶縁し
て着脱可能に設けられる一次巻線24は、予め入力側モジ
ュール25の一側に半田付けされており、入力側モジュー
ル25と実質的に一体に構成されている。この入力側モジ
ュール25も、前記ラインフィルタ部11のように、入力電
圧などの特性に応じたものが予め複数種用意されてお
り、所望の特性を有する入力側モジュール25を、そのま
ま電源ケース1の決められた箇所に実装できる構造とな
っている。なお、主トランス12周辺の構成については、
後程詳しく説明する。
【0019】出力側モジュール14a〜14nは、本実施例
では電源ケース1の前側に3個並設されており、3出力
の直流出力電圧が取り出せるようになっている。この出
力側モジュール14a〜14nの設置数は、電源ケース1の
設置スペースが許す限りいくらでも可能であり、どの位
置にどの出力側モジュール14a〜14nを設置するのかも
任意である。但し、出力側モジュール14a〜14nを設置
しない電源ケース1の空スペースには、これを塞ぐよう
なブランクパネル15を設けることが好ましい。このこと
により、電源ケース1内を通過する空気が、空スペース
から外部に逃げることを確実に阻止することができ、出
力側モジュール14a〜14nを効果的に冷却できる。ま
た、ブランクパネル15は、出力モジュール14a〜14nの
設置数が任意になることから、複数種の形状のものを予
め用意しておくことが好ましい。
【0020】本実施例における電源ケース1は、出力モ
ジュール14a〜14nを最大5個設置できる同一スペース
のCH(チャンネル)1〜CH5のスロットを並設して
いる。このなかで、出力モジュール14aは、CH1およ
びCH2の2チャンネル分のスロットを占有している
が、他の出力モジュール14b,14cおよびブランクパネ
ル15は、CH3〜CH5の各々に設置され、1チャンネ
ル分のスロットを占有している。この実施例からも明ら
かなように、出力モジュール14a〜14nは、全て同一の
スペース内に収納できる形状でなくてもよく、出力の電
流容量などに応じて、2チャンネル以上の複数スロット
を占有してもよい。これにより、出力モジュール14a〜
14nの形状に柔軟性を持たせることができる。
【0021】各出力側モジュール14a〜14nは、二次巻
線28を一体的に備えていると共に、主トランス12の二次
側回路および帰還回路を構成する各種電子部品を実装す
る主基板31と、この主基板31を立設状態に保持するアル
ミニウムなどの金属材料からなる保持部材32と、主基板
31の部品面に対し垂直に半田付け接続された補助基板33
とにより構成される。このなかで、各出力側モジュール
14a〜14nの主基板31は、保持部材32によりその部品面
が同じ側に向いており、開口部6に対向した主基板31の
端部には、直流出力電圧を外部に供給する出力端子34が
設けられている。また、補助基板33は、出力電圧の設定
や、過電圧保護および過電流保護、並びにリモートセン
シングなどの各補助機能を実現する回路部品を実装して
おり、各補助機能に対応した動作用の外部端子35が、導
電パターンを露出させた状態で、補助基板33の先端部よ
りさらに突出して各々複数個並設されている。保持部材
32は、図示しないねじにより電源ケース1の側板3の決
められた位置に取り付け固定されており、これにより前
記補助基板33の外部端子35を含めた各出力側モジュール
14a〜14nの位置決めがなされる。
【0022】側板3の反対側にある出力側モジュール14
aには、前述のオプションボード16が補助基板33に対し
垂直に立設される。オプションボード16には、前記外部
端子35が挿通可能なスルーホール(図示せず)を形成し
た連結部41を突出状態に備えている。但し、連結部41は
外部端子35の全てに対応して設ける必要はない。この連
結部41には導電パターンが露出しており、外部端子35を
連結部41に挿通後、この連結部41を半田付けすること
で、双方の電気的接続がなされる。また、入力側モジュ
ール25のプリント基板にも、出力側モジュール14a〜14
nの各々に対応して、オプションボード16に半田付け接
続可能な別の連結部42が設けられており、これにより、
外部端子35の一乃至複数と入力側モジュール25との電気
的な連結が図られる。そして、出力側モジュール14a
は、オプションボード16の連結部41に連結した外部端子
35に対応した補助機能が、選択的に動作するようになっ
ている。なお、本実施例では、一つの出力側モジュール
14aにのみオプションボード16が装着されているが、他
の出力モジュール14b〜14nにも選択的にオプションボ
ード16を装着してもよい。これにより、選択された特定
の出力モジュール14a〜14nにのみ前記補助機能を持た
せることができる。
【0023】オプションボード16は、外部端子35との連
結部41が互いに異なる位置に設けられた複数種のものが
予め用意されている。例えば、全ての外部端子35に対応
して連結部41を備えたものと、出力電圧の設定に関わる
外部端子35のみに対応して連結部41を備えたものと、出
力電圧の設定および過電圧,過電流保護に関わる外部端
子35に対応して連結部41を備えたものとを用意すれば、
このなかの選択されたオプションボード16を出力側モジ
ュール14a〜14nの一つに装着すれば、その出力モジュ
ール14a〜14nに対しオプションボード16に見合う所望
の補助機能を持たせることが可能になる。
【0024】なお、本実施例では、各出力側モジュール
14a〜14nの同じ位置に外部端子35を設けるようにし
て、補助基板33の共通化を図るようにしているが、逆
に、外部端子35の数が異なる複数の補助基板33を用意し
ておき、このなかから選択した補助基板33を各出力側モ
ジュール14a〜14nに取り付けて、共通のオプションボ
ード16により、外部端子35と一次側モジュール25とを電
気的に連結させることも考えられる。しかし、この場合
は、補助基板33に搭載する回路部品が各々異なってくる
ので、様々な種類がある出力側モジュール14a〜14nの
管理が繁雑になる。本実施例のように補助基板33を共通
化すれば、出力側モジュール14a〜14nの数が無用に増
えず、部品管理が行いやすくなる。
【0025】次に、図4〜図8をさらに参照して、入力
側から出力側への電力伝送を行なう主トランス12周辺の
構成を詳述する。51は、主トランス12の外殻を形成する
合成樹脂製の外ケースである。この外ケース51は有底状
で、底部には入力側モジュール25のプリント基板への着
脱を容易にする複数の弾性片52が突出形成される。ま
た、外ケース51の内部には、コア27を構成する断面がE
形のコア下部材53と、このコア下部材53の上部に設けら
れる断面がI形のコア上部材54が収容保持される。コア
27は、中心部の円筒形状をなす主脚55と、主脚55の両側
にある一対の側脚56を有し、周知の閉ざされた磁気回路
を形成している。また、外ケース51は、側脚56を設けて
いないコア27の前後方向に位置して、コ字状に切り開い
た開口部57が形成される。コア27の主脚55は円筒状であ
る必要はないが、前述の一次巻線24や二次巻線28の先端
部が複数挿脱できる形状となっている。
【0026】入力側モジュール25に接続された一次巻線
24は、合成樹脂からなる円板状のボビン61と、このボビ
ン61の中央円筒部62に巻回される線材63とにより構成さ
れる。ボビン61は、後述する二次巻線28と共に主トラン
ス12のコア27に複数積層できるように、二次巻線28と同
様に比較的平板状に形成される。また、導線を絶縁物で
覆った線材63は、ボビン61に形成した上下一対のフラン
ジ64間において、放射方向に拡がって螺旋状に配設され
る。これらのボビン61および線材63を構成する絶縁物に
より、一次巻線24は外部と電気的に絶縁される。上部の
フランジ64には、扇状の切欠部65が形成されており、こ
の切欠部65の基端より放射方向に、線材63の巻き始めお
よび巻き終り端部を挾持する一対の係止片66が形成され
る。係止部66には、線材63の巻き始め端部を中央円筒部
62の近傍に案内すると共に、線材63の巻き終り端部を係
止片66側に案内する案内部としての切込み67が形成され
ており、この切込み67により線材63をボビン61に簡単に
巻回できるようになっている。なお、68は、コア上部材
54をコア下部材53の上部に保持させる金属製の弾性片で
ある。
【0027】一次巻線24は、本実施例のように同一のも
のを電気的に並列接続して、複数使用してもよい。これ
により、二次巻線24そのものに手を加え得ることなく、
二次巻線24の電流容量を簡単に増やすことができる。ま
た、一次巻線24と同一の部品を用いて、主トランス12の
補助巻線とすることもできる。この場合も、補助巻線を
コア27の主脚55に取り付けるだけでよいので、製造時の
工数増加を最小限にすることができる。
【0028】出力側モジュール14a〜14nに接続された
二次巻線28は平板コイル状をなし、2つの平坦な導電部
材71a,71bを有する。導電部材71a,71bは、出力側
モジュール14a〜14nから外方に延びた延長部72a,72
bと、この延長部72a,72bの基端にあって、主基板31
の回路との接触部73a,73bを有する横向きの支線脚74
a,74bが形成される。また、延長部72a,72bの先端
部からは、実質的に完全な円環状をなすコイル巻線部75
a,75bが、各導電部材71a,71bに形成されており、
このコイル巻線部75a,75bの終端76a,76bが、溝77
a,77bにより導電部材71a,71bの残りの部分から間
隔を有して形成される。溝77a,77bは、延長部72a,
72bの先端中央部において対角線上に交差する。
【0029】導電部材71a,71bは同一形状を有する
が、同じ方向から見たときに鏡像として現れるように積
み重なる。また、導電部材71a,71bの間には絶縁層78
が挿入される。コイル巻線部75a,75bの終端76a,76
bの双方が重なり合う部分では、導電部材71a,71bお
よび絶縁層78を貫く連絡孔79が設けられる。この連絡孔
79に半田付けを行なうことで、一方のコイル巻線部75a
の終端76aと、これに対応する他方のコイル巻線部75b
の終端76bとの接続が図られる。その結果、電流は主基
板31との接触部73aから延長部72aを経由し、コイル巻
線部75aを周回したところで、終端76aから半田付け接
続部を経由して絶縁層78を通過し、導電部材71bのコイ
ル巻線部75bの終端76bから、前記コイル巻線部75aの
場合と同じ方向に周回する。そして、導電部材71bの延
長部72bを経由して主基板31との接触部73bに戻るよう
になっている。
【0030】このように、本実施例では2ターンの二次
巻線28を形成しているが、例えば、螺旋状のコイル巻線
部75aまたはコイル巻線部75bにより、複数ターンの二
次巻線28を形成してもよい。逆に、コイル巻線部75aの
みを形成して、1ターンの二次巻線28を形成してもよ
い。また、本実施例の出力側モジュール14b,14cのよ
うに、主基板31の両面に同一の二次巻線28を接続しても
よい。この場合、2つの二次巻線28を電気的に並列接続
すると、二次巻線28そのものに手を加え得ることなく、
二次巻線28の電流容量を簡単に増やすことができる。
【0031】導電部材71a,71bと、その中間にある絶
縁層78と、連絡孔79からなる半田付け接続部は、いずれ
もフィルム状の絶縁層78により覆われる。これにより、
接触部73a,73bを除く部分で、二次巻線28が一次巻線
24と同様に外部と絶縁されることになる。コイル巻線部
75a,75bに絶縁層78を介在した二次巻線28の先端部
は、前記コア27に連結可能な形状に形成される。なお、
前記半田付け接続部は、他のあらゆる導電接続手段に置
き換えることが可能である。連絡孔79を適当な開口に置
き換えてもよい。
【0032】二次巻線28は連続する金属および絶縁物の
層から形成される平板状コイルであることから、打ち抜
き,プレス,エッチング若しくはレーザカッテイングの
手法により、安価でかつ簡単に製造することができる。
このように二次巻線28を簡単かつ迅速に製造できること
から、電源装置の製造工数を減らし、効率を高めること
が可能になる。また、主トランス12のコア27に出力側モ
ジュール14a〜14cの二次巻線28を複数積み重ねること
ができ、容易に多出力化を実現できる。
【0033】そして、製造に際しては、先ず、ラインフ
ィルタ部11および入力側モジュール25のプリント基板
や、出力側モジュール14a〜14nの主基板31および補助
基板33の各々に、必要な回路部品を取り付けておく。続
いて、ラインフィルタ部11のサブ製造工程では、回路部
品を実装したフィルタ本体21を保持部材22に組み付け
て、ラインフィルタ部11としての完成した組立て体を用
意しておく。また、別の入力側モジュール25のサブ製造
工程では、予めボビン61に線材63を巻回した一次巻線24
を用意しておき、入力側モジュール25を構成するプリン
ト基板の所定位置に、一次巻線24の線材63の基端を半田
付け接続しておく。この後、コア下部材53を外ケース51
に収容した主トランス12を、前記入力側モジュール25を
構成するプリント基板に取り付ける。ここでの取り付け
は、主トランス12の弾性片52を、その弾性変形により該
プリント基板に係止させることで達成される。主トラン
ス12は、一次巻線24や二次巻線28を巻回していない状態
で、他の部品に取り付け固定されており、従来の電源装
置における主トランス12とは、その製造方法が全く異な
っている。この状態で、各プリント基板を支え板26に取
り付けておき、入力側モジュール25として完成した組立
て体を用意しておく。
【0034】これとは別に、出力側モジュール14a〜14
nのサブ製造工程では、適切な寸法で必要な電力特性を
得るためのターン数を有する二次巻線28の接触部73a,
73bを、主基板31の所定位置に半田付け接続する。この
際、二次巻線28を主基板31の両面に一つずつ接続した
り、ターン数の異なる二次巻線28を接続するなどして、
所望の特性の出力側モジュール14a〜14nを複数種組み
立てる。その後、半田付けにより主基板31の部品面に共
通の補助基板33を立設し、これを保持部材32により保持
して、出力側モジュール14a〜14nとしての完成した組
立て体を用意しておく。なお、厳密には1チャンネルの
スロットを占有する出力側モジュール14b,14cと、2
チャンネル分のスロットを占有する出力側モジュール14
aとは、その形状の相違により異なる補助基板33が装着
されるが、外部端子35はいずれも同じ位置に設けられて
おり、占有面積の同じ出力側モジュールは同じ補助基板
33が取り付けられる。
【0035】上記各組立て体は、主トランス12に一次巻
線24や二次巻線28を組み込む前に検査が行なわれる。こ
れにより、特に出力側モジュール14a〜14nでは、個々
の組立て体の段階での誤差をなくして、各出力側モジュ
ール14a〜14nから期待した電圧および電流が確実に供
給されることになる。
【0036】こうした検査工程を一度経た後、電源ケー
ス1への組み込み工程を開始する。先ず、前述の完成し
た入力側モジュール25を電源ケース1の底板2に組み付
け、続いて、ノイズフィルタ部11を側板3に取り付ける
と共に、冷却ファン23を曲げ板4に取り付ける。また、
主トランス12の出力側においては、複数種の出力側モジ
ュール14a〜14nのなかから、選択した出力側モジュー
ル14a〜14cを、電源ケース1の開口部6に対向した部
位に並設する。また、特定の出力側モジュール14aに付
加機能を持たせる必要がある場合は、これに見合うオプ
ションボード16を選択して、その出力側モジュール14a
に取り付ける。これは、出力側モジュール14aの出力端
子35にオプションボード16の連結部41を半田付け接続す
る一方、すでに電源ボード1に組み込んである入力側モ
ジュール25に、オプションボード16の連結部42を半田付
け接続することで達成される。そして、電源ケース1内
に空スペースを生じた場合は、その箇所にブランクパネ
ル15を取り付ける。
【0037】上述の電源ケース1への各組み立て体の取
り付けが完了した後、最後に主トランス12のコア27を利
用して、入力側と出力側の連結作業が行なわれる。これ
は、機構的に各々独立した入力側モジュール25の一次巻
線24や、出力側モジュール14a〜14cの二次巻線28を、
コア27の主脚55に順次装着するだけでよい。その後、弾
性片68によりコア下部材53の上部にコア上部材54を取り
付けることで、入力側モジュール25および出力側モジュ
ール14a〜14cの組み立て完了と同時に、主トランス12
の組み立ても完了する。後は、電源ケース1にカバー5
を取り付けて、最終検査を行なえばよい。
【0038】以上のように、上記実施例では、入力側か
ら出力側への電力伝送を行なう電源装置の主トランス12
において、機構的に独立した出力側モジュール14a〜14
nに二次巻線28を一体に取り付け、出力側モジュール14
a〜14nを電源ケース1の設置スペースの任意の位置に
取り付けた後に、この出力側モジュール14a〜14nと一
体の二次巻線28と、これとは別の一次巻線24とを電源ケ
ース1に組み付けられたコア27に連結させる独自の製造
方法を採用している。この製造方法によれば、少なくと
も二次巻線28は機構的に独立した出力側モジュール14a
〜14nに一体に取り付けられていることから、出力側モ
ジュール14a〜14nを電源ケース1の設置スペースの任
意の位置に取り付けた後に、コア27を電源ケース1に組
み付けた状態で、二次巻線28と一次巻線24とを主トラン
ス12のコア27に連結すれば、主トランス12の出力側の組
み立てが完了するのと同時に、主トランス12としての組
み立ても完了する。よって、主トランス12は独自の巻線
製造作業を行なう必要がない。これは、入力側から出力
側への電力伝送を行なう電源装置の主トランス12におい
て、一次巻線24と、機構的に独立した出力側モジュール
14a〜14nに一体に取り付けた二次巻線28と、出力側モ
ジュール14a〜14nを電源ケース1の設置スペースの任
意の位置に取り付けた後に、電源ケース1に組み付けら
れた状態で一次巻線28および二次巻線24が連結可能なコ
ア27とを備えた構成によっても実現する。
【0039】また、上記製造方法において、本実施例で
は、一次巻線24は、コア27に連結する前に、機構的に独
立した入力側モジュール25に一体に取り付けられてい
る。この場合、一次巻線24も機構的に独立した入力側モ
ジュール25に一体に取り付けられていることから、入力
側モジュール25と一体の一次巻線24と、出力側モジュー
ル14a〜14nと一体の二次巻線28とを、主トランス12の
コア27に連結すれば、主トランス12の入力側および出力
側の組み立てが完了するのと同時に、主トランス12とし
ての組み立ても完了する。よって、主トランス12は、独
自の巻線製造作業を行なう必要がない。これは、前記構
成において、一次巻線24が機構的に独立した入力側モジ
ュール25に一体に備えたものからなることで実現する。
【0040】さらに、上記の各製造方法において、本実
施例では、出力側モジュール14a〜14nは異なる特性の
ものが複数種用意されており、その各々にいずれも平板
状コイルが二次巻線28として取り付けられている。この
場合、出力側モジュール14a〜14nは異なる特性のもの
が複数種用意されているため、単出力から多出力に至る
まで、出力側モジュール14a〜14nをどのように組み合
わせたとしても、主トランス12の巻線製造作業を独自に
行なう必要はない。また、二次巻線28はいずれも平板状
コイルであるため、安価でかつ簡単に製造することがで
きる。さらに、主トランス12のコア27に出力側モジュー
ル14a〜14nの二次巻線28を複数積み重ねることがで
き、容易に多出力化を実現できる。これは、前記各構成
において、二次巻線28を備えた出力側モジュール14a〜
14nは異なる特性のものが複数種用意されており、各々
の二次巻線28がいずれも平板状コイルであることで実現
する。
【0041】これ以外の作用,効果を列記すると、本実
施例では、入力側モジュール25に一次巻線24を一体に取
り付ける一方、この入力側モジュール25とは機構的に独
立した出力側モジュール14a〜14nに二次巻線28を一体
に取り付けて、少なくとも出力モジュール14a〜14nは
異なる特性のものを複数種用意しておき、そのなかから
選択された一乃至複数の出力側モジュール14a〜14nの
二次巻線28と、入力側モジュール25の一次巻線24とを、
入力側モジュール25から出力側モジュール14a〜14nへ
の電力伝送を行なう機構的に独立した主トランス12のコ
ア17に連結させるようにしている。この製造方法によれ
ば、所望の電源装置を構築するには、予め機構的に独立
した入力側モジュール25に一次巻線24を一体に取り付け
ると共に、同様に機構的に独立した出力側モジュール14
a〜14nに二次巻線28を一体に取り付けておく。そし
て、異なる特性のものが複数種用意された出力側モジュ
ール14a〜14nのなかから、一乃至複数の出力側モジュ
ール14a〜14nを選択し、この出力側モジュール14a〜
14nと一体の二次巻線28と、入力側モジュール25に一体
の一次巻線24とを各々共通の主トランス12に連結すれ
ば、単出力から多出力に至る自由な電源設計を行なうこ
とができる。この場合、主トランス12は出力側モジュー
ル14a〜14nの連結個数に関わらず1個で済むため、多
出力の電源装置を構築しても、主トランス12およびその
周辺の構造は複雑化しない。これは、一次巻線24を一体
に取り付けた入力側モジュール25と、二次巻線28を一体
に取り付けた出力側モジュール14a〜14nと、入力側モ
ジュール25から出力側モジュール14a〜14nへの電力伝
送を行なう主トランス12とを各々機構的に独立して備
え、少なくとも出力側モジュール14a〜14nは異なる特
性のものが複数種用意されており、そのなかから選択さ
れた一乃至複数の出力側モジュール14a〜14nの二次巻
線28と、入力側モジュール25の一次巻線24とを、主トラ
ンス12のコア27に連結可能に形成した構成でも達成され
る。
【0042】また、上記製造方法において、本実施例で
は、出力電圧の設定などの各補助機能に対応して、前記
出力側モジュール14a〜14nに動作用の外部端子35を各
々配設しておくと共に、外部端子35との連結部41が互い
に異なる位置に設けられている複数種の機構的に独立し
た補助モジュールたるオプションボード16を用意してお
き、このなかの選択されたオプションボード16を出力側
モジュール14a〜14nに選択的に装着することで、出力
側モジュール14a〜14nの一乃至複数の外部端子35と入
力側モジュール25とを電気的に連結させるようにしてい
る。このような方法で製造すると、各出力側モジュール
14a〜14nには、出力電圧の設定やその他の各補助機能
に対応した外部端子35が各々設けられている。したがっ
て、特定の補助機能を付加するには、機構的に独立した
複数種のオプションボード16のなかから、これに見合う
連結部41を有するオプションボード16を、選択した出力
側モジュール14aに装着すればよい。これにより、該当
する出力側モジュール14aは、特定の補助機能に関し
て、入力側モジュール25と電気的な連結が図られ、各出
力毎に所望の補助機能だけを動作させることが可能にな
る。そしてこれは、出力電圧の設定などの各補助機能に
対応して、一乃至複数の出力側モジュール14a〜14nに
動作用の外部端子35を各々配設すると共に、出力側モジ
ュール14aに選択的に装着され、一乃至複数の外部端子
35と入力側モジュール25とを電気的に連結する機構的に
独立したオプションボード16をさらに備え、オプション
ボード16は外部端子35との連結部41が互いに異なる位置
に設けられている複数種のものが用意されている構成に
より達成される。
【0043】また、上記製造方法において、本実施例で
は、一乃至複数の出力側モジュール14a〜14nを、箱状
の本体である電源ケース1およびカバー5の開口部6に
対向して設置し、この出力側モジュール14a〜14nを設
置していない空スペースを塞ぐように、機構的に独立し
たブランクパネル15を電源ケース1およびカバー5に装
着している。したがって、空スペースを塞いでブランク
パネル15を装着することによって、電源ケース1および
カバー5内を通過する空気が、空スペースから外部に逃
げることを確実に阻止することができ、出力側モジュー
ル14a〜14nを効果的に冷却できる。そしてこれは、一
乃至複数の出力側モジュール14a〜14nが、電源ケース
1およびカバー5の開口部6に対向して設置されてお
り、出力側モジュール14a〜14nを設置していない空ス
ペースを塞ぐように、機構的に独立したブランクパネル
15を電源ケース1およびカバー5に設けた構成によって
も達成される。
【0044】さらに、上記製造方法において、本実施例
では、他のモジュール類と同様に、入力側モジュール25
の前段に、入力電圧のノイズを抑制,遮断する機構的に
独立したノイズフィルタモジュールたるラインフィルタ
部11を装着している。したがって、入力側モジュール25
の前段にラインフィルタ部11を装着することで、このラ
インフィルタ部11を含めた自由な電源設計を行なうこと
ができる。そしてこれは、入力側モジュール25の前段
に、入力電圧のノイズを抑制,遮断する機構的に独立し
たラインフィルタ部11を設けることで達成される。
【0045】その他に、本実施例では、一次巻線24もそ
の全体外形が平板状に形成されている。よって、二次巻
線28が平板状コイルであることと相俟って、主トランス
12のコア27に入力側モジュール25の一次巻線24と出力側
モジュール14a〜14nの二次巻線28を各々積み重ねるこ
とができ、多出力化の実現がさらに容易になる。また、
平板状コイルからなる二次巻線28は、出力側モジュール
14a〜14nの回路部品を実装する主基板31すなわちプリ
ント基板に半田付け接続されるため、二次巻線28と出力
側モジュール14a〜14nとを容易に一体化できる。この
場合、二次巻線28の電流容量を容易に増やすために、主
基板31の両面に二次巻線28を各々接続し、各二次巻線28
を電気的に並列接続するのが好ましい。二次巻線28は様
々な形状が想定されるが、平板状コイルで形成されるた
め、従来のような巻線作業は不要であり、製造性が向上
する。勿論、前記の電流容量を容易に増やす手法におい
ても、製造性の向上はそのまま踏襲される。また、一次
巻線24および二次巻線28はいずれも円板状を有してお
り、円筒形状のコア27に挿入し連結されるようになって
いるが、このようにすると、角形のコアを採用したもの
に比べて、一次巻線24および二次巻線28の取付け方向を
考慮する必要がなく、特に複数の二次巻線28がコア27に
連結される多出力の電源装置において好ましいものとな
る。
【0046】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の要旨の範囲において種々の変形実
施が可能である。
【0047】
【発明の効果】本発明の請求項1に記載された電源装置
の主トランスは、入力側から出力側への電力伝送を行な
う電源装置の主トランスにおいて、一次巻線と、機構的
に独立した出力側モジュールに一体に取り付けた二次巻
線と、前記出力側モジュールを電源ケースの設置スペー
スの任意の位置に取り付けた後に、前記電源ケースに組
み付けられた状態で前記一次巻線および前記二次巻線が
連結可能なコアとを備えたことを特徴とし、主トランス
の出力側の組み立てが完了するのと同時に、主トランス
としての組み立ても完了することで、巻線製造作業を独
自に行なう必要のない電源装置の主トランスを提供でき
る。
【0048】また、本発明の請求項2に記載された電源
装置の主トランスは、前記請求項1の構成に加えて、前
記一次巻線が機構的に独立した入力側モジュールに一体
に備えたものであることを特徴とし、主トランスの入力
側および出力側の組み立てが完了するのと同時に、主ト
ランスとしての組み立ても完了することで、巻線製造作
業を独自に行なう必要のない電源装置の主トランスを提
供できる。
【0049】また、本発明の請求項3に記載された電源
装置の主トランスは、前記請求項1または2の構成に加
えて、前記二次巻線を備えた前記出力側モジュールは異
なる特性のものが複数種用意されており、各々の前記二
次巻線がいずれも平板状コイルであることを特徴とし、
単出力から多出力に至るまで、出力側モジュールをどの
ように組み合わせたとしても、主トランスの巻線製造作
業を独自に行なう必要はない。また、安価でかつ簡単に
二次巻線を製造できると共に、容易に多出力化を実現で
きる。
【0050】本発明の請求項4に記載された電源装置の
主トランスの製造方法は、入力側から出力側への電力伝
送を行なう電源装置の主トランスにおいて、機構的に独
立した出力側モジュールに二次巻線を一体に、前記出力
側モジュールを電源ケースの設置スペースの任意の位置
に取り付けた後に、前記二次巻線と一次巻線とを前記電
源ケースに組み付けられたコアに連結させることを特徴
とし、主トランスの出力側の組み立てが完了するのと同
時に、主トランスとしての組み立ても完了することで、
巻線製造作業を独自に行なう必要のない電源装置の主ト
ランスの製造方法を提供できる。
【0051】また、本発明の請求項5に記載された電源
装置の主トランスの製造方法は、前記請求項4におい
て、前記一次巻線は、前記コアに連結する前に、機構的
に独立した入力側モジュールに一体に取り付けられてお
り、主トランスの入力側および出力側の組み立てが完了
するのと同時に、主トランスとしての組み立ても完了す
ることで、巻線製造作業を独自に行なう必要のない電源
装置の主トランスの製造方法を提供できる。
【0052】また、本発明の請求項6に記載された電源
装置の主トランスの製造方法は、前記請求項4または5
において、前記出力側モジュールは異なる特性のものが
複数種用意されており、その各々にいずれも平板状コイ
ルが前記二次巻線として取り付けられており、単出力か
ら多出力に至るまで、出力側モジュールをどのように組
み合わせたとしても、主トランスの巻線製造作業を独自
に行なう必要はない。また、安価でかつ簡単に二次巻線
を製造できると共に、容易に多出力化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す電源装置の平面図であ
る。
【図2】同上カバーを開けた状態の電源装置の斜視図で
ある。
【図3】同上電気的構成の概略図である。
【図4】同上主トランスの分解斜視図である。
【図5】同上一次巻線のボビンの平面図である。
【図6】同上一次巻線のボビンの正面図である。
【図7】同上出力側モジュールの平面図である。
【図8】同上図7のI−I線断面図である。
【符号の説明】 1 電源ケース 12 主トランス 14a〜14n 出力側モジュール 24 一次巻線 25 入力側モジュール 27 コア 28 二次巻線

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力側から出力側への電力伝送を行なう
    電源装置の主トランスにおいて、一次巻線と、機構的に
    独立した出力側モジュールに一体に取り付けた二次巻線
    と、前記一次巻線および前記二次巻線を連結するコアと
    を備えたことを特徴とする電源装置の主トランス。
  2. 【請求項2】 前記一次巻線が機構的に独立した入力側
    モジュールに一体に備えたものであることを特徴とする
    請求項1の電源装置の主トランス。
  3. 【請求項3】 前記二次巻線を備えた前記出力側モジュ
    ールは異なる特性のものが複数種用意されており、各々
    の前記二次巻線がいずれも平板状コイルであることを特
    徴とする請求項1または2記載の電源装置の主トラン
    ス。
  4. 【請求項4】 入力側から出力側への電力伝送を行なう
    電源装置の主トランスにおいて、機構的に独立した出力
    側モジュールに二次巻線を一体に取り付けた後で、この
    二次巻線と一次巻線とをコアに連結させることを特徴と
    する電源装置の主トランスの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記一次巻線は、前記コアに連結する前
    に、機構的に独立した入力側モジュールに一体に取り付
    けられていることを特徴とする請求項4記載の電源装置
    の主トランスの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記出力側モジュールは異なる特性のも
    のが複数種用意されており、その各々にいずれも平板状
    コイルが前記二次巻線として取り付けられていることを
    特徴とする請求項4または5記載の電源装置の主トラン
    スの製造方法。
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