JP3285991B2 - 電解コンデンサ駆動用電解液およびこれを用いた電解コンデンサ - Google Patents
電解コンデンサ駆動用電解液およびこれを用いた電解コンデンサInfo
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- JP3285991B2 JP3285991B2 JP03330493A JP3330493A JP3285991B2 JP 3285991 B2 JP3285991 B2 JP 3285991B2 JP 03330493 A JP03330493 A JP 03330493A JP 3330493 A JP3330493 A JP 3330493A JP 3285991 B2 JP3285991 B2 JP 3285991B2
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、電解コンデンサ駆動用
電解液（以下、電解液と称する。）およびこれを用いた
電解コンデンサに関する。
電解液（以下、電解液と称する。）およびこれを用いた
電解コンデンサに関する。
【０００２】
【従来の技術】電解コンデンサ駆動用電解液としては、
損失を低減するための低い比抵抗と、高温負荷試験に耐
えるための耐電圧性が要求されるが、通常の有機溶媒と
電解質による電解液では、これらは相反する特性であ
り、両立させるのは困難が伴う。そこで、従来より耐電
圧性を向上させるための添加剤として、水溶性のシリコ
ーンオイル、ポリエチレンオキサイドおよびその各種エ
ステル類、ポリエチレン・プロピレンブロック共重合体
等が提案されている。また、中高電圧用のコンデンサに
おいては、貯蔵期間中あるいは高温無負荷試験中の漏れ
電流増大（漏れ電流劣化）が問題になることがあり、こ
れを抑制するためには、電解液に漏れ電流劣化防止用の
別の添加剤を入れる必要があった。
損失を低減するための低い比抵抗と、高温負荷試験に耐
えるための耐電圧性が要求されるが、通常の有機溶媒と
電解質による電解液では、これらは相反する特性であ
り、両立させるのは困難が伴う。そこで、従来より耐電
圧性を向上させるための添加剤として、水溶性のシリコ
ーンオイル、ポリエチレンオキサイドおよびその各種エ
ステル類、ポリエチレン・プロピレンブロック共重合体
等が提案されている。また、中高電圧用のコンデンサに
おいては、貯蔵期間中あるいは高温無負荷試験中の漏れ
電流増大（漏れ電流劣化）が問題になることがあり、こ
れを抑制するためには、電解液に漏れ電流劣化防止用の
別の添加剤を入れる必要があった。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】電解液の耐電圧性を向
上させるための従来の添加剤は、耐電圧性すなわち火花
電圧を上昇させようとすると、添加量を増さなければな
らず、添加量を増すと比抵抗が増大してしまうという問
題点があった。また、漏れ電流劣化を抑制するために、
別の添加剤を添加すると、電解液の組成が複雑となり、
調合に時間を要するばかりか、電解液のコストも上昇し
てしまうという問題点もある。本発明は、以上の問題点
に鑑みてなされたものであり、電解液の比抵抗を増大さ
せずに耐電圧性を向上し、しかも漏れ電流劣化をも抑制
することができる電解液およびこれを用いた電解コンデ
ンサを提供することを目的とする。
上させるための従来の添加剤は、耐電圧性すなわち火花
電圧を上昇させようとすると、添加量を増さなければな
らず、添加量を増すと比抵抗が増大してしまうという問
題点があった。また、漏れ電流劣化を抑制するために、
別の添加剤を添加すると、電解液の組成が複雑となり、
調合に時間を要するばかりか、電解液のコストも上昇し
てしまうという問題点もある。本発明は、以上の問題点
に鑑みてなされたものであり、電解液の比抵抗を増大さ
せずに耐電圧性を向上し、しかも漏れ電流劣化をも抑制
することができる電解液およびこれを用いた電解コンデ
ンサを提供することを目的とする。
【０００４】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め、本発明に係る電解液においては、エチレングリコー
ルを主溶媒とする電解液において、イソブチレン−無水
マレイン酸共重合体（以下、ＩＭＣＰと称する。）を添
加したことを特徴とする。ＩＭＣＰの添加量は、0.1 〜
5wt％が好ましい。一方、本発明に係る電解コンデンサ
は、上記電解液を含浸したコンデンサ素子をケース内に
収納し、弾性封口体、硬質絶縁板等の封口部材により密
封したことを特徴とする。
め、本発明に係る電解液においては、エチレングリコー
ルを主溶媒とする電解液において、イソブチレン−無水
マレイン酸共重合体（以下、ＩＭＣＰと称する。）を添
加したことを特徴とする。ＩＭＣＰの添加量は、0.1 〜
5wt％が好ましい。一方、本発明に係る電解コンデンサ
は、上記電解液を含浸したコンデンサ素子をケース内に
収納し、弾性封口体、硬質絶縁板等の封口部材により密
封したことを特徴とする。
【０００５】
【作用】ＩＭＣＰの構造式は化１の通りである。
【０００６】
【化１】
【０００７】ＩＭＣＰを電解液中に添加すると、アルミ
ニウム電極箔上に付着し、皮膜状の錯体を形成するた
め、火花電圧を向上させ、皮膜の劣化による漏れ電流の
増大を抑制するものと考えられる。
ニウム電極箔上に付着し、皮膜状の錯体を形成するた
め、火花電圧を向上させ、皮膜の劣化による漏れ電流の
増大を抑制するものと考えられる。
【０００８】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を説明する。
表１に本発明の実施例および比較例による電解液の組成
と特性を示した。比較例１は、安息香酸アンモニウムを
主溶質として用いた場合であり、実施例１，２および３
はそれにＩＭＣＰを添加した実施例である。ＩＭＣＰを
添加することにより、比抵抗はさほど変化しないが、火
花電圧が上昇することがわかる。火花電圧の上昇は、Ｉ
ＭＣＰの添加量と共に大きくなる。また、比較例２で
は、五ホウ酸アンモニウムを主溶質として用いた場合で
あり、実施例４，５および６は、それにＩＭＣＰを添加
した実施例である。実施例１，２，３と同様に、ＩＭＣ
Ｐを添加することにより、比抵抗をあまり増加させずに
火花電圧を上昇させることができる。次に、電解液を含
浸したコンデンサ素子をケース内に収納し、弾性封口
体、硬質絶縁板等を用いた封口部材により密封すること
により、比較例１および実施例１，２，３の電解液の場
合は、２５０Ｖ，4.7 μF 、比較例２および実施例４，
５，６の電解液の場合は、４００Ｖ，１μF の供試コン
デンサをそれぞれ試作した（図示せず）。試作したコン
デンサについて、定電流印加によるエージング特性およ
び 105℃2000時間の寿命試験を実施した結果を表２に示
す。表２より、ＩＭＣＰを添加した本発明による電解液
を用いたコンデンサは、初期の漏れ電流の低減や無負荷
試験での漏れ電流の劣化防止の他に、エージング時間を
短縮することもできることがわかる。なお、ＩＭＣＰの
添加量については、 0.1wt％未満では効果が小さく、５
wt％を超えると電解液の粘度が上昇してくるので実用的
でない。以上、実施例ではいくつかの好適な例を挙げて
説明したが、エチレングリコールを主溶媒とする電解液
ならば、他の溶媒との混合溶媒でも良いし、溶質も実施
例に示したものに限定されるわけではない。
表１に本発明の実施例および比較例による電解液の組成
と特性を示した。比較例１は、安息香酸アンモニウムを
主溶質として用いた場合であり、実施例１，２および３
はそれにＩＭＣＰを添加した実施例である。ＩＭＣＰを
添加することにより、比抵抗はさほど変化しないが、火
花電圧が上昇することがわかる。火花電圧の上昇は、Ｉ
ＭＣＰの添加量と共に大きくなる。また、比較例２で
は、五ホウ酸アンモニウムを主溶質として用いた場合で
あり、実施例４，５および６は、それにＩＭＣＰを添加
した実施例である。実施例１，２，３と同様に、ＩＭＣ
Ｐを添加することにより、比抵抗をあまり増加させずに
火花電圧を上昇させることができる。次に、電解液を含
浸したコンデンサ素子をケース内に収納し、弾性封口
体、硬質絶縁板等を用いた封口部材により密封すること
により、比較例１および実施例１，２，３の電解液の場
合は、２５０Ｖ，4.7 μF 、比較例２および実施例４，
５，６の電解液の場合は、４００Ｖ，１μF の供試コン
デンサをそれぞれ試作した（図示せず）。試作したコン
デンサについて、定電流印加によるエージング特性およ
び 105℃2000時間の寿命試験を実施した結果を表２に示
す。表２より、ＩＭＣＰを添加した本発明による電解液
を用いたコンデンサは、初期の漏れ電流の低減や無負荷
試験での漏れ電流の劣化防止の他に、エージング時間を
短縮することもできることがわかる。なお、ＩＭＣＰの
添加量については、 0.1wt％未満では効果が小さく、５
wt％を超えると電解液の粘度が上昇してくるので実用的
でない。以上、実施例ではいくつかの好適な例を挙げて
説明したが、エチレングリコールを主溶媒とする電解液
ならば、他の溶媒との混合溶媒でも良いし、溶質も実施
例に示したものに限定されるわけではない。
【０００９】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、低
比抵抗で耐電圧が高く、しかも漏れ電流の安定した電解
コンデンサを提供することができる。
比抵抗で耐電圧が高く、しかも漏れ電流の安定した電解
コンデンサを提供することができる。
【００１０】
【表１】
【００１１】
【表２】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平４−51510（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−341（ＪＰ，Ａ) 特開 昭64−51415（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−202974（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) H01G 9/02
Claims (3)
- 【請求項１】 エチレングリコールを主溶媒とする電解
液に、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体を添加し
たことを特徴とする電解コンデンサ駆動用電解液。 - 【請求項２】 イソブチレン−無水マレイン酸共重合体
の添加量が0.1 〜５wt％であることを特徴とする請求項
１記載の電解コンデンサ駆動用電解液。 - 【請求項３】 請求項１または請求項２記載の電解液を
含浸したコンデンサ素子をケース内に収納し、封口部材
により密封したことを特徴とする電解コンデンサ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP03330493A JP3285991B2 (ja) | 1993-02-23 | 1993-02-23 | 電解コンデンサ駆動用電解液およびこれを用いた電解コンデンサ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP03330493A JP3285991B2 (ja) | 1993-02-23 | 1993-02-23 | 電解コンデンサ駆動用電解液およびこれを用いた電解コンデンサ |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06252000A JPH06252000A (ja) | 1994-09-09 |
| JP3285991B2 true JP3285991B2 (ja) | 2002-05-27 |
Family
ID=12382819
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP03330493A Expired - Lifetime JP3285991B2 (ja) | 1993-02-23 | 1993-02-23 | 電解コンデンサ駆動用電解液およびこれを用いた電解コンデンサ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3285991B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN1314787C (zh) * | 2000-02-09 | 2007-05-09 | 西铁城钟表股份有限公司 | 润滑油组合物及使用该组合物的手表 |
Family Cites Families (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS63341A (ja) * | 1986-06-19 | 1988-01-05 | Idemitsu Petrochem Co Ltd | 共重合体溶液 |
| JPH0689079B2 (ja) * | 1987-08-24 | 1994-11-09 | 出光石油化学株式会社 | 共重合体の製造方法 |
| JPH02202974A (ja) * | 1989-02-02 | 1990-08-13 | Idemitsu Petrochem Co Ltd | 接着剤組成物 |
| JPH0770444B2 (ja) * | 1990-06-19 | 1995-07-31 | 信英通信工業株式会社 | 電解コンデンサ駆動用電解液 |
-
1993
- 1993-02-23 JP JP03330493A patent/JP3285991B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN1314787C (zh) * | 2000-02-09 | 2007-05-09 | 西铁城钟表股份有限公司 | 润滑油组合物及使用该组合物的手表 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH06252000A (ja) | 1994-09-09 |
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