JP3169970B2 - 電解コンデンサの駆動用電解液 - Google Patents
電解コンデンサの駆動用電解液Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低損失でかつ高い耐電
圧を有する電解コンデンサの製作を可能とする電解コン
デンサの駆動用電解液(以下電解液という)に関するも
のである。
圧を有する電解コンデンサの製作を可能とする電解コン
デンサの駆動用電解液(以下電解液という)に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来より電解コンデンサの電解液として
は、エチレングリコ−ルを主体とした溶液に有機酸ある
いはその塩を溶解した電解液が用いられているが、電解
液の低比抵抗化が強く要求されるため、イオン半径の小
さい溶質が望まれており、中圧用ではセバシン酸、高圧
用では1,6-テ゛カンシ゛カルホ゛ン酸が主に使用されている。
は、エチレングリコ−ルを主体とした溶液に有機酸ある
いはその塩を溶解した電解液が用いられているが、電解
液の低比抵抗化が強く要求されるため、イオン半径の小
さい溶質が望まれており、中圧用ではセバシン酸、高圧
用では1,6-テ゛カンシ゛カルホ゛ン酸が主に使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】電解液の低比抵抗化の
要求に伴い、溶質としてはなるべくイオン半径が小さ
く、かつ耐電圧の高いものを使用することが望ましい
が、中圧用ではセバシン酸、高圧用では1,6−デカン
ジカルボン酸が耐電圧の面において限界であったため、
さらにイオン半径の小さい溶質の使用が望まれていた。
また、セバシン酸,1,6−デカンジカルボン酸など
は、高温雰囲気中においてアルミニウム電極箔の表面上
に有機物による膜を形成しやすく、容量減少など信頼性
の面で問題を有していた。
要求に伴い、溶質としてはなるべくイオン半径が小さ
く、かつ耐電圧の高いものを使用することが望ましい
が、中圧用ではセバシン酸、高圧用では1,6−デカン
ジカルボン酸が耐電圧の面において限界であったため、
さらにイオン半径の小さい溶質の使用が望まれていた。
また、セバシン酸,1,6−デカンジカルボン酸など
は、高温雰囲気中においてアルミニウム電極箔の表面上
に有機物による膜を形成しやすく、容量減少など信頼性
の面で問題を有していた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の課題を解
決するもので、イオン半径が小さいにも係わらず高い耐
電圧を有し、かつ高温雰囲気中における信頼性も確保す
るものである。すなわち、エチレングリコ−ルを主体と
した溶液に、下記の一般式で表わされる二塩基酸あるい
はその塩を溶解したことを特徴とする電解液である。
決するもので、イオン半径が小さいにも係わらず高い耐
電圧を有し、かつ高温雰囲気中における信頼性も確保す
るものである。すなわち、エチレングリコ−ルを主体と
した溶液に、下記の一般式で表わされる二塩基酸あるい
はその塩を溶解したことを特徴とする電解液である。
【0005】
【化1】
【0006】
【作用】本発明の電解液は、従来の二塩基酸を用いた電
解液に比べイオン半径の小さい溶質を使用するため、電
解液の低比抵抗化が可能となり、また、分子内のベンゼ
ン環による立体障害により、従来の二塩基酸を用いた電
解液に比べアルミニウム電極箔への溶質の吸着が適度に
行なわれるため、高温度雰囲気中での信頼性も十分に確
保することができる。
解液に比べイオン半径の小さい溶質を使用するため、電
解液の低比抵抗化が可能となり、また、分子内のベンゼ
ン環による立体障害により、従来の二塩基酸を用いた電
解液に比べアルミニウム電極箔への溶質の吸着が適度に
行なわれるため、高温度雰囲気中での信頼性も十分に確
保することができる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 (1)実施例−1 表1は本発明の中圧用電解液と従来の中圧用電解液の組
成、比抵抗および火花発生電圧についての比較例を示
す。表1中電解液試料記号A,Bは従来例、C,Dは本
発明例である。なお、電解液試料記号C,Dにはフェニ
ルこはく酸を使用した。
成、比抵抗および火花発生電圧についての比較例を示
す。表1中電解液試料記号A,Bは従来例、C,Dは本
発明例である。なお、電解液試料記号C,Dにはフェニ
ルこはく酸を使用した。
【0008】
【表1】
【0009】表1から明らかなように、本発明に係る試
料記号C,Dの電解液は従来の電解液に比べ、低比抵抗
ながら大幅な耐電圧の向上がみられる。表2は、表1に
示す電解液を用いて試作した定格 250V 330μFのアル
ミニウム電解コンデンサによる、105 ℃ 2000 時間 高
温負荷試験を行なった結果を示す。
料記号C,Dの電解液は従来の電解液に比べ、低比抵抗
ながら大幅な耐電圧の向上がみられる。表2は、表1に
示す電解液を用いて試作した定格 250V 330μFのアル
ミニウム電解コンデンサによる、105 ℃ 2000 時間 高
温負荷試験を行なった結果を示す。
【0010】
【表2】
【0011】表2から明らかなように、本発明に係る試
料記号C,Dの電解液を用いた電解コンデンサは、長時
間の高温雰囲気中における試験においても電気特性に問
題がなかった。
料記号C,Dの電解液を用いた電解コンデンサは、長時
間の高温雰囲気中における試験においても電気特性に問
題がなかった。
【0012】(2)実施例−2 表3は本発明の高圧用電解液と従来の高圧用電解液の組
成、比抵抗および火花発生電圧についての比較例を示
す。表2中電解液試料記号E,Fは従来例、G,Hは本
発明例である。なお、電解液試料記号G,Hにはフェニ
ルセバシン酸を使用した。
成、比抵抗および火花発生電圧についての比較例を示
す。表2中電解液試料記号E,Fは従来例、G,Hは本
発明例である。なお、電解液試料記号G,Hにはフェニ
ルセバシン酸を使用した。
【0013】
【表3】
【0014】表3から明らかなように、本発明に係る試
料記号G,Hの電解液は従来の電解液に比べ、低比抵抗
ながら大幅な耐電圧の向上がみられる。表4は、表3に
示す電解液を用いて試作した定格 400V 150μFのアル
ミニウム電解コンデンサによる、105 ℃ 2000 時間 高
温負荷試験を行なった結果を示す。
料記号G,Hの電解液は従来の電解液に比べ、低比抵抗
ながら大幅な耐電圧の向上がみられる。表4は、表3に
示す電解液を用いて試作した定格 400V 150μFのアル
ミニウム電解コンデンサによる、105 ℃ 2000 時間 高
温負荷試験を行なった結果を示す。
【0015】
【表4】
【0016】表4から明らかなように、本発明に係る試
料記号G,Hの電解液を用いた電解コンデンサは、長時
間の高温雰囲気中における試験においても電気の特性に
問題がなかった。なお、これらの実施例以外にも、分子
内にアルキル基などの側鎖基を含むもの、ベンゼン環の
水素原子がアルキル基などで置換されたものなどについ
ても評価を行なったが、同様な結果が得られた。なお、
他の溶質との混合、あるいは、低比抵抗化のためさらに
配合比を多くするなど多岐にわたる応用が可能であるた
め、飽和濃度を超えない限り配合量は任意であるが、2
重量%未満では耐電圧の向上が認められず、また、2
0 重量%を超える場合には溶質の析出がみられた。
料記号G,Hの電解液を用いた電解コンデンサは、長時
間の高温雰囲気中における試験においても電気の特性に
問題がなかった。なお、これらの実施例以外にも、分子
内にアルキル基などの側鎖基を含むもの、ベンゼン環の
水素原子がアルキル基などで置換されたものなどについ
ても評価を行なったが、同様な結果が得られた。なお、
他の溶質との混合、あるいは、低比抵抗化のためさらに
配合比を多くするなど多岐にわたる応用が可能であるた
め、飽和濃度を超えない限り配合量は任意であるが、2
重量%未満では耐電圧の向上が認められず、また、2
0 重量%を超える場合には溶質の析出がみられた。
【0017】
【発明の効果】以上のように、本発明のエチレングリコ
−ルを主体とした溶液に、前述の一般式で表わされる二
塩基酸あるいはその塩を溶解したことを特徴とする電解
液を用いたアルミニウム電解コンデンサは、高温度範囲
で優れた特性を示し、かつ、低損失ながら高い耐電圧を
有し、工業的ならびに実用的価値の大なるものである。
−ルを主体とした溶液に、前述の一般式で表わされる二
塩基酸あるいはその塩を溶解したことを特徴とする電解
液を用いたアルミニウム電解コンデンサは、高温度範囲
で優れた特性を示し、かつ、低損失ながら高い耐電圧を
有し、工業的ならびに実用的価値の大なるものである。
Claims (2)
- 【請求項1】 下記に示す一般式で表わされる、分子内
にベンゼン環を有する二塩基酸あるいはその塩を、エチ
レングリコ−ルを主体とした溶媒へ溶解したことを特徴
とする電解コンデンサの駆動用電解液。 【化1】 - 【請求項2】 上記二塩基酸あるいはその塩の添加量が
2 〜 20 重量% であることを特徴とする請求項1
の電解コンデンサの駆動用電解液。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02293891A JP3169970B2 (ja) | 1991-01-22 | 1991-01-22 | 電解コンデンサの駆動用電解液 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02293891A JP3169970B2 (ja) | 1991-01-22 | 1991-01-22 | 電解コンデンサの駆動用電解液 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05308035A JPH05308035A (ja) | 1993-11-19 |
JP3169970B2 true JP3169970B2 (ja) | 2001-05-28 |
Family
ID=12096575
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP02293891A Expired - Fee Related JP3169970B2 (ja) | 1991-01-22 | 1991-01-22 | 電解コンデンサの駆動用電解液 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3169970B2 (ja) |
-
1991
- 1991-01-22 JP JP02293891A patent/JP3169970B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05308035A (ja) | 1993-11-19 |
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