JP3075789B2 - 電解コンデンサ用電解液 - Google Patents

電解コンデンサ用電解液

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JP3075789B2 JP03228760A JP22876091A JP3075789B2 JP 3075789 B2 JP3075789 B2 JP 3075789B2 JP 03228760 A JP03228760 A JP 03228760A JP 22876091 A JP22876091 A JP 22876091A JP 3075789 B2 JP3075789 B2 JP 3075789B2
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【発明の詳細な説明】
【0003】
【産業上の利用分野】本発明は、電解コンデンサ用電解
液、特に中高圧用アルミニウム電解コンデンサ駆動用電
解液(以下電解液という)に関するものである。
【0004】
【従来の技術】従来、特に中高圧用のアルミニウム電解
コンデンサの電解液としては、エチレングリコ−ルにほ
う酸あるいはほう酸アンモニウムを溶解したいわゆるエ
チレングリコ−ルほう酸系の電解液が多用されている。
一方では、高温度の信頼性を向上させる目的で炭素数が
8から22である二塩基酸のアンモニウム塩を使用した
電解液も知られている。後者においては、中圧用として
は炭素数の比較的少ないものが使用されており、高圧用
としては炭素数の比較的多いものが使用されている。ま
た、主に中圧用として耐リップル性の向上と比抵抗の低
減を目的として、安息香酸あるいはそのアンモニウム塩
を併用する場合が多い。その理由としては、安息香酸あ
るいはそのアンモニウム塩の骨格であるフェニル基が耐
熱性に優れているため発熱に対して変質しにくいことが
挙げられる。
【0005】しかしながら、高圧用として利用を考える
と、この有機酸系の電解液を用いた場合においても、安
息香酸あるいはそのアンモニウム塩ではそれ自体の有す
る耐電圧が限定要因となり、耐リップル性を保持しなが
らさらに耐電圧を向上させるには限界があった。また、
安息香酸のかわりにナフタレン環やフェナントレン環を
有するカルボン酸も検討されているがエチレングリコ−
ルやγ−ブチロラクトンを主体とした溶媒に溶かした場
合、確かに水に対してよりは溶け易く、かつ耐電圧も良
好となるものの熱ストレスに対して分解して昇華しやす
いという難点があった。
【0006】一般的に、耐電圧だけを考えるのであれば
比低抗は高い方が有利ではあるが、耐リップル性の面か
らは、比抵抗が高いということはそれだけ発熱が大きく
なることを意味し、溶質そのものの熱安定性が要求され
る。また一般的には、直鎖の有機酸の場合、一塩基酸よ
りも二塩基酸の方が同程度の耐電圧を有しながら比抵抗
は小さくでき、二塩基酸でもカルボキシル基の間の炭素
数が少ないと、比抵抗は小さくできるかわりに耐電圧も
小さくなってしまうという相反する性質がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点
を解決することである。即ち熱的に安定であり比抵抗の
小さい性質を有しながら、安息香酸およびその塩類以上
に耐電圧特性に優れた溶質を見つけだし、さらに信頼性
の高い中高圧用コンデンサを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の具体的手法とし
ては、(1)骨格をフェニル基からフェニレン基とし、
一塩基酸の代わりに二塩基酸を用いることにより耐熱性
を保持しながら溶質の溶解性を高め比抵抗を下げた。
(2)耐電圧性を高めるため、フェニレン基とカルボキ
シル基との間に挟まれる炭素数を増した。(3)溶質と
アルミニウムの化成皮膜とのなじみを改善する目的で、
必要に応じてフェニレン基の側鎖にヒドロキシ基、メト
キシ基若しくはエトキシ基を導入したことを特徴とす
る。
【0009】また、溶質は酸として用いて、後にアンモ
ニア水で中和しても良いし、アンモニウム塩等の塩とし
て用いてもよい。また、塩類の好ましい例としては、4
級アンモニウム塩、3級アミン塩が挙げられる。電解コ
ンデンサ駆動用電解液の調合の容易性からは塩として用
いた方が有利である。
【0010】尚、本発明における好ましい実施態様で
は、中圧用としては水分を2重量%から8重量%含むエ
チレングリコ−ルを主体とした溶媒に、セバシン酸の塩
類とともに本発明による溶質を添加するのが望ましい。
また高圧用としては水分を0.5重量%から6重量%含
むエチレングリコ−ルを主体とした溶媒に、7−ビニル
−9−ヘキサデセン−1,16−ジカルボン酸などの高
級二塩基酸の塩類とともに本発明による溶質を添加する
のが望ましい。また必要に応じて、ほう酸、マンニッ
ト、燐酸、亜燐酸もしくはその塩を添加するとさらに特
性を改善することができる。
【0011】
【作用】本発明による溶質は二つのカルボキシル基を有
し、かつ直鎖状の二塩基酸と比較して、フェニレン基部
分の炭素数を3から4とみなせるため分子量のわりにイ
オン半径の小さい溶質であることから、電解液の低比抵
抗化が可能となる。また分子内のフェニレン基による立
体障害により、アルミニウム電極箔への溶質の吸着が適
度に行なわれるため、耐リップル性を含めて高温度雰囲
気中での信頼性も充分に確保することができる。さら
に、フェニレン基とカルボキシル基との間の炭素数を調
整することにより、たとえば安息香酸を用いた場合と比
較して耐電圧を向上させることが可能である。
【0012】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例について述べ
る。 実施例−1 表1は本発明の中圧用電解液と従来の中圧用電解液の組
成、比抵抗および火花発生電圧についての比較例を示
す。表1中電解液試料記号A,Bは従来例、C,Dは本
発明例である。なお、電解液試料記号C,Dには1,4
−フェニレン二酢酸を使用した。
【0013】
【表1】
【0014】表1から明かなように、本発明に係る試料
記号C,Dの電解液は従来の電解液に比べ、低比抵抗な
がら大幅な耐電圧の向上がみられる。表2は、表1に示
す電解液を用いて試作した定格250V 330μFの
アルミニウム電解コンデンサによる、105℃ 200
0時間 高温負荷試験を行なった結果を示す。
【0015】
【表2】
【0016】表2から明かなように、本発明に係る試料
記号C,Dの電解液を用いた電解コンデンサは、長時間
の高温雰囲気中における試験においても電気特性に問題
がなかった。
【0017】表3に105℃ 250V,120Hz
リップルライフ試験を行なった結果を示す。用いた電解
液の種類および定格は表2と同様である。
【0018】
【表3】
【0019】表3から明らかなように、本発明に係る試
料記号C,Dの電解液を用いた電解コンデンサは、ta
nδの上昇率が大幅に低減しており、耐リップル性が改
善されている。 実施例−2 表4は本発明の高圧用電解液と従来の高圧用電解液の組
成、比抵抗および火花発生電圧についての比較例を示
し、電解液試料記号E,Fは従来例、G,Hは本発明例
である。なお、電解液試料記号G,Hには1,4−フェ
ニレン二アクリル酸を使用した。
【0020】
【表1】
【0021】表4から明かなように、本発明に係る試料
記号G,Hの電解液は従来の電解液に比べ、低比抵抗な
がら大幅な耐電圧の向上がみられる。表5は、表4に示
す電解液を用いて試作した定格400V 220μFの
アルミニウム電解コンデンサによる、105℃ 200
0時間 高温負荷試験を行なった結果を示す。
【0022】
【表5】
【0023】表5から明かなように、本発明に係る試料
記号G,Hの電解液を用いた電解コンデンサは、長時間
の高温雰囲気中における試験においても電気特性に問題
がなかった。
【0024】表6に105℃ 400V,120Hz
リップルライフ試験を行なった結果を示す。用いた電解
液の種類および定格は表5と同様である。
【0025】
【表6】
【0026】表6から明かなように、本発明に係わる試
料記号G,Hの電解液を用いた電解コンデンサは、ta
nδの上昇率が大幅に低減しており、耐リップル性が改
善された。なお、これらの実施例以外にも、フェニレン
基にアルキル基などの側鎖基を含むものについて評価を
行なったが、同様な結果が得られた。また、他の溶質と
の混合、あるいは低比抵抗化のためさらに配合比を多く
する、あるいはエチレングリコ−ルの一部をγ−ブチロ
ラクトンに置き換えるなど、多岐にわたる応用が可能で
あるため、飽和濃度を超えない限り配合量は任意である
が、2重量%未満では耐電圧の向上が認められず、ま
た、20重量%を超える場合には低温度雰囲気において
溶質の析出がみられた。
【0027】
【発明の効果】以上のように、本発明のわずかに水分を
含むエチレングリコ−ルを主体とした溶媒に、前述の一
般式で表わされる二塩基酸あるいはその塩を溶解したこ
とを特徴とする電解液を用いたアルミニウム電解コンデ
ンサは、高温度範囲で優れた特性を示し、かつ、低損失
ながら高い耐電圧を有し、工業的ならびに実用的価値の
大なるものである。
【表4】

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解コンデンサ用電解液において、下記
    の一般式(1)および(2)に示すフェニレン基を一つ
    含みその両側にカルボキシル基を一つずつ有するジカル
    ボン酸を基本骨格とする酸またはそれらの塩を溶質とし
    て含有せしめてなることを特徴とする電解コンデンサ用
    電解液。式中Rは水素原子、アルキル基もしくはヒドロ
    キシ基もしくはメトキシ基、エトキシ基を示す。 【0001】 【化1】 【0002】 【化2】
  2. 【請求項2】上記溶質は1,4−フェニレン酢酸、1,
    3−フェニレン二酢酸および1,4−フェニレン二アク
    リル酸を骨格として、このうち一種以上を含み、含有量
    が2重量%から20重量%であることを特徴とする請求
    項1に記載の電解コンデンサ用電解液。
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