JP3100395B2 - 電解コンデンサの駆動用電解液 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、高温度において安定した特性を有する電解
コンデンサの駆動用電解液（以下電解液という）に関す
るものである。

従来の技術 従来より低圧用電解液としては、エチレングリコール
および水を主溶媒とし、有機酸あるいはその塩を溶解し
てなる電解液が用いられてきた。

発明が解決しようとする課題 近年、アルミニウム電解コンデンサの低インピーダン
ス化、小型化、高信頼化に伴い、電解液としては比抵抗
が低く、広温度範囲で安定な電解液が要求されている。
エチレングリコールおよび水を主溶媒とし、有機酸ある
いはその塩を溶解してなる電解液においては、比抵抗を
低くするために、電解液中の水分の配合比を増大したも
のがあるが、水の配合比を増大すると高温度雰囲気下に
おける信頼性が著しく低下するなど問題があった。

課題を解決するための手段 本発明は上述の問題点を解決するため、エチレングリ
コールおよび水を主溶媒とし、水の含有量が30wt％であ
り、アジピン酸あるいはその塩を溶解してなる電解液
に、マンニット、ソルビット、ズルシットのうち１種以
上を添加したことを特徴とする電解液である。なお、添
加量としては混合溶媒100gに対し0.1g未満では本発明の
効果が得られず、また5.0gを超える場合は析出がみられ
るため、マンニット、ソルビット、ズルシットの添加量
は、各々単独又は２種以上添加したものにおいて、0.1g
〜5.0gの範囲内が望ましい。

作用 本発明に係る電解液は、電解液の低比抵抗化に伴う多
量の水分配合においてもアルミニウム電極箔の水和を防
止し、高温雰囲気中においての信頼性を著しく向上す
る。

実施例 以下、本発明の実施例について説明する。

第１表は本発明の電解液と従来の電解液の組成、比抵
抗および火花発生電圧についての比較例を示す。第１表
中電解液試料記号A,Bは従来例、F,G,H,I,J,K,L,M,Nは本
発明例である。

第１表から明らかなように、本発明に係る試料記号F,
G,H,I,J,K,L,M,Nの電解液は従来の電解液に比べ、低比
抵抗化に伴う多量の水分配合においても耐電圧の低下が
みられない。第２表は、第１表に示す電解液を用いて試
作した定格100WV330μＦのアルミニウム電解コンデンサ
の105℃2000時間高温負荷試験を行なった結果を示す。

第１表から明らかなように、本発明に係る試料記号F,
G,H,I,J,K,L,M,Nの電解液を用いた電解コンデンサは、
従来の電解液を用いた電解コンデンサに比べ、多量の水
分配合においても相当な信頼性向上が見られる。

発明の効果 以上の結果から明らかなように、エチレングリコール
および水を主溶媒とし、有機酸あるいはその塩を溶解し
てなる電解液に、マンニット、ソルビット、ズルシット
等のうち１種以上を添加したことを特徴とする電解コン
デンサの駆動用電解液は、低比抵抗化に伴う多量の水分
配合においてもアルミニウム電極箔の水和反応を防止
し、広温度範囲において優れた特性を示し、工業的なら
びに実用的価値の大なるものである。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】エチレングリコールおよび水を主溶媒と
   し、水の含有量が30wt％であり、アジピン酸あるいはそ
   の塩を溶解してなる電解液に、マンニット、ソルビッ
   ト、ズルシットのうち１種以上を添加し、該添加量が混
   合溶媒100gに対し、0.1〜5.0gであることを特徴とする
   電解コンデンサの駆動用電解液。