JP3285133B2 - 軸支構造および自動二輪車のエンジン軸支構造 - Google Patents

軸支構造および自動二輪車のエンジン軸支構造

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JP3285133B2
JP3285133B2 JP06627997A JP6627997A JP3285133B2 JP 3285133 B2 JP3285133 B2 JP 3285133B2 JP 06627997 A JP06627997 A JP 06627997A JP 6627997 A JP6627997 A JP 6627997A JP 3285133 B2 JP3285133 B2 JP 3285133B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、支持用の貫通穴を
具備した被支持物を、該被支持物の貫通穴の長さより広
く離間して設けた一対の軸支部材の間に、支持軸を介し
て固定するよう構成された軸支構造と、この軸支構造を
利用した自動二輪車のエンジン軸支構造に関する。この
明細書において、エンジンとは電動モータも含む広い概
念を言う。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】あら
ゆる分野において、被支持物に設けた貫通穴に、支持軸
を貫通させるとともに、その支持軸の両端部を、対峙し
て設けた軸支部材(フランジ)で支持して、被支持物を
固定する軸支構造が用いられている。
【0003】このような軸支構造の例として、例えば、
自動二輪車において、フレームにエンジンを軸支する場
合に用いられている。具体的には、自動二輪車のフレー
ムの両側に貫通穴を設けたフランジ部材を一対付設する
とともに、被支持物たるエンジンの一部に貫通穴を設
け、上記一対のフランジ部材の間に、エンジンを、それ
ぞれの貫通穴が一直線上になるよう位置せしめて、これ
らの貫通穴に支持軸を貫通させて軸支する。
【0004】このような構成においては、エンジンを上
述のように一対配置したフランジ部材間に円滑に挿入す
るため、寸法的に、エンジンの貫通穴部分の幅より、上
記一対のフランジ部材間の寸法を隙間分だけ大きく形成
しておく必要がある。
【0005】一方、両端部がフランジ部材に取着された
支持軸によって、エンジンが軸支された後には、上記
『隙間』がそのまま存在すると軸支構造に所謂『ガタ』
を生じさせることから、従来、エンジンをフランジ部材
間に挿入した後に、専らその隙間に見合う平ワッシャを
挿入して、『ガタ』を可及的に無くすように配慮してい
る。
【0006】また、上記フランジ部材が変形可能なもの
であれば、支持軸をフランジ部材にナットによって螺着
する際に、該フランジ部材が適当に変形して『ガタ』を
無くすような構成になっていたものもある。
【0007】しかしながら、上記フランジ部材の剛性が
高い場合には、上述のように、ナットを締めても該フラ
ンジ部材が変形しないことから、『ガタ』を無くす何ら
かの構造を採用する必要がある。
【0008】例えば、自動二輪車の場合には、図6に図
示するように、一方のフランジ部材21B側にめねじを
螺設し、このめねじに隙間調整カラー20を螺合させる
とともに、この隙間調整カラー20の軸芯に貫通穴20
aとそれに連続して端面側に側面視(図6(b)参照)
小判形の凹部20bを形成し、また、支持軸22の頭2
2aを上記小判形に合わせて形成するとともに、中心部
に六角穴22cを形成したものを用いて、軸支するよう
構成されている。つまり、この構成の場合、まず、フラ
ンジ部材21Bのめねじに脱落しない程度に隙間調整カ
ラー20を螺着し、次に、一対のフランジ部材21A,
21Bの間に、支持軸22挿通用の貫通穴23が形成さ
れたエンジンEを挿入する。次に、上記フランジ部材2
1Bの貫通穴,エンジンEの貫通穴、隙間調整カラー2
0に形成された貫通穴が一直線上になるような状態で、
それらの貫通穴に支持軸22の頭22aが上記凹部20
bに嵌まる状態まで支持軸22を貫通する。そして、支
持軸22の六角穴22cに六角レンチを嵌合させて、支
持軸22と同体となった隙間調整カラー20を、その先
端面がエンジンEに当接するまでねじ込んで、一対のフ
ランジ部材21A,21Bと、エンジンEとの間に形成
された隙間を無くす。そして、最後に、上記隙間調整カ
ラー20を固定するため、外部に工具係合用の凹部25
aが四箇所形成されたロックナット25を、隙間調整カ
ラー20の外周のおねじに、特殊工具も用いて締め込む
よう構成されている。
【0009】しかしながら、このような構成の軸支構造
の場合、部品点数が多くなるとともに、作業工数が増加
して、価格的に高価になり、しかも、外見上、支持軸の
頭部、隙間調整カラーの端面、ロックナットの端面が現
れ、軸支構造部分が、甚だ煩雑になってしまう。
【0010】この分野の先行技術として、特公平5−3
3195号がある。
【0011】本発明は、上述のような現況に鑑みおこな
われたもので、部品点数と作業工数が少なく、且つ外観
上もスッキリした構成となる軸支構造と、この軸支構造
を利用した自動二輪車のエンジン軸支構造を提供するこ
とを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本請求項1記載の発明に
かかる軸支構造は、被支持物の貫通穴の長さより広く離
間して設けられ、支持軸が貫通するための穴を各々が備
えた一対の軸支部材の間に、支持用の貫通穴を具備した
被支持物を、支持軸を各貫通穴に貫通させて、軸支する
よう構成された軸支構造であって、被支持物の貫通穴に
めねじを形成するとともに、一端側におねじが形成さ
れ、軸芯に上記被支持物の貫通穴に対応する貫通穴が形
成され、該貫通穴の一部に回転に際し係合させるための
係合穴部と、他端側に上記一対の軸支部材のうちの一方
の軸支部材の内側面に当接可能な鍔部が、形成された隙
間調整カラーの、該一端側のおねじを被支持物のめねじ
に螺合させ、一方の軸支部材に、上記隙間調整カラーの
係合穴部と等しいか若しくはより大きく且つ該隙間調整
カラーの鍔部の外径より小さい径の、貫通穴を形成し、
上記一対の軸支部材の各貫通穴、被支持物の貫通穴、隙
間調整カラーの貫通穴を一直線上にした状態で貫通する
主部と、該主部の先端方のおねじが形成されたナット取
着部と、上記係合穴部に係合するための係合部と、基端
面に形成された工具係合手段を有する支持軸を、該一対
の軸支部材の各貫通穴、被支持物の貫通穴、隙間調整カ
ラーの貫通穴を一直線上にした状態で貫通せしめ、当初
被支持物に隙間調整カラーをねじ込んでおき、上記工具
係合手段を、工具を用いて回転させることによって、隙
間調整カラーを被支持物のめねじに対して回転させて緩
め、該隙間調整カラーの鍔部を上記一方の軸支部材の内
側面に当接させ、当接により被支持物と一対の軸支部材
との間の隙間が無くなった状態で、先端方の軸支部材の
外側面から突出した上記支持軸のナット取着部にナット
を螺合させて、被支持物を一対の軸支部材間に固定する
ことを特徴とする。
【0013】しかして、このように構成された軸支構造
によれば、被支持物を一対の軸支部材間に挿入する際に
は、被支持物のめねじ穴に隙間調整カラーをねじ込んだ
状態にしておけば、被支持物と両側に位置する一対の軸
支部材との間に隙間が形成されることから、簡単に挿入
することができ、挿入した状態で、被支持物と一対の軸
支部材の各貫通穴が一直線上になるような状態にして該
各貫通穴に支持軸を挿通し、この状態で、隙間調整カラ
ーを回転させて被支持物に対して隙間調整カラーの端面
が軸支部材の内側面に当接するまで突出させると、被支
持物と軸支部材との間の隙間がなくなり、後は、支持軸
を軸支部材に対してナットで螺着する等の周知の手法で
固定すると、簡単に被支持物を一対の軸支部材の間に隙
間の無い状態で、軸支することが可能となる。
【0014】かかる場合、部品点数を大幅に削減するこ
とができ、しかも、隙間調整カラーの端面は、両端に位
置する軸支部材の外方からは見えないため、スッキリし
た外観を得ることができる。
【0015】
【0016】
【発明の実施の形態】そして、請求項1記載の発明にか
かる軸支構造の一つの実施の形態として、請求項2記載
の如く、被支持物の貫通穴の長さより広く離間して設け
られ、支持軸が貫通するための穴を各々が備えた一対の
軸支部材の間に、支持用の貫通穴を具備した被支持物
を、支持軸を各貫通穴に貫通させて、軸支するよう構成
された軸支構造であって、被支持物の貫通穴にめねじを
形成するとともに、先端方におねじが形成され、軸芯に
上記被支持物の貫通穴に対応する貫通穴が形成され、該
貫通穴の一部に角形穴を形成し、且つ、基端に上記一対
の軸支部材のうちの基端方の軸支部材の内側面に当接可
能な鍔部が、形成された隙間調整カラーの、該先端方の
おねじを被支持物のめねじに螺合させ、上記基端方の軸
支部材に、上記隙間調整カラーの角形穴の対角距離と等
しいか若しくは大きく且つ該隙間調整カラーの鍔部の外
径より小さい径の、貫通穴を形成し、上記一対の軸支部
材の各貫通穴、被支持物の貫通穴、隙間調整カラーの貫
通穴を一直線上にした状態で貫通する主部と、該主部の
先端方のおねじが形成されたナット取着部と、上記角形
穴に係合するための角形部と、基端面に形成された工具
係合手段を有する支持軸を、該一対の軸支部材の各貫通
穴、被支持物の貫通穴、隙間調整カラーの貫通穴を一直
線上にした状態で貫通せしめ、当初被支持物に隙間調整
カラーをねじ込んでおき、上記工具係合手段を、工具を
用いて回転させることによって、隙間調整カラーを被支
持物のめねじに対して回転させて緩め、該隙間調整カラ
ーの基端面を基端方の軸支部材の内側面に当接させ、当
接により被支持物と一対の軸支部材との間の隙間が無く
なった状態で、先端方の軸支部材の外側面から突出した
上記支持軸のナット取着部にナットを螺合させて、被支
持物を一対の軸支部材間に固定するよう構成することが
できる。
【0017】また、別の実施の形態として、請求項3
載の如く、被支持物の貫通穴の長さより広く離間して設
けられ、支持軸が貫通するための穴を各々が備えた一対
の軸支部材の間に、支持用の貫通穴を具備した被支持物
を、支持軸を各貫通穴に貫通させて、軸支するよう構成
された軸支構造であって、被支持物の貫通穴にめねじを
形成するとともに、基端方におねじが形成され、軸芯に
上記被支持物の貫通穴に対応する貫通穴が形成され、該
貫通穴の一部に角形穴を形成し、且つ、先端面に上記一
対の軸支部材のうちの先端方の軸支部材の内側面に当接
可能な鍔部を具備する隙間調整カラーの、該基端のおね
じを被支持物のめねじに螺合させ、上記先端方の軸支部
材に、上記貫通穴の径と等しいか若しくはそれより大き
く且つ該隙間調整カラーの鍔部の外径より小さい径の、
貫通穴を形成し、上記一対の軸支部材の各貫通穴、被支
持物の貫通穴、隙間調整カラーの貫通穴を一直線上にし
た状態で貫通する主部と、該主部の先端方のおねじが形
成されたナット取着部と、上記角形穴に係合するための
角形部と、基端面に形成された工具係合手段を有する支
持軸を、該一対の軸支部材の各貫通穴、被支持物の貫通
穴、隙間調整カラーの貫通穴を一直線上にした状態で貫
通せしめ、当初被支持物に隙間調整カラーをねじ込んで
おき、上記工具係合手段を、工具を用いて回転させるこ
とによって、隙間調整カラーを被支持物のめねじに対し
て回転させて緩め、該隙間調整カラーの先端面を先端方
の軸支部材の内側面に当接させ、当接により被支持物と
一対の軸支部材との間の隙間が無くなった状態で、先端
方の軸支部材の外側面から突出した上記支持軸のナット
取着部にナットを螺合させて、被支持物を一対の軸支部
材間に固定するよう構成することもできる。
【0018】また、別の実施の形態として、上記請求項
2又は3記載の軸支構造において、請求項4記載の如
く、上記角形穴が、隙間調整カラーの、先端面から基端
方に入り込んだ位置から、基端面までの位置にわたっ
て、軸芯の貫通穴より拡がって形成されるように構成す
ることもできる。
【0019】また、上記軸支構造を、自動二輪車のエン
ジン軸支構造として実施する場合には、請求項5記載の
如く、上記被支持物がエンジンで、上記軸支部材が二輪
車のフレームに取着されたエンジン取着用のフランジ部
材であればよい。
【0020】
【実施例】以下、本発明にかかる軸支構造および自動二
輪車のエンジン軸支構造の実施例として、自動二輪車に
エンジンの後端部を軸支する場合の軸支構造を例に挙げ
て、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0021】図1は本発明の実施例にかかるエンジンの
軸支構造の軸支部分を示す図で、(a)は全体の構成を
示す支持軸方向に沿って断面して示した図、(b)は
(a)のI−I矢視図、(c)は(a),(b)に示す
支持軸の要部の構成を示す斜視図である。図2に示すよ
うに、自動二輪車のエンジンEの後端部は、フレームF
側に一体的に形成されたエンジン取着用フランジ部材1
に、支持軸22によって、軸支されている。この軸支部
分は、図1に図示するように構成されている。
【0022】即ち、被支持物であるエンジンEの後端方
に突設した部位に、穴径D1 とそれよりり大きい穴径D
3 の貫通穴10(10A,10B)が形成されている。
つまり、この実施例の場合、貫通穴10A,10Bはエ
ンジンEの左右に離間した二つの部材に同芯状に二つ形
成されている。そして、自動二輪車のフレームFには、
軸支部材であるエンジン取着用フランジ部材1が左右に
対を成してそれぞれ突設されている。そして、この左右
一対のフランジ部材1(1A,1B)は、上記エンジン
Eの挿入される部位の長さ(二つの貫通穴10の両端の
長さ(幅))より広い寸法W1 だけ離れて配設されてい
る。従って、上記貫通穴10A,10Bが連通した一つ
の貫通穴である場合には、その長さ以上離れて配設され
る。また、このフランジ部材1には、上記貫通穴10
A,10Bに対応して貫通穴1a、1bが形成され、先
端方のフランジ部材1の該貫通穴1aは穴径D1 で、基
端方のフランジ部材1の該貫通穴1bは穴径D1 より大
きい穴径D2 に形成されている。
【0023】そして、上記エンジンEの、この実施例で
は、右側の貫通穴10Bは左側の貫通穴10Aに比べて
太径(穴径D3 )になり、その内周にめねじが形成され
ている。つまり、右側の貫通穴10Bはめねじ穴に形成
されている。
【0024】そして、このめねじ穴たる貫通穴10Bに
は、隙間調整カラー20の先端(図1において左端)に
形成されたおねじ20aが螺合するよう構成されてい
る。そして、この隙間調整カラー20の軸芯には、穴径
1 の貫通穴20dが形成され、また、本実施例の場
合、上記おねじ20aの基端側(図1において右側)に
は、該おねじ20aより太径の胴部20bが形成され、
この胴部20bの基端部位(図1(a)において右端の
部位)が鍔部20cになっている。そして、この胴部2
0bの内部は、上記貫通穴20dを内包するような大き
な穴断面積を有する六角穴(角形穴)20eが、該貫通
穴20dと同芯状に形成されている。この六角穴20e
の穴の大きさは、その対角距離が上記bの寸法に等しく
(対角距離をfとすると、f=b)、構成されている。
つまり、六角穴20eの対角距離fが、上記貫通穴1b
の穴径D2 に、等しく構成されている。しかし、上記貫
通穴1bは、その穴径D2 が、上記六角穴20eの対角
距離fより大きく構成されていてもよい。しかし、いず
れの場合にも、隙間調整カラー20の鍔部20cの外径
より、上記貫通穴1bの穴径D2 が小さく構成されてい
る必要がある。
【0025】また、上記貫通穴10(10A,10
B)、1a、1b、20d、六角穴(角形穴)20eに
挿通(貫挿)される支持軸22は、図1(a)〜(c)
に図示する如く、主部22Aを含むその先端方の部位は
軸径a(正確には嵌合分だけ小径)に形成されるととも
に、その基端方に上記六角穴(角形穴)20eに係合す
る六角部(角形部)22Bが形成されるとともに、該六
角部(角形部)22Bに連続して、その基端方に該六角
部(角形部)22Bの対角距離f(f=b)に略等しい
(正確にはやや小さい)外径の、円筒部22aと、さら
にその基端方に、拡径円板状の頭部22bを有する軸頭
22Cが、形成されている。そして、上記頭部22bの
端面(図1(a)において右端面)には、この支持軸2
2を回転させるための、六角穴(請求項で言う「工具係
止手段」に相当)22dが形成されている。また、この
支持軸22の先端(図1(a)において左端)には、ナ
ットNに係合するおねじ22Dが形成されている。な
お、上記おねじ及びめねじはいずれも、通常の右ねじで
構成されている。
【0026】しかして、このように構成された軸支構造
(エンジン軸支構造)によると、以下のように、被支持
物であるエンジンを、エンジンを所定位置に配置する際
には隙間を有して簡単に挿入することができ、しかも、
挿入完了後には、その隙間がない状態で軸支することが
できる。
【0027】つまり、まずエンジンEの挿入に先立ち、
エンジンの貫通穴10Bに隙間調整カラー20のおねじ
20aをねじ込み、鍔部20cとフランジ部材1Bの内
面との間に円滑にエンジンEを挿入できる程度の隙間が
形成できるようにしておく。
【0028】次に、この状態で、エンジンEを、上記一
対のフランジ部材1A,1B間に配置する。この際、隙
間が充分あるため、簡単にエンジンEをフランジ部材1
A,1B間に、挿入・配置することができる。
【0029】そして、このようにエンジンEを配置した
状態で、各貫通穴10(10A,10B)、1a、1
b、20dおよび六角穴(角形穴)20eが同芯上(一
直線上)に位置する状態(図1(a)参照)において、
これらの穴に支持軸22を、軸頭20Cが図1(a)に
図示するように、フランジ部材1B側に位置するように
して、該フランジ部材1Bの貫通穴1b側から、先端が
フランジ1Aの貫通穴1aを貫くように、挿通する。そ
して、この状態で、上記六角穴22dに六角レンチ等の
工具を用いて、軸頭22Cから見て反時計回り(左回
り)に回転させる。この回転により、上記隙間調整カラ
ー20が、エンジンE側からフランジ部材1B側に突出
してくる。つまり、隙間調整カラー20の鍔部20cの
端面が、フランジ部材1Bの内側面に当接するまで、回
転させて、上記隙間を無くす。
【0030】このようにエンジンEと一対のフランジ部
材1A,1Bとの間に隙間が無くなった状態で、上記支
持軸22の先端のおねじにナットNを螺着すれば、エン
ジンEをフレーム側に軸支することができる。
【0031】しかも、この作業には、一切の特殊工具は
必要とせず、単に六角レンチとスパナ等を使用して作業
することができるため、組立あるいはメンテナンスが容
易に実施することができる。しかも、自動二輪車のフレ
ーム、つまり、上記フランジ部材1Bの側方(図1
(a)において矢印X方向)から見ると、単に円形の穴
の縁とその内部に支持軸22の頭部22bの円形の端面
が見えるだけであるため、非常にスッキリした外観を呈
する。
【0032】ところで、上記実施例では、隙間調整カラ
ー20をエンジンEのフランジ部材1Bに配設するよう
構成されているが、図3〜図5に図示するように、エン
ジンEのフランジ部材1A側であっても良いことは言う
までもない。かかる場合に、支持軸22をフランジ部材
1B側から上述のとおり挿入させるような構成とする
と、該支持軸22が基端側に比べて順次先端側で細くな
っていることが不可欠になる。従って、図3,図4に図
示するように支持軸22の頭部22bから先端方の主部
22Aをストレート状にするか、若しくは、図5に図示
するように、係合穴部(この場合「四角穴」)より先端
方を小径にする必要がある。
【0033】また、隙間調整カラー20に関しても、図
1(a)のように、おねじと六角穴(鍔部)を有する胴
部20bの太さ(外径)とを変えているいるが、図3に
図示するように、同じ外径にしてもよい。また、図4,
図5に図示するように、隙間調整カラー20の鍔部20
cのみ、大径にしてもよい。但し、この場合にも、支持
部材の内面と当接する隙間調整カラー20の端面の外
径、若しくは鍔部の外径が、貫通穴1bの穴径より大き
くする必要はある。
【0034】また、上記隙間調整カラー20の六角穴2
0eは、六角穴である必要はなく、図3,図4に図示す
るように、円形の一部(図3,図4では上部と下部)を
切欠いた形状のもの、あるいは図5に図示するように、
四角穴のもの、あるいは回転中心に対して偏芯させた穴
等、回転中心に対して非円形の穴であればよい。従っ
て、支持軸22の六角部も、六角である必要はなく、上
記穴形に対応させた形状であればよい。つまり、図5に
二点鎖線で示すように、『四角』あるいは図示しないが
八角であってもよく、あるいは角形でなくとも、回転中
心に対して非円形になっていればよい。つまり、上記角
形穴等の係合穴部と角形部等の係合部(角形部)とは、
単に両者が回転に際し係合するような構造であれば良い
ことは当業者なら当然に理解できるところである。
【0035】また、上記実施例では、自動二輪車のエン
ジンの軸支構造を例に挙げて説明したが、他のものを支
持軸で軸支するものにも適用できることは言うまでもな
い。
【0036】
【発明の効果】しかして、本発明にかかる軸支構造およ
びエンジン軸支構造によれば、部品点数が少なく、従っ
て、少ない作業工数によって軸支することができる。従
って、安価に実施できる構造となる。
【0037】しかも、非常にシンプルであることから、
特に、支持軸の端面から見た外観がシンプルになること
から、従来のように軸支部分のデザインが煩雑になるこ
とはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例にかかるエンジンの軸支構造
の軸支部分を示す図で、(a)は全体の構成を示す支持
軸方向に沿って断面して示した図、(b)は(a)のI
−I矢視拡大図、(c)は(a),(b)に示す支持軸
の要部の構成を示す部分斜視図である。
【図2】 エンジン軸支構造が採用される部位を示す自
動二輪車の全体を示す側面図である。
【図3】 本発明の図1に示すものとは別の実施例にか
かるエンジンの軸支構造の軸支部分を示す図で、(a)
は全体の構成を示す支持軸方向に沿って断面して示した
図、(b)は(a)のII−II矢視拡大図である。
【図4】 本発明の図1,図3に示すものとは別の実施
例にかかるエンジンの軸支構造の軸支部分を示す図で、
(a)は全体の構成を示す支持軸方向に沿って断面して
示した図、(b)は(a)の III−III 矢視拡大図であ
る。
【図5】 本発明の図1,図3, 図4に示すものとは別
の実施例にかかるエンジンの軸支構造の軸支部分を示す
図で、(a)は全体の構成を示す支持軸方向に沿って断
面して示した図、(b)は(a)のIV−IV矢視拡大図で
ある。
【図6】 (a)は従来のエンジン軸支構造を示す図1
(a)に対応する図、(b)は(a)の右方より見た側
面図である。
【符号の説明】
E…エンジン 1…フランジ部材(軸支部材) 1A…一対のうちの一方のフランジ部材 1B…一対のうちの他方のフランジ部材 10(10A,10B)…支持軸用の貫通穴 20…隙間調整カラー 22…支持軸

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被支持物の貫通穴の長さより広く離間し
    て設けられ、支持軸が貫通するための穴を各々が備えた
    一対の軸支部材の間に、支持用の貫通穴を具備した被支
    持物を、支持軸を各貫通穴に貫通させて、軸支するよう
    構成された軸支構造であって、 被支持物の貫通穴にめねじを形成するとともに、 一端側におねじが形成され、軸芯に上記被支持物の貫通
    穴に対応する貫通穴が形成され、該貫通穴の一部に回転
    に際し係合させるための係合穴部と、他端側に上記一対
    の軸支部材のうちの一方の軸支部材の内側面に当接可能
    な鍔部が、形成された隙間調整カラーの、該一端側のお
    ねじを被支持物のめねじに螺合させ、 一方の軸支部材に、上記隙間調整カラーの係合穴部と等
    しいか若しくはより大きく且つ該隙間調整カラーの鍔部
    の外径より小さい径の、貫通穴を形成し、 上記一対の軸支部材の各貫通穴、被支持物の貫通穴、隙
    間調整カラーの貫通穴を一直線上にした状態で貫通する
    主部と、該主部の先端方のおねじが形成されたナット取
    着部と、上記係合穴部に係合するための係合部と、基端
    面に形成された工具係合手段を有する支持軸を、該一対
    の軸支部材の各貫通穴、被支持物の貫通穴、隙間調整カ
    ラーの貫通穴を一直線上にした状態で貫通せしめ、 当初被支持物に隙間調整カラーをねじ込んでおき、上記
    工具係合手段を、工具を用いて回転させることによっ
    て、隙間調整カラーを被支持物のめねじに対して回転さ
    せて緩め、該隙間調整カラーの鍔部を上記一方の軸支部
    材の内側面に当接させ、当接により被支持物と一対の軸
    支部材との間の隙間が無くなった状態で、先端方の軸支
    部材の外側面から突出した上記支持軸のナット取着部に
    ナットを螺合させて、被支持物を一対の軸支部材間に固
    定することを特徴とする軸支構造。
  2. 【請求項2】 被支持物の貫通穴の長さより広く離間し
    て設けられ、支持軸が貫通するための穴を各々が備えた
    一対の軸支部材の間に、支持用の貫通穴を具備した被支
    持物を、支持軸を各貫通穴に貫通させて、軸支するよう
    構成された軸支構造であって、 被支持物の貫通穴にめねじを形成するとともに、 先端方におねじが形成され、軸芯に上記被支持物の貫通
    穴に対応する貫通穴が形成され、該貫通穴の一部に角形
    穴を形成し、且つ、基端に上記一対の軸支部材のうちの
    基端方の軸支部材の内側面に当接可能な鍔部が、形成さ
    れた隙間調整カラーの、該先端方のおねじを被支持物の
    めねじに螺合させ、 上記基端方の軸支部材に、上記隙間調整カラーの角形穴
    の対角距離と等しいか若しくは大きく且つ該隙間調整カ
    ラーの鍔部の外径より小さい径の、貫通穴を形成し、 上記一対の軸支部材の各貫通穴、被支持物の貫通穴、隙
    間調整カラーの貫通穴を一直線上にした状態で貫通する
    主部と、該主部の先端方のおねじが形成されたナット取
    着部と、上記角形穴に係合するための角形部と、基端面
    に形成された工具係合手段を有する支持軸を、該一対の
    軸支部材の各貫通穴、被支持物の貫通穴、隙間調整カラ
    ーの貫通穴を一直線上にした状態で貫通せしめ、 当初被支持物に隙間調整カラーをねじ込んでおき、上記
    工具係合手段を、工具を用いて回転させることによっ
    て、隙間調整カラーを被支持物のめねじに対して回転さ
    せて緩め、該隙間調整カラーの基端面を基端方の軸支部
    材の内側面に当接させ、当接により被支持物と一対の軸
    支部材との間の隙間が無くなった状態で、先端方の軸支
    部材の外側面から突出した上記支持軸のナット取着部に
    ナットを螺合させて、被支持物を一対の軸支部材間に固
    定することを特徴とする軸支構造。
  3. 【請求項3】 被支持物の貫通穴の長さより広く離間し
    て設けられ、支持軸が貫通するための穴を各々が備えた
    一対の軸支部材の間に、支持用の貫通穴を具備した被支
    持物を、支持軸を各貫通穴に貫通させて、軸支するよう
    構成された軸支構造であって、 被支持物の貫通穴にめねじを形成するとともに、 基端方におねじが形成され、軸芯に上記被支持物の貫通
    穴に対応する貫通穴が形成され、該貫通穴の一部に角形
    穴を形成し、且つ、先端面に上記一対の軸支部材のうち
    の先端方の軸支部材の内側面に当接可能な鍔部を具備す
    る隙間調整カラーの、該基端のおねじを被支持物のめね
    じに螺合させ、 上記先端方の軸支部材に、上記貫通穴の径と等しいか若
    しくはそれより大きく且つ該隙間調整カラーの鍔部の外
    径より小さい径の、貫通穴を形成し、 上記一対の軸支部材の各貫通穴、被支持物の貫通穴、隙
    間調整カラーの貫通穴を一直線上にした状態で貫通する
    主部と、該主部の先端方のおねじが形成されたナット取
    着部と、上記角形穴に係合するための角形部と、基端面
    に形成された工具係合手段を有する支持軸を、該一対の
    軸支部材の各貫通穴、被支持物の貫通穴、隙間調整カラ
    ーの貫通穴を一直線上にした状態で貫通せしめ、 当初被支持物に隙間調整カラーをねじ込んでおき、上記
    工具係合手段を、工具を用いて回転させることによっ
    て、隙間調整カラーを被支持物のめねじに対して回転さ
    せて緩め、該隙間調整カラーの先端面を先端方の軸支部
    材の内側面に当接させ、当接により被支持物と一対の軸
    支部材との間の隙間が無くなった状態で、先端方の軸支
    部材の外側面から突出した上記支持軸のナット取着部に
    ナットを螺合させて、被支持物を一対の軸支部材間に固
    定することを特徴とする軸支構造。
  4. 【請求項4】 前記角形穴が、隙間調整カラーの、先端
    面から基端方に入り込んだ位置から、基端面までの位置
    にわたって、軸芯の貫通穴より拡がって形成されている
    ことを特徴とする請求項2又は3記載の軸支構造。
  5. 【請求項5】 請求項1から4までのいずれか1の項に
    記載の軸支構造が、自動二輪車のエンジン軸支構造であ
    って、前記被支持物がエンジンで、前記軸支部材が二輪
    車のフレームに取着されたエンジン取着用のフランジ部
    材であることを特徴とする自動二輪車のエンジン軸支構
    造。
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