JP3280367B2 - 溶剤含有物除去用クリーニングシート、及び溶剤含有物の除去方法 - Google Patents
溶剤含有物除去用クリーニングシート、及び溶剤含有物の除去方法Info
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Description
刷の原版、印刷機のロール、塗料等が付着した物品な
ど、溶剤を含有する付着物の付いた物品等を清浄化する
ために用いる溶剤含有物除去用クリーニングシート、及
び溶剤含有物の除去方法に関する。
等の溶剤を含有して湿った状態にある半固形物などは、
印刷、塗料、接着剤等の分野で広く使用されている。し
かし、このような溶剤含有物が、所定の部位に過剰に存
在したり、不要な部位に存在する場合には、機械や機器
類、手などを汚染したり、製品の品質を損なうなど種々
の不具合が発生しやすい。
の印刷回数を経ると、スクリーン印刷版の裏側にペース
ト(インキ)が裏回りして被印刷物を汚染したり、印刷
画像に滲みが生じて、正確で美麗な印刷ができない状態
となる。従来、このようなスクリーン印刷版に付着して
いるペーストを除去する方法として、スキージーで機械
的に掻き取る方法、粘着テープを貼り付けて剥がすとい
う操作により取る方法、ウエスで拭き取る方法、溶剤を
満たした洗浄槽に入れて洗浄する方法などが知られてい
る。また、溶剤を含んだ蛍光剤や塗料等が付着した床、
机、壁などをクリーニングする方法として、ウエスで拭
き取る方法、へらやスキージーで掻き取る方法などが行
われる。
機械や床等をスキージーやウエスを用いてクリーニング
する方法は、清浄対象物(被清浄体)に物理的な力が加
わるため損傷を与えやすい上、汚染部位を周囲に拡大し
てしまう可能性が高い。
付けて除去する場合においても、粘着テープの選択を誤
ると汚れを拡げてしまう結果となる。しかしながら、従
来は、粘着テープの選択に際して、数種類の粘着テープ
について実際にテストを行わなければ、粘着テープによ
るクリーニングが可能であるか否かを判断できなかっ
た。
は、機械や床等に付着した溶剤含有物を、周囲に汚れを
拡大することなく、確実に付着させて除去できる溶剤含
有物除去用クリーニングシート、及び溶剤含有物の除去
方法を提供することにある。本発明の他の目的は、被清
浄体に対して損傷を与えず、しかも汚れを拡げることな
く簡易に清浄可能な溶剤含有物除去用クリーニングシー
ト、及び溶剤含有物の除去方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、広範な種類の被清浄体及び
溶剤含有物(付着物)に対して適用できる汎用性の高い
溶剤含有物除去用クリーニングシート、及び溶剤含有物
の除去方法を提供することにある。本発明の他の目的
は、被清浄体に付着している溶剤含有物中の溶剤の種類
に応じて、最適なクリーニングシートを簡単に選択して
使用できる溶剤含有物の除去方法を提供することにあ
る。
を達成するため鋭意検討した結果、クリーニングシート
の溶剤含有物除去能力と粘着剤層を構成する粘着剤の溶
解特性との間に関連性があることを見出した。そこで、
溶解現象の指標として用いられる溶解度パラメーターに
着目してさらに検討を加えた結果、前記粘着剤の溶解度
パラメーターと除去対象である溶剤含有物に含まれる溶
剤の溶解度パラメーターとが一定の関係にあるときに、
該溶剤含有物を周りに拡げることなく確実に付着させて
除去できるということが判明した。本発明はこれらの知
見に基づいて完成されたものである。
くとも片方の面に形成された粘着剤層とで構成されてい
る溶剤含有物除去用クリーニングシートであって、粘着
剤層を構成する粘着剤の溶解度パラメーター(SP値)
δ1[(J/cm3)1/2]と除去対象である溶剤含有物
に含まれる溶剤の溶解度パラメーター(SP値)δ
2[(J/cm3)1/2]との差Δδが±4[(J/c
m3)1/2]以内にある溶剤含有物除去用クリーニングシ
ートを提供する。このクリーニングシートは、例えばス
クリーン印刷原版のクリーニング用として使用できる。
剤含有物を、基材と該基材の少なくとも片方の面に形成
された粘着剤層とで構成されている溶剤含有物除去用ク
リーニングシートにより除去する方法であって、(1)
溶剤含有物除去用クリーニングシートの粘着剤層を構成
する粘着剤の溶解度パラメーター(SP値)δ1[(J
/cm3)1/2]を求めるステップ、(2)除去対象であ
る溶剤含有物に含まれる溶剤の溶解度パラメーター(S
P値)δ2[(J/cm3)1/2]を求めるステップ、及
び(3)前記δ1とδ2との差Δδが±4[(J/c
m3)1/2]以内となるようなクリーニングシートを選択
して溶剤含有物の除去に使用するステップを含む溶剤含
有物の除去方法を提供する。
物除去用クリーニングシートを溶解度パラメーター(S
P値)の異なる複数の溶剤中に浸漬して粘着剤層を構成
する粘着剤の膨潤度又はゲル分率を測定し、膨潤度が最
大又はゲル分率が最小となる溶剤の溶解度パラメーター
(SP値)を該クリーニングシートの粘着剤層を構成す
る粘着剤の溶解度パラメーター(SP値)δ1[(J/
cm3)1/2]と定めてもよい。
ニングシートの基材としては特に制限はないが、ポリエ
チレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のポリオレ
フィン系フィルム;ポリエチレンテレフタレートフィル
ム等のポリエステルフィルムなどのプラスチックフィル
ムが紙粉の発生のおそれがなく好適に使用される。単に
ロールの清掃に使用する場合などは、基材として紙など
も使用できる。また、凹凸面上のペーストやインキを除
去する用途には、ポリウレタン、ポリエチレン、EPD
M(エチレン−プロピレン−ジエンゴム)などの発泡体
も基材として好適に使用される。さらに、用途によって
は、基材として、不織布、布、金属箔などを用いること
もできる。基材は単層であってもよく複数の層からなる
積層体であってもよい。
性などを考慮して適宜設定できるが、一般には10〜5
00μm、好ましくは12〜200μm、更に好ましく
は15〜100μm程度である。基材が発泡体の場合に
は、数mmから数十mmの厚さが一般的である。
粘着剤の種類としては、溶解度パラメーターが上記の関
係を充足する限り、特に制限はなく、例えば、ゴム系粘
着剤(例えば、天然ゴム系粘着剤;スチレン−ブタジエ
ン共重合体系、ポリイソブチレン系、スチレン−イソプ
レン−スチレン共重合体系などの合成ゴム系粘着剤)、
アクリル系粘着剤など、任意の粘着剤が使用できる。こ
れらの粘着剤の中でも、粘着力等の点でアクリル系粘着
剤が好ましい。
える主モノマー、凝集性を与えるコモノマー、及び粘着
性を向上させたり架橋点を形成するための官能基含有モ
ノマーより形成される。前記主モノマーとしては、例え
ば、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル
酸イソプロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブ
チル、アクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、アク
リル酸ヘプチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸2−
エチルヘキシル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル
などのアクリル酸C2-10アルキルエステルなどが挙げら
れる。
例えば、アクリル酸メチル;メタクリル酸メチル、メタ
クリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピルなどのメタ
クリル酸アルキルエステル;酢酸ビニル等のビニルエス
テル類;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエ
ンなどのスチレン系モノマー;アクリロニトリルなどが
挙げられる。これらの中でも、ビニルエステル類、アク
リロニトリルなどが好ましい。
ば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、無水マレ
イン酸などのカルボキシル基又は酸無水物基含有モノマ
ー;アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2
−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル
などのヒドロキシル基含有モノマー;アクリル酸グリシ
ジル、メタクリル酸グリシジルなどのエポキシ基含有モ
ノマー;N−メチロールアクリルアミド、N−メチロー
ルメタクリルアミドなどのアミド基含有モノマー;メタ
クリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸t−ブチ
ルアミノエチルなどのアミノ基含有モノマーなどが挙げ
られる。これらの中でも、官能基含有モノマーとして、
アクリル酸などのカルボキシル基又は酸無水物基含有モ
ノマーなどが好ましい。
ー、コモノマー及び官能基含有モノマーの割合は、所望
する溶解度パラメーター等により適宜選択できるが、例
えば、全モノマー成分に対する割合として、前記主モノ
マーは40〜98重量%程度であり、前記コモノマーは
0〜50重量%程度であり、前記官能基含有モノマーは
0.5〜15重量%程度である。
リマー)に加えて、種々の添加剤、例えば、架橋剤(例
えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、ウ
レア系架橋剤、メラミン系架橋剤、カルボン酸又は酸無
水物系架橋剤、金属化合物系架橋剤など)、粘着付与剤
[例えば、テルペン系樹脂(テルペン樹脂、テルペンフ
ェノール樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、水添テルペン
樹脂など)、石油樹脂(脂肪族系、芳香族系、脂環式
系)、ロジン系樹脂(ロジン、水添ロジンエステルな
ど)、クマロン・インデン樹脂、スチレン系樹脂等]、
界面活性剤、可塑剤、酸化防止剤、着色剤、充填剤、発
泡剤などが含まれていてもよい。好ましい架橋剤には、
イソシアネート系架橋剤などが含まれる。
吸収性を損なわない範囲で適宜選択できる。例えば、架
橋剤の使用量は、粘着剤ポリマー(ベースポリマー)1
00重量部に対して、例えば1〜30重量部程度であ
る。
定でき、例えば5〜5000μm程度、好ましくは10
〜2000μm程度である。なお、基材と粘着剤層との
間に下塗り剤層などが設けられていてもよい。また、基
材の両面に粘着剤層が形成されていてもよい。
ートは、コーティング法などの慣用の方法を用いて、基
材上に粘着剤層を形成することにより製造できる。本発
明の溶剤含有物除去用クリーニングシートの除去対象と
なる溶剤含有物としては、特に限定されず、溶剤を含有
して湿った状態にある半固形物、例えば、ペースト、イ
ンキ、糊、接着剤、塗料などが挙げられる。
例えば、ヘキサン、ヘプタン、ミネラルスピリット、ド
デカンなどの脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、デカヒ
ドロナフタレンなどの脂環式炭化水素;トルエン、キシ
レン、ソルベントナフサ、テトラリン、ジペンテンなど
の芳香族炭化水素;メチルアルコール、エチルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、イソ
ブチルアルコール、s−ブチルアルコール、シクロヘキ
シルアルコール、2−メチルシクロヘキシルアルコー
ル、トリデシルアルコールなどのアルコール;t−ブチ
ルメチルエーテル、ジブチルエーテル、ジベンジルエー
テル、アニソールなどのエーテル;酢酸メチル、酢酸エ
チル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、ジエチルフタレ
ートなどのエステル;アセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシ
クロヘキサノン、ジアセトンアルコール、イソホロンな
どのケトン;エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、
トリエチレングリコール、ジプロピレングリコールなど
のグリコール;ブチルセロソルブ、プロピレングリコー
ルモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチ
ルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどのグ
リコールエーテル;ブチルセロソルブアセテート、プロ
ピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロ
ピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエ
チレングリコールモノブチルエーテルアセテートなどの
グリコールエーテルエステル;水;及びこれらの混合物
等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
粘着剤層を構成する粘着剤の溶解度パラメーター(SP
値)δ1[(J/cm3)1/2]と除去対象である溶剤含
有物に含まれる溶剤の溶解度パラメーター(SP値)δ
2[(J/cm3)1/2]との差Δδが±4[(J/c
m3)1/2]以内にある。
の条件を充足する場合には、除去対象である溶剤含有物
中の溶剤が粘着剤に速やかに吸収されるとともに、粘着
剤層を構成する粘着剤の粘着力(接着力)が保持され
る。そのため、被清浄体から溶剤含有物を、周りに汚れ
を拡げることなく、確実に付着させて除去できる。これ
に対し、前記粘着剤の溶解度パラメーターδ1が上記の
条件を充足しない場合には、クリーニングシートを溶剤
含有物に貼り付けた際、溶剤含有物中の溶剤が該粘着剤
に吸収されにくく、しかも粘着力が消失するため、汚れ
の部分が拡大するとともに、溶剤含有物を付着させて除
去することができない。なお、前記Δδは、より好まし
くは、±3[(J/cm3)1/2]以内である。
ーター(SP値)δ1[(J/cm3)1/2]は、例えば
以下の方法により求められる。すなわち、クリーニング
シートを溶解度パラメーター(SP値)の異なる数種類
(少なくとも3種類)の溶剤中に浸漬して、粘着剤層を
構成する粘着剤の膨潤度又はゲル分率を測定し、膨潤度
が最大又はゲル分率が最小を示す溶剤の溶解度パラメー
ター(SP値)を該粘着剤の溶解度パラメーター(SP
値)(代表値)と定める。なお、前記溶剤の溶解度パラ
メーター(SP値)は、Fedors法による計算又は
既知のデータ集により得ることができる。
求める際に用いられる代表的な溶剤として、例えば、n
−ヘプタン(15.1)、シクロヘキサン(16.
8)、トルエン(18.1)、酢酸エチル(18.
6)、メチルエチルケトン(19.0)、シクロヘキサ
ノン(20.3)、イソブチルアルコール(21.
5)、イソプロピルアルコール(23.5)などが挙げ
られる。括弧内の数値は溶解度パラメーター(SP値)
[(J/cm3)1/2]の値である。
にして測定することができる。 (1)測定に用いるテフロン(登録商標)膜(10cm
角程度)及びタコ糸(12cm程度)を精秤する(A
g)。 (2)粘着剤(又はクリーニングシート)約0.5〜1
gを上記テフロン膜とタコ糸とを用いて包む。(この
時、クリーニングシートに用いられている基材単体につ
いてもブランク試料として同様の包みを作製する。) (3)前記(2)で作製した包みを精秤し、(1)で測
定したテフロン膜とタコ糸の重量を差し引き、試料重量
とする(Bg)。 (4)上記の包みを50〜300mlのガラス瓶に入
れ、測定の対象とする溶剤を加えて蓋をし、室温で7日
間浸漬する。 (5)包みを取り出し、テフロン膜に付いた溶剤を手早
く拭き取り、精秤する(Cg)。 (6)これを乾燥器にて130℃で2時間乾燥させる。 (7)乾燥後の包みを精秤する(Dg)。 (8)膨潤度を次式により算出する。 膨潤度(%)={(C−A)/(D−A)}×100 なお、クリーニングシートを用いた場合には、C、Dと
して、前記ブランク試料(基材単体)を用いたときの値
を差し引いた値を用いて計算する。(9)ゲル分率を次
式により算出する。 ゲル分率(%)={(D−A)/B}×100 なお、クリーニングシートを用いた場合には、B、Dと
して、前記ブランク試料(基材単体)を用いたときの値
を差し引いた値を用いて計算する。
使用する場合には、テフロン膜の代わりにナイロン紗を
用いることができる。また、高沸点溶剤を使用する場合
には、乾燥温度を該溶剤の沸点付近に設定する。
て溶出してしまう粘着剤については、溶剤浸漬時間を短
くし、同様に測定して粘着剤の溶解度パラメーター(S
P値)を求めることができる。また、その実験結果より
粘着剤の溶出速度を求め、溶出速度の最も速い溶剤の溶
解度パラメーター(SP値)を該粘着剤の溶解度パラメ
ーター(SP値)(代表値)とすることもできる。
ター(SP値)について、「Polymer Handbook」(John
Wiley & Sons, Inc.発行)等の文献に、過去の実験に
より(又は計算により)求められた値が記載されている
場合には、その値を本発明における粘着剤の溶解度パラ
メーター(SP値)δ1として採用してもよい。
剤の溶解度パラメーター(SP値)δ2[(J/cm3)
1/2]も、Fedors法による計算又は既知のデータ
集により得ることができる。なお、除去対象である溶剤
含有物中に複数の溶剤が含まれている場合には、各溶剤
の溶解度パラメーター(SP値)とモル分率の積の総和
をδ2とすることができる。但し、複数の溶剤のうち少
なくとも1つの溶剤が粘着剤を溶解しない溶媒である場
合には、「Polymer Handbook」等の文献に記載されてい
るSP値既知の複数のポリマーを用いて上記方法に準じ
て膨潤度又はゲル分率を測定し、膨潤度が最大又はゲル
分率が最小となるポリマーのSP値を該複数の溶剤から
なる混合溶剤の溶解度パラメーター(SP値)δ2とす
ることができる。また、混合溶剤の溶解度パラメーター
(SP値)δ2は、蒸発潜熱、蒸気圧その他の物性値か
ら公知の手法により計算で求めることもできる。
クリーニングシートの粘着剤層を構成する粘着剤の溶解
度パラメーター(SP値)δ1[(J/cm3)1/2]を
求めるステップと、(2)除去対象である溶剤含有物中
に含まれる溶剤の溶解度パラメーター(SP値)δ
2[(J/cm3)1/2]を求めるステップと、(3)前
記δ1とδ2との差Δδが±4[(J/cm3)1/2]以内
となるようなクリーニングシートを選択して溶剤含有物
の除去に使用するステップとを含んでいる。
トについて、粘着剤層を構成する粘着剤のSP値を一度
求めておけば、被清浄体に付着している除去対象物中に
含まれる溶剤の種類(構造)に応じて、使用可能なクリ
ーニングシートを速やかに選択できるという大きな利点
が得られる。本発明の溶剤含有物除去用クリーニングシ
ートは、例えば、スクリーン印刷の原版、印刷機のロー
ル、塗料等が付着した物品など、ペースト、インキ等の
溶剤含有物(特に半固形物)の付着した物品等を清浄化
するのに利用できる。
粘着剤層を構成する粘着剤の溶解度パラメーターと除去
対象である溶剤含有物に含まれる溶剤の溶解度パラメー
ターとが一定の関係にあるので、該溶剤を速やかに吸収
すると共に、粘着力も保持される。そのため、機械や床
等に付着した溶剤含有物を、周囲に汚れを拡大すること
なく、確実に付着させて除去することができる。
かも汚れを拡げることなく簡易に清浄できるとともに、
広範な種類の被清浄体及び溶剤含有物(付着物)に対し
て適用が可能である。そのため、従来、ウエス拭き取り
による方法でのみクリーニングが行われていた印刷や塗
装工程における掃除、クリーニング全般について、粘着
シートによるクリーニングが可能となった。さらに、本
発明の方法によれば、多種のクリーニングシートを実際
に試してみることなく、被清浄体に付着している溶剤含
有物中の溶剤の種類に応じて、最適なクリーニングシー
トを速やかに選択して使用することが可能である。
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。なお、以下の実施例において、溶剤名
の後ろの括弧内の数値は溶解度パラメーター(SP値)
[(J/cm3)1/2]の値である。
定 厚さ0.06mmのポリエチレンフィルム(基材)の片
面に、アクリル系粘着剤[ブチルアクリレート/アクリ
ル酸(重量比:95/5)の共重合体100重量部+イ
ソシアネート系架橋剤15重量部]からなる粘着剤層
(厚さ10μm)を設け、クリーニングシートを作製し
た。このクリーニングシートの粘着剤を裁断して得た試
料約0.5gを精秤し、これを、n−ヘプタン(15.
1)、シクロヘキサン(16.8)、トルエン(18.
1)、酢酸エチル(18.6)、メチルエチルケトン
(19.0)、シクロヘキサノン(20.3)、イソブ
チルアルコール(21.5)中に、室温で7日間浸漬
し、それぞれの場合について、粘着剤層を構成する粘着
剤の膨潤度(%)とゲル分率(%)とを前記の方法によ
り求めた。その結果を表1に示す。
着剤の溶解度パラメーター(SP値)(代表値)は1
9.0[(J/cm3)1/2](=膨潤度が最大を示す溶
剤のSP値)であることが確認された。
0°ピール剥離力)の測定 支持体[厚さ38μmのポリエチレンテレフタレート
(PET)フィルム]の表面に下記の7種類の高沸点溶
剤を、それぞれマイヤーバー04番を用いて、約5g/
m2塗布し、この上に上記のクリーニングシートを貼り
付けて溶剤を吸収させた後、180°ピール剥離力(J
IS Z 0237に準拠;但し、被着体としてSUS
430BA板を使用し、圧着1分後に測定)を測定し
た。結果を表2に示す。使用した溶剤:ドデカン(1
6.2)、デカヒドロナフタレン(18.0)、ジエチ
ルフタレート(18.2)、ジエチレングリコールモノ
ブチルエーテルアセテート(19.2)、ジベンジルエ
ーテル(20.5)、ジエチレングリコールモノブチル
エーテル(21.5)、1,4−ブタンジオール(2
4.8)
着剤の溶解度パラメーター(SP値)(=19.0
[(J/cm3)1/2])に対して±4[(J/cm 3)
1/2]の範囲に入る溶解度パラメーターを有する溶剤で
濡れた部分については、クリーニングシート貼付後の粘
着力が0を超えており、粘着性が保持されていることが
わかる。従って、このクリーニングシートは上記範囲に
入る溶解度パラメーターを有する溶剤を含有する付着物
に対してクリーニング効果を示すと考えられる。
定 厚さ0.06mmのポリエチレンフィルム(基材)の片
面にポリイソブチレンからなる粘着剤層(厚さ10μ
m)を設けてクリーニングシートを作製した。このクリ
ーニングシートを用いて、前記の方法により膨潤度
(%)とゲル分率(%)とを求めた。その結果を表3に
示す。
を構成する粘着剤の溶解度パラメーター(SP値)(代
表値)は16.8[(J/cm3)1/2](=膨潤度が最
大を示す溶剤のSP値)であることが確認された。
0°ピール剥離力)の測定 実施例1と同様にして、クリーニングシートの粘着力
(180°ピール剥離力)を測定した。結果を表4に示
す。
を構成する粘着剤の溶解度パラメーター(SP値)(=
16.8[(J/cm3)1/2])に対して±4[(J/
cm 3)1/2]の範囲に入る溶解度パラメーターを有する
溶剤で濡れた部分については、クリーニングシート貼付
後の粘着力が0を超えており、粘着性が保持されている
ことがわかる。従って、このクリーニングシートは上記
範囲に入る溶解度パラメーターを有する溶剤を含有する
付着物に対してクリーニング効果を示すと考えられる。
Claims (4)
- 【請求項1】 基材と該基材の少なくとも片方の面に形
成された粘着剤層とで構成されている溶剤含有物除去用
クリーニングシートであって、粘着剤層を構成する粘着
剤の溶解度パラメーター(SP値)δ1[(J/cm3)
1/2]と除去対象である溶剤含有物に含まれる溶剤の溶
解度パラメーター(SP値)δ2[(J/cm3)1/2]
との差Δδが±4[(J/cm3)1/2]以内にあること
を特徴とする溶剤含有物除去用クリーニングシート。 - 【請求項2】 スクリーン印刷原版のクリーニング用と
して用いられる請求項1記載の溶剤含有物除去用クリー
ニングシート。 - 【請求項3】 清浄対象物に付着した溶剤含有物を、基
材と該基材の少なくとも片方の面に形成された粘着剤層
とで構成されている溶剤含有物除去用クリーニングシー
トにより除去する方法であって、(1)溶剤含有物除去
用クリーニングシートの粘着剤層を構成する粘着剤の溶
解度パラメーター(SP値)δ1[(J/cm3)1/2]
を求めるステップ、(2)除去対象である溶剤含有物に
含まれる溶剤の溶解度パラメーター(SP値)δ
2[(J/cm3)1/2]を求めるステップ、及び(3)
前記δ1とδ2との差Δδが±4[(J/cm3)1/2]以
内となるようなクリーニングシートを選択して溶剤含有
物の除去に使用するステップを含む溶剤含有物の除去方
法。 - 【請求項4】 (1)のステップにおいて、溶剤含有物
除去用クリーニングシートを溶解度パラメーター(SP
値)の異なる複数の溶剤中に浸漬して粘着剤層を構成す
る粘着剤の膨潤度又はゲル分率を測定し、膨潤度が最大
又はゲル分率が最小となる溶剤の溶解度パラメーター
(SP値)を該クリーニングシートの粘着剤層を構成す
る粘着剤の溶解度パラメーター(SP値)δ1[(J/
cm3)1/ 2]と定める請求項3記載の溶剤含有物の除去
方法。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000168283A JP3280367B2 (ja) | 2000-06-05 | 2000-06-05 | 溶剤含有物除去用クリーニングシート、及び溶剤含有物の除去方法 |
CNB011213027A CN1179012C (zh) | 2000-06-05 | 2001-06-04 | 清洁片材和去除含溶剂的物质的方法 |
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