JP3279492B2 - 高設栽培装置 - Google Patents

高設栽培装置

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JP3279492B2
JP3279492B2 JP34681296A JP34681296A JP3279492B2 JP 3279492 B2 JP3279492 B2 JP 3279492B2 JP 34681296 A JP34681296 A JP 34681296A JP 34681296 A JP34681296 A JP 34681296A JP 3279492 B2 JP3279492 B2 JP 3279492B2
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  • Cultivation Receptacles Or Flower-Pots, Or Pots For Seedlings (AREA)
  • Cultivation Of Plants (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、苺、葉物野菜、花
卉などを地表面より高い位置で栽培するための高設栽培
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】苺や葉物野菜を栽培する場合、従来よ
り、栽培地の地表面に形成した畝に沿って苗を植えて栽
培を行う、いわゆる土耕栽培という方法が採られてい
る。土耕栽培の場合、育苗から収穫に至る一連の作業
は、中腰やしゃがんだ姿勢での作業が多く、かつ、定植
を行うときは苗の運搬などの重労働を伴うため、作業者
の肉体的負担が大きい。
【0003】そこで、このような過酷な労働条件を改善
するため、栽培容器の改良や各種栽培装置の開発などが
行われ、一部では立ち作業が可能な栽培方法として、い
わゆる高設栽培法が実施されている。
【0004】本出願人も、苺や葉物野菜などの栽培容器
として、培土の使用量が少なくてすみ、根の成長も良好
な栽培容器を開発し、また、この栽培容器を保持する装
置および散水や施肥に好適な補助具を開発している(実
公平6−16495号公報参照)。図10は、この補助
具をセットした栽培容器を保持装置で保持した状態を示
す斜視図である。
【0005】図10に示すように、保持装置80はフレ
ーム81および支柱82などで構成されており、先細り
円筒状の栽培容器91や散水・施肥用の補助具92を保
持装置80にて保持することによって、立ち作業が可能
となるため、栽培作業の効率化、労働条件の改善を図る
ことができる。
【0006】一方、栽培容器を地表面より高い位置に保
持する方法としては、この他にも種々考えられるが、本
出願人は、複数個の容器本体を連結部材で連結した形状
の栽培容器を架台に架け渡して保持する方法を開発し、
特願平7−132727号として特許出願を行ってい
る。
【0007】図11は、前記特許出願に係る栽培装置の
一例を示す斜視図であり、栽培容器20は、合成樹脂製
の容器本体21の上端の一部を連続的に形成することに
よって、10個の容器本体21を直線状に連結した形状
を有する容器本体群22a,22bを構成し、容器本体
群22a,22bの上部を連結部材23で連結した構造
である。
【0008】個々の容器本体21は、横断面形状が円形
で、先細りの筒状容器である。連結部材23は、容器本
体群22a,22bの上端のフランジの一辺から延長す
る形で、容器本体群22a,22bと一体的に形成され
ており、保持装置の係止用フレーム13の形状に合うよ
うに、縦断面が凸形状をしている。
【0009】この栽培装置を使用することにより、立ち
作業が可能となり、従来の栽培容器の多数個分を1回の
係止動作でフレームに係止するすることができるため、
栽培容器の係止作業を効率化することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来の栽培装置の場
合、栽培容器と保持装置とは別個であり、支柱やフレー
ムなどで構成された保持装置を地表面上に設置し、栽培
容器をセットしなければならないため、設置作業が面倒
であり、設備費も高い。また、実際に栽培に寄与してい
る部分に比べ、大きな設置スペースを必要としている。
【0011】また、栽培容器が単体容器または連結容器
のいずれの形状であっても、容器内へ培土を充填する作
業は容器ごとに行う必要があるため、多数の容器に培土
を充填する場合などは、多大な時間と労力を要してい
る。
【0012】さらに、従来の栽培容器は先細りの円筒形
状をしているため、塊のないサラサラ状の培土を使用し
なければ充填作業が著しく困難となる。また、栽培容器
は保持装置に垂下した状態で使用するため、比重の大き
な培土を充填すると、その重さで保持装置が変形したり
破損するおそれがある。
【0013】ところが、普通の畑土は水分含有量が多
く、比重が大であり、塊が多くサラサラ状でないため、
従来の栽培容器において培土として使用することは著し
く困難である。したがって、専用に調製された高価な培
土を使用しなければならず、多大な培土コストを要する
だけでなく、栽培地までの培土の搬入などに多くの労力
を費やしている。
【0014】一方、苺や葉物野菜などの栽培においては
温度管理が極めて重要であり、例えば、苺の場合、栽培
の初期段階では地上部分と地下部分の生育のバランスを
維持して草勢の急激な変化を避けることが収穫量の安定
化につながるため、開花始めの時期は、夜間温度を8℃
〜10℃、昼間温度を25℃〜28℃の範囲内とするの
が温度管理の目標とされている。また、収穫移行初期に
おいては、草勢の維持と果実着色の安定化のために、夜
間温度は5℃〜6℃、昼間温度は22℃〜25℃が温度
管理の目標とされている。
【0015】ところが、高設栽培の場合、培土が地表面
より高い位置に保持されているため気温変化の影響を受
けやすく、土耕栽培の場合に比べて、より正確な温度管
理が必要とされる。高設栽培であってもハウス栽培の場
合は、ハウス内の温度を管理することによって、前記温
度管理を行うことは比較的容易であるが、大容積の大型
ハウスになると暖房設備も大がかりとなり、エネルギー
消費量も増大する。
【0016】また、露地における高設栽培の場合、栽培
容器と保持装置の外郭をビニールシートなどで覆い、さ
らに、地面に蓄熱用水封ダクトや温湯パイプを設置する
などの方法で温度管理を行っているが、この方法では、
地上に設置した栽培容器の温度を数℃の範囲内に維持す
ることは極めて困難である。
【0017】そこで、本発明が解決しようとする課題
は、立ち作業が可能で、培土や水・肥料などの使用量を
低減することができ、普通の畑土を培土として使用する
ことができる高設栽培装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の高設栽培装置は、地表面より高い位置に培
土を保持して植物を栽培するものであり、複数の培土保
持材を前記培土保持材に着脱可能な保持部材で保持して
地表面に対向状態に立設することにより溝状に形成した
培土収容部を備え、前記培土収容部に、培土を傾斜状態
に保持するための上広がり状に対向した2つの傾斜壁面
と、溝状の前記培土収容部内にその長手方向に沿って連
続的に突き出した形状の突出部を有する覆土カバーとを
設けたことを特徴とする。
【0019】本発明の高設栽培装置では、培土収容部が
地表面より上にあるため、立ち作業を行うことが可能で
あり、培土は培土収容部内に充填する分量あればよいた
め、畝を形成する場合に比べて培土の使用量が少なくて
すむ。また、培土収容部は他の支持装置なしで自立でき
るため、構造がシンプルで製作コストがかからず、設置
スペースも小さくてすむ。土耕栽培において畝を高くし
た場合、畝形状が大きくなるため、実質的に単位面積当
たりの栽培本数、いわゆる栽植密度が低下するが、本発
明の高設栽培装置を使用した場合、栽植密度を低下させ
ることなく、地表面より高い位置で植物を栽培すること
ができる。
【0020】また、培土収容部は複数の培土保持材を地
表面に対向状態に立設して形成されるため、培土収容部
は溝状となり、その上面は横方向に連続して開放してい
る。このため、培土の充填作業が簡単であり、塊が多く
サラサラ状でない畑土であっても容易に充填することが
できる。
【0021】さらに、培土収容部は複数の培土保持材を
地表面に対向状態に立設して形成されるため、培土収容
部の下端は開口部となって地表面と連結しているので、
培土収容部内に充填された培土は開口部において地表面
と連続した状態となり、培土の重量は地表面にかかる。
このため、比重の大きな畑土を充填した場合でも培土収
容部に負担をかけることがない。
【0022】ここで、本発明の高設栽培装置は、培土保
持材を対向状態に保持するための着脱可能な保持部材を
備えてもよい。これによって、地表面に複数の培土保持
材を対向状態に配置し、保持部材を装着するだけで培土
収容部を形成することができるため設置作業を迅速かつ
容易に行うことができ、また、使用後は保持部材を離脱
させるだけで装置の撤去や培土の排出を行うことができ
るため作業が大幅に省力化される。
【0023】また、本発明の高設栽培装置においては、
培土収容部に、培土を傾斜状態に保持するための傾斜壁
面を設けてもよい。この場合、培土収容部内に充填した
培土に植えられた植物の根は徐々に下方へ伸びていこう
とするが、植物が傾斜状態に保持されていることによ
り、新たな根の発生の方が盛んになるという性質がある
ため、既存の根が伸びるよりも新たな根の発生の方が促
進され、これらの新たな根が培土中へ伸びていき、発
根、活着が良好となり、その後の生育状態が活性化す
る。このように、植物を傾斜状態に保持することによ
り、新たな根の発生が促進されるため、収穫量の増大も
図ることができる。また、培土を傾斜状態に保持するこ
とにより、苗の斜め植えが容易となり、苺などの場合
は、果房の伸長方向が安定するという効果がある。
【0024】ここで、培土収容部に、培土収容部内に突
き出した形状の突出部を有する覆土カバーを備えてもよ
い。このような覆土カバーを備えることにより、培土収
容部内に突き出した突出部のスペースに相当する分は培
土収容部の容積が減少するため、培土収容部内に充填す
る培土の量を減らすことができる。すなわち、培土使用
量を低減することができる。この場合、培土収容部に対
して覆土カバーを着脱可能としておけば、培土の充填お
よび排出時は、覆土カバーを取り外すことにより、作業
性が向上する。
【0025】一方、本発明の高設栽培装置においては、
培土収容部の上面を覆うシート材を備えてもよい。シー
ト材で培土収容部の上面を覆うことにより、培土収容部
からの熱の散逸を防止することができるため、保温性が
高まる。
【0026】また、シート材としては光反射性を有する
ものを使用してもよい。光反射性を有するシート材で培
土収容部の上面を覆うことにより、シート材が太陽光を
反射するため、培土収容部で栽培している植物の果実の
下面や葉の裏側などにも太陽光が当たるようになる。こ
のため、果実はムラなく熟成され、葉の裏側に寄生する
アブラムシなどを忌避することができる。
【0027】この場合、光反射性を有するシート材とし
ては、有機物顔料、アルミニウム粉末の少なくとも一方
を含有するものを使用することができる。たとえば、ポ
リエチレンにアルミペースト(粉体)を混入して2層ま
たは3層としたシルバーマルチ(商品名)といわれるシ
ートなどを使用することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて、本発明の
実施の形態を説明する。図1は実施の形態である高設栽
培装置を示す斜視図、図2は同高設栽培装置の使用状態
を示す斜視図、図3は同高設栽培装置の使用状態を示す
縦断面図である。
【0029】本発明の高設栽培装置30は、地表面31
より高い位置に培土35を保持して苺36を栽培するも
のであって、地表面31に複数の培土保持材51,52
を対向状態に立設して溝状の培土収容部32を形成して
いる。覆土カバー39は、培土収容部32内に突き出し
た形状の突出部39aを有し、培土収容部32に対して
着脱自在である。
【0030】高設栽培装置30では、培土収容部32が
地表面31より上にあるため、立ち作業を行うことが可
能であり、培土35は培土収容部32内に充填する分量
あればよいため、畝を形成する場合に比べて培土の使用
量が少なくてすみ、水や肥料などの消費量も低減するこ
とができる。また、覆土カバー39は培土収容部32内
に突き出した形状の突出部39aを有しているため、突
出部39aのスペースに相当する分だけ、培土使用量を
低減することができる。さらに、培土収容部32は自立
可能であるため設置スペースが小さくてすみ、栽植密度
を低下させることなく、地表面31より高い位置での植
物栽培が可能である。
【0031】また、培土収容部32は複数の培土保持材
51,52を地表面31に対向状態に立設して形成され
るため、培土収容部32は溝状となり、覆土カバー39
を取り外せば、上面は横方向に連続して開放している。
このため、培土35の充填作業が簡単であり、塊が多く
サラサラ状でない畑土であっても容易に充填することが
できる。また、培土保持材51,52はシンプルな形状
であるため、製作コストもかからない
【0032】さらに、図3に示すように、培土収容部3
2の下端は開口部33となって地表面31と連結してい
るため、培土収容部32内に充填された培土35は開口
部33において地表面31と連続した状態となり、培土
35の重量は地表面31にかかる。このため、比重の大
きな畑土を充填した場合でも培土収容部32を形成する
培土保持材51,52に負担をかけることがない。
【0033】高設栽培装置30を使用する場合は、複数
の培土保持材51,52を地表面31に対向状態に立設
し、保持部材53,54で挟持して、端部を端面板58
で覆った後、保持部材53,54の端部に補助具55を
取り付けて固定する。このとき、補助具55により、培
土収容部32を覆うシート材を固定するためのシート材
保持部材56,57を固定することもできる。
【0034】このように、地表面31に複数の培土保持
材51,52を対向状態に配置し、保持部材53,54
などを装着するだけで培土収容部32を形成することが
できるため、装置の設置を迅速に行うことができ作業も
容易である。また、使用後は保持部材53,54を離脱
させるだけで、装置の撤去や培土32の排出を行うこと
ができるため、作業を大幅に省力化することができる。
【0035】ここで、図4を参照して、高設栽培装置3
0を使用して苺36を栽培した場合の生育状態について
説明する。図4は高設栽培装置30の使用状態を示す縦
断面図である。
【0036】図4に示すように、高設栽培装置30にお
いては、培土収容部32に、培土35を傾斜状態に保持
するための傾斜壁面34を設けている。培土収容部32
内の培土35に植えられた苺36の細は下方へ伸びてい
こうとするが、苺36は傾斜状態に保持されているた
め、特に、クラウンC部分から多数の細根Rが発生して
くる。すなわち、既存の根の生育よりも、クラウンC部
分からの細根Rの発生の方が盛んとなり、これらの細根
Rが培土中へ伸びていくため、発根、活着が良好とな
り、その後の生育状態が活性化される。また、クラウン
C部分から多数の細根Rが発生することにより、花数の
増加が促進されるため、収穫量の増大を図ることができ
る。また、ランナーはクラウンCが傾いている方向へ伸
びていく性質があるため、傾斜壁面34で培土35を傾
斜状態に保持することにより、ランナーの生育方向を適
切に誘導することができる。
【0037】例えば、小径ポット育苗により栽培された
苗の場合、培土量に比べ根部が多いが、培土収容部32
内の培土35に定植したとき、直ちに培土35中へ発根
するため、活着が早く、これ以降、根部の生育が良好と
なる。また、培土35は傾斜状態に保持されているた
め、斜め植えも容易である。
【0038】一般に、苺は浅根性の植物といわれるが、
数十cmの深さまで根群を伸ばすこともあり、例えば、
北米カリフォルニアの砂漠地帯で栽培される苺の場合、
根域が1m以上の深さに達するものもあり、6〜8t/
10aという多収穫が得られている。このように、苺の
場合、深く大きな根群形成が多収穫につながることが判
明している。
【0039】したがって、土壌の硬度や水の縦移動に伴
う通気性などの条件を整えば、深く大きな根群を形成す
ることが可能となり、いわゆる「なりづかれ」を抑制す
ることができる。そこで、高設栽培装置30の場合、上
下方向に長い培土収容部32を設けることにより、培土
35を上下方向に長く充填しているため、苺36の根域
が上下に広くなり、生育状態が良好となる。
【0040】一方、高設栽培装置30では、培土収容部
32内を加温するための温湯パイプ37を設けている。
温湯パイプ37内に温湯を通すことにより、気温や苺3
6の生育状態などに合わせて、充填された培土35の温
度を管理することができるため、生育状態が良好とな
り、収穫量の増大を図ることができる。この場合、培土
収容部32内に充填された培土35を加温すればよいた
め、畝全体を加温する場合に比べて、消費エネルギーを
低減することができる。また、太陽熱温水器との併用を
図ることにより、消費エネルギー低減効果をさらに向上
させることができる。
【0041】さらに、高設栽培装置30では、培土収容
部32内に水分を供給するための給水パイプ38を配置
している。給水パイプ38の壁面には多数の貫通孔41
を設けているため、給水パイプ38内に送水することに
より、培土収容部32内に充填された培土35に適切量
の水分を供給することができる。給水パイプ38によっ
て培土35内部に直接給水するため、培土表面に灌水す
る方式に比べ、少ない水量ですむ。また、培土の乾燥時
間も調整可能となるため、根部への空気の供給も容易と
なる。
【0042】苺36の場合、水分の供給は少量ずつ多回
数に分けて行うことが細根の発生を促進し、収穫量の増
大につながるが、給水パイプ38を配置することによ
り、散水作業の手間を省くことができ、細かな給水管理
が可能となる。
【0043】また、高設栽培装置30を使用する場合
は、培土収容部32の上面をシート材40で覆う。シー
ト材40としては、たとえば、ポリエチレンにアルミペ
ースト(粉体)を混入して2層または3層としたシルバ
ーマルチ(商品名)といわれるシートを使用する。この
シート材40で培土収容部32の上面を覆うことによ
り、培土収容部32からの熱の散逸を防止することがで
きるため、保温性が高まり、加温用のエネルギーを節約
することができる。
【0044】また、シート材41は優れた光反射性を有
しているため、太陽光を乱反射することにより、培土収
容部32で栽培してい苺36の果実Sの下面や葉の裏側
などにも太陽光が当たるようになる。このため、果実S
はムラなく熟成され、葉の裏側に寄生するアブラムシな
どを忌避することもできる。
【0045】本実施形態の高設栽培装置30のサイズ
は、製作上および運搬上の利便性を考慮して、高さ40
cm、幅30cm、長さ1mとしているため、実際に使
用する場合は、図5に示すように、栽培地の長さに合わ
せて直列に並べる必要がある。
【0046】この場合、高設栽培装置30の端面板58
にそれぞれ互いに嵌合する形状の凸部と凹部とを設けて
おけば、高設栽培装置30の端面板58同士を密着させ
るだけで、凸部と凹部とが嵌合し、確実な連結状態が得
られる。したがって、高設栽培装置30の配列時はもち
ろん栽培期間中においても列の乱れなどを防止すること
ができる。
【0047】なお、培土保持部材51,52として長尺
のものを使用すれば、連続した培土収容部を形成するこ
とができ、栽培地が長い場合でも、設置および撤去作業
を効率的に行うことができる。
【0048】本実施形態の高設栽培装置30は、発泡ポ
リスチレンを素材として形成している。発泡ポリスチレ
ンは断熱性に優れているため、培土収容部32などの保
温機能は良好であり、温度管理をより正確に行うことが
でき、加温用エネルギーの節約にも効果的である。ま
た、発泡ポリスチレンは軽量であり、強度や耐久性も良
好であるため、運搬や設置などの作業も容易であり、使
用中に腐食することもなく、繰り返し使用することがで
きる。さらに、発泡ポリスチレンは成形性に優れている
ため、使用条件に応じて様々な形状、サイズの高設栽培
装置を形成することができる。
【0049】本実施形態では、高設栽培装置30を使用
して苺36を栽培した場合について説明しているが、本
発明の高設栽培装置はこれに限定するものではないた
め、苺以外の葉物野菜や花卉類などを栽培する場合も広
く利用することができ、栽培する植物や栽培地の状況な
どの各種条件に合わせてサイズや形状を変更することが
できる。
【0050】次に、図6〜図8を参照して、本発明の他
の実施形態について説明する。図6〜図8は、それぞれ
他の実施形態を示す縦断面図である。
【0051】図6に示す実施形態では、地表面31に対
向状態に配置した培土保持部材51,52をコ字状の保
持部材60で保持している。保持部材60は、培土保持
部材51,52の長手方向に沿って所定間隔ごとに設け
た係止孔61に着脱自在であるため、設置および撤去を
迅速に行うことができ、作業も簡単である。
【0052】図7に示す実施形態では、地表面31に対
向状態に配置した培土保持部材51,52の間にカラー
70を挟持し、カラー70にボルト71を挿通して、ナ
ット72で締めつけることにより保持している。
【0053】本実施形態の場合、ボルト71は、培土保
持部材51,52の長手方向に沿って所定間隔ごとに設
けた係止孔73に着脱自在であるため、ボルト71を係
脱すれば、設置および撤去を迅速に行うことができ、作
業も簡単である。また、カラー70の長さを変えること
により、培土保持部材51,52の間隔を変えることが
できるため、栽培する植物の種類などに応じて培土収容
部32の容積を調節することができる。
【0054】図8に示す実施形態では、地表面31に対
向状態に配置した培土保持部材86,87を保持部材8
5で保持している。保持部材85は培土保持部材86,
87の上端部に、長手方向に沿って所定間隔ごとに取り
付けることにより、培土保持部材86,87を保持す
る。保持部材85は着脱自在であるため、設置および撤
去を迅速に行うことができ、作業も簡単である。また、
本実施形態の場合、培土保持部材86,87が板状であ
るため製作が容易であり、合成樹脂板、木材板、金属板
などの材料を利用して培土収容部32を形成することが
できるというメリットがある。
【0055】図9に示す実施形態においては、地表面3
1に対向状態に配置した培土保持部材96,97を平面
形状がH字状の保持部材95で保持している。保持部材
95は培土保持部材96,97の上端部に、長手方向に
沿って所定間隔ごとに取り付けることにより、培土保持
部材96,97を傾斜状態に保持する。保持部材95は
着脱自在であるため、設置および撤去を迅速に行うこと
ができ、作業も簡単である。
【0056】また、本実施形態の場合は、培土保持部材
96,97を傾斜状態に保持することにより、培土保持
部材95が、図1〜3に示す高設栽培装置30の傾斜壁
面34と同様の機能を発揮するため、苺などを栽培する
場合、収穫量の増大を図ることができるというメリット
がある。培土保持部材96,97は板状であるため製作
が容易であり、合成樹脂板、木材板、金属板などの材料
を利用すれば、簡単に培土収容部32を形成することが
できる。
【0057】
【発明の効果】本発明により、以下の効果を奏すること
ができる。
【0058】(1)地表面に複数の培土保持材を対向状
態に立設して形成した培土収容部を備えることにより、
培土収容部が地表面より上にあるため、立ち作業が可能
であり、培土の使用量が少なく、畑土を使用することが
でき、充填作業も容易である。また、比重の大きな畑土
を充填した場合でも培土収容部に負担がかからない。
【0059】(2)培土保持材を対向状態に保持するた
めの着脱可能な保持部材を備えることにより、高設栽培
装置の設置、撤去および培土の排出などの作業が大幅に
省力化される。
【0060】(3)培土収容部に、培土を傾斜状態に保
持するための傾斜壁面を設けることにより、植物の新た
な根の発生が促進されるため、生育状態が良好となり、
収穫量を増大させることができる。
【0061】(4)培土収容部に、培土収容部内に突き
出した形状の突出部を有する覆土カバーを備えることに
より、突出部のスペースに相当する分の培土使用量を低
減することができる。
【0062】(5)培土収容部の上面を覆うシート材を
備えることにより、培土収容部からの熱の散逸を防止す
ることができるため、保温性が高まり、植物の生育状態
が良好となる。
【0063】(6)シート材として光反射性を有するも
のを使用することにより、栽培中の植物の果実の下面や
葉の裏側などにも太陽光が当たるようになるため、果実
はムラなく熟成され、葉の裏側に寄生するアブラムシな
どを忌避することができる。
【0064】(7)シート材として、有機物顔料、アル
ミニウム粉末の少なくとも一方を含有するものを使用す
ることにより、優れた光反射性を得ることができるた
め、果実熟成、アブラムシ忌避に効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態である高設栽培装置を示す斜視図で
ある。
【図2】同高設栽培装置の使用状態を示す斜視図であ
る。
【図3】同高設栽培装置の使用状態を示す縦断面図であ
る。
【図4】同高設栽培装置の使用状態を示す縦断面図であ
る。
【図5】同高設栽培装置の使用状態を示す斜視図であ
る。
【図6】他の実施形態を示す縦断面図である。
【図7】他の実施形態を示す縦断面図である。
【図8】他の実施形態を示す縦断面図である。
【図9】他の実施形態を示す縦断面図である。
【図10】従来の高設栽培装置を示す斜視図である。
【図11】従来の高設栽培装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
30 高設栽培装置 31 地表面 32 培土収容部 33 開口部 34 傾斜壁面 35 培土 36 苺 37 温湯パイプ 38 給水パイプ 39 覆土カバー 39a 突出部 40 シート材 41 貫通孔 R 細根 C クラウン S 果実 51,52,86,87,96,97 培土保持部材 60,85,95 保持部材 61,73 係止孔 70 カラー 71 ボルト 72 ナット

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地表面より高い位置に培土を保持して植
    物を栽培する高設栽培装置であって、複数の培土保持材
    前記培土保持材に着脱可能な保持部材で保持して地表
    面に対向状態に立設することにより溝状に形成した培土
    収容部を備え、前記培土収容部に、培土を傾斜状態に保
    持するための上広がり状に対向した2つの傾斜壁面と、
    溝状の前記培土収容部内にその長手方向に沿って連続的
    に突き出した形状の突出部を有する覆土カバーとを設け
    ことを特徴とする高設栽培装置。
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