JP3313294B2 - 高設栽培装置 - Google Patents

高設栽培装置

Info

Publication number
JP3313294B2
JP3313294B2 JP34681396A JP34681396A JP3313294B2 JP 3313294 B2 JP3313294 B2 JP 3313294B2 JP 34681396 A JP34681396 A JP 34681396A JP 34681396 A JP34681396 A JP 34681396A JP 3313294 B2 JP3313294 B2 JP 3313294B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cultivation
soil
cultivated
elevated
cultivation apparatus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP34681396A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10178900A (ja
Inventor
浩平 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
FUKUMARU CO Ltd
Original Assignee
FUKUMARU CO Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by FUKUMARU CO Ltd filed Critical FUKUMARU CO Ltd
Priority to JP34681396A priority Critical patent/JP3313294B2/ja
Priority to KR1019970072896A priority patent/KR19980064548A/ko
Priority to CN97125710A priority patent/CN1185897A/zh
Publication of JPH10178900A publication Critical patent/JPH10178900A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3313294B2 publication Critical patent/JP3313294B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cultivation Of Plants (AREA)
  • Cultivation Receptacles Or Flower-Pots, Or Pots For Seedlings (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、苺、葉物野菜、花
卉などを地表面より高い位置で栽培するための高設栽培
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】苺や葉物野菜などを栽培する場合、従来
より、栽培地の地表面に形成した畝に沿って苗を植えて
生育させる、いわゆる土耕栽培という方法が採られてい
る。土耕栽培においては、育苗から収穫に至るまでの一
連の作業は中腰やしゃがんだ姿勢での作業が多く、特
に、定植時は苗の運搬などを重労働を伴うため、作業者
の肉体的負担は非常に大きなものとなっている。
【0003】そこで、このような過酷な労働条件を改善
するため、栽培容器の改良、開発などが行われ、立ち作
業が可能な栽培方法として、いわゆる高設栽培が一部に
おいて実施されている。
【0004】本出願人も、苺や葉物野菜などの栽培容器
として、培土の使用量が少なくてすみ、根の成長も良好
な栽培容器を開発し、また、この栽培容器を保持する装
置および散水や施肥に好適な補助具を開発している(実
公平6−16495号公報参照)。図6は、この補助具
をセットした栽培容器を保持装置で保持した状態を示す
斜視図である。
【0005】図6に示すように、保持装置80はフレー
ム81および支柱82などで構成されており、先細り円
筒状の栽培容器91や散水・施肥用の補助具92を保持
装置80にて保持することによって、立ち作業が可能と
なるため、栽培作業の効率化、労働条件の改善を図るこ
とができる。
【0006】一方、栽培容器を地表面より高い位置に保
持する方法としては、この他にも種々考えられるが、本
出願人は、複数個の容器本体を連結部材で連結した形状
の栽培容器を架台に架け渡して保持する方法を開発し、
特願平7−132727号として特許出願を行ってい
る。
【0007】図7は、前記特許出願に係る栽培装置の一
例を示す斜視図であり、栽培容器20は、合成樹脂製の
容器本体21の上端の一部を連続的に形成することによ
って、10個の容器本体21を直線状に連結した形状を
有する容器本体群22a,22bを構成し、容器本体群
22a,22bの上部を連結部材23で連結した構造で
ある。
【0008】個々の容器本体21は、横断面形状が円形
で、先細りの筒状容器である。連結部材23は、容器本
体群22a,22bの上端のフランジの一辺から延長す
る形で、容器本体群22a,22bと一体的に形成され
ており、保持装置の係止用フレーム13の形状に合うよ
うに、縦断面が凸形状をしている。
【0009】この栽培装置を使用することにより、立ち
作業が可能となり、従来の栽培容器の多数個分を1回の
係止動作でフレームに係止するすることができるため、
栽培容器の係止作業を効率化することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来の栽培装置の場
合、栽培容器と保持装置とは別個であり、支柱やフレー
ムなどで構成された保持装置を地表面上に設置し、栽培
容器をセットしなければならないため、設置作業が面倒
であり、設備費も高い。また、実際に栽培に寄与してい
る部分に比べ、大きな設置スペースを必要とする。
【0011】また、栽培容器が単体容器または連結容器
のいずれの形状であっても、容器内へ培土を充填する作
業は容器ごとに行う必要があるため、多数の容器に培土
を充填する場合などは、多大な時間と労力を要してい
る。
【0012】さらに、従来の栽培容器は先細りの円筒形
状をしているため、いわゆるサラサラ状の培土を使用し
なければ充填が著しく困難となる。また、栽培容器は保
持装置に垂下した状態で使用するため、比重の大きな培
土を充填すると、その重さで保持装置が変形したり破損
するおそれがある。
【0013】ところが、普通の畑土は水分含有量が多
く、比重が大であり、サラサラ状でもないため、従来の
栽培容器において培土として使用することは著しく困難
である。このため、専用に調製された高価な培土を使用
しなければならず、培土コストが大であり、栽培地まで
の培土の搬入などに多くの手間を要している。
【0014】一方、苺や葉物野菜などの栽培においては
温度管理が極めて重要であり、例えば、苺の場合、栽培
の初期段階では地上部分と地下部分の生育のバランスを
維持して草勢の急激な変化を避けることが収穫量の安定
化につながるため、開花始めの時期は、夜間温度を8℃
〜10℃、昼間温度を25℃〜28℃の範囲内とするの
が温度管理の目標とされている。また、収穫移行初期に
おいては、草勢の維持と果実着色の安定化のために、夜
間温度は5℃〜6℃、昼間温度は22℃〜25℃が温度
管理の目標とされている。
【0015】ところが、高設栽培の場合、培土が地表面
より高い位置に保持されているため気温変化の影響を受
けやすく、土耕栽培の場合に比べて、より正確な温度管
理が必要とされる。高設栽培であってもハウス栽培の場
合は、ハウス内の温度を管理することによって、前記温
度管理を行うことは比較的容易であるが、大容積の大型
ハウスになると暖房設備も大がかりとなり、エネルギー
消費量も増大する。
【0016】また、露地における高設栽培の場合、栽培
容器と保持装置の外郭をビニールシートなどで覆い、さ
らに、地面に蓄熱用水封ダクトや温湯パイプを設置する
などの方法で温度管理を行っているが、この方法では、
地上に設置した栽培容器の温度を数℃の範囲内に維持す
ることは極めて困難である。
【0017】さらに、高設栽培の場合、土耕栽培に比べ
多数の苗を密集状態にして栽培することが多いため、植
物の陰になる部分は日照状態が悪くなり、生育不良とな
ったり、果実の成熟にムラが生じたりしている。また、
栽培する植物の種類によっては、日照状態が悪い部分に
アブラムシなどの害虫が寄生、繁殖しやすいため、これ
らの害虫による被害も発生している。
【0018】そこで、本発明が解決しようとする課題
は、立ち作業が可能で、植物やその果実をムラなく生
育、熟成させることができ、害虫を忌避することも可能
な高設栽培装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明は、地表面より高い位置に培土を保持するた
めの培土収容部を有する高設栽培装置であって、培土を
傾斜状態に保持する傾斜壁面を備え上面が連続した開放
状態の溝状であって地表面と連結可能な開口部を有する
培土収容部を階層状および並列状に配置し、前記培土収
部を、光反射性物質を含有する発泡プラスチックで形
成したことを特徴とする。
【0020】培土収容部は、地表面より高い位置に培土
を保持する構造であるため、ここで植物を栽培すること
により、立ち作業が可能となる。また、少なくとも培土
収容部の表面を、光反射性を有する素材で形成している
ため、培土収容部の表面の部分は入射してきた太陽光を
反射する機能を有している。したがって、反射した太陽
光が培土収容部に植えた植物に当たり、植物をムラなく
生育させることができる。また、反射した太陽光は、葉
の裏側などにも当たるため、日陰に寄生する性質を有す
る害虫を忌避することができる。
【0021】光反射性を有する素材としては、光反射性
物質を含有する発泡プラスチックを使用することができ
る。発泡プラスチックに光反射性物質を含有させること
により、発泡プラスチック表面は全面的に反射性を有
し、入射した太陽光のほとんどを反射するため、栽培中
の植物の日照状態が良好となる。
【0022】また、発泡プラスチックは断熱性が高いた
め、培土収容部などを発泡プラスチックで形成すること
により保温機能が向上し、温度管理をより正確に行うこ
とができるようになる。発泡プラスチックは軽量である
ため、培土収容部の軽量化により運搬性が向上し、耐蝕
性も良好である。
【0023】ここで、発泡プラスチックとしては、発泡
ポリスチレンを使用することができる。発泡ポリスチレ
ンは保温機能が高く、軽量であるとともに、成形性に優
れ、強度や耐久性も良好であるため、高設栽培装置の材
料として好適に使用することができる。
【0024】一方、発泡プラスチックに含有させる光反
射性物質としては、金属粉末、金属薄片、有機物顔料の
うちの少なくとも一つを使用することができる。これら
の物質を、成形前の段階で発泡プラスチックに添加して
おくことにより、成形後の培土収容部などの表面は全面
にわたって光反射性をもたせることができる。また、金
属粉末、金属薄片、有機物顔料などを含有させることに
より光を乱反射する性質が備わり、入射した太陽光をあ
らゆる方向に反射するため、太陽光の入射角度に関係な
く栽培中の植物の日照状態を良好に保つことができる。
【0025】ここで、金属粉末、金属薄片としては、そ
の少なくとも一方が、アルミニウムを含むものを使用す
ることができる。アルミニウムは、比重が小さいため発
泡プラスチックに含有させても重量の増加はわずかであ
り、耐蝕性が優れているため光反射性は長期間持続す
る。
【0026】なお、本発明の高設栽培装置においては、
培土収容部の形状を溝形状としてもよい。このような形
状とすることにより、土耕栽培に比べ培土の使用量を低
減することができる。また、培土収容部の上面は、連続
した開放状態となるため、培土収容部内への培土充填作
業が容易となる。
【0027】この場合、培土収容部に、地表面と連結可
能な開口部を設けてもよい。このような開口部を設けれ
ば、培土収容部内に培土を充填したとき、培土が開口部
において地表面と連続した状態となるため、培土の重量
は地表面にかかり、培土収容部の負担を小さくすること
ができる。また、比重の大きな畑土などを培土として使
用することもできる。
【0028】また、培土収容部に、培土を傾斜状態に保
持するための傾斜壁面を設けてもよい。一般に、植物の
苗を傾斜させて植えた場合、正立状態で植えた場合より
も、新しい根の発生が促進されるという性質がある。し
たがって、培土収容部にこのような傾斜斜面を設けるこ
とにより、培土中に植える植物の苗を傾斜状態に保持す
ることができるため、新しい根の発生が促進され、その
後の生育状態が良好となる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は実施の形態である高設栽培
装置を示す斜視図、図2は同高設栽培装置を示す一部切
欠斜視図である。
【0030】図1に示すように、本実施形態の高設栽培
装置30は、地表面31上に培土収容部32を階層状お
よび並列状に配置し、それぞれの培土収容部32内に培
土35を充填して苺などを栽培するための装置である。
培土収容部32などを構成する素材はアルミニウム粉末
を含有する発泡ポリスチレンであり、その表面は全面的
に光反射性を備えている。
【0031】また、図2に示すように、各培土収容部3
2は、地表面31と連結可能な開口部33と、培土収容
部32内の培土を傾斜状態に保持する傾斜壁面34とを
備えている。
【0032】さらに、各培土収容部32下方には温湯パ
イプ37と給水パイプ38とを配置し、最上部にある培
土収容部32の上面には、突出部39aを有する着脱自
在な覆土カバー39を備えている。
【0033】高設栽培装置30においては、各培土収容
部32が地表面31の上方に位置するため、立ち作業を
行うことが可能であり、培土35は培土収容部32内に
充填する分量あればよいため、畝を形成して苺を栽培す
る場合に比べ培土の使用量は少なくてすみ、肥料や水な
どの使用量も低減することができる。また、覆土カバー
39は突出部39aを有するため、このスペースに相当
する分の培土の使用量を低減することができる。
【0034】一方、高設栽培装置30は他の保持装置な
しで地表面31に設置することができるため、設置スペ
ースは小さくてすみ、溝状の培土収容部32を階層状お
よび並列状に配置しているため、狭い栽培地においても
多数の植物を栽培することが可能となり、収穫量の増大
を図ることができる。土耕栽培において畝を高くした場
合は畝形状が大きくなるため、実質的に単位面積当たり
の栽培本数、いわゆる栽植密度が低下するが、高設栽培
装置30を使用した場合、栽植密度を低下させることな
く、地表面31より高い位置で植物を栽培することがで
きる。
【0035】また、各培土収容部32は溝状であり、そ
の上面は連続的に開放した状態となるため、培土35の
充填作業は簡単であり、サラサラ状でない畑土であって
も容易に充填することができる。特に、最上部にある培
土収容部32は覆土カバー39を取り外せば、その上面
は大きく開放されるため、培土35の充填作業は極めて
容易である。
【0036】各培土収容部32は地表面31と連結可能
な開口部33を有しているため、充填された培土35
は、それぞれの開口部33において地表面31と連続し
た状態となり、培土35の重量は地表面31にかかる。
このため、比重の大きな畑土を充填した場合でも、培土
収容部32に負担をかけることがない。
【0037】ここで、図3を参照して、高設栽培装置3
0を使用して苺36を栽培した場合の生育状態について
説明する。図3は、高設栽培装置30の使用状態を示す
一部切欠断面図である。
【0038】高設栽培装置30を使用する場合は、図3
に示すように、培土収容部32内に培土35を充填し
て、培土35中に苺36を植える。培土収容部32に充
填した培土35に植えられた苺36の根は下方へ伸びて
いこうとするが、苺36は傾斜状態に保持されているた
め、クラウンC部分からの新たな細根Rの発生が盛んに
行われる。すなわち、既存の根が伸びるよりも、クラウ
ンC部分からの細根Rの発生の方が促進され、これらの
細根Rは培土35中へ伸びていき、発根、活着が良好と
なるため、その後の生育状態が活性化される。また、ク
ラウンC部分から多数の細根Rが発生することにより、
花数の増加が促進されるため、収穫量の増大を図ること
ができる。また、ランナーはクラウンCが傾いている方
向へ伸びていく性質があるため、苺36を傾斜状態に保
持することにより、ランナーの生育方向を適切に誘導す
ることができる。
【0039】例えば、小径ポット育苗により栽培された
苗の場合、培土量に比べて根部が多いが、培土収容部3
2内の培土35に定植したとき、直ちに培土35中へ発
根するため、活着が早く、以降、根部の生育が良好とな
る。また、培土35は傾斜状態に保持されているため、
斜め植えも容易である。
【0040】一般に、苺は浅根性の植物といわれるが、
数十cmの深さまで根群を伸ばすことがあり、例えば、
北米カリフォルニアの砂漠地帯で栽培される苺の場合、
1m以上の深さの根域を持つものがあり、6〜8t/1
0aという多収穫が得られている。このように、苺の場
合、深く大きな根群を形成することが多収穫につながる
ことが判明している。したがって、土壌の硬度や水の縦
移動に伴う通気性などの条件を整えれば、深く大きな根
群形成が可能となり、いわゆる「なりづかれ」を抑制す
ることができる。そこで、高設栽培装置30の場合、上
下方向に長い培土収容部32を設け、培土35を上下方
向に長く充填しているため、苺36の根域が上下に広く
なり、生育状態が良好となる。
【0041】さらに、培土収容部32などの表面は全面
的に光反射性を備えているため、入射する太陽光Hを反
射する。そして、反射した太陽光は、苺36の果実Sの
下側などに当たるため、果実Sをムラなく熟成させるこ
とができる。また、培土収容部32などの表面で反射し
た太陽光は、苺36の葉の裏側などにも当たるため、日
陰を好んで寄生するアブラムシなどの害虫を忌避するこ
とができる。
【0042】培土収容部32を構成する発泡ポリスチレ
ンの光反射性は、発泡ポリスチレン中に分散されたアル
ミニウム粉末によるものであるため、入射する太陽光H
をあらゆる方向に乱反射する性質がある。したがって、
太陽光Hの入射角度に関係なく、苺36の日照状態は良
好となる。
【0043】また、アルミニウムは、比重が小さいため
発泡ポリスチレンに含有させても重量の増加はわずかで
あり、高設栽培装置30の運搬性を阻害することがな
く、耐蝕性に優れているため光反射性は長期間持続す
る。なお、アルミニウム粉末のほかに、発泡ポリスチレ
ンの成形時にマスターバッチを添加することによっても
光反射性をもたせることができる。ここで、マスターバ
ッチとは、高濃度の添加剤を含んだプラスチック、ゴム
あるいはエラストマー混合物をいい、例えば、顔料を含
有したプラスチック、カーボンブラックを含有したゴム
などがある。
【0044】このように、高設栽培装置30では、培土
収容部32などが光反射性を有しているため、従来のよ
うに、光反射性を備えたシート材を使用する必要がなく
なるというメリットもある。
【0045】一方、高設栽培装置30では、培土収容部
32内を加温するための温湯パイプ37を設けている。
温湯パイプ37内に温湯を通すことにより、気温や苺3
6の生育状態などに合わせて、充填された培土35の温
度を管理することができるため、生育状態が良好とな
り、収穫量の増大を図ることができる。この場合、培土
収容部32内に充填された培土35を加温すればよいた
め、畝全体を加温する場合に比べて、消費エネルギーを
低減することができる。また、太陽熱温水器と併用すれ
ば、消費エネルギー低減効果をさらに向上させることが
できる。
【0046】さらに、高設栽培装置30では、培土収容
部32内に水分を供給するための給水パイプ38を配置
している。給水パイプ38の壁面には多数の貫通孔41
を設けているため、給水パイプ38内に送水することに
より、培土収容部32内に充填された培土35に適切量
の水分を供給することができる。給水パイプ38により
培土35内に直接給水するため、培土表面に灌水する方
式に比べ、水量が少なくてすむ。また、培土35の乾燥
時間を調整することも可能となるため、根部への空気供
給も容易となる。
【0047】苺36の場合、水分の供給は少量ずつ多回
数に分けて行うことが細根の発生を促進し収穫量の増大
につながるが、給水パイプ38を配置することにより、
散水作業の手間を省くことができ、細かな給水管理が可
能となる。
【0048】次に、図4,5を参照して、他の実施形態
について説明する。図4は他の実施形態である高設栽培
装置を示す一部切欠斜視図、図5は同高設栽培装置を示
す一部切欠正面図である。
【0049】これらの図に示す高設栽培装置60におい
ては、培土収容部61,62の側壁面63,64をそれ
ぞれ垂直より傾斜させた構造としている。そのほかの部
分については、前記高設栽培装置30と同様の構造、機
能を有している。
【0050】高設栽培装置60の場合、図5に示すよう
に、上方の培土収容部61の側壁面63は下端が外側に
広がった状態に傾斜し、下方の培土収容部62の側壁面
64は下端が内側に狭まった状態に傾斜している。この
ため、培土収容部61,62に植えられた苺36は、そ
れぞれ側壁面63,64からの反射光により十分な日照
を確保することができ、果実Sをムラなく熟成させるこ
とができる。
【0051】ところで、本実施形態の高設栽培装置3
0,60のサイズは、製作上および運搬上の利便性を考
慮して、長さを1mとしているため、実際に使用する場
合は、栽培地の広さに合わせて連結する必要がある。こ
の場合、高設栽培装置の端面にそれぞれ互いに嵌合する
形状の凸部と凹部とを設けておけば、それぞれの端面同
士を密着させるだけで凸部と凹部とが嵌合するため、確
実な連結状態が得られる。したがって、高設栽培装置を
配列しているときはもちろん、栽培期間中においても列
の乱れなどを防止することができる。
【0052】複数の高設栽培装置を連結して使用する場
合は温湯パイプ37などの連結方法が問題となるが、こ
の場合、温湯パイプ37と給水パイプ38を取り外した
状態で高設栽培装置を連結していき、連結が完了した
後、長尺のパイプを順次連結しながら貫通させていくと
いう方法、あるいは温湯パイプ37および給水パイプ3
8の両端に連結部を設けておき、高設栽培装置を連結す
る際に温湯パイプ37なども連結していく方法などを採
ることができる。
【0053】一方、高設栽培装置同士を連結する場合、
培土収容部32が横方向に連続した溝状となるように連
結することがある。この場合は、培土収容部34を構成
する傾斜壁面などの端部に、互いに嵌合し合う凹部と凸
部あるいは段差などを設けておけば、確実な連結状態を
得ることができる。
【0054】このように、高設栽培装置30,60は連
結することにより長尺の装置となるため、栽培地の広さ
に合わせて設置することにより、多数の植物を栽培する
ことができ、単位面積当たりの収穫量の増大を図ること
ができる。
【0055】高設栽培装置30,60は、いずれもアル
ミニウム粉末を含有する発泡ポリスチレンを素材として
形成している。発泡ポリスチレンは断熱性に優れている
ため、培土収容部32などの保温機能は良好であり、温
度管理をより正確に行うことができ、加温用エネルギー
の節約にも効果的である。
【0056】また、発泡ポリスチレンは軽量であるた
め、運搬や設置などの作業も容易であり、強度や耐蝕性
が良好であるため使用中に腐食することもなく、繰り返
し使用することができる。さらに、発泡ポリスチレンは
成形性に優れているため、使用条件に応じて様々な形
状、サイズの高設栽培装置を形成することができる。
【0057】上記の実施形態では、高設栽培装置30,
60を使用して苺36を栽培した場合について説明して
いるが、本発明の高設栽培装置はこれに限定するもので
はないため、苺以外の葉物野菜や花卉類などを栽培する
場合も広く利用することができ、栽培する植物や栽培地
の状況などの各種条件に合わせてサイズや形状を変更す
ることができる。
【0058】
【発明の効果】本発明により、以下の効果を奏すること
ができる。
【0059】(1)地表面より高い位置に培土を保持す
るための培土収容部を有する高設栽培装置において、少
なくとも培土収容部を、光反射性を有する素材で形成す
ることにより、反射した太陽光が栽培中の植物に当たる
ため、植物をムラなく生育させることができる。また、
葉の裏側などにも反射した太陽光が当たるため、日陰に
寄生する性質を有する害虫を忌避することができる。
【0060】(2)光反射性を有する素材として、光反
射性物質を含有する発泡プラスチックを使用することに
より、発泡プラスチック表面は全面的に反射性を有し、
入射した太陽光のほとんどを反射することができるた
め、植物の日照状態が向上する。また、発泡プラスチッ
クは断熱性が高いため、保温機能が向上し、温度管理を
正確に行うことができるようになる。
【0061】(3)発泡プラスチックとして、発泡ポリ
スチレンを使用することにより、保温機能の向上だけで
なく、軽量化を図ることができ、耐久性も良好となる。
【0062】(4)発泡プラスチックに含有させる光反
射性物質として、金属粉末、金属薄片、有機物顔料など
を使用することにより、培土収容部などの表面は、全面
的に乱反射性を有するため、太陽光の入射角度に関係な
く植物の日照状態を良好に保つことができる。
【0063】(5)金属粉末、金属薄片として、アルミ
ニウムを含むものを使用することにより、装置の重量を
大幅に増大させることなく、光反射性をもたせることが
でき、光反射性も長期間持続する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態である高設栽培装置を示す斜視図で
ある。
【図2】同高設栽培装置を示す一部切欠斜視図である。
【図3】同高設栽培装置の使用状態を示す一部切欠断面
図である。
【図4】他の実施形態である高設栽培装置を示す斜視図
である。
【図5】同高設栽培装置の部分正面図である。
【図6】従来の高設栽培装置を示す斜視図である。
【図7】従来の高設栽培装置を示す斜視図である。
【符号の説明】 30,60 高設栽培装置 31 地表面 32,61,62 培土収容部 35 培土 36 苺 33 開口部 34 傾斜壁面 37 温湯パイプ 38 給水パイプ 39a 突出部 39 覆土カバー 63,64 側壁面 C クラウン R 細根 S 果実 H 太陽光
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01G 7/00 A01G 9/00 - 9/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地表面より高い位置に培土を収容するた
    めの培土収容部を有する高設栽培装置であって、培土を
    傾斜状態に保持する傾斜壁面を備え上面が連続した開放
    状態の溝状であって地表面と連結可能な開口部を有する
    培土収容部を階層状および並列状に配置し、前記培土収
    部を、光反射性物質を含有する発泡プラスチックで形
    成したことを特徴とする高設栽培装置。
JP34681396A 1996-12-25 1996-12-26 高設栽培装置 Expired - Fee Related JP3313294B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34681396A JP3313294B2 (ja) 1996-12-26 1996-12-26 高設栽培装置
KR1019970072896A KR19980064548A (ko) 1996-12-25 1997-12-24 고설(高設)재배장치
CN97125710A CN1185897A (zh) 1996-12-25 1997-12-25 高设栽培装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34681396A JP3313294B2 (ja) 1996-12-26 1996-12-26 高設栽培装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10178900A JPH10178900A (ja) 1998-07-07
JP3313294B2 true JP3313294B2 (ja) 2002-08-12

Family

ID=18385985

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34681396A Expired - Fee Related JP3313294B2 (ja) 1996-12-25 1996-12-26 高設栽培装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3313294B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100943394B1 (ko) * 2009-01-30 2010-02-18 강혁 다층구조 기구를 이용한 딸기 및 소형 엽채류의 재배장치
US20130031835A1 (en) * 2010-02-05 2013-02-07 Lanzhou Jinfule Biotechnology Co., Ltd. Planting structure and methods

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0421853Y2 (ja) * 1985-01-30 1992-05-19
JP2521562Y2 (ja) * 1991-04-09 1996-12-25 みかど化工株式会社 育苗鉢
JPH06141699A (ja) * 1991-12-28 1994-05-24 Mikado Ikushiyu Nojo:Kk ベンチ式植物栽培装置
JP2628028B2 (ja) * 1995-03-06 1997-07-09 コスモプラント株式会社 栽培床およびそれを用いた栽培棚

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10178900A (ja) 1998-07-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20040098912A1 (en) High density planter
KR101806264B1 (ko) 태양광 패널을 포함한 식물 재배용 하이베드
US5575109A (en) Plant protection device
JPH10309136A (ja) 高設栽培装置
JPH10178905A (ja) 高設栽培装置
JP3313294B2 (ja) 高設栽培装置
JP2004298145A (ja) 植物用支柱パイプ
US6640491B1 (en) Gardening device
JP3071168B2 (ja) 高設栽培装置
JPH10309130A (ja) 高設栽培装置
JP3279492B2 (ja) 高設栽培装置
KR19980064548A (ko) 고설(高設)재배장치
CN110771446B (zh) 一种基于农业大棚的反季节蔬菜种植方法
JPH0787855A (ja) 街路性植栽ボックス及びこれを利用した樹木の固定方法
JP3262724B2 (ja) 栽培装置
CN205567274U (zh) 一种温室蓄热水箱
CN2219585Y (zh) 气根植物及真菌生长基
CN108522049A (zh) 一种紫薇属植物l式三角体环形单株树干艺术造型栽培方法
CN108377834A (zh) 一种紫薇属植物l式ⅰ形体单株树干艺术造型栽培方法
CN220859027U (zh) 一种黄连育苗棚
JPH10178907A (ja) 高設栽培装置
CN86106468A (zh) 植物扦插生根培养装置
KR20170049386A (ko) 도시 농업형 입체식 텃밭
JP2010193771A (ja) 園圃栽培装置
CN2925075Y (zh) 一种植物土培兼水培的种植器

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees