JP3279154B2 - 繊維強化プラスチック製円筒体 - Google Patents

繊維強化プラスチック製円筒体

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ねじり負荷に対
する耐性の大きい繊維強化プラスチック製円筒体に関
し、さらに詳しくは、たとえば、航空機、自動車、自転
車等における各種フレーム、パイプ、ドライブシャフト
として、また、釣竿、ゴルフクラブ用シャフト、スキー
ポール、テントの支柱等の各種レジャー用品として好適
な繊維強化プラスチック製円筒体に関する。
【0002】
【従来の技術】繊維強化プラスチック(以下、FRPと
略す)製円筒体において、円筒体のねじり強度の向上は
重要な問題である。例えば、ゴルフクラブでボールを打
った時に円筒体であるシャフトには曲げ力とともにねじ
り力が作用し、円筒体の曲げまたはねじりに対する充分
な強度および弾性率が具備していないと、打撃によるシ
ャフトの破壊が生じる場合がある。ここで、FRP製円
筒体としての曲げ特性を向上するためには、一般に補強
繊維が円筒軸方向に対して実質的に0°の角度で配列し
た層、いわゆるストレート層が配される。一方、FRP
製円筒体としてのねじり強度を向上するためには、一般
には補強繊維の配列角度が円筒軸方向に対して傾斜した
層、いわゆるバイアス層が配される。ここで、バイアス
層としては、その補強繊維の配列角を互いに円筒軸方向
に対して傾斜方向は反対であるが、同じ角度で傾斜させ
て、かつ同じ厚みになるように積層されるのが一般的で
ある。例えば、一般に用いられているシートワインディ
ング法により成形されたゴルフクラブ用シャフトでは、
バイアス層として、ねじり特性発現のため、補強繊維の
配列角度を一般的に40〜50°付近として傾斜方向を
反対にして同じ厚みだけ積層され、その外側にストレー
ト層が配されるのが一般的である。
【0003】しかし、かかる従来のFRP製円筒体で
は、曲げ特性はストレート層の用いる補強繊維の種類を
適宜選択することによりある程度満足するものは得られ
ても、ねじり強度は充分であるとは言えなかったため、
ねじり強度不足が原因となって構造部材への適用が制限
されたり、円筒体の肉厚を薄くして部材の軽量化を図る
ことが困難であった。
【0004】一方、円筒体をねじる場合に、その方向と
して円筒体を反時計回転方向にねじる場合(図1参照:
以下、順ねじりという)と、時計回転方向にねじる場合
(図2参照:以下、逆ねじりという)とがある。そし
て、実際のFRP製円筒体である部材に、順ねじりと逆
ねじりが必ずしも同程度に作用するわけではない。例え
ば、ゴルフクラブでは、ボールを打つ方向は各個人で決
まっているので、右利きのゴルフクラブでは、シャフト
に順ねじりの負荷がかかり、左利きのゴルフクラブで
は、シャフトに逆ねじりの負荷がかかる。したがって、
ゴルフクラブ用シャフトでは順ねじりと逆ねじりのいず
れにおいても高いねじり強度を必要とされるわけではな
いのである。また、例えばドライブシャフトの場合も同
様に、主な回転方向が順ねじりであるか、逆ねじりであ
るかによって、高いねじり強度を必要とするねじり方向
があるのである。
【0005】本発明者らは、かかる現状に鑑み、FRP
製円筒体のねじり特性を順ねじりおよび逆ねじりのいず
れをも高いものとする必要は必ずしもなく、FRP製円
筒体の実際の使用状態に応じて順ねじりまたは逆ねじり
のいずれかのねじり強度を高めれば足りることに着目
し、本発明を完成するに至ったのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
のFRP製円筒体の上述した問題点を解決すること、す
なわち、ねじり弾性率の低下を極力避けつつ、片方向の
ねじり強度に特に優れたFRP製円筒体を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、次の構成を有する。すなわち、補強繊維
とマトリックス樹脂からなる層が積層してなる繊維強化
プラスチック製円筒体において、補強繊維が円筒軸方向
に対して角度θ1 で配列した[A]層と、補強繊維が円
筒軸方向に対して角度θ2 で配列した[B]層を有し、
かつθ1 およびθ2 が次式[1]および[2]を満足
し、θ1 の絶対値とθ2 の絶対値が実質的に等しく、繊
維強化プラスチック製円筒体中の該[B]層に使用する
プリプレグの厚みと該[A]層に使用するプリプレグ
厚みとの比が1.5以上6以下であることを特徴とする
繊維強化プラスチック製円筒体である。
【0008】 30°≦θ1 ≦60° [1] −60°≦θ2 ≦−30° [2]
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のFRP製円筒体につい
て、以下詳細に説明する。
【0010】本発明において、FRPのマトリックス樹
脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、
その他の熱硬化性樹脂を使用することができる。なかで
も、耐熱性、耐水性、接着性に優れたエポキシ樹脂が好
ましい。
【0011】また、本発明において、補強繊維として
は、炭素繊維、ガラス繊維、ポリアミド繊維、その他の
高強度、高弾性率繊維を使用することができる。なかで
も、比強度、非弾性率に優れた炭素繊維が望ましい。な
お、これらの補強繊維は、異なる種類のものを併用する
ことができる。また、同じ種類のものであっても、特性
の異なるものを併用することができる。
【0012】本発明のFRP製円筒体は、上記マトリッ
クス樹脂と補強繊維からなる層が積層されたものであ
る。そして、補強繊維の円筒軸方向に対して角度θ1
配列した[A]層と、補強繊維の円筒軸方向に対して角
度θ2 で配列した[B]層を有するものである。
【0013】本発明において、円筒軸方向に対する補強
繊維の配列角度とは、円筒体を平面に展開したとした場
合の、円筒体外側から見たときの円筒軸と補強繊維の配
列方向のなす角度であり、その正負記号は角度の計測方
向が反対であることを意味する。ここで、補強繊維の配
列角度の正方向を時計回転方向にとるか、反時計回転方
向にとるかは、円筒体のいずれのねじり方向のねじり強
度を高めたいかにより、その基準を逆転させる。すなわ
ち、円筒体の順ねじり強度を高めたい場合には、補強繊
維の配列角度の正方向を時計回転方向にとり、円筒体の
逆ねじり強度を高めたい場合には、補強繊維の配列角度
の正方向を反時計回転方向にとるのである。
【0014】FRP製円筒体のねじり応力は、補強繊維
が円筒軸方向に対して傾斜して配列した層、いわゆるバ
イアス層が主に負担していることがわかっている。つま
り、バイアス層が、ねじり負荷を受けた際に、引張られ
る方向と圧縮される方向の力を受け、バイアス層の耐力
が限界に達すると全体破壊する。一般的にFRPは、引
張強さに比べ、圧縮強さが劣る。特に炭素繊維強化プラ
スチック(CFRP)では引張強さに比べ、圧縮強さが
かなり低いことが多い。また、一般に補強繊維の熱膨脹
率は、マトリックス樹脂のそれよりも小さいので、加熱
成形品の各層には、繊維方向に圧縮応力が残留してい
る。つまり、ねじり負荷によって、圧縮を受ける層で先
に破壊が開始し全体破壊に至ることになる。したがっ
て、圧縮を受ける層の力を軽減することが重要となる。
【0015】このようなバイアス層に働く力を軽減する
ためには、バイアス層の中で、圧縮される層の厚みを増
すことが有効である。
【0016】本発明のFRP製円筒体は、補強繊維の円
筒軸方向に対する配列角度θ1 が、30°≦θ1 ≦60
°、好ましくは40°≦θ1 ≦50°であって、補強繊
維の円筒軸方向に対する配列角度θ2 が、−60°≦θ
2 ≦−30°、好ましくは−50°≦θ2 ≦−40°で
あり、かつ、θ1 の絶対値とθ2 の絶対値とをと実質的
に等しくするものである。そして、この場合において
は、FRP製円筒体中の[B]層の厚みと[A]層の厚
みとの比が1.5以上6以下、好ましくは1.5以上4
以下、より好ましくは2以上2.5以下であることが必
要である。[B]層の厚みと[A]層の厚みとの比が1
以下であると、向上させたいねじり方向のねじり強度を
向上させることができない。一方、[B]層の厚みと
[A]層の厚みとの比が大き過ぎると、順逆いずれのね
じり弾性率も低下する。また、θ1 およびθ2 が上記範
囲より大きくても小さくても、順逆いずれともねじり強
度およびねじり弾性率が低下する
【0017】 本発明のFRP製円筒体においては、
[A]層および[B]層のそれぞれ複数が交互に重なっ
てなることが、積層構成の対称性を高め、ねじり強度を
より高めるために好ましい。
【0018】FRP製円筒体中の[A]層と[B]層の
厚みの和と円筒体肉厚の比があまりに大き過ぎると、円
筒体の曲げ特性が低下する場合があり,かかる比があま
りに小さい円筒体は作製するのが困難な場合があるの
で、好ましくは0.3〜0.7の範囲内であるのが良
い。
【0019】また、FRP製円筒体としては、上述した
ねじり特性のみならず曲げ特性も同時に重要であること
が多いため、上記[A]層、[B]層以外に、補強繊維
が円筒軸方向に対して実質的に0°の角度で配列した
層、すなわちストレート層を配することが好ましい。こ
の場合、ストレート層の外側に上記[A]層、[B]層
を配したり、上記[A]層、[B]層の外側と内側をス
トレート層ではさんだり、ストレート層の外側と内側を
上記[A]層、[B]層ではさんだり、ストレート層を
最外層に配し、その内側に上記[A]層、[B]層を配
したりする構成を採用することができる。
【0020】また、本発明のFRP製円筒体には、補強
繊維が円筒軸方向に対して実質的に90°の配列角度で
配列した層(以下、90゜層という)を含んでいてもよ
く、かかる層でバイアス層やストレート層をはさんだ
り、逆にバイアス層やストレート層ではさまれていても
良い。
【0021】本発明のFRP製円筒体を構成する各層の
繊維含有率は、各層の特性、特に機械的特性を考慮すれ
ば、好ましくは30体積%〜85体積%、より好ましく
は50体積%〜80体積%が良く、さらに薄肉軽量を指
向する場合には、65体積%〜75体積%であるのが良
い。
【0022】本発明のFRP製円筒体を製造するために
は、従来公知の、円筒体内径と同じ外径のマンドレルに
最内層から順に、最外層までプリプレグを巻き付け、ラ
ッピングテープを巻き付け成形する方法、テープワイン
ド法などを用いることができる。
【0023】本発明のFRP製円筒体は、片方向のねじ
り強度に著しく優れるため、円筒体の使用において、も
っぱら片方向にねじり負荷がかかることの多い部材、具
体的には、ゴルフクラブ用シャフトや自動車用ドライブ
シャフトなどとして用いることができる。
【0024】例えば、ゴルフクラブ用シャフトでは、使
用するユーザーの右打ち、左打ちにより、シャフトには
片方向のねじり力が主に負荷されるのでその方向のねじ
り強度は高くする必要があるが、その反対方向のねじり
特性はさほど高い必要はない。また、自動車用ドライブ
シャフトでは主回転方向が決まっているため、主回転に
よるねじり方向に対するねじり強度は高くする必要があ
るが、その反対方向のねじり特性はさほど高い必要はな
い。つまり、使用時における順ねじり、逆ねじりを把握
し、それに合わせて本発明を適用するのである。
【0025】特に、FRP製円筒体がゴルフシャフトで
ある場合には、好ましくはストレート層を最外層に配
し、その内側に上記[A]層、[B]層を配した構成と
するのが良い。
【0026】また、FRP製円筒体がゴルフシャフトで
ある場合には、軽量化のため円筒体の肉厚は好ましくは
0.2〜5mmの範囲、最も好ましくは1mm程度とす
るのが良い。
【0027】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。
【0028】なお、本実施例で用いたプリプレグは次の
ようにして作製した。プリプレグA: 東レ(株)製炭
素繊維”トレカ”M30S(平均単糸径:5.5μm、
引張強度:560kgf/mm2 、引張弾性率:30000kg
f/mm2 )を互いに並行かつシート状に引き揃えたものに
Bステージのエポキシ樹脂を含浸してなる一方向性プリ
プレグを用意した。以下、これをプリプレグAという。
プリプレグAは、炭素繊維含有率が60体積%であっ
た。プリプレグB: 東レ(株)製炭素繊維”トレカ”
M50J(平均単糸径:5.0μm、引張強度:400
kgf/mm2 、引張弾性率:48500kgf/mm2 )を互いに
並行かつシート状に引き揃えたものにBステージのエポ
キシ樹脂を含浸してなる一方向性プリプレグを用意し
た。以下、これをプリプレグBという。プリプレグB
は、炭素繊維含有率が60体積%であった 実施例) 外径10mm、長さ1000mmのマンドレルに、厚み0.
14mmのプリプレグBを、その繊維方向がマンドレル
軸方向に対して−40°になるように1層巻き付け、次
に厚み0.06mmのプリプレグBを40°になるよう
に1層巻き付け、次に厚み0.14mmのプリプレグB
を−40°になるように1層巻き付け、次に厚み0.0
6mmのプリプレグBを40°になるように1層巻き付
け、次にプリプレグAを繊維方向がマンドレル軸方向と
同じになるように4層巻き付け、さらにラッピングテー
プを巻き付け、130℃で120分間加熱して成形し、
内径10mm、外径12mm、長さ220mmの円筒体を得
た。繊維が−40°に配列した層の厚みと繊維が40°
に配列した層の厚みの比は、2.3であった。
【0029】この円筒体について、試料長100mm、ね
じり速度10.8゜/分で順ねじり試験したところ、順
ねじり強度は4850kgf・mm、順ねじり弾性率は260
0kgf/mm2 であった。同様の条件で逆ねじり試験したと
ころ、逆ねじり強度は2300kgf・mm、逆ねじり弾性率
は2600kgf/mm2 であった。評価結果などを表にま
とめた。 (実施例) マンドレル軸方向に対する繊維方向の角度が−40°で
あるプリプレグの厚みを0.12mm、マンドレル軸方
向に対する繊維方向の角度が40°であるプリプレグの
厚みを0.08mmに変更した以外は実施例1と同様に
して、内径10mm、外径12mm、長さ220mmの円筒体
を得た。繊維が−40°に配列した層の厚みと繊維が4
0°に配列した層の厚みの比は、1.5であった。
【0030】この円筒体について、実施例と同様にし
てねじり試験を行なった結果、順ねじり強度は4270
kgf・mm、順ねじり弾性率は2820kgf/mm2 であり、逆
ねじり強度は3000kgf・mm、逆ねじり弾性率は、28
20kgf/mm2 であった。評価結果などを表にまとめ
た。 (実施例) マンドレル軸方向に対する繊維方向の角度が−40°で
あるプリプレグの厚みを0.16mm、マンドレル軸方
向に対する繊維方向の角度が40°であるプリプレグの
厚みを0.04mmに変更した以外は実施例と同様に
して、内径10mm、外径12mm、長さ220mmの円筒体
を得た。繊維が−40°に配列した層の厚みと繊維が4
0°に配列した層の厚みの比は、4であった。
【0031】この円筒体について、実施例と同様にし
てねじり試験を行なった結果、順ねじり強度は5300
kgf・mm、順ねじり弾性率は2200kgf/mm2 であり、逆
ねじり強度は1600kgf・mm、逆ねじり弾性率は、22
00kgf/mm2 であった。評価結果などを表にまとめ
た。 (比較例) マンドレル軸方向に対する繊維方向の角度が−40°で
あるプリプレグの厚みを0.175mm、マンドレル軸
方向に対する繊維方向の角度が40°であるプリプレグ
の厚みを0.025mmに変更した以外は実施例と同
様にして、内径10mm、外径12mm、長さ220mmの円
筒体を得た。繊維が−40°に配列した層の厚みと繊維
が40°に配列した層の厚みの比は、7であった。
【0032】この円筒体について、実施例と同様にし
てねじり試験を行なった結果、順ねじり強度は5580
kgf・mm、順ねじり弾性率は1850kgf/mm2 であり、逆
ねじり強度は1100kgf・mm、逆ねじり弾性率は、18
50kgf/mm2 であった。評価結果などを表にまとめ
た。 (実施例) マンドレル軸方向に対する繊維方向の角度−40°を−
30°に、40°を30°に変更した以外は実施例
同様にして、内径10mm、外径12mm、長さ220mmの
円筒体を得た。繊維が−30°に配列した層の厚みと繊
維が30°に配列した層の厚みの比は、2.3であっ
た。
【0033】この円筒体について、実施例と同様にし
てねじり試験を行なった結果、順ねじり強度は4200
kgf・mm、順ねじり弾性率は2150kgf/mm2 であり、逆
ねじり強度は2280kgf・mm、逆ねじり弾性率は、21
50kgf/mm2 であった。評価結果などを表にまとめ
た。 (実施例) マンドレル軸方向に対する繊維方向の角度−40°を−
50°に、40°を50°に変更した以外は実施例
同様にして、内径10mm、外径12mm、長さ220mmの
円筒体を得た。繊維が−50°に配列した層の厚みと繊
維が50°に配列した層の厚みの比は、2.3であっ
た。
【0034】この円筒体について、実施例と同様にし
てねじり試験を行なった結果、順ねじり強度は5150
kgf・mm、順ねじり弾性率は2560kgf/mm2 であり、逆
ねじり強度は2300kgf・mm、逆ねじり弾性率は、25
60kgf/mm2 であった。評価結果などを表にまとめ
た。 (実施例) マンドレル軸方向に対する繊維方向の角度−40°を−
60°に、40°を60°に変更した以外は実施例
同様にして、内径10mm、外径12mm、長さ220mmの
円筒体を得た。繊維が−60°に配列した層の厚みと繊
維が60°に配列した層の厚みの比は、2.3であっ
た。
【0035】この円筒体について、実施例と同様にし
てねじり試験を行なった結果、順ねじり強度は4900
kgf・mm、順ねじり弾性率は2060kgf/mm2 であり、逆
ねじり強度は2150kgf・mm、逆ねじり弾性率は、20
60kgf/mm2 であった。評価結果などを表にまとめ
た。 (比較例) マンドレル軸方向に対する繊維方向の角度−40°を−
25°に、40°を25°に変更した以外は実施例
同様にして、内径10mm、外径12mm、長さ220mmの
円筒体を得た。繊維が−25°に配列した層の厚みと繊
維が25°に配列した層の厚みの比は、2.3であっ
た。
【0036】この円筒体について、実施例と同様にし
てねじり試験を行なった結果、順ねじり強度は3880
kgf・mm、順ねじり弾性率は1780kgf/mm2 であり、逆
ねじり強度は2260kgf・mm、逆ねじり弾性率は、17
80kgf/mm2 であった。評価結果などを表にまとめ
た。 (比較例) マンドレル軸方向に対する繊維方向の角度−40°を−
65°に、40°を65°に変更した以外は実施例
同様にして、内径10mm、外径12mm、長さ220mmの
円筒体を得た。繊維が−65°に配列した層の厚みと繊
維が65°に配列した層の厚みの比は、2.3であっ
た。
【0037】この円筒体について、実施例と同様にし
てねじり試験を行なった結果、順ねじり強度は4660
kgf・mm、順ねじり弾性率は1690kgf/mm2 であり、逆
ねじり強度は2020kgf・mm、逆ねじり弾性率は、16
90kgf/mm2 であった。評価結果などを表にまとめ
た。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】本発明のFRP製円筒体は、上記構成を
採用することにより、ねじり弾性率の低下を抑制しつ
つ、片側方向のねじり強度が大幅に向上したものとする
ことができる。また、これにより、ゴルフクラブ用シャ
フトや自動車用ドライブシャフト等、特定のねじり方向
にねじり負荷の掛かりやすい部材に本発明のFRP製円
筒体を適用することにより、部材の破壊を抑制すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における順ねじり方向を示すためのFR
P製円筒体の概略斜視図である。
【図2】本発明における逆ねじり方向を示すためのFR
P製円筒体の概略斜視図である。
【符号の説明】
1:[A]層 2:[B]層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B32B 5/28 A01K 87/00 630A (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 A63B 53/10 A63C 11/22 A01K 87/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】補強繊維とマトリックス樹脂からなる層が
    積層してなる繊維強化プラスチック製円筒体において、
    補強繊維が円筒軸方向に対して角度θ1 で配列した
    [A]層と、補強繊維が円筒軸方向に対して角度θ2
    配列した[B]層を有し、かつθ1 およびθ2 が次式
    [1]および[2]を満足し、θ1 の絶対値とθ2 の絶
    対値が実質的に等しく、繊維強化プラスチック製円筒体
    中の該[B]層に使用するプリプレグの厚みと該[A]
    に使用するプリプレグの厚みとの比が1.5以上6以
    下であることを特徴とする繊維強化プラスチック製円筒
    体。 30°≦θ1 ≦60° [1] −60°≦θ2 ≦−30° [2]
  2. 【請求項2】[A]層および[B]層のそれぞれ複数が
    交互に重なってなることを特徴とする請求項1記載の繊
    維強化プラスチック製円筒体。
  3. 【請求項3】補強繊維が円筒軸方向に対して実質的に0
    °の角度で配列した層を含むことを特徴とする請求項
    載の繊維強化プラスチック製円筒体。
  4. 【請求項4】円筒体がゴルフクラブ用シャフトであるこ
    とを特徴とする請求項記載の繊維強化プラスチック製
    円筒体。
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