JPH06165844A - ゴルフクラブシャフト - Google Patents

ゴルフクラブシャフト

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JPH06165844A
JPH06165844A JP4343159A JP34315992A JPH06165844A JP H06165844 A JPH06165844 A JP H06165844A JP 4343159 A JP4343159 A JP 4343159A JP 34315992 A JP34315992 A JP 34315992A JP H06165844 A JPH06165844 A JP H06165844A
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Japan
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layer
carbon fiber
golf club
layers
club shaft
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JP4343159A
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Inventor
Kanji Miyao
巻治 宮尾
Makoto Takezawa
誠 竹澤
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Tonen General Sekiyu KK
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Tonen Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インパクト時の捩れが小さく、打球の方向安
定性が高い炭素繊維強化複合樹脂材料製のゴルフクラブ
シャフトを目的とする。 【構成】 炭素繊維強化複合樹脂材料製のゴルフクラブ
シャフトにおいて、強化繊維の配列方向がシャフトの軸
線に対し互に反対方向に所定角度だけ傾斜するように設
けられたアングル層101′につき、その圧縮層101
b′を構成する材料層の強化繊維に圧縮弾性率が高いP
AN系炭素繊維を使用し、引張層101a′を構成する
材料層の強化繊維に引張弾性率が高いピッチ系炭素繊維
を使用した。 【効果】 圧縮層101′bに圧縮弾性率の高い繊維を
用いたので、インパクト時に圧縮応力が働いても圧縮層
101′bが捩れにくくなり、インパクト時に働く引張
応力に対し捩れにくい引張層101′aと相俟って、ア
ングル層101′全体が捩れにくくなって、その結果、
シャフト先端の捩れが小さくなる等、目的を達成でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、強化繊維に炭素繊維を
用いた複数層の繊維強化複合樹脂材料層からなるゴルフ
クラブシャフトに関し、特に繊維強化複合樹脂材料層の
うちのアングル層を改良したゴルフクラブシャフトに関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、ゴルフクラブシャフトとして、軽
量で且つ機械的強度が高く、又振動減衰特性が良好であ
るという理由から、強化繊維として炭素繊維を有するプ
リプレグを使用して作成した炭素繊維強化複合樹脂材料
製のシャフトが多く利用されており、良好な結果を納め
ている。
【0003】このようなゴルフクラブシャフトは、複数
層の炭素繊維強化複合樹脂材料層等から構成されるが、
図7に示すように、所定の形状寸法に裁断した炭素繊維
強化プリプレグ101を所定枚数だけマンドレル100
に巻き付け、プリプレグ101のマトリクス樹脂を硬化
してプリプレグ101を炭素繊維強化複合樹脂材料とす
ることによって形成される。
【0004】このとき、捩り及び曲げ性能を向上させる
ために、炭素繊維強化プリプレグとしては、図7に示す
ように、炭素繊維がゴルフクラブシャフトの軸線に対し
て互に反対方向に角度(θ)、即ち時計方向に角度(±
θ)(通常、θ=35°〜45°)だけ傾斜するように
配列されたプリプレグ101(アングル層101′)
と、図8に図示されるように、炭素繊維がゴルフクラブ
シャフトの軸線に対して平行(θ=0°)に配列された
プリプレグ102(ストレート層102′)とが使用さ
れ、通常、図6に示されるように、ゴルフクラブシャフ
トの内側層にプリプレグ101(アングル層101′)
が、外側層にプリプレグ102(ストレート層10
2′)が使用されることが多い。
【0005】通常、内側層のプリプレグ101(アング
ル層101′)は約8〜10層、外側層のプリプレグ1
02(ストレート層102′)は約1〜3層積層され、
ゴルフクラブシャフトは、基本的に、内側の炭素繊維強
化複合樹脂材料層8〜10層程度のアングル層101′
と、外側の炭素繊維強化複合樹脂材料層1〜3層程度の
ストレート層102′とで構成される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のような炭素繊維
強化複合樹脂材料製のゴルフクラブシャフトは、軽量で
且つ機械的強度が高く、概ね良好な結果を納めている。
【0007】ところで、炭素繊維強化複合樹脂材料製の
ゴルフクラブシャフトは、金属製のゴルフクラブシャフ
トに比べて、ボールを打ったインパクト時のシャフト先
端の捩れを少なくすることができるが、打球の方向安定
性を更に高めるために、ゴルフクラブシャフトの捩れを
一層少なくすることが望まれている。
【0008】そのため、高弾性率を有する炭素繊維のプ
リプレグを使用してゴルフクラブシャフトを作成するこ
とも行なわれているが、必ずしもインパクト時の捩れを
小さくすることに成功していない。
【0009】このように、従来の炭素繊維強化複合樹脂
材料製ゴルフクラブシャフトは、ボールを打ったときの
捩れが小さく、打球の方向安定性が高いという性能が、
未だ十分に満足されていない点で改良の余地があった。
【0010】従って本発明の目的は、ボールを打ったと
きの捩れが小さく、高い打球の方向安定性を有する炭素
繊維強化複合樹脂材料製のゴルフクラブシャフトを提供
することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的は本発明に係る
ゴルフクラブシャフトにて達成される。要約すれば本発
明は、強化繊維の配列方向がシャフトの軸線に対して互
に反対方向に所定の角度だけ傾斜するようにして設けら
れた炭素繊維強化複合樹脂材料層のアングル層を少なく
とも有するゴルフクラブシャフトにおいて、前記アング
ル層の圧縮側の繊維強化複合樹脂材料層の強化繊維にP
AN系炭素繊維を、引張側の繊維強化複合樹脂材料層の
強化繊維にピッチ系炭素繊維を使用したことを特徴とす
るゴルフクラブシャフトである。
【0012】
【実施例】本発明者等は、インパクト時の捩れが小さ
く、高い打球の方向安定性を有する炭素繊維強化複合樹
脂材料製のゴルフクラブシャフトを製造するべく、鋭意
研究を重ねた。
【0013】一般に、ゴルフクラブでボールを打ったイ
ンパクト時、そのグリップを手で把持されたゴルフクラ
ブには、打ったボールからヘッドに働く反作用により、
図3に示すように、シャフトの後端(グリップ側)から
先端(ヘッド側)を見て、シャフトの先端で右回り、後
端で左回りの回転モーメントMが働く。
【0014】このため、図2に示すように、ゴルフクラ
ブシャフトを構成する炭素繊維強化複合樹脂材料層の主
要部をなすアングル層101′(通常、8〜10層で構
成される)において、その繊維配列方向がシャフトの軸
線に対して時計方向に角度(+θ)だけ傾斜している炭
素繊維強化複合樹脂材料層101a′に引張応力が加わ
り(以下、材料層101a′を引張層101a′とい
う)、反時計方向に角度(+θ)(時計方向に角度(−
θ))だけ傾斜している炭素繊維強化複合樹脂材料層1
01b′に圧縮応力が加わる(以下、材料層101b′
を圧縮層101b′と云う)。
【0015】ところが、従来、ゴルフクラブシャフトの
捩れを小さくするために、高弾性率を有する炭素繊維と
して使用していた高性能ピッチ系炭素繊維は、図4に示
すように、引張弾性率は高いものの、圧縮弾性率が概し
て低い。このためアングル層101′の圧縮層101
b′が回転モーメントMの方向に大きく捩れ易く、引張
層101b′が回転モーメントMの方向に捩れにくくて
も、アングル層101′全体では、これらが平均されて
捩れが依然として大きく、その結果、ゴルフクラブシャ
フトの先端が大きく捩れる。
【0016】従ってアングル層101′の引張層101
a′は、そのままピッチ系炭素繊維によるプリプレグで
形成し、圧縮層101b′には、図4に示すように、圧
縮弾性率が高いPAN系炭素繊維を用いたプリプレグを
使用して形成すれば、インパクト時、ゴルフクラブシャ
フトの捩れを防いで、高い方向安定性でボールを飛ばす
ことができる。
【0017】本発明は上記知見によりなされたものであ
る。以下、本発明に係るゴルフクラブシャフトを図面に
則して詳細に説明する。
【0018】図1は、本発明のゴルフクラブシャフトの
一実施例を示す断面図、図2は、同じくゴルフクラブシ
ャフトを切欠いて示す側面図である。本発明のゴルフク
ラブシャフトは、炭素繊維がシャフトの軸線に対して角
度(θ)(通常、θ=35°〜45°)だけ傾斜するよ
うに配列された炭素繊維強化プリプレグ101(アング
ル層101′)と、炭素繊維がシャフトの軸線に対して
平行に配列された炭素繊維強化プリプレグ102(スト
レート層102′)とが配設され、プリプレグ101及
びプリプレグ102を硬化して炭素繊維強化複合樹脂材
料とすることによって製造され、基本的に、炭素繊維強
化複合樹脂材料層からなるアングル層101′とストレ
ート層102′とから構成される。
【0019】本発明によれば、上記のアングル層10
1′の繊維配列方向がシャフトの軸線に対して時計方向
に角度(+θ)だけ傾斜している炭素繊維強化複合樹脂
材料層(引張層)101a′は、強化繊維として引張弾
性率が高いピッチ系炭素繊維を使用したプリプレグ10
1aを用いて形成し、繊維配列方向がシャフトの軸線に
対して反時計方向に角度(+θ)(時計方向に角度(−
θ))だけ傾斜している炭素繊維強化複合樹脂材料層
(圧縮層)101b′は、強化繊維として圧縮弾性率が
高いPAN系炭素繊維を使用したプリプレグ101bを
用いて形成している。
【0020】通常、アングル層101′は全体で8〜1
0層程度、ストレ−ト層102′は1〜3層程度とされ
るが、必要に応じてその層数を適宜増減することができ
る。又図1では、アングル層101′が内層とされてい
るが、ストレ−ト層102′を内層とすることも可能で
ある。又アングル層101′は、引張層101a′が外
側層とされているが、圧縮層101b′を外側層とする
ことも可能であり、場合によっては、引張層101
a′、圧縮層101b′を1層ずつ交互に繰り返しても
よい。更にゴルフクラブシャフトの例えば先後端の強度
不足を補うために、その箇所に図示しない補強層を加え
ることができる。
【0021】本発明によれば、上記アングル層101′
の引張層101a′に使用するピッチ系炭素繊維は、ゴ
ルフクラブシャフトでボールを打ったインパクト時に、
前述したように、繊維に引張応力が働くので、ピッチ系
炭素繊維の中でも引張弾性率が特に高い高性能ピッチ系
炭素繊維を用いる必要があり、その引張弾性率は60ト
ン/mm2 以上であることが好ましい。引張弾性率が6
0トン/mm2 未満では、インパクト時に圧縮応力が働
くアングル層101′の圧縮層101b′に圧縮応力の
高いPAN系炭素繊維を使用しても、アングル層10
1′全体の捩れ性を余り小さくすることができず、ゴル
フクラブシャフトが大きく捩れることを防げない。より
好ましくは、引張層101b′に使用するピッチ系炭素
繊維の引張弾性率は、70トン/mm2 以上であること
が望ましい。
【0022】一方、アングル層101′の圧縮層101
b′に使用するPAN系炭素繊維は、インパクト時、繊
維に圧縮応力が働くので、圧縮弾性率が高い種類のPA
N系炭素繊維を用いる必要があり、好ましくは圧縮弾性
率は50トン/mm2 以上である。PAN系炭素繊維の
圧縮弾性率が50トン/mm2 未満では、圧縮層101
b′が捩れ易く、アングル層101′全体の捩れ性を小
さくすることができない。
【0023】本発明では、上記のように、引張弾性率の
高いピッチ系炭素繊維を使用した引張層101a′と、
圧縮弾性率の高いPAN系炭素繊維を使用した圧縮層1
01b′とでアングル層101′を構成するので、イン
パクト時、ゴルフクラブシャフトの捩れを大幅に抑える
ことができ、従って打球の高い方向安定性を得ることが
できる。
【0024】又本発明のゴルフクラブシャフトによれ
ば、理由は明確でないが、次のような方向安定性に寄与
する作用もあるようである。
【0025】今、ゴルフクラブシャフトに図3の回転モ
ーメントMと反対方向の回転モーメントM′が働いた場
合、アングル層101′の引張層101a′は圧縮層と
して、圧縮層101b′は引張層として働き、シャフト
はモーメントM′の方向に捩れるが、従来のゴルフクラ
ブシャフトでは、引張層101a′及び圧縮層101
b′は共にピッチ系炭素繊維を使用しているので、図5
に示すように、その反対方向の捩れ角φ2 ′は回転モー
メントM方向の捩れ角φ2 と同じ大きさでφ2 ′=φ2
となる。
【0026】これに対し、本発明のゴルフクラブシャフ
トでは、引張層101a′は引張弾性率が高いピッチ系
炭素繊維(PAN系に比べて圧縮弾性率が相対的に低
い)を使用し、圧縮層101b′は圧縮弾性率が高いP
AN系炭素繊維(ピッチ系に比べて引張弾性率が相対的
に低い)を使用しているので、引張層101a′が圧縮
層として働き、圧縮層101b′が引張層として働く
と、その反対方向の回転モーメントM′による反対方向
の捩れ角φ1 ′は、回転モーメントMによる捩れ角φ1
よりも大、更に従来のゴルフクラブシャフトのφ2 ′よ
りも大となり、φ1<φ2 ′<φ1 ′となる。
【0027】即ち本発明のゴルフクラブシャフトでは、
インパクト時の捩れ方向と反対方向には、従来よりも捩
れ易い。このためインパクト時、クラブヘッドがボール
に当たってシャフトが一端捩れて次に逆方向に戻る際
に、クラブヘッドにスナップ効果が働いて、打ったボー
ルの方向を安定する作用が生じるようである。このため
本発明のゴルフクラブシャフトでは、インパクト時の捩
れが小さいことによる打球の方向安定性に加えて、更に
打球の方向安定性が向上する。
【0028】本発明において、アングル層101′の引
張層101a′を形成するための炭素繊維強化プリプレ
グ101aにピッチ系炭素繊維を使用し、圧縮層101
b′を形成するための炭素繊維強化プリプレグ101b
にPAN系炭素繊維を使用する点を除けば、これらプリ
プレグ101a及び101bには、ストレート層10
2′を形成するための炭素繊維強化プリプレグ102と
同様、通常の炭素繊維強化プリプレグを使用することが
できる。
【0029】つまり、炭素繊維強化プリプレグ101
(101a、101b)、102は、強化繊維としては
炭素繊維(黒鉛繊維をも含む)を使用し、マトリクス樹
脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、
ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレ−ト樹脂、フェノ−
ル樹脂などの熱硬化性マトリクス樹脂が使用可能であ
る。又、更に、硬化温度が50〜200℃となるように
硬化剤その他の付与剤、例えば可撓性付与剤などが適当
に添加される。
【0030】マトリクス樹脂の好ましい一例を挙げれ
ば、マトリクス樹脂としてはエポキシ樹脂が好ましく、
使用可能のエポキシ樹脂としては、例えば、(1)グリ
シジルエ−テル系エポキシ樹脂(ビスフェノ−ルA、
F、S系エポキシ樹脂、ノボラック系エポキシ樹脂、臭
素化ビスフェノ−ルA系エポキシ樹脂);(2)環式脂
肪族エポキシ樹脂;(3)グリシジルエステル系エポキ
シ樹脂;(4)グリシジルアミン系エポキシ樹脂;
(5)複素環式エポキシ樹脂;その他種々のエポキシ樹
脂から選択される1種又は複数種が使用され、特に、ビ
スフェノ−ルA、F、Sグリシジルアミン系エポキシ樹
脂が好適に使用される。又、硬化剤としてはアミン系硬
化剤、例えばジシアンジアミド(DICY)、ジアミノ
フェニルスルフォン(DDS)、ジアミノジフェニルメ
タン(DDM);酸無水物系、例えばヘキサヒドロ無水
フタル酸(HHPA)、メチルへキサヒドロ無水フタル
酸(MHHPA)などが使用されるが、特にアミン系硬
化剤が好適に使用される。
【0031】炭素繊維強化プリプレグ101、102の
炭素繊維とマトリクス樹脂との配合割合は任意に調製し
得るが、一般に、重量%で炭素繊維:マトリクス樹脂=
30〜80:20〜70の範囲が良く、好ましくは40
〜75:25〜60である。炭素繊維の割合が30重量
%未満では、マトリクス樹脂を硬化して繊維強化複合樹
脂層3を繊維強化複合樹脂材料としたときに、炭素繊維
での強化による複合樹脂材料の強度が不十分となり、逆
に80重量%を超えるとマトリクス樹脂が少なすぎて、
複合樹脂材料のマトリクス樹脂による強度が十分となら
ない虞がある。本発明によれば、炭素繊維強化複合樹脂
材料製のゴルフクラブシャフト以上のように構成され、
ボールを打ったときの捩れが小さく、打球の高い方向安
定性を有する優れた効果を奏する。
【0032】本発明を具体的な実施例に基づき更に説明
する。
【0033】実施例1 本発明に従い炭素繊維強化複合材料製のゴルフクラブシ
ャフトを製造した。
【0034】ゴルフクラブシャフトの型のマンドレル
に、アングル層の引張層用として厚さ120μm、樹脂
量32%のピッチ系炭素繊維プリプレグ(使用ピッチ系
炭素繊維:引張弾性率70トン/mm2 、東燃株式会社
製、商品名FT700)を使用)を+45°で合計4層
巻き付け、圧縮層用として厚さ120μm、樹脂量32
%のPAN系炭素繊維プリプレグ(使用PAN系炭素繊
維:圧縮弾性率50トン/mm2 、東レ株式会社製、商
品名M−50)を−45°で合計4層巻き付け、その上
にストレート層として厚さ120μm、樹脂量32%の
PAN系炭素繊維プリプレグ(東レ株式会社製、商品名
T−300)を3層巻き付けた。次いで表面研摩用に厚
さ70μmのガラス繊維一方向プリプレグを1層巻き、
最後に補強層としてE−ガラスのプリプレグを巻いて先
端チップ部を補強した後、ポリプロピレンの延伸テープ
でテーピングをして加熱硬化し、その後研摩等の所定の
仕上げを行なって、ゴルフクラブシャフトを作成した。
【0035】ゴルフクラブシャフトは、長さが1075
mmで先端(ヘッド側)の外径が8.5mm、後端(グ
リップ側)の外径が15.3mmであった。
【0036】得られたゴルフクラブシャフトは、0.1
4kgmの回転モーメントを作用させて先端の捩れ角
(φ)を測定し、又ゴルフクラブに組み立て、打球の方
向安定性及び使用感を調べた。その結果を表1に示す。
【0037】実施例2 アングル層の引張層用のピッチ系炭素繊維プリプレグを
+30°、圧縮層用のPAN系炭素繊維プリプレグを−
30°で巻き付けた以外実施例1と同様にして、ゴルフ
クラブシャフトを作成した。
【0038】そして実施例1のときと同様、先端の捩れ
角の測定等を行なった。その結果を同様に表1に示す。
【0039】実施例3 アングル層の引張層用のピッチ系炭素繊維として、厚さ
120μm、樹脂量32%のピッチ系炭素繊維プリプレ
グ(使用ピッチ系炭素繊維:東燃株式会社製、商品名F
T700、引張弾性率70トン/mm2 )を使用し、圧
縮層用のPAN系炭素繊維として、厚さ120μm、樹
脂量32%のPAN系炭素繊維プリプレグ(使用PAN
系炭素繊維:圧縮弾性率46トン/mm2 、東レ株式会
社製、商品名M−46)を使用した以外は実施例1と同
様にして、ゴルフクラブシャフトを作成した。同様に、
捩れ角の測定結果等を表1に示す。
【0040】比較例1 アングル層の引張層用のピッチ系炭素繊維プリプレグ
を、圧縮層用にも使用した以外は実施例1と同様にし
て、ゴルフクラブシャフトを作成した。
【0041】同様に、捩れ角の測定結果等を表1に示
す。
【0042】
【表1】
【0043】表1において、記号の◎は非常に良好、○
は良好、△は劣るを示す。
【0044】表1に示されるように、本発明に従った実
施例1〜3のゴルフクラブシャフトでは、引張弾性率の
高いピッチ系炭素繊維を使用したプリプレグによりアン
グル層の引張層を形成し、圧縮弾性率の高いPAN系炭
素繊維を使用したプリプレグによりアングル層の圧縮層
を形成したので、いずれも、回転モーメントの作用下に
おけるシャフト先端の捩れ角(φ)が小さく、従ってボ
ールを打ったインパクト時に捩れが小さくなるので、そ
の結果、打球の方向安定性及び使用感が良好以上の好成
績を収めた。
【0045】これに対し、比較例1のゴルフクラブシャ
フトでは、アングル層の引張層及び圧縮層の両方を、ピ
ッチ系炭素繊維を使用したプリプレグで形成したので、
回転モーメントによるシャフト先端の捩れ角φが大き
く、ボールを打ったインパクト時に捩れを小さくできな
いので、打球の方向安定性及び使用感が共に劣った結果
になった。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の繊維強化
複合樹脂材料製のゴルフクラブシャフトによれば、その
シャフトのアングル層の引張層を、引張弾性率の高いピ
ッチ系炭素繊維を用いた繊維強化複合樹脂材料層で構成
し、アングル層の圧縮層を、圧縮弾性率の高いPAN系
炭素繊維を用いた繊維強化複合樹脂材料層で構成したの
で、ボールを打ったインパクト時に、シャフトの捩れを
抑えて、打球の高い方向安定性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のゴルフクラブシャフトの一実施例を示
す断面図である。
【図2】図1のゴルフクラブシャフトを切欠いて示す側
面図である。
【図3】インパクト時にゴルフクラブシャフトに回転モ
ーメントが働くことを示す説明図である。
【図4】本発明で使用する炭素繊維プリプレグに用いら
れるピッチ系及びPAN系炭素繊維の応力−歪み曲線を
模式的に示すグラフである。
【図5】本発明のゴルフクラブシャフトで打球の方向安
定性が得られる理由の1つを示す説明図である。
【図6】従来のゴルフクラブシャフトを示す断面図であ
る。
【図7】ゴルフクラブシャフトの製造方法を説明する図
である。
【図8】ゴルフクラブシャフトを製造するためのプリプ
レグを示す平面図である。
【符号の説明】
101′ アングル層 101a′ 引張層 101b′ 圧縮層 102′ ストレート層 101a ピッチ系炭素繊維プリプレグ 101b PAN系炭素繊維プリプレグ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強化繊維の配列方向がシャフトの軸線に
    対して互に反対方向に所定の角度だけ傾斜するようにし
    て設けられた炭素繊維強化複合樹脂材料層のアングル層
    を少なくとも有するゴルフクラブシャフトにおいて、前
    記アングル層の圧縮側の繊維強化複合樹脂材料層の強化
    繊維にPAN系炭素繊維を、引張側の繊維強化複合樹脂
    材料層の強化繊維にピッチ系炭素繊維を使用したことを
    特徴とするゴルフクラブシャフト。
JP4343159A 1992-11-30 1992-11-30 ゴルフクラブシャフト Pending JPH06165844A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2709441A1 (fr) * 1993-09-03 1995-03-10 Shimano Kk Elément tubulaire en matériau composite.
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