JPH05185541A - 積層管及びその製造方法 - Google Patents

積層管及びその製造方法

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JPH05185541A
JPH05185541A JP4024458A JP2445892A JPH05185541A JP H05185541 A JPH05185541 A JP H05185541A JP 4024458 A JP4024458 A JP 4024458A JP 2445892 A JP2445892 A JP 2445892A JP H05185541 A JPH05185541 A JP H05185541A
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JP
Japan
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layer
prepreg
fiber
tape
strength
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Withdrawn
Application number
JP4024458A
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English (en)
Inventor
Makoto Takezawa
誠 竹澤
Kanji Miyao
巻治 宮尾
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Tonen General Sekiyu KK
Original Assignee
Tonen Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 所期通りの捩り破壊強度、曲げ強度、衝撃強
度などを発揮し、強度のバラツキを小さくし、折損防止
など所望の性能と安定した品質を達成することのでき
る、例えばゴルフクラブシャフト、釣り竿、スキースト
ック、自転車フレーム、その他種々の用途に使用し得
る、複数の繊維強化樹脂層を有した積層管及びその製造
方法を提供する。 【構成】 積層管を製造するに際して、マンドレル10
0に巻き付けられた、内層101’を形成するための炭
素繊維強化プリプレグ101の外周に、テープ部材1が
所定張力にて巻き付けられる。このテープ部材1は中間
テープ層1’を形成するものであって、例えば強化繊維
としてガラス繊維を使用したガラス繊維強化プリプレグ
を、幅(W)にスリットしたプリプレグテープとするこ
とができる。次いで、このテープ部材を覆って、マンド
レル100上にストレート層102’を形成するべく、
炭素繊維が軸線方向に沿って一方向に配列されたプリプ
レグ102を所定枚数だけ巻き付け、その後、通常方法
に従って、加熱硬化される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数の繊維強化樹脂層
からなるゴルフクラブシャフト、釣り竿、スキーストッ
ク、自転車フレーム、その他種々の用途に使用し得る、
高い捩り破壊強度、曲げ強度、衝撃強度などを有した積
層管及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、例えばゴルフクラブシャフトとし
て、軽量で且つ機械的強度が高いという理由から、例え
ば強化繊維として高強度、高弾性の炭素繊維を使用した
炭素繊維強化複合樹脂にて作製された積層管が多く利用
されており、良好な成果を収めている。
【0003】斯るゴルフクラブシャフトは、複数層の炭
素繊維強化複合樹脂層などから構成されるが、図3に図
示されるように、所定の形状寸法に裁断した炭素繊維強
化プリプレグ101を所定枚数だけマンドレル100に
巻き付け、硬化することによって形成される。このと
き、捩り及び曲げ性能を向上せしめるために、炭素繊維
強化プリプレグとしては、図3に図示されるように、炭
素繊維がゴルフクラブシャフトの軸線に対して互に反対
方向に角度(θ)(通常、θ=35°〜45°)だけ傾
斜するように配列されたプリプレグ101(アングル層
101’)と、図4に図示されるように、炭素繊維がゴ
ルフクラブシャフトの軸線に対して平行(θ=0°)に
配列されたプリプレグ102(ストレート層102’)
とが使用され、基本的には、図5に図示されるように、
ゴルフクラブシャフトの内側層にプリプレグ101(ア
ングル層101’)が、外側層にプリプレグ102(ス
トレート層102’)が使用されることが多い。
【0004】最近においては、更に、積層管の折損防
止、及び例えばゴルフクラブシャフトにおいては飛距離
の増大などのために、捩り破壊強度、曲げ強度、衝撃強
度などを向上せしめるべく、炭素繊維としては、例えば
引張強度が300〜600kg/mm2 、引張弾性率が
50〜70ton/mm2 とされる高強度、高弾性の炭
素繊維が使用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者らの研究実験の結果によると、内側層としてアングル
層101’を形成するべく、上述のような高強度、高弾
性の炭素繊維を強化繊維として有した炭素繊維強化プリ
プレグ101を所定の形状寸法に裁断して所定枚数マン
ドレル100に巻き付けた場合に、強化繊維の弾性率が
高いために、図6に示すように、プリプレグ101の端
縁部101aがマンドレル100上のプリプレグ101
の外周面に密着せず、捲れてしまい、巻回されたプリプ
レグの内部も緩み始めることが頻繁に観察される。
【0006】この状態で、このプリプレグ101の上に
更に、外側層としてストレート層102’を形成するた
めのプリプレグ102を所定枚数だけ巻き付け、その
後、通常方法に従って、この外周に耐熱テープを巻き付
け、各プリプレグを増締めた後、加熱硬化して積層管を
作製した場合には、図7に示すように、層間に気泡(ボ
イド)Vが発生したり、或は、屈曲した部分Fが発生す
る。一般に高弾性炭素繊維などは破断伸度が低く、この
屈曲部分Fにて炭素繊維は折れてしまうことが分かっ
た。
【0007】このようなゴルフクラブシャフトの如き積
層管は、所期の機械的強度、つまり捩り破壊強度、曲げ
強度、衝撃強度などを発揮し得ず、所望の積層管として
の性能を得ることができない。
【0008】従って、本発明の目的は、所期通りの捩り
破壊強度、曲げ強度、衝撃強度などを発揮し、強度のバ
ラツキを小さくし、折損防止など所望の性能と安定した
品質を達成することのできる、例えばゴルフクラブシャ
フト、釣り竿、スキーストック、自転車フレーム、その
他種々の用途に使用し得る、複数の繊維強化樹脂層を有
した積層管及びその製造方法を提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的は本発明に係る
積層管にて達成される。要約すれば本発明は、複数の繊
維強化樹脂層にて形成される積層管において、強化繊維
として高弾性率の繊維を使用し且つこの強化繊維が積層
管の軸線方向に対して所定の角度(θ)だけ傾斜して配
列された繊維強化樹脂層を内層として有し、この内層の
外周に中間テープ層を配置し、更にその外側に繊維強化
樹脂層を積層してなることを特徴とする積層管である。
【0010】このような積層管は、(a)強化繊維とし
て高弾性率の繊維を使用し且つこの強化繊維が積層管の
軸線方向に対して所定の角度(θ)だけ傾斜して配列さ
れた繊維強化プリプレグをマンドレルに巻き付ける工
程、(b)マンドレル上の前記繊維強化プリプレグの外
周に、テープ部材を所定の張力にて巻き付け、繊維強化
プリプレグを増締めする工程、(c)前記テープ部材を
覆って、マンドレル上に更に繊維強化プリプレグを巻き
付け、次いで、この外周に耐熱テープを巻き付ける工
程、及び(d)各プリプレグを加熱硬化する工程、を有
することを特徴とする製造方法にて好適に製造される。
【0011】
【実施例】次に、本発明に係る積層管を図面に則して更
に詳しく説明する。本実施例にて、積層管は、強化繊維
が炭素繊維である繊維強化複合樹脂からなるゴルフクラ
ブシャフトに具現化されるものとして説明する。
【0012】本実施例にて、ゴルフクラブシャフトは、
図1に図示されるように、基本的には、炭素繊維がゴル
フクラブシャフトの軸線に対して互に角度(θ)(通
常、θ=35°〜45°)だけ傾斜するように配列され
た内層プリプレグ101と、炭素繊維がゴルフクラブシ
ャフトの軸線に対して平行に配列された外層プリプレグ
102と、両プリプレグ101と102との間に、本発
明に従って構成される、後に詳しく説明するテープ部材
1が配設され、硬化することによって製造される。
【0013】つまり、本発明によると、内層としてのア
ングル層101’、テープ部材からなる中間テープ層
1’、及び外層としてのストレート層102’を備えた
ゴルフクラブシャフトが形成される。アングル層10
1’及びストレート層102’、更には中間テープ層
1’は1層である必要はなく、必要に応じて複数層とす
ることも可能である。又、更に他の層を、任意の位置に
配設することも可能である。
【0014】アングル層101’及びストレート層10
2’は、通常の炭素繊維強化プリプレグ101、102
を使用して形成することができる。
【0015】つまり、炭素繊維強化プリプレグ101、
102は、強化繊維としては炭素繊維(黒鉛繊維をも含
む)を使用し、マトリクス樹脂としては、エポキシ樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ジア
リルフタレート樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性マ
トリクス樹脂が使用可能である。又、更に、硬化温度が
50〜200℃となるように硬化剤その他の付与剤、例
えば可撓性付与剤などが適当に添加される。
【0016】好ましい一例を挙げれば、マトリクス樹脂
としてはエポキシ樹脂が好ましく、使用可能のエポキシ
樹脂としては、例えば、(1)グリシジルエーテル系エ
ポキシ樹脂(ビスフェノールA、F、S系エポキシ樹
脂、ノボラック系エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノール
A系エポキシ樹脂);(2)環式脂肪族エポキシ樹脂;
(3)グリシジルエステル系エポキシ樹脂;(4)グリ
シジルアミン系エポキシ樹脂、テトラグリシジルジアミ
ノジフェニルメタン、トリグリシジル−p−アミノフェ
ノールなど;(5)複素環式エポキシ樹脂;その他種々
のエポキシ樹脂から選択される1種又は複数種が使用さ
れ、特に、ビスフェノールA、F、Sグリシジルアミン
系エポキシ樹脂が好適に使用される。又、硬化剤として
はアミン系硬化剤、例えばジシアンジアミド(DIC
Y)、ジアミノジフェニルスルフォン(DDS)、ジア
ミノジフェニルメタン(DDM);酸無水物系、例えば
ヘキサヒドロ無水フタル酸(HHPA)、メチルヘキサ
ヒドロ無水フタル酸(MHHPA)などが使用される
が、特にアミン系硬化剤が好適に使用される。
【0017】場合によっては、マトリクス樹脂として、
ナイロン、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、P
EEK(ポリエーテルエーテルケトン)などの熱可塑性
樹脂をも使用し得る。
【0018】勿論、アングル層101’及びストレート
層102’は、強化繊維として、炭素繊維以外の、ボロ
ン繊維、ガラス繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、窒
化珪素繊維などの無機繊維;アラミド繊維、ポリアリレ
−ト繊維、ポリエチレン繊維、ポリエステル繊維などの
有機繊維;或は、チタン繊維、アモルファス繊維、ステ
ンレス鋼繊維などの金属繊維から選択される1種を用い
て、或は、複数種の、例えば2種或は3種の強化繊維か
らなるハイブリッドの形態にて使用することができる。
又、アングル層101’及びストレート層102’の強
化繊維は、縦糸、横糸をそれぞれ同一密度とした平織或
はノンクリンプなど、クロス(織布)の状態で使用する
こともできる。尚、アングル層、即ち、内層101’用
のプリプレグ101としてクロスプリプレグを使用する
場合には、ゴルフクラブシャフトの軸線に対して繊維の
角度が35°〜45°だけ傾斜するように配列するのが
好ましい。
【0019】次に、本発明の特徴とする中間テープ層
1’について、ゴルフクラブシャフトの製造方法を説明
しながら更に詳しく説明する。
【0020】本発明の製造方法に従えば、従来と同様
に、離型処理が施され、接着剤が塗布されたマンドレル
100に、図3に示すように、例えば、炭素繊維がゴル
フクラブシャフトの軸線に対して互に反対方向に角度
(θ)(通常、θ=35°〜45°)だけ傾斜するよう
に配列された炭素繊維強化プリプレグ101が加圧しな
がら巻き付けられる。
【0021】次いで、マンドレル100に巻き付けられ
た炭素繊維強化プリプレグ101の外周に、図2及び図
6に概略示すように、テープ部材1が所定張力にて巻き
付けられる。このとき、炭素繊維強化プリプレグ101
の巻き終り端縁部101aは、テープ部材1を巻回する
際に、マンドレル101に沿って配置された2本のマン
ドレル受けローラR1 、R2 によって加圧しておくこと
が望ましい。
【0022】このテープ部材1は、例えば強化繊維とし
てガラス繊維を使用したガラス繊維強化プリプレグを、
幅(W)にスリットしたプリプレグテープとすることが
できる。ガラス繊維は、一方向に引き揃えた形態で、或
はクロス(織物)の形態にて使用し得る。強化繊維及び
マトリクス樹脂の配合割合は、通常のプリプレグと同様
に、任意に調整し得る。従って、プリプレグテープの厚
さは、通常30〜200μm程度とされるであろう。
【0023】マトリクス樹脂としては、エポキシ樹脂、
不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリル
フタレート樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性マトリ
クス樹脂が使用可能である。又、更に、硬化温度が50
〜200℃となるように硬化剤その他の付与剤、例えば
可撓性付与剤などが適当に添加される。
【0024】好ましい一例を挙げれば、マトリクス樹脂
としてはエポキシ樹脂が好ましく、使用可能のエポキシ
樹脂としては、例えば、(1)グリシジルエーテル系エ
ポキシ樹脂(ビスフェノールA、F、S系エポキシ樹
脂、ノボラック系エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノール
A系エポキシ樹脂);(2)環式脂肪族エポキシ樹脂;
(3)グリシジルエステル系エポキシ樹脂;(4)グリ
シジルアミン系エポキシ樹脂、テトラグリシジルジアミ
ノジフェニルメタン、トリグリシジル−p−アミノフェ
ノールなど;(5)複素環式エポキシ樹脂;その他種々
のエポキシ樹脂から選択される1種又は複数種が使用さ
れ、特に、ビスフェノールA、F、Sグリシジルアミン
系エポキシ樹脂が好適に使用される。又、硬化剤として
はアミン系硬化剤、例えばジシアンジアミド(DIC
Y)、ジアミノジフェニルスルフォン(DDS)、ジア
ミノジフェニルメタン(DDM);酸無水物系、例えば
ヘキサヒドロ無水フタル酸(HHPA)、メチルヘキサ
ヒドロ無水フタル酸(MHHPA)などが使用される
が、特にアミン系硬化剤が好適に使用される。
【0025】場合によっては、マトリクス樹脂として、
ナイロン、PPS、PEEKなどの熱可塑性樹脂をも使
用し得る。
【0026】このようなテープ部材1は、図2に示すよ
うに、ピッチ(P)にて互に幅(w)にて重なるように
して炭素繊維強化プリプレグ101の外周に所定の張力
にて巻き付けられ、炭素繊維強化プリプレグ101の増
締めを行なう。テープ部材1は、中間テープ層1’を複
数層形成するべく複数回巻き付けることができる。
【0027】テープ幅(W)は、任意とすることがで
き、通常作業効率の点から5〜20mmが好適である。
又、上記説明では、テープ部材1は、均一ピッチ(P)
にて巻き付けるものとして説明したが、ゴルフクラブシ
ャフトの軸線方向に巻き付けピッチ(P)を異ならせる
こともでき、場合によっては、テープ部材同志が重なり
合わないように、つまり巻き付けピッチ(P)がテープ
幅(W)より大きくなるように巻き付けることもでき
る。
【0028】更には、テープ部材は、ゴルフクラブシャ
フトの軸線方向に一端から他端にわたって全長(L)に
巻き付ける必要はなく、例えば、マンドレル100に巻
き付けられた炭素繊維強化プリプレグの端縁が捲り上が
り易く、巻回状態が緩み易い、先端細径部の所定範囲に
わたって、例えば先端から(1/2〜2/3)Lの長さ
部分にわたって巻き付けることも可能である。
【0029】テープ部材の巻き付け張力は、例えばゴル
フクラブシャフトの場合には、10mm幅のテープとし
た場合に、3kg以上が望ましいが、炭素繊維強化プリ
プレグ101の強化繊維の弾性率や、プリプレグ101
の繊維密度(g/m2 )に応じて適当に選択される。即
ち、弾性率が大きく、プリプレグの繊維密度が大きい
程、プリプレグの巻き戻そうとする反力は大きくなるた
めに、テープ部材の巻き付け張力は大きくする必要があ
る。
【0030】テープ部材1としては、強化繊維としてガ
ラス繊維を使用したガラス繊維強化プリプレグにて作製
するものとして説明したが、強化繊維として、ガラス繊
維の他に、炭素繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、窒
化珪素繊維などの無機繊維;アラミド繊維、ポリアリレ
−ト繊維、ポリエチレン繊維、ポリエステル繊維などの
有機繊維;或は、チタン繊維、アモルファス繊維、ステ
ンレス鋼繊維などの金属繊維から選択される1種を用い
て、或は、複数種の、例えば2種或は3種の強化繊維か
らなるハイブリッドの形態にて使用することができる。
又、強化繊維は、クロス(織布)の状態で使用すること
もできる。
【0031】更に具体的に一例を挙げて説明すれば、例
えば、テープ部材1として高強度、高弾性の炭素繊維を
強化繊維として有した一方向炭素繊維強化プリプレグを
使用した場合には、軽量で巻締め効果を達成し得るのみ
ならず、積層管の周方向の補強効果も得ることができ
る。又、強化繊維として縦糸にガラス繊維及び横糸に炭
素繊維を使用した混織クロスからなるハイブリッドの繊
維強化プリプレグにてテープ部材1を構成した場合に
は、軽量で巻締め効果を達成し得るのみならず、積層管
の軸方向の剛性を向上せしめることができる。
【0032】更には、テープ部材として、金属箔/炭素
繊維混織テープ、炭素繊維クロステープ、更には、炭素
繊維編組を切開して作製されたテープなど、プリプレグ
の形態とされない種々のテープをも使用し得る。例えば
金属箔/炭素繊維混織テープを使用した場合には、巻締
め効果を達成し得るのみならず、積層管の軸方向及び周
方向の剛性を向上せしめ、又、特にゴルフクラブシャフ
トに対しては使用時に金属フィーリングをも与えること
ができる。更に、炭素繊維クロステープの場合には、巻
締め効果の他に積層管の軸方向及び周方向の剛性を向上
せしめ得る。炭素繊維編組を切開して作製されたテープ
をテープ部材1として使用した場合には、軽量化が達成
され、その上に捩り剛性も向上するという利点がある。
【0033】上記構成のテープ部材1が巻き付けられる
ことによって、マンドレル100上に巻き付けられて捲
れていた炭素繊維強化プリプレグ101の巻き終り端縁
部は、テープ部材にて外周に密着されると共に、緩みか
けていた炭素繊維強化プリプレグ自体も、マンドレル1
00上に再度締め込まれ、増締めが達成される。
【0034】次いで、このテープ部材を覆って、マンド
レル100上にストレート層102’を形成するべく、
炭素繊維が軸線方向に沿って一方向に配列されたプリプ
レグ102を所定枚数だけ巻き付け、その後、通常方法
に従って、この外周に耐熱テープを巻き付け、各プリプ
レグを増締めた後、加熱硬化する。
【0035】このようにして作製したゴルフクラブシャ
フトには、図7に示すような気泡(ボイド)Vの発生は
なく、又、アングル層101’に屈曲した部分Fも発生
せず、ゴルフクラブシャフトの捩り破壊強度、曲げ強
度、衝撃強度は所期のものが得られた。
【0036】上記実施例にて、ゴルフクラブシャフトの
内層は、図3に示す如き強化繊維が所定の角度(θ)に
て配列されたプリプレグ101を使用したアングル層1
01’であるとして説明したが、本発明の積層管の内層
としては、強化繊維と共に、アルミニウム、ステンレス
スチールなどの金属箔を有したプリプレグをも使用可能
である。
【0037】次に、本発明の積層管を実施例について更
に具体的に説明する。
【0038】実施例1 先端部の直径が7mm、元部の直径が15mm、長さ1
500mmのマンドレル100を用意した。このマンド
レル100に離型処理を施し、接着剤を塗布した後、内
層としての炭素繊維強化プリプレグ101を加圧しなが
ら巻き付けた。
【0039】炭素繊維強化プリプレグ101は、強化繊
維としては、繊維径が10.0μm、引張弾性率が70
ton/mm2 とされるピッチ系の炭素繊維(東燃株式
会社製:商品名「FORCA FT700」)を使用
し、マトリクス樹脂はエポキシ樹脂を使用した。このプ
リプレグ101は、図3に示す構成とされ、炭素繊維
が、マンドレル100の軸線に対して互に反対方向に角
度(θ)(θ=45°)だけ傾斜するように配列された
プリプレグを貼り合わせたものであり、マトリクス樹脂
の含有量は35重量%、FAWは110g/m2 、厚さ
は100μmであった。
【0040】一方、テープ部材1は、強化繊維としてガ
ラス繊維クロス(日東紡株式会社製:商品名「ガラスク
ロスWE03」(25g/m2 ))を使用し、マトリク
ス樹脂としてエポキシ樹脂を使用したガラス繊維強化プ
リプレグを、幅(W)10mmにスリットしたプリプレ
グテープであった。プリプレグテープ1のマトリクス樹
脂の含有量は28重量%、厚さは18μmであった。
【0041】このプリプレグテープ1をピッチ(P)5
mm、張力3kgにて、マンドレル100上の炭素繊維
強化プリプレグ101の外周に全長にわたって巻き付け
た。即ち、中間テープ層1’が実質的に2層形成され
た。
【0042】このとき、炭素繊維強化プリプレグ101
の巻き終り端縁部は、図6に示すように、プリプレグテ
ープ1を巻回する際に、マンドレル101に沿って配置
された2本のマンドレル受けローラR1 、R2 によって
加圧した。
【0043】次に、外層としての炭素繊維強化プリプレ
グ102を加圧しながら、前記プリプレグテープ1を覆
って、マンドレル100上に巻き付けた。
【0044】この炭素繊維強化プリプレグ102は、強
化繊維としては、繊維径が7.0μm、引張弾性率が2
4ton/mm2 とされるPAN系の炭素繊維(東レ株
式会社製:商品名「T700」)を使用し、マトリクス
樹脂はエポキシ樹脂を使用した。このプリプレグ102
は、図4に示す構成とされ、炭素繊維が、マンドレル1
00の軸線に対して平行に配列されたプリプレグであ
り、マトリクス樹脂の含有量は35重量%、FAWは1
25g/m2 、厚さは125μmであった。
【0045】次いで、マンドレル100上の炭素繊維強
化プリプレグ102の外周に、厚さ25μm、幅15m
mのポリエステル耐熱テープを2mmピッチ、張力4.
5kgにて巻き付け、各プリプレグを増締めた後、13
0℃、2時間加熱し硬化した。その後、マンドレルを分
離し、前記ポリエステル耐熱テープを除去した。
【0046】このようにして作製したゴルフクラブシャ
フトには、図7に示すような気泡(ボイド)Vの発生は
なく、又、アングル層101’に屈曲した部分Fも発生
しなかった。表1に、このゴルフクラブシャフトの捩り
破壊強度、曲げ強度、衝撃強度の試験結果を示す。
【0047】比較例1 実施例1において、マンドレル100上に炭素繊維強化
プリプレグ101を巻き付けた後、その外周にテープ部
材1を巻き付けることなく、炭素繊維強化プリプレグ1
02を巻き付けた以外は、実施例1と同じ材料及び方法
にてゴルフクラブシャフトを作製した。
【0048】このようにして作製したゴルフクラブシャ
フトには、図7に示すような気泡(ボイド)Vが発生
し、又、アングル層101’に屈曲した部分Fが発生
し、この部分の炭素繊維に糸切れが起こった。表1に、
このゴルフクラブシャフトの捩り破壊強度、曲げ強度、
衝撃強度の試験結果を示す。
【0049】実施例2 実施例1において、テープ部材1として、幅(W)10
mm、厚さ50μmの、一方向炭素繊維強化テーププリ
プレグを使用した以外は、実施例1と同じ材料及び方法
にてゴルフクラブシャフトを作製した。
【0050】このプリプレグテープ1は、強化繊維とし
て繊維径が7.0μm、引張弾性率が24ton/mm
2 とされるPAN系の炭素繊維(東レ株式会社製:商品
名「T700」)を使用し、マトリクス樹脂はエポキシ
樹脂を使用した。又、炭素繊維は、一方向に引き揃えて
配列され、マトリクス樹脂の含有量は35重量%、FA
Wは50g/m2 であった。
【0051】このようにして作製したゴルフクラブシャ
フトには、図7に示すような気泡(ボイド)Vの発生は
なく、又、アングル層101’に屈曲した部分Fも発生
しなかった。表1に、このゴルフクラブシャフトの捩り
破壊強度、曲げ強度、衝撃強度の試験結果を示す。
【0052】実施例3 実施例1において、内層101’を形成する炭素繊維強
化プリプレグ101にPAN系の高弾性炭素繊維を使用
した以外は実施例1と同じ材料及び方法にてゴルフクラ
ブシャフトを作製した。
【0053】つまり、炭素繊維強化プリプレグ101
は、強化繊維としては、繊維径が10.0μm、引張弾
性率が55ton/mm2 とされるPAN系の炭素繊維
(東レ株式会社製:商品名「トレカM55T」)を使用
し、マトリクス樹脂はエポキシ樹脂を使用した。マトリ
クス樹脂の含有量は35重量%、FAWは110g/m
2 、厚さは110μmであった。
【0054】このようにして作製したゴルフクラブシャ
フトには、図7に示すような気泡(ボイド)Vの発生は
なく、又、アングル層101’に屈曲した部分Fも発生
しなかった。表1に、このゴルフクラブシャフトの捩り
破壊強度、曲げ強度、衝撃強度の試験結果を示す。
【0055】比較例2 実施例4において、マンドレル100上に炭素繊維強化
プリプレグ101を巻き付けた後、その外周にテープ部
材1を巻き付けることなく、炭素繊維強化プリプレグ1
02を巻き付けた以外は、実施例4と同じ材料及び方法
にてゴルフクラブシャフトを作製した。
【0056】このようにして作製したゴルフクラブシャ
フトには、図7に示すような気泡(ボイド)Vが発生
し、又、アングル層101’に屈曲した部分Fが発生
し、この部分の炭素繊維に糸切れが起こった。表1に、
このゴルフクラブシャフトの捩り破壊強度、曲げ強度、
衝撃強度の試験結果を示す。
【0057】
【表1】
【0058】
【発明の効果】以上の如くに構成される本発明に係る積
層管は、所期通りの捩り破壊強度、曲げ強度、衝撃強度
などを発揮し、強度のバラツキを小さくし、折損防止な
ど所望の性能と安定した品質を達成することができ、例
えばゴルフクラブシャフト、釣り竿、スキーストック、
自転車フレーム、その他種々の用途に有効に使用し得る
という効果を有する。又、本発明の製造方法は、斯る積
層管を極めて好適に製造し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る積層管の基本構成を示す横断面図
である。
【図2】本発明に係る積層管の製造工程を説明する部分
縦断面図である。
【図3】積層管の一例であるゴルフクラブシャフトの製
造方法を説明する図である。
【図4】ゴルフクラブシャフトを製造するためのプリプ
レグを示す平面図である。
【図5】従来のゴルフクラブシャフトの横断面図であ
る。
【図6】積層管の製造工程を説明するための、マンドレ
ル及び関連部材の概略斜視図である。
【図7】従来の積層管の部分拡大断面図である。
【符号の説明】
1(1’) テープ部材(中間テープ層) 100 マンドレル 101’ 内層 102’ 外層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 23:22 4F 31:52 4F

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の繊維強化樹脂層にて形成される積
    層管において、強化繊維として高弾性率の繊維を使用し
    且つこの強化繊維が積層管の軸線方向に対して所定の角
    度(θ)だけ傾斜して配列された繊維強化樹脂層を内層
    として有し、この内層の外周に中間テープ層を配置し、
    更にその外側に繊維強化樹脂層を積層してなることを特
    徴とする積層管。
  2. 【請求項2】 複数の繊維強化樹脂層にて形成される積
    層管の製造方法において、(a)強化繊維として高弾性
    率の繊維を使用し且つこの強化繊維が積層管の軸線方向
    に対して所定の角度(θ)だけ傾斜して配列された繊維
    強化プリプレグをマンドレルに巻き付ける工程、(b)
    マンドレル上の前記繊維強化プリプレグの外周に、テー
    プ部材を所定の張力にて巻き付け、繊維強化プリプレグ
    を増締めする工程、(c)前記テープ部材を覆って、マ
    ンドレル上に更に繊維強化プリプレグを巻き付け、次い
    で、この外周に耐熱テープを巻き付ける工程、及び
    (d)各プリプレグを加熱硬化する工程、を有すること
    を特徴とする積層管の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014531346A (ja) * 2011-09-23 2014-11-27 ザ・ボーイング・カンパニーTheBoeing Company スタビライザトルクボックスアセンブリ及び方法
JP2015534912A (ja) * 2012-10-22 2015-12-07 アッシュ・ウー・エフ 複合材料で作られた自己潤滑性アーティキュレーション要素及び高い動的負荷の下での操作
JP2016159544A (ja) * 2015-03-03 2016-09-05 本田技研工業株式会社 軸状複合部材及びその製造方法

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