JPH08127662A - 複合ハイブリッドプリプレグ、複合樹脂管及び複合樹脂管の成形法 - Google Patents

複合ハイブリッドプリプレグ、複合樹脂管及び複合樹脂管の成形法

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JPH08127662A
JPH08127662A JP6289291A JP28929194A JPH08127662A JP H08127662 A JPH08127662 A JP H08127662A JP 6289291 A JP6289291 A JP 6289291A JP 28929194 A JP28929194 A JP 28929194A JP H08127662 A JPH08127662 A JP H08127662A
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JP
Japan
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prepreg
faw
composite
fiber
backing material
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Application number
JP6289291A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Inoue
寛 井上
Yoshiji Kobayashi
美司 小林
Yasutaka Ishida
安隆 石田
Mamoru Enomoto
守 榎本
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Tonen General Sekiyu KK
Original Assignee
Tonen Corp
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Publication date
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  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 軽量、高剛性及び高強度であるだけでなく、
成形物の偏肉及び反りを大幅になくし、皺の発生を防止
し、しかも成形物の重量増大を5%以下に抑えることの
できる、寸法精度のばらつきが極めて小さい複合樹脂管
を提供することであり、更には、このような複合樹脂管
を製造するための複合ハイブリッドプリプレグ及び複合
樹脂管の成形法を提供する。 【構成】 複合ハイブリッドプリプレグ1は、一方向に
配列した強化繊維にマトリクス樹脂を含浸した一方向繊
維強化プリプレグ2に裏打材4が一体に配置される。こ
の裏打材4は、繊維目付(FAWB )が20g/m2
下、横引張降伏強度が0.2〜2.0kg/15mmと
される、無機繊維若しくは有機繊維又はこれらの混合物
からなる織布又は不織布である。又、一方向繊維強化プ
リプレグ2の繊維目付(FAWP )と裏打材4の繊維目
付(FAWB )の比(FAWP /FAWB )は5以上と
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、印刷機のロール、産業
用資材の軸部材、ゴルフクラブシャフト、釣り竿、スキ
ーポールなどを製造するのに使用される軽量で、高剛
性、高強度で、しかも反りもなく、寸法精度のばらつき
が極めて小さい複合樹脂管に関し、更に、この複合樹脂
管を製造するための複合ハイブリッドプリプレグ及び複
合樹脂管の成形法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、印刷機のロールとか、産業用資
材の軸受け或いは軸といった軸部材、ゴルフクラブシャ
フト、釣り竿、スキーポールなどにおいては、軽量化が
望まれており、炭素繊維、その他の種々の強化繊維を使
用した複合樹脂管が、軽量で、しかも高弾性、高強度で
あるという理由から積極的に使用されている。更に、上
記用途に使用される複合樹脂管には、軽量、高弾性、高
強度のみならず、非常に高い寸法精度が要求される。
【0003】現在、このような複合樹脂管は、強化繊維
に樹脂を含浸して作製されたプリプレグを使用し、一般
に、ローリング成形法にて製造されている。このとき、
プリプレグとしては、成形された複合樹脂管の剛性を高
めるべく、0°方向に、即ち、管の長手方向軸線に対し
て平行に、繊維を配向した一方向繊維強化プリプレグを
使用することが頻繁に行なわれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな一方向繊維強化プリプレグをローリング成形法にて
マンドレルに所望層数だけ巻き付けるローリング時、更
には、このようにしてマンドレルに巻き付けられたプリ
プレグ積層体の外周にテーピングを施し、巻き締めを行
なうテープラップ時に発生する圧力のバラツキにより、
マンドレル上のプリプレグ積層体に偏肉が起き、その結
果、マンドレルから引抜かれた後の複合樹脂管の肉厚が
均一とならず、場合によっては反りが発生したりして、
寸法精度の悪い成形物となることがあった。
【0005】このような問題を解決するために、一方向
繊維強化プリプレグに、スクリムクロスを裏打ちした複
合ハイブリッドプリプレグを用いることもあるが、この
場合には、ローリング時或はテープラップ時における偏
肉は起こりにくいが、成形物に皺が入り易いという欠点
がある。又、成形物の重量も増大するといった問題を抱
えている。
【0006】従って、本発明の目的は、軽量、高剛性及
び高強度であるだけでなく、成形物の偏肉及び反りを大
幅になくし、皺の発生を防止し、しかも成形物の重量増
大を5%以下に抑えることのできる、寸法精度のばらつ
きが極めて小さい複合樹脂管を提供することであり、更
には、このような複合樹脂管を製造するための複合ハイ
ブリッドプリプレグ及び複合樹脂管の成形法を提供する
ことである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は本発明に係る
複合樹脂管、複合樹脂管を製造するための複合ハイブリ
ッドプリプレグ及び複合樹脂管の成形法にて達成され
る。要約すれば、本発明は、一方向に配列した強化繊維
にマトリクス樹脂を含浸した一方向繊維強化プリプレグ
に裏打材が一体に配置された複合ハイブリッドプリプレ
グにおいて、前記裏打材は、繊維目付(FAWB )が2
0g/m2 以下、横引張降伏強度が0.2〜2.0kg
/15mmとされる、無機繊維若しくは有機繊維又はこ
れらの混合物からなる織布又は不織布であり、前記一方
向繊維強化プリプレグの繊維目付(FAWP )と裏打材
の繊維目付(FAWB )の比(FAWP /FAWB )が
5以上であることを特徴とする複合ハイブリッドプリプ
レグである。
【0008】又、本発明の他の態様によれば、一方向に
配列した強化繊維にマトリクス樹脂を含浸した一方向繊
維強化プリプレグに裏打材が一体に配置された複合ハイ
ブリッドプリプレグ層であって、前記裏打材は、繊維目
付(FAWB )が20g/m2 以下、横引張降伏強度が
0.2〜2.0kg/15mmとされる、無機繊維若し
くは有機繊維又はこれらの混合物からなる織布又は不織
布であり、前記一方向繊維強化プリプレグの繊維目付
(FAWP )と裏打材の繊維目付(FAWB )の比(F
AWP /FAWB )が5以上である複合ハイブリッドプ
リプレグ層を有する複合樹脂管が提供される。
【0009】このような本発明の複合樹脂間は、(a)
一方向に配列した強化繊維にマトリクス樹脂を含浸した
一方向繊維強化プリプレグに裏打材が一体に配置された
複合ハイブリッドプリプレグであって、前記裏打材は、
繊維目付(FAWB )が20g/m2 以下、横引張降伏
強度が0.2〜2.0kg/15mmとされる、無機繊
維若しくは有機繊維又はこれらの混合物からなる織布又
は不織布であり、前記一方向繊維強化プリプレグの繊維
目付(FAWP )と裏打材の繊維目付(FAWB )の比
(FAWP /FAWB )が5以上である複合ハイブリッ
ドプリプレグを所定の形状に切り出し、ローリング成形
法にて所定層数マンドレルに巻き付け、プリプレグ積層
体を形成すること、(b)前記プリプレグ積層体の外周
にテーピングを施し、巻き締めを行なうこと、(c)次
いで、前記プリプレグ積層体を加熱して、硬化するこ
と、(d)マンドレルから前記硬化した管を取外すこ
と、及び(e)管外周からテープを取外し、必要に応じ
て表面を研摩すること、を特徴とする成形法、にて好適
に製造される。
【0010】
【実施例】先ず、本発明に係る複合樹脂管を製造するた
めの複合ハイブリッドプリプレグについて、図面を参照
して詳しく説明する。
【0011】図1(A)、(B)、(C)に本発明の複
合ハイブリッドプリプレグの実施例を示す。図1(A)
を参照すると、本発明の複合ハイブリッドプリプレグ1
は、一方向に配列した強化繊維にマトリクス樹脂を含浸
した一方向繊維強化プリプレグ2に、裏打材4を一体に
貼り合わせて構成される。
【0012】一方向繊維強化プリプレグ2は、当業者に
周知のものでよく、例えば、使用される強化繊維は、炭
素繊維、ガラス繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、炭化
珪素繊維、窒化珪素繊維などの無機繊維;アラミド繊
維、ポリアリレート繊維、ポリエチレン繊維などの有機
繊維;或は、チタン繊維、アモルファス繊維、ステンレ
ススチール繊維などの金属繊維などを1種使用しても良
く、或いは複数種をハイブリッドの形態にて使用するこ
ともできる。
【0013】マトリクス樹脂としては、エポキシ樹脂、
不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリル
フタレート樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂が
使用される。又、更に、所望の硬化温度を得るに適した
硬化剤その他の付与剤、例えば可撓性付与剤などが適当
に添加される。
【0014】好ましい一例を挙げれば、マトリクス樹脂
としてはエポキシ樹脂が好ましく、使用可能のエポキシ
樹脂としては、例えば、(1)グリシジルエーテル系エ
ポキシ樹脂(ビスフェノールA、F、S系エポキシ樹
脂、ノボラック系エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノール
A系エポキシ樹脂);(2)環式脂肪族エポキシ樹脂;
(3)グリシジルエステル系エポキシ樹脂;(4)グリ
シジルアミン系エポキシ樹脂;(5)複素環式エポキシ
樹脂;その他種々のエポキシ樹脂から選択される1種又
は複数種が使用され、特に、ビスフェノールA、F、S
グリシジルアミン系エポキシ樹脂が好適に使用される。
又、硬化剤としてはアミン系硬化剤、例えばジシアンジ
アミド(DICY)、ジアミノジフェニルスルフォン
(DDS)、ジアミノジフェニルメタン(DDM);酸
無水物系、例えばヘキサヒドロ無水フタル酸(HHP
A)、メチルへキサヒドロ無水フタル酸(MHHPA)
などが使用されるが、特にアミン系硬化剤が好適に使用
される。
【0015】又、一方向繊維強化プリプレグ2における
強化繊維とマトリクス樹脂の配合割合は任意に調整し得
るが、一般に、重量%で、強化繊維:マトリクス樹脂=
(40〜80):(20〜60)とされる。又、プリプ
レグ2の厚さは、通常30〜300μm程度とされるで
あろう。
【0016】上記裏打材4としては、繊維目付(FAW
B )が20g/m2 以下とされ、横引張降伏強度が0.
2〜2.0kg/15mmとされる織布又は不織布を使
用する。斯かる織布及び不織布の素材としては、上述し
たような、無機繊維若しくは有機繊維を使用することが
でき、又、これら無機繊維と有機繊維繊維の混合物とす
ることもできる。具体的には、ガラス繊維を素材とした
3軸組布及び抄紙、又は、ポリエステル繊維を素材とし
た3軸組布、抄紙、不織布などが、裏打材4として好ま
しい。裏打材4の横引張降伏強度とは、一方向繊維強化
プリプレグ2の強化繊維の配列方向に対して直交する方
向の引張降伏強度を意味する。
【0017】又、裏打材4の、目付、横引張強度が上記
範囲を外れた場合には、成形物における糸揺らぎ、皺、
反り及び偏肉が大となり、好ましくない。この点につい
ては後で更に詳しく説明する。
【0018】更に、本発明によれば、複合ハイブリッド
プリプレグ1を使用した成形物、即ち、複合樹脂管の重
量の増加を5%以下に抑えるために、前記一方向繊維強
化プリプレグの繊維目付(FAWP )と裏打材の繊維目
付(FAWB )の比(FAWP /FAWB )は5以上と
される。
【0019】本発明の複合ハイブリッドプリプレグ1
は、図1(A)に記載するように、当業者には周知の方
法で作製された、離型紙6に担持された一方向繊維強化
プリプレグ2に、離型紙6とは反対の面から裏打材4を
押圧し、プリプレグ2の表面に裏打材4を一体に貼着す
ることにより製造することができる。更に、図1(B)
に図示するように、一方向繊維強化プリプレグ2と同じ
プリプレグか、或は異なる繊維を使用した一方向繊維強
化プリプレグ、又は、強化繊維としてクロスなどを使用
したプリプレグ2’などを裏打材4の上に貼り合わせる
ことも可能である。
【0020】更には、図1(C)に図示するように、一
方向繊維強化プリプレグ2を製造する過程において、プ
リプレグ2に裏打材4を貼り合わせ、離型紙6などにて
裏打材側からプリプレグを担持することも可能である。
【0021】上記説明にて理解されるように、本発明の
複合ハイブリッドプリプレグ1は、既に製造されている
一方向繊維強化プリプレグ2に、裏打材4を貼り合わせ
ても良く、又、一方向繊維強化プリプレグ2の製造工程
にて、裏打材4をプリプレグ2に貼り合わせることもで
きる。場合によっては、プリプレグ2の一方向繊維と裏
打材4とを平行に供給し、マトリクス樹脂を両者に同時
に含浸させることにより、本発明の複合ハイブリッドプ
リプレグ1を製造することも可能である。
【0022】上述のような複合ハイブリッドプリプレグ
1を使用して本発明に従った複合樹脂管を製造すること
ができる。図2を参照すると、本発明の複合樹脂管10
は、複合ハイブリッドプリプレグ1を硬化することによ
って形成される複合ハイブリッドプリプレグ層1’を有
する。本実施例では、その内層として他のプリプレグ、
例えば±45°の角度に配向された強化繊維を有するバ
イアスプリプレグ8を硬化することによって形成される
バイアスプリプレグ層8’が配置されているがこれに限
定されるものではない。
【0023】次に、上記複合樹脂管10の成形法の一実
施例について説明すると、先ず、上記構成の複合ハイブ
リッドプリプレグ1を所定の形状に、所定枚数、切り出
し、当業者には周知のローリング成形法にてマンドレル
に巻き付ける。即ち、図3に例示するように、下板11
0の上にプリプレグ1が一部巻き付けられたマンドレル
100を配置し、次いで、上板120を降下して所定圧
力にてマンドレル100を押圧し、そして上板120を
下板110に対して移動させることによって、マンドレ
ル100にプリプレグ1を巻き付ける。本実施例におい
ては、プリプレグ1をマンドレルに巻き付ける前に、所
定の形状に所定枚数切り出されたバイアスプリプレグ8
が巻き付けられ、その後複合ハイブリッドプリプレグ1
が巻き付けられる。これによって、マンドレル上に所定
層数からなるプリプレグ積層体が形成される。
【0024】次いで、このプリプレグ積層体は、巻き締
めのために、その周面に所定の張力下にて螺旋状にテー
プが巻き付けられる。斯るテーピング用のテープとして
は、通常使用されるポリプロピレンテープなどを使用す
ることができる。
【0025】次いで、本発明によれば、前記プリプレグ
積層体は、硬化炉内へと装入され、硬化される。マンド
レルから硬化した管を取外し、管外周からテープを取外
し、必要に応じて表面が研摩され、所定寸法の複合樹脂
管10とされる。
【0026】次に、本発明に係る複合ハイブリッドプリ
プレグ1及びこのプリプレグ1にて成形される複合樹脂
管10について実施例について更に詳しく説明する。
【0027】実施例1 強化繊維として引張強度24tonの高強度炭素繊維を
使用し、そしてマトリクス樹脂としてはエポキシ樹脂を
使用して、繊維目付250g/m2 、樹脂含量35重量
%、総目付384g/m2 の一方向繊維強化プリプレグ
を作製した。この離型紙に担持された一方向繊維強化プ
リプレグの表面に、繊維目付11g/m2 、総目付15
g/m2 、縦引張強度2.7kg/15mm、横引張降
伏強度1.6kg/15mmのガラス繊維3軸組布(商
品名「KT−228A」:日東紡製)とされる裏打材を
加熱ロールでラミネートして、図1(A)に示す構成の
複合ハイブリッドプリプレグ1を製造した。加熱ロール
の温度は50℃であり、ラミネート時の押圧力(ゲージ
圧)は3kg/cm2 であった。
【0028】更に、強化繊維として引張強度24ton
の高強度炭素繊維を使用し、そしてマトリクス樹脂とし
てはエポキシ樹脂を使用して、繊維目付125g/m
2 、樹脂含量35重量%、総目付193g/m2 の一方
向繊維強化プリプレグを作製し、このプリプレグを±4
5°に積層してバイアスプリプレグ8を準備した。
【0029】先ず、上記バイアスプリプレグ8を、外径
20mm、長さ1mのマンドレル100の外周に4層巻
き付け、内層とし、次に、この内層の外側に、上記複合
ハイブリッドプリプレグ1を4層巻き付け、外層とし
た。内層及び外層の積層作業は、通常用いられるローリ
ング成形機を用い、通常のローリング成形条件にて行な
った。
【0030】このようにして形成されたプリプレグ積層
体は、次いで、その表面を2軸延伸ポリプロピレンテー
プにてラッピングし、130℃の硬化炉に1.5時間投
入した。これによってプリプレグ積層体は、硬化した。
硬化した成形物を冷却後、芯材であるマンドレル100
を脱芯し、被覆テープを除去し、表面にテープの紋様の
ある成形物を得た。
【0031】得られた成形物をセンタレス研磨機にてテ
ープの紋様が取れる程度に軽く研磨した。
【0032】このようにして、成形物を100本成形
し、得られた成形物の両端を10mmづつ切り落とし、
内径20mm、外径24mm、長さ800mmの、図2
に示すような炭素繊維強化複合樹脂管10を100本得
た。得られた複合樹脂管10の重量、外径、皺、反り及
び断面検査による偏肉の検査を行なった。その結果が表
1に示される。
【0033】
【表1】
【0034】実施例2〜16 一方向繊維強化プリプレグ2及び裏打材4を種々に変更
して、実施例1と同じ成形法にて、内径20mm、外径
24mm、長さ780mmの複合樹脂管10を、各実施
例とも100本づつ作製した。各実施例にて得られた複
合樹脂管10の重量、外径、皺、反り及び断面検査によ
る偏肉の検査を行なった。その結果が表1に示される。
【0035】比較例1 裏打材4として、繊維目付25g/m2 、総目付27g
/m2 、縦引張強度4.0kg/15mm、横引張降伏
強度4.0kg/15mmのガラス繊維平織スクリム
(商品名「KS−1020」:カネボー製)を使用した
以外は、実施例1と同じ一方向繊維強化プリプレグ2を
使用して複合ハイブリッドプリプレグ1を作製し、実施
例1と同じ成形法にて、内径20mm、外径24mm、
長さ780mmの複合樹脂管10を、100本作製し
た。比較例1にて得られた複合樹脂管10の重量、外
径、皺、反り及び断面検査による偏肉の検査を行なっ
た。その結果が表1に示される。
【0036】比較例2 裏打材4として、繊維目付40g/m2 、総目付43g
/m2 、縦引張強度2.2kg/15mm、横引張降伏
強度1.5kg/15mmのガラス繊維抄紙(商品名
「GMN−40」:本州製紙製)を使用した以外は、実
施例1と同じ一方向繊維強化プリプレグ2を使用して複
合ハイブリッドプリプレグ1を作製し、実施例1と同じ
成形法にて、内径20mm、外径24mm、長さ780
mmの複合樹脂管10を、100本作製した。比較例2
にて得られた複合樹脂管10の重量、外径、皺、反り及
び断面検査による偏肉の検査を行なった。その結果が表
1に示される。
【0037】比較例3 裏打材4として、繊維目付15g/m2 、総目付16g
/m2 、縦引張強度0.5kg/15mm、横引張降伏
強度0.1kg/15mmのガラス繊維抄紙(商品名
「GMN−15」:本州製紙製)を使用した以外は、実
施例1と同じ一方向繊維強化プリプレグ2を使用して複
合ハイブリッドプリプレグ1を作製し、実施例1と同じ
成形法にて、内径20mm、外径24mm、長さ780
mmの複合樹脂管10を、100本作製した。比較例3
にて得られた複合樹脂管10の重量、外径、皺、反り及
び断面検査による偏肉の検査を行なった。その結果が表
1に示される。
【0038】比較例4 実施例1と同様に、強化繊維として引張強度24ton
の高強度炭素繊維を使用し、そしてマトリクス樹脂とし
てはエポキシ樹脂を使用して、繊維目付250g/m
2 、樹脂含量35重量%、総目付384g/m2 の一方
向繊維強化プリプレグ2を作製した。そして、裏打材4
をラミネートすることなく、この一方向繊維強化プリプ
レグ2を、実施例1で用いた複合ハイブリッドプリプレ
グ1の代わりに用いて、実施例1と全く同様の方法で内
径20mm、外径24mm、長さ780mmの複合樹脂
管10を100本作製した。得られた複合樹脂管10の
重量、外径、皺、反り及び断面検査による偏肉の検査を
行なった。その結果が表1に示される。
【0039】比較例5 実施例1と同様にして、強化繊維として引張強度40t
onの高強度炭素繊維を使用し、そしてマトリクス樹脂
としてはエポキシ樹脂を使用して、繊維目付125g/
2 、樹脂含量35重量%、総目付193g/m2 の一
方向繊維強化プリプレグ2を作製した。そして、裏打材
をラミネートすることなく、この一方向繊維強化プリプ
レグ2を、実施例1で用いた複合ハイブリッドプリプレ
グ1の代わりに用いて、実施例1と全く同様の方法で内
径20mm、外径24mm、長さ780mmの複合樹脂
管を100本作製した。得られた複合樹脂管10の重
量、外径、皺、反り及び断面検査による偏肉の検査を行
なった。その結果が表1に示される。
【0040】比較例6 実施例1と同様に、強化繊維として引張強度24ton
の高強度炭素繊維を使用し、そしてマトリクス樹脂とし
てはエポキシ樹脂を使用して、繊維目付75g/m2
樹脂含量35重量%、総目付116g/m2 の一方向繊
維強化プリプレグ2を作製した以外は、実施例1と同じ
裏打材4を使用して複合ハイブリッドプリプレグ1を作
製し、実施例1と同じ成形法にて、内径20mm、外径
24mm、長さ780mmの複合樹脂管10を、100
本作製した。比較例6にて得られた複合樹脂管10の重
量、外径、皺、反り及び断面検査による偏肉の検査を行
なった。その結果が表1に示される。
【0041】表1より、本発明に従って、軽量、高剛性
及び高強度であるだけでなく、成形物の偏肉及び反りを
大幅になくし、皺の発生を防止し、しかも成形物の重量
増大を5%以下に抑え、寸法精度のばらつきが極めて小
さい複合樹脂管を得るには、 (1)裏打材4は、繊維目付が20g/m2 以下、横引
張降伏強度が0.2〜2.0kg/15mmであること
(比較例1〜3)。 (2)裏打材は、ガラス繊維或はポリエステル繊維など
からなる織布及び不織布であること(実施例)。 (3)一方向繊維強化プリプレグの繊維目付(FAW
P )と裏打材の繊維目付(FAWB )の比(FAWP
FAWB )が5以上であること(比較例6)。が理解さ
れる。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る複合
ハイブリッドプリプレグは、一方向に配列した強化繊維
にマトリクス樹脂を含浸した一方向繊維強化プリプレグ
に裏打材が一体に設けられ、前記裏打材は、繊維目付
(FAWB )が20g/m2 以下、横引張降伏強度が
0.2〜2.0kg/15mmとされる、無機繊維若し
くは有機繊維又はこれらの混合物からなる織布又は不織
布であり、前記一方向繊維強化プリプレグの繊維目付
(FAWP )と裏打材の繊維目付(FAWB )の比(F
AWP /FAWB )が5以上とされるので、この複合ハ
イブリッドプリプレグを使用して成形した複合樹脂管
は、軽量、高剛性及び高強度であるだけでなく、成形物
の偏肉及び反りを大幅になくし、皺の発生を防止し、し
かも成形物の重量増大を5%以下に抑えることができ、
寸法精度のばらつきが極めて小さい、という特長を有す
る。
【0043】又、本発明の成形法によれば、上記複合樹
脂管が効率よく製造される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る複合ハイブリッドプリプレグの構
成を示す図である。
【図2】本発明に係る複合樹脂管の一実施例の構成を示
す断面図である。
【図3】ローリングの成形法の概略を説明する斜視図で
ある。
【符号の説明】
1 複合ハイブリッドプリプレグ 2 一方向繊維強化プリプレグ 4 裏打材 6 離型紙 10 複合樹脂管 100 マンドレル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 17/04 Z // B29K 105:08 B29L 23:00 (72)発明者 榎本 守 埼玉県入間郡大井町西鶴ケ岡1−3−1 東燃株式会社総合研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方向に配列した強化繊維にマトリクス
    樹脂を含浸した一方向繊維強化プリプレグに裏打材が一
    体に設けられた複合ハイブリッドプリプレグにおいて、
    前記裏打材は、繊維目付(FAWB )が20g/m2
    下、横引張降伏強度が0.2〜2.0kg/15mmと
    される、無機繊維若しくは有機繊維又はこれらの混合物
    からなる織布又は不織布であり、前記一方向繊維強化プ
    リプレグの繊維目付(FAWP )と裏打材の繊維目付
    (FAWB )の比(FAWP /FAWB )が5以上であ
    ることを特徴とする複合ハイブリッドプリプレグ。
  2. 【請求項2】 一方向に配列した強化繊維にマトリクス
    樹脂を含浸した一方向繊維強化プリプレグに裏打材が一
    体に設けられた複合ハイブリッドプリプレグ層であっ
    て、前記裏打材は、繊維目付(FAWB )が20g/m
    2 以下、横引張降伏強度が0.2〜2.0kg/15m
    mとされる、無機繊維若しくは有機繊維又はこれらの混
    合物からなる織布又は不織布であり、前記一方向繊維強
    化プリプレグの繊維目付(FAWP )と裏打材の繊維目
    付(FAWB )の比(FAWP /FAWB )が5以上で
    ある複合ハイブリッドプリプレグ層を有する複合樹脂
    管。
  3. 【請求項3】 (a)一方向に配列した強化繊維にマト
    リクス樹脂を含浸した一方向繊維強化プリプレグに裏打
    材が一体に設けられた複合ハイブリッドプリプレグであ
    って、前記裏打材は、繊維目付(FAWB )が20g/
    2 以下、横引張降伏強度が0.2〜2.0kg/15
    mmとされる、無機繊維若しくは有機繊維又はこれらの
    混合物からなる織布又は不織布であり、前記一方向繊維
    強化プリプレグの繊維目付(FAWP )と裏打材の繊維
    目付(FAWB )の比(FAWP /FAWB )が5以上
    である複合ハイブリッドプリプレグを所定の形状に切り
    出し、ローリング成形法にて所定層数マンドレルに巻き
    付け、プリプレグ積層体を形成すること、(b)前記プ
    リプレグ積層体の外周にテーピングを施し、巻き締めを
    行なうこと、(c)次いで、前記プリプレグ積層体を加
    熱して、硬化すること、(d)マンドレルから前記硬化
    した管を取外すこと、及び(e)管外周からテープを取
    外し、必要に応じて表面を研摩すること、を特徴とする
    複合樹脂管の成形法。
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