JPH10272699A - 繊維強化樹脂管状体の製造方法 - Google Patents

繊維強化樹脂管状体の製造方法

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JPH10272699A
JPH10272699A JP9081566A JP8156697A JPH10272699A JP H10272699 A JPH10272699 A JP H10272699A JP 9081566 A JP9081566 A JP 9081566A JP 8156697 A JP8156697 A JP 8156697A JP H10272699 A JPH10272699 A JP H10272699A
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JP
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fiber
prepreg
tubular body
layer
resin
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JP9081566A
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Hiroyuki Takagishi
宏至 高岸
Fumio Ono
二三男 小野
Shinya Fujioka
信也 藤岡
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】強度ばらつきの少ない物性の優れた、低樹脂含
有率の軽量高強度の繊維強化樹脂管状体を提供する。 【解決手段】マンドレルに、強化繊維とマトリックス樹
脂からなり、かつ、マトリックス樹脂の含有率が13〜
27重量%であるプリプレグを巻き付け、その上に、マ
トリックス樹脂に対して易剥離性を有する熱収縮性フィ
ルムからなる第1の層と、その第1の層よりも高いヤン
グ率を有する熱収縮性フィルムからなる第2の層との層
状構成を有する、厚さ10〜30μのFRP成形用ラッ
ピングテープを、該ラッピングテープを構成する前記第
1の層がプリプレグ側になるように巻き付け、樹脂フロ
ー率0.1重量%以下となるよう成形して、ボイド含有
率が0.1%以下の繊維強化樹脂管状体を得ることを特
徴とする繊維強化樹脂管状体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維強化樹脂管状
体に関する。さらに詳しくは、強度ばらつきの少ない、
物性の優れた、低樹脂含有率の軽量高強度の繊維強化樹
脂管状体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】繊維強化プリプレグは、ゴルフシャフ
ト、釣竿、バトミントンシャフトやテニスラケットのフ
レームなどの成形品の中間素材として、スポーツ、レジ
ャー用途に広く利用されるようになってきている。近
年、ゴルフシャフト、釣竿などでさらに軽量化するため
に樹脂含有率の低い繊維強化プリプレグが開発されてき
ている。
【0003】繊維強化プリプレグを使用して、管状体成
形物を作る際にはプリプレグを積層し、マンドレルに張
り付け、重ね巻きして加熱硬化させ目的の成形品を得
る。
【0004】その加熱硬化させる際にプリプレグの外側
にラッピングテープを巻き付け、プリプレグがマンドレ
ルから剥離しないようにプリプレグを固定するととも
に、テープの熱収縮性を利用してプリプレグに成形圧力
を付与する。
【0005】従来ラッピングテープとしては、ポリエス
テルフィルム(たとえば二軸配向ポリエチレンテレフタ
レートフィルム)やポリプロピレンフィルム(たとえば
一軸配向あるいは二軸配向ポリプロピレンフィルム)が
使用されている。
【0006】ポリエステルフィルムからなるラッピング
テープの場合、ラッピングテープに必要な強度が容易に
得られ、かつ樹脂の加熱・硬化時に自身の熱収縮応力に
よりプリプレグに高い成形圧力を付与することが可能で
あるものの、樹脂(熱硬化性樹脂)に対する剥離性が悪
いため、通常、離型剤で表面処理(例えばシリコーン塗
布)したものが用いられる。この離型剤はラッピングテ
ープ除去後も成形物表面に残るので、そのままでは表面
塗装をはじいてしまう。そのため成形物表面を研磨し、
離型剤を除去して使用せざるを得ない。
【0007】一方ポリプロピレンフィルムからなるラッ
ピングテープの場合、熱硬化性樹脂に対する剥離性が良
いため、表面を離型剤処理しなくてもラッピングテープ
として使用できるものの、ポリエステルフィルム等に比
べ強度が低いので、ラッピングテープに必要な強度をも
たせるためには比較的厚手のフィルムを使用したり、2
重巻きにして使用している。
【0008】しかしながら軽量化のために用いる樹脂含
有率の低い繊維強化プリプレグを用いて管状体成形物を
得る場合は、表面樹脂が少ないために管状体成形物表面
に繊維が露出していたり、またプリプレグ自体にボイド
が存在するので、上記ラッピングテープを使用すると、
ポリエステルフィルムからなるラッピングテープの場合
は、管状体成形物表面を研磨するので、繊維が研磨され
切断されてしまうため管状体成形物の強度が低下すると
いう問題がある。また、ポリプロピレンフィルムからな
るラッピングテープの場合、熱収縮率を比較的高く設定
できるものの、発生した熱収縮応力は応力緩和により熱
収縮後に急激に低下するので、高い成形圧力を保持する
ことが出来ないので、管状体成形物内にボイドが残って
しまい、管状体成形物の強度が低下するという問題が出
る。また高い成形圧力を得るために厚手のフィルムを使
用すると、ラッピングテープはプリプレグ上にテレスコ
ープ状に巻き付けられるので、該ラッピングテープによ
り管状体成形物表面には大きな段差が形成される。この
成形の際、繊維が曲げられ、また高弾性率の糸の場合、
切断されたりするし、管状体成形物表面の段差を取るた
めに表面を研磨するので、繊維が研磨され切断されてし
まい、管状体成形物の強度が低下するという問題が出
る。また、樹脂を0.1重量%より多く管状体成形物か
らフローさせた場合はプリプレグ内のボイドがなくなら
ずに残ってしまい、管状体成形物の強度が低下するとい
う問題が出る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点
に鑑みてなされたもので、成形体に実質的にボイドのな
い、強度が高く軽量化された管状体成形物を提供するこ
とを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達
成するために次の構成を有する。すなわち、マンドレル
に、強化繊維とマトリックス樹脂からなり、かつ、マト
リックス樹脂の含有率が13〜27重量%であるプリプ
レグを巻き付け、その上に、マトリックス樹脂に対して
易剥離性を有する熱収縮性フィルムからなる第1の層
と、その第1の層よりも高いヤング率を有する熱収縮性
フィルムからなる第2の層との層状構成を有する、厚さ
10〜30μのFRP成形用ラッピングテープを、該ラ
ッピングテープを構成する前記第1の層がプリプレグ側
になるように巻き付け、樹脂フロー率0.1重量%以下
となるよう成形して、ボイド含有率が0.1%以下の繊
維強化樹脂管状体を得ることを特徴とする繊維強化樹脂
管状体の製造方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明においては、強化繊維とマ
トリックス樹脂からなり、かつ、マトリックス樹脂の含
有率が13〜27重量%であるプリプレグを用いる。
【0012】強化繊維としては、ガラス繊維、アラミド
繊維、金属繊維、炭素繊維などを例示できるが、成形品
となした場合に、特に優れた機械的特性と軽量下効果を
示すので炭素繊維や黒鉛繊維を用いることが好ましい。
炭素繊維や黒鉛繊維としては、ポリアクリロニトリル系
やピッチ系などの炭素繊維や黒鉛繊維を用いることがで
きる。
【0013】また、マトリックス樹脂としては、熱可塑
性樹脂や熱硬化性樹脂が用いられるが好適にはエポキシ
樹脂が使用できる。エポキシ樹脂としては、例えばビス
フェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型
エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、
グリシジルアミン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹
脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、ブロム化ビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂など各種のエポキシ樹脂を使用する
ことができる。これらのエポキシ樹脂は、単独または2
種類以上を併用して使用することができ、さらには液状
のものから固体状のものまで使用することができる。通
常、エポキシ樹脂には硬化剤が加えられている一液硬化
型のものが用いられることが多い。硬化剤としては特に
限定されるものではないが保存性の面で潜在型の硬化剤
が好ましい。潜在型の硬化剤の例としてはジシアンジア
ミド等のグアニジン系のものが好適に使用される。
【0014】本発明において使用するプリプレグとして
は、繊維樹脂シートが多数積層された多層構成のプリプ
レグであり、少なくとも、繊維目付が50〜300g/
2、樹脂含有率が13〜27重量%である繊維樹脂シ
ート(A層)と、繊維目付が5〜50g/m2 、樹脂含
有率が17〜33重量%である繊維樹脂シート(B層)
を有し、A層とB層とが88〜90度の範囲の角度で交
差するよう積層されているプリプレグが通常用いられ
る。好ましくは、A層とB層の2層構造であるのがよ
い。
【0015】A層の繊維樹脂シートの繊維目付は50〜
300g/m2 、好ましくは80〜250g/m2 、さ
らに好ましくは100〜200g/m2 であり、その樹
脂含有率は13〜27重量%、好ましくは15〜25重
量%、さらに好ましくは17〜23重量%の範囲のもの
である。A層での繊維目付が50g/m2 未満では管状
体の軸方向に必要量の繊維を提供するためには多数回巻
き付けなければならず、円周方向に使用するプリプレグ
の量が増えて成形体の重量が増し好ましくない。A層で
の繊維目付が300g/m2 を越える場合にはプリプレ
グの製造の際に繊維量が多すぎて樹脂の含浸斑が起き、
良好な品質、品位のプリプレグとすることが困難であ
る。またA層での樹脂含有率が13重量%未満では樹脂
量が少なすぎて良好な品質、品位のプリプレグとするこ
とができず、27重量%を越える場合には本来の目的で
ある成形体の軽量化が達成できない。B層に用いる繊維
樹脂シートの繊維目付は5〜50g/m2 、好ましくは
7〜45g/m2 、さらに好ましくは10〜40g/m
2 であり、その樹脂含有率は17〜33重量%、好まし
くは20〜32重量%、さらに好ましくは27〜30重
量%の範囲のものである。繊維目付が5g/m2 未満で
は管状体の円周方向に必要量の繊維を提供するためには
多数回巻き付けなければならず、軸方向に使用するプリ
プレグの量が増えて成形体の重量が増し好ましくない。
50g/m2 を越える場合には繊維量が多すぎて樹脂の
含浸斑が起き、良好な品質、品位のプリプレグとするこ
とが困難である。またA層での樹脂含有率が17重量%
未満では樹脂量が少なすぎて良好な品質、品位のプリプ
レグとすることができず、また第1層と積層貼着が出来
なくなる。A層での樹脂含有率が33重量%を越える場
合には本来の目的である成形体の軽量化が達成できな
い。
【0016】また、本発明における強化繊維としては、
その繊維束が一方向に引き揃えられたものの他、織物、
マットなどの形態をとり得るが、プリプレグの樹脂含有
量を低いものとするためには、繊維束が一方向に引き揃
えられたものを用いることが好ましい。かかる場合に、
繊維束の幅と厚みの比は5〜200、好ましくは8〜1
50、さらに好ましくは10〜120の範囲とすること
が好ましい。かかる比が5未満ではプリプレグ化する工
程で繊維束が拡がりにくく、得られるプリプレグに割れ
が発生したり、マトリックス樹脂が繊維束の内部にまで
含浸しにくい場合がある。一方、繊維束の幅と厚みの比
が200を超える繊維束は実際上得ることが困難である
場合もある。ここで、繊維束の幅D(mm)は実測によ
り得られるものであり、繊維束の厚みt(mm)は次式
で求められる値である。
【0017】t=(f×d)/(D/d) ここで、fは繊維束のフィラメント数、d(mm)は単
繊維径を表す。
【0018】本発明に使用するFRP成形用ラッピング
テープは少なくとも2種の材料による2層以上の層構造
を有し、マトリックス樹脂に対して易剥離性を有する熱
収縮性フィルムからなる第1の層とその第1の層よりも
高いヤング率を有する熱収縮性フィルムからなる第2の
層と層状構成を有する厚さが10〜30μのFRP成形
用ラッピングテープである。
【0019】本発明では、マンドレルに、上記のような
プリプレグを巻付け、その上にFRP成形用熱収縮性ラ
ッピングテープを巻付け、加熱して成形するにあたり、
該ラッピングテープの第1の層がプリプレグ側になるよ
うに巻付ける。
【0020】ラッピングテープを構成する第1の層は、
マトリックス樹脂に対して易剥離性を有する熱収縮性フ
ィルムからなる。ここで易剥離性とは、離型剤なしで加
熱成形後に熱硬化性樹脂から容易に剥離できる性質のこ
とを言う。従ってこの面をプリプレグ側の面とすること
により、基本的に離型剤なしで、樹脂の加熱・硬化後に
ラッピングテープを除去できることになる。
【0021】ラッピングテープを構成する第2の層は、
第1の層よりも高いヤング率(テープ長手方向のヤング
率)を有する熱収縮性フィルムからなり、このフィルム
層によってラッピングテープ全体の厚さが比較的薄くて
も、該プリプレグ用ラッピングテープとして必要な、充
分に高い強度をラッピングテープにもたせることができ
る。これによって、充分に高い成形圧力の付与も可能に
なる。
【0022】また、前記第1の層の熱収縮率(熱収縮
性)と前記第2の層の熱収縮率とが異なるフィルムを積
層したラッピングテープとすることにより、トータル厚
さが上記積層フィルムと同じかそれよりも大きい、いず
れか一方のフィルム層単層の場合よりも、高い熱収縮応
力が得られる。従って、薄手のラッピングテープであり
ながら、充分に高い熱収縮応力が得られ、成形硬化時の
テープによる締め付け圧力(成形圧力)を上げて、前記
プリプレグのような樹脂含有量の少ないプリプレグで
も、ボイドの少ない、ばらつきのない良好な品質の高強
度の管状体成形物を得られる。
【0023】このようなラッピングテープは、たとえば
上記第1の層をポリオレフィン系フィルム(たとえばポ
リプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム)とし、
第2の層をポリエステル系フィルム(たとえばポリエチ
レンテレフタレートフィルム)とし、これらを積層する
ことによって構成される。使用に際しては、ポリオレフ
ィンフィルム層をプリプレグ側巻付け面とする。ポリオ
レフィン系フィルムは、マトリックス樹脂となる熱硬化
性樹脂に対し、元々良好な剥離性を持っているので、離
型剤処理なしであっても、樹脂の加熱・硬化後に容易に
剥離される。また、ポリエステル系フィルムは、ポリオ
レフィン系フィルムに比べ高いヤング率で高い強度を有
するので、ラッピングテープに必要な強度が主としてこ
のフィルム層で受け持たれる。
【0024】フィルム層の積層方法については、特に限
定されず、たとえば上記ポリオレフィン系フィルム層、
ポリエステル系フィルム層として、既に製膜された市販
品を用いる場合には、両者をウレタン系接着剤等を介し
て積層、接合できる。また、第1の層と第2の層を、共
押出しやラミネートで積層し、その後に所定延伸条件に
て製膜するようにしてもよい。さらに、各フィルム層と
しては、一軸配向(一軸延伸)フィルム、二軸配向(二
軸延伸)フィルム共に使用可能であるが、強度厚さ精度
等の面から、共に二軸配向フィルムであることが好まし
い。
【0025】なお、前記ラッピングテープの各フィルム
層は、上記ポリオレフィン系フィルムやポリエステル系
フィルムに限らず、他の樹脂フィルムであっても良い。
たとえば強度を持たせるためのフィルム層には、ポリア
ラミド系やポリフェニレンサルファイド系のフィルムを
用いることが可能である。また、各フィルム層の厚さに
ついては、ラッピングテープ全体の厚さが30μ以下で
ないと管状体成形物表面に段差がつくことから、剥離性
を有する第1の層は5μ程度、強度を持たせるための第
2の層は5〜25μ程度が好ましい。実用的にはラッピ
ングテープ全体の厚さが10〜30μ程度のものが好適
に使用できる。
【0026】本発明では、前記プリプレグを用い、前記
ラッピングテープを使用して成形したときの樹脂フロー
率を0.1重量%以下とし、ボイド含有率が0.1%以
下の繊維強化樹脂管状体を得る。ここで言うボイド含有
率とは繊維強化樹脂管状体の断面を観察したときの断面
積に占めるボイド部分の面積の割合である。樹脂フロー
率が0.1重量%を越える場合は、樹脂が流れ出ること
で、ラッピングテープの成形圧力が低下して、繊維強化
樹脂管状体内のボイド含有率が0.1%を越えてしま
い、強度低下を招くので好ましくない。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに具体的
に説明する。なお、本実施例中のプリプレグの評価法は
次の通りである。
【0028】(1)4点曲げ測定方法 図1に示すように、長さ850mm、内径15mmφの
円筒資料1を使用し、支点2間距離L=750mm、圧
子3間距離l=200mmとし、負荷速度は5mm/分
で測定した。円筒の曲げ強さは以下の式で算出した。
【0029】 曲げ強さ=最大曲げモーメント(M)/断面係数(Z) M=曲げ荷重×(L−l)/4) Z=π/32×(円筒外径4 −円筒内径4 )/外径 (実施例1)エピコート828およびエピコート100
1(ビスフェノールAグリシジルエーテル(エポキシ当
量189):油化シェル・エポキシ(株)製)100重
量部とジシアンジアミド5重量部および3(3、4−ジ
クロロフェニル)−1、1−ジメチル尿素5重量部とを
均一に混合し、一液硬化エポキシ樹脂組成物を得た。こ
の一液硬化エポキシ樹脂組成物を離型紙にコーティング
して、樹脂フィルムを作製する。この樹脂フィルムの長
手方向と大略平行に、均一な張力で、繊維束の幅と厚み
の比が20である“トレカ”M60JB−6Kの炭素繊
維束を引き揃えた後、ホットローラ間に通し含浸させる
と同時にBステージ化して幅600mmの繊維目付12
5g/m2 、樹脂含有率19重量%のA層用の炭素繊維
強化プリプレグを作製した。同様な方法で“トレカ”M
40JB−3Kの炭素繊維束を用い繊維目付30g/m
2 、樹脂含有率30重量%のB層用の炭素繊維強化プリ
プレグを作製した。このA層とB層を90度の角度で交
差するように積層し、直径20cmの金属ロールとゴム
ロールで挟み、線圧1kg/cm、金属ロール加熱温度
60℃でロール掛けし貼着して繊維強化樹脂管状体成形
用プリプレグを得た。直径15mm、長さ1mのマンド
レルにA層を下向きにして2回巻き付け、その上に第1
の層として厚さ5μの二軸配向ポリプロピレンフィルム
と、第2の層として厚さ10μの二軸配向ポリエチレン
テレフタレートフィルムとをウレタン系接着剤を介して
接合した、積層フィルム構成を有する、幅15mmのラ
ッピングテープを張力4kg、2mmピッチで巻き付け
固定し、硬化炉で130℃の温度で加熱硬化させ、管状
体を得た。樹脂フローはなかった。管状体を4点曲げテ
ストをしたところ破壊強度60kgf/mm2 であっ
た。断面を観察するとボイドの存在は認められなかっ
た。
【0030】(実施例2)第1の層のプリプレグの炭素
繊維束を“トレカ”M55JB−6Kとし樹脂含有率を
22重量%とした以外は、実施例1と同様にしてプリプ
レグを作製し管状体を成形した。樹脂フローは0.03
重量%であった。管状体を4点曲げテストをしたところ
破壊強度65kgf/mm2 であった。断面を観察する
とボイドの存在は認められなかった。
【0031】(比較例1)ラッピングテープを厚さ25
μの二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムとし
た以外は、実施例1と同様にして管状体を作製した。樹
脂フローはなかった。得られた管状体を塗装可能な状態
にするためにアリゲーター研磨機にかけ表面を研磨した
ところ、黒い研磨粉が発生し、炭素繊維層が削れてい
た。この管状体を4点曲げテストをしたところ破壊強度
50kgf/mm2 と17%の強度低下があった。断面
を観察するとボイドの存在は認められなかった。
【0032】(比較例2)ラッピングテープを厚さ50
μの二軸配向ポリプロピレンフィルムとし、張力6Kg
で巻き付けた以外は、実施例1と同様にして管状体を作
製した。樹脂フローは0.1重量%であった。得られた
管状体の表面にはラッピングテープによる大きな凹凸が
できたので平滑にするためセンタレス研磨機で研磨した
ところ炭素繊維層が削れていた。この管状体を4点曲げ
テストをしたところ破壊強度45kgf/mm2 と25
%の強度低下があった。また破断面を観察すると断面に
ボイドが5%存在していた。
【0033】(比較例3)ラッピングテープを厚さ30
μの一軸配向ポリプロピレンフィルムとし、張力5Kg
で2重に巻き付けた以外は、実施例2と同様にして管状
体を作製した。樹脂フローは0.2重量%であった。得
られた管状体の表面にはラッピングテープによる大きな
食い込み状の凹凸ができ、製品にならなかった。
【0034】(比較例4)ラッピングテープを厚さ30
μの二軸配向ポリプロピレンフィルムとし、張力6Kg
で巻き付けた以外は、実施例2と同様にして管状体を作
製した。樹脂フローはなかった。この管状体を4点曲げ
テストをしたところ破壊強度55kgf/mm2 と15
%の強度低下があった。破断面を観察すると断面にボイ
ドが10%存在していた。
【0035】(比較例5)第1の層のプリプレグの樹脂
含有率を40重量%、第2の層のプリプレグの樹脂含有
率を27重量%とした以外は、実施例2と同様にしてプ
リプレグを作製し、管状体を成形した。樹脂フローが8
重量%と多すぎて、繊維の乱れた管状体となった。この
管状体を4点曲げテストをしたところ破壊強度60kg
f/mm2であったが、重量が実施例2の管状体と比較
して10%程重く、軽量化した管状体はできなかった。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、低樹脂含有率の軽量高
強度のプリプレグと特定のラッピングフィルムによっ
て、繊維強化樹脂管状体を成形することで、軽量化され
た、成形体に実質的にボイドのない、強度が高く、強度
ばらつきの少ない物性の優れた管状体成形物が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】4点曲げ測定方法を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1:円筒試料 2:支点 3:圧子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29L 9:00 23:00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マンドレルに、強化繊維とマトリックス樹
    脂からなり、かつ、マトリックス樹脂の含有率が13〜
    27重量%であるプリプレグを巻き付け、その上に、マ
    トリックス樹脂に対して易剥離性を有する熱収縮性フィ
    ルムからなる第1の層と、その第1の層よりも高いヤン
    グ率を有する熱収縮性フィルムからなる第2の層との層
    状構成を有する、厚さ10〜30μのFRP成形用ラッ
    ピングテープを、該ラッピングテープを構成する前記第
    1の層がプリプレグ側になるように巻き付け、樹脂フロ
    ー率0.1重量%以下となるよう成形して、ボイド含有
    率が0.1%以下の繊維強化樹脂管状体を得ることを特
    徴とする繊維強化樹脂管状体の製造方法。
  2. 【請求項2】前記プリプレグが多層構成のプリプレグで
    あり、少なくとも、繊維目付が50〜300g/m2
    樹脂含有率が13〜27重量%であるA層と、繊維目付
    が5〜50g/m2 、樹脂含有率が17〜33重量%で
    あるB層を有し、A層とB層とが88〜90度の範囲の
    角度で交差するよう積層されていることを特徴とする請
    求項1に記載の繊維強化樹脂管状体の製造方法。
  3. 【請求項3】プリプレグを構成する層が、一方向引揃え
    繊維シートであることを特徴とする請求項1または2に
    記載の繊維強化樹脂管状体の製造方法。
  4. 【請求項4】マトリックス樹脂がエポキシ樹脂であるこ
    とを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の繊
    維強化樹脂管状体の製造方法。
  5. 【請求項5】プリプレグに使用する強化繊維が炭素繊維
    または黒鉛繊維であることを特徴とする請求項1ないし
    4のいずれかに記載の繊維強化樹脂管状体の製造方法。
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Cited By (8)

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