JPH07227939A - ハニカムコキュア成形方法 - Google Patents

ハニカムコキュア成形方法

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JPH07227939A
JPH07227939A JP6019212A JP1921294A JPH07227939A JP H07227939 A JPH07227939 A JP H07227939A JP 6019212 A JP6019212 A JP 6019212A JP 1921294 A JP1921294 A JP 1921294A JP H07227939 A JPH07227939 A JP H07227939A
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JP
Japan
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honeycomb
prepreg
core material
molding method
fiber
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Application number
JP6019212A
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English (en)
Inventor
Masazumi Enou
正純 得納
Toshiaki Azuma
利昭 東
Toshio Muraki
俊夫 村木
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】ハニカムコア材と該ハニカムコア材の上下面に
繊維織物強化複合材料スキン材が一体化されたハニカム
成形品を製造するに際して、ハニカムコア材の上下面に
繊維強化プリプレグを積層し、該プリプレグ積層面の一
方とツール面との間に、厚さが10ミクロン以上、かつ
200ミクロン以下である均一なフィルムを介在せしめ
て、加熱、加圧成形することを特徴とするハニカムコキ
ュア成形方法。 【効果】スキン材表面およびスキン材中のポロシティが
少ないハニカム成形品を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハニカムコキュア成形
方法に関するものである。更に詳細には、繊維強化複合
材料スキン材にポロシティの少ないハニカム成形品を得
ることができるハニカムコキュア成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】強化繊維とエポキシ樹脂樹脂とからなる
繊維強化複合材料は、その優れた力学特性などを生かし
て、航空機・自動車等の構造材料に広く使われている。
近年、繊維強化複合材料が航空機一次構造材料やプレミ
アムスポーツ材料などの先進複合材料に適用されるに至
って、繊維強化複合材料に対する要求特性はますます厳
しくなってきている。特に、航空機の軽量化の観点か
ら、繊維強化複合材料がハニカム構造と一体化されて使
用されるケースが増加している。この場合、アラミド紙
等からなるハニカムコア材の両面に(場合によって、接
着剤フィルムを介して)スキン材としてプリプレグを積
層し、プリプレグそのものの硬化とハニカムとの接着と
を同時に行なう、いわゆるコキュア成形によって、ハニ
カム成形品を製造することが生産効率などの点から一般
的に行われている。
【0003】しかし、従来のコキュア成形には、ハニカ
ムコアの六角形状空洞の上下面に積層したプリプレグに
は成形中に圧力が掛かりにくく、その結果として作製さ
れた複合材料スキン材の層間あるいは層内にポロシティ
(空隙)が発生しやすいという問題がある。
【0004】そのようなポロシティを有するハニカム成
形品で、例えば航空機のスポイラーを構成した場合、ス
キン材のポロシティに水が溜まり、航空機が高い高度を
飛行中にその水分が凍結してスキンにひび割れを誘発
し、これを繰り返している内にハニカムにも水分が侵入
するようになり、パネルの物性が低下して航空機の安全
な運行に支障を来すようになる。換言すれば、このよう
なポロシティ量が多ければ、繊維強化複合材料としての
信頼性が損なわれることになる。したがって、ハニカム
成形品の複合材料スキン材中には、ポロシティが生成し
ないことが要求される。
【0005】これまでに、ハニカム成形に用いることを
目的とした炭素繊維強化プリプレグおよびそれに用いる
マトリックス樹脂に関する従来技術として以下のものが
ある。
【0006】特公昭63−30925、特公平1−29
814号公報では、プリプレグとハニカムとの直接接着
性が良く、スキン材としての硬化板のコンポジット特
性、特に層間剪断強度(ILSS)が高いことを満足す
るための次のエポキシ樹脂組成物を開示している。すな
わち、エポキシ樹脂としてビスフェノールA型、ノボラ
ック型およびグリシジルアミン型の3種を選び、両末端
にカルボキシル基を有する液状のブタジエン−アクリロ
ニトリル共重合体とグリシジルアミン型エポキシ樹脂と
の反応生成物を含有させ、更にニトリルゴムと硬化剤と
してのジシアンジアミドを添加し、かつ各成分の含有比
率を所定のものにすることにより上記特性を達成すると
している。また、特公昭62−28167号公報では、
強化繊維として炭素繊維と芳香族ポリアミド繊維のハイ
ブリッド材を用いた場合に適したマトリックス樹脂とし
て、エポキシ樹脂、両末端にカルボキシル基を有する液
状のブタジエン−アクリロニトリル共重合体とエポキシ
樹脂との反応生成物、ジシアンジアミドさらに末端にア
ミノ基を有する液状または半固形状ポリアミドを含むこ
とを特徴とする組成物を開示している。特開昭58−8
2755号公報、特開昭58−83022号公報、特開
昭58−83031号公報においては、エポキシ樹脂、
両末端にカルボキシル基を有する液状のブタジエン−ア
クリロニトリル共重合体とエポキシ樹脂との反応生成
物、ジシアンジアミドとジアミノジフェニルスルホンを
併用した組成物を用いれば、プリプレグとハニカムとの
直接接着性が優れ、特に高温下におけるハニカムとの接
着強度が高くなることが述べられている。
【0007】特開昭57−21427号公報、特開昭5
7−21450号公報においては、エポキシ樹脂、両末
端にカルボキシル基を有する液状のブタジエン−アクリ
ロニトリル共重合体とエポキシ樹脂との反応生成物、ニ
トリルゴムおよびジシアンジアミドに代表される硬化剤
からなる組成物をアセトン−メチルセロソルブ混合溶剤
等に溶解し、繊維に含浸させたプリプレグは、ハニカム
成形体に優れた接着強度と高い耐衝撃強度および曲げ強
度を与えることが述べられている。
【0008】特開昭57−49646には、エポキシ樹
脂とニトリルゴムと分子量1万以上の高分子量エポキシ
樹脂とからなる樹脂組成物を用いたプリプレグは、ハニ
カムとの直接接着性に優れ、ハニカム成形品に優れた接
着強度と高度の曲げ強度とを与えることが述べられてい
る。実施例によれば、ジシアンジアミドを硬化剤として
用い、組成物をアセトン−メチルセロソルブ混合溶剤等
に溶解してプリプレグを作製している。
【0009】しかしながら、以上述べたいずれの技術も
ハニカム成形品のスキン材中のポロシティを低減できる
ものではない。さらに、耐熱性に優れるため、航空機用
途に用いられることが多いジアミノジフェニルスルホン
を硬化剤の主成分としたエポキシ樹脂において、ジシア
ンジアミドを硬化剤主成分とした場合に較べて、はるか
にスキン材の層間ポロシティが発生しやすく、その改善
は非常に困難な課題とされてきた。
【0010】一方、プリプレグやマトリックス樹脂を改
良するのではなく、成形方法を改良することによって、
プリプレグ層内やプリプレグ層間に存在するボイドを成
形過程において除去し、成形品中のポロシティ量を低下
させる試みがある。例えば、ギオース(SETH R.GHIORS
E)らは(要出典調査)、積層品に対して真空下で超音
波振動を加えながらボイドを除去する方法や、プリプレ
グ層間に挿入したスクリムクロスを通してボイドを除去
する方法等を提案している。また、アーン(K.J.Ahn )
やセフェリス(J.C.Seferis )らは、サンペ国際シンポ
ジウム(SAMPE Int'l Symp. ),35,(2),2260(1990)にお
いて、プリプレグ積層品の空気透過能が大きいほど、緻
密な成形物が得られ易いことを指摘している。いずれの
方法も複数枚のプリプレグを重ね合わせて厚みが増加し
た積層品を扱うことになるため、例えば、空気透過能の
大きい一方向プリプレグの層間のボイドを強化繊維に沿
って除くことは出来ても、層内のボイドを除去すること
については、満足した効果を得るには至っていない。ま
た、これらの技術では、ハニカムコア材を用いない通常
の複合材料積層板を成形するときには効果が認められた
としても、ハニカムコキュア成形におけるポロシティ低
減に効果があるものではなかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、繊維強化複
合材料スキン材中のポロシティが少ないハニカム成形品
を得ることができるハニカムコキュア成形方法を提供す
ることを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明のハニカムコキュア成形方法は以下の構成を
有する。すなわち、ハニカムコア材と該ハニカムコア材
の上下面に繊維織物強化複合材料スキン材が一体化され
たハニカム成形品を製造するに際して、ハニカムコア材
の上下面に繊維強化プリプレグを積層し、該プリプレグ
積層面の一方とツール面との間に、厚さが10ミクロン
以上、かつ200ミクロン以下である均一なフィルムを
介在せしめて、加熱、加圧成形することを特徴とするハ
ニカムコキュア成形方法である。
【0013】以下、詳細に本発明について説明する。
【0014】プリプレグ表面には一般に微細な凹凸が存
在するが、この様なプリプレグがアルミニウムや鉄など
の金属素材からなるツール面に接触する場合、プリプレ
グの凹んだ部分には圧力が掛かりにくくなるために、ハ
ニカム成形品のスキン材表面にプリプレグの凹んだ部分
がそのまま残存して、表面ポロシティを形成するに至っ
てしまう。また、表面ポロシティ近傍のプリプレグ層内
部も同様に圧力が掛かりにくくくなるために、内部ポロ
シティが発生しやすくなる。
【0015】したがって、プリプレグ表面の凹んだ部分
に十分な圧力を伝えることができるようにすることが必
要であり、本発明においては、ハニカム積層体とツール
面との間に均一なフィルムを介在せしめることにより、
該フィルムの弾力性を利用してハニカム面に積層された
プリプレグ層に対して均一な圧力が掛かるようにした。
【0016】本発明に用いる均一なフィルムとしては、
ポリエステルやナイロンなどの一般的な熱可塑性樹脂か
らなるフィルムやポリイミドやポリスルホンといった熱
可塑性エンジニアリングプラスチック等からなるフィル
ムを用いることもできるが、スチレンブタジエンゴム、
アクリロニトリルブタジエンゴム、シリコーンゴム、フ
ッ素ゴムといった固形ゴムや、ポリスチレン系、ポリオ
レフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリア
ミド系、ポリブタジエン系、フッ素ゴム系の熱可塑性エ
ラストマーなどからできた弾力性に富むフィルムが好ま
しく、なかでもポリブタジエン系熱可塑性エラストマ
ー、フッ素ゴム系熱可塑性エラストマーからできたフィ
ルムが好ましい。
【0017】これらのフィルムは、プリプレグ表面の凹
んだ部分に対しても十分な圧力を伝えるためには、10
ミクロン以上であることが必要であり、好ましくは25
ミクロン以上の厚さを有することが望ましい。一方、フ
ィルムの厚さが厚すぎると、ツール表面が曲面構造を有
するような場合、フィルムをツール面に密着させること
が困難となるため、フィルムの厚みとしては200ミク
ロン以下であることが必要であり、好ましくは150ミ
クロン以下であることが望ましい。
【0018】本発明に用いるプリプレグのマトリックス
としては特に制限はないが、耐熱性が高く、かつ成形性
に優れたエポキシ樹脂、特に、アミン類、フェノール
類、炭素炭素二重結合を有する化合物を前駆体とするエ
ポキシ樹脂が好ましい。具体的には、アミン類を前駆体
とするエポキシ樹脂として、テトラグリシジルジアミノ
ジフェニルメタン、トリグリシジル−p−アミノフェノ
ール、トリグリシジル−m−アミノフェノール、トリグ
リシジルアミノクレゾールの各種異性体が挙げられる。
テトラグリシジルジアミノジフェニルメタンは航空機構
造材としての複合材料用樹脂として特に耐熱性に優れる
ため更に好ましい。
【0019】フェノール類を前駆体とするエポキシ樹脂
として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノ
ールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹
脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール
ノボラック型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ
樹脂が挙げられる。液状のビスフェノールA型エポキシ
樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂は低粘度である
ために、他のエポキシ樹脂や添加剤と配合することが好
ましい。
【0020】また、これらのエポキシ樹脂は、単独で用
いてもよいし、適宜配合して用いてもよい。グリシジル
アミン型エポキシ樹脂とグリシジルエーテル型エポキシ
樹脂の組み合わせは、耐熱性、耐水性および作業性を併
せ持つため好ましい。
【0021】エポキシ樹脂は、エポキシ樹脂硬化剤と組
み合わせて、好ましく用いられる。エポキシ硬化剤は、
エポキシ基と反応し得る活性基を有する化合物であれ
ば、これを用いることが出来る。好ましくは、アミノ
基、酸無水物基、アジド基を有する化合物が適してい
る。例えば、ジシアンジアミド、ジアミノジフェニルス
ルホンの各種異性体、アミノ安息香酸エステル類、各種
酸無水物、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボ
ラック樹脂が挙げられる。ジシアンジアミドは、プリプ
レグの保存性に優れるため好ましく用いられる。芳香族
ジアミンを硬化剤として用いると、耐熱性の良好なエポ
キシ樹脂硬化物が得られる。特に、ジアミノジフェニル
スルホンの各種異性体は、耐熱性の良好な硬化物を与え
るため、本発明には最も適している。その添加量は、エ
ポキシ樹脂のエポキシ基とジアミノジフェニルスルホン
の活性水素が化学量論として当量になるよう、配合する
ことが好ましい。
【0022】本発明のエポキシ樹脂組成物には、樹脂に
適当な流動性と粘着性を与え、また硬化物の耐衝撃性を
高める目的から、固形アクリロニトリルブタジエンゴム
が好ましい成分として用いられる。固形ゴムとは、室温
において流動性を持たないゴムを云う。固形ゴムの好ま
しい配合量としては、2〜15重量%である。配合量が
2%より少ない場合、樹脂の流動性が大きくなり成形中
にマトリックス樹脂がハニカムコア中に流れ出してしま
う場合がある。逆に、固形ゴムの添加量が15%より多
いと、複合材料の耐熱性が低下する場合がある。
【0023】強化繊維としては、一般に高性能強化繊維
として用いられる耐熱性及び引張強度の良好な繊維が本
発明には好適に使用される。例えば、その強化繊維に
は、炭素繊維、黒鉛繊維、アラミド繊維、炭化ケイ素繊
維、アルミナ繊維、ボロン繊維などが挙げられるが、こ
の内、比強度、比弾性率が高く、軽量化に大きな寄与が
認められる炭素繊維や黒鉛繊維が、この発明には最も好
適である。炭素繊維や黒鉛繊維は用途に応じて、あらゆ
る種類の炭素繊維や黒鉛繊維を用いることが可能である
が、引張強度450Kgf/mm2 、引張伸度1.6%以上の
高強度高伸度炭素繊維が最も適している。
【0024】スキン材として使用する繊維強化複合材料
の繊維強化材として、繊維織物を使用した場合には、織
組織に由来するプリプレグの凹凸が大きくなるために、
成形後にポロシティの発生する傾向が大きいため、本発
明による効果は一層顕著となる。織物繊維としては、従
来公知の二次元織物を用いることが出来る。織物組織と
しては、平織、朱子織など、経糸と緯糸が一定の法則に
したがって直角に交錯した二軸織物が好ましい。更に、
これらの二軸織物は、プリプレグを構成する炭素繊維織
物の交錯部における織り糸の曲りが小さくて応力集中に
よる破壊の問題が殆どなく、また、表面平滑性に優れた
含浸性の良好なものとするために、以下の関係式で得ら
れる係数kが3.5×10-2〜10.0×10-2(mm ・
-5/9)であり、かつカバーファクターが90.0〜9
9.8%の範囲にあるものが好ましい。
【0025】k=W÷(D/ρ)5/9 ここで、W:経糸あるいは緯糸の幅(mm) D:経糸または緯糸の繊度( D;デニール) ρ:炭素繊維の比重 プリプレグを用いたコンポジットの成形方法としては、
真空バッグ成形、真空バッグを用いたオートクレーブ成
形、プレス成形等を挙げることが出来るが、ハニカムコ
キュア成形品を作製する場合には、ハニカムコア材の上
下面に繊維強化プリプレグを積層したものをツール面に
置き、それを熱可塑性フィルム中に封じ込めて内部を減
圧にした後に、オートクレーブ中で加熱、加圧すること
を特徴とする、いわゆる真空バッグによるオートクレー
ブ成形が好ましく用いられる。成形時の温度条件は、使
用する樹脂と硬化剤との組合わせによって変化するが、
硬化剤として本発明に適したジアミノジフェノルスルホ
ンを使用した場合には、180℃×2時間の条件が好ま
しく用いられる。また、成形時の圧力条件は、2〜4Kg
f/cm2 の条件が好ましく用いられる。2Kgf/cm2 よりも
低圧の条件では、ハニカム積層体に十分な圧力が掛から
ず、スキン材中のポロシティが低減しにくい場合もあ
る。逆に、4Kgf/cm2 よりも高圧の条件では、場合によ
ってはハニカムコアが押しつぶされることもある。
【0026】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明する。なお、本例中、ポロシティ含有率は次のよう
にして求めた。
【0027】ハニカム成形品のスキン材の中央部をダイ
ヤモンドカッターで切断し、該切断面をサンドペーパー
で研磨した後に、その研磨面を切断面全域にわたって、
光学顕微鏡(本実験では、ニコン (株) 製顕微鏡MM−
20を用いた)を用いて25倍に拡大して写真撮影す
る。その写真におけるポロシティの占有面積のスキン材
切断面の断面積に対する割合の百分率で表したものをポ
ロシティ含有率とした。なお、面積の測定については、
精度良く行えるものであれば特に限定はされないが、本
実験では、面積を測定しようするものの外周を、単位面
積当たりの重量が実質的に一定のトレーシングペーパー
に写し取り、それを切り取ったものの重量から面積を求
めた。
【0028】(実施例1)下記組成のエポキシ樹脂組成
物をニーダーで調製した。
【0029】 <エポキシ樹脂> ELM434(テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン) 40重量部 EPC830(ビスフェノールF型エポキシ) 20重量部 EPC152(臭素化ビスフェノールA型エポキシ) 63重量部 EP828 (ビスフェノールA型エポキシ) 127重量部 <硬化剤> 4,4'-DDS(4,4'-ジアミノジフェニルスルホン) 80重量部 <固形ゴム> NIPOL1072 (カルボキシル基末端アクリロニトリルブタジエンゴム) 25重量部(7.0重量%) レオメトリックス社製RDA−II型装置を用いて、以下
の条件で樹脂の粘度測定を行なったところ、80℃粘度
および最低粘度は、それぞれ700ポアズと90ポアズ
であった。
【0030】(粘度測定条件) 操作モード:ダイナミックモード 振動数3.14ラジアン/秒 昇温速度:1.5℃/分 プレート構成:平行板(半径25mm) ギャップ0.83mm 次いで、この樹脂を80℃に短時間加熱し、離型紙にコ
ーティングして樹脂フィルムとした。
【0031】この樹脂フィルムをプリプレグマシンにセ
ットし、炭素繊維織物(東レ (株)製トレカ(登録商
標)7373Z)の両面から樹脂含浸を行なった。この
時の含浸温度は100℃、含浸圧力は4kgf/cm2 であ
り、樹脂含有率40%のタック、ドレープ性に優れた織
物プリプレグが得られた。
【0032】次に、厚さ50ミクロンのフッ素樹脂フィ
ルム(東レ (株) 製トヨフロン(登録商標)FEP)を
敷いたアルミニウム製ツール板上に、上記織物プリプレ
グを1枚置き、その上に織り糸の方向が、先に置いたプ
リプレグの織物の織り糸に対して±45゜になるように
更に織物プリプレグを置き、次いで、その上にセル孔の
大きさが1/8インチ(約3.2mm)で、厚みが1/
2インチ(約12.7mm)のアラミドハニカムコア材
(アラミド紙に耐熱性フェノール樹脂を含浸してなる材
料からなるハニカムコア材)を置き、更にその上に2枚
の上記プリプレグを、織り糸の方向が、アラミドハニカ
ム体の厚み中心に対して最初に置いた2枚のプリプレグ
の織物と鏡面対称になるように置き、全体をフッ素樹脂
フィルムでパックした。
【0033】上記パック体をオートクレーブに入れ、パ
ック体内を減圧しながら、3kgf/cm2 の加圧下に、1.
5℃/分の速度で180℃に加熱し、その温度に2時間
保持し、織物プリプレグのエポキシ樹脂を硬化させてス
キンを形成すると共に、そのスキン材とハニカムコア材
とを接着した。
【0034】この様にして得られたハニカム成形品のス
キン材のポロシティ含有率は0.01%以下であった。
【0035】(実施例2)厚さ125ミクロンのフッ素
樹脂フィルムを使用すること以外は実施例1と同様の評
価を行なった。得られた複合材料のポロシティ含有率
は、0.01%以下であり、実施例1と同様にポロシテ
ィ含有率は非常に低かった。
【0036】(実施例3)厚さ50ミクロンのポリエス
テルフィルム(東レ (株) 製ルミラー(登録商標))を
使用すること以外は実施例1と同様の評価を行なった。
得られた複合材料のポロシティ含有率は、0.01%以
下であり、実施例1と同様にポロシティ含有率は非常に
低かった。
【0037】(比較例1)フッ素樹脂フィルムを使用し
ないこと以外は実施例1と同様の評価を行なった。得ら
れたハニカム成形品のスキン材のポロシティ含有率は、
0.4%であり、実施例1より劣っていた。
【0038】(比較例2)厚さ5ミクロンのフッ素樹脂
フィルムを使用すること以外は実施例1と同様の評価を
行なった。得られたハニカム成形品のスキン材のポロシ
ティ含有率は、0.3%であり、実施例1より劣ってい
た。
【0039】
【発明の効果】本発明のハニカムコキュア成形方法によ
って、スキン材表面およびスキン材中にポロシティを生
じにくいハニカム成形品を提供することができ、このよ
うなハニカム成形品は、航空機用構造材などとして使用
した場合、その長期使用による物性低下が起こりにく
く、これまで使用が控えられていた構造部位にまで使用
することが可能となる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年3月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】一方、プリプレグやマトリックス樹脂を改
良するのではなく、成形方法を改良することによって、
プリプレグ層内やプリプレグ層間に存在するボイドを成
形過程において除去し、成形品中のポロシティ量を低下
させる試みがある。例えば、ギオース(SETH R.GHIORS
E)らはAD Report 25p(1991) において、積層品に対し
て真空下で超音波振動を加えながらボイドを除去する方
法や、プリプレグ層間に挿入したスクリムクロスを通し
てボイドを除去する方法等を提案している。また、アー
ン(K.J.Ahn )やセフェリス(J.C.Seferis )らは、サ
ンペ国際シンポジウム(SAMPE Int'l Symp. ),35,(2),
2260(1990)において、プリプレグ積層品の空気透過能が
大きいほど、緻密な成形物が得られ易いことを指摘して
いる。いずれの方法も複数枚のプリプレグを重ね合わせ
て厚みが増加した積層品を扱うことになるため、例え
ば、空気透過能の大きい一方向プリプレグの層間のボイ
ドを強化繊維に沿って除くことは出来ても、層内のボイ
ドを除去することについては、満足した効果を得るには
至っていない。また、これらの技術では、ハニカムコア
材を用いない通常の複合材料積層板を成形するときには
効果が認められたとしても、ハニカムコキュア成形にお
けるポロシティ低減に効果があるものではなかった。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハニカムコア材と該ハニカムコア材の上下
    面に繊維織物強化複合材料スキン材が一体化されたハニ
    カム成形品を製造するに際して、ハニカムコア材の上下
    面に繊維強化プリプレグを積層し、該プリプレグ積層面
    の一方とツール面との間に、厚さが10ミクロン以上、
    かつ200ミクロン以下である均一なフィルムを介在せ
    しめて、加熱、加圧成形することを特徴とするハニカム
    コキュア成形方法。
  2. 【請求項2】プリプレグに用いるマトリックス樹脂が、
    エポキシ樹脂、ニトリルゴムおよびジアミノジフェニル
    スルホンを主成分とすることを特徴とする請求項1記載
    のハニカムコキュア成形方法。
  3. 【請求項3】繊維織物が、炭素繊維織物であることを特
    徴とする請求項1または2記載のハニカムコキュア成形
    方法。
  4. 【請求項4】ハニカムコア材の上下面に繊維強化プリプ
    レグを積層したものを、ツールと熱可塑性フィルム中で
    形成した密閉系の中に封じ込めて、密閉系内部を減圧に
    した後に、オートクレーブ中で加熱、加圧することを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のハニカムコキ
    ュア成形方法。
JP6019212A 1994-02-16 1994-02-16 ハニカムコキュア成形方法 Pending JPH07227939A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1999002586A1 (fr) * 1997-07-11 1999-01-21 Toray Industries, Inc. Tissu preimpregnee et panneau sandwich a ame alveolaire
JP2003513110A (ja) * 1998-05-20 2003-04-08 サイテック テクノロジー コーポレーション 空隙のない積層品の製造およびその使用法
KR100779266B1 (ko) * 2006-08-23 2007-11-29 한양소재 주식회사 경량 판재 및 그의 제조방법
JP2009512571A (ja) * 2005-09-29 2009-03-26 エアバス・フランス 複合構造の外皮を修復するための方法

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